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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003160
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
H01L21/205
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104167
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】宮下 耕平
【テーマコード(参考)】
5F045
【Fターム(参考)】
5F045AA04
5F045AB14
5F045AB17
5F045AF02
5F045BB02
5F045BB03
5F045BB08
5F045DP15
5F045DP28
5F045EE20
5F045EF05
5F045EK07
5F045GB13
5F045GB16
5F045GB19
(57)【要約】
【課題】試作の回数を低減できる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、成膜装置に第1サセプタを取り付ける工程と、前記第1サセプタの反りの大きさを測定する工程と、前記測定された第1サセプタの反りの大きさに応じて、前記成膜装置の成膜条件として第1初期成膜条件を設定する工程と、前記第1サセプタの上に複数の第1ウェハを載置し、前記複数の第1ウェハに前記成膜条件にて第1膜を形成する工程と、を有し、前記第1初期成膜条件を設定する工程は、前記第1初期成膜条件をデータベースを格納した記録媒体から読み出す工程を有し、前記データベースは、サセプタの反りの大きさと第1膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた複数のデータを含む。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜装置に第1サセプタを取り付ける工程と、
前記第1サセプタの反りの大きさを測定する工程と、
前記測定された第1サセプタの反りの大きさに応じて、前記成膜装置の成膜条件として第1初期成膜条件を設定する工程と、
前記第1サセプタの上に複数の第1ウェハを載置し、前記複数の第1ウェハに前記成膜条件にて第1膜を形成する工程と、
を有し、
前記第1初期成膜条件を設定する工程は、前記第1初期成膜条件をデータベースを格納した記録媒体から読み出す工程を有し、
前記データベースは、サセプタの反りの大きさと第1膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた複数のデータを含む、
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記成膜装置は、前記第1サセプタを加熱する複数のヒータを有し、
前記成膜条件は、前記複数のヒータの設定温度を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記複数のヒータは、同心円状に配置されている請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1膜を形成する工程は、半導体膜を有機金属化学気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1膜を形成する工程の後に、
前記第1ウェハの上における前記第1膜の厚さの第1分布を取得する工程と、
前記第1分布が、予め定められている膜厚分布条件を満たしている場合、前記初期成膜条件を量産成膜条件として決定する工程と、
を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1分布が前記膜厚分布条件を満たしていない場合、
前記第1分布が前記膜厚分布条件を満たすまで、
前記第1分布に応じて前記成膜条件を変更する工程と、
前記複数の第1ウェハを交換する工程と、
交換後の前記複数の第1ウェハに、変更後の前記成膜条件にて前記第1膜を形成する工程と、
前記第1膜の厚さの前記第1分布を取得する工程と、
を繰り返す工程と、
前記第1分布が前記膜厚分布条件を満たすと、直前の前記成膜条件を量産成膜条件として決定する工程と、
を有する請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記量産成膜条件を決定する工程の後に、
前記第1サセプタの上に複数の第2ウェハを載置し、前記複数の第2ウェハに前記量産成膜条件にて前記第1膜を形成する工程と、
を有する請求項5または請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記成膜条件を量産成膜条件と決定する工程の後、前記第1サセプタの反りの大きさと前記量産成膜条件とを対応付けたデータを、前記データベースを格納した前記記録媒体に追加記録する工程を有する請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記データベースは、通信回線により前記成膜装置の外部に接続された外部記録媒体に格納されており、
前記データベースには、前記通信回線を介して前記成膜装置の外部から前記複数のデータが追加される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1サセプタは、製造番号を有し、前記製造番号に応じて前記複数のデータが前記データベースに追加される請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体膜等の半導体膜は、例えば成膜チャンバ内に取り付けられたサセプタの上に複数のウェハを載置して形成されている(特許文献1、2)。
【0003】
サセプタには、反りが生じていることがある。また、サセプタは、成膜時に高温下で腐食性ガスに晒されて消耗するため、頻繁に交換される。交換の前後でサセプタの反りの向き又は量が相違している場合、交換の前後で成膜チャンバ内の成膜条件が同一であると、サセプタの反りの向き又は量が変化するため、ウェハ上に形成される膜の膜厚分布も変化する。このため、従来、サセプタの交換後には、量産に適した量産成膜条件を決定するために、膜の試作が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-95780号公報
【特許文献2】特開2012-156196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の製造方法では、1個のサセプタに載置するウェハの数を増やすべくサセプタを大型化すると、サセプタの交換後のサセプタの反りの向き又は量の変化量が大きくなる。このため、量産に適した量産成膜条件を決定するための試作回数が増加してしまう。
【0006】
本開示は、試作の回数を低減できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の半導体装置の製造方法は、成膜装置に第1サセプタを取り付ける工程と、前記第1サセプタの反りの大きさを測定する工程と、前記測定された第1サセプタの反りの大きさに応じて、前記成膜装置の成膜条件として第1初期成膜条件を設定する工程と、前記第1サセプタの上に複数の第1ウェハを載置し、前記複数の第1ウェハに前記成膜条件にて第1膜を形成する工程と、を有し、前記第1初期成膜条件を設定する工程は、前記第1初期成膜条件をデータベースを格納した記録媒体から読み出す工程を有し、前記データベースは、サセプタの反りの大きさと第1膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた複数のデータを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、試作の回数を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、MOCVD法で用いられる成膜チャンバの内部の一例を示す模式図である。
図2図2は、図1中の領域Rを拡大して示す模式図である。
図3図3は、図1中の領域Rでウェハに形成されるGaN膜の成長レートの分布を示す図である。
図4図4は、MOCVD法で用いられる成膜チャンバの内部の他の一例を示す模式図である。
図5図5は、図4中の領域Rを拡大して示す模式図である。
図6図6は、図4中の領域Rでウェハに形成されるGaN膜の成長レートの分布を示す図である。
図7図7は、MOCVD法で用いられる成膜チャンバの内部の更に他の一例を示す模式図である。
図8図8は、図7中の領域Rを拡大して示す模式図である。
図9図9は、図7中の領域Rでウェハに形成されるGaN膜の成長レートの分布を示す図である。
図10図10は、サセプタの反りの大きさと成長レートの差との関係の一例を示す図である。
図11図11は、参考例に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる成膜装置を示す模式図である。
図14図14は、サセプタを示す模式図である。
図15図15は、ヒータユニットを示す模式図である。
図16図16は、サセプタの表面の形状の近似方法を示す図である。
図17図17は、膜厚が測定される点が並ぶ直線の一例を示す図である。
図18図18は、データベースの構築方法を示すフローチャートである。
図19図19は、実施形態の変形例に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
〔1〕 本開示の一態様に係る半導体装置の製造方法は、成膜装置に第1サセプタを取り付ける工程と、前記第1サセプタの反りの大きさを測定する工程と、前記測定された第1サセプタの反りの大きさに応じて、前記成膜装置の成膜条件として第1初期成膜条件を設定する工程と、前記第1サセプタの上に複数の第1ウェハを載置し、前記複数の第1ウェハに前記成膜条件にて第1膜を形成する工程と、を有し、前記第1初期成膜条件を設定する工程は、前記第1初期成膜条件をデータベースを格納した記録媒体から読み出す工程を有し、前記データベースは、サセプタの反りの大きさと第1膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた複数のデータを含む。
【0012】
データベースがサセプタの反りの大きさと第1膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた複数のデータを含んでいる。このため、サセプタを取り付けた後に、サセプタの反りの大きさに対応する初期成膜条件をデータベースから読み出し、この初期成膜条件から試作を開始することで、少ない回数の試作で量産成膜条件を決定できる。
【0013】
〔2〕 〔1〕において、前記成膜装置は、前記第1サセプタを加熱する複数のヒータを有し、前記成膜条件は、前記複数のヒータの設定温度を含んでもよい。この場合、少ない回数の試作で量産に適したヒータバランスを決定しやすい。
【0014】
〔3〕 〔2〕において、前記複数のヒータは、同心円状に配置されていてもよい。この場合、サセプタの上に同心円状に載置される複数の第1ウェハの温度制御を行いやすい。
【0015】
〔4〕 〔1〕~〔3〕において、前記第1膜を形成する工程は、半導体膜を有機金属化学気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程を有してもよい。この場合、窒化物半導体膜等の半導体膜のための量産成膜条件を決定しやすい。
【0016】
〔5〕 〔1〕~〔4〕において、前記第1膜を形成する工程の後に、前記第1ウェハの上における前記第1膜の厚さの第1分布を取得する工程と、前記第1分布が、予め定められている膜厚分布条件を満たしている場合、前記初期成膜条件を量産成膜条件として決定する工程と、を有してもよい。この場合、速やかに量産に移行できる。
【0017】
〔6〕 〔5〕において、前記第1分布が前記膜厚分布条件を満たしていない場合、前記第1分布が前記膜厚分布条件を満たすまで、前記第1分布に応じて前記成膜条件を変更する工程と、前記複数の第1ウェハを交換する工程と、交換後の前記複数の第1ウェハに、変更後の前記成膜条件にて前記第1膜を形成する工程と、前記第1膜の厚さの前記第1分布を取得する工程と、を繰り返す工程と、前記第1分布が前記膜厚分布条件を満たすと、直前の前記成膜条件を量産成膜条件として決定する工程と、を有してもよい。この場合、少ない回数の試作で量産成膜条件を決定できる。
【0018】
〔7〕 〔5〕又は〔6〕において、前記量産成膜条件を決定する工程の後に、前記第1サセプタの上に複数の第2ウェハを載置し、前記複数の第2ウェハに前記量産成膜条件にて前記第1膜を形成する工程と、を有してもよい。この場合、第1膜の量産により生産性を向上できる。
【0019】
〔8〕 〔5〕~〔7〕において、前記成膜条件を量産成膜条件と決定する工程の後に、前記第1サセプタの反りの大きさと前記量産成膜条件とを対応付けたデータを、前記データベースを格納した前記記録媒体に追加記録する工程を有してもよい。この場合、データの豊富化により、以降のサセプタの交換時の試作の回数をより低減しやすい。
【0020】
〔9〕 〔1〕~〔8〕において、前記データベースは、通信回線により前記成膜装置の外部に接続された記録媒体に格納されており、前記データベースには、前記通信回線を介して前記成膜装置の外部から前記複数のデータが追加されてもよい。この場合、成膜装置を用いずにデータベースを構築できる。
【0021】
〔10〕 〔9〕において、前記第1サセプタは、製造番号を有し、前記製造番号に応じて前記複数のデータが前記データベースに追加されてもよい。この場合、例えばサセプタのベンダーがデータベースに複数のデータを追加できる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0023】
まず、有機金属化学気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法で半導体膜を形成する場合のサセプタの形状と半導体膜の膜厚分布との関係について説明する。
【0024】
図1は、MOCVD法で用いられる成膜チャンバの内部の一例を示す模式図である。図1には、平面形状が円形で、径方向に5個のウェハWを載置できるサセプタ11を示す。サセプタ11には反りが生じておらず、サセプタ11の上面は平坦である。サセプタ11の上面には、ウェハWの横方向の移動を制限するための壁21がそれぞれのウェハWを囲むように設けられている。サセプタ11の上方にシャワーヘッド22が設置されており、シャワーヘッド22から原料ガス23がウェハWに向けて噴射され、ウェハWのシャワーヘッド22と対向する表面上に半導体膜26が形成される。成膜中、サセプタ11は中心を公転軸31として回転する。ウェハWに向けて直上のシャワーヘッド22から原料ガス23が噴射されるとともに、サセプタ11の中心から外周に向かう原料ガス23の流れ25がある。成膜で消費されなかった原料ガス23は排気ガス24となり、サセプタ11の外部に排出される。ここでは、半導体膜としては、GaN膜が形成されることとする。図1中、二点鎖線で囲まれた領域Rは、径方向でウェハWが載置される5個の領域のうちで、最も外周側に位置する領域である。サセプタ11が繰り返し使用されると、壁21の上にもGaNの付着物28が生成する。
【0025】
図2は、図1中の領域Rを拡大して示す模式図である。図3は、図1中の領域RでウェハWに形成されるGaN膜の成長レートの分布を示す図である。図3は、シミュレーションの結果を示す。図3の横軸はサセプタ11の径方向の位置を示し、縦軸はGaN膜の成長レートを示す。縦軸には、後述の図6図9との比較のために、基準となる成長レートGR0を示してある。このシミュレーションでは、サセプタ11の温度Tがサセプタ面内で均一であるとしている。
【0026】
図2に繰り返し示すように、領域Rでは、ウェハWに向けて直上のシャワーヘッド22から原料ガス23が噴射されるとともに、サセプタ11の中心から外周に向かう原料ガス23の流れ25がある。また、サセプタ11が繰り返し使用されると、壁21の上にもGaNの付着物28が生成する。このため、サセプタ11の中心側に位置する壁21上の付着物28からGaが昇華し、Ga昇華ガス27が領域R内に流れ込む。従って、図3に示すように、反りがないサセプタ11が用いられ、サセプタ11の温度がサセプタ面内で均一である場合でも、成長レートは均一ではない。具体的には、サセプタ11の領域R内において、中心に近い側で大きく、外周に向かうにつれて小さくなる。GaN膜の厚さは成長レートに依存するため、GaN膜の膜厚分布も同様のものとなる。
【0027】
次に、凸状の反りが生じたサセプタが用いられた場合の成長レート及び膜厚の分布について説明する。図4は、MOCVD法で用いられる成膜チャンバの内部の他の一例を示す模式図である。図4には、平面形状が円形で、径方向に5個のウェハWを載置できるサセプタ12を示す。サセプタ12には凸状の反りが生じている。反りの点を除き、サセプタ12はサセプタ11と同様の構成を備える。
【0028】
図5は、図4中の領域Rを拡大して示す模式図である。図6は、図4中の領域RでウェハWに形成されるGaN膜の成長レートの分布を示す図である。図6は、シミュレーションの結果を示す。図6の横軸はサセプタ12の径方向の位置を示し、縦軸はGaN膜の成長レートを示す。このシミュレーションでは、サセプタ12の温度Tがサセプタ面内で均一であるとしている。
【0029】
図5に示すように、凸状の反りが生じているサセプタ12が使用される場合、反りが生じていないサセプタ11が使用される場合と比較して、領域RにおけるウェハWとシャワーヘッド22との間の距離が大きい。このため、流れ25のために、ウェハWに到達する前に排気ガス24となる原料ガス23の割合が高い。従って、図6に示すように、図3の例と比較すると、全体的に成長レートが低く、また、領域R内において、外周側での成長レートの低下が顕著である。
【0030】
次に、凹状の反りが生じたサセプタが用いられた場合の成長レート及び膜厚の分布について説明する。図7は、MOCVD法で用いられる成膜チャンバの内部の、更に他の一例を示す模式図である。図7には、平面形状が円形で、径方向に5個のウェハWを載置できるサセプタ13を示す。サセプタ13には凹状の反りが生じている。反りの点を除き、サセプタ13はサセプタ11と同様の構成を備える。
【0031】
図8は、図7中の領域Rを拡大して示す模式図である。図9は、図7中の領域RでウェハWに形成されるGaN膜の成長レートの分布を示す図である。図9は、シミュレーションの結果を示す。図9の横軸はサセプタ13の径方向の位置を示し、縦軸はGaN膜の成長レートを示す。このシミュレーションでは、サセプタ13の温度Tがサセプタ面内で均一であるとしている。
【0032】
図8に示すように、凹状の反りが生じているサセプタ13が使用される場合、反りが生じていないサセプタ11が使用される場合と比較して、領域RにおけるウェハWとシャワーヘッド22との間の距離が小さい。このため、流れ25があっても、ウェハWに到達する前に排気ガス24となる原料ガス23の割合が低い。従って、図9に示すように、図3の例と比較すると、全体的に成長レートが高く、また、領域R内において、外周側での成長レートの低下が隠微である。
【0033】
図10は、サセプタの反りの大きさと成長レートの差との関係の一例を示す図である。図10の横軸はサセプタの反りの大きさを示す。反りの大きさは、サセプタの中心を基準とした外周の高さを示し、反りの大きさが正であることは、サセプタが凹状に反っていることを示し、反りの大きさが負であることは、サセプタが凸状に反っていることを示す。また、図10の縦軸は、ウェハW内で最もサセプタの中心に近く位置する領域と、最もサセプタの中心から遠く位置する領域との間でのウェハW面内での成長レートの差の傾向の概略を示す。図10に示すように、ウェハW面内での成長レートの差はサセプタの反りの大きさの影響を受ける。図10に示す例では、サセプタが凹状に沿っている場合に、凸状に沿っている場合よりも成長レートの差が小さい。
【0034】
図1図10を参照しながら説明したように、サセプタの面内での温度等の成膜条件が均一で共通していても、サセプタの反りの形態に応じてGaN膜等の膜の成長レート及び膜厚の分布は相違する。従って、サセプタの交換後には、交換後のサセプタ内でのウェハ面内膜厚の均一性が量産に適した値になるように量産成膜条件を特定することが望まれる。
【0035】
(参考例)
次に、参考例に係る半導体装置の製造方法について説明する。ここでは、サセプタの交換から、量産に適した量産成膜条件を特定し、量産成膜条件にて成膜を行うまでの処理について説明する。図11は、参考例に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0036】
参考例に係る半導体装置の製造方法では、まず、新しいサセプタを成膜チャンバに取り付ける(ステップS101)。次に、サセプタの交換後に最初に行われる成膜の成膜条件をメモリ等の記憶媒体142に記憶させる(ステップS104)。成膜条件は、サセプタを加熱するヒータの温度設定条件を含む。交換直後の最初の成膜条件は常に同一の条件が使われる。次に、サセプタの上に複数のウェハを載置し、記憶媒体142から成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて、複数のウェハにGaN膜等の半導体膜を形成する。そして、成膜が行われた複数のウェハを成膜チャンバから取り出す(ステップS105)。次に、半導体膜の膜厚を複数箇所から測定し、膜厚分布データを取得する(ステップS106)。次に、膜厚分布が、予め定められている膜厚分布条件を満たしているか判断する(ステップS107)。
【0037】
膜厚分布が膜厚分布条件を満たしていなければ、膜厚分布に応じて成膜条件を変更し、記憶媒体142に記憶された成膜条件の情報を更新する(ステップS108)。そして、ステップS105にて、複数のウェハをサセプタに載置し、記憶媒体142から更新後の成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて、複数のウェハにGaN膜等の半導体膜を形成し、半導体膜が形成された複数のウェハを成膜装置の外部に取り出す(ステップS105)。以降、膜厚分布が膜厚分布条件を満たすまで、ステップS105からステップS108までの処理を繰り返す。
【0038】
膜厚分布が膜厚分布条件を満たすと、直前に行われた成膜での成膜条件を量産成膜条件として決定する(ステップS109)。そして、複数のウェハをサセプタの上に載置し、記憶媒体142から成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて成膜を行い、成膜が行われた複数のウェハを成膜チャンバから取り出す(ステップS110)。量産工程として、所定の回数だけ複数ウェハへの成膜が繰り返される(ステップS111)。
【0039】
なお、フローチャートの便宜上、ステップS105はステップS110とは別の工程として描かれているが、同じサセプタ等を使った同じ成膜チャンバにより行われる。
【0040】
このような方法により、量産成膜条件を決定し、量産成膜条件にて成膜を行うことができる。
【0041】
しかしながら、ステップS104における、サセプタを変換後最初の成膜条件がサセプタの反りの大きさに関係なく常に固定されているため、サセプタが大型化すると、ステップS105からステップS109までの処理の繰り返し頻度が高くなる。このため、サセプタの交換から量産が開始されるまでの時間が長くなり、生産性の向上が抑制されてしまう。また、量産に適した成膜条件が設定されるまでの試作回数が増えると、その際に用いられたウェハ及び使われた原料ガスが増加するため、最終的な量産製品に与える部材コストの増加にもつながる。
【0042】
以下に説明する実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ステップS105からステップS109までの処理の繰り返し頻度を低減することを目的としてなされたものである。図12は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図13は、実施形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる成膜装置を示す模式図である。
【0043】
図13に示される実施形態に係る半導体装置の製造方法で用いられる成膜装置1は、例えばMOCVD装置であり、成膜チャンバ2と、ヒータユニット3と、シャワーヘッド4と、制御部5とを有する。実施形態に係る半導体装置の製造方法では、MOCVD法により半導体膜をエピタキシャル成長させる。ヒータユニット3及びシャワーヘッド4は、成膜チャンバ2内に配置される。ヒータユニット3の上に、壁9を備えたサセプタ7が取り付けられ、ヒータユニット3はサセプタ7を加熱する。シャワーヘッド4はサセプタ7の上に載置された複数のウェハWに向けて原料ガスを噴出する。制御部5は、ヒータユニット3及びシャワーヘッド4等を制御する。制御部5は、データベース6を格納したハードディスクドライブ等の記録媒体41と、成膜条件等のデータを記憶するメモリ等の記憶媒体42とを備えている。
【0044】
図13では一つの実施形態として、成膜装置1が制御部5を有する形態を示しているが、成膜装置1が必ずしも制御部5を備えている必要はない。制御部5は外部に備えられ、成膜装置1と通信回線等により接続される形態であってもよい。また、データベース6についても、通信回線等を介して外部からデータを書き込むことが可能な形態であってもよい。この場合、データベースは、通信回線により成膜装置1の外部に接続された外部記録媒体に格納されている。サセプタ7を提供する外部ベンダーが、個々のサセプタ7について記されたそれぞれのサセプタ7を識別可能な製造番号を下に、外部ベンダーが該当のサセプタ7について対応する反りのデータ等を外部からデータベース6に書き込んだり、追加したりする形態であってもよい。
【0045】
ここで、ヒータユニット3について説明する。図14は、サセプタ7を示す模式図である。図14は、シャワーヘッド4に対向するサセプタ7の上面側の構造を示す図である。図15は、ヒータユニット3を示す模式図である。図15は、サセプタ7の下面側に対向するヒータユニット3の上面側の構造を示す図である。図14に示すように、サセプタ7は、例えば、ウェハWが載置されるポケット領域8を1つの円周上に10個有し、更に、その外側の他の円周上に16個のポケット領域8を有する。つまり、サセプタ7は、26枚のウェハWが載置可能に構成されている。図14では省略しているが、ポケット領域8の周囲には壁21と同様の壁が設けられている。図15に示すように、ヒータユニット3は、同心円状に配置された複数のヒータ30を有する。ヒータ30は、ポケット領域8と重なるように配置されている。複数のヒータ30の温度は独立して制御できる。従って、複数のヒータ30の設定温度を調整することにより、ヒータユニット3の同心円状の位置によって異なる放熱温度のバランス(ヒータバランス)を調整できる。
【0046】
データベース6は、サセプタの反りの大きさと半導体膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた複数のデータを含む。初期成膜条件は、例えば、複数のヒータ30の初期の設定温度を含む。つまり、データベース6には、ヒータユニット3の初期のヒータバランスに関する条件のデータがサセプタの反りの大きさに対応付けて記録されている。例えば、サセプタの反りの大きさが-1mmの場合の初期のヒータバランスのデータと、サセプタの反りの大きさが+0.5mmの場合の初期のヒータバランスのデータと、サセプタの反りの大きさが+1.0mmの場合の初期のヒータバランスのデータとがデータベース6に記録されている。データベース6には、より多数のデータが含まれていることが好ましい。
【0047】
実施形態に係る半導体装置の製造方法では、図12に示すように、まず、新しいサセプタ7を成膜チャンバ2に取り付ける(ステップS101)。具体的には、ヒータユニット3の上にサセプタ7を取り付ける。サセプタ7は第1サセプタの一例である。
【0048】
次に、サセプタ7の反りの大きさを測定して取得する(ステップS102)。サセプタ7の反りの大きさは、サセプタ7の表面の最も高い位置と最も低い位置との間の高低差である。ここでは、一例として、サセプタ7が凹状に反っている場合、つまり、中心側が外周側よりも低い場合の高低差を正とし、サセプタ7が凸状に反っている場合、つまり、中心側が外周側よりも高い場合の高低差を負とする。サセプタ7の表面の位置は、例えば、接触又は非接触の変位計を用いて測定できる。サセプタ7の形状を測定するにあたり、サセプタ7の表面全体の位置を測定する必要はない。例えば、中心と外周との間の3以上の点で位置を測定し、その結果からサセプタ7の形状を円弧に近似してもよい。図16は、サセプタ7の表面の形状の近似方法を示す図である。図16に示す例では、サセプタ7の直径が500mmであり、中心を通る直線上で、中心から50mm離れた2点、150mm離れた2点及び220mm離れた2点の合計で6点の位置が測定され、サセプタ7の表面の形状が円弧7Xに近似されている。
【0049】
サセプタ7の反りの大きさを測定する機構は成膜装置1の外部に備わっていてもよい。サセプタ7の反りの大きさは、成膜チャンバ2への取り付け前に取得してもよい。もしくは、サセプタ7の反りの大きさは、サセプタ7の製造番号等の個体識別情報に応じて、サセプタ7の製造業者(外部ベンダ)から、関連する情報と共に事前に提供されていてもよい。それらの関連する情報は通信回線等を介して、外部から事前にデータベース6に格納されていてもよい。
【0050】
なお、反りの大きさに代えて曲率を用いてもよい。曲率を用いる場合も、サセプタの曲率及び直径から反りの大きさが一義的に求まるため、反りの大きさを用いることと等価である。
【0051】
次に、初期成膜条件を取得し、設定する(ステップS103)。具体的には、データベース6を格納した記録媒体41からサセプタ7の反りの大きさに対応する初期成膜条件を読み出す。データベース6に、サセプタ7の反りの大きさに一致するデータがない場合は、例えば、最も差が小さい反りの大きさの初期成膜条件を読み出してもよい。つまり、本実施形態では、初期成膜条件はサセプタ7の反りの大きさに依存している。初期成膜条件は、例えば各ヒータ30の設定温度に関する条件、つまり、ヒータユニット3のヒータバランスに関する条件を含む。初期成膜条件は第1初期成膜条件の一例である。
【0052】
次に、ステップS103で取得した初期成膜条件を成膜条件として記憶媒体42に記憶させる(ステップS104)。次に、サセプタ7の上に複数のウェハWを載置し、記憶媒体42から成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて複数のウェハWに半導体膜を形成し、半導体膜が形成された複数のウェハWを成膜装置1の外部に取り出す(ステップS105)。ステップS105で形成する半導体膜は、単一の膜であってもよく、複数の膜が積層された積層膜であってもよい。例えば、ウェハWとしてSiCウェハが用いられ、半導体膜として、ウェハW側から順にAlN膜、GaN膜、AlGaN膜及びGaN膜が積層された積層膜が形成されてもよい。また、ウェハWは、例えば当該ウェハWに形成されているノッチ又はオリエンテーションフラットが、サセプタ7の中心と当該ウェハWの中心とを結ぶ直線の上に位置するように載置される。ウェハWは第1ウェハの一例であり、半導体膜は第1膜の一例である。
【0053】
次に、半導体膜の膜厚を測定し、膜厚分布を取得する(ステップS106)。半導体膜の膜厚は、例えば分光エリプソメータを用いて測定できる。半導体膜の膜厚は、例えば、成膜時にサセプタ7の中心と当該ウェハWの中心とを結んでいた直線の上の複数点で測定する。半導体膜の膜厚は、例えばウェハWの直径が約100mm(4インチ)である場合、2mm間隔で測定する。図17は、膜厚が測定される点が並ぶ直線の一例を示す図である。例えば、図17に示すように、ウェハWにオリエンテーションフラット10が形成されており、ウェハWの中心O及びオリエンテーションフラット10を垂直に通る直線Lの上の複数点で膜厚が測定される。
【0054】
次に、ウェハW内での膜厚分布が、予め定められている膜厚分布条件を満たしているか判断する(ステップS107)。例えば、膜厚が予め定められている範囲内にあるか判断する。
【0055】
膜厚分布が膜厚分布条件を満たしていなければ、膜厚分布に応じて成膜条件を変更し、記憶媒体42に記憶された成膜条件の情報を更新する(ステップS108)。そして、ステップS105にて、複数のウェハWを交換し、記憶媒体42から更新後の成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて複数のウェハWに半導体膜を形成する。以降、膜厚分布が膜厚分布条件を満たすまで、ステップS105からステップS108までの処理を繰り返す。
【0056】
膜厚分布が膜厚分布条件を満たすと、直前に行われた成膜での成膜条件を量産成膜条件として、最終的な成膜条件に決定する(ステップS109)。そして、複数のウェハWをサセプタの上に載置し、記憶媒体42から成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて成膜を行い、成膜が行われた複数のウェハを成膜チャンバから取り出す(ステップS110)。量産工程として、所定の回数だけ複数ウェハへの成膜が繰り返される(ステップS111)。ステップS110で使用されるウェハWは第2ウェハの一例である。
【0057】
このような方法により、量産成膜条件を決定し、量産成膜条件にて成膜を行うことができる。量産工程において半導体膜を形成した後には、保護膜及び配線等を形成し、半導体装置を完成させる。
【0058】
本実施形態では、初期成膜条件はサセプタ7の反りの大きさに依存している。このため、膜厚分布が膜厚分布条件を満たすまでのステップS105からステップS108までの処理の繰り返し頻度を低減できる。つまり、試作の回数を低減できる。場合によっては、ステップS105からステップS108までの処理の繰り返さずに、そのまま量産成膜条件を決定できる可能性もある。
【0059】
従って、サセプタ7の交換から量産が開始されるまでの時間を短縮し、生産性を向上できる。また、試作に用いられるウェハW及び原料ガスの量を低減し、部材コストを低減することもできる。
【0060】
また、本実施形態では、成膜条件の一例としてヒータの設定温度を調整している。膜厚分布は特に温度の影響を受けやすいため、本実施形態によれば、適切な量産に適したヒータバランスを決定しやすい。また、複数のヒータ30が同心円状に配置されているため、サセプタ7の上に同心円状に載置される複数のウェハWの温度制御を行いやすい。
【0061】
MOCVD法によりGaN、AlGaN等の半導体膜を形成する場合、サセプタが消耗しやすいが、本実施形態によれば、サセプタの交換が行われても、少ない回数の試作で量産成膜条件を決定できる。
【0062】
ここで、データベース6を構築する方法について説明する。図18は、データベース6の構築方法を示すフローチャートである。
【0063】
この構築方法では、まず、サセプタ7を成膜チャンバに取り付ける(ステップS101)。次に、サセプタ7の反りの大きさを測定する(ステップS102)。次に、初期成膜条件を取得する(ステップS103)。初期成膜条件は、参考例と同様に、サセプタ7の反りに依存しない成膜条件でよい。
【0064】
次に、ステップS103で取得した初期成膜条件を成膜条件として記憶媒体42に記憶させる(ステップS104)。次に、サセプタ7の上に複数のウェハWを載置し、記憶媒体42から成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて複数のウェハWに半導体膜を形成し、半導体膜が形成された複数のウェハWを成膜装置1の外部に取り出す(ステップS105)。次に、半導体膜の膜厚を測定し、膜厚分布を取得する(ステップS106)。次に、膜厚分布が、予め定められている膜厚分布条件を満たしているか判断する(ステップS107)。
【0065】
膜厚分布が膜厚分布条件を満たしていなければ、膜厚分布に応じて成膜条件を変更し、記憶媒体42に記憶された成膜条件の情報を更新する(ステップS108)。そして、ステップS105にて、複数のウェハWを交換し、記憶媒体42から更新後の成膜条件を読み出し、読み出した成膜条件にて複数のウェハWに半導体膜を形成する。以降、膜厚分布が膜厚分布条件を満たすまで、ステップS105からステップS108までの処理を繰り返す。
【0066】
膜厚分布が膜厚分布条件を満たすと、直前に行われた成膜での成膜条件を、ステップS102で取得した反りの大きさに対応する初期成膜条件と決定し(ステップS209)、この初期成膜条件をデータベース6に記録する(ステップS210)。
【0067】
このようにして、サセプタ7の反りの大きさと半導体膜を形成する際の初期成膜条件とを対応付けた1つのデータがデータベース6に加えられる。このような処理を所定の数のサセプタ7について実行することにより、データベース6が構築される(ステップS211)。
【0068】
なお、図19に示すように、図12に示す製造方法において、量産成膜条件の決定(ステップS109)の後にも、当該ウェハWの反りの大きさと量産成膜条件とを対応付けるデータを、サセプタ7の反りの大きさと初期成膜条件とを対応付けるデータとしてデータベース6を格納した記録媒体41に追加記録する(ステップS212)ことが好ましい。データの豊富化により、以降のサセプタ7の交換時に、ステップS105からステップS108までの処理の頻度をより低減できるからである。
【0069】
ヒータ30の設定温度は、複数のヒータ30のすべてについて独立して調整してもよく、複数のヒータ30を複数のグループに分割し、グループ内では共通に調整してもよい。例えば、ヒータユニット3が10個のヒータ30を含む場合、5個ずつの2グループに分割し、各グループに属する5個のヒータ30の設定温度は共通にしてもよい。
【0070】
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1:成膜装置
2:成膜チャンバ
3:ヒータユニット
4、22:シャワーヘッド
5:制御部
6:データベース
7、11、12、13:サセプタ
7X:円弧
8:ポケット領域
9、21:壁
10:オリエンテーションフラット
21:壁
23:原料ガス
24:排気ガス
25:流れ
26:半導体膜
27:Ga昇華ガス
28:付着物
30:ヒータ
31:公転軸
41:記録媒体
42、142:記憶媒体
L:直線
O:中心
R:領域
T:温度
W:ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19