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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023031998
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】荷物移載方法及び荷物移載装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/91 20060101AFI20230302BHJP
   B65G 57/03 20060101ALI20230302BHJP
   B65G 57/04 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65G47/91 A
B65G57/03 G
B65G57/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137828
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】鹿山 宏之
(72)【発明者】
【氏名】久住 智勇
(72)【発明者】
【氏名】小柿 裕介
(72)【発明者】
【氏名】中 章宙
(72)【発明者】
【氏名】金谷 栄則
【テーマコード(参考)】
3F029
3F072
【Fターム(参考)】
3F029AA02
3F029BA01
3F029CA82
3F029DA15
3F072AA06
3F072GD05
3F072GG12
3F072JA09
3F072KA26
3F072KD03
3F072KD11
3F072KE11
3F072KE21
(57)【要約】
【課題】対向配置された2つのサイドパネルを有する台車に荷物を移載する場合に、サイドパネルと荷物との間の隙間を減少あるいは無くす。
【解決手段】水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネルを備えるカゴ台車100に対して複数の荷物Xを移載する荷物移載方法であって、円滑面からなる案内面を有する案内部材200を、案内面が2つのサイドパネルの内側に配置されるように、サイドパネルに対して取り付ける案内部材設置工程と、複数の荷物Xを全体幅が2つのサイドパネルの離間寸法以下にとなるように複数の荷物Xを整列する整列工程と、整列された複数の荷物Xを一括して2つのサイドパネルの隙間に挿入してカゴ台車100に移載する移載工程とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネルを備える台車に対して複数の荷物を移載する荷物移載方法であって、
円滑面からなる案内面を有する案内部材を、前記案内面が2つの前記サイドパネルの内側に配置されるように、前記サイドパネルに対して取り付ける案内部材設置工程と、
複数の前記荷物を全体幅が2つの前記サイドパネルの離間寸法以下にとなるように複数の前記荷物を整列する整列工程と、
整列された複数の前記荷物を一括して2つの前記サイドパネルの隙間に挿入して前記台車に移載する移載工程と
を有することを特徴とする荷物移載方法。
【請求項2】
前記案内部材は、
前記案内面を有する内壁部と、
前記内壁部を支持すると共に前記サイドパネルに接続されると支持部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の荷物移載方法。
【請求項3】
2つの前記サイドパネルの配列方向と直交する水平方向を前後方向とし、
前記前後方向に配列された前記サイドパネルの2つ端部のうち、前記荷物が挿入される側の端部を前端部とし、
前記案内部材は、前記支持部に接続されると共に前記サイドパネルの前端部を前方から覆う前壁部を備える
ことを特徴とする請求項2記載の荷物移載方法。
【請求項4】
前記整列工程にて、コンベヤ上を搬送される複数の前記荷物を、前記コンベヤでの搬送方向における下流側に配置されたストッパに押し当てることで、前記搬送方向における前記荷物の位置決めを行うことを特徴とする請求項1~3いずれか一項に記載の荷物移載方法。
【請求項5】
前記搬送方向と2つの前記サイドパネルの配列方向とが平行であることを特徴とする請求項4記載の荷物移載方法。
【請求項6】
前記整列工程にて、前記搬送方向と直交する方向から前記荷物を押圧することで、前記搬送方向と直交する方向における前記荷物の位置決めを行うことを特徴とする請求項4または5記載の荷物移載方法。
【請求項7】
水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネルを備える台車に対して複数の荷物を移載する荷物移載装置であって、
円滑面からなる案内面を有する案内部材が、前記案内面が2つの前記サイドパネルの内側に配置されるように、前記サイドパネルに対して取り付けられ、
複数の前記荷物を全体幅が2つの前記サイドパネルの離間寸法以下にとなるように複数の前記荷物を整列する整列装置と、
整列された複数の前記荷物を一括して2つの前記サイドパネルの隙間に挿入して前記台車に移載する移載装置と
を有することを特徴とする荷物移載装置。
【請求項8】
前記整列装置は、
複数の前記荷物を搬送するコンベヤと、
前記コンベヤ上を搬送される複数の前記荷物に搬送方向の下流側から当接されるストッパと
を備えることを特徴とする請求項7記載の荷物移載装置。
【請求項9】
前記コンベヤにおける前記搬送方向は、前記移載装置から前記荷物が移載される位置に配置された前記台車の2つの前記サイドパネルの配列方向と平行であることを特徴とする請求項8記載の荷物移載装置。
【請求項10】
前記整列装置は、前記搬送方向と直交する方向から前記荷物を押圧することで、前記搬送方向と直交する方向における前記荷物の位置決めを行う押圧機構を備えることを特徴とする請求項8または9記載の荷物移載装置。
【請求項11】
前記サイドパネルに対して前記案内部材を着脱する案内部材着脱機構を備えることを特徴とする請求項7~10いずれか一項に記載の荷物移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物移載方法及び荷物移載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流施設等では、トラックや自動倉庫から搬出された荷物を特許文献1に開示されたカゴ台車等に移載して搬送する場合がある。例えば、特許文献1に開示されたカゴ台車は、底板に立設された複数の枠(固定側枠、可動側枠及び後枠)を備えている。このようなカゴ台車では、固定側枠と可動側枠とが対向配置されている。カゴ台車に対して移載される荷物は、固定側枠と可動側枠との間にて底板上に載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-227096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように物流施設等では、特許文献1に開示されたカゴ台車や、後枠が設けられていないカートラック等の台車に荷物が移載される。このような台車は、底板に対して立設された2つの格子状のサイドパネル(特許文献1における固定側枠や可動側枠)を備えているのが一般的である。近年においては、台車に対する荷物の移載作業を作業員の手ではなく、荷物移載装置によって行う試みがなされている。
【0005】
しかしながら、荷物移載装置によって荷物を移載しようとすると、荷物の位置決め誤差等が原因となって、移載途中の荷物が格子状のサイドパネルの一部に引っ掛かることで装置が停止する場合がある。このため、荷物移載装置を用いて荷物を台車に移載する場合には、サイドパネルに対して数cmの隙間を空ける必要があった。このような隙間は、台車に搭載可能な荷物の数を減少させ、台車の搬送効率を低下させる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、対向配置された2つのサイドパネルを有する台車に荷物を移載する場合に、サイドパネルと荷物との間の隙間を減少あるいは無くすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の第1の態様は、水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネルを備える台車に対して複数の荷物を移載する荷物移載方法であって、円滑面からなる案内面を有する案内部材を、上記案内面が2つの上記サイドパネルの内側に配置されるように、上記サイドパネルに対して取り付ける案内部材設置工程と、複数の上記荷物を全体幅が2つの上記サイドパネルの離間寸法以下にとなるように複数の上記荷物を整列する整列工程と、整列された複数の上記荷物を一括して2つの上記サイドパネルの隙間に挿入して上記台車に移載する移載工程とを有するという構成を採用する。
【0009】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記案内部材が、上記案内面を有する内壁部と、上記内壁部を支持すると共に上記サイドパネルに接続されると支持部とを備えるという構成を採用する。
【0010】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、2つの上記サイドパネルの配列方向と直交する水平方向を前後方向とし、上記前後方向に配列された上記サイドパネルの2つ端部のうち、上記荷物が挿入される側の端部を前端部とし、上記案内部材が、上記支持部に接続されると共に上記サイドパネルの前端部を前方から覆う前壁部を備えるという構成を採用する。
【0011】
本発明の第4の態様は、上記第1~第3いずれかの態様において、上記整列工程にて、コンベヤ上を搬送される複数の上記荷物を、上記コンベヤでの搬送方向における下流側に配置されたストッパに押し当てることで、上記搬送方向における上記荷物の位置決めを行うという構成を採用する。
【0012】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記搬送方向と2つの上記サイドパネルの配列方向とが平行であるという構成を採用する。
【0013】
本発明の第6の態様は、上記第4または第5の態様において、上記整列工程にて、上記搬送方向と直交する方向から上記荷物を押圧することで、上記搬送方向と直交する方向における上記荷物の位置決めを行うという構成を採用する。
【0014】
本発明の第7の態様は、水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネルを備える台車に対して複数の荷物を移載する荷物移載装置であって、円滑面からなる案内面を有する案内部材が、上記案内面が2つの上記サイドパネルの内側に配置されるように、上記サイドパネルに対して取り付けられ、複数の上記荷物を全体幅が2つの上記サイドパネルの離間寸法以下にとなるように複数の上記荷物を整列する整列装置と、整列された複数の上記荷物を一括して2つの上記サイドパネルの隙間に挿入して上記台車に移載する移載装置とを有するという構成を採用する。
【0015】
本発明の第8の態様は、上記第7の態様において、上記整列装置が、複数の上記荷物を搬送するコンベヤと、上記コンベヤ上を搬送される複数の上記荷物に搬送方向の下流側から当接されるストッパとを備えるという構成を採用する。
【0016】
本発明の第9の態様は、上記第8の態様において、上記コンベヤにおける上記搬送方向が、上記移載装置から上記荷物が移載される位置に配置された上記台車の2つの上記サイドパネルの配列方向と平行であるという構成を採用する。
【0017】
本発明の第10の態様は、上記第8または第9の態様において、上記整列装置が、上記搬送方向と直交する方向から上記荷物を押圧することで、上記搬送方向と直交する方向における上記荷物の位置決めを行う押圧機構を備えるという構成を採用する。
【0018】
本発明の第11の態様は、上記第7~第10いずれかの態様において、上記サイドパネルに対して上記案内部材を着脱する案内部材着脱機構を備えるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、サイドパネルに対して案内部材が取り付けられた状態で、複数の荷物が全体幅を調整された状態で一括して移載される。案内部材には、対向された2つのサイドパネルの内側に配置された円滑面からなる案内面が設けられている。このため、荷物は、サイドパネルに近接された状態でも案内面に案内されてサイドパネルに掛かることなく移載される。したがって、本発明によれば、対向配置された2つのサイドパネルを有する台車に荷物を移載する場合に、サイドパネルと荷物との間の隙間を減少あるいは無くすことが可能となる。よって、本発明によれば、荷物移載装置によって荷物を台車に移載する場合において、台車に搭載可能な荷物の数を増大させ、台車の搬送効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態における荷物移載装置の概略構成を示す平面図である。
図2】本発明の第1実施形態における荷物移載装置の概略構成を示す側面図である。
図3】本発明の第1実施形態における荷物移載装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】カゴ台車の概略構成図であり、(a)が正面図であり、(b)が平面図である。
図5】案内部材の斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態における荷物移載装置の動作を説明するための説明図である。
図7】発明の第1実施形態における荷物移載装置の動作を説明するための説明図である。
図8】発明の第1実施形態における荷物移載装置の動作を説明するための説明図である。
図9】発明の第1実施形態における荷物移載装置の動作を説明するための説明図である。
図10】発明の第1実施形態における荷物移載装置の動作を説明するための説明図である。
図11】本発明の第2実施形態における荷物移載装置の概略構成を示す平面図である。
図12】本発明の第3実施形態における荷物移載装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る荷物移載方法及び荷物移載装置の一実施形態について説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の荷物移載装置1の概略構成を示す平面図である。また、図2は、本実施形態の荷物移載装置1の概略構成を示す側面図である。また、図3は、本実施形態の荷物移載装置1の機能構成を示すブロック図である。本実施形態の荷物移載装置1は、物流設備において、トラックや自動倉庫から搬出された荷物Xをカゴ台車100に移載する。このような本実施形態の荷物移載装置1は、図1及び図3に示すように、整列ユニット2(整列装置)と、移載ユニット3(移載装置)と、制御装置4とを備えている。
【0023】
本実施形態の荷物移載装置1が備える各構成の詳細な説明に先立ち、荷物移載装置1から荷物Xが移載されるカゴ台車100の説明をする。図4は、カゴ台車100の概略構成図であり、(a)が正面図であり、(b)が平面図であり、(c)が側面図である。カゴ台車100は、複数の荷物Xが積み付け可能な台車であり、作業員によって移動される。
【0024】
図4に示すように、カゴ台車100は、底板101と、キャスタ102と、2つのサイドパネル103と、バックパネル104とを備えている。
【0025】
底板101は、平面視が矩形状の板部材であり、サイドパネル103及びバックパネル104を下方から支持している。底板101の上面は、荷物Xを載置する載置面である。なお、図4(b)に示すように、本実施形態において、底板101の平面視形状は、長方形状である。以下の説明では、長方形状の底板101の長辺に沿った方向をカゴ台車100の幅方向と称し、底板101の短辺に沿った方向をカゴ台車100の前後方向と称する。
【0026】
キャスタ102は、底板101の下面に対して複数設けられており、底板101を転動可能に支持している。例えば、キャスタ102は、底板101の角部の各々に対して取付られ、合計で4つ設けられている。
【0027】
2つのサイドパネル103は、枠体の内部に格子構造が形成されたパネル体であり、底板101の縁部に立設されている。本実施形態では、長方形状の底板101の一方の短辺側の縁部と他方の短辺側の縁部との各々にサイドパネル103が立設されている。つまり、2つのサイドパネル103は、底板101の長辺に沿った方向(すなわち幅方向)に配列されている。
【0028】
なお、サイドパネル103は、必ずしも格子構造を有する形状である必要はない。されている必要はない。例えば、枠体の内部に鉛直に伸びる杆が平行に配置された形状や、枠体の内部に水平に伸びる枠が平行に配置された形状のサイドパネル103とすることも可能である。
【0029】
これらのサイドパネル103は、カゴ台車100の幅方向に離間して対向配置されている。つまり、2つサイドパネル103は、水平方向に隙間を空けて対向配置されている。これらのサイドパネル103の間に荷物Xが載置される。なお、これらの対向配置されたサイドパネル103において、他方のサイドパネル103に向けられた側を内側と称し、他方のサイドパネル103と反対側を外側と称する。つまり、各々のサイドパネル103において、サイドパネル103に挟まれた空間側が内側である。
【0030】
これらのサイドパネル103は、例えば同一形状に形成されており、カゴ台車100の前後方向における寸法が同一である。バックパネル104は、これらのサイドパネル103の後端同士を接続するように底板101の後側の長辺側の縁部に立設されている。このバックパネル104もサイドパネル103と同様に、枠体の内部に格子構造が形成されたパネル体である。なお、サイドパネル103とバックパネル104とは、例えば連結金具等を介して接続されている。
【0031】
ただし、バックパネル104も、必ずしも格子構造を有する形状である必要はない。例えば、枠体の内部に鉛直に伸びる杆が平行に配置された形状や、枠体の内部に水平に伸びる枠が平行に配置された形状のバックパネル104とすることも可能である。
【0032】
このように、カゴ台車100においては、カゴ台車100の幅方向における両端部にサイドパネル103が設けられ、カゴ台車100の前後方向における後側にバックパネル104が設けられている。つまり、図4(b)に示すように、底板101の3辺(2つの短辺及び後側の長辺)がパネル体によって閉じられており、底板101の前側の長辺が開放されている。このため、荷物Xは、平面視において底板101の前側からカゴ台車100に対して出し入れされる。
【0033】
なお、カゴ台車100は、サイドパネル103の前端部103aに対して着脱可能な部図示のセーフティーバーを設けても良い。例えば、セーフティーバーは、一方のサイドパネル103の前端部103aに対して一端が傾動可能に接続されており、他方のサイドパネル103の前端部103aに対して他端が係止可能とされている。このようなセーフティーバーは、他端が他方のサイドパネル103の前端部103aに係止されることで、カゴ台車100の前側から荷物Xが脱落することを防止する。
【0034】
本実施形態の荷物移載装置1は、図4に示すカゴ台車100に対して複数の荷物Xを一括して移載する装置である。なお、複数の荷物Xを一括して移載するとは、カゴ台車100に積載される全ての荷物Xを一度に移載することに限定されるものではない。カゴ台車100に積載される全ての荷物Xの一部を複数個同時に移載することも含まれる。
【0035】
カゴ台車100には、重ねて荷物Xを複数段積載することが可能である。例えば、本実施形態の荷物移載装置1は、同一段に載置される複数の荷物Xを一度に一括してカゴ台車100に移載したり、同一段に載置される複数の荷物Xを複数回に分けて複数個ずつ一括してカゴ台車100に対して移載したりする。
【0036】
このような本実施形態の荷物移載装置1は、上述のように、整列ユニット2と、移載ユニット3と、制御装置4とを備えている。整列ユニット2は、複数の荷物X同士の隙間を埋めて、複数の荷物Xを移載ユニット3が一括してカゴ台車100に移載できるように、複数の荷物Xを整列する。整列ユニット2に供給される複数の荷物Xは、例えば、荷物移載装置1の上流側に配置された搬送装置や、作業員によって順次供給される。このため、整列ユニット2に供給される荷物X同士の間には、隙間が形成されている。整列ユニット2は、このような隙間を埋めるように複数の荷物Xを整列する。
【0037】
このような整列ユニット2は、整列コンベヤ2aと、整列ストッパ2b(ストッパ)と、押圧機構2cとを備えている。整列コンベヤ2aは、上流側から供給される複数の荷物Xを受け取ると共に、荷物Xの整列が行われるテーブルとして用いられる。この整列コンベヤ2aは、荷物Xを一方向に移動させるための複数の駆動ローラ2dを備えている。これらの駆動ローラ2dは、荷物Xの搬送方向に等間隔で配列されている。
【0038】
なお、カゴ台車100は、図1に示すように、このような整列ユニット2における荷物Xの搬送方向に対してカゴ台車100の幅方向が平行となるように、整列ユニット2に対して隣接して配置される。また、カゴ台車100は、荷物Xの出し入れが可能なカゴ台車100の前側を整列ユニット2側に向けて配置される。
【0039】
つまり、本実施形態においては、整列コンベヤ2aは、カゴ台車100の幅方向に沿った方向に荷物Xを移動させる。整列ストッパ2bは、このように整列コンベヤ2aによって移動される荷物Xの移動を規制する。この整列ストッパ2bは、このような搬送方向において、整列コンベヤ2a上の荷物Xが整列される場所の下流側に配置されている。つまり、整列コンベヤ2aによって移動される荷物Xは、搬送方向の下流側から整列ストッパ2bが当接されることで、移動が規制される。
【0040】
このような整列ストッパ2bによる移動規制と、整列コンベヤ2aによる搬送力とによって、整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xが整列ストッパ2bに向けて押される。これによって、搬送方向において複数の荷物X同士が接触し、搬送方向における荷物Xの隙間が埋められる。
【0041】
なお、カゴ台車100に積載される荷物Xは、一般的に定型である。例えば、荷物Xは、既定の大きさの梱包材で梱包された飲料であったり、定型のコンテナに収容された日用品であったりする。このため、各々の荷物Xの寸法は既知である。このため、整列コンベヤ2a上で一度に整列される複数の荷物Xの全体の寸法は、予め見積もることが可能である。本実施形態の荷物移載装置1では、整列後の荷物Xの全体の搬送方向における寸法(一度に整列される複数の荷物Xからなる集合体の搬送方向における寸法)が、カゴ台車100のサイドパネル103同士の離間寸法より小さくかつ離間寸法に可能な限り近づくように、整列コンベヤ2aに複数の荷物Xが供給される。
【0042】
このように、整列後の荷物Xの全体の搬送方向における寸法を、カゴ台車100のサイドパネル103同士の離間寸法に可能な限り近づけることで、より多くの荷物Xをカゴ台車100に積載することが可能となる。したがって、カゴ台車100の搬送効率を向上させることができる。
【0043】
ただし、整列後の荷物Xの全体の搬送方向における寸法は、カゴ台車100のサイドパネル103同士の離間寸法に可能な限り近づけられた値でなくても良い。例えば、搬送する荷物Xの数が少ないような場合には、少数の荷物Xを整列ユニット2で整列するようにしても良い。
【0044】
また、上述のように、整列コンベヤ2a上において、複数の荷物Xは、整列ストッパ2bに向けて押されることで整列される。このため、整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xの集合体は、整列ストッパ2bの位置を常に上流側の端部位置とされて整列される。つまり、複数の荷物Xの集合体は、整列ストッパ2bによって搬送方向における位置決めがなされる。したがって、カゴ台車100を規定の位置に配置することで、移載ユニット3で複数の荷物Xを一括して搬送する際に、カメラやセンサ等を用いて荷物Xの搬送方向における端部位置を確認しなくても、荷物Xを移載することが可能となる。
【0045】
押圧機構2cは、整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xを整列コンベヤ2aの搬送方向と直交する方向から押圧することで、搬送方向と直交する方向において複数の荷物Xの整列を行う。なお、整列コンベヤ2aの搬送方向と直交する方向は、整列ユニット2からカゴ台車100に荷物Xを移載するときの荷物Xの移動方向であるため、移載方向と称する。このような押圧機構2cは、整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xの集合体の移載方向における位置決めを行う。
【0046】
図1に示すように押圧機構2cは、押圧バー2c1と、押圧シリンダ2c2と、押圧ストッパ2c3とを備えている。押圧バー2c1は、押圧シリンダ2c2によって移載方向に移動される棒部材であり、搬送方向に沿って直線状に延伸されて水平配置されている。このような押圧バー2c1は、荷物Xに対して移載方向から当接する。
【0047】
押圧シリンダ2c2は、押圧バー2c1を移動させるシリンダ装置である。このような押圧シリンダ2c2としては、例えばエアシリンダを用いることができる。この押圧シリンダ2c2は、制御装置4の制御の下に、押圧バー2c1を移動させる。
【0048】
押圧ストッパ2c3は、移載方向において、整列コンベヤ2a上の荷物Xが整列される場所を間に挟んで押圧バー2c1に対向配置されている。押圧ストッパ2c3は、押圧バー2c1及び押圧シリンダ2c2によって移動される荷物Xの移動を規制する。つまり、押圧バー2c1及び押圧シリンダ2c2によって移動される荷物Xは、押圧バー2c1及び押圧シリンダ2c2反対側から押圧ストッパ2c3が当接されることで、移動が規制される。
【0049】
なお、図1に示すように、押圧バー2c1及び押圧シリンダ2c2は、整列コンベヤ2a上の荷物Xが整列される場所に対してカゴ台車100が配置される側と反対側に設けられている。つまり、押圧ストッパ2c3は、整列コンベヤ2a上の荷物Xが整列される場所に対してカゴ台車100が配置される側に設けられている。
【0050】
このような押圧ストッパ2c3による移動規制と、押圧バー2c1及び押圧シリンダ2c2による押圧力とによって、整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xが押圧ストッパ2c3に向けて押される。これによって、移載方向において複数の荷物X同士が接触し、移載方向における荷物Xの隙間が埋められる。
【0051】
なお、上述のように、カゴ台車100に積載される荷物Xは、一般的に定型である。整列コンベヤ2a上で一度に整列される複数の荷物Xの全体の寸法は、予め見積もることが可能である。例えば、本実施形態の荷物移載装置1では、整列後の荷物Xの全体の移載方向における寸法が、カゴ台車100のバックパネル104からサイドパネル103の前端部103aまでの寸法の半分よりも小さくかつ当該寸法の半分に可能な限り近づくように、整列コンベヤ2aに複数の荷物Xが供給される。
【0052】
このように、整列後の荷物Xの全体の移載方向における寸法を、バックパネル104からサイドパネル103の前端部103aまでの寸法よりも小さくかつ当該寸法の半分よりも僅かに小さくすることで、より多くの荷物Xをカゴ台車100に積載することが可能となる。したがって、カゴ台車100の搬送効率を向上させることができる。
【0053】
ただし、整列後の荷物Xの全体の移載方向における寸法は、上述の寸法(カゴ台車100のバックパネル104からサイドパネル103の前端部103aまでの寸法の半分よりも小さくかつ当該寸法の半分に可能な限り近づけた寸法)でなくても良い。例えば、搬送する荷物Xの数が少ないような場合には、少数の荷物Xを整列ユニット2で整列するようにしても良い。
【0054】
また、上述のように、整列コンベヤ2a上において、複数の荷物Xは、押圧ストッパ2c3に向けて押されることで整列される。このため、整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xの集合体は、押圧ストッパ2c3の位置を常にカゴ台車100側の端部位置とされて整列される。つまり、複数の荷物Xの集合体は、押圧ストッパ2c3によって移載方向における位置決めがなされる。したがって、カゴ台車100を規定の位置に配置することで、移載ユニット3で複数の荷物Xを一括して搬送する際に、カメラやセンサ等を用いて荷物Xの移載方向における端部位置を確認しなくても、荷物Xを移載することが可能となる。
【0055】
移載ユニット3は、整列ユニット2によって整列された複数の荷物Xを一括してカゴ台車100に移載する。整列ユニット2は、上述のように、複数の荷物Xの搬送方向における寸法を、カゴ台車100のサイドパネル103同士の離間寸法より小さくかつ離間寸法に可能な限り近づくように、複数の荷物Xを整列する。このため、移載ユニット3は、搬送方向における寸法がカゴ台車100のサイドパネル103同士の離間寸法より小さくかつ離間寸法に可能な限り近づくように整列された複数の荷物Xの集合体を、カゴ台車100に移載する。
【0056】
このような移載ユニット3は、架台3aと、走行機構3bと、昇降機構3cと、吸着グリッパ3dと備えている。架台3aは、走行機構3b、昇降機構3c及び吸着グリッパ3dを直接的あるいは間接的に支持する強度部材である。架台3aは、整列ユニット2を跨ぐように設けられており、走行機構3b、昇降機構3c及び吸着グリッパ3dを整列ユニット2の上方で移動可能に支持する。
【0057】
走行機構3bは、制御装置4の制御の下に、昇降機構3c及び吸着グリッパ3dを移載方向に走行可能とする機構である。この走行機構3bは、移動体3b1と、走行用モータ3b2と、プーリ3b3と、伝達ベルト3b4とを備えている。
【0058】
移動体3b1は、架台3aをレールとして走行機構3bに対して移載方向に移動可能とされている。この移動体3b1は、昇降機構3c及び吸着グリッパ3dが取り付けられている。つまり、昇降機構3c及び吸着グリッパ3dは、移動体3b1が移載方向に移動されることによって、移動体3b1と共に移載方向に移動される。
【0059】
走行用モータ3b2は、移動体3b1を移動させるための動力を生成するモータである。走行用モータ3b2は、不図示の電源と接続されており、電源から供給される電力に基づいて移動体3b1を移動させるための回転動力を生成する。このような走行用モータ3b2は、図1及び図2に示すように、架台3aに対して固定されている。走行用モータ3b2の出力軸には、例えばスプロケットが設けられている。走行用モータ3b2の出力軸は、スプロケットを介して伝達ベルト3b4と接続されている。
【0060】
プーリ3b3は、走行用モータ3b2に接続された伝達ベルト3b4を回転可能に支持する部材である。プーリ3b3は、架台3aに対して固定されており、走行用モータ3b2に対して移載方向に変位した位置に配置されている。このプーリ3b3は、走行用モータ3b2に取り付けられたスプロケットと共に、伝達ベルト3b4を回転可能に支持している。
【0061】
伝達ベルト3b4は、走行用モータ3b2に接続された無端ベルトである。上述のように、伝達ベルト3b4は、走行用モータ3b2の出力軸に取り付けられたスプロケットと、プーリ3b3によって回転可能に支持されている。伝達ベルト3b4は、走行用モータ3b2で生成された動力が伝達されることによって回転される。このように伝達ベルト3b4が回転されることで、伝達ベルト3b4に接続された移動体3b1が移載方向に移動される。
【0062】
昇降機構3cは、制御装置4の制御の下に、吸着グリッパ3dを昇降させるための機構である。吸着グリッパ3dは、荷物Xの上面を吸着支持することが可能な部位である。この吸着グリッパ3dは、例えば、水平にアレイ状に配列された複数の吸着パッドを備えており、複数の荷物Xを同時に真空吸着することが可能である。このような吸着グリッパ3dは、昇降機構3cによって昇降され、制御装置4の制御の下、荷物Xの吸着あるいは解放を行う。
【0063】
制御装置4は、記憶部、操作部、演算部及び表示部等を備えたコンピュータ等によって形成されている。記憶部は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージからなる。この記憶部は、プログラムやデータを記憶する。操作部は、作業者の操作指示を受け付ける入力装置であり、より具体的にはキーボードやマウス等のポインティングデバイスである。演算部は、プログラムや操作信号等に基づいて演算を行う。この演算部は、インターフェース回路及びCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアからなる。表示部は、演算部で生成された画像データに基づいて表示を行う。
【0064】
本実施形態において制御装置4は、整列ユニット2及び移載ユニット3の制御を行う。より具体的には、制御装置4は、整列ユニット2の整列コンベヤ2aや押圧シリンダ2c2の制御を行う。また、制御装置4は、移載ユニット3の走行用モータ3b2、昇降機構3c及び吸着グリッパ3dの制御を行う。
【0065】
本実施形態の荷物移載装置1は、カゴ台車100のサイドパネル103に対して、案内部材200を取り付けた状態で荷物Xの移載を行う。図5は、案内部材200の斜視図であり、(a)が前側上方から見た図であり、(b)が後側下方から見た図である。
【0066】
案内部材200は、サイドパネル103に対して取り付けられることによって、カゴ台車100に対して荷物Xを移載する場合に、サイドパネル103に接触しないように荷物Xを案内するための部材である。
【0067】
図5に示すように、案内部材200は、天壁部201(支持部)と、内壁部202と、外壁部203と、前壁部204とを有している。なお、これらの天壁部201と、内壁部202と、外壁部203と、前壁部204とは、一体的に接続されている。このような案内部材200は、例えば全体が樹脂材料によって形成されている。
【0068】
天壁部201は、サイドパネル103の上端部に対して上方から当接される部位である。この天壁部201は、サイドパネル103の上端部と同様に直線状に延伸しており、サイドパネル103の厚さ寸法よりも僅かに大きな幅寸法で形成されている。この天壁部201は、内壁部202と、外壁部203と、前壁部204とを上方から吊下げ支持している。
【0069】
内壁部202は、天壁部201の幅方向の一端に上端が接続され、天壁部201から垂下された壁部である。この内壁部202は、外壁部203と隙間を空けて対向配置されている。この内壁部202の外壁部203と反対側に向けられた面は、案内面202aである。つまり、案内面202aは、案内部材200がサイドパネル103に取り付けられた状態では、2つのサイドパネル103の内側に配置される。
【0070】
また、本実施形態において案内面202aは、平面(円滑面)である。荷物Xは、荷物移載装置1からカゴ台車100に移載される場合に、内壁部202の案内面202aに当接すると、サイドパネル103と接触することなく、2つのサイドパネル103の間を案内される。
【0071】
外壁部203は、天壁部201の幅方向の他端に上端が接続され、天壁部201から垂下された壁部である。この外壁部203は、天壁部201の幅寸法分だけ内壁部202から離間し、内壁部202と平行に配置されている。
【0072】
このような案内部材200は、天壁部201の延伸方向に沿った方向から見て、天壁部201と、内壁部202と、外壁部203とがU字状に接続されている。このため、天壁部201をサイドパネル103の上端に上方から当接され、内壁部202がサイドパネル103の内側に配置され、外壁部203がサイドパネル103の外側に配置されるように、案内部材200をサイドパネル103に取り付けることができる。このように、案内部材200をサイドパネル103に取り付けることで、内壁部202と外壁部203とがサイドパネル103を挟み込むように配置され、案内部材200の姿勢を安定させることが可能となる。
【0073】
前壁部204は、天壁部201の前側端に上端が接続され、天壁部201から垂下された壁部である。また、前壁部204の幅方向の一端は内壁部202の前端と接続され、前壁部204の他端は外壁部203の前端と接続されている。このような前壁部204は、案内部材200がサイドパネル103に取り付けられた場合には、サイドパネル103の前端部103aを前方から覆う。
【0074】
このような前壁部204は、荷物Xが荷物移載装置1からカゴ台車100に移載される場合に、荷物Xがサイドパネル103の前端部103aに当接することを防止する。なお、例えば、前壁部204は、内壁部202との接続角が鈍角となるように、内壁部202と接続されていることが好ましい。このように、前壁部204と内壁部202との接続角が鈍角であることによって、カゴ台車100に移載しようとする荷物Xが仮に前壁部204に接触しても、荷物Xをサイドパネル103の内側へと案内することが可能となる。
【0075】
また、前壁部204は、内壁部202と湾曲面を介して接続されるようにしても良い。このような湾曲面を介して前壁部204と内壁部202とが接続されることによって、屈曲部を形成することなく前壁部204と内壁部202とが円滑に接続される。このため、カゴ台車100に移載しようとする荷物Xが仮に前壁部204に接触しても、荷物Xをサイドパネル103の内側へと案内することが可能となる。
【0076】
続いて、このような本実施形態の荷物移載装置1の動作(荷物移載方法)について説明する。なお、以下に説明する動作は、特に説明がない限りは、主として制御装置4が動作主体である。
【0077】
まず、カゴ台車100のサイドパネル103に対して案内部材200を取り付ける。その後、図6に示すように、サイドパネル103に対して案内部材200が設置されたカゴ台車100を荷物移載装置1に隣接配置する。ここでは、カゴ台車100を整列コンベヤ2aに対して移載方向にて隣接配置する。また、カゴ台車100は、幅方向(サイドパネル103の配列方向)が整列コンベヤ2aの搬送方向と平行となり、前側(バックパネル104と反対側)が整列コンベヤ2a側を向くように配置される。さらに、カゴ台車100は、整列ストッパ2bと一方のサイドパネル103(整列コンベヤ2aの搬送方向奥側に配置されるサイドパネル103)との位置が搬送方向において一致するように配置される。
【0078】
なお、本実施形態では、カゴ台車100を荷物移載装置1に隣接配置する前に案内部材200をサイドパネル103に対して取り付けた。しかしながら、案内部材200のサイドパネル103への取付けは、カゴ台車100が荷物移載装置1に隣接配置された後に行っても良い。
【0079】
続いて、図7に示すように、整列コンベヤ2a上に複数の荷物Xが載置される。ここでは、例えば不図示の搬送ロボットや作業員によって荷物Xが整列コンベヤ2a上に所定の姿勢かつ所定の箇所に配置される。
【0080】
続いて、整列コンベヤ2aが荷物Xを搬送方向に搬送する。搬送された複数の荷物Xは、整列ストッパ2bに堰き止められる。このため、図8に示すように、搬送方向において、複数の荷物Xの隙間が埋められる。また、複数の荷物Xの集合体は、搬送方向において、整列ストッパ2bによって位置決めされる。このようにして整列コンベヤ2a及び整列ストッパ2bによって整列された荷物Xの集合体の搬送方向の寸法は、例えばサイドパネル103同士の離間寸法より僅かに小さな寸法となる。
【0081】
続いて、図9に示すように、押圧機構2cによって整列コンベヤ2a上の複数の荷物Xを移載方向において整列させる。ここでは、押圧シリンダ2c2が押圧バー2c1を押圧ストッパ2c3に近づくように移動させ、押圧バー2c1によって荷物Xを押圧バー2c1に向けて押圧する。このため、図9に示すように、移載方向において、複数の荷物Xの隙間が埋められる。
【0082】
続いて、図10に示すように、移載ユニット3によって整列コンベヤ2aからカゴ台車100に複数の荷物Xを一括して移載する。ここでは、移載ユニット3の走行機構3bによって吸着グリッパ3dを複数の荷物Xの上方に配置する。また、昇降機構3cによって吸着グリッパ3dを荷物Xの上面に当接させる。その後、吸着グリッパ3dにて荷物Xの上面を吸着する。また、荷物Xの上面を吸着した吸着グリッパ3dを昇降機構3cによって上昇させることで荷物Xを持ち上げる。
【0083】
さらに、荷物Xを支持する吸着グリッパ3dを走行機構3bでカゴ台車100のサイドパネル103同士の間に配置する。その後、昇降機構3cによって吸着グリッパ3dを下降させ、吸着グリッパ3dに荷物Xを開放させることで荷物Xが移載される。
【0084】
以上のような本実施形態の荷物移載装置1は、水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネル103を備えるカゴ台車100に対して複数の荷物Xを移載する。カゴ台車100のサイドパネル103には、案内部材200が取り付けられている。
【0085】
また、案内部材200は、案内面202aが2つのサイドパネル103の内側に配置されるように、サイドパネル103に対して取り付けられている。
【0086】
また、本実施形態の荷物移載装置1は、整列ユニット2と移載ユニット3とを備えている。整列ユニット2は、複数の荷物Xを全体幅が2つのサイドパネル103の離間寸法以下にとなるように複数の荷物Xを整列する。移載ユニット3は、整列された複数の荷物Xを一括して2つのサイドパネル103の隙間に挿入してカゴ台車100に移載する。
【0087】
このような本実施形態の荷物移載装置1によれば、サイドパネル103に対して案内部材200が取り付けられた状態で、複数の荷物Xが全体幅を調整された状態で一括して移載される。案内部材200には、対向された2つのサイドパネル103の内側に配置された円滑面からなる案内面202aが設けられている。このため、荷物Xは、サイドパネル103に近接された状態でも案内面202aに案内されてサイドパネル103に掛かることなく移載される。
【0088】
したがって、本実施形態の荷物移載装置1によれば、対向配置された2つのサイドパネル103を有するカゴ台車100に荷物Xを移載する場合に、サイドパネル103と荷物Xとの間の隙間を減少あるいは無くすことが可能となる。よって、本実施形態の荷物移載装置1によれば、荷物移載装置1によって荷物Xをカゴ台車100に移載する場合において、カゴ台車100に搭載可能な荷物Xの数を増大させ、カゴ台車100の搬送効率を向上させることが可能となる。
【0089】
また、本実施形態の荷物移載装置1は、整列ユニット2が、複数の荷物Xを搬送する整列コンベヤ2aと、整列コンベヤ2a上を搬送される複数の荷物Xに搬送方向の下流側から当接される整列ストッパ2bとを備えている。このような本実施形態の荷物移載装置1によれば、整列コンベヤ2aによって荷物Xを整列ストッパ2bに向けて押し当てることによって、容易に荷物Xを整列させることが可能となる。
【0090】
また、本実施形態の荷物移載装置1は、整列コンベヤ2aにおける搬送方向が、移載ユニット3から荷物Xが移載される位置に配置されたカゴ台車100の2つのサイドパネル103の配列方向と平行である。つまり、本実施形態では、カゴ台車100の幅方向が、整列コンベヤ2aの搬送方向と平行である。このため、整列コンベヤ2a上に整列された荷物Xの集合体を移載方向に姿勢変更することなく移動させることで、容易に荷物Xを移載することが可能となる。
【0091】
また、本実施形態の荷物移載装置1では、整列ユニット2が押圧機構2cを備えている。押圧機構2cは、搬送方向と直交する方向から荷物Xを押圧することで、搬送方向と直交する方向における荷物Xの位置決めを行う。このような本実施形態の荷物移載装置1によれば、押圧機構2cで複数の荷物Xを押圧することで、容易に移載方向において荷物Xを整列させることが可能となる。
【0092】
また、本実施形態の荷物移載方法は、水平方向に隙間を空けて対向配置された2つのサイドパネル103を備えるカゴ台車100に対して複数の荷物Xを移載する方法である。本実施形態の荷物移載方法は、案内部材設置工程を有する。この案内部材設置工程では、円滑面からなる案内面202aを有する案内部材200を、案内面202aが2つのサイドパネル103の内側に配置されるように、サイドパネル103に対して取り付ける。
【0093】
また、本実施形態の荷物移載方法は、整列工程を有する。この整列工程では、複数の荷物Xを全体幅が2つのサイドパネル103の離間寸法以下にとなるように複数の荷物Xを整列する。また、本実施形態の荷物移載方法は、移載工程を有する。この移載工程では、整列された複数の荷物Xを一括して2つのサイドパネル103の隙間に挿入してカゴ台車100に移載する。
【0094】
このような本実施形態の荷物移載方法によれば、サイドパネル103に対して案内部材200が取り付けられた状態で、複数の荷物Xが全体幅を調整された状態で一括して移載される。案内部材200には、対向された2つのサイドパネル103の内側に配置された円滑面からなる案内面202aが設けられている。このため、荷物Xは、サイドパネル103に近接された状態でも案内面202aに案内されてサイドパネル103に掛かることなく移載される。
【0095】
したがって、本実施形態の荷物移載方法によれば、対向配置された2つのサイドパネル103を有するカゴ台車100に荷物Xを移載する場合に、サイドパネル103と荷物Xとの間の隙間を減少あるいは無くすことが可能となる。よって、本実施形態の荷物移載方法によれば、カゴ台車100に搭載可能な荷物Xの数を増大させ、カゴ台車100の搬送効率を向上させることが可能となる。
【0096】
また、本実施形態の荷物移載方法においては、案内部材200が、案内面202aを有する内壁部202と、内壁部202を支持すると共にサイドパネル103に接続されると天壁部201とを備えている。このような本実施形態の荷物移載方法によれば、内壁部202がサイドパネル103の内側の部位を覆うため、荷物Xがサイドパネル103に接触することを確実に防止することができる。また、荷物Xが案内部材200に接触した場合であっても、荷物Xが案内面202aに沿って案内されるため、荷物Xを円滑に移載することが可能となる。
【0097】
また、本実施形態の荷物移載方法においては、2つのサイドパネル103の配列方向と直交する水平方向を前後方向とし、前後方向に配列されたサイドパネル103の2つ端部のうち、荷物Xが挿入される側の端部を前端部103aとしている。また、案内部材200が、天壁部201に接続されると共にサイドパネル103の前端部103aを前方から覆う前壁部204を備えている。このため、荷物Xをカゴ台車100に移載する場合に、荷物Xがサイドパネル103に接触することを防止することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態の荷物移載方法においては、整列工程にて、整列コンベヤ2a上を搬送される複数の荷物Xを、整列コンベヤ2aでの搬送方向における下流側に配置された整列ストッパ2bに押し当てることで、搬送方向における荷物Xの位置決めを行う。このため、簡易に荷物Xの整列を行うことが可能となる。
【0099】
また、本実施形態の荷物移載方法においては、搬送方向と2つのサイドパネル103の配列方向とが平行である。このため、このため、整列コンベヤ2a上に整列された荷物Xの集合体を移載方向に姿勢変更することなく移動させることで、容易に荷物Xを移載することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態の荷物移載方法においては、整列工程にて、搬送方向と直交する方向から荷物Xを押圧することで、搬送方向と直交する方向における荷物Xの位置決めを行う。このため、本実施形態の荷物移載方法によれば、容易に移載方向において荷物Xを整列させることが可能となる。
【0101】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0102】
図11は、本実施形態の荷物移載装置1Aの概略構成を示す平面図である。この図に示すように、本実施形態の荷物移載装置1Aは、押圧機構2cが、上記第1実施形態の押圧ストッパ2c3に換えて、第2押圧バー2c4及び第2押圧シリンダ2c5を備えている。
【0103】
第2押圧バー2c4は、第2押圧シリンダ2c5によって移載方向に移動される棒部材であり、搬送方向に沿って直線状に延伸されて水平配置されている。このような第2押圧バー2c4は、荷物Xに対して押圧バー2c1と移載方向の反対側から当接する。
【0104】
第2押圧シリンダ2c5は、第2押圧バー2c4を移動させるシリンダ装置である。このような第2押圧シリンダ2c5としては、例えばエアシリンダを用いることができる。この第2押圧シリンダ2c5は、制御装置4の制御の下に、第2押圧バー2c4を移動させる。
【0105】
このような本実施形態の荷物移載装置1Aは、整列ユニット2上の荷物Xが整列される場所を挟むように、押圧バー2c1と第2押圧バー2c4とが配置されている。このため、これらの押圧バー2c1と第2押圧バー2c4によって複数の荷物Xを挟むようにして整列させることが可能となる。したがって、本実施形態の荷物移載装置1Aによれば、移載方向における荷物Xの整列位置を調整することが可能となる。
【0106】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0107】
図12は、本実施形態の荷物移載装置1Bの機能構成を示すブロック図である。この図に示すように、荷物移載装置1Bは、上記第1実施形態の荷物移載装置1に加えて、着脱機構5(案内部材着脱機構)を備えている。
【0108】
着脱機構5は、カゴ台車100のサイドパネル103に対して案内部材200を着脱するための機構である。このような着脱機構5としては、例えば産業用ロボットを用いることができる。
【0109】
着脱機構5は、荷物Xの移載の前に、整列コンベヤ2aに隣接配置されたカゴ台車100のサイドパネル103に対して案内部材200を取り付ける。また、着脱機構5は、カゴ台車100への荷物Xの移載が完了した後に、カゴ台車100から案内部材200を取り外す。
【0110】
このような本実施形態の荷物移載装置1によれば、案内部材200の着脱作業を自動化することができる。したがって、案内部材200の着脱に関する作業員の作業負担を軽減することが可能となる。
【0111】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0112】
例えば、上記実施形態においては、整列コンベヤ2aに荷物Xを設置するハンドリングロボット等を備えていない構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、整列コンベヤ2aに荷物Xを設置するハンドリングロボット等の装置を設置する構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0113】
1……荷物移載装置、1A……荷物移載装置、1B……荷物移載装置、2……整列ユニット(整列装置)、2a……整列コンベヤ、2b……整列ストッパ、2c……押圧機構、2c1……押圧バー、2c2……押圧シリンダ、2c3……押圧ストッパ、2c4……第2押圧バー、2c5……第2押圧シリンダ、2d……駆動ローラ、3……移載ユニット(移載装置)、3……移載ユニット(移載装置)、3a……架台、3b……走行機構、3b1……移動体、3b2……走行用モータ、3b3……プーリ、3b4……伝達ベルト、3c……昇降機構、3d……吸着グリッパ、4……制御装置、5……着脱機構(案内部材着脱機構)、100……カゴ台車、101……底板、102……キャスタ、103……サイドパネル、103a……前端部、104……バックパネル、200……案内部材、201……天壁部、202……内壁部、202a……案内面、203……外壁部、204……前壁部、X……荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12