(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032063
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q30/02 444
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021137942
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】521378668
【氏名又は名称】株式会社unknown
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米満 智之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ランディングページに基づいて広告クリエイティブを生成する際にユーザの編集作業を支援する。
【解決手段】以下の処理装置110、表示装置120、入力装置130および記憶装置140を有する情報処理装置10を提供する。記憶装置140は、コンテンツの構成要素と属性と対応付けて記憶する。処理装置110は、ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出する。表示装置120は、処理装置110による制御の下、抽出された各構成要素を表示する。処理装置110は、表示装置120に表示された構成要素に対する編集の指示を入力装置130を介して受け付け、編集された構成要素に基づいて広告クリエイティブを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの構成要素と属性と対応付けて記憶する記憶手段と、
ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出する抽出手段と、
該抽出された各要素を表示する表示手段と、
該表示された要素に対する編集の指示を受け付ける受付手段と、
編集された要素に基づいて広告クリエイティブを生成する生成手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記編集の指示は、要素の選択または削除、複数の要素の結合、選択された要素の前記広告クリエイティブ内の配置の指定、および要素に対応付けられた属性の修正のうち、少なくとも何れかを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
各要素は、対応する属性の区分毎に区別して表示される
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記属性の区分は、商品またはサービスに関する説明の区分、商品またはサービスの価格に関する区分、商品またはサービスの提供者に関する情報の区分、および販売促進に関する区分を含む
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
各要素は、各区分内の概念階層毎に区別して表示される
請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
該生成された広告クリエイティブが、広告掲載媒体の制約に適合するか否かを判定する第1判定手段を更に有する
請求項1~5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
広告クリエイティブの作成ポリシーを取得する取得手段と、
該生成された広告クリエイティブが前記作成ポリシーに適合したものであるか否かを判定する第2判定手段と
を更に備える請求項1~6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
コンテンツの各構成要素に対応する属性を取得するステップと、
ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出するステップと、
該抽出された各要素を表示するステップと、
該表示された要素に対する編集の指示を受け付けるステップと、
編集された要素に基づいて広告クリエイティブを生成するステップと
を有する広告クリエイティブの生成を支援するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告クリエイティブの生成や編集に関する。
【背景技術】
【0002】
商品またはサービスの広告用に作成された成果物は、広告クリエイティブと称される。広告クリエイティブには、商品やサービスの特徴を伝える機能がある一方で、商品の出所(製造メーカーやサービス事業者)のブランドを認知させるという機能もあり、広告掲載媒体側が規定する文字数や包含すべき文言等の制約に合わせつつ、広告効果が最大限発揮できるように、テキスト情報(宣伝文句)や画像コンテンツなどの訴求要素を選択して適切に配置することが求められている。
【0003】
広告コンテンツの種類としては、テキスト、静止画、動画などがある。一般的に、広告クリエイティブにはランディングページへのリンク情報が内包されており、ユーザ端末等において表示された広告クリエイティブの内容に興味をもったユーザが広告クリエイティブに対してクリック等の操作を行うと、ランディングページが表示される仕組みになっている。ランディングページとは、商品の販売者やサービスの提供者によって作成・管理されるものであって、一般的には、商品またはサービスを説明するとともに、その商品またはサービスの購入、貸与、その他ユーザが商品またはサービスを利用するための申し込みを受け付けるためのウェブサイト(いわゆる購入サイト)をいう。
【0004】
自社の広告担当者や広告代理店の社員が、ランディングページの内容を確認して、そこからキーワードなどを抜き出し、当該キーワードをちりばめつつ、経験等に基づいて、広告効果が最も高そうな宣伝文句を考案して広告クリエイティブを作成することが行われている。
一方、広告媒体が多様化しており、広告効果の高いランディングページの内容に基づいて、携帯媒体の制約等を加味しながら、異なる内容の多数の広告クリエイティブを効率的に作成することが求められている。
【0005】
人手によってこのような作業を行う場合、時間的な制約から、広告クリエイティブ内における情報の重複や、伝えるべき事項の漏れないかを確認するのは難しい。また、ある商品・サービス群が形成された1つのランディングページに基づいて個別の商品またはサービス向けに複数の広告クリエイティブが生成されることがよくあるが、このような場合、結果的に、生成された各広告クリエイティブから受ける印象がかなり異なってしまうことがありうる。このような状況は、ブランドイメージの統一化という点では好ましくない場合がある。更に、広告担当者が入れ替わった場合などに、それまで培った広告宣伝についての経験やノウハウを伝えることが難しく、この場合、ブランドイメージが変わってしまう可能性もある。
【0006】
特許文献1には、ランディングページを解析してキーとなる語から広告の構造を決定し、ユーザに提案するシステムが開示されている。
特許文献2には、ランディングページに基づいて適切な広告文を生成するシステムが開示されている。
特許文献3には、広告が掲載されるホームページの語彙を解析して自動的に広告を生成するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2015-521301号公報
【特許文献2】特開2016-4301号公報
【特許文献3】特開2005-242711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
文献1~3の技術では、人の手を介さずに広告クリエイティブが自動的に生成され得る。しかし、一般的には、生成された広告クリエイティブの内容が意図したものとなるかどうかは保証されない。更に、生成のプロセスが外部からは分かりづらいので、例えば広告効果が芳しくなかった場合、なぜそのような広告クリエイティブが生成されたのかを事後的に検証することが困難である。逆に広告効果が想像以上であった場合でもその要因を特定したり、他の広告クリエイティブの生成に生かしたりするといったことが困難である。
【0009】
本発明は、広告クリエイティブの編集を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の情報処理装置は、記憶手段、抽出手段、表示手段、抽出手段、および生成手段を備える。記憶手段は、コンテンツの構成要素と属性と対応付けて記憶する。抽出手段は、ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出する。表示手段は、該抽出された各要素、即ち抽出手段により抽出された各要素、を表示する。受付手段は、該表示された要素、即ち表示手段に表示された要素、に対する編集の指示を受け付ける受付手段と、生成手段は、編集された要素に基づいて広告クリエイティブを生成する。
【0011】
より好ましい態様の情報処理装置では、前記編集の指示は、要素の選択または削除、複数の要素の結合、選択された要素の前記広告クリエイティブ内の配置の指定、および要素に対応付けられた属性の修正のうち、少なくとも何れかを含んでもよい。
【0012】
別の好ましい態様の情報処理装置では、各要素は、対応する属性の区分毎に区別して表示されてもよい。更に好ましい態様の情報処理装置では、前記属性の区分は、商品またはサービスに関する説明の区分、商品またはサービスの価格に関する区分、商品またはサービスの提供者に関する情報の区分、および販売促進に関する区分を含んでもよい。
【0013】
別の好ましい態様の情報処理装置では、各要素は、各区分内の概念階層毎に区別して表示されてもよい。
【0014】
別の好ましい態様の情報処理装置は、該生成された広告クリエイティブ、即ち生成手段により生成された広告クリエイティブが、広告掲載媒体の制約に適合するか否かを判定する第1判定手段を更に有してもよい。
【0015】
別の好ましい態様の情報処理装置は、広告クリエイティブの作成ポリシーを取得する取得手段と、該生成された広告クリエイティブが前記作成ポリシーに適合したものであるか否かを判定する第2判定手段と、を更に備えてもよい。
【0016】
本発明の一態様のプログラムは、コンピュータに、コンテンツの各構成要素に対応する属性を取得するステップと、ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出するステップと、該抽出された各要素を表示するステップと、該表示された要素に対する編集の指示を受け付けるステップと、編集された要素に基づいて広告クリエイティブを生成するステップとを有する広告クリエイティブの生成を支援するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による情報処理装置10の構成例を示す図である。
【
図2】テーブルTBLのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】処理装置110がプログラムPAに従って実行する編集支援方法の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】生成された広告クリエイティブの例を示す図である。
【
図8】生成された広告クリエイティブの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に述べる各実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本発明の実施形態は、以下に述べる形態に限られるものではない。
1.実施形態
図1は、本発明の一実施形態による情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。情報処理装置10は、例えば広告主である企業の社員や広告代理店の従業員が広告クリエイティブの編集を支援するための装置である。
図1に示されるように、情報処理装置10は、処理装置110と、表示装置120と、入力装置130と、記憶装置140と、を備える。なお、情報処理装置10は、編集対象の広告クリエイティブのデータを入出力するための入出力インタフェースを備える。広告クリエイティブのデータの具体例としてはHTML(Hypertext Markup Language)データが挙げられる。また、入出力インタフェースの具体例としては、編集対象の広告クリエイティブのデータを記憶したUSB(Universal Serial Bus)メモリ等を接続するUSBインタフェース、またはインターネット等の電気通信回線を介して広告クリエイティブのデータを記憶した他の装置と通信するための通信インタフェースが挙げられる。この入出力インタフェースについては、本発明との関連が薄いため、以下では説明を省略する。
【0019】
処理装置110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、即ちコンピュータを含む。処理装置110に含まれるプロセッサは1つであってもよいし、複数であってもよい。処理装置110は、記憶装置140に記憶されているプログラムPAに従って動作することにより、情報処理装置10の制御装置として機能する。プログラムPAに従って処理装置110が実行する処理の内容は後に明らかにされる。
【0020】
表示装置120は、例えば液晶ディスプレイと、当該液晶ディスプレイの駆動回路とを含む。表示装置120は、処理装置110による制御の下、各種画像を表示する。詳細については後述するが、表示装置120は本発明における表示手段の一例である。
【0021】
入力装置130は、テンキー等の各種操作子を有するキーボードと、マウス等のポインティングデバイスとを含む。各種操作子またはポインティングデバイスに対してユーザ(即ち、広告クリエイティブの作成者)の操作がなされると、入力装置130はユーザの操作内容を表す操作内容データを処理装置110に与える。入力装置130から処理装置110へ操作内容データが与えられることによって、操作内容データの表す操作内容が処理装置110に伝達される。詳細については後述するが、入力装置130は、本発明における受付手段として機能する。
【0022】
記憶装置140は、不揮発性記憶装置142と揮発性記憶装置144とを含む。不揮発性記憶装置142は、例えばハードディスクである。不揮発性記憶装置142には、プログラムPAと、テーブルTBLと、データベースDBとが予め記憶されている。不揮発性記憶装置142には、プログラムPA、テーブルTBL、およびデータベースDBの他に、OS(Operating System)を処理装置110に実現させるカーネルソフトウェアが記憶されているが、カーネルソフトウェアに関しては本発明との関連が薄いため、
図1では図示が省略されている。
【0023】
データベースDBには、情報処理装置10のユーザにより作成済の複数のランディングページのHTMLデータがランディングページ毎に記憶されている。テーブルTBLは、例えば、データベースDBに記憶されている広告クリエイティブに対してディープラーニング等の機械学習を施すことにより生成される。より詳細には、データベースDBに記憶されている広告クリエイティブに対して機械学習を施すことにより、広告クリエイティブの構成要素と当該構成要素の属性とが抽出され、両者を対応付けることでテーブルTBLが生成される。このテーブルTBLは、生成しようとしている広告クリエイティブの構成要素の重複あるいは漏れの確認の支援に利用される。
【0024】
図2は、テーブルTBLのデータ構造の一例を示す図である。
図2に示されるように、テーブルTBLには、ランディングページの構成要素の内容を示す内容データに対応付けて、当該構成要素の属性を示す属性データが記憶されている。ランディングページの構成要素の具体例としては、閲覧者の注意を喚起する文言を表す文字列データ、および閲覧者の注意を喚起する画像を表す画像データ等が挙げられる。
例えば、閲覧者の注意を喚起する文言の一例としては、ランディングページにて購入を受け付ける商品またはサービスに関する説明文あるいは当該説明文から抽出されるキーワード、当該商品またはサービスの価格、当該商品またはサービスの提供者の名称またはキャッチコピー等が挙げられる。
属性データの一例としては、当該属性データの示す属性の区分を表す文字列が挙げられる。属性の区分の具体例としては、広告クリエイティブにて購入を受け付ける商品またはサービスに関する説明の区分、当該商品またはサービスの価格に関する区分、当該商品またはサービスの提供者に関する情報の区分、および販売促進に関する区分が挙げられる。
【0025】
なお、上述した属性の分類や定義の方法は一例であって、既存のフレームワークに従って区分してもよい。例えば、マーケティングの4P(Product,Price,Place,Promotion)に基づいて4つに属性を区分することができる。同図の例でいえば、ABC保険会社による商品「健康プランXYZ」の広告に関し、商品に関係する属性は属性1、価格に関係する属性は属性2、流通に関係する属性は属性3と、販売促進に関係する属性は属性4とする。
また、同図の例のように、属性情報は階層構造を有してもよい。属性情報が階層構造を有する場合、階層の数については任意である。ここで同一階層に複数の語が存在する場合、広告クリエイティブを生成するに際しどの語を優先して採用するかを規定する情報(優先度)が規定されてもよい。
【0026】
要するに、属性情報は、ランディングページから広告クリエイティブを生成する際に、少なくとも生成手段110bによって参照されるものであって、実質的な内容の重複や漏れがないかをユーザがチェックするのに資するものであれば、その定義や内容は問わない。
不揮発性記憶装置142は、編集対象の広告クリエイティブの構成要素と属性とを対応付けて記憶する記憶手段の一例である。
【0027】
揮発性記憶装置144は、例えばRAM(Random Access Memory)である。揮発性記憶装置144は、カーネルソフトウェアまたはプログラムPA等の各種ソフトウェアを実行する際のワークエリアとして処理装置110によって利用される。また、プログラムPAの実行過程で生成、および/または参照されるデータも揮発性記憶装置144に記憶される。
【0028】
処理装置110は、情報処理装置10の電源(
図1では図示略)の投入、またはリセットを契機としてカーネルソフトウェアを不揮発性記憶装置142から揮発性記憶装置144へ読み出し、読み出したカーネルソフトウェアに従って作動する。カーネルソフトウェアに従って作動している処理装置110はOSを実現する。OSを実現している状態の処理装置110は、入力装置130に対してなされるユーザの操作に応じて、他のプログラムの実行を開始する。プログラムPAの実行開始を指示する操作が入力装置130に対してなされると、処理装置110はプログラムPAを不揮発性記憶装置142から揮発性記憶装置144へ読み出し、読み出したプログラムPAに従って作動する。
【0029】
プログラムPAに従って作動している処理装置110は、
図1に示されるように、抽出手段110a、および生成手段110bとして機能する。本実施形態における抽出手段110a、および生成手段110bは、処理装置110をプログラムPAに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。抽出手段110a、および生成手段110bの各々が担う機能の内容は次の通りである。
【0030】
抽出手段110aは、編集対象のランディングページを構成している複数の構成要素の各々を当該ランディングページのHTMLデータから抽出する。ここで、HTML構文を解析することで、構成要素が画像なのかテキストなのかはメタタグの有無から判定すればよい。例えば、<img>という文字列があった場合は、抽出手段110aは、<img>という文字列自体を構成要素として抽出するのではなく、HTML構文を解析し、この結果、当該文字列はイメージタグであると判定し、イメージタグ内に記載されている画像データのURLから当該画像データを構成要素として抽出する。なお、抽出手段110aは、ランディングページのHTMLデータを解析する機能を有さず、HTMLデータを解析する他の情報処理装置によって抽出された構成要素を、当該他の情報処理装置から取得してもよい。
【0031】
ここで、テキスト情報(文字列)からどのような単位(文字、単語、句、文章など)を構成要素として切り出すべきかについては、既知の自然言語処理アルゴリズムを適宜使用することができる。この際、抽出手段110aは、文字列や数字列の配置に組み合わせによって構成要素の単位を決定してもよい。例えば、「円」と前後にある数字「****」が連続して配置されていると認識した場合、当該数字列は価格を表すものと判定し、「****円」を一つのまとまりとして抽出する。あるいは、「0*0―****―****」というハイフンで繋がれた所定桁数の数字列を認識した場合は、この数字列は電話番号を表していると認識し、「0*0―****―****」を一つの構成要素として抽出する。
【0032】
そして、抽出手段110aは、抽出した各構成要素に対応する属性を、テーブルTBLを参照して決定する。また、抽出手段110aは、抽出した各構成要素を表示装置120に表示する。
【0033】
なお、抽出手段110aは、テーブルTBLのみからでは属性が決定できない場合は、以下の方法で属性を決定することができる。例えば、抽出手段110aは、抽出した構成要素に対して所定の自然言語処理アルゴリズムを用いてキーワード(暫定的な属性)を付与する。そして、テーブルTBLを参照し、このキーワードに対応付けられた属性を決定する。例えば、「¥****」という一つの構成要素を抽出した場合、「価格」というキーワードが付与される。そして、テーブルTBLを参照すると、構成要素として、文字列である「価格」が登録されており、この文字列に対しては「属性2」が付与されている。従って、「¥****」の属性は「属性2」であると決定される。
【0034】
このように、あらゆる単語ないし語句の属性を予め一つのテーブルTBL登録しておく必要は必ずしもない。また、このような方法を用いてもなお属性が決定できない場合や決定した属性が客観的に正しくないこともあり得るが、構わない。後述するように、ユーザは付与された属性の妥当性を確認し、必要に応じて変更することができるからである。属性が決定できなかった構成要素については、例えば「未分類」あるいは「その他属性」という一つの属性カテゴリを付与しておけばよい。
【0035】
編集対象の広告クリエイティブの構成要素の具体的な表示態様としては、対応する属性の区分毎に各構成要素を区別し、所定の形式で表示する。
【0036】
また、抽出手段110aは、
図3または
図4に示す形式で表示装置120に表示された各構成要素に対する編集の指示を、入力装置130を介して受け付ける。入力装置130を介して受け付ける編集の指示には、構成要素の選択または削除、複数の構成要素の結合、選択された構成要素の広告クリエイティブ内の配置の指定、および構成要素に対応付けられた属性の修正のうちの少なくとも何れかが含まれる。処理装置110は、ユーザによって指示された編集内容が反映された画面を表示装置120に表示する。
【0037】
図3の(a)は、表示画面SC1を示す。SC1においては、属性1~Nの各々に属する要素1~Mが表示される。これによりユーザは、抽出された要素と属性との対応関係を容易に理解することができる。そして、各要素をマウスやタッチ操作等によって指定し、指定した要素について、削除、内容情報(文字列の修正)、配置の指定(例えばタイトルの位置に配置するのか、説明文において使用するのかなど)の指示を入力することができるようになっている。例えば、少なくとも「健康プラン」、「健康応援団」、「価格」、「手数料」という語については広告クリエイティブに含ませたいとユーザが考えた場合、これらの語を選択する。選択された要素は、他の要素と特別するため、例えば着色表示その他の表示態様を用いて表示される。
【0038】
同図(b)は、属性の編集作業の画面SC2を示す。ユーザは、例えば、抽出された要素に対して自動的に付与された属性が妥当でないと判断した場合、当該要素を右クリック等の操作によって選択すると、ポップアップウィンドウOB1が表示され、ユーザが属性を指定し直すことができる。そして、処理装置110は、テーブルTBLの内容をこの再指定された属性で書き換える。
【0039】
また、属性が階層構造を有している場合、情報処理装置10は、
図3に示す表示態様に替えて、各区分内の概念階層毎に各構成要素を区別し、例えば
図4に示すツリー形式で、属性毎にグルーピングして、グループに応じた表示領域に各構成要素を表示する表示態様を採用してもよい。
同図(a)の例では、属性1-1に属する健康プランXYZがあり、属性1-2に「健康応援団」と「ベストソリューション」が存在することが容易に理解できる。同図(b)において、(a)において属性を編集した結果を反映した例である。具体的には、ユーザは、「健康応援団」は商品のキャッチコピー(属性1)というよりは、企業ブランドのキャッチコピー(属性4)として機能していると捉えたほうが妥当であると考え、「健康応援団」を選択して、ドラック&ドロップ等の操作によって、属性1から属性4に指定し直す。
【0040】
なお、
図3および4に示した表示画面の構成はあくまで例示であって、例えば、
図3や4のへ表示形式に替えてまたは加えて、属性毎に異なる色で表示する(色分け表示)という表示態様を用いてもよい。例えば、同一の概念階層に属する複数の語に対してそれぞれ優先度が規定されている場合、優先的が直感的に理解できるような表示態様(優先度の順に配置する、異なる色で表示するなど)を採用してもよい。
【0041】
なお、どのような表示態様を採用するかは、ユーザが予め指定しておいてもよいし、処理装置110が自動的に最適な態様を決定してもよい。また、情報処理装置10は、ユーザによる表示態様の切り替え指示に基づいて、表示制御を行ってもよい。
【0042】
生成手段110bは、既知の形態素解析や文書生成アルゴリズムを用いて、ユーザによって指定された構成要素および属性を用いて、広告クリエイティブを生成する。なお、使用する要素についてユーザからの指定が特になかった場合、上記文書生成アルゴリズムおよび予め別途ユーザがから指定される制約条件(生成する広告クリエイティブの文字数やレイアウトなど)に基づいて、抽出手段110aが抽出した複数の要素のなかから広告クリエイティブに使用する1以上の要素を決定する。
【0043】
上述の所定の文書生成アルゴリズムとは、例えば、各属性から選択すべき要素(語句)の数、選択された語句のフォント、サイズ、配置(レイアウト)などを規定するとともに、必要に応じて、複数の要素を結合してどのように文章化するか、生成すべき広告クリエイティブにおいて画像オブジェクトとテキスト情報とをどのような関係で配置するのかを規定するものである。このアルゴリズムは、例えば、広告掲載先の媒体を管理する者が策定し情報処置装置1のユーザである広告主に通知するガイドラインに沿ったものである。あるいは、広告の目的、広告対象の商品やサービスに応じて広告主が独自に作成するものであってもよい。
【0044】
また、プログラムPAに従って作動している処理装置110は、本発明の編集支援方法を実行する。
図5は、本発明の編集支援方法の流れを示すフローチャートである。
図5に示されるように、本発明の編集支援方法は、抽出ステップSA110、取得ステップSA120、表示ステップSA130、受付ステップSA140、および生成ステップSA150を含む。これら各ステップにおいて処理装置110が実行する処理の内容は、次の通りである。
【0045】
抽出ステップSA110、取得ステップSA120、表示ステップSA130、および受付ステップSA140では、処理装置110は、抽出手段110aとして機能する。抽出ステップSA110では、処理装置110は、ランディングページを構成している複数の構成要素を抽出する。取得ステップSA120では、処理装置110は、抽出ステップSA110にて抽出された各構成要素に対応する属性を、テーブルTBLを参照して取得する。表示ステップSA130では、処理装置110は、抽出ステップSA110にて抽出された各構成要素を、例えば
図3または
図4に示す形式で表示装置120に表示する。受付ステップSA140では、処理装置110は、表示ステップSA130にて表示装置120に表示された構成要素に対する編集の指示を、入力装置130を介して受け付ける。
【0046】
生成ステップSA150では、処理装置110は、生成手段110bとして機能する。生成ステップSA150では、処理装置110は、受付ステップSA140にて受け付けた指示に応じて編集された構成要素に基づいて広告クリエイティブを生成する。
【0047】
図6はランディングページのトップ画面の一例である。このランディングページは、ABC保険会社が管理・運用するものであって、「健康プランXYZ」という保険商品の説明や申し込み等の各種手続きを行うためのウェブページである。
【0048】
図7は、情報処理装置10によって、あるランディングページに基づいて生成された、テキスト情報のみからなる広告クリエイティブの例C1およびC2を示す。生成手段110bが用いた文章化アルゴリズムは同一である。
具体的には、第1行目、にこの広告クリエイティブに対してクリック等の操作がなされた場合のリンク先であるウェブページのURLが配置され、第2行目に2つの検索タグ(キーワード)と、最後に広告対象の商品(この場合は保険商品)の説明文とが含まれるという構造になっている。更に詳細には、第2行目に配置される文字は、文章化アルゴリズムは、会社名と商品の概要を示す語の中で最も優先度が高いもの、商品の特徴を示す語であって最も優先度が高いもの、商品のキャッチコピーの中で最も優先度が高いもの、の順序で、区切り文字を「|」を用いて左から配置するというアルゴリズムが採用されている。
同図から分かるように、広告クリエイティブC1およびC2においては、第2行目の内容が異なっている。この理由は、受付ステップSA140において、ユーザが属性を「健康応援団」が商品についてキャッチコピーではないと判断してその属性を変更した結果、商品のキャッチコピーの属性の中で次に優先度が高かった語「ベストソリューション」が配置されているという結果になっている。
【0049】
図8は、10によって生成された画像オブジェクトとテキスト情報とからなる広告クリエイティブC3~C5である。広告クリエイティブC3~C5の内容が異なっているのは、生成手段110bによって用いられた文書生成アルゴリズムが異なっているためである。
【0050】
図9は、表示装置120に表示される画面SC10の例である。画面SC10は、表示領域W1、W2、およびW3で構成される。
表示領域W3は、上述したように、広告クリエイティブの編集画面である。表示領域W1は、広告クリエイティブの基礎となるランディングページを表示する。表示領域W2は、現在編集の内容がリアルタイムに反映された広告クリエイティブが表示される。このような画面構成を採用することで、ユーザは、広告クリエイティブがどのようになるのか、およびランディングページと対比することにより、内容に漏れや重複がない等の観点から編集内容の妥当性を容易に判断することができる。
【0051】
上述したように、本実施形態によれば、まず、ランディングページのコンテンツを構成する要素が自動的に抽出される。そして、抽出された各要素の属性が決定され、決定された属性に基づいて各要素が分類することで、ランディングページの情報が整理される。そして、整理された結果が、属性に対応した形式でユーザに提示される。ユーザは、修正の必要があれば、画面をみながら必要な編集を行って、最終的な広告クリエイティブに仕上げることができる。ランディングページから自動的に広告クリエイティブを生成する場合に比べて、広告クリエイティブの質を担保することができる。
また、属性をキーにして、ランディングページ内の内容およびランディングページに基づいて編集しようとしている広告クリエイティブの内容を整理して可視化することで、編集の広告クリエイティブを構成する要素が実質的な重複しているかどうか、あるいは足りない要素があるかなどといった事項のチェックをユーザが容易かつ客観的に行うことができる。こうして、ランディングページに基づいて広告クリエイティブを作成する際のユーザの作業が支援される。
【0052】
<変形例>
上述した実施形態は以下のように変形され得る。
【0053】
情報処理装置10は、生成手段110bにより生成された広告クリエイティブが、広告掲載媒体の制約などの掲載の適否の基準に適合するか否かを判定する第1判定手段を更に有してもよい。情報処理装置10が第1判定手段を有する態様では、広告掲載媒体の制約等に適合しないと第1判定手段により判定された場合には、警告メッセージの表示装置120への表示が行なわれてもよい。具体的には、記憶装置140に、広告掲載媒体(E-コマース(EC)サイトや情報検索サイトなど)毎に、その制約等を示す情報(文字数、データ量、禁止用語、広告クリエイティブ内に必ず含まれていなければいけない内容(例えば上述の属性の区分の指定))を掲載基準として予め記憶しておき、情報処理装置10は生成した広告クリエイティブとを対比して判定する。例えば、広告掲載媒体の制約上、商品のキャッチコピーは最大1つまでしか入れてはならないというものであった場合に、ユーザが、同一属性に属する、商品のキャッチコピーに相当する語句を2以上の選択しようとすると、「キャッチコピーは1つしか使えません」といったメッセージがポップアップ表示される。
なお、第1判定手段は、ソフトウェアモジュールであってもよいし、ハードウェアモジュールであってもよい。
【0054】
また、情報処理装置10は、以下の取得手段および第2判定手段を更に有してもよい。まず、取得手段は、広告クリエイティブの作成ポリシーを示す情報を取得する。ここで、作成ポリシーとは、例えば商品の製造やサービスの提供を行っている企業が独自に策定するものであって、自社の宣伝広告に際して提供する基準である。広告クリエイティブを構成する要素(テキスト情報や画像)、当該要素の情報量(文字数や画像のサイズやフォントなど)、複数の要素の位置関係(配置、順序)、禁則用語、などを規定する。例えば、要素の配置については、商品の販売者やサービスの提供者の会社名は、必ず所定のフォントで所定の位置(例えば、広告クリエイティブがテキスト広告の場合は、先頭の位置)に配置するという事項が規定される。作成ポリシーを表す情報は記憶装置140に記憶され第2判定手段によって参照される。
【0055】
第2判定手段は、生成手段110bにより生成された広告クリエイティブが、取得手段により取得された作成ポリシーに適合したものであるか否かを判定する。取得手段および第2判定手段を情報処理装置10が有する態様では、広告クリエイティブが作成ポリシーに適合していないと第2判定手段により判定された場合に、警告メッセージの表示装置120への表示が行なわれてもよい。例えば、作成ポリシーが、ブランドイメージとの関係で派手な印象にならないように、広告クリエイティブのサイズに示す画像オブジェクトが占める割合を50%以下にする、というものである場合に、ユーザが編集画面において指定した画像オブジェクトの(総)面積が広告クリエイティブのサイズの50%を超える場合は、「画像が占める割合を50%以下にしてください」といったメッセージを表示する。
なお、取得手段および第2判定手段の各々は、ソフトウェアモジュールであってもよいし、ハードウェアモジュールであってもよい。
【0056】
ユーザが行った編集作業のプロセスを記憶装置140に記憶してもよい。こうすることで、広告クリエイティブの作成経験が浅いユーザであっても、自動抽出による抽出精度の不測の程度やどのように編集を行えばよいかの学習を支援することができる。
【0057】
上記実施形態における抽出手段110aおよび生成手段110bはソフトウェアモジュールであったが、ASIC等の電子回路、即ちハードウェアモジュールであってもよい。抽出手段110aおよび生成手段110bの何れか一方、または両方がハードウェアであっても、上記実施形態と同じ効果が奏される。
【0058】
プログラムPAが単体で製造または提供されてもよい。プログラムPAの具体的な提供態様としては、インターネット等の電気通信回線経由のダウンロードにより配布する態様、またはUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に書き込んで配布する態様が挙げられる。これらの態様により配布されるプログラムPAに従って一般的なコンピュータを作動させることで、当該コンピュータに本発明の編集支援方法を実行させることが可能になる。
【0059】
本発明において、広告クリエイティブを生成する際の基礎となる情報としては、いわゆるランディングページとよばれるデジタルコンテンツに限定されず、雑誌あるいは折込チラシ等の紙媒体に掲載される文章および/または画像であってもよい。この場合、抽出手段110aにOCR等の文書読み取り装置を備え、ランディングページにアクセスするのに替えて、広告クリエイティブを生成するための基礎となるデジタルデータ紙媒体から取得すればよい。
同様に、生成した広告コンテンツはユーザの情報端末に表示することを目的とするものではなく、紙媒体に印刷して提供されることを目的とするものであってもよい。
【0060】
ここで、広告クリエイティブを生成する際の基礎となる情報と生成される広告クリエイティブとは、商品またはサービスを介して内容的に何らかの関連性があればよい。例えば、広告クリエイティブを生成する際の基礎となる情報には複数の商品やサービスについて記載されたもの(例えばその広告主が取り扱っている全商品が掲載されたページ)であり、生成されるクリエイティブはそのうちの一部の商品やサービスのみを宣伝する目的で作成されたものであってもよい。
【0061】
要するに、本発明においては、一または複数の情報処理装置を含む情報処理システムにおいて、コンテンツの構成要素と属性と対応付けて記憶するステップと、1以上の商品またはサービスの提供に関する情報を掲載した第1のコンテンツを構成している複数の要素を抽出するステップと、該抽出された各要素を表示するステップと、該表示された要素に対する編集の指示をユーザから受け付けるステップと、編集された要素に基づいて当該1以上の商品またはサービスのうち少なくとも1つを宣伝するための広告コンテンツを生成するステップとが実行されていればよい。
【符号の説明】
【0062】
10…情報処理装置、110…処理装置、120…表示装置、130…入力装置、140…記憶装置、142…不揮発性記憶装置、144…揮発性記憶装置、PA…プログラム、TBL…テーブル、DB…データベース。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの構成要素と属性と対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から、ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出する抽出手段と、
該抽出された各要素を表示する表示手段と、
該表示された要素に対する編集の指示を受け付ける受付手段と、
編集された要素に基づいて、前記ランディングページへのリンク情報を含む広告クリエイティブを生成する生成手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、によって生成される画面には、前記抽出手段にて抽出された各要素が対応する区分内の概念階層毎に区別して表示して編集操作を受け付ける第1の画面領域と、当該第1の画面領域に対する編集の結果が反映された広告クリエイティブが表示される第2画面領域とを含む画面を表示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記編集の指示は、要素の選択または削除、複数の要素の結合、選択された要素の前記広告クリエイティブ内の配置の指定、および要素に対応付けられた属性の修正のうち、少なくとも何れかを含む
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
各要素は、対応する属性の区分毎に区別して表示される
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記属性の区分は、商品またはサービスに関する説明の区分、商品またはサービスの価格に関する区分、商品またはサービスの提供者に関する情報の区分、および販売促進に関する区分を含む
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
各要素は、各区分内の概念階層毎に区別して表示される
請求項3ないし5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
該生成された広告クリエイティブが、広告掲載媒体の制約に適合するか否かを判定する
第1判定手段を更に有する
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
広告クリエイティブの作成ポリシーを取得する取得手段と、
該生成された広告クリエイティブが前記作成ポリシーに適合したものであるか否かを判定する第2判定手段と
を更に備える
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンテンツの各構成要素に対応する属性を記憶した記憶部を有するコンピュータに、
前記記憶部から、ランディングページのコンテンツを構成している複数の要素を抽出するステップと、
該抽出された各要素を表示するステップと、
該表示された要素に対する編集の指示を受け付けるステップと、
編集された要素に基づいて、前記ランディングページへのリンク情報を含む広告クリエイティブを生成するステップと
を有する広告クリエイティブの生成を支援するステップと
を実行させるためのプログラム。