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特開2023-31678通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム
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  • 特開-通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム 図1
  • 特開-通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム 図2A
  • 特開-通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム 図2B
  • 特開-通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム 図3
  • 特開-通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム 図4A
  • 特開-通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031678
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137313
(22)【出願日】2021-08-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 神奈川新聞 令和3年8月12日付朝刊,第15面
(71)【出願人】
【識別番号】519265789
【氏名又は名称】株式会社リンクファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100114498
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100222243
【弁理士】
【氏名又は名称】庄野 友彬
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 佳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】
団体内部の不正行為について容易に内部通報を行うことができ、より利便性の高い通報管理方法、通信管理装置及び通報管理プログラムを提供する。
【解決手段】
団体の内部で行われている不正行為に対する内部通報を支援するための方法であって、通報管理サーバが、ユーザー端末から、団体情報及び決済情報を含むユーザー情報登録要求を受信するステップと、前記通報管理サーバが、前記決済情報に基づいて前記内部通報サービスの利用料金の決済が行われた後に、前記ユーザー端末により通報内容を入力させるための通報内容入力画面表示情報を前記ユーザー端末に対して送信するステップと、前記通報管理サーバが、少なくとも不正行為を含む通報情報を受信するステップと、前記通報管理サーバが、通報対象団体に通知を行うための情報伝達サーバに対して前記通報情報にかかる通報を識別するための通報IDを含む通報通知情報を送信する。
【選択図】 図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
団体の内部で行われている不正行為に対する内部通報を支援するための方法であって、
通報管理サーバが、ユーザー端末から、通報対象団体を特定するための団体情報及び前記通報管理サーバが提供する内部通報サービスの利用料金を決済するための決済情報を含むユーザー情報登録要求を受信するステップと、
前記通報管理サーバが、前記決済情報に基づいて前記内部通報サービスの利用料金の決済が行われた後に、前記ユーザー端末により通報内容を入力させるための通報内容入力画面表示情報を前記ユーザー端末に対して送信するステップと、
前記通報管理サーバが、前記ユーザー端末に表示された通報内容入力画面から入力された、少なくとも不正行為を含む通報情報を受信するステップと、
前記通報管理サーバが、通報対象団体に通知を行うための情報伝達サーバに対して前記通報情報にかかる通報を識別するための通報IDを含む通報通知情報を送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記通報通知情報は、電子メールによって送信する。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記情報伝達サーバは、書留書類にかかる電子データを管理する。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の方法であって、
前記通報管理サーバは、前記情報伝達サーバに対して前記通報通知情報を送信した後に、通報対象団体が用いる対象団体端末から、前記通報情報に対する返答内容を含む返答情報を受信するステップと
を更に含む。
【請求項5】
請求項4の記載の方法であって、
前記通報管理サーバは、前記返答情報を受信した後に、前記返答情報に対する意見を含む通報者意見情報を前記ユーザー端末から受信するステップと
を更に含む。
【請求項6】
コンピュータに、団体の内部で行われている不正行為に対する内部通報を支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
ユーザー端末から、通報対象団体を特定するための団体情報及び前記通報管理サーバが提供する内部通報サービスの利用料金を決済するための決済情報を含むユーザー情報登録要求を受信するステップと、
前記通報管理サーバが、前記決済情報に基づいて前記内部通報サービスの利用料金の決済が行われた後に、前記ユーザー端末により通報内容を入力させるための通報内容入力画面表示情報を前記ユーザー端末に対して送信するステップと、
前記通報管理サーバが、前記ユーザー端末に表示された通報内容通報内容入力画面から入力された少なくとも不正行為を含む通報情報を受信するステップと、
前記通報管理サーバが、通報対象団体に通知を行うための情報伝達サーバに対して前記通報情報にかかる通報を識別するための通報IDを含む通報通知情報を送信するステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
団体の内部で行われている不正行為に対する内部通報を支援するための装置であって、
ユーザー端末から、通報対象団体を特定するための団体情報及び前記通報管理サーバが提供する内部通報サービスの利用料金を決済するための決済情報を含むユーザー情報登録要求を受信し、
前記通報管理サーバが、前記決済情報に基づいて前記内部通報サービスの利用料金の決済が行われた後に、前記ユーザー端末により通報内容を入力させるための通報内容入力画面表示情報を前記ユーザー端末に対して送信し、
前記通報管理サーバが、前記ユーザー端末に表示された通報内容通報内容入力画面から入力された少なくとも不正行為を含む通報情報を受信し、
前記通報管理サーバが、通報対象団体に通知を行うための情報伝達サーバに対して前記通報情報にかかる通報を識別するための通報IDを含む通報通知情報を送信することを特徴とする装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、団体に所属する個人、特に企業に所属する従業員の内部通報を支援するための通報管理方法、通報管理装置及び通報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業に所属する従業員から別の従業員に対する身体的・精神的な攻撃等のパワーハラスメント、従業員による横領、名誉棄損、データの隠蔽・偽装等の企業内部の不正行為が問題視されており、従業員が企業内部で行われている不正行為について、匿名で通報を行うことのできる内部通報窓口が知られている。内部通報窓口は、企業の管理部門等の企業内部に設置する取り組みがなされている企業が存在するものの、匿名性が確保されているかが不明であり、通報者が安心して通報を行うことができないことから、外部の事業者が提供する内部通報サービスを導入するケースが増加している(例えば、特許文献1)。
【0003】
内部通報窓口の導入がなされている企業の従業員は、企業内部の不正行為について、内部通報窓口に対して匿名で通報することができる。通報は、インターネットを通じてなされており、内部通報窓口を提供する事業者が管理する通報管理サーバが受信する。当該通報を受けた通報管理サーバは、当該従業員が所属する企業に対して通報内容を通知し、企業は、当該通報内容に対する返答を通報管理サーバに対して送信することができる。通報管理サーバは、企業に所属する内部通報担当者から通報に対する返答がなされた場合に、当該返答がなされたことを通報した従業員に対して通知し、当該従業員は、内部通報担当者からの返答に対して、更なる意見等を当該通報管理サーバを介して内部通報担当者に対し主張することができる。これにより、従業員は、匿名で企業内部の不正行為について企業に対して主張し、当該不正行為による問題の解決に向けたやりとりを内部通報担当者と行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-22543
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような内部通報は、内部通報窓口を導入している企業に所属する従業員でなければ行うことができず、内部通報窓口を導入していない企業の従業員は、企業内部の不正行為があったとしても、内部通報を行うことができない。上述したように、企業内部の不正行為が問題視されている現在においては、内部通報窓口を導入していない企業であっても、内部通報を行うための手段が求められている。
【0006】
また、近年導入が増加している内部通報窓口は、企業が、内部通報窓口を提供する外部の企業に対して委託して導入されるものであり、企業側が主導となるサービスである。このような、企業側が主導となる内部通報窓口では、従業員が行った通報が完全に匿名であるか否かが不明であり、従業員に対し不信感を抱かせる結果、従業員による内部通報の妨げとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、団体内部の不正行為について容易に内部通報を行うことができ、より利便性の高い通報管理方法、通信管理装置及び通報管理プログラムを提供することにある。
【0008】
すなわち、本発明は、団体の内部で行われている不正行為に対する内部通報を支援するための方法であって、通報管理サーバが、ユーザー端末から、通報対象団体を特定するための団体情報及び前記通報管理サーバが提供する内部通報サービスの利用料金を決済するための決済情報を含むユーザー情報登録要求を受信するステップと、前記通報管理サーバが、前記決済情報に基づいて前記内部通報サービスの利用料金の決済が行われた後に、前記ユーザー端末により通報内容を入力させるための通報内容入力画面表示情報を前記ユーザー端末に対して送信するステップと、前記通報管理サーバが、前記ユーザー端末に表示された通報内容入力画面から入力された、少なくとも不正行為を含む通報情報を受信するステップと、前記通報管理サーバが、通報対象団体に通知を行うための情報伝達サーバに対して前記通報情報にかかる通報を識別するための通報IDを含む通報通知情報を送信するステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様よれば、通報管理サーバが、ユーザー端末から決済情報を受信し、当該決済情報に基づいて決済が行われた後に、少なくとも不正行為を含む通報情報を受信するため、ユーザーが所属する団体内部において不正行為が行われている場合に、ユーザーが主導となって内部通報を行うことができる。そのため、内部通報窓口が導入されていない団体に所属するユーザーであっても、企業内部の不正行為に対して容易に内部通報を行うことができる。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、ユーザーが主導となって内部通報を行うことができるため、内部通報を行う事業者をユーザー自身で選択することができ、団体が主導となる内部通報窓口に比して、匿名性が確保された状態で内部通報を行うことができる。そのため、企業が導入した内部通報窓口と異なる内部通報窓口に対して安心して内部通報を行うことができ、団体に所属するユーザーによる内部通報を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかる通報管理サーバを示す図である。
図2A】本発明の一実施形態にかかる方法の流れの前半を示す図である。
図2B】本発明の一実施形態にかかる方法の流れの後半を示す図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる通報内容入力画面を示す図である。
図4A】本発明の一実施形態にかかる通報内容表示画面を示す図である。
図4B】本発明の一実施形態にかかる通報内容表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1に本発明の実施形態にかかる通報管理サーバ100を示す。通報管理サーバ100は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して、前記通報管理サーバ100が提供する内部通報サービスを利用するユーザーが用いるユーザー端末110と通信することができる。内部通報サービスは、パワーハラスメント、横領、名誉棄損、データの隠蔽・偽装等の不正行為が、ユーザーの所属する団体内部で発生した場合に、当該ユーザーにより、当該不正行為にかかる通報を所属する団体に対して行うことができるものである。当該内部通報サービスは、当該ユーザーが所属する団体と何ら契約関係等のない中立な立場にある事業者によって提供される。また、通報管理サーバ100は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して、通報対象団体に対して通報の事実を知らせるための情報伝達サーバ120と通信することができる。なお、本明細書においては、団体を企業として説明するが、これに限定するものではなく、例えば、学校、組合等の団体であってもよい。
【0014】
内部通報サービスは、継続的に提供されるものであり、当該内部通報サービスを提供する企業とユーザーとの間でサービス利用の契約が成立して、その後解約されるまでの期間に限り、ユーザーによる利用が可能となるものである。内部通報サービスの料金支払い形態は、一例として月額課金サービスが挙げられる。
【0015】
通報管理サーバ100は、CPU等の処理部101と、通信インターフェース等の通信部102と、処理部101における処理に用いる情報を記憶するための記憶部103とを備え、後述する各処理を行うためのプログラムを実行することができる。通報管理サーバ100は、1又は複数の装置、コンピュータ若しくはサーバを含むことができる。また、当該プログラムは、前記記憶部103又は前記通報管理サーバ100からアクセス可能な記憶媒体(図示せず)に記憶しておき、前記処理部102によって実行することができる。また、図示はしないが、情報伝達サーバ120についても同様の構成とすることができる。
【0016】
以下、団体の内部で行われている不正行為に対する内部通報を支援するための方法の流れを説明する。図2Aに示すように、まず、通報管理サーバ100は、ユーザーである企業の従業員が用いるユーザー端末110から、ユーザー情報登録要求を受信する(S201)。ユーザー情報登録要求には、通報対象企業を特定するための団体情報及び内部通報サービスの利用料金を決済するための決済情報が含まれており、また、ユーザー端末110を用いるユーザーの氏名、住所、連絡先等の個人情報を含むものであってもよい。団体情報には、少なくとも通報対象企業にかかる企業の名称を含み、更に企業のメールアドレス、電話番号、部署、担当者名及び役職等を含んでもよい。決済情報は、利用料金を決済するための情報であり、例えば、クレジットカードの情報などが挙げられる。なお、前記団体情報、前記決済情報及び前記個人情報は、便宜上「ユーザー情報」と呼ぶことがある。
【0017】
次に、通報管理サーバ100は、ユーザー端末110から受信した団体情報に含まれる通報対象企業にかかる企業の名称と記憶部103に記憶された対象外団体の名称とを照合し、通報対象企業が対象外企業と一致するか否かの判定が行う(S202)。ここで、対象外団体とは、通報管理サーバ100の記憶部103が、内部通報サービスを提供することのできない団体を予め記憶したものである。
【0018】
通報管理サーバ100は、当該団体情報に含まれる企業の名称が、対象外団体の名称と一致しないと判定された場合は、ユーザー端末110から受信した決済情報に基づいて内部通報サービスを利用するための料金の決済処理を行う。一方、ユーザー端末110から受信した団体情報に含まれる企業の名称が、対象外団体の名称と一致すると判定された場合は、決済処理は行われない。この場合、通報管理サーバ100は、ユーザー端末110に対し、ユーザーの所属する企業が内部通報サービスの提供を受けることができない旨の通知を送信する(図示せず)。なお、本実施形態では、S201で決済情報を受信しているが、通報管理サーバ100により通報対象企業が対象外企業に該当するか否かの判定が行われた後に、通報管理サーバ100が決済情報を受信することとしてもよい。また、外部サーバが提供するAPIにより決済が行われるものであってもよい。
【0019】
通報管理サーバ100は、内部通報サービスにかかる利用料金の決済処理が行われた後、ユーザーIDを発行し、記憶部103に記憶する(S203)。ユーザーIDは、ログインパスワード及びユーザー情報と対応づけて記憶される。そして、通報管理サーバ100は、ユーザーID及びログインパスワードを含むユーザー登録完了通知をユーザー端末110に対して送信する(S204)。
【0020】
ユーザー端末110では、通報管理サーバ100が提供するウェブサイト又はアプリにおいて、ユーザー登録完了通知に含まれるユーザーID及びログインパスワードを入力することでログインすることができる(S205)。ログインすると、ユーザー端末110には、ユーザーの管理者ページ(図示せず)が表示される。
【0021】
通報管理サーバ100は、前記ユーザー端末110の表示画面に表示された管理者ページから、通報内容入力画面に遷移するための通報ボタンをタップ、クリック等により選択されると、通報内容を入力するための通報内容入力画面表示要求を受信する(S206)。そして、通報内容入力画面表示要求を受信した通報管理サーバ100は、ユーザー端末110に対し、通報内容入力画面表示情報を送信する(S207)。通報内容入力画面表示情報は、ウェブブラウザで表示可能なHTMLファイルとすることができる。
【0022】
図3にユーザー端末110の画面上に表示される通報内容入力画面300を示す。通報内容入力画面300には、不正行為の内容に関する不正行為入力欄301~303、ユーザーの希望に関する希望入力欄304、第三者の既知又は未知を問う選択肢欄305及び添付ファイルの有無306を含むことができる。ユーザーは、不正行為に関する入力欄301~306から、企業内部で行われている不正行為についての詳細を入力することができる(S208)。添付ファイルがある場合には、不正行為にかかる音声データ、画像データ、映像データ等を含めることができ、不正行為に関する主張を裏付ける根拠となる。なお、不正行為入力欄301~303は、日時(301)、場所(302)、不正行為の詳細(303)について、入力欄を3つに分けて設けているが、このような形式に限定するものではなく、入力欄を1つにする等、不正行為の内容を入力することができれば、如何なる形式であってもよい。
【0023】
通報管理サーバ100は、ユーザー端末110により通報内容入力画面300の通報内容送信ボタン310がタップ、クリック等により選択されると、前記通報内容入力画面から入力された、少なくとも不正行為の内容を含む通報情報を受信する(S209)。通報情報を受信した通報管理サーバ100は、通報情報にかかる通報を識別するための通報IDを発行し、当該通報IDと受信した通報情報とを対応づけて記憶すると共に、通報対象企業を識別するための団体IDを発行する。(S210)。団体IDは、ログインパスワード及び通報対象企業にかかる企業の名称と対応づけて、記憶部103に記憶される。
【0024】
通報管理サーバ100は、通報対象団体に通知を行うための情報伝達サーバ120に対して、通報通知情報を送信する(S211)。通報通知情報には、少なくとも通報IDが含まれており、また、団体ID及びログインパスワードを含まれていてもよい。通報通知情報の送信は、一例として電子メール等により行うことができる。電子メールにより通報通知情報の送信を行う場合、情報伝達サーバ120は電子メールを管理するメールサーバで構成され、通報通知情報は、通報対象団体が使用する電子メールアドレスを宛先に指定して送信する。そして、通報通知情報は、通報対象団体が用いる対象団体端末130によって、通報対象団体が使用する電子メールアドレス宛てのメールを受け取ることで、前記対象団体端末130の画面上に表示される。
【0025】
対象団体端末130においては、通報管理サーバ100が提供するウェブサイトにアクセスし、前記通報通知情報に含まれる団体ID及びログインパスワードを入力してログインを行う。そして、対象団体端末130により通報IDを入力した後に、通報内容表示要求を通報管理サーバ100に送信する。通報内容表示要求を受信した通報管理サーバ100は、通報内容表示情報を対象団体端末130に対して送信する。通報内容表示情報を受信した対象団体端末130の表示画面には、図4Aに示す通報内容表示画面400が表示される。
【0026】
通報管理サーバ100は、前記通報通知情報に基づいて対象団体端末130によるログインがあった際に、当該ログインによるアクセス時刻等のアクセス履歴にかかるログ情報を記憶することができる。通報対象企業によるアクセス履歴を記憶することで、通報対象企業によるアクセスがあったにもかかわらず、通報対象企業によるアクションがなければ、従業員によりなされた内部通報について放置したことの事実が確認できる。特に、後述する書留書類管理サーバ120にかかる例によれば、発送物の到着又は受取拒否を把握することができるため、より詳細なログ情報を記憶することができる。また、アクセス履歴の他にも、例えば、S211で行われる情報伝達サーバ120に対する通報通知情報の送信日時等についてもログ情報として記憶してもよい。これらのログ情報は、通報情報にかかる通報IDと対応づけて通報管理サーバ100の記憶部103に記憶することができる。
【0027】
図4Aに示すように、通報内容表示画面400には、通報ID401、通報内容402及び担当者用返答欄403が表示される。通報内容402には、通報ID401である「85428」と対応づけて記憶された通報情報の一部又は全部が表示される。これにより、通報対象企業に対し、当該通報対象企業の従業員により企業内部で行われている不正行為に対する内部通報があったことを知らせることができる。担当者用返答欄403は、通報対象企業の内部通報担当者が、通報内容に対して返答するための入力フォームであり、対象団体端末130によって入力することができる。
【0028】
図2Bに示すように、通報管理サーバ100は、情報伝達サーバ120に対して通報通知情報を送信した(S211)後に、通報対象企業が用いる対象団体端末130により担当者返答欄403の入力がなされ、送信ボタン410をタップ、クリック等により選択されると、対象団体端末130から返答情報を受信する(S212)。当該返答情報には、担当者用返答欄403に入力された、通報情報に対する返答が含まれる。以下、当該「返答情報」は、「第1の返答情報」と呼ぶことがある。
【0029】
第1の返答情報を受信した通報管理サーバ100は、当該第1の返答情報と通報IDとを対応づけて記憶する(S213)。そして、通報管理サーバ100は、通報情報に対する返答があったことの通知をユーザー端末110に対して送信する(S214)。
【0030】
ユーザー端末110において、通報ID「85428」の通報内容表示画面を表示すると、図4Bに示すように、担当者用返答欄403に、通報内容に対する返答が含まれた状態で表示され、当該返答に対する意見を入力するための通報者用意見入力欄404が表示される。これにより、当該通報者用意見入力欄404に企業の担当者からの返答に対する意見を入力することができる。
【0031】
通報管理サーバ100は、ユーザー端末110により第1の返答情報に対する意見が入力され、送信ボタン410をタップ、クリック等により選択されると、当該意見が含まれる通報者意見情報をユーザー端末110から受信する(S215)。そして、通報管理サーバ100は、通報者意見情報と通報IDとを対応づけて記憶する(S216)。その後、通報管理サーバ100は、当該意見があったことの通知を対象団体端末130に送信し(S217)、対象団体端末130により当該意見に対する返答を含めた第2の返答情報を対象団体端末130から受信する(S218)。第2の返答情報を対象団体端末130から受信した通報管理サーバ100は、第2の返答情報と通報IDとを対応づけて記憶する(S219)。その後、同様の方法で、ユーザー端末110と対象団体端末130との間では、企業内部で行われている不正行為の問題解決に向けたやりとりを継続することができる。
【0032】
このように、本発明の一実施形態は、ユーザー端末110から通報管理サーバ100に対して決済情報を送信し、当該決済情報に基づいて決済が行われた後に、前記ユーザー端末110に表示された通報内容入力画面から入力された少なくとも不正行為を含む通報情報を、前記通報管理サーバ100が受信する。これにより、ユーザーの所属する団体内部において不正行為が行われている場合に、ユーザー自身が内部通報サービスを提供する事業者と契約し利用料金の支払いをすることで、ユーザーが主導となって、内部通報を行うことができる。したがって、内部通報窓口が導入されていない団体に所属する個人であっても、内部通報を行うことができる。
【0033】
また、本発明の一実施形態によれば、内部通報サービスをユーザーが主導となって利用することができるため、内部通報サービスを提供する事業者をユーザー自身で選択することができ、団体が主導となる内部通報サービスに比して、匿名性が確保された状態で内部通報を行うことができる。これにより、団体に属する個人、例えば、企業の従業員等による内部通報を促すことが可能となる。
【0034】
本実施形態のS211では、通報通知情報の送信先である情報伝達サーバ120について電子メールを管理するメールサーバとして説明したが、他の方法として、例えば、書留郵便管理サーバに送信するものとしてもよい。書留書類管理サーバ120は、通報管理サーバ100を運営する事業者により運営されており、書留郵便で通報対象の団体に対して発送する書留書類にかかる電子データを管理しているものである。当該電子データには、少なくとも通報IDが含まれている。当該書留書類管理サーバ120から、実際の発送物である書留書類の作成を行う書留書類作成装置(図示せず)に対して書留書類作成要求を送信し、当該書留書類作成装置により書留郵便で発送する書留書類の作成を行うことができる。当該書留書類には前記電子データに含まれる通報IDが記載されており、書留郵便によって通報対象の企業に対して発送することができる。書留書類の発送を書留郵便によって行うことによって、当該発送物の配送状況を追跡することができ、発送物の到着を客観的に認識することができる。また、当該発送物の到着、受取拒否等の発送状況を、上述したログ情報として通報管理サーバ100に記憶することができる。
【符号の説明】
【0035】
100…通報管理サーバ、101…処理部、102…通信部、103…記憶部、110…ユーザー端末、120…情報伝達サーバ、130…対象団体端末、300…通報内容入力画面、400…通報内容表示画面

図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B