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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031560
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
H04M3/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137118
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 琳
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA14
5K201CC02
5K201CC03
5K201EC05
5K201EC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オペレータに発生している問題の検知と支援を迅速に行う処理装置、処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】コールセンタシステムにおいて、処理装置及びコンピュータとしてのコールセンタサーバ100に、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部であるアラート判定部104と、第1の処理部がアラートが発生していると判定した場合に、当該アラートに基づくアラート情報とオペレータ端末から受信した操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部であり、第1の処理部がアラートが発生していると判定した場合に、アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とをオペレータ端末に通知する第3の処理部であるアラート通知部105と、を設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部と、
前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部と、
前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する第3の処理部と
を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理部は、
前記操作情報と、あらかじめ設定された、前記アラートが発生しているか否かを判定する為のアラート指標を示すアラート指標情報とに基づいて、前記アラートが発生しているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記第1の処理部は、
前記操作情報を解析して前記アラート指標に基づくアラート指標値を求め、当該アラート指標値が前記アラート指標情報に含まれるアラート通知基準を満たしている場合に、前記アラートが発生していると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記アラート指標は、
前記オペレータによる通話時間、通話中の保留時間、通話後の後処理時間、通話中の保留回数、業務アプリケーションを操作していない時間、規定時間に対するオペレータの稼働時間のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第3の処理部は、
前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合で、且つ当該アラートが発生した際に前記アラート情報と前記メッセージ情報とを通知するよう設定されている場合に、前記アラート情報と前記メッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の処理装置。
【請求項6】
前記第3の処理部は、
前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合で、且つ前記オペレータが在宅で業務を行うオペレータである場合に、前記アラート情報と前記メッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の処理装置。
【請求項7】
前記第3の処理部は、
前記アラート情報と前記メッセージ情報とをチャットメッセージとして前記オペレータ端末に通知する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の処理装置。
【請求項8】
処理装置の処理方法であって、前記処理装置は、
オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定するステップと、
前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知するステップと、
前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知するステップとを有する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部と、
前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部と、
前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する第3の処理部と
して機能させる為のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業が、顧客からの問い合わせに対応する為のコールセンタを有している。コールセンタでは、オペレータが在宅勤務の場合があり、この場合、管理者は、当該オペレータを目視確認できない。この為、管理者は、在宅勤務のオペレータに対し、顧客対応状況や稼働状況のチェック、当該オペレータに発生している問題の検知や支援を行うことが難しかった。
【0003】
そこで従来、特許文献1に記載されているように、在宅勤務のオペレータが使用するヘッドセットにセンサを設け、当該センサの検知結果から当該オペレータがヘッドセットを装着しているかどうかを判断することで、当該オペレータが着座しているかどうかを確認する技術が提案されている。
【0004】
また特許文献2に記載されているように、管理者が使用する管理者端末が、在宅勤務のオペレータが使用するオペレータ端末から操作情報を収集し、収集した操作情報に基づいて、当該オペレータが業務を怠っている可能性があるかどうかを推定し、怠っている可能性があると推定される場合にのみ、当該オペレータのオペレータ端末に対してカメラの起動を要求する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-282154号公報
【特許文献2】特開2009-111833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、在宅勤務のオペレータが着座しているかどうかや、業務を怠っているかどうかを確認できるだけであり、在宅勤務のオペレータに発生している問題(アラート)の検知と支援(フォロー)を迅速に行うことは難しかった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮したものであり、オペレータに発生している問題の検知と支援を迅速に行い得る処理装置、処理方法及びプログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の処理装置においては、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報と前記オペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する第3の処理部とを備える。
【0009】
また本発明の処理方法は、処理装置の処理方法であって、前記処理装置は、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定するステップと、前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知するステップと、前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報と前記オペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知するステップとを有する。
【0010】
さらに本発明のプログラムにおいては、コンピュータを、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報と前記オペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する第3の処理部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
かくして本発明は、オペレータに発生している問題の検知と支援を迅速に行い得る処理装置、処理方法及びプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】コールセンタシステムの構成を示す図である。
図2】アラート指標情報の構成を示す図である。
図3】アラート一覧として表示されるアラート情報の構成を示す図である。
図4】コールセンタシステムの動作を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
[1.コールセンタシステムの構成]
まず図1を用いて、本実施の形態によるコールセンタシステム1の構成について説明する。このコールセンタシステム1は、企業などのコールセンタに導入されるシステムであり、PBX10と、コールセンタサーバ100と、管理者端末200と、オペレータ端末300とを有している。
【0015】
このうち、PBX10とコールセンタサーバ100と管理者端末200は社内のLAN20に接続され、オペレータが在宅で利用するオペレータ端末300はインターネットNtを介してLAN20に接続されている。尚、図1は、説明を簡単にする為、インターネットNtを介してLAN20に接続されているオペレータ端末300が1台(つまり在宅のオペレータが1人)となっているが、インターネットNtを介してLAN20に接続されているオペレータ端末300が複数台(つまり在宅のオペレータが複数人)となっていてもよい。またインターネットNtではなくイントラネットを介して、1又は複数台のオペレータ端末300がLAN20に接続されていてもよい。また、管理者端末200は、インターネットNtで社内LAN20に接続されてもよい。
【0016】
PBX10は、構内交換機(Private Branch eXchange)であり、電話網30との接続を制御する。
【0017】
コールセンタサーバ100は、顧客に提供するコールセンタサービスに係る処理を実行する処理装置である。このコールセンタサーバ100は、図中省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶部と、ネットワークインタフェースなどの各種インタフェースとを有するコンピュータ装置として構成され、記憶部に記憶されているプログラムをCPUがメモリ上に読み込んで実行することにより各種機能を実現するようになっている。
【0018】
具体的には、コールセンタサーバ100は、操作入力部101、表示出力部102、呼制御部103、アラート判定部104、アラート通知部105、アラート指標情報格納部106、アラート一時格納部107、オペレータ操作情報格納部108、及びオペレータ登録情報格納部109を有している。
【0019】
操作入力部101は、マウスやキーボードを介してユーザからの指示の入力を受け付ける。表示出力部102は、各種データをディスプレイに出力する。呼制御部103は、PBX10からの着呼(つまり電話網30からの着呼)を受け取り、当該着呼をオペレータ端末300に転送し、顧客の電話機とオペレータ端末300との間の通話チャネルを確立させる。また呼制御部103は、内線端末(LAN20に接続されている管理者端末200やオペレータ端末300)からの着呼を受け取り、当該着呼を対象の内線端末に転送し、内線端末間の通話チャネルを確立させる。
【0020】
アラート判定部104は、オペレータ端末300から定期的(例えば数分ごと)に提供される操作情報(つまりオペレータ端末300に対して行われた操作を示す情報)と、アラート指標情報格納部106に格納されているアラート指標ごとの情報であるアラート指標情報120(図2参照)とに基づいて、オペレータにアラートが発生しているか否かを定期的に判定し、アラートが発生していると判定した場合に、アラート通知部105にアラート通知を行うように要求する。
【0021】
尚、オペレータ端末300から定期的に提供される操作情報は、オペレータ操作情報格納部108に格納されるようになっている。よってアラート判定部104は、オペレータ操作情報格納部108から操作情報を取得する。また上述したアラート指標とは、オペレータにアラートが発生しているか否かを判定する為の指標であり、具体的には、通話時間、保留時間、後処理時間などである。また詳しくは後述するが、図2に示すように、アラート指標情報120は、アラート指標名120a、アラート通知基準120b、アラート内容120c、オペレータ通知要否120d、オペレータ支援メッセージ120e、備考(影響)120fで構成されている。
【0022】
アラート判定部104についてより詳しく説明すると、アラート判定部104は、オペレータ端末300から定期的に提供される操作情報を解析して、アラート指標情報120ごとに(つまりアラート指標ごとに)、アラート指標に基づく値(つまり通話時間、保留時間、後処理時間などの値であり、以下、アラート指標値と呼ぶ)を求める。尚、オペレータ端末300から定期的に提供される操作情報は、例えば、オペレータがオペレータ端末300にログインしている間に、オペレータ端末300に対して行われた操作を示す情報となっている。
【0023】
さらにアラート判定部104は、アラート指標ごとに、アラート指標値がアラート指標情報120に含まれているアラート通知基準120b(例えば「>3分」、「>1分」、「>2回」など)を満たしているか否かを判定する。ここで、アラート指標ごとに求めたアラート指標値の少なくとも1つがアラート通知基準120bを満たしている場合、このことは、オペレータにアラートが発生している可能性が高いことを意味する。つまりアラート判定部104は、オペレータ端末300から提供された操作情報をもとに求めたアラート指標値がアラート通知基準120bを満たしているか否かを判定することで、オペレータにアラートが発生しているか否かを判定するようになっている。
【0024】
ここで、アラート通知基準120bを満たしているアラート指標値がある場合、アラート判定部104は、アラート指標情報格納部106に格納されているアラート指標情報120のうち、当該アラート指標値に対応するアラート指標情報120を、アラート一時格納部107に格納する。そしてアラート判定部104は、アラート指標ごとに求めた全てのアラート指標値とアラート通知基準120bとの照合が終了すると、アラート通知基準120bを満たしているアラート指標値が1つ以上あった場合に、アラート通知部105にアラート通知を行うように要求する。
【0025】
アラート通知部105は、アラート判定部104からアラート通知の要求を受けた場合に、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のアラート内容120cと、オペレータ端末300から提供された操作情報(つまりオペレータ操作情報格納部108に格納されている操作情報)とを、管理者端末200に通知(つまり送信)する。またアラート通知部105は、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のうち、オペレータ通知要否120dが「Yes」に設定されているアラート指標情報120については、当該アラート指標情報120のアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとをオペレータ端末300に通知する。
【0026】
アラート指標情報格納部106は、図2に示すアラート指標情報120を格納する。図2では、一例として、通話時間、保留時間、後処理時間、保留回数、業務AP操作なし時間、規定時間内稼働率の計6個のアラート指標に対応する6個のアラート指標情報120がアラート指標情報格納部106に格納されている。尚、アラート指標情報格納部106には、少なくとも1つのアラート指標に対応するアラート指標情報120が格納されていればよい。
【0027】
6個のアラート指標のうち、通話時間はオペレータが顧客と通話した時間であり、保留時間はオペレータが通話中に保留した時間であり、後処理時間はオペレータが通話後に行う後処理に要した時間であり、保留回数はオペレータが保留した回数である。尚、通話時間、保留時間、後処理時間、保留回数は、例えば1コールごとの指標となっている。また業務AP操作なし時間はオペレータがオペレータ端末300にインストールされている業務アプリケーションを操作していない時間であり、規定時間内稼働率は規定時間に対するオペレータの稼働時間(例えば通話時間の合計+保留時間の合計+後処理時間の合計+待機時間の合計)の割合である。
【0028】
各アラート指標情報120は、それぞれアラート指標名120a、アラート通知基準120b、アラート内容120c、オペレータ通知要否120d、オペレータ支援メッセージ120e、備考(影響)120fで構成される。また、ユーザより操作入力部101を介して、アラート指標の追加や削除、各アラート指標情報の内容変更を行うことができる。
【0029】
アラート指標名120aは、アラート指標の名前であり、図2では、6個のアラート指標の名前がそれぞれ「通話時間」、「保留時間」、「保留回数」、「業務AP操作なし時間」、「規定時間内稼働率」となっている。アラート通知基準120bは、アラートを通知する基準となる条件であり、例えば通話時間のアラート通知基準120bは「>3分」となっている。これは、オペレータの1コールでの通話時間が3分を超えている場合に、アラートを通知する基準を満たしていることを意味する。つまり、オペレータの1コールでの通話時間が3分を超えている場合に、オペレータの業務にアラートが発生している可能性が高いことを意味する。また、例えば保留回数のアラート通知基準120bは「>2回」となっている。これは、オペレータの1コールでの保留回数が2回を超えている場合に、アラートを通知する基準を満たしていることを意味する。つまり、オペレータの1コールでの保留回数が2回を超えている場合に、オペレータの業務にアラートが発生している可能性が高いことを意味する。
【0030】
アラート内容120cは、アラートの内容であり、アラート指標名120aとアラート通知基準120bとを組み合わせた情報である。例えば、通話時間のアラート内容120cは、「通話時間>3分」となっている。
【0031】
オペレータ通知要否120dは、アラートが発生していると判定された場合(つまりアラート指標値がアラート通知基準120bを満たしている場合)に、当該アラートのアラート内容120cを、オペレータに通知する必要があるか否かを示す情報である。このオペレータ通知要否120dは、「Yes」又は「No」に設定されていて、「Yes」であればオペレータに通知する必要があることを示している。例えば、図2では、アラート指標が通話時間であるアラート指標情報120のオペレータ通知要否120dが「Yes」となっているが、このことは通話時間がアラート通知基準120bを満たしている場合(つまり「通話時間>3分」である場合)に、アラート内容120c(つまり「通話時間>3分」)をオペレータに通知する必要があることを示している。尚、図2では、一例として、アラート指標が通話時間、保留時間、後処理時間、保留回数である4個のアラート指標情報120のオペレータ通知要否120dがそれぞれ「Yes」に設定されている。
【0032】
オペレータ支援メッセージ120eは、アラート内容120cとともにオペレータに通知する支援メッセージであり、「困ることがあったら管理者に連絡しましょう。」のように、アラート発生時にオペレータが気軽に管理者に支援を求めることができるようにする為のメッセージとなっている。備考(影響)120fは、任意で入力可能な情報であり、図2では、各アラート指標が顧客満足性と生産性のどちらに関係するのかを示している。
【0033】
図1に戻り、アラート一時格納部107は、アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートのアラート指標情報120が格納される。このアラート一時格納部107では、アラート指標情報120を、管理者端末200(もしくは管理者端末200とオペレータ端末300)に通知されるまで一時的に格納する。オペレータ操作情報格納部108は、オペレータ端末300から定期的に取得(受信)した操作情報を蓄積する。オペレータ登録情報格納部109は、コールセンタシステム1に登録されているオペレータの登録情報(オペレータ名、パスワード、オペレータが操作するオペレータ端末300の識別情報など)を蓄積する。
【0034】
尚、オペレータ端末300が複数台の場合、オペレータ操作情報格納部108には、例えば、オペレータ端末300の操作情報が当該オペレータ端末300を操作するオペレータの登録情報に紐付けられて蓄積される。つまり、オペレータ端末300が複数台の場合、オペレータ操作情報格納部108には、オペレータ端末300ごと(つまりオペレータごと)の操作情報が蓄積される。
【0035】
この場合、アラート判定部104は、オペレータ端末300ごとの操作情報と、アラート指標情報120とに基づいて、オペレータごとにアラートが発生しているか否かを判定する。こうすることで、アラート判定部104は、アラートが発生しているオペレータを特定することができる。
【0036】
そして、アラート判定部104は、アラートが発生しているオペレータがいる場合に、当該オペレータに発生しているアラートを示すアラート指標情報120を、アラート一時格納部107に格納する。この場合、アラート判定部104は、例えば、アラートが発生しているオペレータの登録情報をアラート指標情報120に紐付けてアラート一時格納部107に格納する。つまり、アラートが発生しているオペレータが複数人の場合、アラート一時格納部107には、アラートが発生しているオペレータごとのアラート指標情報120が格納される。そして、アラート判定部104は、全てのオペレータについてアラートの有無を判定し終えると、アラートが発生しているオペレータが1人以上いる場合に、アラート通知部105にアラート通知を行うように要求する。
【0037】
アラート通知部105は、アラート判定部104からアラート通知の要求を受けた場合に、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のアラート内容120cと、オペレータ端末300から提供された操作情報(つまりオペレータ操作情報格納部108に格納されている操作情報)とを、オペレータの登録情報と紐付けた状態で管理者端末200に通知する。またアラート通知部105は、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のうち、オペレータ通知要否120dが「Yes」となっているアラート指標情報120については、当該アラート指標情報120のアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとを、当該アラート指標情報120に紐付けられているオペレータの登録情報により識別されるオペレータ端末300に通知する。コールセンタサーバ100の構成は、以上のようになっている。
【0038】
管理者端末200は、コールセンタの管理者が操作する端末装置である。この管理者端末200は、図中省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶部と、ネットワークインタフェースなどの各種インタフェースとを有するコンピュータ装置として構成され、記憶部に記憶されているプログラムをCPUがメモリ上に読み込んで実行することにより各種機能を実現するようになっている。
【0039】
具体的には、管理者端末200は、操作入力部201、表示出力部202、音声通話部203、音声通話制御部204、アラート情報表示部205、チャット通信制御部206、及びデータ格納部207を有している。
【0040】
操作入力部201は、マウスやキーボードを介してユーザ(すなわち管理者)からの指示の入力を受け付ける。表示出力部202は、各種データをディスプレイに出力する。音声通話部203は、通常の電話として機能する。具体的には、音声通話部203は、例えば、コールセンタサーバ100から転送されてくる電話網30からの着呼を受け取り、顧客の電話機との間の通話チャネルを形成する。また音声通話部203は、例えば、コールセンタサーバ100から転送されてくる内線端末からの着呼を受け取り、内線端末との間の通話チャネルを形成する。
【0041】
音声通話制御部204は、音声通話部203が顧客の電話機との間の通話チャネルを形成する為の制御を行う。また音声通話制御部204は、音声通話部203が内線端末との間の通話チャネルを形成する為の制御を行う。尚、本実施の形態では、管理者端末200が、通話機能(音声通話部203及び音声通話制御部204)を有する構成となっているが、通話機能については、管理者端末200に設けず、別途、通常の電話機を利用するようにしてもよい。
【0042】
アラート情報表示部205は、コールセンタサーバ100から受信したアラート内容120c(つまりオペレータに発生しているアラートを示すアラート内容120c)に基づいてアラート一覧の画像データを生成し、表示出力部202を介してアラート一覧として画面に表示する。このアラート一覧には、1人のオペレータに発生している全てのアラートを示すアラート発生情報が表示される。また複数人のオペレータにアラートが発生している場合、アラート一覧には、コールセンタサーバ100からアラート内容120cを受信した順番(つまりアラートが発生した順番)に、各オペレータに発生している全てのアラートを示すアラート発生情報が表示される。
【0043】
さらにアラート情報表示部205は、管理者が操作入力部201を介して操作情報を表示するよう要求した場合、コールセンタサーバ100から受信した操作情報に基づいて、管理者により指定されたオペレータの操作情報の画像データを生成し、表示出力部202を介して操作情報として画面に表示する。
【0044】
ここで、図3に、アラート一覧として表示されるアラート発生情報220の一例を示す。アラート発生情報220は、オペレータに発生しているアラートを示す情報であり、オペレータ情報220a、アラート内容220b、操作情報リンク220cで構成される。尚、図3は、複数人のオペレータにアラートが発生している場合の表示例であり、複数人のオペレータのそれぞれに発生しているアラートを示す複数のアラート発生情報220が表示されている。
【0045】
オペレータ情報220aは、アラートが発生しているオペレータの識別情報であり、図3では、「オペレータA」、「オペレータB」、「オペレータC」、…となっている。アラート内容220bは、1人のオペレータに発生しているアラートの内容であり、1人のオペレータに複数のアラートが発生している場合には、アラート1、アラート2、…のように、1人のオペレータに発生している全てのアラートの内容が含まれるようになっている。例えば、図3に示す1行目のアラート発生情報220には、オペレータAに発生している3つのアラートの内容(「通話時間>3分」、「保留時間>1分」、「保留回数>2回」)が、アラート1、アラート2、アラート3として含まれている。
【0046】
操作情報リンク220cは、アラートが発生しているオペレータの操作情報を表示する為のリンクである。この操作情報リンク220cがクリックされると、アラート情報表示部205により、アラートが発生しているオペレータの操作情報画面が表示出力部202を介して表示される。例えばオペレータAに発生しているアラートを示すアラート発生情報220に含まれる操作情報リンク220cをクリックすると、当該操作情報リンク220cに紐付けられているオペレータAの操作情報が表示されるようになっている。
【0047】
管理者は、アラート一覧として表示されるアラート発生情報220を確認することで、オペレータに発生しているアラートの内容(つまりオペレータの稼働状況の問題)を把握することができる。さらに管理者は、アラート発生情報220の操作情報リンク220cから、そのオペレータの操作情報を確認することで、オペレータの具体的な稼働状況を把握することができる。これにより、管理者は、オペレータにフォローが必要かどうかを的確に判断することができ、フォローが必要な場合には、電話やチャットなどを利用して、オペレータの状況確認や支援を行う。
【0048】
図1に戻り、チャット通信制御部206は、オペレータ端末300から受信したチャットメッセージを表示出力部202を介して表示する。またチャット通信制御部206は、管理者が操作入力部201を介して入力したチャットメッセージをオペレータ端末300に送信する。
【0049】
データ格納部207は、コールセンタサーバ100から受信したアラート指標情報120や操作情報などの各種データを格納する。管理者端末200の構成は、以上のようになっている。
【0050】
オペレータ端末300は、在宅のオペレータが操作する端末装置である。このオペレータ端末300は、図中省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶部と、ネットワークインタフェースなどの各種インタフェースとを有するコンピュータ装置として構成され、記憶部に記憶されているプログラムをCPUがメモリ上に読み込んで実行することにより各種機能を実現するようになっている。
【0051】
具体的には、オペレータ端末300は、操作入力部301、表示出力部302、音声通話部303、音声通話制御部304、業務アプリケーション305、操作情報収集部306、アラートメッセージ表示部307、チャット通信制御部308、データ格納部309を有している。
【0052】
操作入力部301は、マウスやキーボードを介してユーザ(すなわちオペレータ)からの指示の入力を受け付ける。表示出力部302は、各種データをディスプレイに出力する。音声通話部303は、通常の電話として機能する。具体的には、音声通話部303は、例えば、コールセンタサーバ100から転送されてくる電話網30からの着呼を受け取り、顧客の電話機との間の通話チャネルを形成する。また音声通話部303は、例えば、コールセンタサーバ100から転送されてくる内線端末からの着呼を受け取り、内線端末との間の通話チャネルを形成する。
【0053】
音声通話制御部304は、音声通話部303が顧客の電話機との間の通話チャネルを形成する為の制御を行う。また音声通話制御部304は、音声通話部303が内線端末との間の通話チャネルを形成する為の制御を行う。尚、本実施の形態では、オペレータ端末300が、通話機能(音声通話部303及び音声通話制御部304)を有する構成となっているが、通話機能については、オペレータ端末300に設けず、別途、通常の電話機を利用するようにしてもよい。
【0054】
業務アプリケーション305は、オペレータが業務を行う際に利用するアプリケーションであり、オペレータ端末300の記憶部にインストールされている。この業務アプリケーション305は、電話の着信応答、発信、保留、後処理の機能を備え、また顧客からの問い合わせ内容に関する情報を、図示しない業務データベースにアクセスして検索する機能を備えている。
【0055】
操作情報収集部306は、オペレータの稼働状況を把握する為に必要となる、オペレータ端末300の操作情報を取集し、定期的にコールセンタサーバ100に送信する。尚、操作情報収集部306は、例えば、オペレータがオペレータ端末300にログインしている間、オペレータ端末300の操作情報を常時収集し、収集した操作情報をデータ格納部309に格納するようになっている。データ格納部309に格納した操作情報については、例えば、オペレータがオペレータ端末300からログオフした際に、操作情報収集部306によって消去されるようになっていてもよいし、ログとして保存されるようになっていてもよい。
【0056】
操作情報収集部306によって収集される操作情報には、例えば、業務アプリケーション305の操作情報や、オペレータがオペレータ端末300を利用して閲覧したWebページに関するページ閲覧情報、オペレータ端末300で実行されたプロセスに関するプロセス情報、オペレータ端末300からアクセスしたネットワークアクセス先を示すアクセス先情報などが含まれる。
【0057】
このうち、業務アプリケーション305の操作情報には、例えば、発信、着信応答、通話切断、保留、後処理などの操作を行った時刻が含まれるようになっている。このような業務アプリケーション305の操作情報は、業務アプリケーション305に対するマウスやキーボードの操作情報、業務アプリケーション305で表示したウインドウ情報、業務アプリケーション305から出力するログなどから取得することができる。
【0058】
またプロセス情報は、オペレータ端末300のOS(Operating System)から取得することができる。ちなみに、プロセス情報には、例えば、アクセス先のファイル名、プロセス名、プロセス実行時のディレクトリ名などが含まれる。
【0059】
アラートメッセージ表示部307は、コールセンタサーバ100から受信したアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとに基づいて画像データを生成し、表示出力部302を介してアラートメッセージとして画面に表示する。このとき表示されるアラートメッセージは、アラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとを組み合わせたものであり、例えば、「保留時間>1分、困ることがあったら管理者に連絡しましょう。」となる。オペレータは、このようなアラートメッセージを確認することで、アラート発生時に気軽に管理者に支援を求めることができる。
【0060】
チャット通信制御部308は、管理者端末200から受信したチャットメッセージを表示出力部302を介して表示する。またチャット通信制御部308は、オペレータが操作入力部301を介して入力したチャットメッセージを管理者端末200に送信する。
【0061】
データ格納部309は、操作情報収集部306が収集した操作情報などの各種データを格納する。オペレータ端末300の構成は、以上のようになっている。
【0062】
[2.コールセンタシステムの動作]
次に、コールセンタシステム1の動作について説明する。ここでは、コールセンタシステム1の動作のうち、オペレータの業務を監視してアラート発生時に支援する際の動作について、図4に示すシーケンスチャートを用いて説明する。尚、ここでは説明を簡単にする為、オペレータ端末300が1台の場合について説明する。
【0063】
まずオペレータ端末300の操作情報収集部306は、ステップSP1において、操作情報を収集し、ステップSP2において、収集した操作情報を、コールセンタサーバ100に通知(送信)する。尚、操作情報収集部306による操作情報の収集は常時行われ、コールセンタサーバ100への操作情報の通知は、定期的(例えば数分ごと)に行われる。
【0064】
コールセンタサーバ100のアラート判定部104は、ステップSP3において、オペレータ端末300から受信した操作情報とアラート指標情報120に基づいて、オペレータ端末300を操作しているオペレータにアラートが発生しているか否かを判定する。アラートの判定方法については上述した通りであり、オペレータ端末300から受信した操作情報をもとに求めたアラート指標値がアラート通知基準120bを満たしているか否かを判定することで、オペレータにアラートが発生しているか否かを判定する。
【0065】
ここで、アラートが発生していないと判定した場合、アラート判定部104は、ステップSP3で否定結果を得て、オペレータ端末300からの操作情報の通知を待ち受ける。
【0066】
これに対して、アラート発生していると判定した場合、アラート判定部104は、ステップSP3で肯定結果を得る。このとき、アラート判定部104は、発生しているアラートを示すアラート指標情報120をアラート一時格納部107に格納するとともに、アラート通知部105にアラート通知を行うように要求する。
【0067】
ステップSP4において、アラート通知部105は、アラート判定部104からの要求に応じて、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のアラート内容120cと、オペレータ端末300から提供された操作情報(つまりオペレータ操作情報格納部108に格納されている操作情報)とを、管理者端末200に通知する処理を行う。この結果、ステップSP5において、オペレータに発生しているアラートのアラート内容120cと当該オペレータの操作情報とが管理者端末200に通知される。
【0068】
さらにアラート通知部105は、つづくステップSP6において、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のなかに、オペレータ通知要否120dが「Yes」であるアラート指標情報120があるか否かを判定する。
【0069】
ここで、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のなかに、オペレータ通知要否120dが「Yes」であるアラート指標情報120がない場合、アラート通知部105は、ステップSP6で否定結果を得る。この場合、再び、アラート判定部104が、オペレータ端末300からの操作情報の通知を待ち受ける。
【0070】
これに対して、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のなかに、オペレータ通知要否120dが「Yes」であるアラート指標情報120がある場合、アラート通知部105は、ステップSP6で肯定結果を得て、ステップSP7に移る。ステップSP7において、アラート通知部105は、アラート一時格納部107に格納されているアラート指標情報120のうち、オペレータ通知要否120dが「Yes」であるアラート指標情報120のアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとを、オペレータ端末300に通知する処理を行う。この結果、ステップSP8において、オペレータに発生しているアラートのアラート内容120cと、当該オペレータに対するオペレータ支援メッセージ120eとが、オペレータ端末300に通知される。
【0071】
オペレータ端末300のアラートメッセージ表示部307は、コールセンタサーバ100から、アラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとを受信すると、ステップSP9において、受信したアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとに基づくアラートメッセージを、表示出力部302を介して画面に表示する。
【0072】
一方で、管理者端末200のアラート情報表示部205は、コールセンタサーバ100からオペレータに発生しているアラートのアラート内容120cと、当該オペレータの操作情報とを受信すると、ステップSP10において、受信したアラート内容120cに基づくアラート一覧(つまりアラート発生情報220)を、表示出力部202を介して画面に表示する。
【0073】
さらにアラート情報表示部205は、操作入力部201を介して、アラート一覧内の任意の操作情報リンク220cをクリックする操作が行われると、ステップSP11において、クリックされた操作情報リンク220cに紐付けられた操作情報(つまりアラートが発生しているオペレータの操作情報)を、表示出力部202を介して画面に表示する。
【0074】
管理者は、管理者端末200に表示されたオペレータに発生しているアラート一覧やオペレータの操作情報を確認したうえで、ステップSP12において、管理者端末200のチャット通信制御部206によりオペレータにチャットを送信したり、音声通話制御部204によりオペレータで電話をかけたりして、オペレータの業務をフォローする。コールセンタシステム1の動作は、以上のようになっている。
【0075】
尚、ここでは説明を簡単にする為、オペレータ端末300が1台の場合について説明したが、オペレータ端末300が複数台の場合の動作も基本的には同様である。オペレータ端末300が複数台の場合、アラート指標情報120や操作情報などの各種情報にオペレータの登録情報を紐付けて、各種情報がどのオペレータに関する情報であるのか判別できるようにすればよい。
【0076】
[3.まとめと効果]
ここまで説明したように、本実施の形態では、処理装置及びコンピュータとしてのコールセンタサーバ100に、オペレータ端末300から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部(アラート判定部104)と、第1の処理部(アラート判定部104)によりアラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報としてのアラート内容120cとオペレータ端末300から受信した操作情報とを管理者端末200に通知する第2の処理部(アラート通知部105)と、第1の処理部(アラート判定部104)によりアラートが発生していると判定された場合に、アラート内容120cとオペレータを支援する為のメッセージ情報としてのオペレータ支援メッセージ120eとをオペレータ端末300に通知する第3の処理部(アラート通知部105)とを設けた。これにより、本実施の形態では、オペレータに発生している問題の検知と支援を迅速に行うことができる。
【0077】
すなわち、本実施の形態では、オペレータにアラートが発生している場合に、アラート通知部105により、発生しているアラートのアラート内容120cと、アラートが発生しているオペレータの操作情報とを、管理者端末200に送信するようにした。こうすることで、管理者は、管理者端末200に表示されるアラート内容120c(つまりアラート発生情報220)を確認して、オペレータに発生しているアラートの内容、つまりオペレータの稼働状況の問題を迅速且つ容易に把握することができる。また管理者は、管理者端末200に表示されるオペレータの操作情報を確認して、オペレータの稼働状況の詳細を迅速且つ容易に把握することができる。
【0078】
このように本実施の形態では、管理者がオペレータの稼働状況の問題と稼働状況の詳細を迅速且つ容易に把握できるので、管理者がチャットや電話を用いてオペレータに対して迅速に適切な支援を行うことができる。
【0079】
また本実施の形態では、オペレータにアラートが発生している場合に、アラート通知部105により、発生しているアラートのアラート内容120cと、オペレータ支援メッセージ120eとを、オペレータ端末300に送信するようにした。こうすることで、オペレータは、オペレータ端末300に表示されるアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eを確認して、チャットや電話を用いて気軽に管理者に支援を求めることができる。これにより、オペレータの稼働状況の問題が迅速に解決されることとなり、結果として、顧客対応業務における顧客満足度の上昇や、オペレータの生産性向上につながる。換言すると、オペレータが顧客満足度や生産性を意識することなくマイペースで仕事をしてしまうような状況を改善することができる。
【0080】
さらに本実施の形態では、在宅のオペレータに、自動的にオペレータ支援メッセージ120eを通知することで、在宅のオペレータが孤独を感じることがないよう精神的なフォローを行うことができ、在宅のオペレータが心理的に管理者に支援を求め易くなるという効果も期待できる。
【0081】
さらに本実施の形態では、アラート判定部104が、オペレータ端末300から定期的に受信した操作情報を解析し、オペレータにアラートが発生しているか否かを判定する為の指標となるアラート指標の値(アラート指標値)を求め、当該アラート指標値が、予めアラート指標情報120に設定されたアラート通知基準120bを満たす場合に、アラートが発生していると判定するようにした。こうすることで、アラートの発生を的確且つ迅速に検知することができる。
【0082】
[4.他の実施の形態]
[4-1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、アラート判定及びアラート通知に関する機能(アラート判定部104、アラート通知部105、アラート指標情報格納部106、アラート一時格納部107、オペレータ操作情報格納部108など)を、コールセンタサーバ100に設けたが、これに限らず、例えば、これらの機能を管理者端末200に設けるなどしてもよい。この場合、管理者端末200が、アラートが発生しているか否かを判定し、アラートが発生している場合に、アラート内容120cとオペレータの操作情報とを自端末に通知するとともに、アラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eをオペレータ端末300に通知すればよい。
【0083】
またこれに限らず、例えば、これらの機能をオペレータ端末300に設けるなどしてもよい。この場合、オペレータ端末300が、アラートが発生しているか否かを判定し、アラートが発生している場合に、アラート内容120cとオペレータの操作情報とを管理者端末200に通知するとともに、アラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eを自端末に通知すればよい。
【0084】
[4-2.他の実施の形態2]
また上述した実施の形態では、オペレータが在宅で業務を行う(つまりオペレータ端末300がインターネットNtなどを介して社内のLAN20に接続される)コールセンタシステム1に本発明を適用したが、これに限らず、オペレータが社内で業務を行う(つまりオペレータ端末300が社内のLAN20に接続される)コールセンタシステムや、在宅で業務を行うオペレータと社内で業務を行うオペレータとが混在するコールセンタシステムにも適用できる。
【0085】
[4-3.他の実施の形態3]
さらに上述した実施の形態では、アラート判定部104が、オペレータの操作情報とアラート指標情報120とに基づいて、オペレータにアラートが発生しているか否かを判定するようにした。ここで、オペレータごとにアラート指標情報120を設定したり、社内で業務を行うオペレータと在宅で業務を行うオペレータとで別々のアラート指標情報120を設定したりしてもよい。こうすることで、例えば、簡易な顧客対応を行うオペレータと高度な顧客対応が求められるオペレータとでアラート通知基準120bを変えたり、在宅で業務を行うオペレータに対してのみアラート発生時にアラート通知部105がアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eを通知したりすることができる。尚、このようにアラート指標情報120をオペレータごとに設定する場合、アラート指標情報120に、対象となるオペレータの登録情報を紐づけて管理するようにすればよい。
【0086】
[4-4.他の実施の形態4]
さらに上述した実施の形態では、オペレータにアラートが発生している場合に、コールセンタサーバ100のアラート通知部105がオペレータ端末300にアラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとを通知するようにした。ここで、コールセンタサーバ100のアラート通知部105が、アラート内容120cとオペレータ支援メッセージ120eとをチャットメッセージとして、オペレータ端末300に通知するようにしてもよい。この場合、オペレータ端末300のチャット通信制御部308が、受信したチャットメッセージ(つまりアラートメッセージ)をチャット画面に表示する。このようにすれば、アラートメッセージの表示後、チャットでのオペレータ支援にスムーズに移行することができる。
【0087】
[4-5.他の実施の形態5]
さらに上述した実施の形態では、本発明を、オペレータが電話を利用して顧客対応を行うコールセンタシステム1に適用したが、これに限らず、オペレータが他の通信手段(例えばチャットなど)を利用して顧客対応を行う顧客対応システムにも適用することができる。
【0088】
[4-6.他の実施の形態6]
さらに上述した実施の形態では、本発明を、処理装置及びコンピュータの具体例であるコールセンタサーバ100に適用したが、これに限らず、コールセンタサーバ100とは部分的に異なる構成の処理装置及びコンピュータに適用してもよい。
【0089】
さらに上述した実施の形態では、処理装置及びコンピュータの具体例であるコールセンタサーバ100に、アラート情報とオペレータの操作情報とを管理者端末200に通知する第2の処理部、及びアラート情報とメッセージ情報とをオペレータ端末300に通知する第3の処理部の具体例であるアラート通知部105を設けたが、これに限らず、例えば、アラート通知部105の代わりに、第2の処理部として機能するアラート通知部と、第3の処理部として機能するアラート通知部とを別々に設けてもよい。
【0090】
[4-7.他の実施の形態7]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0091】
[5.付記]
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0092】
かかる課題を解決するため本発明の処理装置においては、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する第3の処理部とを備えるようにした。
【0093】
また本発明の処理方法は、処理装置の処理方法であって、前記処理装置は、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定するステップと、前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知するステップと、前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知するステップとを有するようにした。
【0094】
さらに本発明のプログラムにおいては、コンピュータを、オペレータ端末から受信した操作情報に基づいて、アラートが発生しているか否かを判定する第1の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、当該アラートに基づくアラート情報と前記オペレータ端末から受信した前記操作情報とを管理者端末に通知する第2の処理部と、前記第1の処理部により前記アラートが発生していると判定された場合に、前記アラート情報とオペレータを支援する為のメッセージ情報とを前記オペレータ端末に通知する第3の処理部として機能させるようにした。
【0095】
かくして本発明は、オペレータに発生している問題の検知と支援を迅速に行い得る処理装置、処理方法及びプログラムを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、コールセンタシステムなどの顧客対応システムで広く利用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1……コールセンタシステム、10……PBX、100……コールセンタサーバ、101……操作入力部、102……表示出力部、103……呼制御部、104……アラート判定部、105……アラート通知部、106……アラート指標情報格納部、107……アラート一時格納部、108……オペレータ操作情報格納部、109……オペレータ登録情報格納部、120……アラート指標情報、200……管理者端末、201……操作入力部、202……表示出力部、203……音声通話部、204……音声通話制御部、205……アラート情報表示部、206……チャット通信制御部、207……データ格納部、220……アラート発生情報、300……オペレータ端末、301……操作入力部、302……表示出力部、303……音声通話部、304……音声通話制御部、305……業務アプリケーション、306……操作情報収集部、307……アラートメッセージ表示部、308……チャット通信制御部、309……データ格納部。
図1
図2
図3
図4