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  • 特開-玄関ドア構造 図1
  • 特開-玄関ドア構造 図2
  • 特開-玄関ドア構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031606
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】玄関ドア構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20230302BHJP
   E04B 1/64 20060101ALI20230302BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
E06B3/70 Z
E04B1/64 D
E06B7/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137200
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】須藤 勝仁
【テーマコード(参考)】
2E001
2E016
【Fターム(参考)】
2E001DB03
2E001DB05
2E001FA33
2E001GA12
2E001HA14
2E001LA19
2E016HA00
2E016JA11
2E016JC01
2E016KA05
2E016RA00
(57)【要約】
【課題】玄関空間に調湿建材を容易に設置することができる玄関ドア構造を提供する。
【解決手段】玄関空間12に設けられる玄関ドア2と、玄関ドア2の表面に沿って固定され、玄関空間12の調湿を行う調湿建材3と、を有する。調湿建材3は、玄関空間12の調湿を行う調湿建材パネル31(調湿建材本体)と、調湿建材パネル31に取り付けられたマグネットシート32(磁石部材)と、を有し、玄関ドア2の室内側の面23aにはマグネットシート32を取り付け可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関空間に設けられる玄関ドアと、
前記玄関ドアの表面に沿って固定され、前記玄関空間の調湿を行う調湿建材と、を有する玄関ドア構造。
【請求項2】
前記調湿建材は、
前記玄関空間の調湿を行う調湿建材本体と、
前記調湿建材本体に取り付けられた磁石部材と、を有し、
前記玄関ドアの表面には、前記磁石部材を付けることが可能な部材が設けられている請求項1に記載の玄関ドア構造。
【請求項3】
前記玄関ドアの表面には、前記調湿建材を嵌め込み可能な凹部が形成されている請求項1に記載の玄関ドア構造。
【請求項4】
前記玄関ドアは、扉本体と、袖パネルと、を有する袖パネル付きドアであり、
前記調湿建材は、前記袖パネルの表面に沿って固定される請求項1から3のいずれか一項に記載の玄関ドア構造。
【請求項5】
前記玄関ドアは、親扉および子扉を有する親子ドアであり、
前記調湿建材は、前記子扉の表面に沿って固定される請求項1から3のいずれか一項に記載の玄関ドア構造。
【請求項6】
前記調湿建材は、前記玄関ドアに着脱可能である請求項1から5のいずれか一項に記載の玄関ドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、玄関ドア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の高気密化が進み、新築の建物のみならず、既存の建物のリフォームの場合にも、室内の気密性を高める施工が行われる場合がある。気密性の高い建物においては、結露等を防ぐために、居室のみでなく、玄関の壁部や天井部に調湿建材を施工することが行われている(例えば、特許文献1参照)。壁部や天井部に施工される調湿建材としては、例えば、パネル状の調湿建材が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-32641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リフォームで建物の玄関に調湿建材を施工する場合、調湿建材に接着剤を塗布して壁部や天井部に貼り付けて固定するため、施工に手間がかかっている。
【0005】
本開示は、玄関空間に調湿建材を容易に設置することができる玄関ドア構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る玄関ドアは、玄関空間に設けられる玄関ドアと、前記玄関ドアの表面に沿って固定され、前記玄関空間の調湿を行う調湿建材と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による玄関ドア構造の正面図である。
図2】調湿建材の斜視図である。
図3】第1実施形態による玄関ドア構造の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態による玄関ドア構造1は、建物の玄関に設けられた玄関ドア2の構造である。玄関ドア2が設けられる壁部11に沿った水平方向を幅方向とする。
【0009】
玄関ドア構造1は、玄関ドア2と、玄関ドア2の室内側の表面に固定され玄関空間12の調湿を行うパネル状の調湿建材3と、を有している。玄関ドア2は、開口部13に設けられた枠部21と、枠部21に開口部13を開閉可能に支持された扉体22と、開口部13の一部を閉鎖する袖パネル23と、を有している。玄関ドア2は、片側に袖パネル23が設けられた袖パネル付きドアである。扉体22は、幅方向の一方側に配置され、袖パネル23は、幅方向の他方側に配置されている。袖パネル23は、開口部13を開閉せずに枠部21に固定されている。袖パネル23には、室内側の面23aに磁石をくっつけることができる。例えば、袖パネル23の室内側の面23aが鋼板(磁石部材を付けることが可能な部材)を材料として形成されていたり、袖パネル23の室内側の面23aに鋼板が貼り付けられたりしている。
【0010】
図2に示すように、調湿建材3は、長方形の板状の調湿建材パネル31(調湿建材本体)と、調湿建材パネル31の一方の面31aに設けられたマグネットシート32(磁石部材)と、を有している。1枚の調湿建材パネル31には、複数のマグネットシート32が設けられている。複数のマグネットシート32は、調湿建材パネル31の一方の面31aに接着材や両面テープなどで固定されている。調湿建材パネル31の他方の面31bは、仕上げ面であり、模様が施されていたり、印刷がされていたりしてもよい。
【0011】
調湿建材パネル31は、例えば、火山軽石層の土や珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオライト、ハロイサイト、セピオライトなどの調湿性原料に粘土、珪石、陶石、蝋石、長石その他のガラス質成分等を混合し、押出成形またはプレス成形し、得られた成形体を焼成することにより製造される。この成形体に施釉した後に焼成し、あるいは成形体を素焼きした後施釉し、その後さらに焼成することにより製造できる。なお、施釉は必須の構成ではない。調湿建材3の他の例としては、活性炭や珪藻土を主材料として板状に成形したものが挙げられる。調湿性能とは、調湿材が設置された建物内の空間の湿度に応じて、空気中の水分を吸収及び放出する性能を示す。
【0012】
調湿建材3は、マグネットシート32が設けられた面(調湿建材パネル31の一方の面31a)を袖パネル23の室内側の面23aと対向させ、マグネットシート32を袖パネル23の室内側の面23aに貼り付ける。調湿建材パネル31の他方の面31bが室内側を向く。これにより、調湿建材3が袖パネル23の室内側の面23aに固定される。調湿建材3の幅方向の寸法は、袖パネル23の幅方向の寸法よりもやや小さい。調湿建材3は、袖パネル23の幅方向の寸法内に貼り付けられる。本実施形態では、4枚の調湿建材3が袖パネル23に上下方向に並んで配列されている。上下方向に隣り合う調湿建材3の間には、隙間が設けられていてもよい。
【0013】
調湿建材3が固定される袖パネル23は、室内側の面23aに調湿建材3のマグネットシート32を取り付け可能であれば、調湿建材3とともに新設される袖パネルでもよいし、既設の袖パネルであってもよい。
【0014】
玄関ドア構造1は、玄関ドア2の袖パネル23の表面に、玄関空間12の調湿を行う調湿建材3を貼り付ける構造である。玄関ドア構造1は、玄関空間12の壁部11や天井部に調湿建材3を貼り付ける場合と比べて、玄関空間12に調湿建材3を容易に設置することができる。調湿建材3は、マグネットシート32で袖パネル23に容易に固定できる。調湿建材3は、マグネットシート32で袖パネル23に固定されているため、取り外しも容易に行うことができる。
【0015】
調湿建材3は、玄関ドア2の開閉時に移動しない袖パネル23の表面に沿って固定されている。このため、玄関ドア2の開閉の衝撃で調湿建材3がずれたり損傷したりすることを防止できる。
【0016】
調湿建材3は、玄関ドア2に着脱可能である。これにより、要求される調湿の程度や、玄関空間12のデザインなど合わせて、調湿建材3を容易に交換することができる。
【0017】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。図3に示すように、第2実施形態による玄関ドア構造1Bでは、親子ドアからなる玄関ドア2Bを備えている。
【0018】
玄関ドア2Bは、開口部13に設けられた枠部21Bと、枠部21Bに開口部13を開閉可能に支持された親扉24および子扉25と、を有している。親扉24および子扉25は、幅方向に並んで配置される。親扉24が枠部21内の幅方向の一方側に配置され、子扉25が枠部21内の幅方向の他方側に配置されている。親扉24は、通常の出入りの際に開口部13を開放する。子扉25は、通常時はフランス落としなどで枠部21に固定され、大型の家具を搬入する時など開口部13を広く開放させる際に、親扉24とともに開口部13を開放する。調湿建材3は、子扉25の室内側の面25aに取り付けられる。子扉25の室内側の面25aは、調湿建材3のマグネットシート32をくっつけることができる。例えば、子扉25の室内側の面25aが鋼板(磁石部材を付けることが可能な部材)を材料として形成されていたり、子扉25の室内側の面25aに鋼板が貼り付けられたりしている。第2実施形態では、8枚の調湿建材3が上下方向に配列されている。調湿建材3の大きさや配置は、適宜設定すればよい。
【0019】
玄関ドア構造1Bでは、第1実施形態と同様の効果を奏する。玄関ドア構造1Bでは、調湿建材3は、開閉頻度の低い子扉25の表面に沿って固定されている。玄関ドア構造1Bは、親扉24の開閉の衝撃で調湿建材3がずれたり損傷したりすることを防止できる。
【0020】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、調湿建材3は、玄関ドア2にマグネットシート32で固定される構成に代わって、玄関ドア2の表面に形成された凹部に嵌め込まれて固定される構成であってもよい。
【0021】
上記の実施形態では、調湿建材3は、袖パネル23の室内側の面23aや子扉25の室内側の面25aに固定されている。これに対し、調湿建材3は、袖パネル付きドアの扉体22や、親子ドアの親扉24に固定されていてもよい。調湿建材3は、玄関ドア2の室外側の面にも固定されていてもよい。玄関ドア2が、引戸や、両開きドア、片開きドアなどであり、これらの引戸や、両開きドア、片開き戸の扉体22に調湿建材3が固定されてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1,1B 玄関ドア構造、2,2B 玄関ドア、3 調湿建材、12 玄関空間、23 袖パネル、23a 室内側の面(表面)、24 親扉、25 子扉、25a 室内側の面(表面)、31 調湿建材パネル(調湿建材本体)、32 マグネットシート(磁石部材)
図1
図2
図3