(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032033
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】情報配信処理の制御方法、計算機システム、および計算機
(51)【国際特許分類】
H04L 43/08 20220101AFI20230302BHJP
H04L 67/06 20220101ALI20230302BHJP
【FI】
H04L43/08
H04L67/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137894
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】片山 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 大介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 亮介
(57)【要約】
【課題】情報配信処理の失敗要因を特定し、作業者に情報配信処理の継続および中止の判断に有用な情報を提供する。
【解決手段】計算機システムは、複数のエッジ機器と接続し、複数のエッジ機器に対する情報配信処理の開始後、複数のエッジ機器の各々の状態を監視し、複数のエッジ機器の各々の状態の監視結果に基づいて、情報配信処理が失敗したエッジ機器および失敗要因を特定する処理を実行し、処理の結果に基づいて、情報配信処理の中止に関する操作内容を提示する。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエッジ機器と接続する計算機システムが実行する、前記エッジ機器に対する情報配信処理の制御方法であって、
前記計算機システムは、プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、および前記プロセッサに接続されるネットワークインタフェースを有する計算機を含み、
前記情報配信処理の制御方法は、
前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器に対する前記情報配信処理の開始後、前記複数のエッジ機器の各々の状態を監視する第1のステップと、
前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器の各々の状態の監視結果に基づいて、前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器および失敗要因を特定する第1処理を実行する第2のステップと、
前記プロセッサが、前記第1処理の結果に基づいて、前記情報配信処理の中止に関する操作内容を提示する第3のステップと、を含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報配信処理の制御方法であって、
前記失敗要因は、前記エッジ機器固有の要因である第1失敗要因、および前記複数のエッジ機器に共通する要因である第2失敗要因を含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報配信処理の制御方法であって、
前記第2のステップは、
前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器から、前記エッジ機器の通信品質を示す指標、および前記エッジ機器の負荷を示す指標の少なくともいずれかを評価指標として取得するステップと、
前記プロセッサが、前記評価指標を用いて、前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器の失敗要因を特定するステップと、を含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報配信処理の制御方法であって、
前記第1のステップは、前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器の各々からの応答の有無を監視するステップを含み、
前記第2のステップは、前記プロセッサが、応答がない前記エッジ機器を前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器として特定するステップを含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項5】
請求項3に記載の情報配信制御方法であって、
前記複数のエッジ機器から前記情報配信の進捗状態を示すメトリックの正解値を管理し、
前記第1のステップは、前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器から前記メトリックを取得するステップを含み、
前記第2のステップは、前記プロセッサが、期間内に、取得された前記メトリックが正解値と一致しなかった前記エッジ機器を前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器として特定するステップを含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項6】
請求項3に記載の情報配信処理の制御方法であって、
前記第3のステップは、
前記プロセッサが、前記第1失敗要因で前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器が存在する場合、当該エッジ機器の前記情報配信処理の中止を推奨する提示を行うステップと、
前記プロセッサが、前記第2失敗要因で前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器が存在する場合、前記複数のエッジ機器の前記情報配信処理の中止を推奨する提示を行うステップと、を含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報配信処理の制御方法であって、
前記情報配信処理は、前記複数のエッジ機器から構成されるグループ単位で実行され、
前記第3のステップは、前記プロセッサが、前記第1失敗要因で前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器が存在する場合、当該エッジ機器の前記情報配信処理の中止、および、当該エッジ機器を含む前記グループに所属する前記複数のエッジ機器の前記情報配信処理の中止の少なくともいずれかを推奨する提示を行うステップを含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項8】
請求項2に記載の情報配信処理の制御方法であって、
前記プロセッサが、前記情報配信の開始前に、前記複数のエッジ機器の帯域を計測するステップと、
前記プロセッサが、前記帯域と閾値との比較の結果に基づいて、前記情報配信処理が失敗する可能性がある前記エッジ機器を特定する第2処理を実行するステップと、
前記プロセッサが、前記第2処理の結果に基づいて、前記情報配信処理の中止に関する操作内容を提示するステップと、を含むことを特徴とする情報配信処理の制御方法。
【請求項9】
情報配信処理が実行される、複数のエッジ機器と接続する計算機システムであって、
プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、および前記プロセッサに接続されるネットワークインタフェースを有する計算機を備え、
前記プロセッサは、
前記複数のエッジ機器に対する前記情報配信処理の開始後、前記複数のエッジ機器の各々の状態を監視し、
前記複数のエッジ機器の各々の状態の監視結果に基づいて、前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器および失敗要因を特定する第1処理を実行し、
前記第1処理の結果に基づいて、前記情報配信処理の中止に関する操作内容を提示し、
前記失敗要因は、前記エッジ機器固有の要因である第1失敗要因、および前記複数のエッジ機器に共通する要因である第2失敗要因を含むことを特徴とする計算機システム。
【請求項10】
請求項9に記載の計算機システムであって、
前記プロセッサは、
前記複数のエッジ機器から、前記エッジ機器の通信品質を示す指標、および前記エッジ機器の負荷を示す指標の少なくともいずれかを評価指標として取得し、
前記評価指標を用いて、前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器の失敗要因を特定することを特徴とする計算機システム。
【請求項11】
請求項9に記載の計算機システムであって、
前記プロセッサは、
前記複数のエッジ機器の各々からの応答の有無を監視し、
応答がない前記エッジ機器を前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器として特定することを特徴とする計算機システム。
【請求項12】
請求項9に記載の計算機システムであって、
前記複数のエッジ機器から前記情報配信の進捗状態を示すメトリックの正解値を管理し、
前記プロセッサは、
前記複数のエッジ機器から前記メトリックを取得し、
期間内に、取得された前記メトリックが正解値と一致しなかった前記エッジ機器を前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器として特定することを特徴とする計算機システム。
【請求項13】
請求項9に記載の計算機システムであって、
前記プロセッサは、
前記第1失敗要因で前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器が存在する場合、当該エッジ機器の前記情報配信処理の中止を推奨する提示を行い、
前記第2失敗要因で前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器が存在する場合、前記複数のエッジ機器の前記情報配信処理の中止を推奨する提示を行うことを特徴とする計算機システム。
【請求項14】
請求項9に記載の計算機システムであって、
前記プロセッサは、
前記情報配信の開始前に、前記複数のエッジ機器の帯域を計測し、
前記帯域と閾値との比較の結果に基づいて、前記情報配信処理が失敗する可能性がある前記エッジ機器を特定する第2処理を実行し、
前記第2処理の結果に基づいて、前記情報配信処理の中止に関する操作内容を提示することを特徴とする計算機システム。
【請求項15】
情報配信処理が実行される、複数のエッジ機器と接続する計算機であって、
プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、および前記プロセッサに接続されるネットワークインタフェースを備え、
前記プロセッサは、
前記複数のエッジ機器に対する前記情報配信処理の開始後、前記複数のエッジ機器の各々の状態を監視し、
前記複数のエッジ機器の各々の状態の監視結果に基づいて、前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器および失敗要因を特定する処理を実行し、
前記処理の結果に基づいて、前記情報配信処理の中止に関する操作内容を提示し、
前記失敗要因は、前記エッジ機器固有の要因である第1失敗要因、および前記複数のエッジ機器に共通する要因である第2失敗要因を含むことを特徴とする計算機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジ機器に対する情報の配信を制御する方法、システム、および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、工場機器、鉄道車両、および自動車等のエッジ機器のデジタル化の進展に伴って、ネットワークを介してエッジ機器にソフトウェア、情報コンテンツ、アプリケーション、および機能等の情報の配信/配備が行われる。以下の説明では、ネットワークを介したエッジ機器に対する情報の配信/配備を情報配信と記載する。
【0003】
情報配信の失敗に対応する技術として特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、「ファームウェアの更新処理を、複数のIoT機器を区分する複数のグループ間にて互いに異なるタイミングにて実行する。そして、ウェア更新処理に失敗したグループが発生した場合は、ファームウェア未更新の残余のグループに対するファームウェア更新処理の実行を制限する」ファームウェア更新システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
情報配信の一連の処理、すなわち配信シーケンスを、複数のエッジ機器に対して一括して行うことによって、作業者の工数を抑えながら、大量のエッジ機器への情報配信が可能となる。例えば、作業者は、複数のエッジ機器への配信シーケンス開始操作を一度に行うことができる。また、例えば、ソフトウェアのエッジ機器へのインストール等に伴って作業者の承認が必要な場合、作業者は、複数のエッジ機器への承認操作を一度に行うことができる。
【0006】
しかし、上記の方式では、エッジ機器からソフトウェアのインストールの準備が完了した旨の通知が届かない場合、承認が行えず、配信シーケンスが失敗する。また、エッジ機器からソフトウェアのインストールが完了した旨の通知が届かない場合にも配信シーケンスが失敗する。配信シーケンスの失敗要因は様々存在する。例えば、通信帯域の逼迫、通信の切断、エッジ機器の負荷増大によるコマンド実行の失敗、ソフトウェアの不具合によるインストールの失敗等がある。
【0007】
配信シーケンスの失敗要因に関する情報は作業者にとって有益であり、作業者は、失敗要因に応じて配信シーケンスを継続および中止の判断を行うことができる。特許文献1では失敗要因は特定されていない。
【0008】
本発明の目的は、配信シーケンスの失敗要因を特定し、作業者に配信シーケンスの継続および中止の判断に有用な情報を提供する方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数のエッジ機器と接続する計算機システムが実行する、前記エッジ機器に対する情報配信処理の制御方法であって、前記計算機システムは、プロセッサ、前記プロセッサに接続される記憶装置、および前記プロセッサに接続されるネットワークインタフェースを有する計算機を含み、前記情報配信処理の制御方法は、前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器に対する前記情報配信処理の開始後、前記複数のエッジ機器の各々の状態を監視する第1のステップと、前記プロセッサが、前記複数のエッジ機器の各々の状態の監視結果に基づいて、前記情報配信処理が失敗した前記エッジ機器および失敗要因を特定する第1処理を実行する第2のステップと、前記プロセッサが、前記第1処理の結果に基づいて、前記情報配信処理の中止に関する操作内容を提示する第3のステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、配信シーケンスの失敗要因を特定し、作業者に配信シーケンスの継続および中止の判断に有用な情報を提供できる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1のシステムの構成例を示す図である。
【
図2】実施例1の配信制御装置の構成例を示す図である。
【
図3】実施例1のエッジ機器の構成例を示す図である。
【
図4】実施例1のメトリック正解値管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】実施例1のエッジ機器管理情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6A】実施例1のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図6B】実施例1のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図7】実施例1の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図8】実施例1の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図9】実施例1の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図10A】実施例1の作業者用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10B】実施例1の作業者用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図11】実施例1の配信制御装置が実行するメトリック確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図12】実施例2のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図13】実施例2の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図14】実施例2の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図15】実施例2の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図16】実施例2の作業者用端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図17】実施例3のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図18A】実施例3の配信制御装置が実行するメトリック確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図18B】実施例3の配信制御装置が実行するメトリック確認処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図19】実施例3の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図20】実施例3の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図21A】実施例4のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図21B】実施例4のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図22】実施例4の配信制御装置が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図23A】変形例のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【
図23B】変形例のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
【0013】
以下に説明する発明の構成において、同一または類似する構成または機能には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。
【0015】
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、および範囲等は、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、および範囲等を表していない場合がある。したがって、本発明では、図面等に開示された位置、大きさ、形状、および範囲等に限定されない。
【実施例0016】
図1は、実施例1のシステムの構成例を示す図である。
【0017】
システムは、配信制御装置101、エッジ機器102、配信サーバ103、および作業者用端末104から構成される。配信制御装置101、エッジ機器102、配信サーバ103、および作業者用端末104は、ネットワーク105を介して接続される。ネットワーク105は、WAN(Wide Area Network)およびLAN(Local Area Network)であり、接続方式は有線および無線のいずれでもよい。
【0018】
エッジ機器102は、情報配信を受ける機器であり、例えば、工場機器、鉄道車両、および自動車等である。配信制御装置101は、情報配信を制御する計算機である。配信サーバ103は、情報配信において、エッジ機器102に配信するソフトウェアおよび情報コンテンツ等を管理する計算機である。作業者用端末104は、情報配信を行う作業者が操作する端末である。作業者は、作業者用端末104を用いて、配信制御装置101を操作する。
【0019】
なお、配信サーバ103および配信制御装置101が有する機能は、複数の計算機から構成される計算機システムを用いて実現してもよい。また、配信サーバ103および配信制御装置101の各々の機能をいずれかの計算機にまとめてもよい。
【0020】
図2は、実施例1の配信制御装置101の構成例を示す図である。
【0021】
配信制御装置101は、プロセッサ201、ネットワークインタフェース202、主記憶装置203、および副記憶装置204を有する。各ハードウェア要素は内部バスを介して互いに接続される。
【0022】
配信制御装置101が有する機能は、プロセッサ201が主記憶装置203に格納されるプログラムを実行することによって実現される。以下で説明において、配信制御装置101を主語に処理を説明する場合、プロセッサ201がプログラムを実行していることを示す。
【0023】
ネットワークインタフェース202は、ネットワークを介して外部装置と通信する。
【0024】
主記憶装置203は、メモリ等の記憶装置であり、プロセッサ201が実行するプログラムおよびプログラムが使用する情報を格納する。また、主記憶装置203は、ワークエリアとしても用いられる。
【0025】
副記憶装置204は、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等の記憶装置であり、データを永続的に格納する。主記憶装置203に格納されるプログラムおよび情報は、副記憶装置204に格納されてもよい。この場合、プロセッサ201が副記憶装置204からプログラムおよび情報を読み出し、主記憶装置203にロードする。
【0026】
主記憶装置203は、中止判定プログラム211、メトリック確認プログラム212、メトリック正解値管理情報221、およびエッジ機器管理情報222を格納する。メトリック正解値管理情報221およびエッジ機器管理情報222のデータ構造、ならびにプログラムによって実現される処理については後述する。
【0027】
配信サーバ103および作業者用端末104のハードウェア構成は、配信制御装置101と同一であるため、説明は省略する。
【0028】
図3は、実施例1のエッジ機器102の構成例を示す図である。
【0029】
エッジ機器102は、プロセッサ301、ネットワークインタフェース302、主記憶装置303、および副記憶装置304を有する。各ハードウェア要素は内部バスを介して互いに接続される。なお、エッジ機器102は、駆動装置等、図示しないハードウェア要素を含んでもよい。
【0030】
プロセッサ301、ネットワークインタフェース302、主記憶装置303、および副記憶装置304は、プロセッサ201、ネットワークインタフェース202、主記憶装置203、および副記憶装置204と同一のハードウェアである。
【0031】
エッジ機器102が有する機能は、プロセッサ301が主記憶装置303に格納されるプログラムを実行することによって実現される。以下で説明において、エッジ機器102を主語に処理を説明する場合、プロセッサ301がプログラムを実行していることを示す。
【0032】
主記憶装置303は、コマンド実行プログラム311およびメトリック送信プログラム312を格納する。
【0033】
図4は、実施例1のメトリック正解値管理情報221のデータ構造の一例を示す図である。
【0034】
メトリック正解値管理情報221は、テーブル形式の情報であり、メトリック種別401および正解値402を含むエントリを格納する。一つのエントリが一つのメトリック種別に対応する。なお、エントリに含まれるフィールドは前述したものに限定されない。
【0035】
メトリック種別401は、情報配信の進捗状態を示すメトリックの種別を格納するフィールドである。
図4に示すメトリック正解値管理情報221には、情報コンテンツの取得率および情報コンテンツのバージョンの二つのメトリック種別のエントリが格納される。
【0036】
正解値402は、メトリック種別に対応するメトリックの正解値を格納するフィールドである。情報コンテンツの取得率に対応するエントリの正解値402には100%が格納され、情報コンテンツのバージョンに対応するエントリの正解値402には2.0が格納される。
【0037】
図5は、実施例1のエッジ機器管理情報222のデータ構造の一例を示す図である。
【0038】
エッジ機器管理情報222は、テーブル形式の情報であり、エッジ機器ID501、配信シーケンス実行結果502、不良指標503、およびグループID504を含むエントリを格納する。一つのエントリが一つのエッジ機器102に対応する。なお、エントリに含まれるフィールドは前述したものに限定されない。
【0039】
エッジ機器ID501は、エッジ機器102の識別情報を格納するフィールドである。
【0040】
配信シーケンス実行結果502は、エッジ機器102に対する配信シーケンスの実行結果を格納するフィールドである。配信シーケンス実行結果502には、配信シーケンスが成功したことを示す「成功」および配信シーケンスが失敗したことを示す「失敗」のいずれかが格納される。
【0041】
不良指標503は、判定に用いた指標に関する情報を格納するフィールドである。例えば、通信に関する指標の場合、不良指標503には「接続状態」が格納され、負荷に関する指標の場合、不良指標503には「負荷」が格納される。
【0042】
グループID504は、配信シーケンスの実行単位であるグループの識別情報を格納するフィールドである。作業者が予めグループを設定している場合、グループID504にはグループの識別情報が格納される。
【0043】
なお、グループの識別情報の代わりに、ファームウェアのバージョン、または、エッジ機器の種別等が格納されてもよい。この場合、ファームウェアまたは種別が同一のエッジ機器102を要素とするグループが構成される。
【0044】
図6Aおよび
図6Bは、実施例1のシステムにおける処理の流れを説明するシーケンス図である。
【0045】
作業者は、作業者用端末104を用いて、配信制御装置101に配信シーケンス登録要求を送信する(ステップS601)。例えば、作業者は、配信シーケンス登録要求を送信することによって、配信シーケンスを構成するフェーズ群、作業者の承認を必要とするフェーズ、エッジ機器102が送信するメトリック、各フェーズでエッジ機器102が実行するコマンド、メトリックの正解値、ならびに、インストールするソフトウェア、情報コンテンツ、およびアプリケーションコンテナ等の必要資材を設定する。
【0046】
作業者は、作業者用端末104を用いて、配信制御装置101に配信シーケンス開始指示を送信する(ステップS602)。
【0047】
配信制御装置101は、配信シーケンス開始指示を受信した場合、配信シーケンスを開始する。ステップS603からステップS624までの処理が配信シーケンスである。まず、配信制御装置101は、エッジ機器102に対してファイルを配布し、また、ステータス更新要求を送信する(ステップS603)。また、配信制御装置101は、中止判定処理を開始する(ステップS604)。エッジ機器102には、ファイルを介して、配信シーケンスを構成するフェーズ群、送信するメトリック、各フェーズでエッジ機器102が実行するコマンド、および必要資材等が通知される。
【0048】
エッジ機器102は、ファイル配布およびステータス更新要求に対して、配信制御装置101にステータス更新応答を送信する(ステップS605)。
【0049】
本実施例では、配信制御装置101は、エッジ機器(A)102からのステータス更新応答を受信できたが、エッジ機器(B)102からのステータス更新応答を受信できなかったものとする。ステータス更新応答を受信できなかった要因としては、ファイル/ステータス更新要求の欠落、およびステータス更新応答の欠落等が考えられる。
【0050】
配信制御装置101は、中止判定処理では、ステータス更新応答の受信状態に基づいて配信シーケンスの成否を判定し、また、失敗要因を特定する。ここで、中止判定処理の詳細について説明する。
図7、
図8、および
図9は、実施例1の配信制御装置101が実行する中止判定処理の一例を説明するフローチャートである。中止判定処理は、中止判定プログラム211を実行するプロセッサ201によって行われる。
【0051】
まず、
図7に示す中止判定処理について説明する。
図7に示す中止判定処理は、エッジ機器102ごとに実行される。
図7に示す中止判定処理では、エッジ機器102からのステータス更新応答の有無に基づいて、配信シーケンスの成否が判定され、エッジ機器102から取得される評価指標(接続状態指標および負荷指標)に基づいて、失敗要因が特定される。
【0052】
配信制御装置101は、所定期間内にエッジ機器102からステータス更新応答を受信したか否かを判定する(ステップS701)。
【0053】
所定期間内にエッジ機器102からステータス更新応答を受信した場合(ステップS701がYES)、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「成功」を設定する。
【0054】
所定期間内にエッジ機器102からステータス更新応答を受信していない場合(ステップS701がNO)、配信制御装置101は、配信シーケンスの失敗と判定し、失敗要因を特定する。まず、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好であるか否かを判定する(ステップS702)。具体的には、以下のような処理が実行される。
【0055】
(S702-1)配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態を評価する指標(接続状態指標)を算出する。
【0056】
例えば、エッジ機器102が周期的に配信制御装置101にKeep Aliveメッセージを送信している場合、配信制御装置101は、当該メッセージの受信の有無を接続状態指標として算出する。例えば、エッジ機器102が通信品質を示す指標を計測している場合、エッジ機器102は、最新の指標または指標の平均値等を接続状態指標として算出する。
【0057】
(S702-2)配信制御装置101は、接続状態指標に基づいて、エッジ機器102の接続状態を判定する。
【0058】
例えば、最新のKeep Aliveメッセージを受信している場合、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好である、と判定する。例えば、最新の通信品質の指標が閾値より大きい場合、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好である、と判定する。
【0059】
以上がステップS702の処理の説明である。
【0060】
エッジ機器102の接続状態が良好でない場合(ステップS702がNO)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS703)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
【0061】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「接続状態」を設定する。
【0062】
エッジ機器102の接続状態が良好である場合(ステップS702がYES)、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷が高いか否かを判定する(ステップS704)。
【0063】
具体的には、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷を評価する指標(負荷指標)を算出し、負荷指標に基づいて、エッジ機器102の負荷が高いか否かを判定する。例えば、配信制御装置101は、周期的に、エッジ機器102からプロセッサ301の使用率を取得し、最新の使用率または使用率の平均値等を負荷指標として算出する。プロセッサ301の使用率が閾値より大きい場合、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷が高い、と判定する。
【0064】
エッジ機器102の負荷が高くない場合(ステップS704がNO)、配信制御装置101は、要因「その他」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS705)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
【0065】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「その他」を設定する。
【0066】
エッジ機器102の負荷が高い場合(ステップS704がYES)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS706)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
【0067】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「負荷」を設定する。
【0068】
配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の接続状態が不良の場合、または負荷が高い場合、エッジ機器102固有の要因によって配信シーケンスの失敗が生じたものとして中止対象リストに記録される。また、接続状態が良好かつ負荷が低い場合、エッジ機器102固有の要因以外の要因によって配信シーケンスの失敗が生じたものとして中止対象リストに登録される。
【0069】
全てのエッジ機器102について中止判定処理が終了した後、配信制御装置101は、中止対象リストに基づいて、作業者に提示する推奨操作を決定する。例えば、以下のような推奨操作が考えられる。
【0070】
(1)エッジ機器102固有の要因によって配信シーケンスが失敗したエッジ機器102が存在する場合、配信制御装置101は、当該エッジ機器102の配信シーケンスの中止を作業者に提案する。この場合、他のエッジ機器102の配信シーケンスは継続する。
【0071】
(2)エッジ機器102固有の要因以外の要因で配信シーケンスが失敗したエッジ機器102が存在する場合、他のエッジ機器102にも配信シーケンスの失敗が生じる可能性がある。そこで、配信制御装置101は、グループまたは全体の配信シーケンスの中止を作業者に提案する。
【0072】
(3)配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の要因が混在する場合、配信制御装置101は、各要因に属するエッジ機器102の比率に基づいて推奨操作を決定する。例えば、要因「その他」に属するエッジ機器102の比率が高い場合、配信制御装置101は、グループまたは全体の配信シーケンスの中止を作業者に提案する。
【0073】
このように、配信シーケンスの失敗要因とともに、推奨する操作を提案することによって、配信シーケンスの効率的な制御を実現できる。これによって、配信シーケンスの制御に要する作業者の工数および作業時間を削減することができる。
【0074】
次に、
図8に示す中止判定処理について説明する。
図8に示す中止判定処理は、エッジ機器102ごとに実行される。
図8に示す中止判定処理では、エッジ機器102からのステータス更新応答の有無に基づいて、配信シーケンスの成否が判定され、複数のエッジ機器102から取得される評価指標に基づいて失敗要因が特定される。
【0075】
配信制御装置101は、各エッジ機器102から取得したプロセッサ301の使用率等の負荷指標を用いて、負荷指標の代表値を算出する(ステップS801)。
【0076】
負荷指標の代表値は、負荷指標の平均値、中央値、またはxパーセント値(x-パーセンタイル)(例えば、xは90)等である。
【0077】
配信制御装置101は、各エッジ機器102の接続状態指標を用いて、接続状態指標の代表値を算出する(ステップS802)。
【0078】
例えば、配信制御装置101は、一定期間内に各エッジ機器102から送信されるKeep Aliveメッセージの受信回数、または、通信品質等の接続状態指標を用いて、接続状態指標の代表値を算出する。接続状態指標の代表値は、接続状態指標の平均値、中央値、またはxパーセント値(x-パーセンタイル)(例えば、xは90)等である。
【0079】
配信制御装置101は、所定期間内にエッジ機器102からステータス更新応答を受信したか否かを判定する(ステップS803)。ステップS803の処理はステップS701の処理と同一である。
【0080】
所定期間内にエッジ機器102からステータス更新応答を受信した場合(ステップS803がYES)、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「成功」を設定する。
【0081】
所定期間内にエッジ機器102からステータス更新応答を受信していない場合(ステップS803がNO)、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好であるか否かを判定する(ステップS804)。具体的には、以下のような処理が実行される。
【0082】
(S804-1)配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態指標を算出する。
【0083】
例えば、エッジ機器102が周期的に配信制御装置101にKeep Aliveメッセージを送信している場合、配信制御装置101は、一定期間内の当該メッセージの受信回数等を接続状態指標として算出する。例えば、エッジ機器102が通信品質を示す指標を計測している場合、エッジ機器102は、最新の当該指標または当該指標の平均値等を接続状態指標として算出する。
【0084】
(S804-2)配信制御装置101は、接続状態指標および接続状態指標の代表値との比較結果に基づいて、エッジ機器102の接続状態を判定する。
【0085】
例えば、一定期間内に受信したKeep Aliveメッセージの受信回数が接続状態指標の代表値以上の場合、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好である、と判定する。例えば、接続状態指標が接続状態指標の代表値以上の場合、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好である、と判定する。
【0086】
エッジ機器102の接続状態が良好でない場合(ステップS804がNO)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS805)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
【0087】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「接続状態」を設定する。
【0088】
エッジ機器102の接続状態が良好である場合(ステップS804がYES)、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷が高いか否かを判定する(ステップS806)。
【0089】
具体的には、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷指標を算出し、負荷指標および負荷指標の代表値の比較結果に基づいて、エッジ機器102の負荷が高いか否かを判定する。
【0090】
例えば、配信制御装置101は、周期的に、エッジ機器102からプロセッサ301の使用率を取得し、最新の使用率または使用率の平均値等を負荷指標として算出する。プロセッサ301の使用率が負荷指標の代表値以上の場合、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷が高い、と判定する。
【0091】
エッジ機器102の負荷が高くない場合(ステップS806がNO)、配信制御装置101は、要因「その他」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS807)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
【0092】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「その他」を設定する。
【0093】
エッジ機器102の負荷が高い場合(ステップS806がYES)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS808)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
【0094】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「負荷」を設定する。
【0095】
全てのエッジ機器102について中止判定処理が終了した後、配信制御装置101は、中止対象リストに基づいて、作業者に提示する推奨操作を決定する。推奨操作の決定方法は
図7で説明した方法と同一である。
【0096】
エッジ機器102の評価指標と、評価指標の代表値との比較結果に基づいて、エッジ機器102の接続状態および負荷を判定することによって、エッジ機器102を相対的に評価できる。例えば、他のエッジ機器102と比較して、極端に接続状態が悪い、または、極端に負荷が高いエッジ機器102については機器特有の要因として記録する。
【0097】
次に、
図9に示す中止判定処理について説明する。
図9に示す中止判定処理は、全エッジ機器102に対して1回実行される。
図9に示す中止判定処理では、各エッジ機器102から取得される評価指標の代表値と閾値との比較結果に基づいて失敗要因が特定される。
【0098】
配信制御装置101は、負荷指標の代表値を算出し(ステップS901)、また、接続状態指標の代表値を算出する(ステップS902)。ステップS901およびステップS902の処理は、ステップS801およびステップS802の処理と同一である。
【0099】
配信制御装置101は、所定期間内にステータス更新応答を受信していないエッジ機器102が存在するか否かを判定する(ステップS903)。すなわち、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102が存在するか否かが判定される。
【0100】
所定期間内にステータス更新応答を受信していないエッジ機器102が存在しない場合(ステップS903がNO)、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の各エッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「成功」を設定する。
【0101】
所定期間内にステータス更新応答を受信していないエッジ機器102が存在する場合(ステップS903がYES)、配信制御装置101は、接続状態指標の代表値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS904)。
【0102】
接続状態指標の代表値が閾値より小さい場合(ステップS904がNO)、配信制御装置101は、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の数だけ、要因「共通」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS905)。その後、配信制御装置101はステップS909に進む。
【0103】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の、中止対象リストに登録されたエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「接続状態」を設定する。
【0104】
接続状態指標の代表値が閾値以上である場合(ステップS904がYES)、配信制御装置101は、負荷指標の代表値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS906)。
【0105】
負荷指標の代表値が閾値以上である場合(ステップS906がYES)、配信制御装置101は、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の数だけ、要因「共通」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS907)。その後、配信制御装置101はステップS909に進む。
【0106】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の、中止対象リストに登録されたエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「負荷」を設定する。
【0107】
負荷指標の代表値が閾値より小さい場合(ステップS906がNO)、配信制御装置101は、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の数だけ、要因「その他」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS908)。その後、配信制御装置101はステップS909に進む。
【0108】
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の、中止対象リストに登録されたエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「その他」を設定する。
【0109】
ステップS909では、配信制御装置101は、中止対象リストに基づいて、作業者に提示する推奨操作を決定する(ステップS909)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。例えば、以下のような推奨操作が考えられる。
【0110】
(1)要因が「共通」であるエッジ機器102が存在する場合、配信制御装置101は、グループまたは全体の配信シーケンスの中止を作業者に提案する。
【0111】
(2)要因が「その他」であるエッジ機器102が存在する場合、配信制御装置101は、当該エッジ機器102の配信シーケンスの中止を作業者に提案する。この場合、他のエッジ機器102の配信シーケンスは継続する。
【0112】
(3)配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の要因が混在する場合、配信制御装置101は、各要因に属するエッジ機器102の比率に基づいて推奨操作を決定する。例えば、要因「その他」に属するエッジ機器102の比率が高い場合、配信制御装置101は、グループまたは全体の配信シーケンスの中止を作業者に提案する。
【0113】
評価指標の代表値と、閾値との比較結果に基づいて、エッジ機器102の接続状態および負荷を判定することによって、システム全体を評価できる。また、
図9に示す中止判定処理は、
図7および
図8に示すようなエッジ機器102単位の処理より計算量を削減できる。
【0114】
以上が中止判定処理の説明である。
図6Aの説明に戻る。
【0115】
配信制御装置101は、作業者用端末104に中止判定処理の結果を送信する(ステップS606)。当該結果には、エッジ機器管理情報222、推奨操作、および中止対象リスト等が含まれる。
【0116】
作業者用端末104は、中止判定処理の結果に基づいて画面を提示し、作業者の中止操作を受け付ける。ここで、作業者に提示される画面について説明する。
図10Aおよび
図10Bは、実施例1の作業者用端末104に表示される画面の一例を示す図である。
【0117】
画面1000は、表示欄1001、1002、1003および選択欄1004を含む。
【0118】
表示欄1001は、各エッジ機器102の配信シーケンスの実行結果を表示する欄である。表示欄1001には、エッジ機器管理情報222に基づいて生成されるテーブル1010が表示される。
【0119】
表示欄1002は、特定された失敗要因を表示する欄である。表示欄1002には、特定された失敗要因の種別および数が表示される。作業者用端末104は、中止対象リストに基づいて表示欄1002への表示を行う。
【0120】
表示欄1003は、配信制御装置101が決定した推奨操作を表示する欄である。
【0121】
選択欄1004は、失敗した配信シーケンスに対する操作を選択するための欄である。選択欄1004には、操作を選択するためのボタンが表示される。作業者は、表示欄1001、1002、1003を参照し、選択欄1004に表示されるいずれかのボタンを押下することによって、配信シーケンスの中止を指示する。
【0122】
図10Aの選択欄1004には、失敗したエッジ機器102の配信シーケンスを中止する操作、全てのエッジ機器102の配信シーケンスを中止する操作、および待機を実現するボタンが表示される。待機は一定時間待機した後、再度中止判定処理を実行させるための操作である。
図10Bの選択欄1004には、さらに、失敗したエッジ機器102を含むグループに所属するエッジ機器102の配信シーケンスを中止する操作を実現するボタンが表示される。
【0123】
【0124】
作業者は、作業者用端末104を用いて中止操作を行う(ステップS607)。具体的には、作業者は選択欄1004に表示されたいずれかのボタンを押下する。作業者用端末104は、中止操作に応じた中止要求を配信制御装置101に送信する(ステップS608)。中止要求には、押下されたボタンの情報が含まれる。
【0125】
配信制御装置101は、中止要求にしたがって中止対象のエッジ機器102を特定し、特定されたエッジ機器102に中止指示を送信する(ステップS609)。
【0126】
失敗したエッジ機器102の配信シーケンスの中止が選択された場合、配信制御装置10は、失敗したエッジ機器102のみに中止指示を送信する。全てのエッジ機器102の配信シーケンスの中止が選択された場合、配信制御装置101は、全てのエッジ機器102に中止指示を送信する。失敗したエッジ機器102を含むグループに所属するエッジ機器102の配信シーケンスの中止が選択された場合、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222を参照して、失敗したエッジ機器102を含むグループを特定し、当該グループに所属するエッジ機器102に中止指示を送信する。待機が選択された場合、配信制御装置101は、中止指示を送信せずに、一定時間経過した後、再度、中止判定処理を実行する。
【0127】
グループ単位で配信シーケンスを中止することによって、例えば、配信シーケンスがファームウェア更新である場合、グループ内のエッジ機器102のファームウェアのバージョンが異なる事態を回避できる。
【0128】
なお、中止対象リストにエッジ機器102が存在しない場合、すなわち、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102が存在しない場合、ステップS606からステップS609までの処理は実行されない。
【0129】
ここでは、配信シーケンスが失敗したエッジ機器(B)102の配信シーケンスの中止が要求されたものとする。この場合、配信制御装置101は、エッジ機器(B)102に中止指示を送信する。
【0130】
配信シーケンスを継続しているエッジ機器102は、所定のフェーズでコマンドを実行し(ステップS610)、コマンド完了通知を配信制御装置101に送信する(ステップS611)。
【0131】
具体的には、エッジ機器102は、ステップS403において配信制御装置101から配布されたファイルに含まれるコマンドを実行する。実行されるコマンドは、例えば、ソフトウェアの解凍および情報コンテンツの取得等を実現するためのコマンドである。
【0132】
配信制御装置101は、コマンド完了通知を受信した場合、作業者用端末104に認証要求を送信する(ステップS612)。
【0133】
作業者は、作業者用端末104を用いて認証操作を行い(ステップS613)、作業者用端末104は、認証応答を配信制御装置101に送信する(ステップS614)。
【0134】
配信制御装置101は、認証応答を受信した後、エッジ機器102にステータス更新要求を送信する(ステップS615)。
【0135】
エッジ機器102は、配信制御装置101にステータス更新応答を送信し(ステップS616)、また、コマンドを実行する(ステップS617)。
【0136】
具体的には、エッジ機器102は、ステップS403において配信制御装置101から配布されたファイルに含まれるコマンドを実行する。実行されるコマンドは、例えば、ソフトウェアのインストールおよび情報コンテンツの配信準備等を実現するためのコマンドである。
【0137】
エッジ機器102は、配信制御装置101にメトリックを送信する(ステップS618)。
【0138】
例えば、エッジ機器102は、ソフトウェアのインストールに伴って生成される実行結果ファイルの有無、インストールされたソフトウェアのバージョン、情報コンテンツの取得率、および情報コンテンツのバージョン等をメトリックとして送信する。
【0139】
配信制御装置101は、メトリックを受信した場合、メトリック確認処理を実行する(ステップS619)。
【0140】
ここで、メトリック確認処理について説明する。
図11は、実施例1の配信制御装置101が実行するメトリック確認処理の一例を説明するフローチャートである。メトリック確認処理は、メトリック確認プログラム212を実行するプロセッサ201によって行われる。また、メトリック確認処理は、エッジ機器102からメトリックを受信した場合に実行される。
【0141】
配信制御装置101は、メトリック正解値管理情報221を参照して、受信したメトリックの種別に対応するエントリから正解値を取得し、受信したメトリックが正解値に一致するか否かを判定する(ステップS1101)。
【0142】
受信したメトリックが正解値に一致しない場合(ステップS1101がNO)、配信制御装置101は、メトリック受信待ちに遷移し(ステップS1104)、メトリック確認処理を終了する。
【0143】
受信したメトリックが正解値に一致する場合(ステップS1101がYES)、配信制御装置101は、全てのエッジ機器102のメトリックについて確認が完了したか否かを判定する(ステップS1102)。すなわち、全てのエッジ機器102のメトリックが正解値に一致したことを確認したか否かが判定される。
【0144】
全てのエッジ機器102のメトリックについて確認が完了していない場合(ステップS1102がNO)、配信制御装置101は、メトリック受信待ちに遷移し(ステップS1104)、メトリック確認処理を終了する。
【0145】
全てのエッジ機器102のメトリックについて確認が完了した場合(ステップS1102がYES)、配信制御装置101は、作業者用端末104に認証要求を送信し(ステップS1103、S620)、メトリック確認処理を終了する。
【0146】
以上がメトリック確認処理の説明である。
図6Bに戻る。
【0147】
作業者は、作業者用端末104を用いて認証操作を行い(ステップS621)、作業者用端末104は、認証応答を配信制御装置101に送信する(ステップS622)。
【0148】
配信制御装置101は、認証応答を受信した後、エッジ機器102にステータス更新要求を送信する(ステップS623)。
【0149】
エッジ機器102は、配信制御装置101にステータス更新応答を送信する(ステップS624)。
【0150】
実施例1によれば、配信制御装置101は、ファイル配布後のステータス更新応答が無いエッジ機器102について失敗要因を特定し、特定された失敗要因に応じて配信シーケンスの中止操作について提案を行う。これによって、配信シーケンスの中止を効率的に制御できるため、配信シーケンスの制御に要する作業者の工数および作業時間を削減することができる。
実施例2のシステムの構成は実施例1と同一である。実施例2の配信制御装置101およびエッジ機器102のハードウェア構成およびソフトウェア構成は、実施例1と同一である。実施例2のメトリック正解値管理情報221およびエッジ機器管理情報222のデータ構造は実施例1と同一である。
作業者は、作業者用端末104を用いて、配信制御装置101に配信シーケンス登録要求を送信する(ステップS1201)。ステップS1201はステップS601と同一の処理である。
作業者は、作業者用端末104を用いて、配信制御装置101に配信シーケンス開始指示を送信する(ステップS1202)。ステップS1202はステップS602の処理と同一である。
配信制御装置101は、配信シーケンス開始指示を受信した場合、エッジ機器102に対してファイルを配布し、また、ステータス更新要求を送信する(ステップS1203)。ステップS1203の処理はステップS603の処理と同一である。
エッジ機器102は、ファイル配布およびステータス更新要求に対して、配信制御装置101にステータス更新応答を送信する(ステップS1204)。ステップS1204の処理はステップS604の処理と同一である。
エッジ機器102は、所定のフェーズでコマンドを実行し(ステップS1206)、コマンド完了通知を配信制御装置101に送信する(ステップS1207)。ステップS1206およびステップS1207の処理は、ステップS610およびステップS611の処理と同一である。
本実施例では、配信制御装置101は、エッジ機器(A)102からのコマンド完了通知を受信できたが、エッジ機器(B)102からのコマンド完了通知を受信できなかったものとする。コマンド完了通知を受信できなかった要因としては、コマンド実行の失敗、コマンドの実行時間が長くなること、コマンド完了通知の欠落等が考えられる。
所定期間内にエッジ機器102からコマンド完了通知を受信した場合(ステップS1301がYES)、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「成功」を設定する。
所定期間内にエッジ機器102からコマンド管理用通知を受信していない場合(ステップS1301がNO)、配信制御装置101は、配信シーケンスの失敗と判定し、失敗要因を特定する。まず、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好であるか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の処理はステップS702の処理と同一である。
エッジ機器102の接続状態が良好でない場合(ステップS1302がNO)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1303)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「接続状態」を設定する。
エッジ機器102の接続状態が良好である場合(ステップS1302がYES)、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷が高いか否かを判定する(ステップS1304)。ステップS1304の処理はステップS704の処理と同一である。
エッジ機器102の負荷が高くない場合(ステップS1304がNO)、配信制御装置101は、要因「その他」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1305)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「その他」を設定する。
エッジ機器102の負荷が高い場合(ステップS1304がYES)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1306)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「負荷」を設定する。
配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の接続状態が不良の場合、または負荷が高い場合、エッジ機器102固有の要因によって配信シーケンスの失敗が生じたものとして中止対象リストに記録される。また、接続状態が良好かつ負荷が低い場合、エッジ機器102固有の要因以外の要因によって配信シーケンスの失敗が生じたものとして中止対象リストに登録される。
全てのエッジ機器102について中止判定処理が終了した後、配信制御装置101は、中止対象リストに基づいて、作業者に提示する推奨操作を決定する。推奨操作のうち、配信シーケンスの中止に関する操作の決定方法は実施例1と同一である。実施例2では、認証操作の内容も決定される。例えば、配信シーケンスを継続するエッジ機器102のみを認証する操作、全てまたはグループのエッジ機器102を認証する操作等が決定される。
配信制御装置101は、所定期間内にエッジ機器102からコマンド完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS1403)。ステップS1403の処理はステップS1301の処理と同一である。
所定期間内にエッジ機器102からコマンド完了通知を受信した場合(ステップS1403がYES)、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「成功」を設定する。
所定期間内にエッジ機器102からコマンド完了通知を受信していない場合(ステップS1403がNO)、配信制御装置101は、エッジ機器102の接続状態が良好であるか否かを判定する(ステップS1404)。ステップS1404の処理はステップS804の処理と同一である。
エッジ機器102の接続状態が良好でない場合(ステップS1404がNO)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1405)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「接続状態」を設定する。
エッジ機器102の接続状態が良好である場合(ステップS1404がYES)、配信制御装置101は、エッジ機器102の負荷が高いか否かを判定する(ステップS1406)。ステップS1406の処理はステップS806の処理と同一である。
エッジ機器102の負荷が高くない場合(ステップS1406がNO)、配信制御装置101は、要因「その他」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1407)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「その他」を設定する。
エッジ機器102の負荷が高い場合(ステップS1406がYES)、配信制御装置101は、要因「機器特有」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1408)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222のエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「負荷」を設定する。
エッジ機器102の評価指標と、評価指標の代表値との比較結果に基づいて、エッジ機器102の接続状態および負荷を判定することによって、エッジ機器102を相対的に評価できる。例えば、他のエッジ機器102と比較して、極端に接続状態が悪い、または、極端に負荷が高いエッジ機器102については機器特有の要因として記録する。
配信制御装置101は、負荷指標の代表値を算出し(ステップS1501)、また、接続状態指標の代表値を算出する(ステップS1502)。ステップS1501およびステップS1502の処理は、ステップS801およびステップS802の処理と同一である。
所定期間内にコマンド完了通知を受信していないエッジ機器102が存在しない場合(ステップS1503がNO)、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の各エッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「成功」を設定する。
所定期間内にコマンド完了通知を受信していないエッジ機器102が存在する場合(ステップS1503がYES)、配信制御装置101は、接続状態指標の代表値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1504)。
接続状態指標の代表値が閾値より小さい場合(ステップS1504がNO)、配信制御装置101は、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の数だけ、要因「共通」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1505)。その後、配信制御装置101はステップS1509に進む。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の、中止対象リストに登録されたエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「接続状態」を設定する。
接続状態指標の代表値が閾値以上である場合(ステップS1504がYES)、配信制御装置101は、負荷指標の代表値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1506)。
負荷指標の代表値が閾値以上である場合(ステップS1506がYES)、配信制御装置101は、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の数だけ、要因「共通」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1507)。その後、配信制御装置101はステップS1509に進む。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の、中止対象リストに登録されたエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「負荷」を設定する。
負荷指標の代表値が閾値より小さい場合(ステップS1506がNO)、配信制御装置101は、配信シーケンスが失敗したエッジ機器102の数だけ、要因「その他」とエッジ機器102の識別情報とを対応付けたデータを中止対象リストに登録する(ステップS1508)。その後、配信制御装置101はステップS1509に進む。
このとき、配信制御装置101は、エッジ機器管理情報222の、中止対象リストに登録されたエッジ機器102に対応するエントリを更新する。具体的には、配信制御装置101は、配信シーケンス実行結果502に「失敗」を設定し、不良指標503に「その他」を設定する。
ステップS1509では、配信制御装置101は、中止対象リストに基づいて、作業者に提示する推奨操作を決定する(ステップS1509)。その後、配信制御装置101は中止判定処理を終了する。
推奨操作のうち、配信シーケンスの中止に関する操作の決定方法は実施例1と同一である。実施例2では、認証操作についても決定される。例えば、配信シーケンスを継続するエッジ機器102のみを認証する操作、全てまたはグループのエッジ機器102を認証する操作等が決定される。
配信制御装置101は、作業者用端末104に中止判定処理の結果および認証要求を送信する(ステップS1208)。当該結果には、エッジ機器管理情報222、推奨操作、中止対象リスト等が含まれる。
画面1600は、表示欄1601、1602、1603および選択欄1604を含む。表示欄1601、1602、1603および選択欄1604は、表示欄1001、1002、1003および選択欄1004と同一のものである。
ただし、実施例2の表示欄1602には、失敗した配信シーケンスに対する操作だけではなく、配信シーケンスの認証に関する操作も表示される。また、選択欄1604には、失敗した配信シーケンスに対する操作および配信シーケンスの認証に関する操作を組み合わせた操作を指示するボタンが表示される。例えば、一部のエッジ機器102の配信シーケンスが失敗している場合、「失敗したエッジ機器の配信シーケンスの中止および他のエッジ機器の配信シーケンスの認証」が表示され、失敗したエッジ機器102が存在しない場合、「全てのエッジ機器の配信シーケンスの認証」が表示される。
作業者は、作業者用端末104を用いて、認証操作および中止操作を行う(ステップS1209)。具体的には、作業者は選択欄1604に表示されたいずれかのボタンを押下する。作業者用端末104は、認証応答および中止要求を配信制御装置101に送信する(ステップS1210)。ここでは、作業者によって「失敗したエッジ機器の配信シーケンスの中止および他のエッジ機器の配信シーケンスの認証」が選択されたものとする。
エッジ機器102は、配信制御装置101にステータス更新応答を送信し(ステップS1213)、また、コマンドを実行する(ステップS1214)。エッジ機器102は、配信制御装置101にメトリックを送信する(ステップS1215)。ステップS1213、ステップS1214、およびステップS1215の処理は、ステップS616、ステップS617、およびステップS618の処理と同一である。
配信制御装置101は、メトリックを受信した場合、メトリック確認処理を実行し(ステップS1216)、作業者用端末104に認証要求を送信する(ステップS1217)。実施例2のメトリック確認処理は実施例1と同一である。
作業者は、作業者用端末104を用いて認証操作を行い(ステップS1218)、作業者用端末104は、認証応答を配信制御装置101に送信する(ステップS1219)。ステップS1218およびステップS1219の処理はステップS621およびステップS622の処理と同一である。
配信制御装置101は、認証応答を受信した後、エッジ機器102にステータス更新要求を送信する(ステップS1220)。ステップS1220の処理はステップS623の処理と同一である。
エッジ機器102は、配信制御装置101にステータス更新応答を送信する(ステップS1221)。ステップS1221の処理はステップS624の処理と同一である。
なお、失敗したエッジ機器102が存在しない場合、ステップS1208では認証要求のみが送信され、ステップS1209では、認証操作のみが行われ、ステップS11210では認証応答のみが行われる。また、中止指示は送信されない。
実施例2によれば、配信制御装置101は、コマンド完了通知が無いエッジ機器102について失敗要因を特定し、特定された失敗要因に応じて配信シーケンスの中止操作および認証操作について提案を行う。これによって、配信シーケンスの中止を効率的に制御できるため、配信シーケンスの制御に要する作業者の工数および作業時間を削減することができる。