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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031639
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/06 20060101AFI20230302BHJP
   F16L 17/04 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
F16L21/06
F16L17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137256
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】502173361
【氏名又は名称】株式会社TOZEN
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100080115
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 和壽
(72)【発明者】
【氏名】室井 仁志
【テーマコード(参考)】
3H014
3H015
【Fターム(参考)】
3H014AA08
3H015DA02
3H015DA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハウジングの組立作業を迅速かつ容易に行うことができ、作業性や施工性にも優れた管継手を提供する。
【解決手段】ハウジング2が円周方向に3分割されたハウジング部を有し、第1のハウジング部2aは、シール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に凹部又は凸部に形成された連結部5,6が設けられ、第2、第3のハウジング部2b,2cは、第1のハウジング部側であってシール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に前記連結部に凹凸嵌合により着脱可能に連結する凹部又は凸部に形成された連結部8が設けられているとともに、第1のハウジング部側と反対側であってシール部材が配置された内面近くから外方向に張り出した端部に締付け部材28,29により着脱可能に締付けて連結する連結部21,22が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の管と他方の管の対向端部を跨ぐように外方から環状のハウジングで囲み、内周面に配置されるシール部材によってシール性を確保して接続する管継手において、
前記ハウジングが円周方向に3分割されたハウジング部を有し、第1のハウジング部は、前記シール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に凹部又は凸部に形成された連結部が設けられ、第2、第3のハウジング部は、第1のハウジング部側であってシール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に前記連結部に凹凸嵌合により着脱可能に連結する凹部又は凸部に形成された連結部が設けられているとともに、第1のハウジング部側と反対側であってシール部材が配置された内面近くから外方向に張り出した端部に締付け部材により着脱可能に締付けて連結する連結部が設けられていることを特徴とする管継手。
【請求項2】
第1のハウジング部の端部が凸部に形成された連結部は、略L字状の連結凸部に形成され、第1のハウジング部の端部が凹部に形成された連結部は、前記連結凸部を遊嵌して係合し連結する連結穴に形成されている請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
第2、第3のハウジング部の内周面に形成されたシール部材溝は、第2、第3のハウジング部の外側面に対し第1のハウジング部との連結部から互いの連結部方向に外向きに所定角度傾き、第2、第3のハウジング部の連結部を締め付け部材で締め付けた状態では傾いた状態から真っ直ぐになるように構成されている請求項1又は2に記載の管継手。
【請求項4】
連結凸部と連結穴は、第2、第3のハウジング部のシール部材溝が第1のハウジング部のシール部材溝に対して傾いた状態から真っ直ぐな状態にもたらされるのを許容可能に遊嵌されている請求項2又は3に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管継手に関し、さらに詳しくは流体(液体・気体)移送用の一方の管と他方の管の対向端部を、ハウジングが円周方向に3分割された管継手により、ガスケットなどのシール部材を介在させてシール性を確保し、接続する継手構造の技術に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として特許文献1が知られている。この技術は第1の管及び第2の管と、これら両管の接合部を外方から囲む分割自在のハウジングと、両管の接合部とハウジングとの間に介在されたゴムリングとを備えた管用の配管継手構造である(特許請求の範囲、図1)。そして、実施の形態としてハウジングが2分割されたものの他に、ハウジングが3分割されたものが示されている(図9-11)。
【0003】
しかし、特許文献1においては、3分割されたハウジングのうち2つは各端部がピンによる連結となり、これら2つと連結するもう1つとはボルト連結となっているため、連結箇所が多く、連結部品も多く必要として組み立てのための作業性や施工性が悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-132425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、前記のような従来の問題を解決することができ、ハウジングの組立作業を迅速かつ容易に行うことができ、作業性や施工性にも優れた管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一方の管と他方の管の対向端部を跨ぐように外方から環状のハウジングで囲み、内周面に配置されるシール部材によってシール性を確保して接続する管継手において、前記ハウジングが円周方向に3分割されたハウジング部を有し、第1のハウジング部は、前記シール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に凹部又は凸部に形成された連結部が設けられ、第2、第3のハウジング部は、第1のハウジング部側であってシール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に前記連結部に凹凸嵌合により着脱可能に連結する凹部又は凸部に形成された連結部が設けられているとともに、第1のハウジング部側と反対側であってシール部材が配置された内面近くから外方向に張り出した端部に締付け部材により着脱可能に締付けて連結する連結部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、第1のハウジング部の端部が凸部に形成された連結部は、略L字状の連結凸部に形成され、第1のハウジング部の端部が凹部に形成された連結部は、前記連結凸部を遊嵌して係合し連結する連結穴に形成されている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、第2、第3のハウジング部の内周面に形成されたシール部材溝は、第2、第3のハウジング部の外側面に対し第1のハウジング部との連結部から互いの連結部方向に外向きに所定角度傾き、第2、第3のハウジング部の連結部を締め付け部材で締め付けた状態では傾いた状態から真っ直ぐになるように構成されている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3において、連結凸部と連結穴は、第2、第3のハウジング部のシール部材溝が第1のハウジング部のシール部材溝に対して傾いた状態から真っ直ぐな状態にもたらされるのを許容可能に遊嵌されている。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、ハウジングが円周方向に3分割されたハウジング部を有し、第1のハウジング部は、前記シール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に凹部又は凸部に形成された連結部が設けられ、第2、第3のハウジング部は、第1のハウジング部側であってシール部材が配置された内周面近くから外方向に張り出した端部に前記連結部に凹凸嵌合により着脱可能に連結する凹部又は凸部に形成された連結部が設けられているとともに、第1のハウジング部側と反対側であってシール部材が配置された内面近くから外方向に張り出した端部に締付け部材により着脱可能に締付けて連結する連結部が設けられているので、組立に際しては連結部の凹凸嵌合と一個所の連結部の締め付けで済むことになり、従来のハウジングの組立に比し、ハウジングの組立作業を迅速かつ容易に行うことができる。そのため、作業性や施工性が向上する。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、連結部の凹凸嵌合に際し、略L字状の連結凸部を連結穴に挿入して連結するだけで行うことが可能なので、連結作業をスムーズにできる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、締め付け部材による連結部の締め付けにより第2、第3のハウジング部のシール部材溝を第1のハウジング部のシール部材溝と真っ直ぐにすることが可能になるので、ハウジングの内周面に収容したシール部材に対し、変形する負荷をかけることがなくなり、シール性能を高く維持することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、連結凸部と連結穴を遊嵌した構成のため、連結部の動きを担保しながら有効な連結を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施の形態に係る管継手の右半部を破断にした正面図である。
図2図1の線II-IIに沿う断面図である。
図3】同上の第1のハウジング部の斜視図である。
図4】同上の第2のハウジング部の斜視図である。
図5】同上の第3のハウジング部の斜視図である。
図6】同上の平面図である。
図7】第1のハウジング部と第2、第3のハウジング部とのズレを表す要部図である。
図8】第2、第3のハウジング部の内周面に形成されたガスケット溝を拡大して表す要部図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る管継手について説明する。
【0016】
図1,2において、1は管継手である。この管継手1は、流体(液体・気体)を移送するための一方の管Aと他方の管Bの相対向する管端部をシール部材としてガスケットGを介在させて接合するものである。管継手1は円環状の継手本体としてのハウジング2を円周方向に3分割してなるハウジング部2a,2b,2cを有している。
【0017】
ハウジング部2aは、図1,2ではハウジング2の底部を構成し、その長さ方向の両端部にはガスケットGの配置側となる内周面近くから外方に張り出した連結部5,6が設けられている。連結部5,6にはハウジング部2b,2cの後記する連結部と連結する係止穴7,8が形成されている。係止穴7,8は平面視略長四角状の貫通した穴となっている(図3)。
【0018】
ハウジング部2b,2cは、図1,2ではハウジング2の側部から頂部を構成し、ハウジング部2a上に正面視弓形を呈し、左右対称に設けられている。そして、ハウジング部2b,2cのハウジング部2a側のそれぞれ両端部にはガスケットGの配置側となる内周面近くから外方に張り出した連結部11,12が設けられている。連結部11,12にはハウジング部2aの係止穴7,8に挿し込まれ嵌合し、係止して連結する係止凸部13,14が略L字状に形成されている(図4,5)。すなわち、これらの係止凸部13,14を係止穴7,8に嵌合係止することでハウジング部2b,2cの一方の端部とハウジング部2aの各端部は連結され、連結に際してピンやボルトナット等の取付部材や締付け部材は必要としない構成となっている。なお、ハウジング部2aの連結部5,6とハウジング部2b,2cの連結部11,12との連結に際し、係止穴7,8と係止凸部13,14の連結する接合面は平坦な面15,16になっている(図1)。
【0019】
また、ハウジング部2b,2cのハウジング部2aと反対側となる端部側にはガスケットGの配置側となる内周面近くから外方に張り出した連結部21,22が設けられている。連結部21,22は図6に示すように平面視において相対向する面がテーパ面24,25に形成されている。つまり、このテーパ面24,25の基端近くから連結部21,22が起立状に形成されている。連結部21,22にはボルト挿通孔26,27が形成され、ボルト28が挿通されたうえナット29により締め付け固定されるようになっている。テーパ面24,25はボルトナット28,29によりハウジング部2b,2cが締め付けられたとき互いにテーパ面24,25で接して位置決められるようになっている。すなわち、ハウジング部2b,2cをボルトナット28,29で締め付けると、互いに接近する方向へスライドし所定の位置にもたらされる。このように連結部21,22の一部は角度付きボルトパット部31,32となっている。
【0020】
前記のように連結部21,22は一部が角度付きボルトパット部31,32に形成されているが、このボルトパット部のテーパ面24,25はハウジング部2bとハウジング部2cとで互いに逆になっている。テーパ面24,25の中心軸線とでなす角度は30°になっている。ハウジング部2bとハウジング部2cでのボルトパット部31,32間におけるこの逆傾斜した関係によれば、図6に示すように、対向するように位置決めされる適合性のある傾斜を有するテーパ面24,25が得られる。ボルトナット28,29が締結されて、弓形面を管要素の外面と適合させる時には、各ハウジング部のボルトパット部31,32が係合し、相互に相対的にスライドして、ハウジング部2b,2cが一緒に引き寄せられるとともに、連結される管要素の軸と直角に配向される軸の周りを互いに反対方向に相対回転させられる。ハウジング部2b,2cのこれらの移動は、前記したように、弓形面を管要素のガスケット溝と係合させるとともに、ジョイントの全ての軸に剛性を加える。同じ傾斜を備えたテーパ面を持つボルトパット部31,32を有する継手ハウジングでは、継手は同じ効果を得るように、管に沿って反対方向に互いに相対移動する。
【0021】
図7に示すようにハウジング部2aとハウジング部2bとの間、ハウジング部2aとハウジング部2cとの間、には予めその外側面においてズレgがあるようになっている。すなわち、ハウジング部2aの内周面に形成されているガスケット溝35とハウジング部2bの内周面に形成されているガスケット溝34とが図示のように真っ直ぐに伸びて連接した状態がボルトナット28,29による締め付け状態であり、この状態でハウジング部2aとハウジング部2bとの間には図示のようなズレgがある。一方、ボルトナット28,29による締め付け前の状態では、ガスケット溝34とガスケット溝35は真っ直ぐに伸びて連接した状態ではなく、図8に示すようにハウジング部2bのガスケット溝34がハウジング部2aの外側面36に対して所定の角度傾いている。この所定の角度は、この実施の形態では約1°前後となっている。そのため、図8ではその傾きはほとんど表れていない。しかし、約1°という角度はあくまでも一例であり、適宜その値は好ましいものに設定することができる。
【0022】
このガスケット溝35の所定の角度によりズレg量が決まる。ハウジング部2aとハウジング部2cとの間のガスケット溝も図示省略したが同様である。なお、ここでいうガスケット溝34,35とは、ハウジング2内にガスケットGを収容するときにガスケットを位置決めるための角部を示す線のことを称し、ハウジングの中心軸線方向に複数個形成されているが、傾き角度はすべて同じ(平行)である。
【0023】
このように締め付けた状態ではガスケット溝34がガスケット溝35に対して真っ直ぐに伸びた状態となるので、ガスケット溝で位置決められてハウジング2内に収容されるガスケットGに変形をもたらすことがない。したがって、締め付けた状態でのガスケット溝の傾きによりガスケットが変形してシール性に悪影響を与えることもなく、シール性能が向上する。
【0024】
また、前記ズレgとともに、係止穴7,8と係止凸部13,14の嵌合は少し遊びのある嵌合になっており(遊嵌)、これによりボルトナット28,29で締め付けたときにハウジング部2bのガスケット溝34がハウジング部2aのガスケット溝35と真っ直ぐになるように偏移するのを許容する。そのため、ハウジング2内に収容されて配置されるガスケットGは変形することなく、収容が維持される。つまり、これまでのガスケットを内部に収容する管継手にあっては、ガスケット溝は、従来技術でも示すようにハウジング部間に共通となるように予め真っ直ぐに加工されていた。そのためボルトナットで締め付けるとハウジング部がスライドし、ガスケット溝にズレが発生してガスケットが変形してシール性能が低下するということがあったが、この実施の形態ではこのようなことが起きない。それはハウジング部2bのガスケット溝34をハウジング部2aの外側面36に対して所定の角度傾くようにしているからである。
【0025】
前記したことはハウジング2がボルトナット28,29で締め付けられた状態でガスケットGからの内圧により互いに離れる方向にスライドする場合も同様で、収容したガスケットに対しての必要以上のスライドを抑止する。
【0026】
更に説明を付すと、この実施の形態ではガスケットGによるシール性能低下を防止するために、次のような構成としている。その一つはハウジング部2bとハウジング部2c同士の連結端部を角度付きボルトパット部31,32とし、ボルトナット28,29の締め付けによりハウジング部2bとハウジング部2cが、互いに接近する方向にスライドしても、ガスケット溝34が締め付け状態では真っ直ぐとなるように予めガスケット溝34をハウジング部2bの外側面36に対して所定角度傾けた加工としている点である。もう一つはハウジング部2bとハウジング部2cのハウジング部2baに対する連結端部に関し、ハウジング部2bとハウジング部2cの係止凸部13,14をハウジング部2aの係止穴7,8に遊嵌して、ガスケット溝34がガスケット溝35に対して傾いた状態から真っ直ぐな状態に偏移するのを許容している点である。このようにすることにより、ハウジングの締め付け状態におけるガスケット溝の傾き吸収してガスケットのシール性能を保持することが可能にしている。
【0027】
管要素としての管A,Bは、図2に示すように端部外周面に環状凹溝が形成された溝付き管となっており、管継手1の取り付け状態で、前記環状凹溝にハウジング部の前後縁部に形成された環状突部が嵌るようになっている。ガスケットGは、センター凸部が管端より内方に、管内周面より突き出しているため、管A,Bを挿し込むときにはガスケットGのセンター凸部で止まるようになっている。
【0028】
<作用説明>
【0029】
次に、管継手1の作用について説明する。
【0030】
ハウジング部2b,2cをハウジング部2aに組み付けるには図に示すように、ハウジング部2aの係止穴7,8へハウジング部2b,2cの係止凸部13,14を挿し込み嵌合して連結させる。この際にハウジング部2b,2cの上部は余裕隙間があるので、各ハウジング部2a,2b,2c内にガスケットGを挿入して、それぞれのガスケット溝に沿うように装着する。このときの状態ではガスケット溝34とガスケット溝35は真っ直ぐにはなっておらず角度が付いたままとなっている。また、係止凸部13,14と係止穴7,8は遊嵌状態にある。
【0031】
管A,Bに対して組み付けるには、まず、締め付けがまだ緩んだ状態の管継手のハウジングを管A,Bの対向端部に位置するように挿入配置する。そして、前記した管A,Bの環状凹溝にハウジング部2a,2b,2cの前後縁部に形成された環状突部が嵌るようにする。
【0032】
次に、ハウジング部2b,2cの連結部のボルト挿入孔26,27にボルト28を挿入し、ナット29を螺合して締め付けると、ボルトパット部31,32が対向する方向に移動してテーパ面24とテーパ面25が当たり、スライドして面の所定位置で停止することになる。そして。この間に前記したようにガスケット溝34がガスケット溝35に対して傾いた状態から真っ直ぐな状態になる。そのため、締め付けた状態では真っ直ぐな状態を保つため、ガスケットGが変形するのが抑止され、ガスケットGによるシール性が良好に保たれることになる。なお、ガスケット溝34がガスケット溝35に対して真っ直ぐになる締め付け状態では、係止穴7,8で遊嵌状態にある係止凸部13,14はその穴端面に当接した状態になる。
【0033】
前記のようであって、管継手1を用いれば、ハウジング部2b,2cとハウジング部2aは係止凸部13,14と係止穴7,8という凹凸嵌合によるため、従来の三分割型より部品数が少なくなり組立性が向上する。しかも、製品を分割せずに溝付き管A,Bへ挿し込み、ハウジング部2bとハウジング部2cの一箇所のみをボルトナット28,29で締め付けることで施工が完了するため、組み立て、施工時間が短縮される。これにより、ハウジング部の組立作業を迅速かつ容易に行うことができ、作業性や施工性にも優れたものとなる。
【0034】
なお、前記実施の形態で示す、ハウジング2の構成は好ましい一例を示すにすぎず、これ以外の構成を排除するものではない。すなわち、3分割されたハウジング部2a,2b,2cにおいて連結部の具体的な構成は図示したもの以外としてもよい。連結穴の例として示した係止穴7,8や連結凸部の例として示した係止凸部13,14も別の仕様としてもよく、機能や効果が同じであれば、この図示例に限らず、多少の形状変更のものも含む。また、ボルトパット部31,32やボルトナットなどの締付け部材をはじめとする構成部材も一例であり、同効のものであればほかの任意の部材としてもよい。この発明は特許請求の範囲に記載した範囲内であれば細部の設計等は任意に変更、修正が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 管継手
2 ハウジング
2a,2b,2c ハウジング部
5,6 連結部
7,8 係止穴(凹部)
11,12 連結部
13,14 係止凸部(凸部)
15,16 平坦な面
21,22 連結部
24,25 テーパ面
26,27 ボルト挿通孔
28 ボルト
29 ナット
31,32 ボルトパット部
34,35 ガスケット溝
A 一方の管
B 他方の管
G ガスケット(シール部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8