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特開2023-31760水質管理システム、情報処理装置、プログラムおよび水質管理方法
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  • 特開-水質管理システム、情報処理装置、プログラムおよび水質管理方法 図1
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  • 特開-水質管理システム、情報処理装置、プログラムおよび水質管理方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031760
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】水質管理システム、情報処理装置、プログラムおよび水質管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137452
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 俊
(72)【発明者】
【氏名】久本 祐資
(72)【発明者】
【氏名】山口 太秀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】より安価および簡易に水道水の水質を管理する。
【解決手段】水質管理システム1は、1つ以上の端末装置10から、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段としての通信部21と、複数の水質情報に基づいて、水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段231と、判定の結果に基づき、異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段232と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段と、
前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段と、を備える水質管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水質管理システムにおいて、
前記判定手段は、前記端末装置から送信された前記水質情報に基づき、当該端末装置に対応する位置における水道水の水質が異常であるか否かを判定し、一定期間に取得した前記異常データの件数を判定する、水質管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の水質管理システムにおいて、
前記出力手段は、前記判定手段により、第1の期間に取得された前記異常データの件数が第1の閾値以上であると判定された場合に、警報を出力するとともに、前記第1の期間に取得された前記異常データの件数が前記第1の閾値未満であり、且つ、前記第1の期間よりも長い第2の期間に取得された前記異常データの件数が第2の閾値以上であると判定された場合、前記警報を出力する、水質管理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の水質管理システムにおいて、
前記判定手段は、前記異常データの基となった前記水質情報の送信元の端末装置を特定し、
前記出力手段は、前記判定手段により、同一の端末装置から所定の期間内に所定回数以上、前記異常データの基となった前記水質情報を取得したと判定された場合、当該端末装置に関する情報を出力する、水質管理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の水質管理システムにおいて、
前記判定手段は、前記異常データの基となった前記水質情報の送信元の端末装置を特定し、
前記出力手段は、複数の端末装置から、前記異常データの基となった前記水質情報を取得した場合、前記複数の端末装置に関する情報を出力する、水質管理システム。
【請求項6】
1つ以上の端末装置、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段と、
前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段と、を備える情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置を、
1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段と、
前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段と、
前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段と、として機能させるプログラム。
【請求項8】
1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得するステップと、
前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定するステップと、
前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行うステップと、を含む水質管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質管理システム、情報処理装置、プログラムおよび水質管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浄水場から水道管路を介して需要家に供給される水道水の水質を管理するシステムが記載されている。特許文献1に記載のシステムでは、配水本管網から枝分かれし需要家側に向かう配水小管網の管内に、水質を計測する水質モニタが設置され、配水小管網の起点に、水道水の水質を管理する配水設備が設置される。特許文献1に記載のシステムでは、水質モニタの計測結果に基づき、配水小管網を流れる水道水の水質が配水設備により管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-84537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、水質モニタなどの設備の設置および維持管理に多くの手間およびコストがかかってしまう。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、より安価および簡易に水道水の水質を管理することにある。
【0006】
本発明の一実施形態に係る水質管理システムは、1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段と、前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段と、前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段と、前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段と、前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、情報処理装置を、1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得する取得手段と、前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する判定手段と、前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行う出力手段と、として機能させる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る水質管理方法は、1つ以上の端末装置から、水道水の複数の水質情報を取得するステップと、前記複数の水質情報に基づいて、前記水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定するステップと、前記判定の結果に基づき、前記異常データの取得状況に応じた出力を行うステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、より安価および簡易に水道水の水質を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る水質管理システムの構成例を示す図である。
図2図1に示す水質管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図3図1に示す判定手段の動作の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る水質管理システム1の構成例を示す図である。本実施形態に係る水質管理システム1は、浄水場などの水供給施設から水需要家に供給される水道水の水質を、管網に設けられたセンサなどから得られる情報の代わりに、水需要家である住民などが所有する端末装置20から得られる情報に基づき管理するシステムである。水質管理システム1によれば、例えば、水質モニタなどの専用のセンサを設置する必要が無いので、より簡易に水質の管理が可能となる。
【0014】
図1に示す水質管理システム1は、例えば、携帯電話網などのネットワーク2を介して接続された、端末装置10と、情報処理装置20と、水質管理装置30とを備える。
【0015】
端末装置10は、ネットワーク2を介して、情報処理装置20と通信可能である。
【0016】
端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、デジタルカメラなどの、水需要家である住民などが所有する装置である。端末装置10は、水道水の水質情報を取得し、ネットワーク2を介して、情報処理装置20に送信する。ここで、水道水の水質情報について、以下に3つの具体例を挙げて説明する。
【0017】
第1例では、水道水の水質情報は、任意の手法で測定された、水道水の水質(例えば、残留塩素、トリハロメタン類などのVOC(揮発性有機化合物)あるいは臭気産生物質の濃度など)を示す情報である。水質を測定する手法として、例えば、公定法に基づく水質試験あるいは簡易分析が採用可能である。このうち、残留塩素に関する公定法に基づく水質試験には、例えば、ジエチル-p-フェニレンジアミン法、電流法、吸光光度法およびポーラログラフ法などがあり、いずれも水道法に基づいて定められた水質試験である。また、簡易分析とは、例えば、簡易分析機器、塩素試験紙あるいはパックテスト(登録商標)を用いて行われる簡易的な分析である。しかしながら、公定法に基づく水質試験および簡易分析に限られず、水質を測定可能な任意の手法が採用可能である。
【0018】
第2例では、水道水の水質情報は、任意の手法で推定された、水道水の水質を示す情報である。水質を推定する手法として、例えば、水道水の水質に応じて反応する所定の試薬(例えば、DPD試薬、STB試薬、過マンガン酸カリウム、フェノールレッドなど)を添加した水道水を撮影した画像(静止画または動画)から水道水の水質を推定する手法、水道水を塗布した所定の試験紙(例えば、試薬を塗布または吸収させて乾燥させた試薬)または水道水に浸漬した所定の試験紙を撮影した画像から水道水の水質を推定する手法などが採用可能である。これらの手法では、例えば、撮影した画像から、任意の画像処理により試薬または試験紙の反応(例えば、試薬の色の変化および濃さなど)を検出し、検出された試薬または試験紙の当該反応に応じて、水道水の水質が推定可能である。しかしながら、撮影した画像または撮影映像から水道水の水質を推定する手法に限られず、水道水の水質を推定可能な任意の手法が採用可能である。
【0019】
上記の第1例および第2例ではいずれも、水道水の水質情報は、水道水の水質を直接的に示す情報である。これに対して第3例では、水道水の水質情報は、水道水の水質を推定可能な情報である。換言すると、第3例では、水道水の水質情報は、水道水の水質を間接的に示す(示唆する)情報である。具体的には、間接的に水道水の水質を示す水質情報としては、例えば、水道水の水質に応じて反応する所定の試薬を添加した水道水を撮影した画像、水道水を塗布した所定の試験紙または水道水に浸漬した所定の試験紙を撮影した画像などが採用可能である。第3例に係る水質情報が採用される場合、後述するように、情報処理装置20は、端末装置20から受信した水質情報に基づいて水道水の水質を推定する。
【0020】
なお、水道水の水質情報は、上述した第1例~第3例に限られるものではない。
【0021】
図1に示すように、端末装置10は、水質情報を取得するための取得部11を備える。
【0022】
例えば、上述した第1例に係る水質情報が採用される場合、取得部11は、例えばキーボード、タッチスクリーン、またはマイクなどの入力インタフェースであってよい。端末装置10の所有者は、任意の手法で測定された水道水の水質を、取得部11を介して入力する。取得部11は、入力された情報を、第1例に係る水質情報として取得する。
【0023】
また例えば、上述した第2例に係る水質情報が採用される場合、取得部11は、例えば所定の範囲を撮影した画像を生成するカメラおよび当該画像に対する画像認識を行うGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサであってよい。この場合、取得部11は、当該カメラによって、水道水の水質を示唆する画像を撮影(取得)する。「水道水の水質を示唆する画像」は、例えば、水供給施設から供給された水道水(住居あるいは施設などに設置された蛇口、水栓および給水口などから採水された水道水)に、水道水の水質に応じて反応する所定の試薬を添加した水道水を撮影した画像である。また、水道水の水質を示唆する画像は、例えば、水道水を塗布した所定の試験紙、または、水道水に浸漬した所定の試験紙を撮影した画像である。また、水道水の水質を示唆する画像は、所定の試薬を添加した水道水を塗布した所定の試験紙、または、所定の試薬を添加した水道水に浸漬した所定の試験紙を撮像した画像である。そして取得部11は、当該プロセッサによって、当該画像から例えば画像認識によって水道水の水質を推定し、推定した水質を示す情報を第2例に係る水質情報として取得する。
【0024】
また例えば、上述した第3例に係る水質情報が採用される場合、取得部11は、例えば、所定の範囲を撮影した画像を生成するカメラであってよい。取得部11は、当該カメラによって、上述した水道水の水質を示唆する画像を撮影(取得)し、当該画像を第3例に係る水質情報として取得する。
【0025】
なお、水質情報の取得の対象となる水道水は、水質変動が生じるほどの期間汲み置きされた水道水ではなく、採水された後、水質変動が生じない程度の時間しか経っていない水である。また、撮影対象の水道水は、水供給施設から管網を通って供給された水である。撮影対象の水道水は、水供給施設から十分に離れた位置(水供給施設を出た水道水が採水されるまでに、水質管理の制御を行う必要が生じるほどの水質変動が生じ得る位置)における、蛇口、水栓または給水口などから採水された水である。なお、水道水の水質の十分な制御を行うためには、1か所ではなく、点在する複数の箇所で採水された水道水の撮影を行うことが好ましい。
【0026】
端末装置10は、GPS(Global Positioning System)信号などに基づき端末装置10の位置情報を取得する位置情報取得機能を備えてもよい。端末装置10が位置情報取得機能を備える場合、端末装置10は、水質情報とともに、水質情報を取得した際の端末装置10の位置情報を、情報処理装置20に送信してよい。端末装置10の位置情報は、端末装置10を操作するユーザにより入力されてもよい。また、端末装置10は、水質情報とともに、水質情報が取得された時刻を示す時刻情報を、情報処理装置20に送信してよい。水道水が取得された時刻は、例えば、端末装置10により撮影された水道水が採水された時刻、水道水の水質の判定が行われた時刻などである。時刻情報は、例えば、端末装置10を操作するユーザが入力することができる。
【0027】
情報処理装置20は、端末装置10から送信される水質情報を取得し、取得した水質情報に基づき、後述する異常データの取得状況を判定する装置である。また、情報処理装置20は、判定の結果に基づき、水質管理装置30に警報の出力などを行う装置である。情報処理装置20は、例えば、ネットワーク2を介して、端末装置10および水質管理装置30と通信可能な、サーバ装置、パーソナルコンピュータなどの装置である。情報処理装置20は、図1に示すように、取得手段としての通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。
【0028】
通信部21は、有線または無線を介して外部装置と通信する1つ以上の通信インタフェースである。本実施形態においては、通信部21は、ネットワーク2を介して端末装置10および水質管理装置30と通信する通信インタフェースを含む。通信部21は、1つ以上の端末装置10から送信されてきた、複数の水質情報を取得し、制御部23に出力する。なお、端末装置10により取得された水質情報は、端末装置10から当該水質情報を取得した他の装置によって、情報処理装置20に送信されてもよい。この場合、通信部21は、端末装置10から水質情報を取得する他の装置と通信する通信インタフェースを含む。
【0029】
記憶部22は、1つ以上のメモリである。メモリは、例えば、半導体メモリ、磁気メモリまたは光メモリなどであるが、これらに限られず任意のメモリとすることができる。記憶部22は、例えば、一次記憶装置または二次記憶装置として機能する。記憶部22は、例えば、情報処理装置20に内蔵されるが、任意のインタフェースを介して情報処理装置20に外部から接続される構成も可能である。
【0030】
制御部23は、1つ以上のプロセッサである。制御部23は、例えば、マイクロコントローラであるがこれに限られず、例えば、汎用のプロセッサまたは特定の処理に特化した専用プロセッサなど、任意のプロセッサとすることができる。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0031】
次に、情報処理装置20のソフトウェア構成について、図1を参照して説明する。情報処理装置20の動作の制御に用いられる1つ以上のプログラムが記憶部22に記憶される。当該1つ以上のプログラムは、制御部23により読み込まれると、制御部23を、判定手段231および出力手段232として機能させる。
【0032】
判定手段231は、通信部21を介して取得された、水道水の複数の水質情報に基づいて、水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定する手段である。「水質異常を示唆する水質情報(すなわち、異常データ)」とは、ある水質情報に示される水質、あるいは、水質情報から推定される水質(以下、これらを区別せず、「水質情報から把握される水質」ともいう。)が所定の判定基準に照らして異常であると判定された場合における、当該水質情報である。水質が所定の判定基準に照らして異常であるとは、例えば、水道水に含まれる所定の物質の濃度が、その物質について水道法などに基づいて予め定められた範囲から外れた状態である。また、水質が所定の判定基準に照らして異常であるとは、例えば、ある端末装置10から取得した水質情報から把握される水質が、当該端末装置10から過去に取得した水質情報から把握される水質と比べて、所定値以上、乖離している状態(例えば、水道法に規定される基準を鑑みた場合に、有意な差異以上乖離している状態)である。また、水質が所定の判定基準に照らして異常であるとは、例えば、ある端末装置10から取得した水質情報から把握される水質が、当該端末装置10の周辺の端末装置10から取得した水質情報から把握される水質と比べて、所定値以上、乖離している状態である。ただし、所定の判定基準に照らして水道水の水質が異常である例は、上述した例に限られない。
【0033】
本実施形態では、判定手段231は、取得した水質情報から把握される水質が上述した所定の判定基準に照らして異常であると判定した場合、当該水質情報を異常データとして取得したものとする。そして、判定手段231は、一定期間に取得した異常データの数に基づき、異常データの取得状況を判定する。「異常データの取得状況」、および、判定手段231による判定の詳細については後述する。
【0034】
出力手段232は、判定手段231の制御に従い、判定手段231による判定の結果に基づき、異常データの取得状況に応じた出力を行う手段である。出力手段232は、例えば、異常データの取得状況に応じて、警報を水質管理装置30に出力する。
【0035】
水質管理装置30は、例えば、水道水を管理する浄水場などに設けられ、情報処理装置20から出力された判定の結果に基づき、水供給施設から供給される水道水の水質管理を制御する装置である。水質管理装置30は、例えば、水道水の水質が異常であると判定されると、水道水における残留塩素濃度を制御する。
【0036】
このように本実施形態においては、情報処理装置20は、1つ以上の端末装置10から、水道水の複数の水質情報を取得し、複数の水質情報に基づいて、異常データの取得状況を判定する。そして、情報処理装置20は、判定の結果に基づき、異常データの取得状況に応じた出力を行う。そのため、水道管路への水質モニタといった設備の設置およびその維持管理が不要であるので、より安価および簡易に水道水の水質を管理することができる。
【0037】
なお、図1においては、情報処理装置20が、取得手段としての通信部21と、判定手段231と、出力手段232とを備える例を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。取得手段としての通信部21、判定手段231および出力手段232の一部が一の装置に設けられ、残りが別の装置に設けられてもよい。また、取得手段としての通信部21、判定手段231および出力手段232がそれぞれ、別の装置として設けられてもよい。要は、水質管理システム1が、取得手段としての通信部21と、判定手段231と、出力手段232とを備えていればよい。
【0038】
次に、本実施形態に係る水質管理システム1の動作について説明する。
【0039】
図2は、本実施形態に係る水質管理システム1の動作を示すシーケンス図であり、本実施形態に係る水質管理方法を説明するための図である。
【0040】
端末装置10は、水道水の水質情報を取得する(ステップS11)。
【0041】
例えば、上述した第1例に係る水質情報が採用される場合、端末装置10の所有者により、水道水の水質(例えば、残留塩素の濃度など)が測定され、水質の測定値が端末装置10に入力される。端末装置10は、取得部11により、入力された水道水の水質の測定値を、第1例に係る水質情報として取得する。
【0042】
あるいは、上述した第2例に係る水質情報が採用される場合、端末装置10の所有者は、水道水の水質を示唆する画像(例えば、試薬が添加された水道水の画像など)を撮影する。端末装置10は、当該画像から、例えば画像認識により水道水の水質を推定し、水質の推定値を第2例に係る水質情報として取得する。
【0043】
あるいは、上述した第3例に係る水質情報が採用される場合、端末装置10の所有者は、水道水の水質を示唆する画像(例えば、試薬が添加された水道水の画像など)を撮影する。端末装置10は、当該画像を第3例に係る水質情報として取得する。
【0044】
ここで、水質情報の取得の対象となる水道水は、例えば、需要家の住居あるいは施設などに設置された蛇口から採水された水道水である。端末装置10が位置情報取得機能を備える場合、端末装置10は、水道水の水質情報を取得した際の端末装置10の位置情報を取得してよい。この場合、水道水の採水位置あるいはその近傍の位置情報が、端末装置10の位置情報として取得されることが望ましい。こうすることで、端末装置10の位置情報から、水質情報が取得された水道水の採水位置(水道水が採水された蛇口など)を特定することができる。水道水の採水位置が特定されることで、水供給施設から水道水の採水位置までの水道管路の経路を特定することができる。
【0045】
端末装置10は、取得した水質情報を、ネットワーク2を介して情報処理装置20に送信する(ステップS12)。上述したように、端末装置10は、水質情報とともに、端末装置10の位置情報を情報処理装置20に送信してよい。また、端末装置10は、水質情報とともに、水道水が採水された時刻あるいは水質情報が取得された時刻を示す時刻情報を、情報処理装置20に送信してよい。
【0046】
情報処理装置20は、通信部21により、1つ以上の端末装置10から送信されてきた複数の水質情報を受信(取得)する(ステップS13)。
【0047】
情報処理装置20は、判定手段231により、取得した複数の水質情報に基づいて、異常データ(すなわち、水道水の水質異常を示唆する水質情報)の取得状況を判定する(ステップS14)。詳細には、判定手段231は、例えば、ある水質情報から把握される水質が、所定の判定基準に照らして異常であると判定した場合、当該水質情報を異常データとしてカウントする。そして、判定手段231は、後述するように、一定期間に取得した異常データの件数に基づき、異常データの取得状況を判定する。
【0048】
情報処理装置20は、出力手段232により、判定手段231の判定結果に基づき、異常データの取得状況に応じた出力を、水質管理装置30に対して行う(ステップS15)。水質管理装置30は、情報処理装置20の出力に基づき、水供給施設から供給される水道水の水質管理を制御する(ステップS16)。
【0049】
このように本実施形態に係る水質管理方法は、端末装置10から送信される、1つ以上の端末装置10から、水道水の複数の水質情報を取得するステップ(ステップS13)と、複数の水質情報に基づいて、水道水の水質異常を示唆する水質情報である異常データの取得状況を判定するステップ(ステップS14)と、判定の結果に基づき、異常データの取得状況に応じた出力を行うステップ(ステップS15)と、を含む。
【0050】
次に、「異常データの取得状況」、および判定手段231による判定の詳細について説明する。上述したように、判定手段231は、水質情報に基づき異常データの取得状況を判定する。
【0051】
具体的には、判定手段231は、異常データの取得状況として、第1の期間Wに取得された異常データの件数が、第1の閾値X以上であるか否かを判定する。そして、判定手段231は、第1の期間Wに取得された異常データの件数が第1の閾値X以上であると判定した場合、出力手段232に警報を出力させる。
【0052】
あるいは、判定手段231は、異常データの取得状況として、第1の期間Wに取得された異常データの件数が第1の閾値X未満であり、且つ、第1の期間Wよりも長い第2の期間Zに取得された異常データの件数が第2の閾値Y以上であるか否かを判定する。そして、判定手段231は、第1の期間Wに取得された異常データの件数が第1の閾値X未満であり、且つ、第2の期間Zに取得された異常データの件数が第2の閾値Y以上であると判定した場合、出力手段232に警報を出力させる。
【0053】
ここで、第2の期間Zは、判定を行う当日から遡って規定日数(Z日)に達するまでの期間(第2の期間Z1)、または、1件以上の異常データが取得された日の累積日数が規定日数(Z日)に達するまで、判定を行う当日から過去に遡った期間(第2の期間Z2)であってよい。例えば、端末装置10から水質情報が1件も取得されなかった日は異常データの取得件数も0件となるため、ある日に取得された異常データの件数が0件であることのみをもって当該日の水道水の水質が正常であるとは判断できない。水道水の水質が正常であるか否かを必ずしも判断できない日を除外するために、1件以上の異常データが取得された日の累積日数が規定日数(Z日)に達するまで現在から過去に遡った期間(第2の期間Z2)を第2の期間Zとすることが好適である。
【0054】
第2の期間Zを、判定を行う当日から遡って規定日数(Z日)に達するまでの期間(第2の期間Z1)とするか、1件以上の異常データが取得された日の累積日数が規定日数(Z日)に達するまで、判定を行う当日から過去に遡った期間(第2の期間Z2)とするかは、例えば、水質管理システム1の管理者が設定可能であってよい。
【0055】
上述したように、第2の期間Zは、当日から過去に遡った期間であるが、判定手段231は、過去に遡る日数に上限を設けてもよい。
【0056】
例えば、第2の期間Zが、1件以上の異常データが取得された日の累積日数が規定日数(Z日)に達するまで、判定を行う当日から過去に遡った期間である場合、判定手段231は、過去に遡る日数に上限V(ただし、Z<V)を設けてもよい。換言すると、第2の期間Zは、1件以上の異常データが取得された日の累積日数が規定日数(Z日)に達するまで、判定を行う当日から過去に遡った期間、または、判定を行う当日から遡ってV日に達するまでの期間の何れか短い期間あってもよい。こうすることで、例えば異常データが取得されない日が続いたことによって極端に古いデータが利用される等の不都合の発生を低減可能である。
【0057】
また、例えば、第2の期間Zが上述したいずれの期間(第2の期間Z1または第2の期間Z2)であっても、最後に警報が出力された日に応じて定まる上限を設けてもよい。具体的には、判定手段231は、警報が出力された場合、第2の期間Zを、上述したいずれかの期間(第2の期間Z1または第2の期間Z2)、または、当日から最後に警報が出力された日の翌日までの期間の何れか短い期間としてもよい。すなわち、判定手段231は、警報を出力したか否かにより、当日から過去に遡る日数の上限Vを可変にしてよい。
【0058】
例えば、特定の日に多くの異常データが取得された場合、第2の期間Zにその日が含まれている間、警報が出力され続けるおそれがある。また、警報が一度出力されることで、水質管理装置30による水道水の水質の管理が見直されていることが考えられる。そこで、警報を出力した場合には、第2の期間Zを、上述したいずれかの期間(第2の期間Z1または第2の期間Z2)、または、当日から最後に警報が出力された日の翌日までの期間の何れか短い期間としてもよい。こうすることで、例えば、特定の日に多くの異常データが取得されることで警報が出力された場合、判定手段231は、警報が出力された日の翌日までしか遡らず、その特定の日が第2の期間Zに含まれないので、過度な警報の出力を防ぐことができる。
【0059】
また、判定手段231は、水道水の水質の異常の原因が特定(あるいは推定)できたか否か、あるいは、管理者が対策を行ったか否かなどにより、第2の期間Zとして当日から過去に遡る日数の上限Vを可変にしてよい。例えば、判定手段231は、水道水の水質管理の設定が変更された場合、第2の期間Zを、上述したいずれかの期間(第2の期間Z1または第2の期間Z2)、または、当日から最後に警報が出力された日の翌日までの期間の何れか短い期間としてもよい。また、判定手段231は、設定が変更されなかった場合、第2の期間Zを、上述したいずれかの期間(第2の期間Z1または第2の期間Z2)としてよい。また、水道水の水質の異常の原因が特定(あるいは推定)できたか否か、あるいは、管理者が対策を行ったか否かなどにより、第2の期間Zを切り替えるか否かは、管理者が設定可能であってもよい。
【0060】
次に、判定手段231による異常データのカウントの仕方について説明する。判定手段231は、例えば、ある水質情報から把握される水質が所定の基準に照らして異常であると判定されるごとに、その水質情報を1件の異常データとしてカウントしてよい。また、判定手段231は、例えば、1日の中で異常データの基となった水質情報(異常データと判定された水質情報)を送信してきた端末装置10の数を、異常データの件数としてカウントしてもよい。この場合、判定手段231は、1日の中で、同一の端末装置10から複数回、異常データの基となった水質情報が送信されてきた場合も、異常データの数は1件としてカウントしてよい。また、判定手段231は、異なる日に、同じ端末装置10から、異常データの基となった水質情報が送信されてきた場合、それぞれの異常データを累積してカウントしてよい。したがって、判定手段231は、例えば、3日間連続で同じ端末装置10から、異常データの基となった水質情報が送信されてきた場合、3件の異常データとしてカウントする。
【0061】
ここで、異常データのカウントの仕方の具体例について、図3を参照して説明する。図3は、ある一週間における異常データの取得件数、および警報の出力の有無を示す図である。以下では、第2の期間Zは、判定を行う当日から遡って規定日数(Z日)に達するまでの期間(第2の期間Z1)または、当日から最後に警報が出力された日の翌日までの期間の何れか短い期間と予め設定されているとする。また、以下では、第1の閾値X=10であり、第2の閾値Y=6であり、第1の期間W=1であり、第2の期間Z=3であるとして説明する。したがって、図3においては、1日に10件以上、異常データを取得した場合、出力手段232が警報を出力するものとする(条件1)。また、規定日数(3日)内に6件以上、異常データを取得した場合、出力手段232が警報を出力するものとする(条件2)。
【0062】
図3に示すように、1日目には2件、2日目には1件、4日目には3件、5日目には1件、6日目には3件、7日目には10件の異常データが取得されたとする。また、3日目には異常データが取得されなかったとする。
【0063】
1日目から5日目までは、1日の異常データの数が10件以下であり、規定日数(3日間)の累積の異常データの件数も6件以下である。すなわち、条件1も条件2も満たさないので、判定手段231は、水道水の水質の異常が発生していないと判定し、警報を出力することはない。
【0064】
6日目には、規定日数(4日目から6日目の3日間)の累積の異常データの件数が7件となり、条件2が満たされる。したがって、判定手段231は、水道水の水質に異常が発生したと判定し、出力手段232に警報を出力させる。
【0065】
7日目には、1日における異常データの件数が10件となり、条件1が満たされる。したがって、判定手段231は、1日における異常データの件数がX以上になったと判定する。出力手段232は、判定手段231による判定の結果に基づき、警報を水質管理装置30に出力する。
【0066】
なお、例えば、7日目に取得された異常データの件数が10件ではなく3件であったとすると、条件1は満たされない。そこで、判定手段231は、条件2が満たされるか否かを判定する。ここで、第2の期間Zが、判定を行う当日から遡って規定日数(3日間)に達するまでの期間である場合、第2の期間Zにおける異常データの件数は7(=1+3+3)件となり、条件2が満たされる。条件2が満たされることで、6日目の警報に対する管理者による対応が行われたにもかかわらず、警報が引き続き出力されてしまうことがある。
【0067】
一方、第2の期間Zが、当日から最後に警報が出力された日(6日目)の翌日までの期間である場合、7日目での第2の期間Zにおける累積の異常データの件数は、3件となるため、警報は出力されない。したがって、例えば、6日目に続いて7日目にも警報が出力されてしまうなどの、過度の警報の出力を防ぐことができる。
【0068】
なお、異常データの件数あるいは異常データの基となった水質情報の送信元に基づき、どのような異常が生じているかを推定できる場合がある。このような場合、判定手段231は、推定した異常に関する情報、あるいは、推定した異常を解決するための方法などを警報に含めて、水質管理装置30に出力してもよい。
【0069】
また、1日の異常データの件数が第1の閾値X以上であることにより警報が出力された場合(条件1を満たす場合)、水質管理システム1が管理する領域全体または領域内の広い範囲で、水道水の水質の異常が発生している可能性がある。一方、規定日数内の累積の異常データの件数が第2の閾値Y以上であることにより警報が出力された場合(条件2を満たす場合)、領域全体として問題はないものの、特定の個人または狭い範囲内で継続的に水質の問題が生じている可能性がある。
【0070】
条件1を満たすことで警報が出力された場合、および、条件2を満たすことで警報が出力された場合のいずれであっても、異常データの基となった水質情報の送信元の端末装置10を特定することで、異常が発生している領域(範囲)と原因を推定することができる場合がある。
【0071】
したがって、判定手段231は、例えば、異常データの基となった水質情報の送信元の端末装置10を特定し、同一の端末装置10から所定の期間U内に所定回数以上、異常データの基となった水質情報を取得したか否かを判定してよい。なお、上述したように、判定手段231は、同一の端末装置10から異常データの基となった水質情報が送信されてくるごとに、異常データの件数を1件ずつカウントしてもよい。あるいは、判定手段231は、同一の端末装置10から所定の期間(例えば、1日)に複数回、異常データの基となった水質情報が送信されてきた場合、異常データの件数は1件としてカウントしてもよい。判定手段231は、異常データのカウントの仕方に応じた所定の期間U内に、同一の端末装置10から所定回数以上、異常データの基となった水質情報を取得したか否かを判定する。出力手段232は、判定手段231により、同一の端末装置10から所定の期間U内に所定回数以上、異常データの基となった水質情報を取得したと判定された場合、端末装置10に関する情報を出力手段232に出力させてよい。端末装置10に関する情報は、例えば、端末装置10の所有者の自宅に関する情報、端末装置10の所有者が給水する給水位置の情報、あるいは、端末装置10の所有者の自宅に給水する配水管及び給水管の情報など、端末装置10が水質情報を取得した水道水の採水位置に関する情報である。こうすることで、判定手段231は、ある特定の地点または範囲において、水質の異常が検出されていることを、水質管理装置30に通知することができる。例えば、特定の端末装置10から所定の期間U内に所定回数以上、異常データを含む水質情報を取得した場合、水質管理装置30では、その端末装置10の利用者の利用状況あるいはその利用者の自宅などに給水する配水管又は給水管などに問題があると推定することができる。
【0072】
また、判定手段231は、例えば、複数の端末装置10から、異常データの基となった水質情報を取得した場合、複数の端末装置10に関する情報を出力手段232に出力させてよい。この場合、判定手段231は、例えば、同一の端末装置10から所定の期間(例えば、1日)に複数回、異常データの基となった水質情報が送信されてきた場合、異常データの件数は1件としてカウントしてもよい。複数の端末装置10に関する情報を考慮することにより、例えば、配水池近傍の複数の端末装置10から異常データの基となった水質情報が送信されている場合、水質管理装置30では、配水池の水が高塩素濃度であるといった、異常の原因を推定することができる。また、例えば、配水池遠方の複数の端末装置10から異常データの基となった水質情報が送信されている場合、水質管理装置30では、配水池の水が低塩素濃度であるといった、異常の原因を推定することができる。また、水質管理システム1が管理する領域全域の複数の端末装置10から異常データの基となった水質情報が送信されている場合、水質管理装置30では、配水池の水の塩素濃度が規定値から大幅にずれている可能性があるといった、異常の原因を推定することができる。
【0073】
上述した実施形態においては、判定手段231は、規定日数における累積の異常データの件数が第2の閾値Y件以上であるか否かを判定する例を用いて説明したが、これに限られるものではない。判定手段231は、例えば、規定日数に取得した水質情報の総数に対する規定日数における累積の異常データの件数の割合が、所定の閾値以上であるか否かを判定してもよい。ただし、規定日数における累積の異常データの件数を用いることで、取得した水質情報の数が少ない場合に、取得した水質情報の数が多い場合と比較して、異常データの件数の影響が大きくなることを避けることができる。
【0074】
また、判定手段231による警報の出力の有無は、管理者により設定可能であってもよい。こうすることで、水質管理システム1の管理者の習熟度に応じた、水質管理の運用が可能となる。
【0075】
本発明を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段およびステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。前述したところは本発明の一実施形態にすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてよいことは言うまでもない。
【0076】
また、上述した実施形態において、水質管理システム1によって実現される各種の手段をソフトウェア構成として説明したが、これらのうち少なくとも一部の手段は、ソフトウェア資源および/またはハードウェア資源を含む概念であってもよい。
【0077】
また、上述した実施形態に係る水質管理システム1として機能させるために、コンピュータなどの装置を用いることができる。当該装置は、実施形態に係る水質管理システム1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該装置のメモリに格納し、当該装置のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 水質管理システム
2 ネットワーク
10 端末装置
11 取得部
20 情報処理装置
21 通信部(取得手段)
22 記憶部
23 制御部
231 判定手段
232 出力手段
30 水質管理装置
図1
図2
図3