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▶ 岩崎 利宣の特許一覧

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  • 特開-前輪駆動自転車のフレーム 図1
  • 特開-前輪駆動自転車のフレーム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031886
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】前輪駆動自転車のフレーム
(51)【国際特許分類】
   B62M 1/28 20130101AFI20230302BHJP
   B62K 15/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B62M1/28
B62K15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137641
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】396009805
【氏名又は名称】岩崎 利宣
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 利宣
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BA08
(57)【要約】
【課題】自転車を小さく折り畳め、軽くし、携帯する負担を軽減し、旅に常備でき、また市街地の駐輪の煩わしさを無くすことの可能な自転車が課題である。
【解決手段】ペダル(5)の踏み込む力をロープの引き力に変え、前輪(100)を引き回し駆動する前輪駆動自転車の折り畳みフレームであって、ハンドル軸受部より地面方向にダウンチューブ(1)を固着し、その下端の補助リンク(4)を経て、後輪軸受で折り返しダウンチューブに結合する三角フレーム(2)の結合端部を着脱可能としその固定手段をその近くより設置されるサドルポール(3)下部に形成された爪(9)により行う。折りたたみ時はサドルポールをハンドル側に倒し固定手段を外し、補助リンクを回動しサドルポールを押し下げると後輪が持ち上り前輪上部にサドルと後輪が収まる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪駆動自転車の折り畳みフレームであって、
両ペダルの踏み込む力をロープに伝え、その引き力をもつロープを、ハンドル回転軸の中空部に設けられた空間を通し、前輪軸両端に設置された引き回し用滑車に伝え、前輪ハブに内蔵された各々のワンウェイクラッチと、引き回し用滑車を戻すスプリングとにより駆動力を得る方式の前輪駆動自転車において、
走行の状態で、ハンドル軸受部外周のフレーム側に固着され前輪の後方で地面方向に伸びるダウンチューブと、該ダウンチューブ下端に回動可能に結合された補助リンクと、該補助リンクと回動可能に結合され、前輪後方に設定される後輪軸の軸受部に至り、折り返し前記ダウンチューブの略中間位置に戻り、該ダウンチューブ側との着脱可能な結合部を端部に持つ三角フレームと、前記着脱可能な結合部の前記ダウンチューブ側に固着された止め金と、前記着脱可能な結合部に回動可能に結合され、前記着脱可能な結合部と前記止め金を固定する爪を下端に持つサドルポールと、前記ダウンチューブの略下端に結合された回動可能なペダルアームと、を具備した前輪駆動自転車の折り畳みフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型折り畳み自転車のフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型軽量の折りたたみ自転車の開発過程で改良されたフレームで、文献1の折り畳み自転車に文献2の車輪ハブ部を取り入れた折り畳み自転車を、より実用的な構造に発展させたものである。この前輪駆動自転車は駆動方式が特殊で小型軽量に適しているが、フレームにロープ支持部があり車体の剛性が弱い。かつサドル高が低く運転しにくい難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5163942号
【特許文献2】特願2014-81420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
後輪駆動自転車の完成された技術は不動のものであるが、見解を変え最も小さく簡単に折り畳め、軽くすることを目標とし、携帯する負担を軽減し、旅に常備可能で、また市街地で駐輪せず、キャリーケース的に運ぶことができる自転車が課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
両ペダルの踏み込む力をロープに伝え、その引き力をハンドル回転軸の中空部に設けられた空間を通し、前輪軸両端に設置された引き回し用滑車に伝え、前輪ハブに内蔵された各々のワンウェイクラッチと引き回し用滑車を戻すスプリングとにより、駆動力を得る方式の前輪駆動自転車のフレーム構造の改良である。
【0006】
構造は走行の状態で、ハンドル軸受部外周のフレーム側に固着され前輪の後方で地面方向に伸びるダウンチューブと、該ダウンチューブ下端に回動可能に結合された補助リンクと、該補助リンクと回動可能に結合され、前輪後方に設定される後輪軸の軸受部に至り、折り返し前記ダウンチューブの略中間位置に戻り、該ダウンチューブ側との着脱可能な結合部を端部に持つ三角フレームと、前記着脱可能な結合部の前記ダウンチューブ側に固着された止め金と、前記着脱可能な結合部に回動可能に結合され、前記着脱可能な結合部と前記止め金を固定する爪を下端に持つサドルポールと、前記ダウンチューブの略下端に結合された回動可能なペダルアームと、を具備する構造で、
【0007】
折り畳み時はサドルポールをハンドル側に倒して爪を外し、三角フレームとダウンチューブとの接合部の固定を外し、補助リンクを中心に、三角フレームを、後輪を持ち上げる様に回動し、従動してサドルポールが下がり、サドルと後輪が隣接する形状に折り畳むフレームで課題が解決される。
【発明の効果】
【0008】
ハンドル軸受部フレーム側にダウンチューブを固着させ、かつ剛体の三角フレームを用いることにより車体の剛性が文献1のフレームより増し走行が安定する。サドル高さも標準的で運転姿勢も無理がない。
【0009】
部品数が少なく車体重量が軽くなる。折りたたみ時は、サドルを前に倒し、三角フレームを回動させる折り畳みで、後輪とサドルが前車輪上部で小さくまとまり、袋を掛ければハンドルを取手にしたキャリーケースの形状になり交通機関や商店に持ち込める。また次の工程でハンドルを折りたためば携帯に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】は前輪駆動自転車の側面図でハンドル軸受部のみ部分断面にしてある。
図2】は図1のフレームを折り畳んだ状態である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図1図2において実施形態の一例を表す。
100は前輪で前輪引き回し用滑車101が両側に設定されている。前輪ハブにワンウェイクラッチと引き回し用滑車を戻すゼンマイバネが内蔵されている。引き回し用滑車にロープ102を巻き、延長部はハンドル軸受の中空部103を通り滑車104で方向を変えペダル5に結合する。ハンドル軸受中空部103を通すのはペダルの力がハンドルのステアリングに影響を及ぼさないためである。
【0012】
ハンドル軸受のフレーム側にダウンチューブ1を固着し前輪後方を下に向け一本伸ばす。下端は回動可能なピン結合で補助リンク4に結合し補助リンクより後輪方向に三角フレーム2を伸ばし後輪軸で折り返してダウンチューブの中間あたりで三角フレーム端部に形成されたU字孔8とダウンチューブに固着された止め金7で結合する。
【0013】
止め金7とU字孔8を固定する爪9を下端にもつサドルポール3をU字孔の近くに回動可能なピン結合で取り付け、サドルポールをハンドル側に倒すと固定が外れるよう調整する。サドルポール3は上部にサドルを取り付け、中間部をダウンチューブ1上部に結合した支持材10で支持する。
【0014】
三角フレーム2の下部は引っ張り力に対応し一列で上部は圧縮力に対応し二列である。サドルポール3も二列でサドルを支持する。補助リンク4の上部で三角フレームを回動し折りたたむ状態のとき、干渉しない場所にダウンチューブ1と回動可能なピン結合でペダルとアーム5を二列取り付ける。
【0015】
ペダルとアーム5の結合付近にアーム止め11を設置しペダルの戻りを良くするために、反発材を取り付ける。
【0016】
三角フレーム2が止め金7と結合している状態では、後輪部が剛体であるため、回動しない。折りたたみ時、サドルポール3を倒し三角フレーム2と止め金7との固定を外し三角フレームが止め金7の上部を回動し後輪が持ち上り同時にサドルポールも回動し二列の三角フレームとサドルポールが前輪を挟み込む状態で折りたたむ。
【0017】
補助リンク4に小さいコロ12を取り付ければ折りたたみ時、キャリーケースのコロの役割となりハンドルを持ち操作できる。ハンドルはヒンジ結合されているので、携帯時など必要な時に両サイドに折りたたむ。
【0018】
ペダル5はペダルアームと、踏み込む方向に止められ反対方向に自由に動くヒンジで結合される。
【符号の説明】
【0019】
1 ダウンチューブ
2 三角フレーム
3 サドルポール
4 補助リンク
5 ペダルとアーム
6 ハンドル
7 止め金
8 U字孔
9 爪
10 サドルポール支持材
11 アーム止め
12 コロ
100 前輪
101 前輪引き回し用滑車
102 引き回し用ロープ
103 ハンドル軸受部の中空部
104 滑車

図1
図2