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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003196
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】遠隔操縦装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/20 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104223
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】513121513
【氏名又は名称】角 和樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】角 和樹
(72)【発明者】
【氏名】富岡 遼
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB04
2D003AC06
2D003BA04
2D003BB09
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB01
2D003DB04
2D003DB05
2D003FA02
(57)【要約】
【課題】簡易な構成の遠隔操縦装置を提供する。
【解決手段】操縦装置1は、出力軸が前後方向に沿って配置される第1モータと、第1モータの出力軸と操作レバー2とを接続する第1リンク機構5と、出力軸が左右方向に沿って配置される第2モータと、第2モータの出力軸と操作レバー2とを接続する第2リンク機構7とを備える。第1リンク機構5は、第1モータの出力軸と一体回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に第1モータの出力軸に接続されるとともに、前後方向に沿う軸まわりに回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に操作レバー2に接続される。第2リンク機構7は、第2モータの出力軸と一体回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に第2モータの出力軸に接続されるとともに、左右方向に沿う軸まわりに回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に操作レバー2に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向及び左右方向に傾動できる操作レバーを遠隔地から操縦する遠隔操縦装置であって、
出力軸が前後方向に沿って配置される第1モータと、
前記第1モータの出力軸と前記操作レバーとを接続し、前記第1モータの出力軸と一体回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に前記第1モータの出力軸に接続される第1リンク部材と、前後方向に沿う軸まわりに回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に前記操作レバーに接続される第2リンク部材とを有し、前記操作レバーを左右方向に傾動させる第1リンク機構と、
出力軸が左右方向に沿って配置される第2モータと、
前記第2モータの出力軸と前記操作レバーとを接続し、前記第2モータの出力軸と一体回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に前記第2モータの出力軸に接続される第3リンク部材と、左右方向に沿う軸まわりに回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に前記操作レバーに接続される第4リンク部材とを有し、前記操作レバーを前後方向に傾動させる第2リンク機構と、を備える遠隔操縦装置。
【請求項2】
前記第1リンク機構は、前記第1リンク部材と、前記第2リンク部材と、前記第1リンク部材と前記第2リンク部材との間に設けられる1又は複数の第1中間リンク部材とを含む複数のリンク部材を有し、隣接するリンク部材同士が左右方向に沿う軸まわりに回転可能に連結されており、
前記第2リンク機構は、前記第3リンク部材と、前記第4リンク部材と、前記第3リンク部材と前記第4リンク部材との間に設けられる1又は複数の第2中間リンク部材とを含む複数のリンク部材を有し、隣接するリンク部材同士が前後方向に沿う軸まわりに回転可能に連結されている、請求項1に記載の遠隔操縦装置。
【請求項3】
前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、内側に凹むように湾曲した状態となるのを防止する湾曲防止部を有する、請求項2に記載の遠隔操縦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操縦装置に関する。特に、重機などに設置した操作レバーを遠隔地から操縦できる遠隔操縦装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パワーショベルなどの重機は、運転者が運転席に着座し、操作レバーを操作することで、掘削及び運搬などの作業を実施している。しかし、災害時の危険地域などにおける運転者が立ち入り困難な場所においては、操作レバーを遠隔地から操縦できる遠隔操縦装置が必要とされていた。
【0003】
従来の遠隔操縦装置は、操作機構を遠隔操作の専用機として別途製作、又は、既存の重機を遠隔操作に適するように改造する必要があったが、既存の重機を改造する必要が無く、既存の重機に設置するだけで、操作レバーを遠隔操縦できる遠隔操縦装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61-168784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1による遠隔操縦装置は、遠隔操縦装置本体、受信機、及び、送信機を備えている。遠隔操縦装置本体は、x軸方向又はy軸方向に傾動できる操作レバーを囲うことができる。又、遠隔操縦装置本体は、一対のx軸ガイドと一対のy軸ガイドより構成され、それぞれ別のモータで駆動される。これらのモータの信号線は、受信機に電気的に接続している。
【0006】
特許文献1による遠隔操縦装置は、送信機から発信した操作用の無線信号により、受信機を介して、x軸ガイド用のモータとy軸ガイド用のモータをそれぞれ駆動できる。これにより、特許文献1による遠隔操縦装置は、遠隔操縦装置本体を既存の重機に設置するだけで、遠隔地から操作レバーを操縦できる、としている。
【0007】
しかしながら、特許文献1による遠隔操縦装置は、操作レバーの周囲を四角形の枠体で囲っている。又、この枠体には、モータの回転運動をx軸ガイド又はy軸ガイドの直線運動に変換する、例えばラック・ピニオン機構などの変換機構を内蔵している。
【0008】
このように、従来技術による遠隔操縦装置は、その構成が大掛かりで複雑である。したがって、簡易な構成の遠隔操縦装置が求められている。そして以上のことが本発明の課題といってよい。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、操作レバーを遠隔地から操縦する遠隔操縦装置であって、簡易な構成の遠隔操縦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、第1モータの出力軸と操作レバーとを第1リンク機構によって接続するとともに、第2モータの出力軸と操作レバーとを第2リンク機構によって接続することで、遠隔操縦装置の機能を充足しながら、構成を簡易にできると考え、これに基づいて、以下のような新たな遠隔操縦装置を発明するに至った。
【0011】
(1)本発明による遠隔操縦装置は、前後方向及び左右方向に傾動できる操作レバーを遠隔地から操縦する遠隔操縦装置であって、出力軸が前後方向に沿って配置される第1モータと、前記第1モータの出力軸と前記操作レバーとを接続し、前記第1モータの出力軸と一体回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に前記第1モータの出力軸に接続される第1リンク部材と、前後方向に沿う軸まわりに回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に前記操作レバーに接続される第2リンク部材とを有し、前記操作レバーを左右方向に傾動させる第1リンク機構と、出力軸が左右方向に沿って配置される第2モータと、前記第2モータの出力軸と前記操作レバーとを接続し、前記第2モータの出力軸と一体回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に前記第2モータの出力軸に接続される第3リンク部材と、左右方向に沿う軸まわりに回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に前記操作レバーに接続される第4リンク部材とを有し、前記操作レバーを前後方向に傾動させる第2リンク機構と、を備える。
【0012】
(2)前記第1リンク機構は、前記第1リンク部材と、前記第2リンク部材と、前記第1リンク部材と前記第2リンク部材との間に設けられる1又は複数の第1中間リンク部材とを含む複数のリンク部材を有し、隣接するリンク部材同士が左右方向に沿う軸まわりに回転可能に連結されており、前記第2リンク機構は、前記第3リンク部材と、前記第4リンク部材と、前記第3リンク部材と前記第4リンク部材との間に設けられる1又は複数の第2中間リンク部材とを含む複数のリンク部材を有し、隣接するリンク部材同士が前後方向に沿う軸まわりに回転可能に連結されていることが好ましい。
【0013】
(3)前記第1リンク機構及び前記第2リンク機構は、内側に凹むように湾曲した状態となるのを防止する湾曲防止部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明による遠隔操縦装置は、第1モータの出力軸と操作レバーとを第1リンク機構によって接続するとともに、第2モータの出力軸と操作レバーとを第2リンク機構によって接続することで、遠隔操縦装置の機能を充足しながら、構成を簡易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による遠隔操縦装置の使用状態を示す概略斜視図である。
図2】前記実施形態による遠隔操縦装置の使用状態を示す概略正面図である。
図3】前記実施形態による遠隔操縦装置の使用状態を示す概略左側面図である。
図4】前記実施形態による遠隔操縦装置の使用状態を示す概略上面図である。
図5】前記実施形態による遠隔操縦装置の隣接するリンク部材同士の連結構造を示す概略斜視図である。
図6】前記実施形態による遠隔操縦装置の一部分を示す概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0017】
図1から図4に示すように、本発明の一実施形態による遠隔操縦装置(以下、操縦装置と略称する)1は、重機などの運転席に配置した操作レバー2を遠隔地から操縦できる。操作レバー2は、前後方向及び左右方向に傾動できる。図1から図4及び図6に示すように、本実施形態の操縦装置1は、板状のベースプレート3と、図示しない出力軸を有する第1モータ4と、第1モータ4の出力軸と操作レバー2とを接続する第1リンク機構5と、図示しない出力軸を有する第2モータ6と、第2モータ6の出力軸と操作レバー2とを接続する第2リンク機構7とを備える。
【0018】
ベースプレート3は、上面視略矩形板状で、右辺上部に右方に開口する切欠き8が形成されている。ベースプレート3は、板面を上下に向けた状態で、操作レバー2の下部が収容される収容部9の上部にネジ10などで固定される。この際、操作レバー2は、ベースプレート3の切欠き8を貫通して、収容部9から上方へ延出している。
【0019】
第1モータ4は、その出力軸の回転角度が電気信号で制御可能なサーボモータを用いることが好ましい。第1モータ4は、例えば、制御基板、モータ、及び、歯車機構を内部に収容している。第1モータ4と電気的に接続した図示しない受信機に、外部の送信機から制御信号を送信することで、第1モータ4を制御可能に駆動できる。第2モータ6も、第1モータ4と同様に、サーボモータを用いることが好ましい。第2モータ6と電気的に接続した図示しない受信機に、外部の送信機から制御信号を送信することで、第2モータ6を制御可能に駆動できる。
【0020】
図1から図4及び図6に示すように、第1モータ4及び第2モータ6は、モータ取付部材11を介して、ベースプレート3に設けられる。図6に示すように、モータ取付部材11は、上面視略L字形状の板材で、左右方向に延出する一片12と、前後方向に延出する他片13とを有する。一片12の内面及び他片13の内面には、モータ取付部材11をベースプレート3に取り付けるための取付材14がネジ15などによって固定される。取付材14は、上下方向に沿う柱状で、上面にネジ孔16が形成されている。
【0021】
図6に示すように、第1モータ4は、モータ取付部材11の一片12の内側に固定され、第2モータ6は、モータ取付部材11の他片13の内側に固定される。この状態で、図1から図4に示すように、ベースプレート3に形成された貫通孔を介してネジ17が取付材14のネジ孔16にねじ込まれることで、第1モータ4及び第2モータ6がベースプレート3に固定される。この際、第1モータ4は、ベースプレート3の前端部に固定され、第2モータ6は、ベースプレート3の左端部に固定される。第1モータ4は、ベースプレート3の前端部に固定された状態において、出力軸が前後方向に沿うように配置される。第2モータ6は、ベースプレート3の左端部に固定された状態において、出力軸が左右方向に沿うように配置される。
【0022】
図1から図4に示すように、第1リンク機構5は、第1モータ4の出力軸に接続される第1リンク部材18と、操作レバー2に接続される第2リンク部材19と、第1リンク部材18と第2リンク部材19との間に設けられる第1中間リンク部材20とを有する。すなわち、第1リンク機構5は、第1リンク部材18と、第2リンク部材19と、第1中間リンク部材20とを含む3つのリンク部材21を有する。なお、第1リンク部材18、第2リンク部材19及び第1中間リンク部材20は、略コ字形状の板材である。
【0023】
図5に示すように、隣接するリンク部材21,21のうち、一方のリンク部材21には第1連結部材22が設けられる。第1連結部材22は、横片23と縦片24とを有する略T字形状の板材である。第1連結部材22は、横片23が一方のリンク部材21の内面にボルトナット25などによって固定される。この際、第1連結部材22の縦片24は、一方のリンク部材21から外方に延出している。隣接するリンク部材21,21のうち、他方のリンク部材21には第2連結部材26が設けられる。第2連結部材26は、略コ字形状の板材である。第2連結部材26は、外方に開口した状態で、他方のリンク部材21の内面にボルトナット27などによって固定される。
【0024】
図5に示すように、第1連結部材22の縦片24の先端部が第2連結部材26の開放両端部間に配置された状態において、第1連結部材22の縦片24を貫通しつつ、第2連結部材26の開放両端部間を架け渡すように左右方向に沿ってピン28を設けることで、隣接するリンク部材21,21同士がピン28まわりに回転可能に連結される。従って、隣接するリンク部材21,21同士は、左右方向に沿う軸まわりに回転可能に連結される。
【0025】
図1から図4に示すように、第2リンク機構7は、第2モータ6の出力軸に接続される第3リンク部材29と、操作レバー2に接続される第4リンク部材30と、第3リンク部材29と第4リンク部材30との間に設けられる第2中間リンク部材31とを有する。すなわち、第2リンク機構7は、第3リンク部材29と、第4リンク部材30と、第2中間リンク部材31とを含む3つのリンク部材32を有する。なお、第3リンク部材29、第4リンク部材30及び第2中間リンク部材31は、略コ字形状の板材である。
【0026】
第2リンク機構7において、隣接するリンク部材32,32同士は、第1リンク機構5の場合と同様に、第1連結部材22及び第2連結部材26を用いて連結される。この際、ピン28は、前後方向に沿って配置される。従って、第2リンク機構7の場合、隣接するリンク部材32,32同士は、前後方向に沿う軸まわりに回転可能に連結される。
【0027】
本実施形態では、第1リンク機構5と第1モータ4との接続構造と、第2リンク機構7と第2モータ6との接続構造とは、同様の構造である。従って、ここでは、第2リンク機構7を用いて説明し、第1リンク機構5の場合については説明を省略する。
【0028】
図1から図4及び図6に示すように、第2モータ6の出力軸には、第1接続部材33が設けられる。第1接続部材33は、円板状の板部34と、板部34の一方の板面から突出する突出部35とを有する。突出部35は、円柱状で、先端面に内方に凹んで凹部が形成されている。第1接続部材33は、突出部35に形成された凹部に第2モータ6の出力軸が差し込まれた状態で、第2モータ6の出力軸に一体回転可能に固定される。
【0029】
第1接続部材33には、板状の第2接続部材37が設けられる。第2接続部材37は、一方の板面が第1接続部材33の板部34の他方の板面に当接した状態で、ネジ38などによって板部34に固定される。この際、第2接続部材37の上部は、第1接続部材33よりも上方に延出している。
【0030】
第2接続部材37には、略コ字形状の板材である第3接続部材39が設けられる。第3接続部材39は、上方に開口した状態で、ボルトナット40などによって第2接続部材37の一方の板面の上部に固定される。
【0031】
一方、第2モータ6の出力軸に接続される第3リンク部材29には、第4接続部材41が設けられる。第4接続部材41は、横片42と縦片43とを有する略T字形状の板材である。図4に示すように、第3リンク部材29の内面に、第4接続部材41の横片42がボルトナット44などによって固定される。この際、第4接続部材41の縦片43は、第3リンク部材29から外方に延出している。
【0032】
図2及び図4に示すように、第4接続部材41の縦片43の先端部が第3接続部材39の開放両端部間に配置された状態において、第4接続部材41の縦片43を貫通しつつ、第3接続部材39の開放両端部間を架け渡すように前後方向に沿ってピン45を設けることで、第3リンク部材29が第3接続部材39にピン45まわりに回転可能に接続される。すなわち、第3リンク部材29は、各接続部材33,37,39,41を介して、第2モータ6の出力軸に接続される。
【0033】
このようにして第3リンク部材29が第2モータ6の出力軸に固定されるので、第3リンク部材29は、第2モータ6の出力軸と一体回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に、第2モータ6の出力軸に接続される。なお、第1リンク部材18と第1モータ4の出力軸との接続は、第3リンク部材29と第2モータ6の出力軸との接続と同様にしてなされる。すなわち、第1リンク部材18は、各接続部材33,37,39,41及びピン45を介して、第1モータ4の出力軸に接続される。この際、ピン45は、左右方向に沿って配置される。従って、第1リンク部材18は、第1モータ4の出力軸と一体回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に、第1モータ4の出力軸に接続される。
【0034】
本実施形態では、第1リンク機構5と操作レバー2との接続構造と、第2リンク機構7と操作レバー2との接続構造とは、同様の構造である。従って、ここでは、第1リンク機構5を用いて説明し、第2リンク機構7の場合については説明を省略する。
【0035】
図1から図4に示すように、操作レバー2の上部より下側には、略矩形ブロック状の基材46が固定される。基材46には、第5接続部材47が設けられる。第5接続部材47は、上面視略L字形の板状で、板面を前後に向けて配置される一片48と、板面を左右に向けて配置される他片49とを有する。第5接続部材47は、他片49の内面が基材46の左面に当接した状態で、ネジ50などによって基材46に固定される。
【0036】
第5接続部材47の一片48の外面には、外方に突出してボス部51が形成されている。ボス部51の先端面には、内方に凹んで凹部が形成されている。凹部の内周面には、図示しない軸受が保持される。本実施形態では、軸受として、玉軸受が用いられる。
【0037】
このようにして軸受が保持されたボス部51には、第6接続部材52が接続される。第6接続部材52は、略矩形板状の板部53と、板部53の一方の板面に後方に突出して設けられる突出部54とを有する。突出部54は、先端側に行くに従って段階的に縮径されて、基端側から順に、大径部55、中径部56及び図示しない小径部が形成されている。図1から図4に示すように、突出部54の小径部がボス部51に保持された軸受の内輪にはめ込まれることで、第6接続部材52がボス部51に接続される。従って、第6接続部材52は、前後方向に沿う軸まわりに回転可能に、第5接続部材47に接続される。
【0038】
一方、操作レバー2に接続される第2リンク部材19には、略コ字形状の板材である第7接続部材57が設けられる。第7接続部材57は、外方に開口した状態で、ボルトナット58などによって第2リンク部材19の内面に固定される。
【0039】
第7接続部材57には、ピン59を介して、第8接続部材60が接続される。第8接続部材60は、横片61と縦片62とを有する略T字形状の板材である。図1に示すように、第8接続部材60の縦片62の先端部が第7接続部材57の開放両端部間に配置された状態において、第8接続部材60の縦片62を貫通しつつ、第7接続部材57の開放両端部間を架け渡すように左右方向に沿ってピン59を設けることで、第7接続部材57に第8接続部材60が接続される。この際、第7接続部材57と第8接続部材60とは、ピン59まわりに回転可能に接続される。
【0040】
第8接続部材60には、一対の第9接続部材63,63が接続される。第9接続部材63は、一片64と他片65とを有する略L字形状の板材である。一対の第9接続部材63,63のうち、一方の第9接続部材63は、一片64が第8接続部材60の横片61の一方の板面に、ネジ66などによって固定される。一対の第9接続部材63,63のうち、他方の第9接続部材63は、一片64が第8接続部材60の横片61の他方の板面に、ネジなどによって固定される。この際、一対の第9接続部材63,63は、他片65が互いに外方に延出している。
【0041】
図1に示すように、一対の第9接続部材63,63は、第6接続部材52に接続される。具体的には、一対の第9接続部材63,63は、他片65が第6接続部材52の板部53の他方の板面に当接した状態で、ネジ67などによって第6接続部材52の板部53に接続される。
【0042】
このような構成により、第2リンク部材19は、前後方向に沿う軸まわりに回転可能かつ左右方向に沿う軸まわりに回転可能に、操作レバー2に接続される。なお、第4リンク部材30と操作レバー2との接続は、第2リンク部材19と操作レバー2との接続と同様にしてなされる。この場合、第5接続部材47の他片49の外面に、軸受が収容されたボス部68が形成されており、このボス部68に、第6接続部材52が第1リンク機構5の場合と同様に接続される。また、第4リンク部材30と操作レバー2との接続において、第7接続部材57と第8接続部材60とを接続するピン59は、前後方向に沿って配置される。従って、第4リンク部材30は、左右方向に沿う軸まわりに回転可能かつ前後方向に沿う軸まわりに回転可能に、操作レバー2に接続される。なお、第1リンク機構5と操作レバー2との接続、及び第2リンク機構7と操作レバー2との接続は、ワンタッチ接続であってもよい。
【0043】
ところで、第1リンク機構5及び第2リンク機構7は、内側に凹むように湾曲した状態となるのを防止する湾曲防止部69を有する。本実施形態では、第2リンク部材19及び第1中間リンク部材20と、第4リンク部材30及び第2中間リンク部材31とに、湾曲防止部69が形成されている。第2リンク部材19の湾曲防止部69は、第2リンク部材19の第1中間リンク部材20側の端部に外方に延出して形成されている。第1中間リンク部材20の湾曲防止部69は、第1中間リンク部材20の第1リンク部材18側の端部に外方に延出して形成されている。第4リンク部材30の湾曲防止部69は、第4リンク部材30の第2中間リンク部材31側の端部に外方に延出して形成されている。第2中間リンク部材31の湾曲防止部69は、第2中間リンク部材31の第3リンク部材29側の端部に外方に延出して形成されている。これにより、第1リンク機構5及び第2リンク機構7が操作レバー2側に湾曲した状態となるのを防止できる。
【0044】
次に、本実施形態による操縦装置1の動作を説明しながら、操縦装置1の作用及び効果を説明する。
【0045】
操縦装置1は、操作レバー2を左右方向に傾動させる場合には、第1モータ4を駆動させる。この場合、図示しない外部の送信機から制御信号を送信することで、図示しない受信機から第1モータ4の出力軸を正逆回転させる。
【0046】
具体的には、第1モータ4の出力軸を図2における反時計方向に回転させることで、第1モータ4の出力軸と操作レバー2とが前述したように第1リンク機構5によって接続されているので、第1リンク機構5によって操作レバー2を左方に傾動させることができる。一方、第1モータ4の出力軸を図2における時計方向に回転させることで、第1リンク機構5によって操作レバー2を右方に傾動させることができる。このようにして第1リンク機構5によって操作レバー2を左右方向に傾動させる際、第2モータ6の出力軸と操作レバー2とが前述したように第2リンク機構7によって接続されているので、第2リンク機構7が操作レバー2の左右方向の傾動を阻害することがない。
【0047】
また、操縦装置1は、操作レバー2を前後方向に傾動させる場合には、第2モータ6を駆動させる。この場合、図示しない外部の送信機から制御信号を送信することで、図示しない受信機から第2モータ6の出力軸を正逆回転させる。
【0048】
具体的には、第2モータ6の出力軸を図3における反時計方向に回転させることで、第2モータ6の出力軸と操作レバー2とが前述したように第2リンク機構7によって接続されているので、第2リンク機構7によって操作レバー2を後方に傾動させることができる。一方、第2モータ6の出力軸を図3における時計方向に回転させることで、第2リンク機構7によって操作レバー2を前方に傾動させることができる。このようにして第2リンク機構7によって操作レバー2を前後方向に傾動させる際、第1モータ4の出力軸と操作レバー2とが前述したように第1リンク機構5によって接続されているので、第1リンク機構5が操作レバー2の前後方向の傾動を阻害することがない。
【0049】
本実施形態の操縦装置1の場合、第1モータ4の出力軸と操作レバー2とが第1リンク機構5によって接続されるとともに、第2モータ6の出力軸と操作レバー2とが第2リンク機構7によって接続される。従って、従来と比較して、操縦装置1を簡易な構成とすることができる。
【0050】
また、本実施形態の操縦装置1の場合、第1リンク機構5及び第2リンク機構7が湾曲防止部69を有しているので、操作レバー2の傾動時に、第1リンク機構5及び第2リンク機構7が内側に湾曲するのを防止できる。これにより、操作レバー2の傾動をスムーズに行うことができる。
【0051】
さらに、本実施形態の操縦装置1の場合、第1リンク機構5の第2リンク部材19と操作レバー2との接続部、及び第2リンク機構7の第4リンク部材30と操作レバー2との接続部は、操作レバー2の上部よりも下側に位置している。従って、操作レバー2を手動で操作する際に、操縦装置1が邪魔になることがない。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
【0053】
例えば、上記実施形態では、第1リンク部材18と第2リンク部材19との間に1つの第1中間リンク部材20が設けられたが、第1リンク部材と第2リンク部材との間に複数の第1中間リンク部材を設けてもよい。この場合、隣接する第1中間リンク部材同士は、図5に示す場合と同様に連結される。上記実施形態では、第3リンク部材29と第4リンク部材30との間に1つの第2中間リンク部材31が設けられたが、第3リンク部材と第4リンク部材との間に複数の第2中間リンク部材を設けてもよい。この場合、隣接する第2中間リンク部材同士は、図5に示す場合と同様に連結される。
【0054】
また、上記実施形態では、第1リンク部材18と第2リンク部材19との間に1つの第1中間リンク部材20が設けられたが、第1中間リンク部材を設けなくてもよい。この場合、第1リンク部材と第2リンク部材とは、左右方向に沿う軸まわりに回転可能に連結される。上記実施形態では、第3リンク部材29と第4リンク部材30との間に1つの第2中間リンク部材31が設けられたが、第2中間リンク部材を設けなくてもよい。この場合、第3リンク部材と第4リンク部材とは、前後方向に沿う軸まわりに回転可能に連結される。
【符号の説明】
【0055】
1 操縦装置(遠隔操縦装置)
2 操作レバー
4 第1モータ
5 第1リンク機構
6 第2モータ
7 第2リンク機構
18 第1リンク部材
19 第2リンク部材
20 第1中間リンク部材
21 リンク部材
29 第3リンク部材
30 第4リンク部材
31 第2中間リンク部材
32 リンク部材
69 湾曲防止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6