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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031911
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】カプセル玩具取出器
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/00 20060101AFI20230302BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
G07F11/00 Z
A63H33/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137682
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】321008284
【氏名又は名称】株式会社アロハラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】榎本 昌三
【テーマコード(参考)】
2C150
3E046
【Fターム(参考)】
2C150DD14
3E046BA01
3E046BB07
3E046EB05
3E046FA03
(57)【要約】
【課題】例えば小型玩具、プレミア商品その他を封入してあるやや大型のカプセル玩具を、脚踏み操作で順次に取出し可能にする。
【解決手段】カプセル玩具Tの玩具収納域10、一時滞留域20、取出域30を設け、取出口9を開口したボックス筐体1を形成する。一時滞留域20は、前側壁4側に下方傾斜してボックス筐体1の底部に配した供給板21と、ボックス筐体1に立脚させて供給板21にスライド状に貫挿配置したロック片22とから成る。取出域30は、底側壁3上に設けた梃子支点台31と、梃子支点台31を支点として揺動し、前側壁4から外出する足踏み部33を梃子支点台31の一方側に、供給板21を揺動させ、上方への揺動時ではロック片22上に位置決めさせる供給板21を連結支持した揺動作用部34を梃子支点台31の他方側にそれぞれ備えた足踏み板32とから成る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル玩具が投入収納される玩具収納域、この玩具収納域から供給されるカプセル玩具を一時的に滞留させる一時滞留域、一時滞留域内のカプセル玩具を取り出す取出域を設けると共に、取出口を開口形成して成るボックス筐体から成り、一時滞留域は、ボックス筐体の後側壁から前側壁に至るに伴い次第に下方傾斜してボックス筐体の底部に配した供給板と、ボックス筐体の底部に立脚させて供給板にスライド状に貫挿配置して、供給板上でカプセル玩具を滞留させるロック片とから成り、取出域は、取出口におけるボックス筐体の底側壁上に設けた梃子支点台と、この梃子支点台を支点として揺動し、ボックス筐体の前側壁の外部に外出している足踏み部を梃子支点台の一方側に、供給板を上下に揺動させ、上方への揺動時ではロック片上に位置決めさせる供給板を連結支持している揺動作用部を梃子支点台の他方側にそれぞれ備えた足踏み板とから成ることを特徴とするカプセル玩具取出器。
【請求項2】
玩具収納域は、ボックス筐体内で、前側壁から後側壁に向かって下方傾斜状に配置した収納区画板上に区画形成されていて、収納区画板における後側壁側の最下部位に開放した供給口からカプセル玩具を下方の一時滞留域に落下するようにしてある請求項1に記載のカプセル玩具取出器。
【請求項3】
供給口端に設けたすり切り板とボックス筐体の後側壁との間は1個のカプセル玩具が落下する程度の間隔に設定してある請求項1または2に記載のカプセル玩具取出器。
【請求項4】
供給板は、カプセル玩具の直径とほぼ同一の内法幅員で形成された左右側壁相互間の幅員に形成されていて、ロック片は、縁面がカプセル玩具の下流側への移動方向に向き合うようにして供給板の左右方向でのほぼ中央に位置決めされている請求項1乃至3のいずれかに記載のカプセル玩具取出器。
【請求項5】
足踏み板は、ボックス筐体の前後方向に沿って配置されていて、ボックス筐体の前側壁から足踏み部を外出させる共に、ボックス筐体の左右側壁のいずれかに設けた取出口にカプセル玩具を案内する案内片を設けてある請求項1乃至4のいずれかに記載のカプセル玩具取出器。
【請求項6】
揺動作用部は、ロック片にスライドするよう嵌め合わせ貫挿させると共に、ボックス筐体の前側壁側では低く、後側壁側では高くなっている側面から見て三角形状の連結片によって供給板を下方から支持して供給板をボックス筐体の前側壁側が下方傾斜状態にしてある請求項1乃至5のいずれかに記載のカプセル玩具取出器。
【請求項7】
供給作用域には、前記玩具収納域における供給口に対向させて、カプセル玩具が衝接する薄板片状のカプセル玩具崩し片を、ボックス筐体の後側壁に沿って立脚配置してある請求項1乃至6のいずれかに記載のカプセル玩具取出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小型玩具、プレミア商品その他を封入してあるやや大型のカプセル玩具を、脚踏み操作で順次に取出し可能にしたカプセル玩具取出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、透明な球形のカプセル容器に例えば各種の小型玩具を封入したカプセル玩具を筐体内に収納しておいて、所定のコインの投入によって許容されたハンドル回転操作によって、カプセル玩具を取り出すようにした、いわゆるガチャ機と称されるカプセル玩具取出機がアミューズメント施設その他に設置されている。
【0003】
これらのカプセル玩具取出機は、例えば特許文献1乃至3に示される自動販売機として提案され、また、投入するコインの不正防止のための各種のコイン判別装置、不正コイン排出機構等を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-212430号公報
【特許文献2】特開平8-212438号公報
【特許文献3】特開2000-076511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの従来から提案されているカプセル玩具取出機は、正規コインの投入によってのみ許容されるハンドル操作でカプセル玩具が取り出されるから、例えばイベント会場等で、特に童幼児を対象としてカプセル玩具を順次に取り出させて遊興させるには、正規コインを事前に用意する必要があり、また童幼児を対象とするには操作自体も煩わしさがある。
【0006】
そればかりでなく、従来のカプセル玩具取出機では、カプセル玩具自体の大きさが直径で約5cm程度であるから、封入する玩具の大きさが限定され、童幼児が好むやや大型の、例えば菓子・パン類、ぬいぐるみ人形類その他を封入しておくには適当ではなかった。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、その目的は童幼児であっても簡単に操作でき、操作することで各種物品が封入されているカプセル玩具を取り出すことができ、興趣性に富み、しかも安全に遊興できるカプセル玩具取出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、カプセル玩具Tが投入収納される玩具収納域10、この玩具収納域10から供給されるカプセル玩具Tを一時的に滞留させる一時滞留域20、一時滞留域20内のカプセル玩具Tを取り出す取出域30を設けると共に、取出口9を開口形成して成るボックス筐体1から成り、一時滞留域20は、ボックス筐体1の後側壁5から前側壁4に至るに伴い次第に下方傾斜してボックス筐体1の底部に配した供給板21と、ボックス筐体1の底部に立脚させて供給板21にスライド状に貫挿配置して、供給板21上でカプセル玩具Tを滞留させるロック片22とから成り、取出域30は、取出口9におけるボックス筐体1の底側壁3上に設けた梃子支点台31と、この梃子支点台31を支点として揺動し、ボックス筐体1の前側壁4の外部に外出している足踏み部33を梃子支点台31の一方側に、供給板21を上下に揺動させ、上方への揺動時ではロック片22上に位置決めさせる供給板21を連結支持している揺動作用部34を梃子支点台31の他方側にそれぞれ備えた足踏み板32とを配して成ることを特徴とする。
玩具収納域10は、ボックス筐体1内で、前側壁4から後側壁5に向かって下方傾斜状に配置した収納区画板11上に区画形成されていて、収納区画板11における後側壁5側の最下部位に開放した供給口12からカプセル玩具Tを下方の一時滞留域20に落下させるようにして構成することができる。
供給口12端に設けたすり切り板13とボックス筐体1の後側壁5との間は1個のカプセル玩具Tが落下する程度の間隔に設定して構成することができる。
供給板21は、カプセル玩具Tの直径とほぼ同一の内法幅員で形成されたボックス筐体1の左右側壁2相互間の幅員に形成されていて、ロック片22は、縁面がカプセル玩具Tの下流側への移動方向に向き合うようにして供給板21の左右方向でのほぼ中央に位置決めされて構成することができる。
足踏み板32は、ボックス筐体1の前後方向に沿って配置されていて、ボックス筐体1の前側壁4から足踏み部33を外出させる共に、ボックス筐体1の左右側壁2のいずれかに設けた取出口9にカプセル玩具Tを案内する案内片36を設けて構成することができる。
揺動作用部34は、ロック片22にスライドするよう嵌め合わせ貫挿させると共に、ボックス筐体1の前側壁4側では低く、後側壁5側では高くなっている側面から見て三角形状の連結片35によって供給板21を下方から支持して供給板21をボックス筐体1の前側壁4側が下方傾斜状態になるようにして構成することができる。
供給作用域40には、玩具収納域10における供給口12に対向させて、カプセル玩具Tが衝接する薄板片状のカプセル玩具崩し片41を、ボックス筐体1の後側壁5に沿って立脚配置して構成することができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係るカプセル玩具取出器にあって、ボックス筐体1から外出している足踏み板32の足踏み部33に対する足踏み操作によって、ボックス筐体1内に収納されているカプセル玩具Tを1個ずつで取出口9から取り出させる。
玩具収納域10は投入されたカプセル玩具Tを収納させており、取出域30の足踏み板32の操作は、供給板21をロック片22上に揺動位置させるものとなって、すり切り板13による1個のみのカプセル玩具Tの供給案内と相俟って、一時滞留域20において一時的に滞留させているロック片22による滞留作用を解除させ、カプセル玩具Tを供給板21の下流側に案内させ、取出し可能にさせる。
取出域30の足踏み板32に対する足踏み等による足踏み板32の揺動は、ロック片22によって滞留させていた1個のみのカプセル玩具Tを、ロック片22を乗り越えさせて下流側に案内し、揺動復帰後ではロック片22を供給板21上に現出させるように位置させて、玩具収納域10からすり切り板13によって1個のみが供給落下されるカプセル玩具Tを一時滞留域20内に滞留させ、次動作に備えさせる。
一時滞留域20に玩具収納域10からカプセル玩具Tを供給させる供給口12において、供給作用域40に立脚配置したカプセル玩具崩し片41が、供給口12で重なるカプセル玩具Tを弾き返し、カプセル玩具Tを1個ずつ供給口12から一時滞留域20にスムーズに案内して供給落下させる。
足踏み板32の揺動作用部34はロック片22を嵌め合わせ貫挿させていて、揺動作用部34に設けた三角形状の連結片35によって、供給板21を前側壁4側に下方傾斜させて支持している。足踏み板32の足踏み部33に対する下方への揺動は、梃子支点台31を支点として揺動作用部34を上方に揺動させ、連結片35を介して供給板21をロック片22上に持ち上げ、カプセル玩具Tを下流側に案内落下させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上説明したように構成されているため、適宜に載置セットされたボックス筐体1の玩具収納域10内に投入収納されたカプセル玩具Tを、足踏み板32の足踏み部33を踏むことで1個ずつ取り出すことができ、例えば各種のイベント会場、遊技場その他に設置しておくことで、特に童幼児にとっては足踏みの簡単な操作で取り出して興趣あるカプセル玩具Tを得ることができる。
【0011】
すなわちこれは本発明において、カプセル玩具Tの玩具収納域10、一時滞留域20、取出域30を設けると共に、取出口9を開口形成して成るボックス筐体1から成り、一時滞留域20は、前側壁4に下方傾斜してボックス筐体1の底部に配した揺動する供給板21と、供給板21にスライド状に貫挿配置したロック片22とから成り、取出域30は、梃子支点台31を支点として揺動し、足踏み部33を梃子支点台31の一方に、前記供給板21を上下に揺動させ、上方への揺動時ではロック片22上に位置決めさせる供給板21を連結支持している揺動作用部34を梃子支点台31の他方に備えた足踏み板32とから成るからである。
【0012】
こうすることで、足踏み板32の揺動操作毎にカプセル玩具Tを1個ずつ取り出すことができ、取り出すときの足踏み板32による供給板21の揺動に伴い、すり切り板13による1個のみの落下作用と相俟ち、ボックス筐体1内でのカプセル玩具Tを円滑に順次に移動供給させ、次動作のカプセル玩具Tの取り出しに備えて一時滞留域20に準備させるのである。
【0013】
また、ボックス筐体1の前側壁4から外出する足踏み板32の足踏み部33に対する揺動操作でカプセル玩具Tを取り出すとき、足踏み部33にカプセル玩具Tを案内させることなく案内片36によって、左右側壁2のいずれかに設けた取出口9からカプセル玩具Tを混乱なく取り出すことができる。
【0014】
カプセル玩具T自体は、従来から提供されているこの種のカプセル玩具取出機にあるような小型に形成する必要がなく、童幼児が好むようなやや大型にした玩具、例えば縫いぐるみ玩具、衛生的に処理封入した菓子パン類、組立玩具その他の従来にない興趣性ある各種物品とすることができる。
【0015】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を実施するための一形態を示す断面図である。
図2】同じく図1における矢視断面図である。
図3】同じくカプセル玩具の取出操作時の断面図である。
図4】同じく(A)乃至(D)は供給板の昇降作用でカプセル玩具が玩具収納域から一時滞留域に落下供給され、更に取出域に1個ずつで移動されることを説明する要部断面図である。
図5】同じく遊興時の斜視図である。
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1はカプセル玩具取出器におけるボックス筐体である。このボックス筐体1は例えば、その内法幅員は、所定のカプセル玩具における、例えば直径が約12cm程度の大きさに対応しており、また、多数のカプセル玩具Tが取出し容易となるよう、カプセル玩具Tは鉛直方向・前後方向で重ね合わせられた状態で格納されるようにしている。
【0018】
すなわち、ボックス筐体1は、例えばカプセル玩具Tの直径に比し小さくはない幅員に設定して、左右で相対峙した左右側壁2、底部に配した底側壁3、前後で相対峙した前後側壁4,5によって囲繞されており、上部開口には蓋6が着脱自在に設けられていて、カプセル玩具Tを投入供給できるようにしている。ボックス筐体1自体は、例えば高さが約1500mm、前後幅員が約1600mm、左右幅員が約170mm程度のものとしてあるも、これに限定されない。このように、ボックス筐体1自体を薄型に形成することで、例えば壁際に設置することも可能で、壁面の有効的活用を図ることもできる。
【0019】
このボックス筐体1には、玩具収納域10、一時滞留域20、取出域30、供給作用域40それぞれが区画されて設けられている。ボックス筐体1の左右側壁2のいずれか一方の前側壁4側の下部には取出口9が開口されていて、取出域30に連通されている。
【0020】
玩具収納域10は、ボックス筐体1内における高さの中央部近傍位置で、前側壁4から後側壁5に向かって下方傾斜状に配置した収納区画板11によって、この収納区画板11上に区画形成されている。尚、収納区画板11における後側壁5側の最下部位は供給口12として開放されていて、玩具収納域10内に投入されたカプセル玩具Tが供給口12から下方の一時滞留域20に落下するようにしてある。また、左右側壁2のいずれかに開口形成した覗き窓8によって、玩具収納域10内のカプセル玩具Tを確認できるようにしている。
【0021】
また、供給口12端には、収納区画板11から下方に向けて折曲状に連続させることですり切り板13を設けてあり、このすり切り板13とボックス筐体1の後側壁5との間は1個のカプセル玩具Tが落下する程度の間隔に設定してあって、2個以上のカプセル玩具Tが同時には落下しないように規制している。
【0022】
一時滞留域20は、ボックス筐体1の後側壁5から前側壁4に至るに伴い次第に下方傾斜するようにしてボックス筐体1の底部に配されていて、前後に揺動する供給板21と、ボックス筐体1の底部、すなわち底側壁3上に立脚させて供給板21にスライド状に貫挿配置したロック片22とから成る。図に示すように、ロック片22は供給板21に貫挿配置させてあって、供給板21自体の揺動によって、この供給板21上にロック片22がいわば出没するものとなっている。そして、供給板21が下方に揺動して供給板21上にロック片22が突出した状態にあるとき、ロック片22における供給板21の上流側では、前記すり切り板13との間で1個のカプセル玩具Tのみが滞留されるようにしてある。
【0023】
尚、図例にあって、供給板21は、ボックス筐体1の左右側壁2相互間の内法幅員にほぼ等しい幅員に形成されていて、ロック片22は、これの縁面がカプセル玩具Tの下流側への移動方向に向き合うように、供給板21の左右方向でのほぼ中央に位置決めされている。こうすることで、ロック片22が供給板21の上方に突出しているときには、ロック片22の縁面がカプセル玩具Tの外周面に当接して、カプセル玩具Tの転動案内を阻止するものとしてある(図1参照)。また、ロック片22は、供給板21に形成したスリット状の長孔に貫挿されており、後述するように取出域30における足踏み板32による揺動によって、これに追随して供給板21が上下に揺動し、上方に揺動してロック片22の上方に位置すると、ロック片22を超えてカプセル玩具Tが下流側の取出域30に転動案内されるようにしている(図3参照)。
【0024】
また、供給板21が上方に揺動すると(図4(A)参照)、前記すり切り板13に近接し、供給口12にはすり切り板13によって1個のカプセル玩具Tが留まるようになると共に、ロック片22によって留められていたカプセル玩具Tはロック片22を乗り越えて供給板21上で取出口9側に転動される(図4(B)参照)。そして、供給板21が下方に揺動復帰するとすり切り板13によって整列されていた供給口12のカプセル玩具Tは、その1個のみのカプセル玩具Tが供給板21上に位置されていて(図4(C)参照)、供給板21がさらに下方に揺動し、供給板21上にロック片22が突出すると共に、すり切り板13の下方が開放されることによってカプセル玩具Tは供給板21上を転動するもロック片22によって供給板21上で一時的に留められる(図4(D)参照)。すなわち、供給板21が下方に揺動すると供給口12のカプセル玩具Tは供給板21上で下方に転動するも、供給板21上に突出するロック片22によって下方への転動が阻止され、ここに留まるものとなる。
【0025】
取出域30は、例えば取出口9におけるボックス筐体1の底側壁3上に設けた梃子支点台31と、この梃子支点台31を支点として揺動する足踏み板32とから成る。足踏み板32は、ボックス筐体1の前側壁4の外部に外出している足踏み部33を梃子支点台31の一方側に、前記供給板21を上下に揺動させるよう供給板21を連結支持している揺動作用部34を梃子支点台31の他方側に備えている。
【0026】
梃子支点台31は、ボックス筐体1の前側壁4側に設けた取出口9に位置させて、ボックス筐体1の底側壁3上に設けられており、この梃子支点台31における側面から見て円弧状を呈する支点突部の上面を支点として、支点突部上に載置された足踏み板32自体をシーソー状に前後で揺動させるようにしている。
【0027】
足踏み板32は、ボックス筐体1の前後方向に沿ってその底部内に配置されており、ボックス筐体1の前側壁4から外出している足踏み部33を踏むことで、揺動作用部34を上方に揺動させる。
【0028】
また、揺動作用部34は、前記ロック片22に対してスライドするよう嵌め合わせることで貫挿されていて、図例のように、前記供給板21を、揺動作用部34の上面に配した連結片35によって下方から支持している。この連結片35は、ボックス筐体1の前側壁4側では低く、後側壁5側では高くなっている側面から見て三角形状を呈している。こうすることで、揺動作用部34が足踏み板32に対する操作揺動前で下方に位置しているとき、供給板21はボックス筐体1の前側壁4側が下方傾斜状態になるようしている。そして、供給板21上で取出口9側に転動しようとするカプセル玩具Tに対して、カプセル玩具T自体がロック片22に当接されることで取出域30側には転動しないようにしている。尚、図示を省略したが、足踏み板32、供給板21は、例えば折曲部を設けることで一体状に形成することもできる。
【0029】
尚、この足踏み板32は、連結片35、供給板21が設けられている足踏み板32の前部側の揺動作用部34が足踏み部33の後部側の足踏み部33に比し重量的に重くなっているから、足踏み時以外は揺動作用部34が下方傾斜し、供給板21上に突出しているロック片22によって上流側のカプセル玩具Tを滞留状態とさせるようにしている。
【0030】
足踏み板32における足踏み部33の前方位置には、ロック片22による一時的滞留が解除されて転動されるカプセル玩具Tを取出口9に案内する案内片36が立脚状に取り付けられている。
【0031】
供給作用域40には、ボックス筐体1内の玩具収納域10から一時滞留域20に連続している玩具収納域10における供給口12に対向させて薄板片状のカプセル玩具崩し片41が配置されている。このカプセル玩具崩し片41は、ボックス筐体1の底側壁3上に、ボックス筐体1の後側壁5に沿って立脚配置されている。そして、足踏み板32を足踏み揺動させたときに取り出されるカプセル玩具Tに後続する他のカプセル玩具Tが供給口12から供給落下されるときにカプセル玩具崩し片41に衝接し、また、その反動でカプセル玩具崩し片41自体が反り返り、弾き返すことで供給口12において重なり合うカプセル玩具Tを半ば整列させ、カプセル玩具Tを1個ずつで円滑に供給落下させるようにしている。
【0032】
以上のように構成される本発明取出器において、これを構成する各部材、例えばボックス筐体1を形成する左右側壁2、底側壁3、前後側壁4,5、蓋6等、玩具収納域10における各部材、一時滞留域20における供給板21、ロック片22等、取出域30における梃子支点台31、足踏み板32、連結片35、案内片36等、供給作用域40におけるカプセル玩具崩し片41等は、例えば多数の空気泡・溝等をする中空・軽量な合成樹脂板材等を素材として形成・組立することができる。こうすることで、軽量に構成できて、持ち運びが容易であり、例えばイベント会場その他の遊技箇所への搬入、設置も簡便である。もとより、これらの素材に限定されないことも勿論である。
【0033】
次にこれの使用の一例を説明すると、ボックス筐体1を例えば童幼児が参加する各種のイベント会場に設置し、蓋6を開放した玩具収納域10にカプセル玩具Tを投入収納すると共に、童幼児が自由に足踏み操作できるようにしておく。
【0034】
取出域30に配されている足踏み板32の足踏み部33を踏むと、揺動作用部34に連結片35を介して一体化されている供給板21が上方に揺動する。揺動する供給板21がロック片22の上方位置に至ると、ロック片22によって一時滞留域20に一時的に滞留させていたカプセル玩具Tの滞留が解除される。滞留が解除されて供給板21上を転動したカプセル玩具Tは足踏み板32上をも転動し、案内片36によって取出口9を経てボックス筐体1から取り出させる。
【0035】
足踏み板32に対する足踏み状態を解除すると、自重作用で揺動作用部34側が下方傾斜し、供給口12においてすり切り板13によって留められていたカプセル玩具Tは、供給作用域40のカプセル玩具崩し片41によるカプセル玩具Tの整列作用と相俟ち、供給板21におけるロック片22の上流側に玩具収納域10から一時滞留域20に1個のカプセル玩具Tが落下供給され、次動作に備える。
【0036】
尚、図示を省略したが、ボックス筐体1の全体は、カプセル玩具Tを1列状で順次に繰り出すように薄型構成とすることなく、玩具収納域10に多数のカプセル玩具Tが山塊状に積み上げられるよう幅員を広げた構成にして1列状に供給するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
T…カプセル玩具
1…ボックス筐体
2…左右側壁
3…底側壁
4…前側壁
5…後側壁
6…蓋
8…覗き窓
9…取出口
10…玩具収納域
11…収納区画板
12…供給口
13…すり切り板
20…一時滞留域
21…供給板
22…ロック片
30…取出域
31…梃子支点台
32…足踏み板
33…足踏み部
34…揺動作用部
35…連結片
36…案内片
40…供給作用域
41…カプセル玩具崩し片
図1
図2
図3
図4
図5