(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031940
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法
(51)【国際特許分類】
B66C 15/00 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
B66C15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137732
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】504005781
【氏名又は名称】株式会社日立プラントメカニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】川尻 栄作
(72)【発明者】
【氏名】野口 峻介
【テーマコード(参考)】
3F204
【Fターム(参考)】
3F204AA02
3F204BA02
3F204CA05
3F204FA01
3F204FC04
3F204FC05
3F204FC06
3F204FC08
3F204FD03
(57)【要約】
【課題】クレーンが荷役する取扱物によって作業者を検知することができない課題に鑑み、複数台のカメラ等を用いた簡易な設備構成で、クレーン作業エリアにおける作業者とクレーンの吊荷の衝突などの事故を防止することができるようにした人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法を提供すること。
【解決手段】複数台のカメラ18、20の視野、座標をフック中心の基準座標に合成し、人の検知可能な範囲でトレースを行い、人の位置情報が突然消失すると人に危険が及ぶと判断する警戒領域を設け、警戒領域内において人をトレース中にすべてのカメラ18、20が2回連続して人を見失った場合に人消失と判断して、その旨のアナウンスと共にクレーンを停止させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台のカメラの視野、座標をフック中心の基準座標に合成し、人の検知可能な範囲でトレースを行い、人の位置情報が突然消失すると人に危険が及ぶと判断する警戒領域を設け、警戒領域内において人をトレース中にすべてのカメラが2回連続して人を見失った場合に人消失と判断して、その旨のアナウンスと共にクレーンを停止させるようにすることを特徴とする人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法。
【請求項2】
前記天井クレーンを地上で操作する操作器に、人検知システムの有効無効選択、人検知システム点検及び玉掛作業のための釦を備え、吊荷の有無に合わせて人検知範囲の切替及び人検知システムの点検を行うようにすることを特徴とする請求項1に記載の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法。
【請求項3】
前記天井クレーンに人検知状態表示灯及び人検知人数表示器を備え、人検知システムの状態表示を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクレーン作業エリアにおける作業者とクレーンの吊荷の衝突などの事故を防止する人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーン衝突防止装置として、距離センサを用いて対象物までの距離を求め、距離の時間変化に基づいて物体の移動速度を演算するとともに、クレーンの相対速度を取得して衝突防止制御を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、本件出願人は、先に、測域センサ、すなわち、空間の物理的な形状データを出力することができる走査型の光波距離計をいい、「光検出と測距」又は「レーザ画像検出と測距」とも呼ばれる「LIDAR」(Light Detection and Ranging 又は Laser Imaging Detection and Rangingの略語。光を用いたリモートセンシング技術の1つで、パルス状に発光するレーザ照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象物までの距離やその対象物の形状や性質を分析する装置。)を使用して、以下の1~5の装置を提案した。1.クレーン作業エリアの3次元マップを作るときに、死角が発生しているか否か判断して、死角を補う位置で再度スキャニング動作を行い、死角のない3次元マップを作成する装置(特許文献2参照。)。
2.簡易な設備構成で、外乱光対策を実施し、クレーンの作業環境に影響されることなく、作業者を確実に抽出することによって、クレーン作業エリアの安全を確認できる装置(特許文献3参照。)。
3.簡易な設備構成で、クレーンの取扱物の大きさを吊上時に把握し、その情報に応じて減速距離を変えて、作業者などの対象物との衝突を防止する装置(特許文献4参照。)。4.簡易な設備構成で、取扱物及び対象物の3次元の計測をリアルタイムで行うことを可能とすることによって、取扱物の大きさをクレーンの吊上時に把握し、その情報に応じて減速、停止を行うことで、作業者などの移動している対象物を含む対象物との衝突を防止する装置(特許文献5参照。)。
5.簡易な設備構成で、取扱物の3次元の計測をリアルタイムで行うことを可能とすることによって、クレーンが荷役する取扱物の傾斜を直接検出することができるクレーンにおける安全装置(特許文献6参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-71455号公報
【特許文献2】特開2019-127372号公報
【特許文献3】特開2019-127374号公報
【特許文献4】特開2019-127375号公報
【特許文献5】特開2021-54584号公報
【特許文献6】特開2021-54585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のクレーンの安全装置によっては、取扱物を巻上時に吊荷の近くで作業していた場合にカメラ視野が荷物で塞がった場合や、吊荷搬送時に吊荷の下に作業者が入りカメラに作業者が映らなくなった場合には、作業者を検知することが困難になる場合があった。
【0006】
本発明は、上記従来のクレーンの安全装置、特に、人検知システムにおいて、クレーンが荷役する取扱物によって作業者を検知することが困難になるという問題に鑑みて、複数台のカメラ等を用いた簡易な設備で構成した人検知システムにより、クレーン作業エリアにおける作業者とクレーンの吊荷の衝突などの事故を防止することができるようにした人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法は、複数台のカメラの視野、座標をフック中心の基準座標に合成し、人の検知可能な範囲でトレースを行い、人の位置情報が突然消失すると人に危険が及ぶと判断する警戒領域を設け、警戒領域内において人をトレース中のすべてのカメラが2回連続して人を見失った場合に人消失と判断して、その旨のアナウンスと共にクレーンを停止させるようにすることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記天井クレーンを地上で操作する操作器に、人検知システムの有効無効選択、人検知システム点検及び玉掛作業のための釦を備え、吊荷の有無に合わせて人検知する範囲の切替及び人検知システムの点検を行うようにすることができる。
【0009】
また、前記天井クレーンに人検知の状態表示灯及び人検知システムで検出した人数を表示する人数表示器を備え、人検知システムの状態表示を行うようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法によれば、クレーン電源ON後に、1秒間に数回程度の短い時間間隔、例えば、250m秒毎にカメラで撮影し、人を検知可能なエリアにおいて人のトレースを行い、吊荷に近い範囲に警戒領域を設け、警戒領域で人をトレース中のすべてのカメラが2回連続で検知できない場合、人の位置情報を消失したとみなしアナウンスと共にクレーンを停止させることができ、簡易な設備構成で、クレーンの取扱物により死角が発生した場合に作業者などの対象物との衝突を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法を実施するための制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。
【
図6】人検知人数表示器及びその表示例の図である。
【
図18】人消失タイミングチャートの通常時の図である。
【
図19】人消失タイミングチャートの1回目消失、2回目人検知の図である。
【
図20】人消失タイミングチャートの1回目消失、2回目消失の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の天井クレーンの運転方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1~
図20に、本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法の一実施例を示す。
【0014】
図1は、本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法を実施するための制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。
ここで、吊荷をあらかじめ最大定型サイズ(縦、横、高さ)としてタッチパネル17からパソコン16に登録し、
図8のように、吊荷の中心から一番遠い場所までを半径とする外接円として吊荷の形状を定義し、吊荷の端から人までの距離の計算を行う。玉掛作業時は、
図4の無線操作器の「玉掛」釦を押下している間は、フックから人までの距離として計算を行う。
【0015】
人検知システムを備えた天井クレーンは、クレーン始業前に点検を実施し、人検知システム及び作業者のヘルメットの汚れ有無の判定として検知人数を確認するための点検作業を行う。
点検方法は、
図4の無線操作器の人検知システム有効無効の「人検」選択釦を押下し、
図5の人検知状態表示灯(シグナルタワー)の青ランプ点灯により有効を確認した後、点検釦を押下することで点検を開始する。
点検時は、人検知システムの状態を表す
図5の人検知状態表示灯を上から順番に表示させてすべての表示灯のランプテスト確認後、アナウンスに従い点検を行う。
ヘルメットマークの汚れ判定は、
図1のシステム構成図の赤外線投光器のON/OFF画像を人検知用カメラ(人検知用カメラ1、人検知用カメラ2)18、20で撮影した映像をパソコンに取り込み、検知した数とクレーン下に設置したヘルメットの個数を比較して、設置した数量より検知した数が少ない場合に汚れと判断する。
カメラと投光器の汚れ判定については、クレーンを10秒間走行し、
図7のようにカメラで撮影した映像として、クレーン移動により背景が変化したにもかかわらずカメラの視野内の常に同じ位置に黒い物体が付着した場合に汚れ検出とする。作業途中で人が交代若しくは増加した場合のヘルメット状態のみの点検対応として、
図6の人検知人数表示器により常時検知人数の確認を行う。
【0016】
クレーン始業前のカメラ点検終了後、人検知システムが検知可能状態に切り替わり、人検知可能な範囲を
図9の9つの人検知管理エリアに分けて、各動作に対して、各エリアが安全領域か否かを判断しながら作業者にぶつからない速度で運転を行う。
安全領域は、人検知システムが人を検知しても安全だと判断する場所を安全領域と定義し、クレーンの動作毎に異なる。例えば、吊荷の巻上動作の安全領域は、
図10のように吊荷の端から2000mm以上離れた場所とする。ここで、「吊荷の端から2000mm」は、月刊誌「クレーン」2017年4月号に掲載の「安全な玉掛け作業の進め方(2)」に安全な退避位置として、吊荷の端から2000mmと記載されていることを根拠とし、ここでは、仮に2000mmと定義し、パラメータにより変更可能とする。
【0017】
巻上下における人消失機能は、
図2のように、クラブ上対角に設置したカメラ2台それぞれに視野、座標を持っており、正確に人の位置関係を計測するため、それぞれの座標を基準座標1つに合成する。クレーンの場合、人が吊荷の周りを移動することでワイヤロープやフックによりカメラ1台ではヘルメットマークが遮蔽して未検出となるため、クラブ上対角に2台設置することで死角を無くしている。座標合成では、750mm+β以内の
人を同一人物とし、750mmは人の肩幅を想定する。βは、-250~250mmとする。人消失機能は、
図3のように人を消失した場合に危険と判断できる吊荷の周りに警戒領域を設け、クレーン電源ON後に、1秒間に数回程度の短い時間間隔、例えば、250m秒毎にカメラ2台で撮影を行う。人消失機能は、
図18~
図20の3つの状態を検知し、
図20の状態となった場合に人消失となる。
具体的には、
図18のタイミングチャートは、人消失機能が動作しない通常時の状態を示す。クレーンの電源投入後、250m秒毎にカメラ1、2で投光器点灯時と消灯時に撮影し、座標の合成を行う。次に撮影1回目の人の位置と撮影2回目の人の位置の距離が近い人を同一人物とし、通常時は、撮影2回目から撮影した順番に前回位置との距離の比較を行い人のトレースを行う。
図19のタイミングチャートは、1回目人消失、2回目人検知の状態を示す。撮影2回目と撮影3回目を比較し、距離が近い人がいない場合に1回目の人消失発生とする。4回目の撮影では人をトレースしていた撮影2回目と撮影4回目と距離の比較を行い、距離が近い人を検知した場合は、人のトレースを継続する。
図20のタイミングチャートは、1回目人消失、2回目人消失の状態を示す。撮影2回目と撮影3回目を比較し、距離が近い人がいない場合に1回目の人消失発生とする。4回目の撮影では人をトレースしていた撮影2回目と撮影4回目と距離の比較を行い、距離が近い人がいない場合に2回目の人消失発生としてパソコンからPLC制御盤に通知してクレーンを停止する。仮に撮影5回目に人を検知した場合でもクレーンの停止を行う。
人消失の条件は、警戒領域内で表1に示すように人をトレース中にカメラ1、カメラ2両方が人を2回連続で未検出した場合に人消失とする。
これにより、安全性を確保しながら、人検知システムの撮影のノイズによる誤検知を防止することができる。
なお、本実施例においては、カメラ2台で必要な視野をカバーできる場合について説明したが、カメラ2台で必要な視野をカバーできない場合には、カメラを、3台又はそれ以上の台数で構成することができる。この場合も、警戒領域内において人をトレース中のすべてのカメラが2回連続して人を見失った場合に人消失と判断するようにする。
【0018】
【0019】
図11の横行単独動作において、システムは管理エリア「(1)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)及び(5)の一部」を安全領域とする。
進行方向に向かって吊荷の左右両側の端から2000mmの範囲前方とし、横からの人の飛び出しや後方からの吊荷下への進入を考慮して、荷物の後ろも含めた範囲を停止とする。
図11において、進行方向の前方の(2)のエリアに人を検知した場合、人に危険が及ぶ可能性があると判断してクレーンを低速に切り替え、
図5の人検知状態表示灯の黄ランプが点滅する。そのまま(5)のエリアに人を検知した場合は停止し、黄ランプが点灯す
る。
図12の走行単独動作の場合は、安全領域が切り替わり進行方向の(4)のエリアの前方に人を検知した場合、人に危険が及ぶ可能性があると判断してクレーンを低速に切り替え、
図5の人検知状態表示灯の黄ランプが点滅する。そのまま(5)のエリアに人を検知した場合は停止し、黄ランプが点灯する。
【0020】
横行・走行同時操作の場合は、
図13の管理エリア「(3)、(6)、(7)、(8)、(9)及び(5)の一部」を安全領域とする。
図13において、進行方向の前方の(1)、(2)及び(4)のエリアに人を検知した場合、人に危険が及ぶ可能性があると判断してクレーンを低速に切り替え、
図5の人検知状態表示灯の黄ランプが点滅する。そのまま(5)のエリアに人を検知した場合は停止し、黄ランプが点灯する。
なお、横行・走行同時操作で
図13の管理エリアのように安全領域を設定した場合、
図14のように横走行同時操作中にオペレータが途中で横行若しくは走行の釦のいずれかから手を放した場合でも確実に人検知して停止できるよう、移動が終了するまでは、安全領域設定を
図13の横行・走行同時操作時のままとする。
【0021】
吊荷の巻上において人が吊荷にぶつからない搬送高さの算出は、
図15のようにタッチパネルで登録した吊荷の高さの半分をh/2、巻上速度から算出したフックロープ長さをLf、事前に設定した玉掛ロープ長さをLs、振り子支点位置から床面までの距離をHとすると、
搬送高さ=H-(h/2+Ls+Lf)
となり、搬送高さが人にぶつからない高さ2000mmに到達しない場合は、クレーンの速度を低速運転とし、2000mmに到達した場合は、
図5の人検知状態表示灯の白ランプが点灯し、高速運転を可能とする。
例えば、吊荷の高さhを2000mmと設定すると、吊荷の高さの半分h/2は1000mmとなり、巻上速度から算出したフックロープ長さLfを8000mm、玉掛ロープ長さLsを2000mm、振り子支点位置から床面までの距離Hを12000mmとした場合の搬送高さは、
搬送高さ=12000mm-(1000mm+2000mm+8000mm)=1000mm
となり、2000mmよりも低いためクレーンの速度は低速運転となる。
この状態から巻上を行って、フックロープ長さLfが6000mmにした場合の搬送高さは、
搬送高さ=12000mm-(1000mm+2000mm+6000mm)=3000mm
となり、2000mmよりも高いためクレーンの速度は高速運転となる。
また、吊荷の搬送高さの補正は、
図16のように上限リミット動作位置若しくはロードセルにより着床を検知した高さにより補正を行う。
【0022】
走行、横行において人が吊荷にぶつからない走行速度、横行速度の算出は、タッチパネルで登録された吊荷最大サイズの情報を基に、
図17のようにカメラ視野から人までの距離(1)~(6)を算出し、クレーンの停止距離として人が吊荷にぶつからない速度を決定する。これは搬送高さ2000mmに関わらずクレーンが高速運転している場合でも人が吊荷にぶつからない速度としている。
クレーン停止距離=[(1)カメラ1台の視野寸法半分]+[(2)移動方向のカメラ取付距離]-([(3)吊荷の中心から一番遠い場所までの半径]+[(4)人検知処理時間による移動距離]+[(5)人の平均身長(相似)]+[(6)人から吊荷端までの安全距離])
例えば、(1)カメラ1台の視野寸法半分を7500mm、(2)移動方向のカメラ取
付距離を1500mm、(3)吊荷の中心から一番遠い場所までの半径を2500mm、(4)人検知処理時間による移動距離を1000mm、(5)人の平均身長(相似)を1700mm、(6)人から吊荷端までの安全距離を2000mmとした場合、クレーン停止距離は、
クレーン停止距離=[(1)7500mm]+[(2)1500mm]-([(3)2500mm]+[(4)1000mm]+[(5)1700mm]+[(6)2000mm])=1800mm
となる。
クレーンの定格速度を1m/秒とした場合、減速時間は6秒となり、速度と減速時間は比例の関係にあり、クレーン停止距離は1/2*[クレーンの速度]*[減速時間]から算出する。
よって、クレーンの速度と減速時間、クレーン停止距離の関係を、表2に示す。
【0023】
【0024】
表2において、クレーン停止距離が1800mm以下になる速度が、人が吊荷にぶつからない速度であるため、人が吊荷にぶつからない速度は0.7m/秒である。
【0025】
以上、本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の人検知システムを備えた天井クレーンの運転方法は、簡易な設備構成で、取扱物を巻上時に吊荷の近くで作業していた場合にカメラ視野が荷物で塞がった場合や、吊荷の下に作業者が入りカメラに作業者が見えなくなった場合にクレーンを止めて作業者が吊荷の下敷きにならないように防ぐことができることから、天井クレーンの用途に好適に用いることができるほか、例えば、クレーンを用いる建設機械等の用途にも用いることがで
きる。
【符号の説明】
【0027】
01 主巻モータ
02 主巻インバータ
03 補巻モータ
04 補巻インバータ
05 横行モータ
06 横行インバータ
07 走行モータ
08 走行インバータ
09 PLC制御盤
10 人検知状態表示灯
11 人検知人数表示器
12 無線受信器
13 ロードセル
14 上限リミットスイッチ
15 音声拡声器
16 パソコン
17 タッチパネル
18 人検知用カメラ1
19 人検知用投光器1
20 人検知用カメラ2
21 人検知用投光器2
22 無線送信器(無線操作器)