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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032248
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20230302BHJP
   A61M 21/02 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
G10K15/04 302M
A61M21/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138257
(22)【出願日】2021-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 俊洲
(72)【発明者】
【氏名】田中 大平
(72)【発明者】
【氏名】杉田 佳弘
(57)【要約】      (修正有)
【課題】トイレにおける柔軟な空間制御を可能にする制御システムを提供する。
【解決手段】制御システムは、トイレ内に配置され人の生理情報を取得するセンサと、センサが取得した生理情報に基づいて、トイレ内の機器を制御可能な制御部と、を有する。制御部は、トイレ内に使用者が滞在中に前記センサが取得した前記生理情報を基に、使用者の心身状態を示す指標値を複数回算出し、第1期間の使用者の生理情報に対応する第1指標値に対する、第1期間よりも後の時点を少なくとも含む第2期間の前記使用者の生理情報に対応する第2指標値の変化に応じて、トイレ内の前記機器の動作を変更する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ内に配置され人の生理情報を取得するセンサと、
前記センサにより取得された前記生理情報に基づいて、前記トイレ内の機器を制御可能な制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記トイレ内に使用者が滞在中に前記センサが取得した前記生理情報を基に、前記使用者の心身状態を示す指標値を複数回算出し、第1期間の前記使用者の生理情報に対応する第1指標値に対する、前記第1期間よりも後の時点を少なくとも含む第2期間の前記使用者の生理情報に対応する第2指標値の変化に応じて、前記トイレ内の前記機器の動作を変更する
ことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記機器は、
音を出力する音響装置であり、
前記制御部は、
前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス増加を示す場合、前記機器が出力する音を、出力中の音よりもテンポが遅い音に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記機器は、
音を出力する音響装置であり、
前記制御部は、
前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス減少を示す場合、前記機器が出力する音を、出力中の音よりもテンポが速い音に変更する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記機器は、
音を出力する音響装置であり、
前記制御部は、
前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス増加を示す場合、前記機器に第1音を出力させ、前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス減少を示す場合、前記第1音よりもテンポが速い第2音を出力させる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記第1期間と、前記第2期間とは重複する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記第1期間と前記第2期間との各々は半分以下の期間が重複する
ことを特徴とする請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記トイレ内での前記使用者の滞在が所定の期間経過した場合、前記第1指標値と、前記第1期間と重複しない前記第2期間の前記使用者の生理情報を基に算出された前記第2指標値とに基づいて、前記トイレ内の前記機器の動作を変更する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ内の空間において、照明や音などを用いた五感刺激を与えることで、トイレの使用者に快適なトイレ内の空間を提供する制御が増加している(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-055797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような技術では、トイレにおける柔軟な空間制御を行うことができるとは限らない。
【0005】
トイレでの空間制御については、例えば所定の時間が経過した後に空間制御を変更する等、時間に応じて空間を変える制御等が行われているが、単に時間で制御を変えるだけでは柔軟な空間制御を行うことが難しい場合がある。そのため、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることが望まれている。
【0006】
上記のような点を鑑みて、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることが課題となる。
【0007】
開示の実施形態は、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る制御システムは、トイレ内に配置され人の生理情報を取得するセンサと、前記センサにより取得された前記生理情報に基づいて、前記トイレ内の機器を制御可能な制御部と、を有し、前記制御部は、前記トイレ内に使用者が滞在中に前記センサが取得した前記生理情報を基に、前記使用者の心身状態を示す指標値を複数回算出し、第1期間の前記使用者の生理情報に対応する第1指標値に対する、前記第1期間よりも後の時点を少なくとも含む第2期間の前記使用者の生理情報に対応する第2指標値の変化に応じて、前記トイレ内の前記機器の動作を変更することを特徴とする。
【0009】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、トイレ(例えば「トイレブース」に対応)内における人(以下「使用者」ともいう)の使用者の心身状態を示す指標値(例えばストレス値またはリラックス値。以下同様)の変化に応じて、トイレ内の機器の動作を変更するため、使用者のストレス状態に基づいた機器の制御を行うことが可能となる。ここで、使用者のストレス状態は様々であり、例えば時間による制御が使用者に最も適したトイレ空間を提供する制御とはならない場合がある。また、指標値とその人がどの程度ストレスを感じているかの対応関係は、人ごとに異なるため、一概に値の高い低いによってストレス傾向ありなしという判断を行うことは難しく、単に指標値を用いるだけでは柔軟な制御は難しい。そのため、人のストレス傾向を判断する場合、同じ人のある状態における値と、別の状態における値を比較検討することで求められる。そこで、制御システムは、トイレの使用者の指標値を複数回算出し、トイレの使用者の指標値の変化に応じてトイレ内の機器の動作を変更する。これにより、制御システムは、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【0010】
実施形態の一態様に係る制御システムにおいて、前記機器は、音を出力する音響装置であり、前記制御部は、前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス増加を示す場合、前記機器が出力する音を、出力中の音よりもテンポが遅い音に変更することを特徴とする。
【0011】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、使用者のストレス状態が増加傾向を示す場合、テンポが遅い音に変更することで、音で使用者のストレス状態に沿ってリラックスさせることができる。このように、制御システムは、音を出力する音響装置である機器を使用者のストレス状態に基づいて制御することにより、トイレにおける音を適切に制御できるため、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【0012】
実施形態の一態様に係る制御システムにおいて、前記機器は、音を出力する音響装置であり、前記制御部は、前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス減少を示す場合、前記機器が出力する音を、出力中の音よりもテンポが速い音に変更することを特徴とする。
【0013】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、使用者のストレス状態が減少傾向を示す場合、テンポが速い音に変更することで、音で使用者のストレス状態に沿って覚醒させることができる。このように、制御システムは、音を出力する音響装置である機器を使用者のストレス状態に基づいて制御することにより、トイレにおける音を適切に制御できるため、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【0014】
実施形態の一態様に係る制御システムにおいて、前記機器は、音を出力する音響装置であり、前記制御部は、前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス増加を示す場合、前記機器に第1音を出力させ、前記第1指標値に対する前記第2指標値の変化がストレス減少を示す場合、前記第1音よりもテンポが速い第2音を出力させることを特徴とする。
【0015】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、使用者のストレス状態が増加傾向であるか減少傾向であるかに応じてテンポが異なる音を、音を出力する音響装置である機器に出力させることができる。このように、制御システムは、音を出力する音響装置である機器を使用者のストレス状態に基づいて制御することにより、トイレにおける音を適切に制御できるため、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【0016】
実施形態の一態様に係る制御システムにおいて、前記第1期間と、前記第2期間とは重複することを特徴とする。
【0017】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、トイレの短い使用時間帯においても、生理情報を測定するための時間を確保することができる。このように、制御システムは、指標値の算出に要する時間の増大を抑制することができる。ここで、指標値の算出には、心拍データの所定のサンプル数を取得するための時間が必要となるため、複数回値を算出するためには、多くのサンプル数を取得するための時間を要することになる。しかし、トイレの使用時間は例えば5分程度等と短い場合が多く、使用者によって使用時間がさらに短くなる場合があり、指標値を複数回算出し、空間制御を行う時間を確保することが難しい場合がある。そこで、制御システムは、指標値の算出に用いる生理情報を取得(測定)する時間を重複させることで、指標値を複数回算出するのに要する時間を低減させ、空間制御を行う時間を確保することができる。また、制御システムは、指標値の算出に用いる生理情報を取得(測定)する時間を重複させることで、制御後の空間の使用者の体感可能時間を長くすることができる。また、制御システムは、指標値の算出に用いる生理情報を取得(測定)する時間を重複させることで、使用者の滞在時間が短い場合でも処理可能となる。
【0018】
実施形態の一態様に係る制御システムにおいて、前記第1期間と前記第2期間との各々は半分以下の期間が重複することを特徴とする。
【0019】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、トイレの短い使用時間帯においても、生理情報を測定するための時間を確保しつつ、複数回の指標値の算出に用いる生理情報が重複しすぎることを抑制することができる。このように、制御システムは、指標値の算出に要する時間の増大を抑制しつつ、指標値の算出精度の低下を抑制することができる。
【0020】
実施形態の一態様に係る制御システムにおいて、前記制御部は、前記トイレ内での前記使用者の滞在が所定の期間経過した場合、前記第1指標値と、前記第1期間と重複しない前記第2期間の前記使用者の生理情報を基に算出された前記第2指標値とに基づいて、前記トイレ内の前記機器の動作を変更することを特徴とする。
【0021】
実施形態の一態様に係る制御システムによれば、使用者のトイレの使用が長い場合、指標値の算出に用いる生理情報の重複を避けることで、指標値の算出精度の低下を抑制することができる。このように、制御システムは、使用者のトイレの滞在期間に応じて、使用する生理情報の重複を避けることで、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【発明の効果】
【0022】
実施形態の一態様によれば、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態に係る空間制御処理の一例を示す図である。
図2図2は、空間制御処理のタイミングチャートの一例を示す図である。
図3図3は、空間制御とストレス値との関係の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る制御システムの構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、制御システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、空間制御処理のタイミングチャートの一例を示す図である。
図9図9は、空間制御処理のタイミングチャートの一例を示す図である。
図10図10は、生理値情報とストレス値との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する制御システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下で示す例では、使用者の心身状態を示す指標値(単に「指標値」と記載する場合がある)としてストレス値を用いる場合を主に説明するが、指標値は、ストレス値に限らず、使用者の心身状態を示す指標となる値であればどのような値であってもよい。例えば、指標値はリラックス値であってもよいが、この点については後述する。
【0025】
<1.実施形態>
実施形態に係る制御システム1(図4参照)において実行される情報処理の概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る空間制御処理の一例を示す図である。以下では、音を出力させる機器である音響装置10を制御し、音響装置10に所望の音を出力させることにより、トイレの空間制御をする場合を一例として示すが、制御システム1による制御対象となる機器は、音を出力する機器に限られない。なお、音響装置10以外の機器が制御対象となる場合の例については後述する。
【0026】
まず、図1に示す処理の説明に先立って、制御システム1が適用されるトイレ空間について説明する。トイレ空間とは、個室空間を形成するトイレブースと、トイレブース以外の空間である共有空間を有する。
【0027】
トイレブースは、パーティション(間仕切り)で区切られた空間(個室空間)である。各トイレブースは、大便器を備え、人が排泄行為を行う場所としての機能を有する。また、各トイレブースは、そのトイレブース内に入室するための開閉可能なドア(図示は省略)を備える。なお、各トイレブースのドアは、一般的なトイレブースに設けられるドアと同様であるため、詳細な説明は省略する。また、トイレブースは、パーティションによって、完全に区切られた空間でなくてもよく、パーティションの上部や下部に、隣接するトイレブースや供給空間と区切られていない部分が設けられていてもよい。
【0028】
また、共有空間は、トイレ空間内において複数人が同時に滞在し得る共有部である。例えば、共有空間は、トイレ空間への入り口、洗面の設備、各トイレブースへの経路を有する。共有空間は、トイレ空間への入場、手等の洗浄、各トイレブースへの移動等を行うための場所としての機能を有する。なお、トイレ空間が男性用のトイレ空間として機能する場合、その共有空間には小便器が配置されてもよい。すなわち、共有空間も人が排泄行為を行う場所として機能してもよい。
【0029】
図1に示すトイレ空間TSは、トイレブースTB1と、トイレブースTB2と、共有空間CSとを有する。なお、トイレブースTB1、トイレブースTB2等、トイレ空間TSに設けられるトイレブースを区別せずに説明する場合、「トイレブースTB」と記載する場合がある。図1では、トイレ空間TSが2つのトイレブースTBを有する場合を一例として説明するが、トイレ空間TSは3つ以上のトイレブースTBを有してもよい。また、トイレ空間TSは、複数のトイレブースTBを有しなくてもよく、1つのトイレブースTBを有してもよい。共有空間CSは、トイレ空間TSへの入り口を有し、トイレ空間TS内への入退場、各トイレブースTBへの移動、手の洗浄等の場所として利用される。例えば、トイレ空間TSは、デパート等の(商業)施設に設けられる。なお、トイレ空間TSが設けられる場所は、商業施設に限らず様々な場所に設けられてもよいが、この点については後述する。
【0030】
次に、トイレ空間TSにおける各装置の配置について説明する。音響装置10は、トイレブースTB1に配置される。また、音響装置10は、トイレブースTB2に配置される。音響装置10、音響装置10等、トイレ空間TSに配置される音響装置を区別せずに説明する場合、「音響装置10」と記載する場合がある。音響装置10は、後述する制御装置100の制御に応じて、音を出力する音響装置である。
【0031】
音響装置10は、第1音及び第1音とは異なる音である第2音の2つの音を出力する。以下に示す例では、音響装置10は、人をリラックスさせるために用いられるリラックス用音を第1音として出力し、人を覚醒させるために用いられる覚醒用音を第2音として出力する。なお、音響装置10は、音を出力する構成を複数有してもよい。
【0032】
センサ装置50は、トイレブースTB1の人の生理情報を取得するセンサ装置である。ここでいう生理情報とは、いわゆる心電図の情報であり、心拍により生じる電気興奮を示す波形情報である。
【0033】
図1に示すセンサ装置50は、非接触式のセンサであり、ドップラー方式によるマイクロ波またはミリ波センサ等である。なお、図1では、非接触式のセンサを一例として示すが、センサ装置50は、接触式のセンサであってもよい。この場合、センサ装置50は、トイレブースTB1の便座STに配置される加速度センサ等であってもよい。
【0034】
また、センサ装置50は、トイレブースTB2の人の生理情報を取得するセンサ装置である。なお、図1に示すセンサ装置50は、非接触式のセンサであり、ドップラー方式によるマイクロ波またはミリ波センサ等であるが、センサ装置50は、センサ装置50と同様に接触式のセンサであってもよい。
【0035】
以下、センサ装置50、センサ装置50等、トイレ空間TSのトイレブースTBの人の生理情報を取得するセンサ装置を区別せずに説明する場合、「センサ装置50」と記載する場合がある。センサ装置50は、対応するトイレブースTBの人の生理情報を制御装置100へ送信する。
【0036】
センサ群60図4参照)は、トイレブースTB1に配置され、トイレブースTB1における空間制御に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTB1における空間制御を開始したり、終了したりするタイミングの決定に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTB1における生理情報の取得を開始したり、終了したりするタイミングの決定に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTB1への人(使用者)の入退室を検知する第1センサと、トイレブースTB1内の便器TLに対する人の着座及び離座を検知する第2センサとを含む。
【0037】
センサ群60図4参照)は、トイレブースTB2に配置され、トイレブースTB2における空間制御に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTB2における空間制御を開始したり、終了したりするタイミングの決定に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTB2における生理情報の取得を開始したり、終了したりするタイミングの決定に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTB2への人(使用者)の入退室を検知する第1センサと、トイレブースTB2内の便器TLに対する人の着座及び離座を検知する第2センサとを含む。
【0038】
以下、センサ群60、センサ群60等を区別せずに説明する場合、「センサ群60」と記載する場合がある。なお、センサ群60に含まれる第1センサ及び第2センサの詳細については後述する。
【0039】
制御装置100は、音響装置10、センサ装置50、及びセンサ群60の各装置と通信可能なコンピュータである。図1では、制御装置100がトイレ空間TSの共有空間CSに配置されている場合を一例として説明するが、制御装置100はトイレ空間TS外に配置されてもよい。例えば、制御装置100は、トイレ空間TS外の制御システム1の管理施設などに配置されるサーバ装置であってもよい。また、制御装置100はトイレブースTB内に配置されてもよい。例えば、制御装置100は、トイレブースTB内の便座装置や便座装置を操作するリモコン装置に搭載されていてもよい。なお、上記は一例に過ぎず、音響装置10、センサ装置50、及びセンサ群60と通信し、処理が実現可能であれば、制御装置100の装置構成及び配置は任意の形態が採用可能である。例えば、制御装置100は、制御システム1の管理者等が携帯可能なノートパソコン等の携帯端末(デバイス)であってもよい。
【0040】
制御装置100は、トイレブースTB等のトイレの空間制御を行う。制御装置100は、トイレブースTB内に配置された機器を制御することで、トイレブースTBの空間制御を行う。制御装置100は、トイレブースTBの音響装置10の出力を制御することで、トイレブースTBの空間制御を行う。制御装置100は、センサ装置50による検知結果に応じて、音響装置10にリラックス系の音楽(「リラックス音」ともいう)または覚醒系の音楽(「覚醒音」ともいう)を出力させることにより、トイレブースTBの空間制御を行う。
【0041】
<1-1.リラックス音及び覚醒音>
まず、リラックス音及び覚醒音について説明する。リラックス系の音楽(リラックス音)は、例えばゆったりしたイメージのトイレにしたいといった用途で用いられる音楽である。また、覚醒系の音楽(覚醒音)は、例えばトイレの利用回転を上げたいといった用途で用いられる音楽である。なお、上記の用途は一例に過ぎず、リラックス音は人のリラックス効果を与えることができ、覚醒音は人の覚醒効果を与えることができればどのような用途に用いられてもよい。
【0042】
リラックス音(「第1音」ともいう)及び覚醒音(「第2音」ともいう)は、音のテンポ、すなわちbpm(beats per minute)により規定される。例えば、覚醒音(第2音)には、リラックス音(第1音)よりもテンポが速い音が用いられる。すなわち、覚醒音は、リラックス音として用いられる音楽のテンポよりも速いテンポの音楽が用いられる。言い換えると、リラックス音には、覚醒音として用いられる音楽のテンポよりも遅いテンポの音楽が用いられる。
【0043】
例えば、覚醒音には、人を覚醒させるテンポの音楽が用いられる。例えば、覚醒音には、テンポが90bpm以上の音楽が用いられる。なお、覚醒音のテンポの下限として示した90bpmは一例に過ぎず、覚醒音のテンポの下限は、任意の値が用いられてもよい。また、覚醒音のテンポには上限があってもよい。例えば、覚醒音のテンポの上限は250bpmであってもよい。この場合、覚醒音には、テンポが90bpm以上250bpm以下の範囲内の音楽が用いられる。なお、覚醒音のテンポの上限として示した250bpmは一例に過ぎず、覚醒音のテンポの上限は、任意の値が用いられてもよい。例えば、覚醒音のテンポの上限は、音楽における最高bpm(例えば1000bpm等)以下の任意の値が用いられてもよい。例えば、覚醒音のテンポの上限は、トイレが設けられる場所等に応じて任意の値が用いられてもよい。
【0044】
例えば、リラックス音には、人をリラックスさせるテンポの音楽が用いられる。例えば、リラックス音には、テンポが90bpm未満の音楽が用いられる。なお、リラックス音のテンポの上限として示した90bpmは一例に過ぎず、リラックス音のテンポが覚醒音のテンポより遅ければ、リラックス音のテンポはどのようなテンポであってもよい。リラックス音のテンポの上限は、覚醒音のテンポに応じて任意の値が設定される。また、リラックス音のテンポには下限があってもよい。例えば、リラックス音のテンポの下限は50bpmであってもよい。この場合、リラックス音には、テンポが50bpm以上90bpm未満の範囲内の音楽が用いられる。なお、リラックス音のテンポの下限として示した50bpmは一例に過ぎず、リラックス音のテンポの下限は、任意の値が用いられてもよい。また、リラックス音及び覚醒音はテンポの条件を満たせば、どのような音楽が用いられてもよい。また、リラックス音及び覚醒音の各々は複数のレベルの音が用いられてもよいが、この点については図3で説明する。
【0045】
<1-2.空間制御処理例>
以下、上述した前提を基に、図1を用いて制御システム1による情報処理の流れについて説明する。なお、図1では、説明を簡単にするために、トイレブースTB1において音が出力されていない状態から空間制御により音の出力を開始する場合を示し、音が出力中からの変更については別途説明する。
【0046】
図1では、使用者UがトイレブースTB1を使用する場合に、トイレブースTB1の空間制御が行われる例を説明する。なお、図1では、トイレブースTB1が備える便器TLの便座STに使用者Uが座っている状態を図示するが、トイレブースTBの利用者による使用態様のイメージを示すためのものであり、トイレブースTB1の使用状態は使用者Uの行動により変化する。
【0047】
まず、図1の例では、トイレブースTB1に使用者Uが入室し、トイレブースTB1に滞在する。例えば、使用者Uは、ドアが開放状態であるトイレブースTB1の中へ移動し、トイレブースTB1内に位置することにより、トイレブースTB1に入室する。これにより、トイレブースTB1のセンサ群60は、トイレブースTB1への使用者Uの入室を検知する。そして、使用者Uは、トイレブースTB1内の便器TLの便座STに着座する。これにより、センサ群60は、トイレブースTB1内の便器TLの便座STへの使用者Uの着座を検知する。
【0048】
例えば、制御装置100は、トイレブースTB1への使用者Uの入室を示す情報やトイレブースTB1内の便器TLの便座STへの使用者Uの着座を示す情報をセンサ群60から受信する。例えば、制御装置100は、トイレブースTB1内の便器TLの便座STへの使用者Uの着座が検知された場合、使用者Uの生体情報の取得(測定)の開始を指示する情報をセンサ装置50に送信する。なお、測定の開始タイミングは使用者Uの着座後に限らず、任意のタイミングであってもよい。例えば、制御装置100は、トイレブースTB1へ使用者Uが入室したタイミングで、センサ装置50に使用者Uの生体情報の取得(測定)の開始を指示する。
【0049】
制御装置100からの指示を受けたセンサ装置50は、使用者Uの生体情報の取得(測定)を開始する。そして、センサ装置50は、使用者Uの生体情報を制御装置100に送信する(ステップS1)。センサ装置50は、取得した使用者Uの生体情報を随時、制御装置100に送信してもよいし、所定の間隔(例えば5秒、15秒等)で制御装置100に送信してもよい。
【0050】
制御装置100は、センサ装置50から受信した使用者Uの生体情報を用いて、使用者Uのストレス値を複数回算出する(ステップS2)。制御装置100は、トイレブースTB1内に使用者Uが滞在中にセンサ装置50が取得した生理情報を基にストレス値を複数回算出する。例えば、制御装置100は、使用者Uの生理情報を解析し、使用者Uの心拍数を生理値情報として生成する。そして、制御装置100は、使用者Uの心拍数を用いて、使用者Uのストレス値を算出する。なお、心拍数は、生理値情報の一例に過ぎず、生理値情報は、心拍数に限らず、生体情報から導出可能な様々なパラメータが用いられてもよいが、この点については後述する。
【0051】
図1では、制御装置100は、使用者Uが着座後からの所定の長さの期間(「測定#1の期間」ともいう)の使用者U1の生理情報を用いて、ストレス値(「ストレス値#1」ともいう)を算出する。所定の長さは、例えば2分や3分等、ストレス値を算出するために必要な生理情報(のサンプル)を取得できる長さが設定される。制御装置100は、測定#1の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#1の期間の使用者U1の心拍数を生理値情報(「第1生理値」ともいう)として生成する。例えば、制御装置100は、測定#1の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#1の期間の心拍をカウントすることにより、測定#1の期間の使用者U1の心拍数を示す第1生理値を生成する。
【0052】
そして、制御装置100は、第1生理値を用いて、測定#1の期間での使用者Uのストレス値#1を算出する。例えば、制御装置100は、心拍数を入力として、その心拍数に対応するストレス値を出力する所定の関数を用いて、使用者Uのストレス値を算出してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、例えば、制御装置100は、第1生理値を、測定#1の期間での使用者Uのストレス値#1として用いてもよい。また、生理値情報とストレス値との関係の例については後述する。
【0053】
また、制御装置100は、測定#1の期間後の所定の長さの期間(「測定#2の期間」ともいう)の使用者U1の生理情報を用いて、ストレス値(「ストレス値#2」ともいう)を算出する。制御装置100は、測定#2の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#2の期間の使用者U1の心拍数を生理値情報(「第2生理値」ともいう)として生成する。例えば、制御装置100は、測定#2の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#2の期間の心拍をカウントすることにより、測定#2の期間の使用者U1の心拍数を示す第2生理値を生成する。そして、制御装置100は、第2生理値を用いて、測定#2の期間での使用者Uのストレス値#2を算出する。
【0054】
そして、制御装置100は、複数回算出した使用者Uのストレス値を用いて、トイレブースTB1内の音響装置10の制御を決定する(ステップS3)。図1では、制御装置100は、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化に応じて、トイレブースTB1内の音響装置10の動作を決定する。
【0055】
例えば、制御装置100は、ストレス値#1よりもストレス値#2が大きい場合、使用者Uのストレスが増加傾向であるとして、トイレブースTB1内の音響装置10にリラックス音を出力させると決定する。また、例えば、制御装置100は、ストレス値#1よりもストレス値#2が小さい場合、使用者Uのストレスが減少傾向であるとして、トイレブースTB1内の音響装置10に覚醒音を出力させると決定する。なお、制御装置100は、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化が所定の範囲内(例えばストレス値#1とストレス値#2とが同じ)である場合、音響装置10の動作を変更しないと決定してもよい。
【0056】
そして、制御装置100は、決定した制御内容に応じた制御を音響装置10へ指示する(ステップS4)。制御装置100は、決定した制御内容を示す情報をトイレブースTB1の音響装置10へ送信する。例えば、制御装置100は、ストレス値#1よりもストレス値#2が大きい場合、リラックス音の再生を指示する情報を音響装置10へ送信する。なお、再生対象となるリラックス音が複数ある場合、制御装置100は、音響装置10へ、再生するリラックス音を特定するための情報を送信してもよいし、リラックス音の音源データを送信してもよい。また、例えば、制御装置100は、ストレス値#1よりもストレス値#2が小さい場合、覚醒音の再生を指示する情報を音響装置10へ送信する。なお、再生対象となる覚醒音が複数ある場合、制御装置100は、音響装置10へ、再生する覚醒音を特定するための情報を送信してもよいし、覚醒音の音源データを送信してもよい。
【0057】
音響装置10は、制御装置100からの制御(指示)に応じた音の再生を開始する(ステップS5)。例えば、音響装置10は、制御装置100からリラックス音の再生が指示された場合、リラックス音を再生する。これにより、制御システム1は、ストレスが増加傾向にある使用者Uに再生されているリラックス音を聞かせることで、使用者Uのストレスを緩和し、使用者Uに快適感を与えることができる。
【0058】
また、例えば、音響装置10は、制御装置100から覚醒音の再生が指示された場合、覚醒音を再生する。これにより、制御システム1は、ストレスが減少傾向にある使用者Uに再生されている覚醒音を聞かせることで、使用者UがトイレブースTB1に長期滞在することを抑制することができる。
【0059】
上記のように、制御装置100は、第1指標値(第1ストレス値)に対する第2指標値(第2ストレス値)の変化がストレス増加を示す場合、リラックス音(第1音)を音響装置10に出力させる。また、制御装置100は、第1指標値(第1ストレス値)に対する第2指標値(第2ストレス値)の変化がストレス減少を示す場合、リラックス音(第1音)よりもテンポが速い覚醒音(第2音)を音響装置10に出力させる。このように、制御システム1は、使用者Uのストレス値に応じてトイレブースTB1の空間制御を行うことで、使用者Uの状態に応じた空間制御を実現することができる。したがって、制御システム1は、トイレにおける柔軟な空間制御を可能にすることができる。
【0060】
<1-2-1.トイレ空間の配置>
図1の例では、トイレ空間TSが設置される場所として、デパート(百貨店)等のような商業施設を一例として示したが、トイレ空間TSが設置される場所は、店舗等の商業施設に限らず、種々の施設であってもよい。例えば、トイレ空間TSが設置される場所は、遊園地や競技場やオフィスビル等であってもよい。例えば、トイレ空間TSが設置される場所は、観光地等の地域に設置されるトイレであってもよい。例えば、トイレ空間TSが設置される場所は、公園や駐車場等であってもよい。すなわち、トイレは公園や駐車場等の屋外に設置されてもよい。このように、トイレ空間TSが設置される場所は、トイレ空間TSが設置可能な空間があれば、どのような場所であってもよい。
【0061】
<1-3.制御フロー例>
図2を用いて、制御フロー例について説明する。図2は、空間制御処理のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図1と同様の点については適宜説明を省略する。
【0062】
図2の例では、トイレブースTB1を対象とする制御フローを一例として説明する。以下では、図1と関連させて図2に示すタイミングチャートを説明する。
【0063】
図2中の波形LN1は、センサ群60によるトイレブースTB1の使用者Uの行動の検知結果を示す。例えば、波形LN1は、トイレブースTB1への使用者Uの入退室の検知結果を示す。また、図2中の波形LN2は、センサ装置50による使用者Uの生理情報の測定区間を示す。例えば、波形LN2は、トイレブースTB1内の便器TLへの使用者Uの着座から離座までの間に行われるセンサ装置50の測定の区間(期間)を示す。
【0064】
図2中の波形LN3は、図1の測定#1に対応し、ストレス値#1の算出のために用いられた生理情報が測定された区間(期間)を示す。図2中の波形LN4は、図1の測定#2に対応し、ストレス値#2の算出のために用いられた生理情報が測定された区間(期間)を示す。また、図2中の波形LN5は、算出したストレス値を用いた空間制御が行われた区間(期間)を示す。
【0065】
図2の例では、波形LN1に示すように、時間t1においてトイレブースTB1への使用者Uが入室することにより、センサ群60によりトイレブースTB1の使用者Uの存在が検知される。
【0066】
そして、波形LN2に示すように、時間t2においてトイレブースTB1内の便器TLの便座STへ使用者Uが着座することにより、センサ装置50による使用者Uの生理情報の取得(測定)が開始される。波形LN3に示すように、時間t2から時間t3までの期間である測定#1の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#1が算出される。また、波形LN4に示すように、時間t3から時間t4までの期間である測定#2の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#2が算出される。
【0067】
そして、波形LN5に示すように、トイレブースTB1の空間制御が、時間t4に第1空間制御SP1から第2空間制御SP2に変更される。図2中の一点鎖線の矢印は、時間t2から時間t3までの期間に対応するストレス値#1と、時間t3から時間t4までの期間に対応するストレス値#2とに基づいて第2空間制御SP2が行われることを示す。例えば、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化に応じて、トイレブースTB1内の機器の動作を変更され、トイレブースTB1の空間制御が変更される。例えば、制御システム1は、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化に応じた音を音響装置10に出力させることにより、トイレブースTB1の空間制御を変更する。
【0068】
図2の例では、制御システム1は、時間t1から時間t4までの間を第1空間制御SP1でトイレブースTB1の空間制御を行い、時間t4から、使用者Uが退室する時間t5までの間を第2空間制御SP2でトイレブースTB1の空間制御を行う。例えば、第1空間制御SP1は、音響装置10が音を出力していない状態に対応し、第2空間制御SP2は、音響装置10が制御装置100から指示された音を出力している状態に対応する。
【0069】
<1-4.各種関係について>
以下、各種情報の関係の一例について説明する。
【0070】
<1-4-1.空間制御とストレス値の関係>
まず、図3を用いて空間制御とストレス値の関係について説明する。図3は、空間制御とストレス値との関係の一例を示す図である。
【0071】
図3中のリラックス#1及びリラックス#2は、いずれもリラックス音に対応する。例えば、リラックス#2は、リラックス#1よりもリラックス効果が強い音楽である。例えば、リラックス#2は、リラックス#1よりもテンポが遅い音楽である。
【0072】
図3中の覚醒#1及び覚醒#2は、いずれも覚醒音に対応する。例えば、覚醒#2は、覚醒#1よりも覚醒効果が強い音楽である。例えば、覚醒#2は、覚醒#1よりもテンポが速い音楽である。
【0073】
図3では、空間制御#1が、変更前の空間制御に対応し、空間制御#2が、変更後の空間制御に対応する。空間制御#1が「なし」である2行は、音響装置10が音を出力していない状態からの変更に対応し、図1及び図2で例示した処理に対応する。
【0074】
例えば、空間制御#1が「なし」であり、ストレス値が「増加」である場合、空間制御#2が「リラックス#1」であることを示す。すなわち、制御システム1は、音を出力していない状態で、人(トイレの使用者)のストレス値が増加である場合、音響装置10にリラックス音を出力させる空間制御を行うことを示す。
【0075】
例えば、空間制御#1が「なし」であり、ストレス値が「減少」である場合、空間制御#2が「覚醒#1」であることを示す。すなわち、制御システム1は、音を出力していない状態で、人(トイレの使用者)のストレス値が減少である場合、音響装置10に覚醒音を出力させる空間制御を行うことを示す。
【0076】
また、空間制御#1が「リラックス#1」である2行は、音響装置10がリラックス音を出力している態からの変更に対応する。
【0077】
例えば、空間制御#1が「リラックス#1」であり、ストレス値が「増加」である場合、空間制御#2が「リラックス#2」であることを示す。すなわち、制御システム1は、リラックス#1を出力している状態で、人(トイレの使用者)のストレス値が増加である場合、音響装置10によりリラックス効果が強いリラックス音(リラックス#2)を出力させる空間制御を行うことを示す。
【0078】
すなわち、制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス増加を示す場合、音響装置10が出力する音を、出力中の音よりもテンポが遅い音に変更する。
【0079】
例えば、空間制御#1が「リラックス#1」であり、ストレス値が「減少」である場合、空間制御#2が「覚醒#1」であることを示す。すなわち、制御システム1は、リラックス音を出力している状態で、人(トイレの使用者)のストレス値が減少である場合、音響装置10に覚醒音を出力させる空間制御を行うことを示す。
【0080】
また、空間制御#1が「覚醒#1」である1行は、音響装置10が覚醒音を出力している態からの変更に対応する。
【0081】
例えば、空間制御#1が「覚醒#1」であり、ストレス値が「減少」である場合、空間制御#2が「覚醒#2」であることを示す。すなわち、制御システム1は、覚醒#1を出力している状態で、人(トイレの使用者)のストレス値が減少である場合、音響装置10により覚醒効果が強い覚醒音(覚醒#2)を出力させる空間制御を行うことを示す。
【0082】
すなわち、制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス減少を示す場合、音響装置10が出力する音を、出力中の音よりもテンポが速い音に変更する。
【0083】
<1-4-2.生理値情報とストレス値との関係>
次に、生理値情報とストレス値との関係について説明する。なお、上述したように使用者の心身状態を示す指標値としてはリラックス値が用いられてもよい。例えば、リラックス値は、使用者の身体や精神のリラックス度合いを示す値であり、ストレス値とは逆の傾向になる値である。例えば、リラックス値は、ストレス値の逆数であってもよい。なお、上記は一例に過ぎず、リラックス値は、生理値情報に基づいて算出される値であり、使用者の身体や精神のリラックス度合いを示す値であれば、どのような値であってもよい。例えば、ストレス値が増加傾向にある場合、リラックス値は減少傾向になり、ストレス値が減少傾向にある場合、リラックス値は増加傾向になる。すなわち、ストレス増加の傾向があるとは、リラックス減少(低下)の傾向にあることと同義であり、ストレス減少の傾向があるとは、リラックス増加(上昇)の傾向にあることと同義である。制御装置100は、第1期間の使用者の生理情報に対応する第1リラックス値と第2期間の使用者の生理情報に対応する第2リラックス値とを用いて処理を行ってもよい。例えば、制御装置100は、第1リラックス値に対する第2リラックス値の変化がストレス増加、すなわちリラックス減少を示す場合、音響装置10が出力する音を、出力中の音よりもテンポが遅い音に変更する。また、制御装置100は、第1リラックス値に対する第2リラックス値の変化がストレス減少、すなわちリラックス増加を示す場合、音響装置10が出力する音を、出力中の音よりもテンポが速い音に変更する。上述したように、生理値情報は、心拍数に限らず、様々なパラメータが用いられてもよい。この点も含め図10を用いて説明する。図10は、生理値情報とストレス値との関係の一例を示す図である。
【0084】
図10には、生理値情報の一例を示す。例えば、生理値情報は、心拍数、HRV(Heart Rate Variability)、CVRR(Coefficient of Variation of RR Intervals)、LF/HF(Low Frequency/Hi Frequency)等の様々なパラメータであってもよい。
【0085】
例えば、心拍数は、一定時間内の心臓が拍動する回数を示す。心拍数は、HR(Heart Rate)であり、例えば所定時間内のR波の数を示す。
【0086】
また、HRVは、心臓の一拍ごとの拍動の長さの変化を示す。HRVは、心拍変動であり、例えばR波の間隔を示す。
【0087】
また、CVRRは、自律神経活動度であり、心電波形のR波の間隔の変動を示す。CVRRは、心拍変動係数であり、例えばR波の間隔の変動係数(標準偏差/平均値)を示す。
【0088】
また、LF/HFは、心拍変動における低周波成分(LF)、高周波成分(HF)の比率で、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを示しており、例えばR波の間隔を周波数解析することにより得られる値である。
【0089】
また、図10中で各生理値情報に対応するストレス値の関係性は、各生理値情報の増減に応じて算出されるストレス値がどのように変動するかを示す。
【0090】
例えば、心拍数は、ストレス値増加であり、心拍数の増加に伴い、ストレス値も増加することを示す。すなわち、心拍数とストレス値とは正の相関があることを示す。また、LF/HFも、心拍数と同様に、ストレス値増加であり、LF/HFの増加に伴い、ストレス値も増加することを示す。すなわち、LF/HFとストレス値とは正の相関があることを示す。一方で、LF/HFとリラックス値とは負の相関がある。また、HF/LFの場合は、HF/LFとストレス値とは負の相関があり、HF/LFとリラックス値とは正の相関がある。
【0091】
例えば、制御システム1は、生理値情報としてLF/HFを用いる場合、上述した心拍数の場合と同様に、LF/HFをストレス値として用いてもよい。また、例えば、制御装置100は、LF/HFを入力として、そのLF/HFに対応するストレス値を出力する所定の関数を用いて、ストレス値を算出してもよい。
【0092】
また、例えば、HRVは、ストレス値減少であり、HRVの増加に伴い、ストレス値が減少することを示す。すなわち、HRVとストレス値とは負の相関があることを示す。また、CVRRも、HRVと同様に、ストレス値増加であり、CVRRの増加に伴い、ストレス値が減少することを示す。すなわち、CVRRとストレス値とは負の相関があることを示す。
【0093】
例えば、制御装置100は、HRVを入力として、そのHRVに対応するストレス値を出力する所定の関数を用いて、ストレス値を算出してもよい。また、例えば、制御システム1は、生理値情報としてHRVを用いる場合、HRV逆数をストレス値として用いてもよい。
【0094】
なお、上記は一例に過ぎず、制御システム1は、複数の生理値情報を用いてもよい。例えば、制御装置100は、複数の生理値情報を組み合わせてストレス値を算出してもよい。この場合、制御装置100は、複数の生理値情報を入力として、その入力に対応するストレス値を出力する所定の関数を用いて、ストレス値を算出してもよい。
【0095】
<1-5.制御システムの構成>
次に、制御システム1の構成について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る制御システムの構成例を示す図である。具体的には、図4は、制御システム1の構成を示す。制御システム1は、複数の音響装置10と、複数のセンサ装置50と、複数のセンサ群60と、制御装置100とが含まれる。制御システム1には、複数の制御装置100が含まれてもよい。
【0096】
音響装置10は、トイレ空間TSにおいて大便器である便器TLを備えるトイレブースTBに配置される。音響装置10は、制御装置100の制御に応じて音を出力する。音響装置10は、リラックス音(第1音)と覚醒音(第2音)とのの2つ種別の音を出力する。
【0097】
センサ装置50は、人の生理情報を取得するセンサ装置である。例えば、センサ装置50は、非接触式のセンサであり、ドップラー方式によるマイクロ波またはミリ波センサ等である。この場合、例えば、センサ装置50は、人(使用者)に対してマイクロ波またはミリ波を発信し、人からの反射波を検知する。接触した箇所により人の生理情報を検知する。また、例えば、センサ装置50は、トイレブースTB1の便座STに配置される加速度センサ等の接触式のセンサである。この場合、例えば、センサ装置50は、人(使用者)に接触した箇所により人の生理情報を検知する。
【0098】
センサ群60は、トイレブースTBにおける空間制御に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTBにおける空間制御を開始したり、終了したりするタイミングの決定に用いるセンサ情報を収集する。例えば、センサ群60は、トイレブースTBにおける生理情報の取得を開始したり、終了したりするタイミングの決定に用いるセンサ情報を収集する。
【0099】
例えば、センサ群60は、トイレブースTBへの人(使用者)の入退室を検知する第1センサと、トイレブースTB内の便器TLに対する人の着座及び離座を検知する第2センサとを含む。第1センサ及び第2センサは、所望の機能を実現可能であればどのようなセンサにより実現されてもよい。
【0100】
例えば、第1センサは、人体検知センサ、行動検知センサ、存在検知センサ等の各種のセンサであってもよい。第1センサは、トイレブースTB外を撮像する画像センサ(行動検知センサ)であってもよい。第1センサは、トイレ空間のドア等に設けられたドアセンサ(行動検知センサ)であってもよい。なお、上記は一例であり、第1センサは、使用者のトイレブースTBの人(使用者)の入室及び退室を検知可能であればどのような手段により実現されてもよい。例えば、第1センサは、トイレブースTBへの人の入退または退室を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を制御装置100へ送信してもよい。
【0101】
第2センサは、着座検知センサにより実現される。第2センサは、使用者が便器TLに着座する直前において便座STの上方に存在する人体や、便器TLに着座した使用者を検知する。第2センサは、赤外線投受光式の測距センサ等であってもよい。また、第2センサは、便器TLに着座した使用者の荷重によってON・OFFが切り替わるスイッチでもよい。なお、上記は一例に過ぎず、第2センサは、使用者の便器TLに対する着座及び離座が検知可能であればどのようなセンサ装置であってもよい。例えば、第2センサは、トイレブースTBの便座STへの人の着座または離座を検知した場合、その検知や検知の日時などを示す検知情報を制御装置100へ送信してもよい。なお、第1センサと第2センサとは一体であってもよい。この場合、例えばセンサ群60は一の装置であり、一の装置であるセンサ群60がトイレブースTBへの人(使用者)の入退室と、トイレブースTB内の便器TLに対する人の着座及び離座との両方を検知してもよい。
【0102】
制御装置100は、センサ装置50により取得された生理情報に基づいて、トイレ内の機器を制御する情報処理装置である。例えば、制御装置100は、トイレブースTB内に使用者が滞在中にセンサ装置50が取得した生理情報を基にストレス値を複数回算出する。制御装置100は、第1ストレス値に対する、第2ストレス値の変化に応じて、トイレブースTB内の機器の動作を変更する。例えば、制御装置100は、機器である音響装置10に音の出力開始や出力停止を指示する。
【0103】
制御装置100は、音響装置10、センサ装置50、及びセンサ群60の各装置と、インターネット等の所定のネットワークNを介して、無線または有線により通信可能に接続される。なお、制御装置100は、情報の送受信が可能であれば、音響装置10、センサ装置50、及びセンサ群60の各装置とどのように接続されてもよく、無線により通信可能に接続されてもよいし、有線により通信可能に接続されてもよい。
【0104】
<1-6.制御装置の機能構成>
以下、制御装置の機能構成について図5を参照して説明する。図5は、実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0105】
図5に示すように、制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、制御装置100は、制御装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0106】
通信部110は、例えば、通信回路等によって実現される。通信部110は、所定のネットワークN(図4参照)と有線または無線で接続され、外部の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、所定のネットワークN(図4参照)と有線または無線で接続され、音響装置10、センサ装置50、及びセンサ群60の各装置等の他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0107】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、制御プログラム等によって使用されるデータ等を非一時的に記録するコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。実施形態に係る記憶部120は、図5に示すように、配置情報記憶部121と、リラックス用音情報記憶部122と、覚醒用音情報記憶部123と、ストレス計測用情報記憶部124とを有する。
【0108】
実施形態に係る配置情報記憶部は、制御システム1の各構成要素の配置に関する各種情報を記憶する。例えば、配置情報記憶部は、音響装置10、センサ装置50、及びセンサ群60の配置に関する情報を記憶する。図6は、実施形態に係る配置情報記憶部の一例を示す図である。図6に示す配置情報記憶部には、「配置箇所」、「音響装置」、「センサ」といった項目が含まれる。
【0109】
「配置箇所」は、各配置箇所を識別するための識別情報を示す。図6では、説明の為に「配置箇所」に「TB1」、「TB2」といった各トイレブースに付した符号を図示するが、「配置箇所」には、配置箇所を特定可能な情報(例えば配置箇所ID等)が記憶される。
【0110】
「音響装置」は、対応する配置箇所に配置される音響装置(音響装置)を識別するための識別情報を示す。図6では、説明の為に「音響装置」に「10」、「10」といった各音響装置に付した符号を図示するが、「音響装置」には、音響装置を特定可能な情報(例えば音響装置ID等)が記憶される。
【0111】
「センサ」は、センサ部に含まれる各種のセンサの情報が格納される。図6の「センサ」には、「センサ装置」、「センサ群」に対応する項目が含まれる。
【0112】
「センサ装置」は、対応する配置箇所に配置されるセンサ装置を識別するための識別情報を示す。図6では、説明の為に「センサ装置」に「50」、「50」といった各センサ装置に付した符号を図示するが、「センサ装置」には、センサ装置を特定可能な情報(例えばセンサID等)が記憶される。
【0113】
また「センサ群」は、対応する配置箇所に配置されるセンサ群を識別するための識別情報を示す。図6では、説明の為に「センサ群」に「60」、「60」といった各センサ群に付した符号を図示するが、「センサ群」には、センサ群を特定可能な情報(例えばセンサID等)が記憶される。
【0114】
図6の例では、「TB1」により識別される配置箇所であるトイレブースTB1には、「10」により識別される音響装置である音響装置10、「50」により識別されるセンサ装置であるセンサ装置50、及び「60」により識別されるセンサ群であるセンサ群60の各装置が配置されることを示す。
【0115】
また、「TB2」により識別される配置箇所であるトイレブースTB2には、「10」により識別される音響装置である音響装置10、「50」により識別されるセンサ装置であるセンサ装置50、及び「60」により識別されるセンサ群であるセンサ群60の各装置が配置されることを示す。
【0116】
なお、配置情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、配置情報記憶部121は、各音響装置10の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各音響装置10に対応付けて記憶してもよい。また、例えば、配置情報記憶部121は、各センサ装置50が検知する情報や各センサ装置50の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各センサ装置50に対応付けて記憶してもよい。また、例えば、配置情報記憶部121は、各センサ群60の各装置が検知する情報や各センサ群60の各装置の具体的な配置位置を示す情報(例えば緯度経度情報等)を、各センサ群60の各装置に対応付けて記憶してもよい。また、配置情報記憶部121は、各センサ装置50や各センサ群60の各装置の配置箇所と検知する範囲(検知範囲)が異なる場合、各センサ装置50や各センサ群60の各装置の検知範囲を示す情報を記憶してもよい。
【0117】
リラックス用音情報記憶部122は、音響装置10に出力させるリラックス音に関する各種情報を記憶する。リラックス用音情報記憶部122は、各リラックス音を識別するための情報(音ID等)を記憶する。例えば、リラックス用音情報記憶部122は、音響装置10に出力させるリラックス音の音源(データ)を記憶する。リラックス用音情報記憶部122は、リラックス音の音源(データ)に、そのリラックス音のテンポを示す情報を対応付けて記憶する。
【0118】
また、リラックス用音情報記憶部122は、どのトイレブースでどのリラックス音を出力するかを示す情報を記憶してもよい。例えば、リラックス用音情報記憶部122は、各音響装置10にその音響装置10に出力させるリラックス音を示す情報を対応付けて記憶する。なお、上記は一例に過ぎず、リラックス用音情報記憶部122は、必要に応じてリラックス音に関する様々な情報を記憶する。
【0119】
覚醒用音情報記憶部123は、音響装置10に出力させる覚醒音に関する各種情報を記憶する。覚醒用音情報記憶部123は、各覚醒音を識別するための情報(音ID等)を記憶する。例えば、覚醒用音情報記憶部123は、音響装置10に出力させる覚醒音の音源(データ)を記憶する。覚醒用音情報記憶部123は、覚醒音の音源(データ)に、その覚醒音のテンポを示す情報を対応付けて記憶する。
【0120】
また、覚醒用音情報記憶部123は、どのトイレブースでどの覚醒音を出力するかを示す情報を記憶してもよい。例えば、覚醒用音情報記憶部123は、各音響装置10にその音響装置10に出力させる覚醒音を示す情報を対応付けて記憶する。なお、上記は一例に過ぎず、覚醒用音情報記憶部123は、必要に応じて覚醒音に関する様々な情報を記憶する。
【0121】
ストレス計測用情報記憶部124は、ストレスの計測に関する各種情報を記憶する。例えば、ストレス計測用情報記憶部124は、ストレス値の算出に関する各種情報を記憶する。例えば、ストレス計測用情報記憶部124は、使用者の生理情報を取得する期間やタイミングに関する情報を記憶する。例えば、ストレス計測用情報記憶部124は、使用者の生理情報から生成する生理値情報を示す情報を記憶する。例えば、ストレス計測用情報記憶部124は、生理値情報からストレス値を算出するための情報を記憶する。例えば、ストレス計測用情報記憶部124は、生理値情報をストレス値として用いることを示す情報や、ストレス値を算出するために用いる関数の情報を記憶する。
【0122】
図5に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、制御装置100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る制御プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0123】
図5に示すように、制御部130は、取得部131と、決定部132と、機器制御部133と、送信部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0124】
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、他の装置から情報を取得する。取得部131は、センサ装置50やセンサ群60や音響装置10等から各種情報を受信する。取得部131は、センサ装置50が測定(取得)した使用者の生理情報をセンサ装置50から受信する。取得部131は、センサ群60の各装置による検知結果をセンサ群60の各装置から受信する。
【0125】
決定部132は、決定処理を行う。決定部132は、センサ群60の各装置の検知結果に応じて、センサ装置50による使用者の生理情報の測定(取得)を決定する。決定部132は、センサ群60の第2センサによりトイレブースTBの便座STへの人の着座が検知された場合、センサ装置50による使用者の生理情報の測定の開始を決定する。決定部132は、センサ群60の第2センサによりトイレブースTBの便座STからの人の離座が検知された場合、センサ装置50による使用者の生理情報の測定の停止を決定する。
【0126】
なお、決定部132は、センサ群60の第1センサの検知結果に応じて、センサ装置50による使用者の生理情報の測定(取得)の開始または停止を決定してもよい。この場合、決定部132は、センサ群60の第1センサによりトイレブースTBへの人の入室が検知された場合、センサ装置50による使用者の生理情報の測定の開始を決定してもよい。また、決定部132は、センサ群60の第1センサによりトイレブースTBからの人の退室が検知された場合、センサ装置50による使用者の生理情報の測定の停止を決定してもよい。
【0127】
決定部132は、センサ装置50から受信した使用者の生体情報を用いて、使用者のストレス値を複数回算出する。例えば、決定部132は、トイレブースTB1内に使用者Uが滞在中にセンサ装置50が取得した生理情報を基にストレス値を複数回算出する。
【0128】
例えば、決定部132は、使用者の生理情報を解析し、使用者の心拍数を生理値情報として生成する。決定部132は、使用者の心拍数を用いて、使用者のストレス値を算出する。
【0129】
図1では、決定部132は、所定の期間(測定#1の期間)の使用者U1の生理情報を用いて、ストレス値#1を算出する。決定部132は、測定#1の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#1の期間の使用者U1の心拍数を第1生理値として生成する。例えば、決定部132は、測定#1の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#1の期間の心拍をカウントすることにより、測定#1の期間の使用者U1の心拍数を示す第1生理値を生成する。
【0130】
決定部132は、第1生理値を用いて、測定#1の期間での使用者Uのストレス値#1を算出する。例えば、決定部132は、心拍数を入力として、その心拍数に対応するストレス値を出力する所定の関数を用いて、使用者Uのストレス値を算出してもよい。決定部132は、第1生理値を、測定#1の期間での使用者Uのストレス値#1として用いてもよい。
【0131】
また、決定部132は、測定#1の期間後の所定の期間(測定#2の期間)の使用者U1の生理情報を用いて、ストレス値#2を算出する。決定部132は、測定#2の期間の使用者U1の生理情報を解析し、測定#2の期間の使用者U1の心拍数を第2生理値として生成する。決定部132は、第2生理値を用いて、測定#2の期間での使用者Uのストレス値#2を算出する。
【0132】
決定部132は、複数回算出した使用者Uのストレス値を用いて、トイレブースTB1内の音響装置10の制御を決定する。決定部132は、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化に応じて、トイレブースTB1内の音響装置10の動作を決定する。
【0133】
例えば、決定部132は、ストレス値#1よりもストレス値#2が大きい場合、使用者Uのストレスが増加傾向であるとして、トイレブースTB1内の音響装置10にリラックス音を出力させると決定する。また、例えば、決定部132は、ストレス値#1よりもストレス値#2が小さい場合、使用者Uのストレスが減少傾向であるとして、トイレブースTB1内の音響装置10に覚醒音を出力させると決定する。
【0134】
機器制御部133は、音響装置10等の機器を制御する制御処理を実行する。機器制御部133は、音響装置10により出力される音を制御する。機器制御部133は、決定部132による決定内容に応じて制御処理を実行する。機器制御部133は、決定内容を示す情報を送信部134に送信させることにより、音響装置10に音の出力開始または出力停止を指示する。
【0135】
機器制御部133は、リラックス音の出力開始を指示する情報を送信部134に送信させることにより、音響装置10にリラックス音の出力開始を指示する。機器制御部133は、リラックス音の出力停止を指示する情報を送信部134に送信させることにより、音響装置10にリラックス音の出力停止を指示する。
【0136】
機器制御部133は、覚醒音の出力開始を指示する情報を送信部134に送信させることにより、音響装置10に覚醒音の出力開始を指示する。機器制御部133は、覚醒音の出力停止を指示する情報を送信部134に送信させることにより、音響装置10に覚醒音の出力停止を指示する。
【0137】
送信部134は、外部の情報処理装置へ情報を送信する。例えば、送信部134は、音響装置10へ各種情報を送信する。送信部134は、決定部132による決定を示す情報を音響装置10へ送信する。送信部134は、機器制御部133による制御内容を示す情報を音響装置10へ送信する。送信部134は、リラックス音の出力に関する情報を音響装置10へ送信する。送信部134は、覚醒音の出力に関する情報を音響装置10へ送信する。
【0138】
<1-7.処理の流れ>
ここから、図7を用いて、空間制御処理の処理フローについて説明する。図7は、制御システムが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0139】
制御システム1は、使用者の入室(着座)を検知したか否かを判定する(ステップS101)。制御システム1は、使用者の入室または着座を検知したか否かを判定する。例えば、制御システム1は、センサ群60がトイレブースTBへの人の入室または、トイレブースTBの便座STへの人の着座を検知したか否かを判定する。
【0140】
制御システム1は、使用者の入室(着座)を検知しなかった場合(ステップS101:No)、処理を終了する。例えば、制御システム1は、センサ群60の第1センサがトイレブースTBへの人の入室を検知しなかった場合、処理を終了する。
【0141】
制御システム1は、使用者の入室(着座)を検知した場合(ステップS101:Yes)、センサによる生理情報の取得を開始する(ステップS102)。例えば、制御システム1は、センサ群60の第2センサがトイレブースTBの便座STへの人の着座を検知した場合、センサ装置50による生理情報の取得を開始する。
【0142】
そして、制御システム1は、複数回算出したストレス値を比較する(ステップS103)。例えば、制御システム1は、第1期間の使用者の生理情報を用いて算出した第1ストレス値と、第1期間よりも後の時点を少なくとも含む第2期間の使用者の生理情報を用いて算出した第2ストレス値とを比較する。例えば、制御システム1は、ストレス値算出を最低2回以上行い、算出結果を用いた制御は最低1回以上行う。
【0143】
制御システム1は、ストレス値の比較結果がストレス増加である場合(ステップS103:ストレス増加)、リラックス制御を行う。例えば、制御システム1の制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス増加を示す場合、音響装置10にリラックス音を出力させる。
【0144】
制御システム1は、ストレス値の比較結果がストレス減少である場合(ステップS103:ストレス減少)、覚醒制御を行う。例えば、制御システム1の制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス減少を示す場合、音響装置10に覚醒音を出力させる。なお、制御システム1は、処理対象となる空間が覚醒制御された空間である場合、ステップS103ではストレス減少のパターンの制御(覚醒制御)のみ実行し、リラックス制御は実行しない。
【0145】
<1-8.他の処理例>
ここから、上述した処理以外の処理例について説明する。
【0146】
<1-8-1.期間の重複>
上述した処理例では、各ストレス値を算出するために用いる生理情報を取得する各期間が重複していない場合を一例として説明したが、各期間は重複してもよい。例えば、上述した測定#1の期間と測定#2の期間とは重複してもよい。この点について、図8を用いて期間が重複する場合の制御フロー例について説明する。図8は、空間制御処理のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図1図2等で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0147】
図8の例では、トイレブースTB1を対象とする制御フローを一例として説明する。以下では、図1と関連させて図8に示すタイミングチャートを説明する。
【0148】
図8中の波形LN11は、センサ群60によるトイレブースTB1の使用者Uの行動の検知結果を示す。例えば、波形LN11は、トイレブースTB1への使用者Uの入退室の検知結果を示す。また、図8中の波形LN12は、センサ装置50による使用者Uの生理情報の測定区間を示す。例えば、波形LN12は、トイレブースTB1内の便器TLへの使用者Uの着座から離座までの間に行われるセンサ装置50の測定の区間(期間)を示す。
【0149】
図8中の波形LN13は、図1の測定#1に対応し、ストレス値#1の算出のために用いられた生理情報が測定された区間(期間)を示す。図8中の波形LN14は、図1の測定#2に対応し、ストレス値#2の算出のために用いられた生理情報が測定された区間(期間)を示す。また、図8中の波形LN15は、算出したストレス値を用いた空間制御が行われた区間(期間)を示す。
【0150】
図8の例では、波形LN11に示すように、時間t11においてトイレブースTB1への使用者Uが入室することにより、センサ群60によりトイレブースTB1の使用者Uの存在が検知される。
【0151】
そして、波形LN12に示すように、時間t12においてトイレブースTB1内の便器TLの便座STへ使用者Uが着座することにより、センサ装置50による使用者Uの生理情報の取得(測定)が開始される。波形LN13に示すように、時間t12から時間t14までの期間である測定#1の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#1が算出される。また、波形LN14に示すように、時間t13から時間t15までの期間である測定#2の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#2が算出される。図8の例では、制御システム1は、測定#1の期間が終了する時間t14よりも前の時間t13から時間t15までの生理情報を用いてストレス値#2を算出する。このように、制御システム1は、ストレス値#1の算出に用いる生理情報と、ストレス値#2の算出に用いる生理情報とを一部重複させる。これにより、制御システム1は、制御に要する時間を低減させることができる。
【0152】
そして、波形LN15に示すように、トイレブースTB1の空間制御が、時間t15に第1空間制御SP11から第2空間制御SP12に変更される。図8中の一点鎖線の矢印は、時間t12から時間t14までの期間に対応するストレス値#1と、時間t13から時間t15までの期間に対応するストレス値#2とに基づいて第2空間制御SP12が行われることを示す。例えば、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化に応じて、トイレブースTB1内の機器の動作を変更され、トイレブースTB1の空間制御が変更される。例えば、制御システム1は、ストレス値#1に対するストレス値#2の変化に応じた音を音響装置10に出力させることにより、トイレブースTB1の空間制御を変更する。
【0153】
図8の例では、制御システム1は、時間t11から時間t15までの間を第1空間制御SP11でトイレブースTB1の空間制御を行い、時間t15から、使用者Uが退室する時間t17までの間を第2空間制御SP12でトイレブースTB1の空間制御を行う。例えば、第1空間制御SP11は、音響装置10が音を出力していない状態に対応し、第2空間制御SP12は、音響装置10が制御装置100から指示された音を出力している状態に対応する。なお、図8の例では、制御システム1は、時間t16においてトイレブースTB1内の便器TLの便座STから使用者Uが離座することにより、センサ装置50による使用者Uの生理情報の取得を停止する。
【0154】
なお、測定#1の期間と測定#2の期間との重複は、各々の期間の半分以下になるように設定される。例えば、測定#1の期間及び測定#2の期間が2分である場合、測定#1の期間と測定#2の期間との重複は、各々の期間の1分以下になるように設定される。これにより、制御システム1は、使用者のストレス変化を判定する精度の低下を抑制しつつ、使用者の生理情報の取得(測定)に要する時間を低減することができる。
【0155】
<1-8-2.第2ストレス値>
上述した処理例では、比較するストレス値には、上記に限らず、様々なストレス値が用いられてもよい。例えば、制御システム1は、3回以上ストレス値を算出する場合、連続する算出のストレス値の比較に限らず、離間した算出のストレス値を比較してもよい。例えば、上述した処理例では、1回目の算出に対応するストレス値を第1ストレス値とし、それに連続する2回目の算出に対応するストレス値を第2ストレス値とする場合を示したが、制御システム1は、それ以外の比較を行ってもよい。例えば、制御システム1は、1回目の算出に対応するストレス値を第1ストレス値とし、それに連続する2回目ではなく3回目の算出に対応するストレス値を第2ストレス値として、処理を行ってもよい。この点について、図9を用いて説明する。図9は、空間制御処理のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図1図2及び図8等で説明した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0156】
図9の例では、トイレブースTB1を対象とする制御フローを一例として説明する。以下では、図1と関連させて図9に示すタイミングチャートを説明する。
【0157】
図9中の波形LN21は、センサ群60によるトイレブースTB1の使用者Uの行動の検知結果を示す。例えば、波形LN21は、トイレブースTB1への使用者Uの入退室の検知結果を示す。また、図9中の波形LN22は、センサ装置50による使用者Uの生理情報の測定区間を示す。例えば、波形LN22は、トイレブースTB1内の便器TLへの使用者Uの着座から離座までの間に行われるセンサ装置50の測定の区間(期間)を示す。
【0158】
図9中の波形LN23は、図1の測定#1に対応し、ストレス値#1の算出のために用いられた生理情報が測定された区間(期間)を示す。図9中の波形LN24は、図1の測定#2に対応し、ストレス値#2の算出のために用いられた生理情報が測定された区間(期間)を示す。図9中の波形LN24は、図1の測定#2後の測定(「測定#3」ともいう)を示す。制御装置100は、測定#2の期間後の所定の長さの期間(「測定#3の期間」ともいう)の使用者U1の生理情報を用いて、ストレス値(「ストレス値#3」ともいう)を算出する。
【0159】
図9の例では、波形LN21に示すように、時間t21においてトイレブースTB1への使用者Uが入室することにより、センサ群60によりトイレブースTB1の使用者Uの存在が検知される。
【0160】
そして、波形LN22に示すように、時間t22においてトイレブースTB1内の便器TLの便座STへ使用者Uが着座することにより、センサ装置50による使用者Uの生理情報の取得(測定)が開始される。波形LN23に示すように、時間t22から時間t24までの期間である測定#1の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#1が算出される。また、波形LN24に示すように、時間t23から時間t26までの期間である測定#2の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#2が算出される。例えば、ストレス値#1とストレス値#2との比較結果に応じて、トイレブースTB1の空間制御が、時間t26に第1空間制御SP21から第2空間制御SP22に変更される。この点は、図8と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0161】
また、波形LN25に示すように、時間t25から時間t27までの期間である測定#3の期間に対応する生理情報を用いてストレス値#3が算出される。図9の例では、制御システム1は、測定#1の期間が終了する時間t24後の時間t25から時間t27までの生理情報を用いてストレス値#3を算出する。このように、制御システム1は、ストレス値#1の算出に用いる生理情報と、ストレス値#3の算出に用いる生理情報とを重複させない。すなわち、制御装置100は、ストレス値#1の算出に用いる生理情報と重複しない生理情報を用いて算出したストレス値#3を第2ストレス値として用いる。
【0162】
そして、波形LN26に示すように、トイレブースTB1の空間制御が、時間t27に第2空間制御SP22から第3空間制御SP23に変更される。図9中の一点鎖線の矢印は、時間t22から時間t24までの期間に対応するストレス値#1と、時間t25から時間t27までの期間に対応するストレス値#3とに基づいて第3空間制御SP23が行われることを示す。例えば、ストレス値#1に対するストレス値#3の変化に応じて、トイレブースTB1内の機器の動作を変更され、トイレブースTB1の空間制御が変更される。例えば、制御システム1は、ストレス値#1に対するストレス値#3の変化に応じた音を音響装置10に出力させることにより、トイレブースTB1の空間制御を変更する。
【0163】
図9の例では、制御システム1は、時間t21から時間t26までの間を第1空間制御SP21でトイレブースTB1の空間制御を行う。そして、制御システム1は、時間t26から時間t27までの間を第2空間制御SP22でトイレブースTB1の空間制御を行い、時間t27から、使用者Uが退室する時間t29までの間を第3空間制御SP23でトイレブースTB1の空間制御を行う。例えば、第3空間制御SP23は、第2空間制御SP22において音響装置10が出力する音を、ストレス値の増減に応じて変更された状態に対応する。なお、図9の例では、制御システム1は、時間t28においてトイレブースTB1内の便器TLの便座STから使用者Uが離座することにより、センサ装置50による使用者Uの生理情報の取得を停止する。
【0164】
<1-8-3.期間の重複の切り替え>
なお、制御システム1は、使用者のトイレブースTBへの滞在期間に応じて、期間が重複した生理情報を用いるかを決定してもよい。例えば、制御装置100は、トイレブースTB内での使用者の滞在が所定の期間経過した場合、第1ストレス値と、第1期間と重複しない第2期間の使用者の生理情報を基に算出された第2ストレス値とに基づいて、トイレ内の前記機器の動作を変更してもよい。
【0165】
例えば、図9の例では、制御装置100は、時間t26においては、トイレブースTB1内での使用者Uの滞在が所定の期間経過していないため、重複する測定#1の期間及び測定#2の期間の生理情報の各々を用いて、第1ストレス値及び第2ストレス値の各々を算出する。一方で、制御装置100は、時間t27においては、トイレブースTB1内での使用者Uの滞在が所定の期間経過しているため、重複しない測定#1の期間及び測定#3の期間の生理情報の各々を用いて、第1ストレス値及び第3ストレス値の各々を算出する。
【0166】
このように、制御システム1は、使用者がいる期間が所定の期間経過した際は、3回以上ストレス値を算出する場合、重なっていない期間の生理情報を用いて、空間制御を行う。上記の例では、制御システム1は、三回目のストレス値#3とは生理情報の測定期間が重ならない一回目のストレス値#1と、ストレス値#3との比較を基に、空間制御を行う。なお、上記は一例に過ぎず、制御システム1は、測定#3の期間を測定#2の期間と重ならないように時間t26から開始し、三回目のストレス値#3とは生理情報の測定期間が重ならない二回目のストレス値#2と、ストレス値#3との比較を基に、空間制御を行ってもよい。
【0167】
<1-8-4.制御の期間>
なお、制御システム1は、空間制御を変更してから所定の期間(例えば1分等)は再度の空間制御を変更しなくてもよい。すなわち、制御システム1は、空間制御を変更してから所定の期間はその空間制御を維持してもよい。この場合、制御システム1は、空間制御を変更してから所定の期間が経過した後、空間制御を変更する。
【0168】
<1-9.制御対象の機器例>
なお、上述した例では、音響装置10を、制御システム1による制御対象となる機器の一例として示したが、制御システム1による制御対象となる機器は、音を出力する機器に限られない。例えば、制御システム1による制御対象となる機器は、トイレの空間に影響を与え得る機器であれば、どのような機器であってもよい。
【0169】
例えば、制御システム1による制御対象となる機器は、光を出力する照明装置であってもよい。この場合、制御システム1は、トイレブースTB内の使用者のストレスの増減に応じて、照明装置が出力する光を制御することにより、トイレブースTBの空間制御を行ってもよい。例えば、制御システム1は、トイレブースTB内の使用者のストレスの増減に応じて、トイレブースTBに配置された照明装置が出力する光の照度または色温度のいずれかを制御する。
【0170】
例えば、制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス増加を示す場合、照明装置である機器が出力する光を、使用者がリラックスするように変更する。制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス増加を示す場合、照明装置である機器が出力する光を暗くする。すなわち、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス増加を示す場合、トイレブースTBに配置された照明装置が出力する光の照度および/または色温度を低下させるように制御する。
【0171】
例えば、制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス減少を示す場合、照明装置である機器が出力する光を、使用者が覚醒するように変更する。制御装置100は、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス減少を示す場合、照明装置である機器が出力する光を明るくする。すなわち、第1ストレス値に対する第2ストレス値の変化がストレス減少を示す場合、トイレブースTBに配置された照明装置が出力する光の照度および/または色温度を上昇させるように制御する。
【0172】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0173】
1 制御システム
100 制御装置
110 通信部
120 記憶部
121 配置情報記憶部
122 リラックス用音情報記憶部
123 覚醒用音情報記憶部
124 ストレス計測用情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 決定部
133 機器制御部
134 送信部
10 音響装置
50 センサ装置
TS トイレ空間
CS 共有空間
TB トイレブース
TL 便器
ST 便座
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10