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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031605
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/64 20060101AFI20230302BHJP
   B65G 43/02 20060101ALI20230302BHJP
   B65G 23/08 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65G15/64
B65G43/02 E
B65G23/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137199
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】504385982
【氏名又は名称】株式会社JRC
(74)【代理人】
【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 實
【テーマコード(参考)】
3F023
3F027
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023BA01
3F023BB01
3F023BC01
3F023CA02
3F023GA04
3F023GA05
3F027AA02
3F027CA07
3F027DA01
3F027DA19
3F027DA25
3F027EA01
3F027FA03
(57)【要約】
【課題】ローラの旋回装置等大掛かりな作用装置無しに、場所を取らずにベルトの蛇行を調整できるベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置を提供すること。
【解決手段】コンベヤベルト2を支承するフリー回転のローラ3群の1部は、ベルト2の幅方向に複数並んで夫々がフリー回転で、各ローラ内に第1発電手段Cを設け、ベルト2の走行路の両側にスタンド4、5を設けて、スタンド5に保持したセンタ軸9にフリー回転し、外周の一部に蛇行する上記ベルトの一部が乗り上げて回転を伝達する第1円錐ローラBと、第1円錐ローラBに第2発電手段Dを設け、第2発電手段Dが発電してベルト2の蛇行検知信号を発信した際、所定のローラ3側の第1発電手段Cを電動機仕様に変えて制動作用をするような一連の動きをさせるベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤフレームの前後両端にテールプーリ及び電動ドライブ機能付きのヘッドプーリを配置し、このテールプーリと前記ヘッドプーリとの間に無端状のベルトを掛け渡すと共に、上記コンベヤフレームの上記ベルトの下側前後方向の点在位置に前記ベルトを支承するフリー回転のローラを設けたベルトコンベヤにおいて、
上記ローラ群の少なくとも1部のローラは、ベルトの幅方向に複数並んで夫々がフリー回転であり、かつ、各ローラ内に第1発電手段を設けておき、上記ベルトの走行路の両側に上記コンベヤフレームから起立するスタンドを設けて、このスタンドに保持したセンタ軸に中心をフリーに回転するよう支持すると共に、その外周の一部に蛇行する上記ベルトの一部が乗り上げて回転を伝達するように設けた第1円錐ローラと、この第1円錐ローラ内に設けた第2発電手段を設け、上記第1円錐ローラ側の第2発電手段が発電することによるベルトの蛇行検知信号を発信した際、所定のローラ側の第1発電手段に通電することで電動機仕様に変わり、その結果フリー回転時と異なる回転数にすることで、制動作用をするような一連の動きをさせることを特徴とするベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置。
【請求項2】
コンベヤフレームの前後両端にテールプーリ及び電動ドライブ機能付きのヘッドプーリを配置し、このテールプーリと前記ヘッドプーリとの間に無端状のベルトを掛け渡すと共に、上記コンベヤフレームの上記ベルトの下側前後方向の点在位置に前記ベルトを支承するフリー回転のローラを設けたベルトコンベヤにおいて、
上記ローラ群の少なくとも1部のローラは、ベルトの幅方向に複数並んで夫々がフリー回転であり、かつ、各ローラ内に第1発電手段を設けておき、上記ベルトの走行路の両側に上記コンベヤフレームから起立するスタンドを設けて、このスタンドに保持したセンタ軸に中心をフリー回転するように支持すると共に、その外周の一部に蛇行する上記ベルトの一部が乗り上げて回転を伝達するように設けた第2円錐ローラと、この第2円錐ローラ内の円周線上の点在位置に上記第2円錐ローラと共に回転する被検知体を設け、また上記第2円錐ローラ内に上記被検知体の通過をカウントする上記第2円錐ローラに対する不回転のセンサを設け、上記第2円錐ローラ側の上記センサが前記被検知体の通過をカウントすることでベルトの蛇行検知信号を発信した際、所定のローラ側の第1発電手段に通電することで電動機仕様に変わり、その結果フリー回転時と異なる回転数にすることで、制動作用をするような一連の動きをさせることを特徴とするベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置。
【請求項3】
前記蛇行検知信号を受ける情報制御機器は、この蛇行検知信号が上記ベルトの蛇行が限度を越えた状況下である際に、回転した第1円錐ローラ又は第2円錐ローラとはベルトの幅方向で逆側にあるローラに対して前記第1発電手段による発電機能を制動機能として作用させることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置に関するもので、すなわち、非旋回型ベルト蛇行調整ユニットを用いて、円錐ローラに内蔵された発電機の起電圧、又はセンサー(いずれの信号も制御装置へ送ること)によって、ベルトの蛇行を調整する側のキャリヤローラやリターンローラの回転数を加速あるいは減速制御することで、ローラとベルト間で発生した抵抗によってアイドラ本体を旋回させることなくベルトの蛇行を調整することにある。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベヤ設備のベルトが何らかの原因により蛇行した場合、その蛇行を放置すると、ベルトコンベヤのベルトが損傷したり、或いはベルトコンベヤのフレームやベルトコンベヤの片側に損傷を受けて機能の低下要因となる。
【0003】
そこで、ベルトが蛇行した場合、その蛇行を自動調整(調芯)することが既に知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0004】
また、蛇行の自動調整以外に、ベルトを支持するローラに回転にともなう発電機能を付与して、その発電した電気をそのまま利用したり蓄電池に貯えて各種電源としてその現場で用いる技術も既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3224078号公報
【特許文献2】実用新案登録第3224079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の方式によると、両側のキャリヤローラの外側端中心からセンタ軸を突出させて、このセンタ軸の突出端に円錐ローラを設け、この円錐ローラの中空内部には、発電手段が設けてある。
【0007】
ベルトコンベヤのベルトの蛇行にともないベルト側縁が円錐ローラの外周に乗り上げると、円錐ローラの回転にともない上述の発電手段により発電が開始され円錐ローラが回転したことによる起電圧を検知する。
【0008】
この円錐ローラの起電圧信号により、別途作用装置により蛇行調整装置のローラスタンド全体を旋回装置の駆動装置を駆動させて蛇行を調整することも知られている。
【0009】
なお、上記発電装置以外に上述と周縁に設けた円錐体内に検知タグ及び信号発信用センタを組み込んで制御信号を発信するようにしたことも知られている(特許文献2)。
【0010】
しかしながら、キャリヤローラの外端外側に回転中心が同軸上になる円錐ローラ(起電圧用あるいは信号発信のための)を設置するので、狭い隙間での設置のため作業性に、またローラの軸芯に円錐ローラの軸芯を合致させることに多大な困難がともなう問題があった。
【0011】
また、特許文献1及び2のキャリヤローラを支持した旋回スタンドは、発電にともなう電気信号等を取り出して、別置の稼働装置によって駆動体を制御することで、ベルトの蛇行にともない旋回スタンドを作用手段により旋回するようにしてある。
【0012】
すると、旋回スタンドの下側の狭い空間に旋回スタンドの作用装置を設置するので、作業性が悪く、その設置が困難であり、また、保守点検作業が大変になるなどの問題もあった。
【0013】
そこで、この発明は、上述の問題をなくするようにしたベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、この発明は、コンベヤフレームの前後両端にテールプーリ及び電動ドライブ機能付きのヘッドプーリを配置し、このテールプーリと前記ヘッドプーリとの間に無端状のベルトを掛け渡すと共に、上記コンベヤフレームの上記ベルトの下側前後方向の点在位置に前記ベルトを支承するフリー回転のローラを設けたベルトコンベヤにおいて、上記ローラ群の少なくとも1部のローラは、ベルトの幅方向に複数並んで夫々がフリー回転であり、かつ、各ローラ内に第1発電手段を設けておき、上記ベルトの走行路の両側に上記コンベヤフレームから起立するスタンドを設けて、このスタンドに保持したセンタ軸に中心をフリーに回転するよう支持すると共に、その外周の一部に蛇行する上記ベルトの一部が乗り上げて回転を伝達するように設けた第1円錐ローラと、この第1円錐ローラ内に設けた第2発電手段を設け、上記第1円錐ローラ側の第2発電手段が発電することによるベルトの蛇行検知信号を発信した際、所定のローラ側の第1発電手段に通電することで電動機仕様に変わり、その結果フリー回転時と異なる回転数にすることで、制動作用をするような一連の動きをさせる構成を採用する。
【0015】
また、コンベヤフレームの前後両端にテールプーリ及び電動ドライブ機能付きのヘッドプーリを配置し、このテールプーリと前記ヘッドプーリとの間に無端状のベルトを掛け渡すと共に、上記コンベヤフレームの上記ベルトの下側前後方向の点在位置に前記ベルトを支承するフリー回転のローラを設けたベルトコンベヤにおいて、上記ローラ群の少なくとも1部のローラは、ベルトの幅方向に複数並んで夫々がフリー回転であり、かつ、各ローラ内に第1発電手段を設けておき、上記ベルトの走行路の両側に上記コンベヤフレームから起立するスタンドを設けて、このスタンドに保持したセンタ軸に中心をフリー回転するように支持すると共に、その外周の一部に蛇行する上記ベルトの一部が乗り上げて回転を伝達するように設けた第2円錐ローラと、この第2円錐ローラ内の円周線上の点在位置に上記第2円錐ローラと共に回転する被検知体を設け、また上記第2円錐ローラ内に上記被検知体の通過をカウントする上記第2円錐ローラに対する不回転のセンサを設け、上記第2円錐ローラ側の上記センサが前記被検知体の通過をカウントすることでベルトの蛇行検知信号を発信した際、所定のローラ側の第1発電手段に通電することで電動機仕様に変わり、その結果フリー回転時と異なる回転数にすることで、制動作用をするような一連の動きをさせる構成を採用する。
【0016】
さらに、前記蛇行検知信号を受ける情報制御機器は、この蛇行検知信号が上記ベルトの蛇行が限度を越えた状況下である際に、回転した第1円錐ローラ又は第2円錐ローラとはベルトの幅方向で逆側にあるローラに対して前記第1発電手段による発電機能を制動機能として作用させる構成を採用することもある。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明のベルトコンベヤの電動式蛇行調整装置によれば、ベルトを支承するフリー回転のローラを設けたベルトコンベヤにおいて、上記ローラ群の少なくとも1部のローラは、内部に第1発電手段を設けているので、ベルトの走行にともないベルトの駆動力の一部を電力として回収でき、ベルトコンベヤの設置場所が送電設備の無い山間部などの僻地であっても、発電による電気やコンベヤ設備に付帯してある蓄電設備としての蓄電池を利用して縁端や各種設備の情報発信の電源として利用することができる。
【0018】
また、ベルトコンベヤの運転にともないベルトが蛇行して、第1円錐ローラに蛇行ベルトの側縁の乗り上げにより第1円錐ローラが回転する。
【0019】
すると、第1円錐ローラ内の第2発電手段により発電した電気を用いてベルトコンベヤの蛇行調整用の信号として利用することができるので、ベルトコンベヤの蛇行調整に利用することができる。
【0020】
即ち、ベルトの幅方向に複数並んだベルトを支承するローラのうち、一方のローラ(第1円錐ローラの逆側にある一方側縁のローラ)の第1発電手段に対し、ベルト駆動と逆回転方向に回転するような駆動力(制動力)を与えるようにすると、このローラに接しているベルトの一方側縁は走行が抑制される。
【0021】
他方、ブレーキとしての役目の無い他方側縁のローラは、走行しようとする。
この結果、ベルトはブレーキの作用した一方側縁側に寄っていくことにより蛇行が調整され、蛇行調整にともないベルトは第1円錐ローラから外れて蛇行検知信号(第2発電手段からの発電)が停止され、電動機仕様によりベルトに制動をかけていたローラの制動は、その後解除される。
【0022】
この作用にともないベルトの蛇行が一時的にストップし、その後のストップの解除にともないベルトの蛇行が停止したベルトは直進する。
【0023】
このため、ベルトの蛇行が解消されるすぐれた効果があると共に、通常時はベルトを支承するローラ側の第1発電手段により発電された電力は、蓄電池に蓄電されてベルトコンベヤの走行やその他制御機器側の情報発信の電源として用いることができると共に、特にベルトコンベヤの設置場所に電源が無くても何ら支障が無い効果もある。
【0024】
更に、蛇行調整のための作用装置(例えば、ローラ全体を旋回させる旋回装置等)を更に追加すること無く、既存の第1発電手段を用いて、所定のローラの第1発電手段に電動機仕様としてベルトの逆方向へ駆動する電気を供給することで、蛇行が調整されることになる。
【0025】
なお、第1円錐ローラに代えて、円錐ローラ内の円周線上の点在位置に円錐ローラと共に回転する被検知体と、円錐ローラ内に被検知体の通過をカウントする不回転のセンサを設けた第2円錐ローラを設け、このセンサが被検知体の通過をカウントすることでベルトの蛇行検知信号を発信するようにしても同様の効果がある。
【0026】
今、左側にベルトが蛇行したことで、左側の第1円錐ローラが回転し内部の第2発電手段が起電(あるいは第2円錐ローラの近接センサがタグの回転を感知した)ことの情報を制御機器に流し、情報を受けた制御機器は、右側のキャリヤローラの回転数を変えるべく、右側のキャリヤローラの第1発電手段に極僅かに通電する。
【0027】
それは、なぜ極僅かの電力供給しかしないと言えば、元々電動機としての役割で取り付けたローラではなく、左右ローラが同速度で回転している均衡を崩して、ベルトとローラ間で摩擦を発生させて走行しているベルトに抵抗をして若干引っ張るのが目的であるからであり、その時だけローラ側の第1発電手段は電動機仕様になっていれば良いのであって、普段は通常の発電手段としてそのときに必要な電力を備蓄していることにある。
【0028】
そして左側にベルトが蛇行し続けている間には、左側の第1円錐ローラが回転して蛇行の情報を制御機器に流して右側のキャリヤローラの発電手段に通電し続ける。
【0029】
逆に、左側の第1円錐ローラが回転しなくなったらベルトの蛇行は調整(修正)されたことになるので、左側の第1円錐ローラからの情報がなくなると同時に、制御機器からの右側のキャリヤローラの第1発電手段への通電も停止されるので、右側のキャリヤローラは発電機仕様に変換されて普段通りに発電する。
【0030】
勿論、ベルトが右側に蛇行した場合は、右側の第1円錐ローラが回転して蛇行の情報を制御機器側に伝達し、左側のキャリヤローラの第1発電手段を電動機仕様に変換する。
【0031】
すなわち、情報制御器側からの情報によりベルトの蛇行が限度を越えた状況である際に、ベルトを支承するローラ側の第1発電装置による発電を制動として作用するようにすることで、ベルトの蛇行量の大きい側を制動力の働く側とすることになって、ベルトの蛇行を自動的に調整することができる。
【0032】
特に既在のベルトコンベヤの機側にスタンドを設けて、このスタンドに第1円錐ローラを設けるので、ベルトの蛇行調整を行うことができると共に、ベルトコンベヤを大幅に改造する必要もなく簡単に目的を達成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】この発明の実施形態のベルトコンベヤの第1円錐ローラの部分を示す一部切欠背面図である。
図2】同上の平面図である。
図3】第1円錐ローラの取付部分を示す拡大側面図である。
図4】同上のスタンドの取り付けを示す一部切欠拡大平面図である。
図5】第1円錐ローラを示す縦断拡大正面図である。
図6】同上の6縦断拡大側面図である。
図7】第2の実施形態の第2円錐ローラの取付部分を示す拡大側面図である。
図8】第2円錐ローラの部分を示す縦断拡大正面図である。
図9】同上の縦断拡大側面図である。
図10】第2円錐ローラの配置を示す平面図である。
図11】同上の平面図である。
図12】この発明の蛇行調整装置の作用手順を示すチャート図である。
図13】同上のチャート図を説明するための補足図面である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、この発明の実施形態を図1から図6に基づいて説明する。
図1から図4に示すAは、ベルトコンベヤである。
【0035】
上記のベルトコンベヤAは、周知のように、コンベヤフレーム1の前後両端のテールプーリ及び電動ドライブ機能付きヘッドプーリ(いずれも公知につき図示省略)を配置して、このテールプーリとヘッドプーリとの間に無端状のベルト2をかけ渡すと共に、ベルト2のキャリヤ側下面をキャリヤローラ3により支承し、及び、リターン側上面を並列するリターンローラ(図示省略)により支承して構成されている。
【0036】
なお、キャリヤローラ3は、バラの搬送物の荷こぼれを防止するトラフ形を示したが、トラフ形に限定されない。
【0037】
また、キャリヤローラ3群の少なくとも一部のキャリヤローラ3には、図1に示すようにトラフ形で、少なくとも片側端内に上記キャリヤローラ3が移動するベルト2との接触にともない前記キャリヤローラ3の強制回転により発電する第1発電手段Cが設けてある。
【0038】
上記第1発電手段Cとしては、各キャリヤローラ3の軸部付近の内部両端に設けられており、キャリヤローラ3の回転により発電を行うようになっているが、ベルト2の走行に邪魔とならないように発電のための抵抗は低く抑えられている。
【0039】
また、第1発電手段の発電機構は既知のもので詳細な説明を省略するが、発電した電気の取り出しや、後述の制動のための電力供給への便宜のため、回転側の回転子に永久磁石、固定側の固定子に電磁コイルとする構成が好ましい。
【0040】
また、キャリヤ側ベルト2の走行路の両側には、図2、3に示すように、コンベヤフレーム1に取り付けたスタンド4に補助スタンド5を介し第1円錐ローラBが支持させてある。
【0041】
上記第1円錐ローラBは、図5、6に示すように内部が中空となる円錐体7と、この円錐体7の中心にベアリング8を介しフリー回転するように支承したセンター軸9とで構成されている。
【0042】
上記スタンド4に対する補助スタンド5は、図3、4に示すように、補助スタンド5の上下の長孔10にフック11付きの杆12を貫通させて、杆12のフック11をスタンド4に係合すると共に、杆12にねじ込んだナット13の締め付けにともない杆12を介しスタンド4に補助スタンド5を取り付けるようにしたが、限定されず、その他の方法でスタンド4に補助スタンド5を支持させることもある。
【0043】
なお、補助スタンド6に対するセンタ軸9の支持は、図5に示すように、補助スタンド6の上端から下方に向くU字状の切欠き14にセンタ軸9の外周対向面の切欠き15を嵌め込み係合したが、限定されない。
【0044】
また、円錐体7内には、ベルト2の蛇行にともない円錐体7の外周面に上記ベルト2が乗り上げて上記円錐体7を強制回転することで、組み込んである第2発電手段Dにより発電するようになっている。
【0045】
上記の円錐ローラB側の第2発電手段Dとしては、円錐体7内のセンタ軸9の円周上に設けたコイル巻きした固定子16と、円錐体7の固定子16の周りに配置すると共に、円錐体7側に支持したSN極の永久磁石17とで構成され、第1円錐ローラBの回転にともない発電するようにしてある。
【0046】
すると、ベルト2の蛇行にともない、ベルト2の側縁が第1円錐ローラBの円錐体7に乗り上げることにより回転して発電するようになっている。
【0047】
上記発電による電気は、ベルトコンベヤの蛇行検知信号用以外に、その他の用途、例えば情報の発信制御機器19や、蓄電池に電力を出力することもできる。勿論、用途は限定されない。図中20は他用途に用いる配線である。
【0048】
すると、上記第1円錐ローラB内の第2発電手段Dにより発生した電気信号を蛇行発生信号として捉え、制御機器にて蛇行して第1円錐ローラBに接触した側と反対側にあるキャリヤローラ3側の第1発電手段Cに電流を流すことで、この作用がベルト3の片側縁に作用するブレーキ(制動の作用は、明細書中の効果に記載)によりベルト3の蛇行が調整されることになる。
【0049】
次に図7乃至図11で示すこの発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態では、図7図10に示すように、第1の実施形態と同様のベルトコンベヤAのベルト2の走行路の両側には、コンベヤフレーム1のスタンド4に補助スタンド27を介し第2円錐ローラEが支持させてある。
【0050】
上記のスタンド4に対する補助スタンド27の取り付け及び構成は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0051】
上記補助スタンド27に対する第2円錐ローラEの取付方式及び第2円錐ローラEの円錐体30の構成及び円錐体30のフリーに回転するセンタ軸9の詳細な説明と同様についても第1の実施形態の円錐体7とセンタ軸9と同様につき説明を省略する。
【0052】
第1の実施形態の円錐体7と同様の第2の実施形態の第2の円錐ローラEを構成する円錐体30内の円周線上の点在位置には、第2円錐ローラEと共に回転する被検知体31が複数個設けてある。
【0053】
上記の被検知体31としては、例えば円錐体30と共に回転する円板34の片側板面の点在位置にタグが設けてある。
【0054】
また、第2円錐ローラE内には、センタ軸9に取り付けた非回転アーム35を設けて、この非回転アーム35に通過する被検知体31をカウントするセンサ33を設けておく。
上記センサ33としては、例えば近接スイッチを使用してある。
【0055】
すると、ベルト2に蛇行にともない、ベルト2の側縁が第2円錐ローラEの外周面に乗り上げて第2円錐ローラEが回転すると、共に回転する被検知体31をセンサ33によりカウントして、ベルト2の蛇行を知ることができる。
なお、図中32は、センサ33からの信号を伝える電線を収納する信号ケーブル保護用パイプである。
【0056】
上記のように構成すると、ベルト2が側方に蛇行すると、蛇行にともない発生するセンサの信号を第1の実施携帯と同様に蛇行検知信号として利用し、キャリヤローラ3内の第1発電手段Cによる電動機仕様によりブレーキの役目を与える。
上記の情報の発信は、制御機器19から行われる。
【0057】
すると、ブレーキとしての役目のベルトの一方の側縁は停止しようとし、役目のないもう片方の側縁は走行を停止しようとし、ベルト2の蛇行にともない一側縁に制動力が作用し、もう片側縁に制動力が作用しない。
【0058】
この状況下で、ベルト2の一側縁の走行を抑制し、もう片側縁の走行を許すことになるので、ベルト2の蛇行が解消され、解消後ベルト2の抑制が解除されることでベルト2の通常の走行が可能となり、ベルト2の制動と制動解除との間でベルト2の走行ができる。
この現象でベルト2の蛇行を自動的に調整しつつベルト2の走行が可能になる。
【0059】
図12はこの発明の蛇行調整装置に沿った構造のベルトコンベヤ装置の作用手順を示すチャート図であり、図13はこのチャート図で示す部位を説明するための補足図面である。このチャート図での「円錐ローラ」は、この発明の第1円錐ローラB又は第2円錐ローラEのどちらにも適用される。
【0060】
チャート図は、図13の補足図面の平面図で、コンベヤベルトが左側に蛇行した場合の作用手順を示しており、ベルトが左側に寄ることで、左側の円錐ローラに接触して円錐ローラを回転させ、円錐ローラは、第2発電手段の発電作用やセンサの信号により制御機器に蛇行信号を伝達する。
【0061】
制御機器は、右側の発電ローラ(第1発電手段Cを内蔵するローラ)に通電し、このローラは通常の発電仕様から電動機仕様に切り替わると共に、ローラの回転数を減速させる方向に通電する。
【0062】
すると、ベルトの制動されない左端側はそのまま走行し、減速方向に制動の掛かった右側のローラに接触しているベルトの右端側は減速することで、ベルト全体としては制動の掛かった右側に寄っていくことになる。
【0063】
ベルトが通常の走行位置まで戻ると、円錐ローラからベルトが外れ、制御機器への蛇行発生信号が途絶えると、制動の掛かっていた電動機仕様のローラへの通電を止め、該ローラは通常の発電機仕様のローラに戻り、発電手段により発電を継続する。
【0064】
なお、上記実施形態では、第1発電手段Cを有するローラをキャリヤローラとし、キャリヤローラの制動により蛇行を調整するようにしたが、リターンローラ側に第1発電手段を設けて、リターンローラ側で蛇行調整をするようにすることもできる。
【符号の説明】
【0065】
A ベルトコンベヤ
B 第1円錐ローラ
C 第1発電手段(ローラ側)
D 第2発電手段(円錐ローラ側)
E 第2円錐ローラ
1 コンベヤフレーム
2 ベルト
3 キャリヤローラ
4 スタンド
5 補助スタンド
7 円錐体
8 ベアリング
9 センタ軸
12 杆
13 ナット
14 切欠き
15 切欠き
16 固定子
17 永久磁石
19 制御機器
27 補助スタンド
30 円錐体
31 被検知体
32 信号ケーブル保護用パイプ
33 センサ
34 円板
35 非回転アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13