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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032010
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】買物支援装置及び買物支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137847
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】521378679
【氏名又は名称】KAERU株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100142158
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 啓
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知拓
(72)【発明者】
【氏名】福田 勝彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】買物に関する行動をする場合における不都合を低減し得る買物支援装置を提供すること。
【解決手段】買物支援装置は、買物支援プログラムに基づいて制御を行うCPU11と、買物対象物に関する文字情報を入力する入力部13と、買物対象物に関する画像情報を取得する画像取得部16と、時刻情報を取得する時刻取得手段と、文字情報、画像情報又は時刻情報の少なくともいずれか一つを用いて買物リスト50を生成するリスト生成手段と、買物リスト50を表示する表示部14と、を有する。リスト生成手段は、購入前の買物対象物のリストである購入前買物リスト50aを文字情報を用いて構成し、購入後の買物対象物のリストである購入後買物リスト50bを画像情報と時刻情報とを紐づけて構成する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
買物支援プログラムを記憶した買物支援装置であって、
前記買物支援プログラムに基づいて制御を行う制御手段と、
買物対象物に関する文字情報を入力する文字入力手段と、
買物対象物に関する画像情報を取得する画像取得手段と、
時刻情報を取得する時刻取得手段と、
前記文字情報、前記画像情報又は前記時刻情報の少なくともいずれか一つを用いて買物リストを生成するリスト生成手段と、
前記買物リストを表示する表示手段と、を有し、
前記リスト生成手段は、購入前の買物対象物のリストである購入前買物リストを前記文字情報を用いて構成し、購入後の買物対象物のリストである購入後買物リストを前記画像情報と前記時刻情報とを紐づけて構成する
ことを特徴とする買物支援装置。
【請求項2】
前記買物支援装置とは異なる装置である外部装置により、前記買物支援装置を操作し得ることを決定する操作決定手段と、
前記外部装置により前記買物支援装置を操作し得る操作内容を決定する操作内容決定手段と、を有し、
前記制御手段は、前記操作内容の範囲内で、前記外部装置が前記買物支援装置を操作することを許容する
ことを特徴とする請求項1に記載の買物支援装置。
【請求項3】
近距離無線通信を行う無線通信器からの無線信号を受信する無線信号受信手段と、
前記無線通信器からの前記無線信号の受信の有無及び前記無線通信器からの距離を判断する受信状況判断手段と、
前記無線通信器に関する紛失防止のための警告を通知する警告通知手段と、を有し、
前記受信状況判断手段が、前記無線信号受信手段による前記無線信号の受信がないと判断した場合または前記無線通信器からの距離が所定の距離以上となったと判断した場合に、前記警告通知手段は、前記警告を通知する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の買物支援装置。
【請求項4】
近距離無線通信を行う無線通信器からの無線信号を受信する無線信号受信手段と、
前記無線通信器からの前記無線信号の受信の有無及び前記無線通信器からの距離を判断する受信状況判断手段と、
電子マネーを用いて決済の管理を行う決済管理サーバとの通信を行う決済情報通信手段と、を有し、
前記受信状況判断手段が、前記無線信号受信手段による前記無線信号の受信がないと判断した場合または前記無線通信器からの距離が所定の距離以上となったと判断した場合に、前記決済情報通信手段は、前記決済管理サーバに決済停止または利用制限の通知をする
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の買物支援装置。
【請求項5】
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
買物対象物の購入場所を入力する場所入力手段と、
前記位置情報に基づいて通知を行う通知手段と、を有し、
前記通知手段は、前記購入場所の位置が所定の距離未満になった場合に、前記購入前買物リストが存在することを通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の買物支援装置。
【請求項6】
電子マネーを用いて決済の管理を行う決済管理サーバとの通信を行う決済情報通信手段と、
前記決済情報通信手段を用いて前記電子マネーの残高を設定する残高設定手段と、を有し、
前記残高設定手段は、買物を行う日において前記残高が設定値になるように設定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の買物支援装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の買物支援装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする買物支援プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末を用いて買物をする場合に、ユーザの買物を支援する買物支援装置及び買物支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の65歳以上の人(高齢者)の人口は、3617万人で、人口の28.7%過去最高を更新している。また、日本で認知症と診断されている方のうち約400万人は、日常生活に大きな影響はない軽度~中度の認知症と診断されている。また、診断の有無に関わらず、認知機能に不安のある人は、予定管理や移動など日常生活の様々な場面で、紙のメモやスマートフォンに搭載されるメモ機能上に買物リストを作成している。これは、買物をするために外出する場合も同様である。しかし、買物の際に、その買物リストの存在自体を忘れて外出をしてしまった場合、結局、予定していた買物を行わないで帰宅することや、買物において購入したものに不足や重複があると、不都合である。
【0003】
一方、買物に関する行動は、日常生活において必要不可欠な行動であるため、買物をより確実に行うことができれば、認知力の低下した人にとって、自信となる。また、重複購入等の買物時における不都合を防ぎ、買物を確実に行うことができれば、経済的な不都合を防ぐことができる。このため、認知力の低下如何にかかわらず、一般的にも、買物に関する行動をする場合における不都合を低減することが望まれている。
【0004】
そこで、買物リスト機能を有するユーザ端末を利用した買物支援システムがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、スマートフォンに表示される買物リストに関する技術である。電子レシート上に記載された商品情報をユーザ操作に応じて買物リストに登録することにより買物メモデータを作成し、過去の買物リストへの登録実績の有無を商品情報毎に識別可能なように電子レシートを表示する。このように、自動的に買物リストを作成することで、買物メモを作成しやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-071096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の買物支援システムでの買物リスト機能は、電子レシート情報が必要となるため、電子レシートを発行しない店舗においては、利用ができない。また、買物に関する行動は、買物リストの作成のみではないため、買物に関する不都合を抑制することが不十分であった。このため、買物に関する行動をする場合に、買物に対するストレスを低減することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、買物に関する行動をする場合における不都合を低減し得る買物支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、買物支援プログラムを記憶した買物支援装置(ユーザ端末10)であって、前記買物支援プログラムに基づいて制御を行う制御手段(CPU11)と、買物対象物に関する文字情報を入力する文字入力手段と(入力部13)、買物対象物に関する画像情報を取得する画像取得手段(画像取得部16)と、時刻情報を取得する時刻取得手段(CPU11)と、前記文字情報、前記画像情報又は前記時刻情報の少なくともいずれか一つを用いて買物リスト(50)を生成するリスト生成手段(CPU11)と、前記買物リストを表示する表示手段(表示部14)と、を有し、前記リスト生成手段は、購入前の買物対象物のリストである購入前買物リスト(50a)を前記文字情報を用いて構成し、購入後の買物対象物のリストである購入後買物リスト(50b)を前記画像情報と前記時刻情報とを紐づけて構成することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の買物支援装置であって、前記買物支援装置とは異なる装置である外部装置(サポータ端末20)により、前記買物支援装置を操作し得ることを決定する操作決定手段(CPU11)と、前記外部装置により前記買物支援装置を操作し得る操作内容を決定する操作内容決定手段(CPU11)と、を有し、前記制御手段は、前記操作内容の範囲内で、前記外部装置が前記買物支援装置を操作することを許容することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の買物支援装置であって、近距離無線通信を行う無線通信器(近距離無線通信器32)からの無線信号を受信する無線信号受信手段(近距離無線通信部18)と、前記無線通信器からの前記無線信号の受信の有無及び前記無線通信器からの距離を判断する受信状況判断手段(CPU11)と、前記無線通信器に関する紛失防止のための警告を通知する警告通知手段(CPU11)と、を有し、前記受信状況判断手段が、前記無線信号受信手段による前記無線信号の受信がないと判断した場合または前記無線通信器からの距離が所定の距離以上となったと判断した場合に、前記警告通知手段は、前記警告を通知することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の買物支援装置であって、近距離無線通信を行う無線通信器からの無線信号を受信する無線信号受信手段(近距離無線通信部18)と、前記無線通信器からの前記無線信号の受信の有無及び前記無線通信器からの距離を判断する受信状況判断手段(CPU11)と、電子マネーを用いて決済の管理を行う決済管理サーバとの通信を行う決済情報通信手段(CPU11)と、を有し、前記受信状況判断手段が、前記無線信号受信手段による前記無線信号の受信がないと判断した場合または前記無線通信器からの距離が所定の距離以上となったと判断した場合に、前記決済情報通信手段は、前記決済管理サーバに決済停止または利用制限の通知をすることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の買物支援装置であって、位置情報を取得する位置情報取得手段(位置情報取得部17)と、買物対象物の購入場所を入力する場所入力手段(入力部13)と、前記位置情報に基づいて通知を行う通知手段(CPU11)と、を有し、前記通知手段は、前記購入場所の位置が所定の距離未満になった場合に、前記購入前買物リストが存在することを通知することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の買物支援装置であって、電子マネーを用いて決済の管理を行う決済管理サーバ(決済情報管理サーバ42)との通信を行う決済情報通信手段(CPU11)と、前記決済情報通信手段を用いて前記電子マネーの残高を設定する残高設定手段(CPU11)と、を有し、前記残高設定手段は、買物を行う日において前記残高が設定値になるように設定することを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、買物支援プログラムであって、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の買物支援装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0015】
なお、上記の括弧内の構成要素及び符号は、後述する実施形態の対応する構成要素及び符号を本発明の一例として示したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、買物支援装置のユーザに対して、買物に関する行動をする場合における不都合を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】買物支援システムの全体構成図。
図2】購入前買物リストの使用前の状態を示す図。
図3】購入対象物編集リストの図。
図4】購入前買物リストの使用時の状態を示す図。
図5】購入後買物リストの図。
図6】ユーザ端末がサポータ端末を設定する手順を示すシーケンス図。
図7】サポータ端末によりユーザ端末を操作し得る操作内容を決定するシーケンス図。
図8】サポータ端末によりユーザ端末を操作し得る操作範囲を決定するシーケンス図。
図9】ユーザ端末自身によりユーザ端末を操作し得る操作範囲を決定するシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る買物支援装置の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、まず、買物支援装置が機能する買物支援システム1の全体のハードウェア構成を説明した後、買物支援装置が有する各機能を順に説明する。
【0019】
買物支援システム1の全体のハードウェア構成を説明する。図1は、買物支援システム1の全体構成図である。図1に示すように、買物支援システム1は、少なくとも、ユーザ端末10、サポータ端末20、決済カード30、決済用端末35、GPS41、決済情報管理サーバ42、登録情報管理サーバ43から構成される。買物支援システム1の決済カード30以外の各構成要素は、ネットワーク40を介して、相互に通信可能となっている。以下、各部について詳細に説明する。
【0020】
ユーザ端末10は、CPU11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15、画像取得部16、位置情報取得部17、近距離無線通信部18を有する。ユーザ端末10は、本実施形態において、買物支援装置の一例であり、スマートフォン等の小型端末が携帯性に優れるため好ましい。しかしながら、これに限るものではなく、ノート型のPC等、携帯可能な端末であればよい。
【0021】
CPU(Central Processing Unit)11は、ユーザ端末10が有する買物支援プログラムに基づいて、ユーザ端末10内の各ハードウェア手段と協働してユーザ端末10に関連する制御を行う制御手段である。ユーザ端末10が行う処理は、CPU11によって行われる。
【0022】
記憶部12は、主に、処理に関するデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)や、プログラムやデータ等を不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)から構成される。なお、記憶部12は、必ずしもユーザ端末10の内部のものでなくともよく、USB等のコネクタを介して接続される外部記憶装置またはネットワーク40を介して接続されるサーバ等の外部記憶装置であってもよい。本実施形態にて動作する買物支援プログラムは、記憶部12のROMに格納されるものとする。
【0023】
入力部13は、ユーザ端末10のユーザが、CPU11に対する指示や情報を入力するものであり、少なくとも、買物対象物に関する文字情報を入力する文字入力手段の機能を有する。入力部13は、物理的なボタンやタッチパネル状に表示されたボタン等で構成されることが一般的であるが、ユーザの指示が入力できれば、どのような形態であってもよい。
【0024】
表示部14は、ユーザ端末10のディスプレイ等で構成される。主に、CPU11からユーザへの通知内容や処理内容が表示される。本実施形態では、後述の買物リスト50を表示する表示手段として機能する。
【0025】
通信部15は、ユーザ端末10と外部の装置とをネットワーク40を介して通信する通信インターフェースである。本実施形態においては、買物支援システム1の各要素との間で、データや指令の送受信が行われる。通信部15における通信は、主に無線通信が主ではあるが、有線通信を一部用いても構わない。
【0026】
画像取得部16は、ユーザ端末10に搭載されたカメラ等で構成される。画像取得部16は、買物対象物に関する画像情報を取得する画像取得手段として機能する。画像取得部16は、当該カメラで買物対象物を撮影することで、買物対象物に関する画像情報を取得する。取得された画像情報は、記憶部12に格納される。
【0027】
位置情報取得部17は、GPS(Global Positioning System)受信機であり、GPS41の衛星から送信される信号を受信する。これにより、位置情報取得部17は、ユーザ端末10の位置情報を取得する位置情報取得手段として機能し、ユーザ端末10の現在位置を取得する。なお、位置情報取得部17は、設定することによって、ユーザ端末10以外の位置情報を取得することもできる。例えば、サポータ端末20や決済カード30に、GPS41が位置情報を把握可能な構成を搭載しておき、ユーザ端末10がそれらの位置情報を取得することとしてもよい。
【0028】
近距離無線通信部18は、Bluetooth(登録商標)等による近距離無線通信を行う。本実施形態では、決済カード30に付帯される紛失防止用の近距離無線通信器32との間で近距離通信を行う。また、本実施形態におけるBluetooth(登録商標)通信は、特にBLE(Bluetooth Low Energy)の規格を用いて通信することとしている。なお、近距離無線通信の通信規格は、決済カード30と接続することで近距離無線通信が可能であればよく、他の通信規格でもよい。
【0029】
サポータ端末20は、ユーザ端末10を使用する第一ユーザとは異なる第二ユーザが使用する端末である。ここでいう第二ユーザとは、例えば、保護者、介護者や後見人等であって、少なくとも第一ユーザの買物に関する補助をする者である。サポータ端末20は、少なくとも、CPU21、記憶部22、入力部23、表示部24、通信部25を有する。サポータ端末20は、本実施形態において、ユーザ端末10とは異なる装置である外部装置の一例であり、スマートフォン等である。このため、一般的には、サポータ端末20の構成は、上述のユーザ端末10の構成と同一であり、サポータ端末20が画像取得部、位置情報取得部、近距離無線通信部を備えることとしてもよい。
【0030】
サポータ端末20におけるCPU21、記憶部22、入力部23、表示部24、通信部25の各構成は、ユーザ端末10におけるCPU11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15の各構成と同一機能を有する。このため、これらの詳細な説明を省略する。
【0031】
決済カード30は、電子決済用の情報を有し、ユーザ端末10と接続(ペアリング)して用いる決済用通信端末の一例である。本実施形態ではカードの形態としたが、当該決済用通信端末は、ユーザ端末10と決済に関する情報をやり取りすることができればよく、必ずしも、外観がカードの形態でなくともよい。なお、ユーザ端末10と決済カード30とは、直接接続されている必要はなく、決済情報管理サーバ42または登録情報管理サーバ43を介して接続されていればよい。本実施形態の決済カード30は、少なくとも、決済情報記録部31を有し、近距離無線通信器32を付帯する。なお、本実施形態において、「付帯」とは必ずしも一体となっているものに限るものではなく、たとえ物理的に分離していても、同時に持ち歩くことを前提としていればよい。例えば、決済カード30と同一の場所(袋、ポーチ等)に紛失防止用の近距離無線通信器32を入れておき、ユーザが移動する場合には、決済カード30と近距離無線通信器32が同様に移動することも、「付帯」に含まれるものとする。
【0032】
決済情報記録部31は、電子決済用の通信を行うための決済情報が記録される。なお、決済情報の記録方法は、ここでは限定するものではないが、決済情報は、磁気として記録される方法であっても、バーコードやQRコード(登録商標)を印刷する方法であっても、交通系ICカード等、決済に用いるICチップを搭載する方法であってもよい。電子決済の方式は、プリペイド方式、ジャストペイ方式、ポストペイ方式があるが、いずれでもよい。本実施形態では、先に電子マネーの購入(チャージ)をすることで、チャージした金額の範囲内で決済が行えるプリペイド方式を例示して説明する。決済情報記録部31に記録されている決済情報は、買物対象物がある店舗に備えられた決済用端末35によって読取られ、ネットワーク40を介して決済情報管理サーバ42に送信される。本実施形態において、決済用端末35は、決済情報読取手段の機能を有するものの一例である。
【0033】
近距離無線通信器32は、ユーザ端末10の近距離無線通信部18との間で近距離通信を行う。本実施形態では、上述のように、BLEによる通信を行う。
【0034】
ネットワーク40は、公衆通信網であるインターネット等の通信ネットワークである。ネットワーク40には、ユーザ端末10、サポータ端末20、GPS41、決済情報管理サーバ42、登録情報管理サーバ43が接続されている。
【0035】
GPS41は、GPS衛星が取得した位置情報を、ネットワーク40を介して送信する位置情報送信手段である。GPS41からの位置情報は、ネットワーク40を介して、ユーザ端末10の位置情報取得部17に送信される。
【0036】
決済情報管理サーバ42は、決済カード30を用いて決済された決済情報を、ネットワーク40を介して取得し、管理する。本実施形態において、決済情報管理サーバ42は、電子マネーを用いてプリペイド決済の管理を行う決済管理サーバの一例である。決済情報管理サーバ42は、コンピュータであるため、独自のCPUや記憶部を有し、決済に関する処理を実行する。
【0037】
登録情報管理サーバ43は、ユーザ端末10の買物支援プログラムを動作に関連した登録情報を管理する。登録情報管理サーバ43は、コンピュータであるため、独自のCPUや記憶部を有し、ユーザ端末10と関連する登録に関する処理を実行する。例えば、後に詳述するが、サポータ端末20によりユーザ端末10を操作し得る操作内容が決定した場合、当該操作内容を記憶し、管理する。
【0038】
次に、ユーザ端末10が有する基本的機能について説明する。ユーザ端末10が有する機能は、メモ機能、サポータ設定機能、通知機能、決済端末連携機能、紛失防止機能及び決済停止機能である。以下に詳細に説明する。
【0039】
<メモ機能>
図2乃至図5を用いて、ユーザ端末10の表示部14に表示されるメモ機能について説明する。本実施形態のメモ機能は、買物リスト50を作成・表示する機能である。買物リスト50は、購入前の買物対象物のリストである購入前買物リスト50aと、購入後の買物対象物のリストである購入後買物リスト50bと、購入対象物編集リスト50cを有する。
【0040】
図2は、購入前買物リスト50aの使用前の状態を示す図である。購入前買物リスト50aは、表示選択ボタン(購入時ボタン51、購入後ボタン52、各種設定ボタン53)のうち、買物対象物の購入時に使用するボタンである購入時ボタン51を選択した場合に表示される。本実施形態では、購入時ボタン51には、「買うもの」の文字が表示される。購入後ボタン52には、「買ったもの」の文字が表示され、各種設定ボタン53には「マイページ」の文字が表示される。
【0041】
ユーザが購入時ボタン51を選択すると、購入前買物リスト50aが表示される。購入前買物リスト50aは、購入店舗表示欄51a、購入対象物リスト表示欄51b、編集ボタン51c、新規作成ボタン51dを有する。購入前買物リスト50aは、文字情報を用いて構成される。購入前買物リスト50aは、購入店舗表示欄51aと購入対象物リスト表示欄51bとが同時に表示されることで、購入場所と購入対象物との関連性をユーザに示す。
【0042】
購入店舗表示欄51aには、買物対象物を購入する店舗として、ユーザ等が予め設定した購入店舗が表示される。購入店舗の設定方法は後述する。
【0043】
購入対象物リスト表示欄51bには、買物対象物の一覧が表示される。購入対象物リスト表示欄51bには、買物対象物に隣接する位置において、それぞれの買物対象物が購入されたか否かを示すチェックボックスCBが配置される。
【0044】
編集ボタン51cは、選択することにより、購入対象物編集リスト50cに遷移する。新規作成ボタン51dは、購入前買物リスト50aを新たに作成する指示を出すものであり、選択することにより、購入対象物編集リスト50cに遷移する。
【0045】
図3は、購入対象物編集リスト50cの図である。購入対象物編集リスト50cは、編集ボタン51cや新規作成ボタン51dを選択した場合に表示される。購入対象物編集リスト50cは、購入店舗設定欄54a、購入対象物リスト表示欄54b、購入対象物入力欄54c、承認ボタン54dを有する。
【0046】
購入店舗設定欄54aは、購入前買物リスト50aに記載される購入店舗を設定する欄である。購入店舗の設定は、ユーザがあらかじめ設定していた複数の購入店舗から選択することや、店舗名を入力することで行われる。本実施形態では、プルダウンメニューから選択する方法を例示しているが、これに限るものではなく、文字列を直接入力してもよい。
【0047】
購入対象物リスト表示欄54bは、入力された買物対象物を、1つずつ区切って並べて表示した欄である。購入対象物リスト表示欄54bに記入された買物対象物であっても、購入前買物リスト50aに加える必要がないとユーザが判断した場合には、削除ボタンを選択することで削除することも可能である。
【0048】
購入対象物入力欄54cは、買物対象物の文字情報を入力することで、購入対象物リスト表示欄54bに、新たな買物対象物を追加するために入力する欄である。入力された新たな買物対象物は、追加ボタンを選択することで、購入対象物入力欄54cから購入対象物リスト表示欄54bに移動する。
【0049】
承認ボタン54dは、購入店舗設定欄54a及び購入対象物リスト表示欄54bで設定した内容によって購入前買物リスト50aを作成することを承認するボタンである。承認ボタン54dを選択することで、購入前買物リスト50aが作成される。
【0050】
図4は、購入前買物リスト50aの使用時の状態を示す図である。購入店舗において買物をする際、購入前買物リスト50a中の特定の買物対象物をユーザが購入し、ユーザが特定の買物対象物に隣接するチェックボックスCBを選択すると、チェックマークCKが表示される。この場合、特定の買物対象物の文字表示に、取消線STが付される。さらに、すべての買物対象物にチェックマークCKが付されると、購入前買物リスト50aを用いた買物が完了した旨の完了表示CPがなされる。これにより、購入前買物リスト50aに記載された買物対象物の買い忘れを防止する。
【0051】
図5は、購入後買物リスト50bの図である。ユーザが購入後ボタン52を選択すると、購入後買物リスト50bが表示される。購入後買物リスト50bは、画像取得部16で取得した複数の画像情報GIを、縦横長さが同じタイル状に構成し、互いに隣接するように配列することで構成される。それぞれの画像情報GIには、当該画像情報GIを取得した時刻情報TIが紐づけられて表示される。このため、ユーザは、どのような買物対象物を購入したかを購入時とともに確認することができる。また、購入後の買物対象物を示す場合に、画像情報GIを用いたことで、購入後の複数の買物対象物の情報取得を一度のカメラ撮影で行うことができる。なお、本実施形態においては、画像情報GIの配列を3列×4行としているが、他の配列でもよく、時刻情報TIを1日単位の表示としているが、より詳細な時刻を表示することとしてもよい。
【0052】
ユーザが各種設定ボタン53を選択すると、不図示の各種設定画面が表示される。各種設定画面では、買物リスト50に関する設定画面の他、本実施形態において後述する、ユーザ端末10と買物支援システム1中の他の要素との連携を図る上で必要な設定のための画面が表示される。
【0053】
上述のような買物リスト50の生成は、CPU11が行う。すなわち、本実施形態において、CPU11は、文字情報、画像情報GI又は時刻情報TIの少なくともいずれか一つを用いて買物リスト50を生成するリスト生成手段として機能する。また、CPU11は、ネットワーク40を介して時刻情報を取得する時刻取得手段としても機能する。なお、時刻取得の取得にあたり、ユーザ端末10が常にネットワーク40と接続されている必要はなく、いったんネットワーク40から時刻情報を取得し、その後はユーザ端末10内のアプリケーションにて時刻情報を更新することとしてもよい。
【0054】
<サポータ設定機能>
ユーザ端末10のユーザが、認知力が低下するなどして買物を安心して行うことができないユーザである場合、ユーザが安心して買物を行うことができないおそれがある。この場合、ユーザは、ユーザの買物に関する行動をサポートする補助者(サポータ)を設定する。これがサポータ設定機能である。実際には、ユーザが用いるユーザ端末10から、サポータが用いるサポータ端末20へと通信がなされ、ユーザ端末10内の買物支援プログラムにてユーザが操作可能な操作の全部または一部を、サポータに許容する。
【0055】
ここで、サポータ設定機能を実現するため、ユーザ端末10のCPU11が以下の機能を担う。すなわち、CPU11は、ユーザ端末10を操作し得ることを決定する操作決定手段としての機能を有する。なお、サポータは、サポータ端末20を介して操作を行い、且つ、サポータは、許可された範囲内にてユーザ端末10の操作を行う。また、サポータ端末20によりユーザ端末10を操作し得る操作内容を決定する操作内容決定手段としての機能を有する。このようにして、ユーザ端末10のCPU11は、操作内容の範囲内で、サポータ端末20がユーザ端末10を操作することを許容する。
【0056】
図6は、ユーザ端末10がサポータ端末20を設定する手順を示すシーケンス図である。なお、図6における「アプリ」とは、買物支援プログラムまたはそれに関連するプログラムにより動作するアプリケーションを示す。また、サポートユーザコードとは、サポータがサポータ端末20を介して、買物支援プログラムによるアプリを動作させるために必要な識別情報である。また、以下の説明において、ユーザ端末10の動作は、すべて買物支援プログラムに基づくCPU11の制御に基づいて行われることとする。
【0057】
サポータ設定における処理は、図6の例に示すように行われる。ユーザ端末10は、ユーザからサポートユーザコードの発行指令を受ける(S101)。ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43にサポートユーザコードの発行依頼を行う(S102)。ユーザ端末10は、S102の依頼に対応した登録情報管理サーバ43から、サポートユーザコードを受信する(S103)と、その旨をユーザへ通知する(S104)。ユーザは、サポータに対し、ユーザ端末10等を利用して、サポートユーザコードを伝える(S105)。ユーザ端末10は、サポータがサポータ端末20へのサポータユーザコードを入力すること(S106)に対応して登録情報管理サーバ43が承認(S107)したことを受信する(S108)。ユーザ端末10は、ユーザへ承認するかを確認し(S109)、ユーザから承認を得る(S110)。ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43に対して、承認の完了を通知する(S111)。これにより、登録情報管理サーバ43からサポータ端末20やサポータへ向けて報告がされ(S112、S113)、サポータ端末20のユーザ端末10との紐づけが完了する。
【0058】
次に、サポータ端末20を決定した場合に、サポータ端末20がユーザ端末10を操作し得る操作内容を決定する手順を説明する。図7は、サポータ端末20によりユーザ端末10を操作し得る操作内容を決定するシーケンス図である。
【0059】
操作内容の設定(権限設定)における処理は、図7の例に示すように行われる。ユーザ端末10は、権限設定として、本実施形態では、「オフ」「参照のみ」「操作」のいずれかの依頼をユーザから受け付ける(S201)。ユーザ端末10は、サポータ端末20の表示部24にそれを反映させるように、登録情報管理サーバ43に依頼する(S202)。権限設定が「操作」である場合は、登録情報管理サーバ43からサポータ端末20に対して、権限設定が「操作」の場合の表示に切替えることを依頼する(S203)。すると、サポータ端末20からユーザ端末10の参照が可能であるとともに、操作も可能な画面が表示される(S204)。
【0060】
一方、権限設定が「オフ」である場合は、登録情報管理サーバ43からサポータ端末20に対して、権限設定が「オフ」の場合の表示に切替えることを依頼する(S213)。すると、サポータ端末20からユーザ端末10の参照が全て操作不能であることが視認できる表示となり、参照や操作が不可能な画面が表示される(S214)。なお、操作不能であることが視認できる表示としても、視認はしづらいものの参照自体は可能である表示を用いてもよい。また、権限設定が「参照のみ」である場合は、登録情報管理サーバ43からサポータ端末20に対して、権限設定が「参照のみ」の場合の表示に切替えることを依頼する(S223)。すると、サポータ端末20からユーザ端末10を参照することはできるものの、操作部分が操作不能であることが視認できる表示となり、操作が不可能な画面が表示される(S224)。なお、操作不能であることが視認できる表示として、視認はしづらいものの、参照は可能である表示を用いてもよい。なお、操作不能であることが視認できる表示としては、グレーアウト表示などがあるが、これに限るものではない。
【0061】
サポータ端末20に、ユーザ端末10の操作が許容された場合の流れは以下の通りである。サポータがサポータ端末20を操作する(S205)と、操作依頼が、サポータ端末20から登録情報管理サーバ43に通知される(S206)。ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43からの操作依頼を受信する(S207)。ユーザ端末10は、ユーザに対して操作したことを通知する(S208)。ユーザが承認(S209)をすると、承認完了報告が、登録情報管理サーバ43やサポータ端末20を介してサポータに通知される(S210、S211、S212)。
【0062】
ユーザ端末10がサポータ端末20からへ承認する操作内容は、例えば、以下のものがある。ユーザ端末10に関する操作としては、残高チャージを行う操作、利用履歴の閲覧操作、がある。また、ユーザ端末10と連携した決済カード30に関する操作としては、決済カード30の使用の一時停止の操作、決済カード30の使用再開の操作、である。また、決済カード30の紛失に関する操作としては、決済カード30紛失の通知をサポータ端末20に行なう操作、ユーザ端末10と決済カード30との接続が切れてカードが停止された旨を表示する操作、決済カード30の紛失場所の確認操作、などである。決済カード30の紛失については後に詳述する。また、利用者が継続して買物をすることが困難となった場合に、買物支援プログラムの使用停止を申請する操作、などである。なお、上述の操作内容は一例であり、サポータ端末20がユーザ端末10に行うことができる操作内容は、上述のものに限られない。
【0063】
また、サポータ端末20がユーザ端末10と紐づけられた後は、サポータがユーザの使用制限を設定することもできる。例えば、ユーザが買物対象物を購入する購入店舗があるエリア内にある場合、サポータが、ユーザが買物ができる範囲を制限してもよい。ユーザ端末10のCPU11は、サポータ端末20からの使用可能エリア設定に応じて、ユーザ端末10の買物支援プログラムの使用を停止する。具体的には、CPU11は、位置情報取得部17を用いてユーザ端末10の現在位置と使用可能エリアの位置とを比較して、使用可能か否かを判断する。使用可能エリア外であれば、使用を停止し、使用可能エリア内であれば、使用を許可する。これにより、ユーザ端末10の買物支援プログラムは、購入店舗があるエリア内でのみ動作する。また、使用可能エリアは、登録情報管理サーバ43に登録される。
【0064】
図8を用いて、サポータ端末20を決定した場合に、サポータ端末20がユーザ端末10による買物支援プログラムの使用可能エリアを制限する手順を説明する。図8は、サポータ端末20によりユーザ端末10を操作し得る操作範囲を決定するシーケンス図である。なお、使用制限の判断は、ユーザ端末10のCPU11が行う。
【0065】
操作範囲の設定(使用エリアの設定)における処理は、図8の例に示すように行われる。ユーザ端末10は、サポータ端末20が設定した使用可能エリア(S301)を、登録情報管理サーバ43の登録を介して(S302)、受信する(S303)。ユーザ端末10は、位置情報取得部17を用いてユーザ端末10の現在位置等の位置情報を定期的に取得する(S304)。
【0066】
ユーザ端末10が使用可能エリア外にいる場合、ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43へ使用制限を依頼し(S305)、登録情報管理サーバ43からの使用制限の表示内容変更の指示を受付ける(S306)。引き続き、ユーザ端末10は、ユーザ端末10の現在位置等の位置情報を定期的に取得する(S307)。ユーザが移動し、ユーザ端末10が使用可能エリア内に入った場合、ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43へ使用制限の解除を依頼する(S308)。ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43からの使用制限が解除された(または使用が許可された)との表示への、表示内容変更の指示を受付ける(S309)。なお、S306やS309において表示内容の変更の指示を受付けた場合、登録情報管理サーバ43は、サポータ端末20を介してサポータに対して、ユーザ端末10の表示内容について通知をしてもよい(S310、S311、S312、S313)。
【0067】
なお、ユーザ端末10の使用可能エリアの設定は、必ずしもサポータ端末20から行う必要はない。サポータ設定機能の一つではないが、使用可能エリアの設定に関する変形例として、ユーザ端末10から使用可能エリアの設定が可能となる例を説明する。図9は、ユーザ端末10自身によりユーザ端末10を操作し得る操作範囲を決定するシーケンス図である。
【0068】
操作範囲の設定(使用エリアの設定)における処理は、図9の例に示すように行われる。ユーザ端末10は、使用可能エリアを、ユーザから受信する(S401)。ユーザ端末10は、登録情報管理サーバ43に使用可能エリアを送信する(S402)。ユーザ端末10は、位置情報取得部17を用いてユーザ端末10の現在位置等の位置情報を定期的に取得する(S403)。S403~S408の処理は、上述のS304~S309の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0069】
<通知機能>
ユーザ端末10のユーザが、購入前買物リスト50aを作成したにもかかわらず、買物をすることを忘れてしまうおそれがある。この場合、ユーザ端末10は、購入前買物リスト50aの購入店舗表示欄51aに記載されている購入店舗の近くをユーザが通ったときに、ユーザに、購入前買物リスト50aが存在することを通知する。これが通知機能である。すなわち、本実施形態において、購入前買物リスト50aの購入店舗表示欄51aは、買物対象物の購入場所を入力する場所入力手段として機能する。また、本実施形態のCPU11は、位置情報に基づいて通知を行う通知手段として機能する。通知の方法は、表示部14を用いて通知してもよいし、特定の音などその他の方法で通知してもよい。
【0070】
ユーザ端末10が、購入店舗の近くをユーザが通ったときに、ユーザに、購入前買物リスト50aが存在することを通知する構成をより詳しく説明する。ユーザ端末10は、位置情報取得部17を有するため、ユーザ端末10自身の位置情報を把握する。これとともに、CPU11は、GPS41を用いて、購入店舗の店舗名やユーザの情報から、購入店舗の場所(購入場所)を検索する。なお、購入場所の設定は、ユーザ自身が行うこととしてもよい。これにより、ユーザ端末10と購入場所とが所定の距離未満になった場合に、ユーザに対して、購入前買物リスト50aが存在することの通知を行う。これにより、ユーザの買い忘れを防止することができる。
【0071】
<決済端末連携機能>
ユーザ端末10は、決済用通信端末としての決済カード30と連携する。具体的には、決済カード30において決済に用いる情報が記録されている決済情報記録部31の内容は、上述のように、買物対象物がある店舗に備えられた決済用端末35によって読取られ、ネットワーク40を介して決済情報管理サーバ42に送信される。これにより、ユーザ端末10と決済カード30とが連携する。ここで、本実施形態におけるCPU11は、電子マネーを用いて決済の管理を行う決済管理サーバとの通信を行う決済情報通信手段としての機能を有する。この構成により、決済カード30を用いて買物をすると、決済情報記録部31を用いた買物情報が、ネットワーク40を通じて、CPU11に伝達される。
【0072】
上述の連携がなされると、ユーザ端末10において、ユーザがチャージした電子マネーの残高管理を行うことができる。本実施形態において、ユーザ端末10のCPU11は、決済情報通信手段を用いて前記電子マネーの残高を設定する残高設定手段としての機能を有する。ここで、CPU11は、買物を行う日におけるチャージ残高が設定値になるように設定する。例えば、1日に使う金額を所定の設定値にすると、毎日、残高が前記設定値になるように自動でチャージをする。なお、電子マネーの残高管理は、決済情報管理サーバ42により行われる。また、チャージ指示は、ユーザ端末10からの設定指示として、例えば毎日残高が所定の残高になるようにというような指示が行われた場合、設定内容を記録して毎日所定の残高になるように、決済情報管理サーバ42で動作するバッチ処理により行うこととしてもよい。これにより、買物を行う日に決済カード30にて買物をしようとすると、設定値よりも高額な買物をすることができない。よって、ユーザによる買いすぎを防止することができる。
【0073】
<紛失防止機能>
ユーザ端末10は、決済カード30との距離を把握することができる。具体的には、決済カード30に付帯する近距離無線通信器32からの無線通信を、ユーザ端末10の近距離無線通信部18が受信する。ユーザ端末10のCPU11は、近距離無線通信部18による無線通信の強度を把握する。ここで、CPU11は、近距離無線通信部18が無線信号を受信するか否かを把握する。また、近距離無線通信器32からの無線通信の強度が所定の強度よりも弱くなったこともしくは通信ができなくなったことにより、ユーザ端末10と決済カード30の距離が所定の距離以上となったと判断する。ここでの所定の距離とは、決済カード30の紛失の目安となる距離である。
【0074】
近距離無線通信部18が無線信号を受信しなかった場合、または近距離無線通信器32からの距離が所定の距離以上となった場合、CPU11は、ユーザ端末10に警告を通知する。ここで、本実施形態においては、近距離無線通信器32は、近距離無線通信を行う無線通信器の一例であり、近距離無線通信部18は、近距離無線通信器32からの無線信号を受信する無線信号受信手段の一例である。また、本実施形態におけるCPU11は、近距離無線通信器32からの無線信号の受信の有無及び近距離無線通信器32からの距離を最終的に判断する受信状況判断手段としての機能と、近距離無線通信器32に関する紛失防止のための警告を通知する警告通知手段としての機能を担う。
【0075】
これにより、決済カード30からの通信がない場合や、決済カード30がユーザ端末10から所定の距離以上離れた場合に、ユーザは、ユーザ端末10に通知される警告によって、決済カード30が手元にない可能性があることが確認できる。よって、決済カード30の紛失を防止することができる。なお、上記警告をサポータも受取可能に設定することで、サポータも決済カード30の紛失のおそれを把握することができる。
<決済停止機能または利用制限機能>
上述の連携がなされ且つ上述の紛失防止機能を用いると、決済カード30を紛失した可能性がある場合に警告がなされる。決済カード30は、決済用通信端末であるので、決済カード30を紛失すると、ユーザに経済的な不利益を被るおそれが生じる。
【0076】
近距離無線通信部18が無線信号を受信しなかった場合、または近距離無線通信器32からの距離が所定の距離以上となった場合、CPU11は、決済情報管理サーバ42に決済停止または利用制限(以下、「決済停止等」とする)の通知をする。ここで、利用制限とは、ユーザ端末10による利用金額の制限やユーザ端末10による利用場所の制限など、ユーザ端末10による何らかの利用制限を意味する。これに対応して、決済情報管理サーバ42は、決済停止の処理を行う。これにより、ユーザやサポータ以外の第三者の決済カード30の不正利用を早期に防止することができ、ユーザが経済的な不利益を被ることを防止することができる。
【0077】
なお、決済停止等の処理がなされた場合であっても、決済カード30の紛失状態から回復した場合、または、決済カード30とユーザ端末10との接続が再び確認された場合には、自動またはユーザ端末10への指令によって、決済情報管理サーバ42は、決済停止等の解除をする。これにより、無線通信の接続が悪い場合にいったん決済停止等がなされた場合であっても、決済停止等の解除がなされ、決済停止等の状態が続くことがない。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、購入前買物リスト50aが文字情報を用いて構成される一方で、購入後買物リスト50bを、画像情報GIと時刻情報TIとを紐づけて構成する。このように、購入後買物リスト50bを、時刻情報TIを紐づけた画像情報GIとすることで、購入対象物を購入したかどうかのみならず、購入した場合にいつ購入したかを容易に把握することができる。このため、買い忘れや重複購入を防止することができる。また、購入前買物リスト50aを構成する情報の種類(文字情報)と、購入後買物リスト50bを構成する情報の種類(画像情報GIと時刻情報TI)とが異なっている。このため、買物リスト50が購入前のものであるか、購入後のものであるかの見分けがつきやすい。このように、買物リスト50を作成することで、買い忘れや重複購入を防ぐことができ、ユーザが買物に関する行動をする場合における、買い忘れや重複購入という不都合を低減し得る。
【0079】
また、本実施形態によれば、ユーザによるユーザ端末10の操作を補助するため、設定した操作内容の範囲内で、サポータ端末20がユーザ端末10を操作することを許容する。このように、ユーザによるユーザ端末10の操作を、サポータがサポータ端末20を通じて補助することで、サポータがユーザの買物に関する行動の内容を把握することができる。すると、ユーザが、たとえ認知力が低下するなどして安心して買物ができないおそれがある場合であっても、サポータの補助により、ユーザは、安心して買物ができるようになる。
【0080】
また、本実施形態によれば、決済カード30からの無線信号をユーザ端末10が受信しなかった場合、またはユーザ端末10からの決済カード30の距離が所定の距離以上となった場合に、ユーザ端末10に警告を通知する。これにより、ユーザやサポータは、決済用通信端末としての決済カード30の紛失のおそれがあることを早期に知ることができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、決済カード30からの無線信号をユーザ端末10が受信しなかった場合、またはユーザ端末10からの決済カード30の距離が所定の距離以上となった場合に、決済情報管理サーバ42に決済停止または利用制限の通知をする。これにより、決済用通信端末としての決済カード30の紛失のおそれが生じた場合に、決済カード30を用いた決済を停止することで、決済カード30の第三者の不正利用を防止することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、ユーザ端末10は、買物対象物の購入場所の位置が所定の距離未満になった場合に、購入前買物リスト50aが存在することを通知する。これにより、ユーザがたとえ買物をすることを忘れてしまった場合であっても、ユーザが購入場所の近くを通ることで、買物することを思い出すことができる。これにより、ユーザの買い忘れを防止することができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、買物を行う日において残高が設定値になるように管理する。これにより、ユーザが買物をする場合に、残高不足で買物ができなくなることを防止することができる。一方で、設定値より高い買物をすることができなくなるため、ユーザによる買い過ぎをも防止することができる。
【0084】
本実施形態により、買物を楽しめない事情のあるユーザに寄り添い、ユーザの買物に関する行動を支援することができ、誰もが電子マネーを用いた買物の恩恵を受けることが可能となる。
【0085】
[その他の実施形態]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。特に、それぞれの実施形態や変形例の構成は、可能な範囲で相互に適用することができる。
【0086】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【符号の説明】
【0087】
10…ユーザ端末、11…CPU、13…入力部、14…表示部、16…画像取得部、17…位置情報取得部、18…近距離無線通信部、20…サポータ端末、30…決済カード、32…近距離無線通信器、50…買物リスト、50a…購入前買物リスト、50b…購入後買物リスト

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9