(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032177
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】配達計画装置および仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138144
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】永渕 翔太
(72)【発明者】
【氏名】大川 泰弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】 本発明は、多数の配達物を効率良く配達を行えるように仕分けることができる配達計画装置および仕分けシステムを提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、配達計画装置は、インターフェースとプロセッサとを有する。インターフェースは、仕分けの対象とする複数の荷物に関する荷物情報を取得する。プロセッサは、仕分けの対象とする複数の荷物を配達するための道順計画を所定の道順条件で作成し、前記所定の道順条件での道順計画に組み込めない荷物に関する情報を計画外荷物情報データベースに登録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分けの対象とする複数の荷物に関する荷物情報を取得するインターフェースと、
前記仕分けの対象とする複数の荷物を配達するための道順計画を所定の道順条件で作成し、前記所定の道順条件での道順計画に組み込めない荷物に関する情報を計画外荷物情報データベースに登録するプロセッサと、
を有する配達計画装置。
【請求項2】
前記所定の道順条件は、複数の荷物を配達するためのコストを所定の範囲内とする条件である、
請求項1に記載の配達計画装置。
【請求項3】
前記荷物情報は、それぞれの荷物の配達先を示す情報を含み、
前記所定の道順条件は、配達先が所定の地域内であることを含む、
請求項2に記載の配達計画装置。
【請求項4】
前記荷物情報は、それぞれの荷物の配達先を示す情報を含み、
前記所定の道順条件は、他の荷物の配達先に対する距離が所定値以内であることを含む、
請求項2に記載の配達計画装置。
【請求項5】
前記インターフェースは、ソータで処理が可能な第1の荷物に関する荷物情報と前記ソータで処理できない第2の荷物に関する荷物情報とを取得し、
前記プロセッサは、前記ソータで処理可能な荷物に対する第1の道順計画と前記ソータで処理できない第2の道順計画とを作成し、前記第1の道順計画に組み込めない第1の荷物に関する情報と前記第2の道順計画に組み込めない第2の荷物に関する情報とを計画外荷物情報データベースに登録する、
請求項1に記載の配達計画装置。
【請求項6】
配達計画装置と配達依頼装置とを有する仕分けシステムにおいて、
前記配達計画装置は、
仕分けの対象とする複数の荷物に関する荷物情報を取得する第1のインターフェースと、
仕分けの対象とする複数の荷物を配達するための道順計画を所定の道順条件で作成し、前記所定の道順条件での道順計画に組み込めない計画外の荷物に関する情報を計画外荷物情報データベースに登録する第1のプロセッサと、有し、
前記配達依頼装置は、
前記計画外荷物情報データベースに登録された前記計画外の荷物に関する情報を取得する第2のインターフェースと、
前記計画外荷物情報データベースから取得した前記計画外の荷物に関する情報に基づいて前記計画外の荷物の配達を依頼する配達業者を選定する第2のプロセッサと、を有する、
仕分けシステム。
【請求項7】
前記配達依頼装置は、
さらに、前記計画外の荷物の配達を請け負うことが可能な配達業者のシステムにアクセスする通信インターフェースを有し、
前記第2のプロセッサは、前記配達業者のシステムから得られる情報に基づいて前記計画外の荷物の配達を依頼する配達業者を選定する、
請求項6に記載の仕分けシステム。
【請求項8】
前記配達依頼装置は、
さらに、前記計画外の荷物に配達先を含む地域に関する情報を提供する地域情報システムにアクセスする通信インターフェースを有し、
前記第2のプロセッサは、前記地域情報システムから得られる情報に基づいて前記計画外の荷物の配達を依頼する配達業者を選定する、
請求項6に記載の仕分けシステム。
【請求項9】
選別装置と配達計画装置とを有する仕分けシステムにおいて、
前記選別装置は、
仕分けの対象とする複数の荷物に関する荷物情報を取得する第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースにより取得した荷物情報から仕分けの対象とする各荷物をソータで処理が可能な第1の荷物と前記ソータで処理できない第2の荷物との何れかに選別し、前記第1の荷物に関する情報を第1の荷物情報データベースに登録し、前記第2の荷物に関する情報を第2の荷物情報データベースに登録する第1のプロセッサと、有し、
前記配達計画装置は、
前記第1の荷物情報データベースに登録された前記第1の荷物に関する情報と前記第2の荷物情報データベースに登録された前記第2の荷物に関する情報とを取得する第2のインターフェースと、
前記第1の荷物に関する情報に基づいて前記第1の荷物を配達するための第1の道順計画を作成し、前記第2の荷物に関する情報に基づいて前記第2の荷物を配達するための第2の道順計画を作成する第2のプロセッサと、を有する、
仕分けシステム。
【請求項10】
前記配達計画装置の前記第2のプロセッサは、前記第1の道順計画を所定の道順条件で作成し、前記第1の道順計画に組み込めない第1の荷物に関する情報を計画外荷物情報データベースに登録する、
請求項9に記載の仕分けシステム。
【請求項11】
前記配達計画装置の前記第2のプロセッサは、さらに、前記第2の道順計画を所定の道順条件で作成し、前記第2の道順計画に組み込めない第2の荷物に関する情報を前記計画外荷物情報データベースに登録する、
請求項10に記載の仕分けシステム。
【請求項12】
さらに、配達依頼装置を有し、
前記配達依頼装置は、
前記計画外荷物情報データベースに登録された計画外の荷物に関する情報を取得する第3のインターフェースと、
前記計画外荷物情報データベースから取得した前記計画外の荷物に関する情報に基づいて前記計画外の荷物の配達を依頼する配達業者を選定する第3のプロセッサと、を有する、
請求項10又は11の何れか1項に記載の仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配達計画装置および仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、郵便物や荷物などの複数の配達物をそれぞれの宛先に配達するために、複数の配達物をそれぞれの宛先に応じて配達の順番に仕分けるソータと呼ばれる自動化機器がある。ソータは、配達の対象となる複数の配達物を配達の順番に仕分けるためのソート計画に従ってソート処理を実行する。例えば、配達の対象となる複数の配達物をそれぞれの宛先へ順番に配達するための道順(配達ルート)が地図情報などの所定の情報などに基づいて作成され、作成された道順に沿った配達の順番となるようにソート計画が作成される。
【0003】
しかしながら、配達対象とする全ての配達物を配達の順番に仕分けしても、必ずしも効率的に配達できるとは限らない。例えば、1人の配達員が配達する配達物の宛先(配達先)間の距離が物理的に大きく離れている場合、短時間で配達可能となるような道順を作成することは困難である。また、宛先が想定する配達区画の外となる配達物が含まれている場合、配達員が実際に配達する範囲が想定よりも広大となるため、効率良く配達するのが難しくなる。
【0004】
また、ソータは、ソート処理できる物品(配達物)の形体や重さなどに制限があり、形状や重さなどが仕様外の配達物をソート処理できないという問題がある。ソータがソート処理できない配達物(仕様外の配達物)は、ソータに投入される前に人手によって除外されるか、ソータによって対象外として除外される。ソータがソート処理できない配達物は、作業員が配達の順番を考慮して仕分ける必要があり、効率良く配達できるような配達の順番に仕分けることが容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、多数の配達物を効率良く配達を行えるように仕分けることができる配達計画装置および仕分けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、配達計画装置は、インターフェースとプロセッサとを有する。インターフェースは、仕分けの対象とする複数の荷物に関する荷物情報を取得する。プロセッサは、仕分けの対象とする複数の荷物を配達するための道順計画を所定の道順条件で作成し、前記所定の道順条件での道順計画に組み込めない荷物に関する情報を計画外荷物情報データベースに登録する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る配達計画装置としての配達道順計画装置を含む仕分けシステムの構成例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る仕分けシステムにおける選別装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る仕分けシステムにおける配達道順計画装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る仕分けシステムにおけるソート計画装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る仕分けシステムにおける配達依頼装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る仕分けシステムにおけるソータの構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る選別装置による荷物の選別処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る配達道順計画装置によるOK荷物に対する配達道順計画の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る配達道順計画装置によるNG荷物に対する配達道順計画の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係るソート計画装置によるOK荷物に対するソート計画の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係るソート計画装置によるNG荷物に対するソート計画の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態に係る配達依頼装置による配達依頼処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態に係るソータによるソート処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、実施形態に係る仕分けシステム1について説明する。
図1は、実施形態に係る仕分けシステム1全体の構成例を概念的に示す図である。
実施形態に係る仕分けシステム1は、郵便物や宅配物などの配達物(荷物)を仕分けるシステムである。仕分けシステム1は、複数の荷物をそれぞれの宛先に配達するための配達ルートに沿った配達順に仕分けるためのシステムである。
【0010】
図1に示す構成例において、仕分けシステム1は、荷物情報取得装置11、選別装置12、配達道順計画装置(配達計画装置)21、ソート計画装置31、および、配達依頼装置41などを備える。荷物情報取得装置11、選別装置12、配達道順計画装置21、ソート計画装置31、ソータ35、および、配達依頼装置41は、1又は複数のサーバ装置などで構成される。
【0011】
荷物情報取得装置11は、仕分けの対象となる個々の荷物に関する情報(荷物情報)を取得する。例えば、荷物情報は、荷物に割り当てた識別情報に対応づけた各種の情報で構成する。本実施形態において、荷物情報は、配達先(宛先)を示す情報を含む。また、荷物情報は、ソータ35がソート処理できる荷物が物品であるかを判定するための情報(例えば、大きさ、重さ、形状など)を含む。
【0012】
荷物情報取得装置11は、選別装置12と通信可能に構成される。荷物情報取得装置11は、仕分けの対象となる各荷物の荷物情報を外部のシステムから取得する。例えば、荷物情報取得装置11は、個々の荷物に添付された宛先およびサイズなどの情報を読み取るシステムから各荷物に関する荷物情報を取得する。また、荷物情報取得装置11は、各荷物に添付された宛先などを読み取る装置を含むものであっても良い。
【0013】
選別装置12は、荷物をソータで処理可能な荷物(以下、OK荷物(第1の荷物)と称する)とソータ35でのソート処理が困難な荷物(以下、NG荷物(第2の荷物)と称する)とに選別する。選別装置12は、荷物情報取得装置11が取得する荷物情報とNG情報とに基づいて荷物をOK荷物とNG荷物とに選別する。NG情報は、NG情報データベース13に記憶する。NG情報データベース13は、選別装置12がアクセス可能な記憶装置に設ける。NG情報データベース13を有する記憶装置は、選別装置12が備える記憶部であっても良いし、選別装置12と通信可能なデータサーバなどの外部装置が備える記憶部であっても良い。なお、荷物情報取得装置11と選別装置12とは、1つの装置で実現しても良い。
【0014】
選別装置12は、荷物情報に基づく荷物の選別結果をOK荷物情報データベース14又はNG荷物情報データベース15に記憶する。選別装置12は、OK荷物と判定した荷物の荷物情報をOK荷物情報データベース14に登録する。また、選別装置12は、NG荷物と判定した荷物の荷物情報をNG荷物情報データベース15に登録する。OK荷物情報データベース14およびNG荷物情報データベース15は、選別装置12および配達道順計画装置21がアクセス可能な記憶装置に設ける。OK荷物情報データベース14およびNG荷物情報データベース15の両方又は何れか一方は、選別装置12が備える記憶部に設けても良いし、選別装置12と通信可能なデータサーバなどの外部装置が備える記憶部に設けても良い。
【0015】
配達道順計画装置21は、荷物を配達するための道順(配達ルート)の計画を作成する。配達道順計画装置21は、道順情報データベース22に保存されている道順情報を参照しながら複数の荷物を配達するための道順の計画を各荷物の宛先(配達先)に基づいて作成する。道順情報データベース22に保存する道順情報は、複数の宛先に対する配達ルート(道順)を決定するための基本情報を含む。例えば、道順情報は、重み付きグラフなどで表現される配送ネットワークを示す情報である。道順情報としての配送ネットワークは、地図上における様々な配達先となる地点をそれぞれノードとし、各地点(ノード)間のつながりそれぞれエッジとして示すようにしても良い。
【0016】
配達道順計画装置21は、選別装置12が選別したOK荷物およびNG荷物ごとに道順を作成する。配達道順計画装置21は、OK荷物情報データベース14に登録されたOK荷物に対して道順情報データベース22に保存されている道順情報を参照しながら道順の計画(OK荷物道順計画(第1の道順計画))を作成する。また、配達道順計画装置21は、NG荷物情報データベース15に登録されたNG荷物に対しても道順情報データベース22に保存されている道順情報を参照しながら道順の計画(NG荷物道順計画(第2の道順計画))を作成する。
【0017】
配達道順計画装置21は、道順計画を作成する場合、所定の基準(条件)に基づいて道順の計画に組み込まない荷物(計画外荷物)を抽出する。配達道順計画装置21は、複数の荷物(OK荷物又はNG荷物)を順番に配達するような道順の計画に組み込むことで配達の効率が低下してしまう特定の荷物を計画外荷物とする。例えば、配達道順計画装置21は、宛先が所定の配達区画外である荷物を計画外荷物とする。また、配達道順計画装置21は、宛先となる配達地間の距離が所定値(平均よりも2倍)以上離れている荷物を計画外荷物としても良い。
【0018】
すなわち、配達道順計画装置21は、OK荷物およびNG荷物から計画外荷物を除いてOK荷物道順計画およびNG荷物道順計画を作成する。配達道順計画装置21は、計画外荷物に関する情報を計画外荷物情報データベース25に登録し、OK荷物道順計画をOK荷物道順計画データベース23に登録し、NG荷物道順計画をNG荷物道順計画データベース24に登録する。
【0019】
道順情報データベース22は、配達道順計画装置21がアクセス可能な記憶装置に設ける。道順情報データベース22は、配達道順計画装置21が備える記憶部に設けても良いし、配達道順計画装置21と通信可能な外部装置が備える記憶部に設けても良い。
OK荷物道順計画データベース23およびNG荷物道順計画データベース24は、配達道順計画装置21およびソート計画装置31がアクセス可能な記憶装置に設ける。OK荷物道順計画データベース23およびNG荷物道順計画データベース24の両方又は何れか一方は、配達道順計画装置21が備える記憶部に設けても良いし、配達道順計画装置21と通信可能な外部装置が備える記憶部に設けても良い。
【0020】
ソート計画装置31は、荷物を仕分けするための計画(ソート計画)を作成する。ソート計画装置31は、OK荷物およびNG荷物ごとにソート計画を作成する。ソート計画装置31は、ソート情報を参照しながらOK荷物をOK荷物道順計画に沿って配達順に並べるためのソート計画(OK荷物ソート計画)を作成する。ソート情報は、OK荷物をソート処理するソータ35が備える構成を示す情報を含むものとする。ソート計画装置31は、ソータ35が備える構成(例えば、区分エリアの数など)に応じてOK荷物をOK荷物道順計画に沿った配達順に並ぶようにOK荷物ソート計画を作成する。
【0021】
また、ソート計画装置31は、ソート情報を参照しながらNG荷物をNG荷物道順計画に沿って配達する場合の配達順に並べるためのソート計画(NG荷物ソート計画)を作成する。NG荷物は、ソータ35でソート処理できない荷物である。このため、ソート計画装置31は、NG荷物をNG荷物道順計画に沿った配達順番に作業員(人)による区分作業で並べられるようなNG荷物ソート計画を作成する。
【0022】
ソータ35は、処理対象とする複数の荷物が供給部にセットされる。ソータ35は、供給部にセットされた複数の荷物を順番に取り込む。ソータ35は、取り込んだ荷物を特定し、取り込んだ荷物が「OK荷物」、「NG荷物」、あるいは、「計画外荷物」の何れであるかを選別する。ソータ35は、取り込んだ荷物がOK荷物であれば、当該荷物(OK荷物)をOK荷物ソート計画に従ってソート処理する。ソータ35は、取り込んだ荷物がNG荷物であれば、当該荷物をNG荷物として区分する。ソータ35がNG荷物として区分した荷物は、作業員の手作業などでNGソート計画に従って区分される。
【0023】
ソータ35は、取り込んだ荷物が計画外荷物であれば、当該荷物を計画外荷物として区分する。ソータ35は、取り込んだ荷物が計画外荷物で、かつ、OK荷物であれば、選定された配達業者ごとにソート処理するようにして良い。また、ソータ35は、取り込んだ荷物が計画外荷物で、かつ、NG荷物であれば、選定した配達業者ごとに作業員が仕分けできるように区分する。
【0024】
出力装置36は、NG荷物ソート計画に基づいてNG荷物を作業員が区分するための情報を出力する。すなわち、出力装置36は、NG荷物ソート計画を作業員に報知するものであれば良い。例えば、出力装置36は、NG荷物ソート計画を表示する表示装置であっても良いし、NG荷物ソート計画を紙などの媒体に印刷するものであっても良い。また、出力装置36は、NGソート計画に応じて個々の荷物(NG荷物)を区分する場所を作業員に報知する装置であっても良い。
【0025】
配達依頼装置41は、計画外荷物を配達する配達業者を選定する。また、配達依頼装置41は、選定した配達業者に計画外荷物の配達を依頼する。配達依頼装置41は、ネットワーク42を介して外部のシステムと通信する。配達依頼装置41は、ネットワーク42を介して地域情報システム43と通信する。ここで、地域情報システム43は、地図情報、道路情報、渋滞情報、あるいは、渋滞予想情報などの荷物の配達に係る各種の情報を提供する情報システムであるものする。
【0026】
また、配達依頼装置41は、荷物の配達を依頼できる各配達業者の配達業者システム44とネットワーク42を介して通信する。配達業者システム44は、各配達業者に関する情報を提供するシステムであるものとする。例えば、配達業者システム44は、各配達業者について、配達可能な地域、配達料金、配達引き受け条件、混雑度、配達を実行するリソース(例えば、人員などの配達能力)などの情報を提供する。また、配達業者システム44は、荷物の配達を受け付ける機能を有するものとする。配達依頼装置41は、計画外荷物の配達業者を選定した後、選定した配達業者の配達業者システム44に対して当該計画外荷物の配達を依頼する。
【0027】
また、計画外荷物の配達を依頼する配達業者は、運送会社に限定されず、他業種の事業者であっても良い。例えば、配達業者は、タクシー、バス、電車などの交通機関を使用して荷物の配達を請け負う事業者であっても良いし、新聞や食料品などを配達する事業者であっても良いし、食事などを配達する事業者であっても良い。
【0028】
なお、
図1は、仕分けシステム1の構成の一例を示すものであって、仕分けシステム1のハードウエア構成は、種々の変形例が可能である。例えば、
図1に示す各装置は、他の装置と1つのハードウエアで構成するものであっても良い。具体例としては、上述したように、荷物情報取得装置11と選別装置12とは、1つのハードウエア(装置)で実現しても良いし、選別装置12と配達道順計画装置21とが1つのハードウエア(装置)で実現されても良い。さらには、配達道順計画装置21とソート計画装置31とは、1つのハードウエア(装置)で実現しても良いし、配達道順計画装置21と配達依頼装置41とが、1つのハードウエア(装置)で実現されても良い。
【0029】
次に、実施形態に係る仕分けシステム1における各装置の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る仕分けシステム1における選別装置12の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、選別装置12は、制御部101、データベース(DB)インターフェース(I/F)102、および、通信インターフェース(I/F)103などを有する。制御部101は、プロセッサ111、ROM112、RAM113およびNVM114などを有する。
【0030】
プロセッサ111は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ111は、システムバスを介して各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0031】
ROM(Read Only Memory)112は、選別装置12の基本的な動作を実現するためのプログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM(Random Access Memory)113は、データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。RAM113は、プロセッサ111がプログラムを実行する場合にワーキングメモリとして機能する。
【0032】
NVM(Nonvolatile Memory)114は、各種のデータを記憶する記憶部である。NVM114は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。例えば、NVM114は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、動作設定情報などを記憶する。
【0033】
制御部101において、プロセッサ111は、ROM112、RAM113およびNVM114などのメモリと協働して選別装置12の制御およびデータ処理などの動作を実行する。
【0034】
データベースインターフェース102は、各種の情報を保持するデータベースにアクセスするためのインターフェースである。
図1に示す仕分けシステム1において、選別装置12のDBI/F102は、NG情報データベース13、OK荷物情報データベース14、および、NG荷物情報データベース15に接続するためのインターフェースである。DBI/F202は、各データベース13、14、15を有する記憶装置にアクセスするためのインターフェースであれば良い。なお、各データベース13、14、15の何れか又は全部は、選別装置12が備える記憶装置に設けても良い。
【0035】
通信インターフェース(I/F)103は、外部装置と通信するためのインターフェースである。例えば、制御部101は、通信インターフェース103を介して荷物情報取得装置11と通信し、荷物情報取得装置11から荷物情報を取得する。また、通信インターフェース103は、配達道順計画装置21、ソート計画装置31および配達依頼装置41などの装置と通信するようにしても良い。
【0036】
図3は、実施形態に係る配達計画装置としての配達道順計画装置21の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、配達道順計画装置21は、制御部201、データベース(DB)インターフェース(I/F)202、および、通信インターフェース(I/F)203などを有する。制御部201は、プロセッサ211、ROM212、RAM213およびNVM214などを有する。
【0037】
プロセッサ211は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ211は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ211は、システムバスを介して各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0038】
ROM(Read Only Memory)212は、配達道順計画装置21の基本的な動作を実現するためのプログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM(Random Access Memory)213は、データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。RAM213は、プロセッサ211がプログラムを実行する場合にワーキングメモリとして機能する。
【0039】
NVM(Nonvolatile Memory)214は、各種のデータを記憶する記憶部である。NVM214は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。例えば、NVM214は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、動作設定情報などを記憶する。
制御部201において、プロセッサ211は、ROM212、RAM213およびNVM214などのメモリと協働して配達道順計画装置21の制御およびデータ処理などの動作を実行する。
【0040】
データベースインターフェース202は、各種の情報を保持するデータベースにアクセスするためのインターフェースである。
図1に示す仕分けシステム1において、配達道順計画装置21のDBI/F202は、OK荷物情報データベース14、NG荷物情報データベース15、道順情報データベース22、OK荷物道順計画データベース23、NG荷物道順計画データベース24、および、計画外荷物情報データベース25に接続するためのインターフェースである。DBI/F202は、各データベース14、15、22-25を有する記憶装置にアクセスするためのインターフェースであれば良い。なお、各データベース14、15、22-25の何れか又は全部は、配達道順計画装置21が備える記憶装置に設けても良い。
【0041】
通信インターフェース(I/F)203は、外部装置と通信するためのインターフェースである。例えば、制御部201は、通信インターフェース203を介して、選別装置12、ソート計画装置31、あるいは、配達依頼装置41などの装置と通信するようにしても良い。
【0042】
図4は、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソート計画装置31の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、ソート計画装置31は、制御部301、データベース(DB)インターフェース(I/F)302、および、通信インターフェース(I/F)303などを有する。また、制御部301は、プロセッサ311、ROM312、RAM313およびNVM314などを有する。
【0043】
プロセッサ311は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ311は、システムバスを介して各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0044】
ROM(Read Only Memory)312は、ソート計画装置31の基本的な動作を実現するためのプログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM(Random Access Memory)313は、データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。RAM313は、プロセッサ311がプログラムを実行する場合にワーキングメモリとして機能する。
【0045】
NVM(Nonvolatile Memory)314は、各種のデータを記憶する記憶部である。NVM314は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。例えば、NVM314は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、動作設定情報などを記憶する。
制御部301において、プロセッサ311は、ROM312、RAM313およびNVM314などのメモリと協働してソート計画装置31の制御およびデータ処理などの動作を実行する。
【0046】
データベースインターフェース3202は、各種の情報を保持するデータベースにアクセスするためのインターフェースである。
図1に示す仕分けシステム1において、ソート計画装置31のDBI/F302は、OK荷物道順計画データベース23、NG荷物道順計画データベース24、ソート情報データベース32、OK荷物ソート計画データベース33、NG荷物ソート計画データベース34に接続するためのインターフェースである。DBI/F302は、各データベース23、24、32、33、34を有する記憶装置にアクセスするためのインターフェースであれば良い。なお、各データベース23、24、32、33、34の何れか又は全部は、ソート計画装置31が備える記憶装置に設けても良い。
【0047】
通信インターフェース(I/F)303は、外部装置と通信するためのインターフェースである。例えば、制御部301は、通信インターフェース303を介して、選別装置12、配達道順計画装置21、あるいは、配達依頼装置41などの装置と通信するようにしても良い。
【0048】
図5は、実施形態に係る仕分けシステム1における配達依頼装置41の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、配達依頼装置41は、制御部401、データベース(DB)インターフェース(I/F)402、および、通信インターフェース(I/F)403などを有する。また、制御部401は、プロセッサ411、ROM412、RAM413およびNVM414などを有する。
【0049】
プロセッサ411は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ411は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ411は、システムバスを介して各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0050】
ROM(Read Only Memory)412は、配達依頼装置41の基本的な動作を実現するためのプログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM(Random Access Memory)413は、データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。RAM413は、プロセッサ411がプログラムを実行する場合にワーキングメモリとして機能する。
【0051】
NVM(Nonvolatile Memory)414は、各種のデータを記憶する記憶部である。NVM414は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。例えば、NVM414は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、動作設定情報などを記憶する。
制御部401において、プロセッサ411は、ROM412、RAM413およびNVM414などのメモリと協働して配達依頼装置41の制御およびデータ処理などの動作を実行する。
【0052】
データベースインターフェース402は、各種の情報を保持するデータベースにアクセスするためのインターフェースである。
図1に示す仕分けシステム1において、配達依頼装置41のDBI/F402は、計画外荷物情報データベース25に接続するためのインターフェースである。DBI/F402は、計画外荷物情報データベース25を有する記憶装置にアクセスするためのインターフェースであれば良い。なお、計画外荷物情報データベース25は、配達依頼装置41が備える記憶装置に設けても良い。
【0053】
通信インターフェース(I/F)403は、外部装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース403は、ネットワークを介して各種のシステムと通信する。
図1に示す例において、通信インターフェース403は、ネットワーク42を介して地域情報システム43および配達業者システム44と通信する。また、通信インターフェース403は、選別装置12、配達道順計画装置21、あるいは、ソート計画装置31などの装置と通信するようにしても良い。
【0054】
図6は、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソータ35の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、ソータ35は、制御部501、データベース(DB)インターフェース(I/F)502、通信インターフェース(I/F)503、および、ソート処理部504などを有する。また、制御部501は、プロセッサ511、ROM512、RAM513およびNVM514などを有する。
【0055】
プロセッサ511は、プログラムを実行することにより各種の処理を実行する。プロセッサ511は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ511は、システムバスを介して各部と接続され、各部との間でデータを送受信する。
【0056】
ROM(Read Only Memory)512は、ソータ35の基本的な動作を実現するためのプログラムおよび制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM(Random Access Memory)513は、データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。RAM513は、プロセッサ511がプログラムを実行する場合にワーキングメモリとして機能する。
【0057】
NVM(Nonvolatile Memory)514は、各種のデータを記憶する記憶部である。NVM514は、データの書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成される。例えば、NVM514は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、動作設定情報などを記憶する。
制御部501において、プロセッサ511は、ROM512、RAM513およびNVM514などのメモリと協働してソータ35の制御およびデータ処理などの動作を実行する。
【0058】
データベースインターフェース502は、各種の情報を保持するデータベースにアクセスするためのインターフェースである。
図1に示す仕分けシステム1において、ソータ35のDBI/F502は、OK荷物ソート計画データベース33、および、計画外荷物情報データベース25に接続するためのインターフェースである。DBI/F502は、各データベース25、33を有する記憶装置にアクセスするためのインターフェースであれば良い。なお、各データベース25、33の何れか又は両方は、ソータ35が備える記憶装置に設けても良い。
【0059】
通信インターフェース(I/F)503は、外部装置と通信するためのインターフェースである。例えば、制御部501は、通信インターフェース503を介して、選別装置12、配達道順計画装置21、ソート計画装置31、あるいは、配達依頼装置41などの装置と通信するようにしても良い。
【0060】
ソート処理部504は、荷物をソート処理する。ソート処理部504は、複数の荷物が供給される供給部、供給部から取り出した荷物を搬送する搬送部、荷物を送り込む複数の区分エリアを備える。ソート処理部504は、供給部に供給された複数の荷物を搬送部によって1つずつ搬送し、各荷物を何れかの区分エリアに区分するソート処理を実行する。ソート処理部504は、OK荷物をOK荷物ソート計画に基づいて各区分エリアに区分するソート処理を行う。なお、ソート処理部504は、供給部に供給された荷物にNG荷物があった場合にNG荷物をリジェクト用の区分エリアに区分するようにしても良い。
【0061】
また、ソート処理部504は、供給部に供給されたOK荷物から選別した計画外荷物を計画外荷物用の区分エリアに区分するようにしても良い。さらに、ソート処理部504は、供給部から取り出した荷物を計画外荷物と判定した場合に計画外荷物情報から当該計画外荷物を配達する配達業者を特定することにより、計画外荷物を配達業者ごとに区分するようにしても良い。
【0062】
以下、仕分けシステム1の動作について説明する。
まず、実施形態に係る仕分けシステム1における選別装置12による選別処理について説明する。
図7は、実施形態に係る仕分けシステム1における選別装置12による選別処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
選別装置12のプロセッサ111は、通信インターフェース103を介して荷物情報取得装置11から処理対象となる複数の荷物に関する荷物情報を取得する(ST11)。荷物情報取得装置11は、選別装置12からの要求に応じた処理対象となる荷物に関する荷物情報を選別装置12へ供給する。また、荷物情報取得装置11は、処理対象となる荷物に関する荷物情報を記憶装置に保存し、選別装置12は、記憶装置に保存された処理対象となる荷物に関する荷物情報を取得するようにしてもう良い。
【0063】
荷物情報取得装置11から荷物情報を取得すると、プロセッサ111は、データベースインターフェース102を介してNG情報データベース13からソータ35でのソート処理の可否を判定するためのNG情報を取得する(ST12)。
【0064】
NG情報を取得すると、プロセッサ111は、荷物情報取得装置11から取得した荷物情報から1つの荷物に関する荷物情報を選出する(ST13)。プロセッサ111は、選出した荷物の荷物情報とNG情報が示す条件とを比較することにより、選出した荷物がソータ35でソート処理できるOK荷物であるか否かを判定する(ST14)。プロセッサ111は、当該荷物の荷物情報に基づいてNG情報によって示されるソータ35でのソート処理が不可となるNG荷物であるかNG情報に合致しないOK荷物であるかを区別(選別)する。
【0065】
選出した荷物をOK荷物と判定した場合(ST14、YES)、プロセッサ111は、当該荷物に関する荷物情報をOK荷物情報データベース14に登録する(ST15)。また、選出した荷物をNG荷物と判定した場合(ST14、NO)、プロセッサ111は、当該荷物に関する荷物情報をNG荷物情報データベース15に登録する(ST16)。
【0066】
プロセッサ111は、選出した荷物の荷物情報をOK荷物情報データベース又はNG荷物情報データベースの何れかに登録した後に未選別の荷物情報があれば(ST17、NO)、ST13へ戻り、次の荷物に対する選別処理を実行する。処理対象となる全荷物の選別が終了すると(ST17、YES)、プロセッサ111は、選別処理を終了する。
【0067】
以上に選別処理によって、選別装置は、処理対象とする各荷物をソータでソート処理できるOK荷物とソータでのソート処理が不可となるNG荷物とに選別できる。また、選別装置は、OK荷物に関する荷物情報をOK荷物情報データベースに登録し、NG荷物に関する荷物情報をNG荷物情報データベースに登録する。これにより、仕分けシステムは、処理対象とする全ての荷物をOK荷物とNG荷物とに分けて、OK荷物用の配達道順とNG荷物用の配達道順とをそれぞれ作成したり、OK荷物用のソート計画とNG荷物用のソート計画とをそれぞれ作成したりすることが可能となる。
【0068】
次に、実施形態に係る仕分けシステム1における配達道順計画装置21による道順計画の作成処理について説明する。
実施形態に係る配達計画装置としての配達道順計画装置21は、選別装置12が選別したOK荷物とNG荷物とに対してそれぞれ道順計画(OK荷物道順計画およびNG荷物道順計画)を作成する。配達道順計画装置21は、OK荷物道順計画を作成する場合およびNG荷物道順計画を作成する場合、道順計画に組み込めない荷物を計画外荷物として選出し、計画外荷物に関する荷物情報を計画外荷物情報データベースに登録する。
【0069】
図8は、実施形態に係る仕分けシステム1における配達道順計画装置21によるOK荷物に対する道順計画(OK荷物道順計画)の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
配達道順計画装置21のプロセッサ211は、DBI/F202を介してアクセスするOK荷物情報データベース14からOK荷物に関する荷物情報を取得する(ST21)。OK荷物に関する荷物情報には、少なくとも荷物の宛先(配達先)を示す情報(宛先情報)が含まれるものとする。
【0070】
また、配達道順計画装置21のプロセッサ211は、データベースインターフェース202を介してアクセスする道順情報データベース22からOK荷物の配達ルートとする道順を決めるための道順情報を取得する(ST22)。
【0071】
OK荷物の荷物情報と道順情報とを取得すると、プロセッサ211は、OK荷物をそれぞれの宛先へ配達するための配達ルートとする道順の計画を作成する(ST23)。ここで、OK荷物情報データベース14に登録されたOK荷物を配達するための道順の計画をOK荷物道順計画と称することとする。
【0072】
本実施形態において、プロセッサ211は、全てのOK荷物を配達するためのOK荷物道順計画を作成するものではなく、できるだけ多くのOK荷物を所定の道順作成条件内で配達できるようなOK荷物道順計画を作成するものとする。言い換えると、プロセッサ211は、道順計画の作成処理において、OK荷物のうち所定の道順作成条件を満たす道順計画に組み込めないOK荷物を計画外荷物として選出する。道順作成条件は、配達に要するコストなどを勘案して設定される。
【0073】
また、道順情報などにおいて、道順計画に組み込まない荷物(計画外荷物)を選出するための条件(計画外条件)を予め設定しておくようにしても良い。例えば、計画外条件の例としては、対象とする各荷物の配達先間の距離平均より2倍以上距離が離れている宛先の荷物、あるいは、宛先が所定の配達地域外である荷物などが設定される。計画外条件が設定される場合、プロセッサ211は、対象とする全てのOK荷物から計画外条件に合致する荷物を計画外荷物として選出する。
【0074】
対象とする複数のOK荷物に計画外荷物が含まれる場合(ST24、YES)、プロセッサ211は、計画外荷物としたOK荷物に関する荷物情報を計画外荷物情報データベース25に登録し(ST25)、OK荷物の道順計画の作成処理を終了する。また、対象とする複数のOK荷物に計画外荷物が含まれない場合(ST24、NO)、プロセッサ211は、対象とする全てのOK荷物に対するOK荷物の道順計画の作成処理を終了する。
【0075】
図9は、実施形態に係る仕分けシステム1における配達道順計画装置21によるNG荷物に対する道順計画(NG荷物道順計画)の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0076】
配達道順計画装置21のプロセッサ211は、DBI/F202を介してアクセスするNG荷物情報データベース15から処理対象とするNG荷物に関する荷物情報を取得する(ST31)。NG荷物に関する荷物情報には、少なくとも荷物の宛先(配達先)を示す情報(宛先情報)が含まれるものとする。
【0077】
また、配達道順計画装置21のプロセッサ211は、データベースインターフェース202を介してアクセスする道順情報データベース22からNG荷物の配達ルートとする道順を決めるための道順情報を取得する(ST32)。道順情報は、NG荷物の配達ルートを決めるための基本道順情報が含まれる。
【0078】
NG荷物の荷物情報と道順情報とを取得すると、プロセッサ211は、NG荷物をそれぞれの宛先へ配達するための配達ルートとする道順の計画を作成する(ST33)。ここで、NG荷物情報データベース15に登録されたNG荷物を配達するための道順の計画をNG荷物道順計画と称することとする。
【0079】
本実施形態において、プロセッサ211は、全てのNG荷物を配達するためのNG荷物道順計画を作成するものではなく、できるだけ多くのNG荷物を所定の配達条件内で配達できるようなNG荷物道順計画を作成するものとする。言い換えると、プロセッサ211は、NG荷物道順計画の作成処理において、NG荷物のうち所定の道順作成条件を満たす道順計画に組み込めないNG荷物を計画外荷物として選出する。配達条件は、配達に要するコストなどを勘案して設定される。
【0080】
また、道順情報などにおいて、NG荷物道順計画に組み込まない荷物(計画外荷物)を選出するための条件(計画外条件)を予め設定しておくようにしても良い。例えば、計画外条件としては、対象とする各荷物の配達先間の距離平均より2倍以上距離が離れている宛先の荷物、宛先が所定の配達地域外である荷物などが設定される。計画外条件が設定される場合、プロセッサ211は、対象とする全てのNG荷物から計画外条件に合致する荷物を計画外荷物として選出する。
【0081】
対象とする複数のNG荷物に計画外荷物が含まれる場合(ST34、YES)、プロセッサ211は、計画外荷物としたNG荷物に関する荷物情報を計画外荷物情報データベース25に登録し(ST35)、NG荷物道順計画の作成処理を終了する。また、対象とする複数のNG荷物に計画外荷物が含まれない場合(ST34、NO)、プロセッサ211は、対象とする全てのNG荷物に対するNG荷物道順計画の作成処理を終了する。
【0082】
次に、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソート計画装置31によるソート計画の作成処理について説明する。
実施形態に係るソート計画装置31は、配達道順計画装置21が作成したOK荷物道順計画およびNG荷物道順計画に基づいてOK荷物をソータでソート処理するためのソート計画とNG荷物を作業員が区分作業するためのソート計画とをそれぞれ作成する。
【0083】
図10は、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソート計画装置31によるOK荷物に対するソート計画(OK荷物ソート計画)の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
ソート計画装置31のプロセッサ311は、DBI/F302を介してアクセスするOK荷物道順計画データベース23からOK荷物に対するOK荷物道順計画を取得する(ST41)。また、ソート計画装置31のプロセッサ311は、データベースインターフェース302を介してアクセスするソート情報データベース32からソート情報を取得する(ST42)。ソート情報は、処理対象となる複数のOK荷物をOK荷物道順計画に沿って配達される順番に並べるように、ソータ35が各OK荷物をソート処理する計画を作成するための情報を含む。
【0084】
OK荷物道順計画とソート情報とを取得すると、プロセッサ211は、OK荷物をソータ35でソート処理するためのソート計画を作成する(ST43)。ここで、OK荷物道順計画データベース23に登録されたOK荷物道順計画に沿ってOK荷物をソート処理するためのソート計画をOK荷物ソート計画と称することとする。OK荷物ソート計画は、ソータ35による2パス処理でOK荷物を道順計画に沿った配達順に並べるため、ソート処理における各OK荷物の区分先などを示す。
【0085】
OK荷物ソート計画を作成すると、プロセッサ311は、作成したOK荷物ソート計画をOK荷物ソート計画データベース33に登録し(ST44)、OK荷物ソート計画の作成処理を終了する。
【0086】
図11は、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソート計画装置31によるNG荷物に対するソート計画(NG荷物ソート計画)の作成処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
ソート計画装置31のプロセッサ311は、DBI/F302を介してアクセスするNG荷物道順計画データベース24からNG荷物を配達する道順の計画を示すNG荷物道順計画を取得する(ST51)。また、ソート計画装置31のプロセッサ311は、データベースインターフェース302を介してアクセスするソート情報データベース32からソート情報を取得する(ST52)。ソート情報は、処理対象となるNG荷物をNG荷物道順計画に沿って配達される順番に並べるように、作業員が各NG荷物を区分する計画を作成するための情報を含む。
【0087】
NG荷物道順計画とソート情報とを取得すると、プロセッサ311は、NG荷物を作業員が区分(仕分け)するためのソート計画を作成する(ST53)。ここで、NG荷物道順計画データベース24に登録されたNG荷物道順計画に沿って作業員がNG荷物の仕分け作業を行うためのソート計画をNG荷物ソート計画と称することとする。
【0088】
NG荷物ソート計画を作成すると、プロセッサ311は、作成したNG荷物ソート計画をNG荷物ソート計画データベース34に登録し(ST54)、NG荷物ソート計画の作成処理を終了する。
【0089】
次に、実施形態に係る仕分けシステム1における配達依頼装置41による計画外荷物の配達依頼処理について説明する。
実施形態に係る配達依頼装置41は、配達道順計画装置21がOK荷物道順計画およびNG荷物道順計画を作成する際に計画外荷物とした荷物の配達を外部の配達業者に依頼する配達依頼処理を行う。
【0090】
図12は、実施形態に係る仕分けシステム1における配達依頼装置41による計画外荷物に対する配達依頼処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
配達依頼装置41のプロセッサ411は、データベースインターフェース402を介してアクセスする計画外荷物情報データベース25に登録されている情報を読み込む(ST61)。プロセッサ411は、計画外荷物情報データベース25から道順計画に組み込めないとされた計画外荷物に関する荷物情報を取得する。
【0091】
配達依頼装置41のプロセッサ411は、計画外荷物情報データベース25から読み込んだ情報において配達依頼を行う1つの計画外荷物を選出する(ST62)。計画外荷物を選出すると、プロセッサ411は、当該計画外荷物の配達を依頼する1つの配達業者を選定する(ST63)。
【0092】
プロセッサ411は、ネットワーク42を介して通信可能な各種のシステムから取得する情報に基づいて配達業者を選定する。また、プロセッサ411は、所定の選定条件(アルゴリズム)に従って、計画外荷物の荷物情報と各種のシステムから取得する情報とから配達業者を選定する。例えば、プロセッサ411は、配達業者システム44から得られる情報(配達地域、配達に掛かるコスト、配達時間、混雑度、配達に係るリソースなど)から配達業者を選定する。また、プロセッサ411は、地域情報システム43から得られる情報(地図情報、配達先の地域の道路状況など)から配達業者を選定する。
【0093】
また、選定する配達業者は、計画外荷物を配達できる事業者であれば、どのような業種の事業者であっても良い。例えば、配達依頼装置41は、タクシーによる配達を依頼しても良いし、バスあるいは電車などの交通機関を用いた配達を請け負う事業者に依頼しても良い。また、配達依頼装置41は、新聞、食料品又は日用品などを配達する事業者に配達を依頼しても良い。
【0094】
計画外荷物の配達業者を選定すると、プロセッサ411は、通信インターフェース403により選定した配達業者の配達業者システム44にアクセスし、選定した配達業者の配達業者システム44に対して当該計画外荷物の配達を依頼する(ST64)。配達を依頼した後、プロセッサ411は、配達業者システム44からの配達依頼の受領通知を待つ。プロセッサ411は、配達業者システム44から配達依頼の受領通知を受信すると、当該計画外荷物の配達依頼先となる配達業者を確定する。配達業者が確定すると、プロセッサ411は、当該計画外荷物の配達依頼を完了する(ST65、YES)。配達依頼が完了すると、プロセッサ411は、当該計画外荷物に対応した配達依頼が完了した配達業者を示す情報を計画外荷物情報データベース25に記録する(ST66)。
【0095】
また、配達依頼が受領されなかった場合、つまり、配達業者から当該計画荷物の配達を拒否された場合、プロセッサ411は、ST63を戻り、再び当該計画外荷物の配達を依頼する配達業者を選定する処理を行う。この場合、プロセッサ411は、当該計画外荷物の配達依頼を拒否した配達業者以外の配達業者から当該計画外荷物を配達する配達業者を選定するようにすれば良い。
【0096】
当該計画外荷物に対する配達業者を計画外荷物情報データベース25に記録すると、プロセッサ411は、計画外荷物情報データベース25に他の配達業者への配達依頼が完了していない計画外荷物があれば(ST67、NO)、ST62へ戻り、次の計画外荷物に対する配達依頼処理を実行する。計画外荷物情報データベース25にある全ての計画外荷物に対する配達依頼が終了すると(ST17、YES)、プロセッサ111は、計画外荷物に対する配達依頼処理を終了する。
【0097】
以上のような配達依頼処理によって、配達依頼装置は、道順計画に組み込めなった計画外荷物に対して配達を実行する配達業者を選定し、選定した配達業者に計画外荷物の配達を依頼できる。また、配達依頼装置は、ソータでソート処理可能なOK荷物であってもソータでのソート処理が不可とするNG荷物であっても、それぞれの道順計画から漏れた各計画外荷物について他の配達業者に配達を依頼することができる。
【0098】
また、上述した配達依頼処理によれば、配達依頼装置は、各配達業者のシステムからの情報に基づいて計画外荷物の配達を依頼する業者を選定でき、コストなどの条件にあった配達業者を選定できる。さらに、配達依頼装置は、道路状況などの地域の情報を提供するシステムからの情報に基づいて計画外荷物の配達を依頼する業者を選定することもでき、各計画外荷物の宛先となる地域の状況に応じた配達業者を選定できる。
【0099】
次に、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソータ35によるソート処理について説明する。
実施形態に係るソータ35は、ソート計画に従って荷物をソート処理する。ここでは、ソータ35にOK荷物が供給されるものとして説明する。ソータ35のソート処理部504は、供給部に供給されたOK荷物をOK荷物ソート計画に従ってソート処理するものとして説明する。
【0100】
図13は、実施形態に係る仕分けシステム1におけるソータ35によるソート処理の動作例を説明するためのフローチャートである。
ソータ35は、ソート処理部504の供給部に処理対象とする荷物がセットされる。ソータ35は、図示しない操作部においてソート処理の開始が指示されると、供給部にセットされている荷物に対するソート処理を開始する。
【0101】
ソート処理の開始が指示されると、ソート処理部504は、プロセッサ511から処理開始指示に応じて供給部にセットされた荷物を順番に取り込む(ST71)。プロセッサ511は、ソート処理部504が供給部から取り込んだ荷物を特定する(ST72)。例えば、個々の荷物には、識別情報を示すコード情報を印字したり識別情報を出力する無線タグを添付したりする。この場合、プロセッサ511は、ソート処理部504に設けた読取部(例えば、光学スキャナ、無線タグリーダなど)によって取り込んだ荷物に付与された識別情報を読み取ることにより取り込んだ荷物を特定する。
【0102】
荷物を特定すると、プロセッサ511は、当該荷物が計画外荷物であるか否かを判定する(ST73)。例えば、プロセッサ511は、計画外荷物情報データベース25を参照して特定した荷物が計画外荷物であるか否かを判断する。また、プロセッサ511は、OK荷物ソート計画データベース33に記憶されているOK荷物ソート計画に含まれない荷物を計画外荷物として選別するようにしても良い。
【0103】
取り込んだ荷物が計画外荷物でない場合(ST73、NO)、プロセッサ511は、取り込んだ荷物の区分先をOK荷物ソート計画に従って特定する。当該荷物の区分先を特定すると、プロセッサ511は、ソート処理部504により当該荷物をOK荷物ソート計画に従って特定した区分先に区分するソート処理を実行する(ST75)。
【0104】
取り込んだ荷物が計画外荷物である場合(ST73、YES)、プロセッサ511は、取り込んだ荷物を配達業者へ転送する計画外荷物として区分する(ST75)。また、プロセッサ511は、計画外荷物情報データベース25を参照して取り込んだ計画外荷物の配達業者を特定し、計画外荷物をソート処理部504により配達業者ごとに区分するようにしての良い。
【0105】
取り込んだ荷物に対するソート処理を実行すると、プロセッサ411は、ソート処理部505の供給部に未処理の荷物が残っていれば(ST76、NO)、ST71へ戻り、次の荷物に対する処理を継続して実行する。また、プロセッサ111は、ソート処理部504の供給部に未処理の荷物がなくなった場合(ST17、YES)、ソート処理を終了する。
【0106】
なお、上述した動作例では、ソータ35の供給部にはOK荷物がセットされることを前提して説明したが、ソータ35の供給部にはOK荷物とNG荷物とを含む複数の荷物がセットされる運用としても良い。この場合、ソータ35は、供給部から取り込んだ荷物がNG荷物であるか否かを判定し、NG荷物をリジェクトし、OK荷物をOK荷物ソート計画に従ってソートするようにすれば良い。
【0107】
以上のようなソート処理によれば、ソータは、OK荷物をOK荷物ソート計画に従ってソート処理することができ、計画外荷物を配達業者への転送用の荷物として区分することができる。この結果、ソータは、OK荷物をOK荷物に絞って作成したOK荷物ソート計画によって効率良く配達できるようにソート(区分)することができ、OK荷物ソート計画(OK荷物道順計画)に組み込まれていない荷物を計画外の荷物として区分することができる。
【0108】
上述の各実施形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1…仕分けシステム、11…荷物情報取得装置、12…選別装置、13…NG情報データベース、14…OK荷物情報データベース、15…NG荷物情報データベース、21…配達道順計画装置、22…道順情報データベース、23…OK荷物道順計画データベース、24…NG荷物道順計画データベース、25…計画外荷物情報データベース、31…ソート計画装置、32…ソート情報データベース、33…OK荷物ソート計画データベース、34…NG荷物ソート計画データベース、35…ソータ、36…出力装置、41…配達依頼装置、43…地域情報システム、44…配達業者システム、111、211、311、411、511…プロセッサ、102、202、302、402、502…データベースインターフェース、103、203、303、403、503…通信インターフェース、504…ソート処理部。