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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032039
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】操作端末、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137905
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB01
(57)【要約】
【課題】ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能な技術を提供する。
【解決手段】振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得する取得部と、前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、を備える、操作端末が提供される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得する取得部と、
前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、
を備える、操作端末。
【請求項2】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記受取人名との間において、文字数が一致する場合、かつ、一致する文字の割合が第1の割合よりも大きく第2の割合よりも小さい場合に、前記依頼人名と前記受取人名とが類似すると判定する処理部を備える、
請求項1に記載の操作端末。
【請求項3】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記受取人名との間において、一致する文字の数が第1の数よりも大きく第2の数よりも小さい場合に、前記依頼人名と前記受取人名とが類似すると判定する処理部を備える、
請求項1に記載の操作端末。
【請求項4】
振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得することと、
前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御することと、
を含む、方法。
【請求項5】
コンピュータを、
振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得する取得部と、
前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、
を備える操作端末として機能させるプログラム。
【請求項6】
振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得する取得部と、
前記依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似する場合に、前記依頼人名の誤りに関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、
を備える、操作端末。
【請求項7】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記所定のワードとの間において、文字数が一致する場合、かつ、一致する文字の割合が所定の割合である場合に、前記依頼人名と前記所定のワードとが類似すると判定する処理部を備える、
請求項6に記載の操作端末。
【請求項8】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記所定のワードとの間において、一致する文字の数が所定の数である場合に、前記依頼人名と前記所定のワードとが類似すると判定する処理部を備える、
請求項6に記載の操作端末。
【請求項9】
振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得することと、
前記依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似する場合に、前記依頼人名の誤りに関する情報の表示部による表示を制御することと、
を含む、方法。
【請求項10】
コンピュータを、
振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得する取得部と、
前記依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似する場合に、前記依頼人名の誤りに関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、
を備える操作端末として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作端末、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関では、営業店および集中センタが連携することで振込処理が行われる。例えば、依頼人が金融機関の営業店を訪れ、依頼人が所定の振込依頼書に必要事項を記入して当該振込依頼書を窓口に提出すると、窓口の受付端末のスキャナにより振込依頼書が読み取られ、当該読み取りにより得られた振込データが集中センタに送信される。そして、集中センタにおいて振込データに基づいて仕向電文が生成され、当該仕向電文がホストに送信されることで、振込が実行される。
【0003】
さらに、振込依頼書には複数の項目が含まれており、受付端末のスキャナによって振込依頼書のイメージデータに対して文字認識が施されることによって、複数の項目それぞれに対応する文字認識結果が得られる。かかる文字認識結果も含まれた振込データが窓口の受付端末から集中センタに送信される。集中センタにおいて、1人目のオペレータは、複数の項目それぞれのイメージを目視しながら、複数の項目それぞれに対応する文字認識結果を必要に応じて修正する。文字認識結果または文字認識結果の修正結果は、エントリデータとして為替サーバに送信される。
【0004】
そして、2人目のオペレータは、項目に対応するデータをエントリデータとは別に入力する。あるいは、2人目のオペレータは、項目に対応するエントリデータを修正する。2人目のオペレータによって入力されたデータまたはエントリデータの修正結果は、ベリファイデータとして為替サーバに送信される。為替サーバにおいては、エントリデータとベリファイデータとが一致するか否かを判定する。そして、エントリデータとベリファイデータとの間に不一致である項目がある場合には、3人目のオペレータによって不一致である項目のベリファイデータに対する承認または差し戻しがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-238982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
振込業務においては、依頼人が自分自身の口座に振り込みを行う場合(いわゆる本人振込を行う場合)がある。かかる場合には、依頼人は、振込依頼書の依頼人名に自分自身の氏名または自分自身を示すワード(例えば、「ホンニン」など)を記入するのが一般的である。
【0007】
しかし、1人目のオペレータまたは2人目のオペレータが項目「依頼人名」のイメージを目視により確認して、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果を修正することはあっても、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果の正当性をチェックすることは行われていなかった。そのため、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果の誤りが1人目または2人目のオペレータによって正しく修正されなかった場合には、誤った依頼人名が含まれた仕向電文がホストに送信されてしまう。これによって、受取人の通帳に誤った依頼人名が記載されてしまうという事情があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能な、新規かつ改良された技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得する取得部と、前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、を備える、操作端末が提供される。
【0010】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記受取人名との間において、文字数が一致する場合、かつ、一致する文字の割合が第1の割合よりも大きく第2の割合よりも小さい場合に、前記依頼人名と前記受取人名とが類似すると判定する処理部を備えてもよい。
【0011】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記受取人名との間において、一致する文字の数が第1の数よりも大きく第2の数よりも小さい場合に、前記依頼人名と前記受取人名とが類似すると判定する処理部を備えてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得することと、前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御することと、を含む、方法が提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、前記イメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を受取人名として取得する取得部と、前記依頼人名と前記受取人名とが類似する場合に、前記依頼人名と前記受取人名との相違に関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、を備える操作端末として機能させるプログラムが提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得する取得部と、前記依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似する場合に、前記依頼人名の誤りに関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、を備える、操作端末が提供される。
【0015】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記所定のワードとの間において、文字数が一致する場合、かつ、一致する文字の割合が所定の割合である場合に、前記依頼人名と前記所定のワードとが類似すると判定する処理部を備えてもよい。
【0016】
前記操作端末は、前記依頼人名と前記所定のワードとの間において、一致する文字の数が所定の数である場合に、前記依頼人名と前記所定のワードとが類似すると判定する処理部を備えてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得することと、前記依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似する場合に、前記依頼人名の誤りに関する情報の表示部による表示を制御することと、を含む、方法が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または前記文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得する取得部と、前記依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似する場合に、前記依頼人名の誤りに関する情報の表示部による表示を制御する表示制御部と、を備える操作端末として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明した本発明によれば、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態による為替システムの構成を示す説明図である。
図2】振込依頼書の具体例を示す説明図である。
図3】エントリ画面の具体例を示す説明図である。
図4】ベリファイ画面の具体例を示す説明図である。
図5】承認画面の例を示す説明図である。
図6】為替サーバの構成を示す説明図である。
図7】エントリ端末の構成を示す説明図である。
図8】ベリファイ端末の構成を示す説明図である。
図9】承認端末の構成を示す説明図である。
図10】為替システムの全体的な動作例を示す説明図である。
図11】為替システムの全体的な動作例を示す説明図である。
図12】本発明の第1の実施形態によるエントリ画面の具体例を示す説明図である。
図13】同実施形態に係るエントリ端末の動作例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第2の実施形態によるエントリ画面の具体例を示す説明図である。
図15】同実施形態に係るエントリ端末の動作例を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態に係るエントリ端末の例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0023】
<1.為替システムの概要>
本発明の実施形態は、金融機関に適用される為替システムに関する。まず、図1図5を参照し、本発明の実施形態による為替システムの概要を説明する。
【0024】
(構成)
図1は、本発明の実施形態による為替システムの構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による為替システム1は、営業店に配置される構成、集中センタに配置される構成、およびホスト30を有する。営業店と集中センタはネットワークを介して接続されている。営業店に配置される構成は、スキャナ11および営業店端末12を含む。集中センタに配置される構成は、為替サーバ20、共通クライアント(エントリ)であるエントリ端末26、共通クライアント(ベリファイ)であるベリファイ端末27、共通クライアント(承認)である承認端末28および通信ゲートウェイ29を含む。
【0025】
スキャナ11は、書面の読み取り、および書面に記載された文字の認識を行う。例えば、スキャナ11は、振込の依頼人により必要事項が記入された振込依頼書の読み取り、および文字認識を行う。その結果、振込依頼書のイメージデータ、および振込依頼書の文字認識結果が得られる。ここで、図2を参照して振込依頼書の具体例を説明する。
【0026】
図2は、振込依頼書40の具体例を示す説明図である。図2に示したように、振込依頼書40は、複数の項目それぞれの記入欄を含む。例えば、複数の項目は、依頼人に関する各項目(例えば、依頼人電話番号、依頼人科目、依頼人口座番号、依頼人氏名など)、受取人に関する各項目(例えば、受取人氏名、振込先金融機関名、振込先支店名など)、および、振込金額などを含む。その他、複数の項目は、振込期日となる振込指定日などを含んでもよい。この複数の項目には、振込業務における重要項目(例えば、依頼人科目、依頼人口座番号、振込金額など)が含まれ得る。
【0027】
また、振込依頼書40は、振込依頼時に依頼人口座の残高が振込に必要な金額以上であることが確認され、当該振込に必要な金額が確保(拘束)されているか否かを示す、資金確保状況に関する欄を含む。振込に必要な金額が確保済みである確保済み状況においては資金確保済みマーク欄42が行員によりマークされ、振込に必要な金額が未確保である未確保状況においては資金未確保マーク欄43が行員によりマークされる。
【0028】
例えば、スキャナ11は、振込依頼書40のイメージデータに対する文字認識によって、複数の項目それぞれに対応する文字認識結果を得る。より詳細に、スキャナ11は、振込依頼書40のイメージデータの各項目の記入欄の少なくとも一部に対して文字認識を行うことによって各項目に対応する文字認識結果を得る。営業店端末12は、営業店での窓口業務に従事する行員により利用される端末である。営業店端末12は、スキャナ11により得られた振込依頼書40のイメージデータおよび各項目に対応する文字認識結果を含む振込データを集中センタに送信する。
【0029】
また、行員は、営業店端末12を用いて依頼人口座の残高を確認し、依頼人口座の残高が振込に必要な金額以上である場合には、営業店端末12を介してホスト30に振込資金の確保を要求する。振込資金を確保できた場合、行員は上述したように資金確保済みマーク欄42をマークし、振込資金が未確保である場合、行員は資金未確保マーク欄43をマークする。
【0030】
なお、営業店端末12は、図1に示したように例えばPC(Pesonal Computer)であってもよい。また、図1においてはスキャナ11と営業店端末12が別の装置である例を示したが、スキャナ11と営業店端末12の機能は1つの装置で一体的に実現されてもよい。
【0031】
為替サーバ20は、営業店端末12から送信された振込データを記憶する振込管理装置の一例である。為替サーバ20は、エントリ端末26、ベリファイ端末27および承認端末28などへの振込データの配信を管理する。例えば、為替サーバ20は、振込依頼書40のイメージデータから各項目の記入欄を切り出すことによって、各項目に対応する切り出しイメージを得る。為替サーバ20は、各項目に対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだ振込データをエントリ端末26に送信する。
【0032】
エントリ端末26は、集中センタの1人目のオペレータ(以下、「エントリ者」とも言う。)によって利用される端末である。エントリ端末26のエントリ画面には、為替サーバ20から配信された振込データに含まれる各項目に対応する切り出しイメージおよび文字認識結果が項目名に対応付けて表示される。エントリ端末26のオペレータ(以下、「エントリ者」とも言う。)は、項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、その項目に対応する文字認識結果が(例えば、誤読または不読により)誤っていると判断すれば、その文字認識結果の修正操作を行う。
【0033】
図3は、エントリ画面50の具体例を示す説明図である。図3に示したように、エントリ画面50には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび文字認識結果が表示される。例えば、切り出しイメージは、対応するイメージ表示欄に表示され、文字認識結果は、対応する項目入力欄に表示される。一例として、依頼人電話番号の切り出しイメージは、依頼人電話番号のイメージ表示欄500に表示され、依頼人電話番号の文字認識結果は、依頼人電話番号入力欄520に表示される。
【0034】
図3に示した例では、項目「依頼人名」に対応する切り出しイメージには、「オキ タロウ」と記載されているのに対し、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果が「オギ タロワ」と誤っている。そして、エントリ者が、この文字認識結果の誤りに気付かずに、文字認識結果の修正操作を行わなかった場合を想定する。
【0035】
各項目に対応する文字認識結果または文字認識結果のエントリ者による修正結果は、(例えば、「送信」ボタンの押下に基づいて)エントリデータとして、エントリ端末26から為替サーバ20に送信され、為替サーバ20において記憶される。為替サーバ20は、各項目に対応する切り出しイメージを含んだ振込データをベリファイ端末27に配信する。このとき、重要項目以外の項目に対応するエントリデータもさらに含んだ振込データをベリファイ端末27に配信する。
【0036】
ベリファイ端末27は、集中センタの2人目のオペレータ(以下、「ベリファイ者」とも言う。)によって利用される端末である。ベリファイ端末27のベリファイ画面には、為替サーバ20から配信された振込データに含まれる各項目に対応する切り出しイメージが項目名に対応付けて表示される。さらに、重要項目以外の項目に対応するエントリデータが項目名に対応付けて表示される。例えば、切り出しイメージは、対応するイメージ表示欄に表示され、重要項目以外の項目に対応するエントリデータは、対応する項目入力欄に表示される。一方、重要項目に対応する項目入力欄は、空欄にされる。
【0037】
ベリファイ者は、重要項目以外の項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、重要項目以外の項目に対応するエントリデータが誤っていると判断すれば、そのエントリデータの修正操作を行う。一方、ベリファイ者は、重要項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、重要項目に対応するデータをその重要項目に対応する項目入力欄に入力する。
【0038】
図4は、ベリファイ画面の具体例を示す説明図である。図4に示したように、ベリファイ画面60には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよびエントリデータが表示される。例えば、切り出しイメージは、対応するイメージ表示欄に表示され、エントリデータは、対応する項目入力欄に表示される。一例として、依頼人電話番号の切り出しイメージは、依頼人電話番号のイメージ表示欄500に表示され、依頼人電話番号のエントリデータは、依頼人電話番号入力欄520に表示される。
【0039】
図3に示した例では、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果が「オギ タロワ」と誤っているにも関わらず、エントリ者が、この文字認識結果の誤りに気付かずに、文字認識結果の修正操作を行わなかった。しかし、図4に示した例では、項目「依頼人名」に対応するエントリデータ「オギ タロワ」が誤っていることにベリファイ者が気づき、項目「依頼人名」に対応するエントリデータ「オギ タロワ」を「オギ タロウ」に修正している。この例ではベリファイ者による修正結果も誤っている。
【0040】
重要項目以外の項目に対応するエントリデータまたはエントリデータの修正結果、および、重要項目に対応するベリファイ者による入力結果は、(例えば、「送信」ボタンの押下に基づいて)ベリファイデータとして、ベリファイ端末27から為替サーバ20に送信され、為替サーバ20において記憶される。為替サーバ20は、全項目に対応するエントリデータとベリファイデータとが一致するか否かを判定する。
【0041】
為替サーバ20は、エントリデータとベリファイデータとが全項目において一致する場合には、全項目に対応するベリファイデータ(またはエントリデータ)を含んだ仕向電文を、通信ゲートウェイ29を介してホスト30に発信する。このとき、ホスト30が仕向電文の受信に基づいて振込を実行することにより、一件分の振込が完了する。
【0042】
為替サーバ20は、エントリデータとベリファイデータとの間で不一致となる項目がある場合には、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータと、データ同士が不一致である項目(不一致項目)を示す情報とを含んだ振込データを、承認端末28に配信する。その他、かかる振込データに係る取引が高額取引である場合(例えば、振込金額が所定の金額以上である場合)、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータを含んだ振込データを、承認端末28に配信する。
【0043】
承認端末28は、集中センタの3人目のオペレータ(以下、「承認者」とも言う。)によって利用される端末である。承認端末28の承認画面には、為替サーバ20から配信された振込データに含まれる各項目に対応する切り出しイメージが項目名に対応付けて表示される。さらに、各項目に対応するベリファイデータが項目名に対応付けて表示される。例えば、切り出しイメージは、対応するイメージ表示欄に表示され、ベリファイデータは、対応する項目入力欄に表示される。
【0044】
承認者は、各項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、ベリファイデータが誤っている項目がないと判断すれば、承認操作を行う。一方、承認者は、各項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、ベリファイデータが誤っている項目があると判断すれば、差し戻し操作を行う。このとき、承認画面においては、データ同士が不一致となった項目に対応するベリファイデータに所定の修飾が施される。これによって、承認者は、データ同士が不一致となった項目を容易に把握することができる。
【0045】
図5は、承認画面の具体例を示す説明図である。図5に示したように、比較例による承認画面70には、振込依頼書に含まれる複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよびベリファイデータが表示される。例えば、切り出しイメージは、対応するイメージ表示欄に表示され、ベリファイデータは、対応する項目入力欄に表示される。一例として、依頼人電話番号の切り出しイメージは、依頼人電話番号のイメージ表示欄500に表示され、依頼人電話番号のベリファイデータは、依頼人電話番号入力欄520に表示される。
【0046】
上記した例では、項目「依頼人名」に対応するエントリデータとベリファイデータとが不一致である(図3および図4)。そこで、承認画面70においては、データ同士が不一致となった項目「依頼人名」に対応するベリファイデータ「オギ タロウ」に所定の修飾530(例えば、文字色を赤くする修飾など)が施されている。これによって、承認者は、データ同士が不一致となった項目に気づきやすくなる。
【0047】
一例として、承認者は、項目「依頼人名」に対応する切り出しイメージを目視しながら、ベリファイデータ「オギ タロウ」が正しいと判断すれば、(例えば、「承認」ボタンの押下により)承認操作を行う。一方、承認者は、ベリファイデータ「オギ タロウ」が誤っていると判断すれば、(例えば、「差し戻し」ボタンの押下により)差し戻し操作を行う。
【0048】
(背景)
振込業務においては、依頼人が自分自身の口座に振り込みを行う場合がある。かかる場合には、依頼人は、振込依頼書の依頼人名に自分自身の氏名または自分自身を示すワード(例えば、「ホンニン」など)を記入するのが一般的である。
【0049】
しかし、エントリ者またはベリファイ者が項目「依頼人名」のイメージを目視により確認して、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果を修正することはあっても、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果の正当性をチェックすることは行われていなかった。そのため、項目「依頼人名」に対応する文字認識結果の誤りがエントリ者またはベリファイ者によって正しく修正されなかった場合には、誤った依頼人名が含まれた仕向電文がホストに送信されてしまう。これによって、受取人の通帳に誤った依頼人名が記載されてしまうという事情があった。
【0050】
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態による為替システムを創作するに至った。本発明の実施形態による為替システムは、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能である。以下、このような本発明の実施形態による為替システムに関する構成および動作を順次詳細に説明する。
【0051】
以上、本発明の実施形態による為替システムの概要について説明した。
【0052】
<2.為替サーバの構成>
図6は、本発明の実施形態による為替サーバ20の構成を示す説明図である。図6に示したように、為替サーバ20は、制御部220、記憶部230および通信部240を有する。
【0053】
制御部220は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、記憶部230により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部220は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0054】
ここで、図6に示されるように、制御部220は、取得部221、処理部222および送信制御部223を備える。制御部220が有する、これらの各機能部の詳細については、後に説明する。
【0055】
記憶部230は、制御部220を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部230は、制御部220の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0056】
通信部240は、通信インタフェースによって構成され、ネットワークを介して営業店の営業店端末12と通信を行う。さらに、通信部240は、集中センタ内のネットワークを介して他の端末(エントリ端末26、ベリファイ端末27および承認端末28)それぞれと通信を行う。
【0057】
以上、本発明の実施形態による為替サーバ20の構成を説明した。
【0058】
<3.エントリ端末の構成>
図7は、本発明の実施形態によるエントリ端末26の構成を示す説明図である。図7に示したように、エントリ端末26は、入力部261、制御部262、記憶部266、通信部267および表示部268を有する。
【0059】
入力部261は、エントリ者による操作を受け付ける。本発明の実施形態では、入力部261がマウスおよびキーボードである場合を主に想定する。しかし、入力部261の種類は限定されない。例えば、入力部261は、タッチパネルであってもよいし、電子ペンであってもよいし、他の入力装置であってもよい。
【0060】
制御部262は、CPUなどを含み、記憶部266により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部262は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0061】
ここで、図7に示されるように、制御部262は、取得部263、処理部264および出力制御部265(表示制御部)を備える。制御部262が有する、これらの各機能部の詳細については、後に説明する。
【0062】
記憶部266は、制御部262を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部266は、制御部262の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0063】
通信部267は、通信インタフェースによって構成され、集中センタ内のネットワークを介して、為替サーバ20および他の端末(ベリファイ端末27および承認端末28)それぞれと通信を行う。
【0064】
表示部268は、制御部262による制御に従って各種情報の表示を行う機能を有する。例えば、表示部268は、エントリ画面を表示することが可能である。ここで、表示部268の形態は特に限定されない。例えば、表示部268は、液晶ディスプレイ(LCD)装置であってもよいし、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置であってもよいし、ランプなどの表示装置であってもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態によるエントリ端末26の構成を説明した。
【0066】
<4.ベリファイ端末の構成>
図8は、本発明の実施形態によるベリファイ端末27の構成を示す説明図である。図8に示したように、ベリファイ端末27は、入力部271、制御部272、記憶部276、通信部277および表示部278を有する。
【0067】
入力部271は、ベリファイ者による操作を受け付ける。本発明の実施形態では、入力部271がマウスおよびキーボードである場合を主に想定する。しかし、入力部271の種類は限定されない。例えば、入力部271は、タッチパネルであってもよいし、電子ペンであってもよいし、他の入力装置であってもよい。
【0068】
制御部272は、CPUなどを含み、記憶部276により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部272は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0069】
ここで、図8に示されるように、制御部272は、取得部273、処理部274および出力制御部275(表示制御部)を備える。制御部272が有する、これらの各機能部の詳細については、後に説明する。
【0070】
記憶部276は、制御部272を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部276は、制御部272の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0071】
通信部277は、通信インタフェースによって構成され、集中センタ内のネットワークを介して、為替サーバ20および他の端末(エントリ端末26および承認端末28)それぞれと通信を行う。
【0072】
表示部278は、制御部272による制御に従って各種情報の表示を行う機能を有する。例えば、表示部278は、ベリファイ画面を表示することが可能である。ここで、表示部278の形態は特に限定されない。例えば、表示部278は、液晶ディスプレイ(LCD)装置であってもよいし、装置であってもよいし、ランプなどの表示装置であってもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態によるベリファイ端末27の構成を説明した。
【0074】
<5.承認端末の構成>
図9は、本発明の実施形態による承認端末28の構成を示す説明図である。図9に示したように、承認端末28は、入力部281、制御部282、記憶部286、通信部287および表示部288を有する。
【0075】
入力部281は、承認者による操作を受け付ける。本発明の実施形態では、入力部281がマウスおよびキーボードである場合を主に想定する。しかし、入力部281の種類は限定されない。例えば、入力部281は、タッチパネルであってもよいし、電子ペンであってもよいし、他の入力装置であってもよい。
【0076】
制御部282は、CPUなどを含み、記憶部286により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部282は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0077】
ここで、図9に示されるように、制御部282は、取得部283、処理部284および出力制御部285を備える。制御部282が有する、これらの各機能部の詳細については、後に説明する。
【0078】
記憶部286は、制御部282を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部286は、制御部282の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0079】
通信部287は、通信インタフェースによって構成され、集中センタ内のネットワークを介して、為替サーバ20および他の端末(エントリ端末26およびベリファイ端末27)それぞれと通信を行う。
【0080】
表示部288は、制御部282による制御に従って各種情報の表示を行う機能を有する。例えば、表示部288は、承認画面を表示することが可能である。ここで、表示部288の形態は特に限定されない。例えば、表示部288は、液晶ディスプレイ(LCD)装置であってもよいし、装置であってもよいし、ランプなどの表示装置であってもよい。
【0081】
以上、本発明の実施形態による承認端末28の構成を説明した。
【0082】
<6.全体的な動作>
続いて、図10および図11を参照し、為替システム1の全体的な動作例について説明する。
【0083】
図10および図11は、本発明の実施形態による為替システム1の全体的な動作例を示す説明図である。依頼人が営業店に訪れて、依頼人が所定の振込依頼書40に必要事項を記入して当該振込依頼書40を窓口に提出すると、行員がスキャナ11に振込依頼書40を読み取らせる。
【0084】
スキャナ11は、振込依頼書40を読み取ることによってイメージデータを得る。さらに、スキャナ11は、振込依頼書40のイメージデータに対する文字認識によって、複数の項目それぞれに対応する文字認識結果を得る。より詳細に、スキャナ11は、振込依頼書40のイメージデータの各項目の記入欄の少なくとも一部に対して文字認識を行うことによって各項目に対応する文字認識結果を得る。営業店端末12は、スキャナ11により得られた振込依頼書40のイメージデータおよび各項目に対応する文字認識結果を含む振込データを為替サーバ20に送信する(S11)。
【0085】
為替サーバ20においては、通信部240によって受信された振込データが取得部221によって取得される。処理部222は、振込データに含まれる振込依頼書40のイメージデータを記憶部230に記憶させるとともに、イメージデータから各項目の記入欄を切り出すことによって、各項目に対応する切り出しイメージを生成する(S12)。処理部222は、各項目に対応する切り出しイメージを記憶部230に記憶させる。そして、送信制御部223は、各項目に対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだ振込データをエントリ端末26に送信するように通信部240を制御する(S13)。
【0086】
エントリ端末26においては、通信部267によって受信された振込データが取得部263によって取得される。出力制御部265は、振込データに基づいて、複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだエントリ画面50を表示するように表示部268を制御する(S14)。例えば、切り出しイメージは、エントリ画面50において対応するイメージ表示欄に表示され、文字認識結果は、エントリ画面50において対応する項目入力欄に表示される。
【0087】
エントリ者は、項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、その項目に対応する文字認識結果が(例えば、誤読または不読により)誤っていると判断すれば、入力部261に対してその文字認識結果の修正操作を入力する。文字認識結果の修正操作は、入力部261によって受け付けられ(S15)、取得部263によって取得される。処理部264は、修正操作に従って文字認識結果を修正する。
【0088】
例えば、エントリ者によってエントリ画面50の「送信」ボタンが押下されると、出力制御部265は、各項目に対応する文字認識結果または文字認識結果のエントリ者による修正結果を、各項目に対応するエントリデータとして、為替サーバ20に送信するように通信部267を制御する(S16)。
【0089】
為替サーバ20においては、通信部240によって受信された各項目に対応するエントリデータが取得部221によって取得されると、処理部222は、各項目に対応するエントリデータを記憶部230に記憶させる。そして、送信制御部223は、各項目に対応する切り出しイメージおよび重要項目以外の項目に対応するエントリデータを含んだ振込データをベリファイ端末27に送信するように通信部240を制御する(S17)。
【0090】
ベリファイ端末27においては、通信部277によって受信された振込データが取得部273によって取得される。出力制御部275は、振込データに基づいて、複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび重要項目以外の項目に対応するエントリデータを含んだベリファイ画面60を表示するように表示部278を制御する(S18)。例えば、切り出しイメージは、ベリファイ画面60において対応するイメージ表示欄に表示され、重要項目以外の項目に対応するエントリデータは、対応する項目入力欄に表示される。一方、重要項目に対応する項目入力欄は、空欄にされる。
【0091】
ベリファイ者は、重要項目以外の項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、重要項目以外の項目に対応するエントリデータが誤っていると判断すれば、入力部271に対してそのエントリデータの修正操作を入力する。一方、ベリファイ者は、重要項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、重要項目に対応するデータをその重要項目に対応する項目入力欄に入力する。重要項目に対応するデータの入力およびエントリデータの修正操作は、入力部271によって受け付けられ(S19)、取得部273によって取得される。処理部274は、修正操作に従ってエントリデータを修正する。
【0092】
例えば、ベリファイ者によってベリファイ画面60の「送信」ボタンが押下されると、出力制御部265は、重要項目以外の項目に対応するエントリデータまたはエントリデータの修正結果、および、重要項目に対応するベリファイ者による入力結果を、各項目に対応するベリファイデータとして、為替サーバ20に送信するように通信部277を制御する(S20)。
【0093】
為替サーバ20においては、通信部240によって受信された各項目に対応するベリファイデータが取得部221によって取得されると、処理部222は、各項目に対応するベリファイデータを記憶部230に記憶させる。続いて、処理部222は、全項目においてエントリデータとベリファイデータとが一致するか否かを判定する(S31)。
【0094】
送信制御部223は、処理部222によって全項目においてエントリデータとベリファイデータとが一致すると判定された場合には(S31において「YES」)、各項目に対応するベリファイデータ(またはエントリデータ)を含んだ仕向電文を、通信ゲートウェイ29を介してホスト30に送信するように通信部240を制御する(S32)。このとき、ホスト30は、仕向電文の受信に基づいて振込を実行することにより、一件分の振込が完了する。
【0095】
なお、図11には示されていないが、処理部222によって、全項目においてエントリデータとベリファイデータとが一致すると判定された場合であっても、処理部222によって、振込データに係る取引が高額取引であると判定された場合(例えば、振込金額が所定の金額以上である場合)、送信制御部223は、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータを含んだ振込データを、承認端末28に送信するように通信部240を制御してもよい。
【0096】
一方、処理部222によって、エントリデータとベリファイデータとの間で不一致となる項目があると判定された場合には(S31において「NO」)、送信制御部223は、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータを含んだ振込データを、承認端末28に送信するように通信部240を制御する(S33)。
【0097】
承認端末28においては、通信部287によって受信された振込データが取得部283によって取得される。出力制御部285は、振込データに基づいて、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータを含んだ承認画面を表示するように表示部288を制御する(S34)。
【0098】
承認者は、各項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、各項目に対応するベリファイデータが正しいと判断すれば、入力部281に対して承認操作を行う。一例として、承認操作は、「承認」ボタンの押下であってよい。
【0099】
一方、承認者は、各項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、ベリファイデータが誤っている項目があると判断すれば、入力部281に対して差し戻し操作を入力する。一例として、差し戻し操作は、「差し戻し」ボタンの押下であってよい。
【0100】
承認者によって入力された操作は、入力部281によって受け付けられ(S35)、取得部283によって取得される。出力制御部285は、承認者によって入力された操作を為替サーバ20に送信するように通信部287を制御する(S36)。
【0101】
為替サーバ20においては、通信部240によって受信された承認者によって入力された操作が取得部221によって取得されると、処理部222は、承認者によって入力された操作が差し戻し操作であるか否かを判定する(S37)。処理部222によって承認者によって入力された操作が承認操作であると判定された場合には(S37において「NO」)、各項目に対応するベリファイデータ(またはエントリデータ)を含んだ仕向電文を、通信ゲートウェイ29を介してホスト30に送信するように通信部240を制御する(S38)。このとき、ホスト30は、仕向電文の受信に基づいて振込を実行することにより、一件分の振込が完了する。
【0102】
一方、処理部222によって承認者によって入力された操作が差し戻し操作であると判定された場合には(S37において「YES」)、送信制御部223は、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータを含んだ振込データを、ベリファイ端末27に送信するように通信部240を制御する(S39)。
【0103】
ベリファイ端末27においては、通信部277によって受信された振込データが取得部273によって取得される。出力制御部275は、振込データに基づいて、各項目に対応する切り出しイメージおよびベリファイデータを含んだ差し戻し後のベリファイ画面を表示するように表示部278を制御する(S40)。
【0104】
ベリファイ者は、各項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、ベリファイデータが誤っている項目があると判断すれば、入力部271に対してそのベリファイデータの修正操作を入力する。ベリファイデータの修正操作は、入力部271によって受け付けられ(S41)、取得部273によって取得される。処理部274は、修正操作に従ってベリファイデータを修正する。
【0105】
例えば、ベリファイ者によって差し戻し後のベリファイ画面の「送信」ボタンが押下されると、出力制御部265は、各項目に対応するベリファイデータまたはベリファイデータの修正結果を、為替サーバ20に送信するように通信部277を制御する(S42)。
【0106】
為替サーバ20においては、通信部240によって受信された各項目に対応するベリファイデータまたはベリファイデータの修正結果が取得部221によって取得されると、処理部222は、各項目に対応するベリファイデータまたはベリファイデータの修正結果によって、記憶部230に記憶されている各項目に対応するベリファイデータを更新する。そして、各項目に対応するベリファイデータが更新後のベリファイデータに置き換えられた上で、S33が再度実行される。
【0107】
以上、本発明の実施形態による為替システム1の全体的な動作例を説明した。
【0108】
<7.第1の実施形態>
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0109】
(動作)
S13(図10)に示したように、為替サーバ20からエントリ端末26には、各項目に対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだ振込データが送信される。そして、S14(図10)に示したように、エントリ端末26は、振込データに基づいて、複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだエントリ画面50を表示する。
【0110】
ここで、本発明の第1の実施形態においては、依頼人が振込依頼書の依頼人名の記入欄に自分自身の氏名を記入する場合を想定する。ここでは、依頼人が依頼人名の記入欄に自分自身の氏名である「タマチ マモル」を記入したものの、依頼人名の記入欄に対する文字認識結果として「タアチ マモル」が得られてしまった場合を想定する。
【0111】
図12は、本発明の第1の実施形態によるエントリ画面50の具体例を示す説明図である。図12を参照すると、依頼人名の切り出しイメージとしては、「タマチ マモル」が表示されているが、依頼人名の文字認識結果としては、誤って「タアチ マモル」が得られてしまっている。一方、受取人名の文字認識結果としては、正しく「タマチ マモル」が得られている。
【0112】
図13は、本発明の第1の実施形態に係るエントリ端末26の動作例を示すフローチャートである。上記したように、エントリ端末26においては、出力制御部265は、為替サーバ20から取得された振込データに基づいて、複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだエントリ画面50を表示するように表示部268を制御する(S51)。
【0113】
エントリ者は、項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、その項目に対応する文字認識結果が誤っていると判断すれば、入力部261に対してその文字認識結果の修正操作を入力する。図12に示された例では、依頼人名の文字認識結果「タアチ マモル」が誤っていることをエントリ者が見逃してしまう場合が想定される。
【0114】
エントリ者によってエントリ画面50の「送信」ボタンが押下されると、取得部263は、エントリ画面50における依頼人名フィールドに設定されているデータを依頼人名として取得する。なお、依頼人名フィールドに設定されているデータは、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または文字認識結果の修正結果に該当する。
【0115】
さらに、取得部263は、エントリ画面50における受取人名フィールドに設定されているデータを受取人名として取得する(S52)。なお、受取人名フィールドに設定されているデータは、振込依頼書のイメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または文字認識結果の修正結果に該当する。
【0116】
処理部264は、依頼人名と受取人名とが類似するか否かを判定する。例えば、処理部264は、依頼人名と受取人名との間において、文字数が一致する場合、かつ、一致する文字の割合(以下、「一致率」とも言う。)が第1の割合よりも大きく第2の割合よりも小さい場合に、依頼人名と受取人名とが類似すると判定する。
【0117】
より詳細に、処理部264は、依頼人名の文字数と受取人名の文字数とを比較する(S53)。依頼人名の文字数と受取人名の文字数とが一致しない場合には(S54において「NO」)、S16(図10)に動作が移行される。一方、依頼人名の文字数と受取人名の文字数とが一致する場合には(S54において「YES」)、S55に動作が移行される。
【0118】
図12に示された例では、依頼人名「タアチ マモル」および受取人名「タマチ マモル」の両方とも文字数は7文字であるため、文字数が一致すると判定される。
【0119】
続いて、処理部264は、依頼人名の文字列と受取人名の文字列とを比較する(S55)。依頼人名の文字列と受取人名の文字列との一致率が第1の割合以下または第2の割合以上である場合(S56において「NO」)、S16(図10)に動作が移行される。一方、依頼人名の文字列と受取人名の文字列との一致率が第1の割合より大きく、第2の割合より小さい場合(S56において「YES」)、S57に動作が移行される。
【0120】
例えば、依頼人名「タアチ マモル」と受取人名「タマチ マモル」との一致率は、7文字中6文字、すなわち、6/7=85.7%であるため、第1の割合が「70%」に設定されており、第2の割合が「100%」に設定されている場合、一致率が第1の割合より大きく、第2の割合よりも小さいと判定される。
【0121】
処理部264によって依頼人名と受取人名とが類似すると判定された場合には、依頼人が本人振込を行おうとしたものの、依頼人名および受取人名の一方が誤って文字認識または修正された可能性がある。したがって、かかる場合には、出力制御部265は、依頼人名と受取人名との相違に関する情報の表示部268による表示を制御する。これによって、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能となるため、堅確性の向上が図られる。
【0122】
より詳細に、S57に動作が移行された場合、出力制御部265は、依頼人名と受取人名との相違に関する注意メッセージの表示部268による表示を制御する(S57)。これによって、エントリ者に注意喚起がなされる。図12に示された例では、エントリ画面50のコメント欄に「本人振込の可能性がありますが、受取人名と依頼人名が相違しています。受取人名と依頼人名の再確認を行ってください。」という注意メッセージが表示されている。
【0123】
(効果)
本発明の第1の実施形態によれば、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能となるため、堅確性の向上が図られる。これによって、受取人の通帳に誤った依頼人名が記載されてしまう可能性が低減され得る。
【0124】
(変形例)
なお、上記では、処理部264が、依頼人名と受取人名との間において、文字数が一致する場合、かつ、依頼人名と受取人名との一致率が第1の割合よりも大きく第2の割合よりも小さい場合に、依頼人名と受取人名とが類似すると判定する場合について説明した。しかし、処理部264は、依頼人名と受取人名との間において、一致する文字の数が第1の数よりも大きく第2の数よりも小さい場合に、依頼人名と受取人名とが類似すると判定してもよい。
【0125】
また、上記では、S52~S57に示された動作がエントリ端末26によって実行される場合を主に想定した。しかし、S52~S57に示された動作は、他の操作端末によって実行されてもよい。一例として、S52~S57に示された動作は、ベリファイ端末27によって実行されてもよい。
【0126】
すなわち、ベリファイ端末27において、取得部273は、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得するとともに、振込依頼書のイメージデータにおける受取人名の記入欄に対する文字認識結果または文字認識結果の修正結果を受取人名として取得してもよい。そして、出力制御部275は、依頼人名と受取人名とが類似する場合に、依頼人名と受取人名との相違に関する情報の表示部278による表示を制御してもよい。
【0127】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0128】
<8.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0129】
(動作)
本発明の第2の実施形態においては、依頼人が振込依頼書の依頼人名の記入欄に自分自身を示す所定のワードを記入する場合を想定する。典型的には、自分自身を示すワードの例として「ホンニン」が挙げられる。ここでは、依頼人が依頼人名の記入欄に自分自身を示すワードとして「ホンニン」を記入したものの、依頼人名の記入欄に対する文字認識結果として「ホンニソ」が得られてしまった場合を想定する。
【0130】
図14は、本発明の第2の実施形態によるエントリ画面50の具体例を示す説明図である。図14を参照すると、依頼人名の切り出しイメージとしては、「ホンニン」が表示されているが、依頼人名の文字認識結果としては、誤って「ホンニソ」が得られてしまっている。
【0131】
図15は、本発明の第2の実施形態に係るエントリ端末26の動作例を示すフローチャートである。本発明の第1の実施形態と同様に、エントリ端末26においては、出力制御部265は、為替サーバ20から取得された振込データに基づいて、複数の項目それぞれに対応する切り出しイメージおよび文字認識結果を含んだエントリ画面50を表示するように表示部268を制御する(S61)。
【0132】
エントリ者は、項目に対応する切り出しイメージを目視しながら、その項目に対応する文字認識結果が誤っていると判断すれば、入力部261に対してその文字認識結果の修正操作を入力する。図14に示された例では、依頼人名の文字認識結果「ホンニソ」が誤っていることをエントリ者が見逃してしまう場合が想定される。
【0133】
エントリ者によってエントリ画面50の「送信」ボタンが押下されると、取得部263は、エントリ画面50における依頼人名フィールドに設定されているデータを依頼人名として取得する。なお、依頼人名フィールドに設定されているデータは、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または文字認識結果の修正結果に該当する。
【0134】
処理部264は、依頼人名と自分自身を示すワード「ホンニン」とが類似するか否かを判定する。例えば、処理部264は、依頼人名と自分自身を示すワード「ホンニン」との間において、一致する文字の数(以下、「一致数」とも言う。)が第1の数よりも大きく第2の数よりも小さい場合に、依頼人名と自分自身を示すワード「ホンニン」とが類似すると判定する。
【0135】
より詳細に、処理部264は、依頼人名の文字数と自分自身を示すワード「ホンニン」の文字数とを比較する(S63)。依頼人名の文字数と自分自身を示すワード「ホンニン」の文字数とが一致しない場合には(S64において「NO」)、S16(図10)に動作が移行される。一方、依頼人名の文字数と自分自身を示すワード「ホンニン」の文字数とが一致する場合には(S64において「YES」)、S65に動作が移行される。
【0136】
図14に示された例では、依頼人名「ホンニソ」および自分自身を示すワード「ホンニン」の両方とも文字数は4文字であるため、文字数が一致すると判定される。
【0137】
続いて、処理部264は、依頼人名の文字列と自分自身を示すワード「ホンニン」の文字列とを比較する(S65)。依頼人名の文字列と自分自身を示すワード「ホンニン」の文字列との一致数が所定の数ではない場合(S66において「NO」)、S16(図10)に動作が移行される。一方、依頼人名の文字列と自分自身を示すワード「ホンニン」の文字列との一致数が所定の数である場合(S66において「YES」)、S67に動作が移行される。
【0138】
例えば、依頼人名「ホンニソ」と自分自身を示すワード「ホンニン」との一致数は、3文字であるため、所定の数が「3文字」に設定されている場合、一致数が所定の数であると判定される。
【0139】
処理部264によって依頼人名と受取人名とが類似すると判定された場合には、依頼人が本人振込を行おうとしたものの、依頼人名が誤って文字認識または修正された可能性がある。したがって、かかる場合には、出力制御部265は、依頼人名と受取人名との相違に関する情報の表示部268による表示を制御する。これによって、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能となるため、堅確性の向上が図られる。
【0140】
より詳細に、S67に動作が移行された場合、出力制御部265は、依頼人名の誤りに関する注意メッセージの表示部268による表示を制御する(S67)。これによって、エントリ者に注意喚起がなされる。図14に示された例では、エントリ画面50のコメント欄に「本人振込の可能性がありますが、依頼人名が「ホンニン」と相違しています。依頼人名の再確認を行ってください。」という注意メッセージが表示されている。
【0141】
(効果)
本発明の第2の実施形態によれば、本発明の第1の実施形態と同様に、ホストに送信される仕向電文に含まれる依頼人名の正当性を担保することが可能となるため、堅確性の向上が図られる。これによって、受取人の通帳に誤った依頼人名が記載されてしまう可能性が低減され得る。
【0142】
(変形例)
なお、上記では、処理部264が、依頼人名と自分自身を示すワードとの間において、文字数が一致する場合、かつ、依頼人名と自分自身を示すワードとの一致数が所定の数である場合に、依頼人名と自分自身を示すワードとが類似すると判定する場合について説明した。しかし、処理部264は、依頼人名と自分自身を示すワードとの間において、文字数が一致する場合、かつ、一致率が所定の割合である場合に、依頼人名と自分自身を示すワードとが類似すると判定してもよい。
【0143】
また、上記では、S62~S67に示された動作がエントリ端末26によって実行される場合を主に想定した。しかし、S62~S67に示された動作は、他の操作端末によって実行されてもよい。一例として、S62~S67に示された動作は、ベリファイ端末27によって実行されてもよい。
【0144】
すなわち、ベリファイ端末27において、取得部273は、振込依頼書のイメージデータにおける依頼人名の記入欄に対する文字認識結果または文字認識結果の修正結果を依頼人名として取得してもよい。そして、出力制御部275は、依頼人名と自分自身を示すワードとが類似する場合に、依頼人名の誤りに関する情報の表示部278による表示を制御してもよい。
【0145】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0146】
<9.ハードウェア構成>
続いて、本発明の実施形態に係るエントリ端末26のハードウェア構成例について説明する。以下では、本発明の実施形態に係るエントリ端末26のハードウェア構成例として、情報処理装置900のハードウェア構成例について説明する。ベリファイ端末27、承認端末28および為替サーバ20それぞれのハードウェア構成も、エントリ端末26のハードウェア構成と同様に実現され得る。
【0147】
なお、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成例は、エントリ端末26、ベリファイ端末27、承認端末28および為替サーバ20それぞれのハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、エントリ端末26、ベリファイ端末27、承認端末28および為替サーバ20それぞれのハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。
【0148】
図16は、本発明の実施形態に係るエントリ端末26の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0149】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0150】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0151】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0152】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0153】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0154】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0155】
以上、本発明の実施形態に係るエントリ端末26の例としての情報処理装置900のハードウェア構成例について説明した。
【0156】
<9.むすび>
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0157】
例えば、上記では、金融機関向けの為替システムに本発明の実施形態が適用される例を説明したが、ホストが保有する口座情報に基づいて処理を行う他のシステム全般にも本発明の実施形態を適用可能である。
【0158】
また、本明細書の為替システムの処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、為替システムの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0159】
また、上記では、本発明の第1の実施形態と本発明の第2の実施形態とを別々に説明した。しかし、本発明の第1の実施形態と本発明の第2の実施形態とは併用されてもよい。このとき、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態が適用される順序は限定されない。しかし、本発明の第2の実施形態が先に適用され、本発明の第1の実施形態が後に適用されるのがより望ましい。より詳細に、依頼人名と自分自身を示す所定のワードとが類似しないと判定された場合に、依頼人名と受取人名とが類似するか否かが判定されるのがより望ましい。
【符号の説明】
【0160】
1 為替システム
20 為替サーバ
221 取得部
222 処理部
223 送信制御部
26 エントリ端末
263 取得部
264 処理部
265 出力制御部
27 ベリファイ端末
273 取得部
274 処理部
275 出力制御部
28 承認端末
283 取得部
284 処理部
285 出力制御部

図1
図2
図3
図4
図5
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