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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031989
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】排水トラップ
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/28 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
E03C1/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137813
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 和典
(72)【発明者】
【氏名】鷹野 紗央里
(72)【発明者】
【氏名】井手 久雄
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DD08
2D061DD10
2D061DD13
2D061DD14
2D061DE15
(57)【要約】
【課題】浴槽側排水の洗い場への逆流を抑制しつつ、堆積物の発生を抑制できる排水トラップを提供する。
【解決手段】排水トラップ1は、受入部40を備える。受入部40は、洗い場側排水が流入する。受入部40は、流入口(分流流入口40D)を下部に形成する。流入口からは、浴槽側排水の一部が受入部40に流入する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗い場側排水が流入する受入部を備えており、
前記受入部は、浴槽側排水の一部が流入する流入口が下部に形成されている排水トラップ。
【請求項2】
前記受入部は、前記流入口に対向して流出口が下部に形成されている請求項1に記載の排水トラップ。
【請求項3】
前記流入口は、前記流出口に向いた流れを形成するノズルの先端に形成されている請求項2に記載の排水トラップ。
【請求項4】
前記浴槽側排水が流入する浴槽側排水流入口と、
前記浴槽側排水流入口の下流側に配置され、前記浴槽側排水を分流する分流部と、
を備え、
前記浴槽側排水の一部は、前記分流部によって分流された浴槽側排水である
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の排水トラップ。
【請求項5】
前記分流部は、前記浴槽側排水を左右方向に分ける請求項4に記載の排水トラップ。
【請求項6】
前記分流部は、前記受入部に着脱自在に設けられている請求項4及び請求項5のいずれか一項に記載の排水トラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排水トラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室ユニット等の床下に設置される排水トラップが知られている。例えば下記特許文献1には、溜水部を備えた排水トラップが記載されている。溜水部には、洗い場側から排水される洗い場側排水と、浴槽から排水される浴槽側排水とが流入する。溜水部に流入した排水は、排水管に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-242462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、浴槽側排水は、全て溜水部を経由して排出される。浴槽側排水は、洗い場側排水と比較して瞬間的に大流量で溜水部に流入するため、洗い場側に逆流するおそれがある。これを回避するためには、例えば、溜水部の流路面積に余裕を持たせることが考えられる。しかしこの場合、洗い場側排水の流入時には十分な流速を発生させることができず、洗い場側排水とともに流入する砂利等が溜水部の底に堆積してしまうおそれがあった。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、浴槽側排水の洗い場への逆流を抑制しつつ、堆積物の発生を抑制できる排水トラップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の排水トラップは、洗い場側排水が流入する受入部を備えており、前記受入部は、浴槽側排水の一部が流入する流入口が下部に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る排水トラップを示す側面図であり、設置状態を示す。
図2】実施形態1に係る排水トラップを示す平面図である。
図3図2のIII-III線相当断面図であり、ヘアキャッチャーを取り付けた状態を示す。
図4図2のIV-IV線断面図である。
図5図4のV-V線相当断面図である。
図6図2のVI-VI線断面図である。
図7】実施形態1に係る分流部材を示す斜視図である。
図8】実施形態1に係る分流部材を示す側面図であり、上流側から見た状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
図1に示すように、浴室ユニット90は、スラブ等の床構造Fの上に設置される。浴室ユニット90は、浴槽91と、洗い場93と、浴槽パン95と、を備えている。浴槽91は、浴槽91内の水を排水するための浴槽排水口92を有している。浴槽パン95は、浴槽91の下に配置される。浴槽パン95は、浴槽91の排水口の下側に浴槽パン排水口96を有している。浴槽パン排水口96には、浴槽排水管97が接続される。洗い場93は、浴室ユニット90の床面を構成する。洗い場93は、洗い場93の水を排水するための洗い場排水口94を有している。
【0009】
排水トラップ1は、図1に示すように、浴室ユニット90において床面を構成する洗い場93と、浴室ユニット90が設置される床構造Fの上面との間に設置される。排水トラップ1は、浴槽排水管97の下流側端部が接続される浴槽側接続部2において浴槽側排水が導入され、洗い場排水口94が接続される後述する洗い場側流入口40Aにおいて洗い場側排水が導入される。導入された浴槽側排水及び洗い場側排水は、それぞれ排水トラップ1の内部を流通し、排水トラップ1における下流側端部である導出側接続部3を経由して外部導出管100に導出される。
【0010】
以下の説明において、排水トラップ1における上下の方向は、設置状態、すなわち、浴室ユニット90の床下に設置された状態における向きをそのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、便宜上、上流側の浴槽側接続部2側から下流側の導出側接続部3側を見た状態における左右の方向をそのまま左右方向と定義する。各図に示すY軸、及びZ軸は、それぞれ左右方向、及び上下方向を表す。Y軸、及びZ軸において、各軸の正方向をそれぞれ左方、及び上方とする。各図に示すX軸は、Y軸及びZ軸のそれぞれに直交する方向である。X軸における正方向は、上流側の浴槽側接続部2側から下流側の導出側接続部3側に向かう方向である。
【0011】
図2から図5に示すように、排水トラップ1は、洗い場側排水が流通する第1流通部10と、浴槽側排水が流通する第2流通部20と、第1流通部10及び第2流通部20から流入した各排水を外部導出管100に導出する導出部30とを備えている。第1流通部10は、後述する分流部60によって分流された一部の浴槽側排水も流通する。
【0012】
図3及び図5に示すように、第1流通部10は、受入部40と、流出部50とを有している。第1流通部10を流通する排水は、受入部40、流出部50の順に流通して外部導出管100に排出される。受入部40は、円筒状の周壁41と、周壁41の下端を閉塞する円板状の底壁42とを有する有底円筒形状をなしている。受入部40は、洗い場側流入口40Aと、連通口40Bとを形成している。洗い場側流入口40Aは周壁41の上端開口であり、平面視円形状に開口している。排水トラップ1は、受入部40における洗い場側流入口40Aにおいて洗い場排水口94に接続される。これによって、受入部40は、洗い場側排水を上方から受け入れる。洗い場側流入口40Aには、洗い場93から流れてきた髪の毛などの異物を受け止めるヘアキャッチャー80が着脱自在に取り付けられる(図2参照)。
【0013】
連通口40Bは、本開示に係る流出口の例示である。連通口40Bは、受入部40内に流入した排水を流出部50に流出させる。連通口40Bは、周壁41の下端部において開口している。詳細には、図3に示すように、連通口40Bは、受入部40の円筒状をなす周壁41のうち、流出部50との間を隔てる部分の下端部に形成されている。連通口40Bは受入部40と流出部50とを連通している。連通口40Bは、受入部40の下流端であり、流出部50の上流端である。連通口40Bの上方には点検用の開口40Cが形成されている。点検用の開口40Cは、連通口40Bと同様に、受入部40と流出部50とを連通する。点検用の開口40Cは、使用状態においては、栓部材Pによって水密に閉塞されている。このため、使用状態において、受入部40に流入した排水は、連通口40Bのみを通過して流出部50に流出する。
【0014】
図3及び図5に示すように、流出部50は、周壁41を挟んで受入部40に隣接して設けられている。流出部50は流出口50Aを有している。流出口50Aは、第1流通部10における下流端に相当する。流出口50Aは導出部30に連通している。図3に示すように、流出口50Aの下端は、連通口40Bの上端よりも上方に位置している。第1流通部10には、受入部40及び流出部50に渡って、流出口50Aの下端位置を上面とする封水面Sが形成される。これによって、第1流通部10には、連通口40Bが封水面Sよりも下方に位置するトラップ構造が形成される。
【0015】
図4及び図5に示すように、第2流通部20は、上流端の入口開口20Aから下流端の出口開口20Bまで延びる一連の流路を形成する。入口開口20Aは、浴槽側接続部2に連通している。出口開口20Bは導出部30に連通している。第2流通部20は隔壁21を有している。隔壁21は、第2流通部20を上流側と下流側とに仕切るように上下に延びている。隔壁21の下端には、第2流通部20の上流側と下流側とを連通する隙間21Aが形成されている。隙間21Aの上端高さは、受入部40における連通口40Bの上端高さと同等に設定されている。
【0016】
第2流通部20において、出口開口20Bの下端高さと、隔壁21の上端高さは、それぞれ流出部50における流出口50Aの下端高さ、及び連通口40Bの上端高さと同等に設定されている。これによって、第2流通部20には、第1流通部10における封水面Sと同等の高さの封水面Sが形成される。封水面Sが形成されることによって、第2流通部20には、隙間21Aが封水面Sよりも下方に位置するトラップ構造が形成される。
【0017】
排水トラップ1は分流部60を備えている。分流部60は、第2流通部20に流入した浴槽側排水の一部を分流する。分流部60は、分流した一部の浴槽側排水を第1流通部10側に流入させる。分流部60は、第1流通部10側における受入部40に流入させる。受入部40は、分流部60によって分流された浴槽側排水が流入する分流流入口40Dを形成している。分流流入口40Dは、本開示に係る流入口の例示である。分流流入口40Dは、流出口としての連通口40Bに対向して開口している。
【0018】
図5に示すように、分流部60は、第2流通部20における入口開口20Aの下流側に配置されている。本実施形態の場合、第1流通部10と第2流通部20とは、互いに左右に隣接して設けられている。受入部40には、周壁41を第2流通部20側から周壁41を貫通する貫通孔41Aが形成されている。分流部60は、入口開口20Aから流入した浴槽側排水を、第2流通部20をそのまま流通する主流F1と、貫通孔41Aを経て第1流通部10側の受入部40に流入する分流F2と、に分ける。
【0019】
図5から図8に示すように、分流部60は分流部材70を有している。分流部材70は、貫通孔41Aに着脱自在に取り付けられる。分流部材70は、区画壁71と、分流壁72と、整流壁73と、ノズル74とを有している。
【0020】
図5に示すように、区画壁71は、第1流通部10側の空間と第2流通部20側の空間とを区画する。区画壁71は、貫通孔41Aの開口形状と同等の外形形状をなしている。区画壁71の内周面71Aは、周壁41の内周面の曲率と同等の曲率で形成されている。内周面71Aは、分流部材70が貫通孔41Aに嵌め込まれた状態において、周壁41の内周面と略面一に連なる。
【0021】
図5に示すように、分流壁72は、区画壁71における第2流通部20側の面である外周面71Bから上流側の入口開口20Aに向けて延びている。分流壁72は、上下方向に延び、第2流通部20における上流側の空間を左右方向に仕切る。入口開口20Aから第2流通部20に流入した浴槽側排水のうち、分流壁72の左側に分かれた排水は、浴槽側排水における主流F1として、そのまま第2流通部20を流下する。分流壁72の右側に分かれた排水は、浴槽側排水における分流F2として、受入部40に流入して第1流通部10を流下する。
【0022】
整流壁73は、第2流通部20を主流F1として流下する排水を整流する。図7及び図8に示すように、整流壁73は、分流壁72の左側面から左方に水平に延びている。整流壁73は、上下に並んで2つ設けられている。
【0023】
ノズル74は、分流F2を連通口40Bに向いた流れにする。図5及び図6に示すように、ノズル74は、区画壁71における内周面71Aの下端部から連通口40Bに向かって延びている。ノズル74は分流流路74Aを形成している。分流流路74Aは、区画壁71の下端部において区画壁71を貫通している。分流流路74Aは、分流壁72によって分流された分流F2を受入部40側に流通させる。分流流路74Aを流通した分流F2は、ノズル74の先端の分流流入口40Dから受入部40に流入する。
【0024】
上記構成の排水トラップ1の作用について説明する。排水トラップ1には、洗い場側排水と浴槽側排水とが流入する。流入した各排水は、外部導出管100へと導出される。これら排水トラップ1に流入する排水のうち、洗い場側排水は、第1流通部10を流通する。具体的には、洗い場側排水は、ヘアキャッチャー80を通過しつつ洗い場側流入口40Aから受入部40に流入する。受入部40に流入した排水は、連通口40Bから流出部50側に流出し、導出部30を経て外部導出管100に導出される。
【0025】
排水トラップ1に流入する排水のうち、浴槽側排水は、第2流通部20を流通する主流F1と、第1流通部10を流通する分流F2とに分けられる。具体的には、図5に示すように、浴槽91から浴槽排水管97に流入した浴槽側排水は、入口開口20Aから第2流通部20に流入する。浴槽側排水は、分流部60において、主流F1と分流F2の2つの流れに分けられる。主流F1は、分流壁72の左側を通過して第2流通部20をそのまま流下し、導出部30を経て外部導出管100に導出される。分流F2は、分流壁72の右側を通過して受入部40に流入し、第1流通部10側を流通する。
【0026】
詳細には、分流F2は、分流壁72の右側を流れ、分流流路74Aを流通し、分流流入口40Dから受入部40に流入する。分流流入口40Dは、受入部40の下部に形成されている。これによって、分流流入口40Dから受入部40に流入した分流F2は、受入部40の底壁42上面に沿って流下する。分流F2は、受入部40の底壁42上面に沿って流れることによって、底壁42上面に砂等の堆積物が溜まっている場合にこの堆積物を押し流す。このように、排水トラップ1は、浴槽側排水の一部を分流F2として受入部40の下部に流入させることによって、受入部40における堆積物の発生を抑制している。
【0027】
分流F2は、分流流入口40Dから受入部40に流入する。分流流入口40Dは、受入部40の流出口である連通口40Bに対向して開口している。このため、分流流入口40Dから受入部40に流入した分流F2は、受入部40内に滞留することなく、受入部40の底壁42上を平面視において直線的に流れて連通口40Bに到達する。
【0028】
分流F2は、分流流路74Aを流通して受入部40に流入する。上述のように、分流流路74Aは、ノズル74内に形成された流路である。ノズル74は、連通口40Bに向かって延びるノズル状をなしている。このため、分流流路74Aを流通した分流F2は、連通口40Bの方向への指向性をもって分流流入口40Dから噴出される。分流流入口40Dから噴出された分流F2は、受入部40の底壁42上を比較的強い水勢で流れて連通口40Bから流出する。このため、排水トラップ1は、分流流路74Aを流通して分流流入口40Dから噴出される分流F2によって、受入部40内の堆積物を比較的強い水勢で押し流すことが可能である。
【0029】
分流部60において、浴槽側排水は左右方向に分けられる。このため、排水トラップ1は、所望の配分で、浴槽側排水を主流F1と分流F2とに分けることができる。例えば、水流が上下方向に分けられる場合、水量や水勢によっては、上下の配分にばらつきが生じてしまう。これに対し、水流を左右方向に分ける場合には、水量や水勢による配分のばらつきが生じ難い。このため、浴槽側排水は、常時所望の配分で、主流F1と分流F2とに分けられる。
【0030】
分流部60は分流部材70を有している。分流部材70は、受入部40における周壁41の貫通孔41Aに着脱自在に取り付けられる。このため、排水トラップ1は、分流部材70を取り外して第2流通部20側を清掃可能であり、清潔に保たれる。
【0031】
以上のように、実施形態1に係る排水トラップ1は、受入部40を備えている。受入部40は、洗い場側排水が流入する。受入部40は、流入口としての分流流入口40Dを形成している。分流流入口40Dは、受入部40における下部に形成されている。分流流入口40Dからは、分流された一部の浴槽側排水としての分流F2が流入する。
【0032】
このように、排水トラップ1は、浴槽側排水の一部である分流F2を受入部40に流入させる。浴槽側排水は、洗い場側排水と比較して瞬間的に大流量で流通するため、全量を受入部に流入させた場合には、洗い場側に逆流するおそれがある。これに対し、排水トラップ1において、受入部40に流入する浴槽側排水は、浴槽側排水の一部を分流させた分流F2であるため、受入部を流通する排水の流量が抑えられる。排水トラップ1は、分流F2が流入する分流流入口40Dを下部に形成している。このため、排水トラップ1は、受入部40の底壁42上面に堆積した砂利等の堆積物を分流F2とともに好適に流出させることができる。したがって、排水トラップ1は、浴槽側排水が洗い場93への逆流を抑制しつつ、堆積物の発生を抑制することができる。
【0033】
排水トラップ1において、受入部40は、分流流入口40Dに対向して連通口40Bが下部に形成されている。連通口40Bは、本開示に係る流出口の例示である。このため、排水トラップ1は、受入部40の底壁42上面の堆積物を連通口40Bから好適に流出させることができる。
【0034】
排水トラップ1において、分流流入口40Dはノズル74の先端に形成されている。ノズル74は、連通口40Bに向いた流れを形成する。このため、排水トラップ1は、分流F2を比較的強い水勢で受入部40の底壁42上に噴出させ、堆積物を好適に押し流すことができる。
【0035】
排水トラップ1は、浴槽側排水流入口としての入口開口20Aと、分流部60とを備えている。入口開口20Aは、浴槽側排水が流入する。分流部60は、入口開口20Aの下流側に配置され、浴槽側排水を分流する。このため、排水トラップ1は、浴槽側排水を好適に分流することができる。
【0036】
排水トラップ1において、分流部60は、浴槽側排水を左右方向に分ける。このため、排水トラップ1は、水量や水勢に関わらず、所望の配分で浴槽側排水を分けることができる。
【0037】
排水トラップ1において、分流部60は分流部材70を有している。分流部材70は、受入部40に着脱自在に設けられている。このため、排水トラップ1は、分流部材70を受入部40から取り外して清掃でき、良好な清潔性を維持できる。
【0038】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0039】
本開示に係る排水トラップは、浴槽側排水流入口、及び分流部を備えていなくてもよい。この場合、排水トラップは、例えば、他所で分流された一部の浴槽側排水が直接的に受入部に流入する形態であることができる。
【0040】
分流部を備える場合、分流部が受入部に着脱自在に設けられることは必須ではない。分流部は、例えば、受入部に一体に設けられていてもよい。
【0041】
流入口は、ノズル先端に形成されていなくてもよい。流入口は、例えば、受入部の周壁に直接的に開口していてもよい。
【0042】
浴槽側排水が左右方向に分けられることは必須ではない。浴槽側排水は、例えば、上下方向に分けられてもよい。上下に分けられた流れのうち、下側に分けられた流れが受入部に流入する流れである場合には、以下の効果を奏する。すなわち、排水トラップは、下側に分流された浴槽側排水が受入部に流入する場合には、浴槽側排水の水量が比較的少ない場合でも、受入部の底壁上面を浚う水流を受入部に流入させることができる。排水トラップは、浴槽側排水の水量が比較的多い場合には、余剰な流れを、受入部を経由させることなく、外部に導出させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1…排水トラップ、20A…入口開口(浴槽側排水流入口)、40…受入部、40B…連通口(流出口)、40D…分流流入口(流入口)、60…分流部、74…ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8