(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032355
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ふろ装置およびふろシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230302BHJP
G08B 21/08 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138432
(22)【出願日】2021-08-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年2月24日に本発明を含む製品を販売開始
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】片山 香奈
(72)【発明者】
【氏名】小椋 朗広
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA17
5C086CB20
5C086DA08
5C086FA06
5C086FA18
5C086GA09
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087AA37
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB72
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF23
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】外部装置から受信した応答要求に対する応答を、簡素な構成により円滑に行うことが可能なふろ装置およびふろシステムを提供する。
【解決手段】給湯装置10は、外部装置であるサーバ50と通信を行うための無線通信部138と、浴室に設置され、所定の機能が対応付けられた操作スイッチを有する浴室リモコン12と、を備える。ここで、浴室リモコン12は、無線通信部138を介して、浴室内の入浴者に応答を求める応答要求を受信したことに基づき、操作スイッチを応答用のスイッチに設定し、その後、解除条件が充足されるまでの応答受付期間における当該操作スイッチの操作を、前記所定の機能に対する操作として受け付けず、入浴者からの応答操作として受け付ける。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信可能なふろ装置であって、
前記外部装置と通信を行うための通信部と、
浴室に設置され、所定の機能が対応付けられた操作スイッチを有する操作部と、
を備え、
前記操作部は、前記通信部を介して、前記浴室内の入浴者に応答を求める応答要求を受信したことに基づき、前記操作スイッチを応答用のスイッチに設定し、その後、解除条件が充足されるまでの応答受付期間における前記操作スイッチの操作を、前記所定の機能に対する操作として受け付けず、前記入浴者からの応答操作として受け付ける、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のふろ装置において、
前記操作部は、
前記操作スイッチを複数有し、
前記応答受付期間において、前記複数の操作スイッチのうちの一部の前記操作スイッチを、前記応答用のスイッチに設定する、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のふろ装置において、
前記操作部は、ふろ機能に関連しない前記操作スイッチを前記応答用のスイッチに設定する、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のふろ装置において、
浴室外に設置され、前記操作部と通信可能な他の操作部をさらに備え、
前記応答用のスイッチに設定される前記操作スイッチは、前記他の操作部を介して浴室外の使用者に呼び出しを行うための呼出スイッチ、または、前記他の操作部を介して浴室外の使用者と通話を行うための通話スイッチを含む、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載のふろ装置において、
前記操作部は、
前記操作スイッチごとに対応付けられて配置された点灯部を備え、
前記応答用スイッチに設定された前記操作スイッチの前記点灯部を、通常時とは異なる点灯形態で点灯させる、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載のふろ装置において、
前記操作部は、前記解除条件が充足されたことに応じて、前記応答用のスイッチの設定を解除し、前記応答用のスイッチに設定されていた前記操作スイッチの機能を、前記所定の機能に復帰させる、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載のふろ装置において、
前記解除条件は、前記操作スイッチを前記応答用のスイッチに設定した後、所定時間内に、前記応答用のスイッチに対する操作が行われたことを含む、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のふろ装置において、
前記解除条件は、前記操作スイッチを前記応答用のスイッチに設定した後、前記所定時間が経過したことを含む、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載のふろ装置において、
前記浴室内に人がいるか否かを検出するための人センサを備え、
前記解除条件は、前記人センサからの出力に基づいて前記浴室内に人がいないことが検出されたことを含む、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載のふろ装置において、
前記外部装置は、サーバおよび携帯端末装置の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載のふろ装置において、
前記応答要求は、前記浴室内の入浴者が所定の設定時間を超えて入浴を継続したことに基づいてなされる応答要求を含む、
ことを特徴とするふろ装置。
【請求項12】
外部通信網を介して携帯端末装置と通信可能なサーバと、
前記外部通信網を介して前記サーバと通信可能なふろ装置と、を備え、
前記ふろ装置は、
前記サーバと通信を行うための通信部と、
浴室に設置され、所定の機能が対応付けられた操作スイッチを有する操作部と、
を備え、
前記操作部は、前記サーバを介して前記携帯端末装置から、前記浴室内の入浴者に応答を求める応答要求を受信したことに基づき、前記操作スイッチを応答用のスイッチに設定し、その後、解除条件が充足されるまでの応答受付期間における前記操作スイッチの操作を、前記所定の機能に対する操作として受け付けず、前記入浴者からの応答操作として受け付ける、
ことを特徴とするふろシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と通信可能なふろ装置およびふろシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置から浴槽に湯水を供給する方式のふろ装置が知られている。この他、浴槽に溜められた水を燃焼器に循環させて浴槽内の水を暖める方式のふろ装置も知られている。これらのふろ装置では、たとえば、浴室や台所に設置されたリモートコントローラによって、追い焚きや足し湯等の所定のふろ機能が実行される。また、最近では、これらのふろ機能の他、入浴者を見守る機能が、この種のふろ装置に設けられつつある。
【0003】
たとえば、以下の特許文献1には、入浴時間が予め設定された時間を超過すると、そのことを携帯端末装置に報知するふろシステムが記載されている。この報知により、携帯端末装置の使用者が呼び掛け操作を行うと、浴室内のリモートコントローラから入浴者に安否確認が行われる。この安否確認に対して、入浴者は、浴室内のリモートコントローラに所定の応答を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記構成において、安否確認に対する入浴者からの応答は、たとえば、浴室内のリモートコントローラに対する操作によって行われ得る。しかしながら、当該リモートコントローラに配備されている操作スイッチには、既に、追い焚き等の所定の機能が設定されている。このため、当該応答操作を実現するためには、別途、専用の操作スイッチを当該リモートコントローラに配置する必要があった。
【0006】
かかる課題に鑑み、本発明は、外部装置から受信した応答要求に対する応答を、簡素な構成により円滑に行うことが可能なふろ装置およびふろシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、外部装置と通信可能なふろ装置に関する。この態様に係るふろ装置は、前記外部装置と通信を行うための通信部と、浴室に設置され、所定の機能が対応付けられた操作スイッチを有する操作部と、を備える。ここで、前記操作部は、前記通信部を介して、前記浴室内の入浴者に応答を求める応答要求を受信したことに基づき、前記操作スイッチを応答用のスイッチに設定し、その後、解除条件が充足されるまでの応答受付期間における前記操作スイッチの操作を、前記所定の機能に対する操作として受け付けず、前記入浴者からの応答操作として受け付ける。
【0008】
本態様に係るふろ装置によれば、操作部が外部装置から応答要求を受信した場合、操作部に配置された操作スイッチが応答用のスイッチに設定される。よって、操作部に、応答専用の操作スイッチを別途配置する必要がなく、操作部の構成を簡素にできる。また、操作スイッチが応答用のスイッチに設定された後、解除条件が充足されるまでの応答受付期間は、当該操作スイッチに対する操作が、本来の所定の機能のための操作ではなく、応答のための操作として受け付けられる。このため、入浴者が応答時にこの操作スイッチを操作しても、当該操作スイッチの本来の機能は実行されない。よって、入浴者は、操作スイッチを操作することにより、円滑に、応答要求に対する応答を行うことができる。
【0009】
本態様に係るふろ装置において、前記操作部は、前記操作スイッチを複数有し、前記応答受付期間において、前記複数の操作スイッチのうちの一部の前記操作スイッチを、前記応答用のスイッチに設定するよう構成され得る。
【0010】
この構成によれば、入浴者は、応答受付期間において、応答用のスイッチに設定されていない残りの操作スイッチに対応付けられた機能を、ふろ装置に実行させることができる。よって、入浴者は、応答要求に対する応答を適切に行いつつ、ふろ装置に所定の機能を円滑に実行させることができる。
【0011】
この場合、操作部は、ふろ機能に関連しない前記操作スイッチを前記応答用のスイッチに設定するよう構成され得る。
【0012】
たとえば、前記応答用のスイッチに設定される前記操作スイッチは、浴室外に設置された他の操作部を介して浴室外の使用者に呼び出しを行うための呼出スイッチ、または、前記他の操作部を介して浴室外の使用者と通話を行うための通話スイッチを含み得る。
【0013】
この構成によれば、入浴者は、応答受付期間において、応答用のスイッチに設定されていない残りの操作スイッチに対応付けられたふろ機能を、ふろ装置に実行させることができる。よって、入浴者は、応答要求に対する応答を適切に行いつつ、所望のふろ機能をふろ装置に円滑に実行させることができる。
【0014】
本態様に係るふろ装置において、前記操作部は、前記操作スイッチごとに対応付けられて配置された点灯部を備え、前記応答用スイッチに設定された前記操作スイッチの前記点灯部を、通常時とは異なる点灯形態で点灯させるよう構成され得る。
【0015】
この構成によれば、入浴者は、応答受付期間において、操作部に配備された操作スイッチのうち、どの操作スイッチにより応答を行えるかを、点灯部の点灯形態から把握できる。よって、入浴者は、応答要求に対する応答操作を円滑に進めることができる。
【0016】
本態様に係るふろ装置において、前記操作部は、前記解除条件が充足されたことに応じて、前記応答用のスイッチの設定を解除し、前記応答用のスイッチに設定されていた前記操作スイッチの機能を、前記所定の機能に復帰させるよう構成され得る。
【0017】
この構成によれば、入浴者は、解除条件が充足された後にこの操作スイッチを操作することにより、この操作スイッチの本来の機能をふろ装置に円滑に実行させることができる。
【0018】
本態様に係るふろ装置において、前記解除条件は、前記操作スイッチを前記応答用のスイッチに設定した後、所定時間内に、前記応答用のスイッチに対する操作が行われたことを含み得る。
【0019】
この構成によれば、入浴者は、応答操作を行った後、当該操作スイッチに対する操作により、直ちに、当該操作スイッチの本来の機能をふろ装置に実行させることができる。
【0020】
この場合、前記解除条件は、前記操作スイッチを前記応答用のスイッチに設定した後、前記所定時間が経過したことを含み得る。
【0021】
この構成によれば、当該操作スイッチが応答用スイッチに設定され続けることを回避できる。よって、入浴者は、当該操作スイッチに対する本来の機能を円滑にふろ装置に実行させることができる。
【0022】
本態様に係るふろ装置は、前記浴室内に人がいるか否かを検出するための人センサを備え、前記解除条件は、前記人センサからの出力に基づいて前記浴室内に人がいないことが検出されたことを含み得る。
【0023】
この構成によれば、浴室内に人がいなくなって、操作部に対する応答操作が不要となったことに応じて、操作スイッチが本来の機能のためのスイッチに復帰する。よって、当該操作スイッチを本来の機能に適切に復帰させることができる。
【0024】
本態様に係るふろ装置において、前記外部装置は、サーバおよび携帯端末装置の少なくとも一方を含み得る。
【0025】
これにより、携帯端末装置の使用者は、自身の携帯端末装置を用いて、サーバ経由で、あるいは、ふろ装置の通信部を介して、応答要求を操作部に送信でき、入浴者の安全を見守ることができる。
【0026】
本態様に係るふろ装置において、前記応答要求は、前記浴室内の入浴者が所定の設定時間を超えて入浴を継続したことに基づいてなされる応答要求を含み得る。
【0027】
これにより、長時間に亘って入浴者が入浴を継続した場合に、応答要求により、入浴者の安否を確認できる。
【0028】
本発明の第2の態様は、ふろシステムに関する。この態様に係るふろシステムは、外部通信網を介して携帯端末装置と通信可能なサーバと、前記外部通信網を介して前記サーバと通信可能なふろ装置と、を備える。ここで、前記ふろ装置は、前記サーバと通信を行うための通信部と、浴室に設置され、所定の機能が対応付けられた操作スイッチを有する操作部と、を備える。そして、前記操作部は、前記サーバを介して前記携帯端末装置から、前記浴室内の入浴者に応答を求める応答要求を受信したことに基づき、前記操作スイッチを応答用のスイッチに設定し、その後、解除条件が充足されるまでの応答受付期間における前記操作スイッチの操作を、前記所定の機能に対する操作として受け付けず、前記入浴者からの応答操作として受け付ける。
【0029】
本態様に係るふろシステムによれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0030】
以上のとおり、本発明によれば、外部装置から受信した応答要求に対する応答を、簡素な構成により円滑に行うことが可能なふろ装置を提供することができる。
【0031】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、給湯システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2(a)、(b)は、実施形態に係る、浴室リモコンの入力部の構成を拡大して示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る、給湯器と浴槽との間の接続形態を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る、ペアリング情報の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る、給湯器の制御部により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る、長時間入浴通知の受信に応じて、携帯端末装置の表示入力部に表示される報知画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る、応答要求の受信に応じて、浴室リモコンの制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る、浴室リモコンの制御部が実行する応答受付処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10(a)~(d)は、それぞれ、実施形態に係る、応答受付処理における浴室リモコンの動作を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る、浴室リモコンの制御部が実行する解除条件の判定処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12(a)、(b)は、変更例に係る、操作スイッチに対する応答用のスイッチの設定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0034】
以下の実施形態では、給湯装置10が、特許請求の範囲に記載の「ふろ装置」に対応し、給湯システム1が、特許請求の範囲に記載の「ふろシステム」に対応する。給湯装置10は、ふろ関連機能とともに、台所の蛇口や、浴室のカラン等に対する給湯機能も実行する。また、以下の実施形態におけるリモートコントローラ12が、特許請求の範囲に記載の「操作部」に対応し、リモートコントローラ13が、特許請求の範囲に記載の「他の操作部」に対応する。さらに、以下の実施形態におけるサーバ50が、特許請求の範囲に記載の「外部装置」に対応し、無線通信部138が、特許請求の範囲に記載の「通信部」に対応する。
【0035】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0036】
図1は、実施形態に係る給湯システム1の構成を示す図である。
【0037】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、サーバ50とを備え、ルータ20および外部通信網40を介して、携帯端末装置30と通信可能である。
【0038】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0039】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、表示部121と、入力部122とを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部131と、運転スイッチ132とを備える。操作者は、表示部121に表示された画面に従って入力部122を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、操作者は、表示入力部131を操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0040】
リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12a、13aが設けられている。
【0041】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0042】
図2(a)は、浴室リモコン12の入力部122の構成を拡大して示す図である。
【0043】
浴室リモコン12の前面下部には、下端を軸として開閉可能な蓋部12bが設けられている。この蓋部12bの前面に、入力部122を構成する5つの操作スイッチが配置されている。右端の操作スイッチは、運転スイッチ122aである。その他の4つの操作スイッチは、ふろ自動スイッチ122b、追い焚きスイッチ122c、優先スイッチ122d、および、呼出スイッチ122eである。
【0044】
運転スイッチ122aは、給湯器11を運転オン状態と運転オフ状態とに切り替えるための操作スイッチである。ふろ自動スイッチ122bは、設定温度の湯を設定湯量で浴槽に自動で溜めるための操作スイッチである。追い焚きスイッチ122cは、浴槽内の湯を追い焚きするための操作スイッチである。優先スイッチ122dは、給湯温度を浴室リモコン12側で変更できるようにするための操作スイッチである。呼出スイッチ122eは、台所リモコン13を介して、浴室外の使用者に呼び出しを行うための操作スイッチである。
【0045】
なお、左端の操作スイッチは、
図2(b)に示すように、通話スイッチ122fに変更される場合がある。通話スイッチ122fは、台所リモコン13を介して、浴室外の使用者と通話を行うためのスイッチである。
【0046】
5つの操作スイッチのうち、呼出スイッチ122eおよび通話スイッチ122fは、上記のように、ふろ機能には関連しない機能を実行するための操作スイッチであり、その他の操作スイッチは、ふろ機能に関連する機能を実行するため操作スイッチである。
【0047】
図2(a)、(b)に示す5つの操作スイッチには、操作スイッチごとに点灯部E1が対応付けられて配置されている。ここでは、各操作スイッチの左上の角部に点灯部E1が配置されている。点灯部E1は、対応する操作スイッチが操作された場合に、所定の色で点灯する。すなわち、各点灯部E1の奥側にLEDが配置され、LEDが発光することにより点灯部E1が点灯する。LEDは、単一色で発光してもよく、あるいは、複数色(たとえば、赤、青、緑)で発光可能であってもよい。
【0048】
蓋部12bが開放されると、ふろ温度、シャワー温度およびふろ湯量をそれぞれ設定するための操作スイッチや、浴槽に対する足し湯および足し水を行うための操作スイッチ等の他の操作スイッチが現れる。
【0049】
図1に戻り、台所リモコン13の表示入力部131には、
図2(a)、(b)を参照して説明した各種操作スイッチと同様の操作スイッチが表示される。使用者は、表示入力部131に表示された操作スイッチを操作することにより、各操作スイッチに対応付けられた機能を給湯装置10に実行させることができる。
【0050】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40に接続するための通信中継器である。携帯端末装置30が宅内H10にある場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、ルータ20を介して、さらに、台所リモコン13と通信可能であってもよい。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0051】
外部通信網40には、給湯装置10に対する遠隔制御を管理するためのサーバ50が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、ルータ20および外部通信網40を介してサーバ50と通信を行う。また、携帯端末装置30が宅外にある場合、携帯端末装置30は、外部に設置されたルータ60または基地局70を介して外部通信網40に接続され、サーバ50と通信を行う。
【0052】
台所リモコン13と携帯端末装置30には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ50からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報(たとえば、IPアドレス)が含まれている。台所リモコン13と携帯端末装置30は、このアドレス情報に基づいて、サーバ50にアクセスし、通信を行う。
【0053】
台所リモコン13のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。このとき同時に、台所リモコン13のID情報(識別情報)が、台所リモコン13からサーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。また、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10に対応付けて、サーバ50に登録される。具体的には、給湯装置10(台所リモコン13)のID情報と携帯端末装置30のID情報およびアドレス情報とが互いに対応づけられて、サーバ50に登録される。
【0054】
こうして、携帯端末装置30に関する情報がサーバ50に登録されることにより、当該携帯端末装置30の使用者は、宅内H10と宅外の何れにおいても、携帯端末装置30を用いて、給湯装置10に対する遠隔制御を行うことができる。
【0055】
すなわち、携帯端末装置30が宅内H10と宅外の何れにある場合も、使用者から携帯端末装置30に入力された設定要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、設定要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10に対して、受信した設定要求を送信する。これにより、設定要求が、外部通信網40およびルータ20を介して、対応する給湯装置10の台所リモコン13に送信される。こうして、使用者が要求する内容の設定が、遠隔操作により、給湯装置10に適用される。
【0056】
また、給湯装置10の状態情報が、所定周期で随時、台所リモコン13からルータ20を介してサーバ50に送信される。状態情報は、現在の給湯装置10の設定状態および動作状態を示す情報である。携帯端末装置30は、給湯システム1のアプリケーションプログラムにより、最新の状態情報をサーバ50から取得して表示させることができる。これにより、携帯端末装置30の使用者は、宅内H10および宅外の何れにおいても、給湯装置10の状態を監視することができる。
【0057】
図3は、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0058】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、水位センサ114と、を備える。制御部111は、マイクロコンピュータを備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0059】
本実施形態では、記憶部112に記憶された制御プログラムによって、入退浴検知部111aおよび入浴時間監視部111bの機能が制御部111に付与される。入退浴検知部111aは、後述のように、水位センサ114の検知結果に基づいて、浴槽に対する人の入退浴を検知する。入浴時間監視部111bは、使用者が設定した設定時間と、入浴者の入浴時間とを比較し、入浴時間が設定時間に到達した場合に、台所リモコン13を介してサーバ50にその旨の通知を行う。
【0060】
通信部113は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。通信部113は、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12の通信部125および台所リモコン13の通信部135と接続されている。また、2芯通信線L1、L2は、通信部113の内部において、互いに接続されている。したがって、浴室リモコン12の通信部125と台所リモコン13の通信部135は、2芯通信線L1、L2によって互いに接続されている。このため、通信部113、125、135の何れかから送信された信号は、他の通信部に同時に送信される。
【0061】
図2(a)の呼出スイッチ122eおよび
図2(b)の通話スイッチ122fによる機能は、2芯通信線L1、L2を介した浴室リモコン12および台所リモコン13の間の通信により実行される。
【0062】
水位センサ114は、後述のように、給湯器11内の管路に配置され、当該管路内の水圧に基づいて浴槽内の水位を検出する。制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づいて、浴槽内の水位を検知する。また、制御部111は、水位センサ114により検知された水位の変動に基づいて、入退浴検知部111aの機能により、浴槽に対する人の入退を検知する。入退浴の検知結果は、2芯通信線L1、L2を介して、随時、制御部111から浴室リモコン12および台所リモコン13に送信され、さらに、無線通信部138を介してサーバ50に送信される。入退浴の検知結果が、上記状態情報に含まれてサーバ50に送信されてもよい。
【0063】
図4は、給湯器11と浴槽2との間の接続形態を模式的に示す図である。
【0064】
図4に示すように、給湯器11は、
図3に示した構成の他、給湯部210と、追い焚き部220と、バイパス部230とを備える。
【0065】
給湯部210は、給水管路211と、給湯熱交換器212と、給湯管路213と、給湯燃焼器214と、給気ファン215とを含む。給水管路211は、水道管と給湯熱交換器212とに繋がり、給湯管路213は、給湯熱交換器212と浴室水栓3および外部水栓4とに繋がる。給湯燃焼器214には、ガス電磁弁216により開閉される給湯ガス管路217を通じてガス(燃料ガス)が供給される。給湯燃焼器214は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215は、給湯燃焼器214に燃焼用の空気を供給する。
【0066】
追い焚き部220は、
図3に示した水位センサ114の他、戻り管路221と、ふろ熱交換器222と、往き管路223と、ふろ燃焼器224と、循環ポンプ225とを含む。戻り管路221は、浴槽2の循環アダプタ2aとふろ熱交換器222とに繋がり、往き管路223は、ふろ熱交換器222と循環アダプタ2aとに繋がる。戻り管路221と往き管路223とによって、浴槽2とふろ熱交換器222との間で湯水を循環させる追い焚き循環路P10が構成される。
【0067】
ふろ燃焼器224には、ガス電磁弁226により開閉されるふろガス管路227を通じてガス(燃料ガス)が供給される。ふろ燃焼器224は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215が給湯部210と追い焚き部220との間で共用され、給気ファン215からふろ燃焼器224に燃焼用の空気が供給される。戻り管路221に、循環ポンプ225および水位センサ114が配置される。水位センサ114は、戻り管路221内の水圧に基づいて浴槽2内の水位を検出する。
【0068】
バイパス部230は、バイパス管路231と、給湯電磁弁232とを含む。バイパス管路231は、給湯管路213と戻り管路221とに繋がる。給湯電磁弁232は、バイパス管路231を開閉する。
【0069】
制御部111は、給湯部210の給湯燃焼器214、給気ファン215およびガス電磁弁216、追い焚き部220のふろ燃焼器224、循環ポンプ225、水位センサ114およびガス電磁弁226、バイパス部230の給湯電磁弁232などを制御する。
【0070】
浴室水栓3または外部水栓4が開かれると、給湯機能が実行される。水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入されるとともに、給湯燃焼器214が燃焼して給湯熱交換器212が加熱される。給湯熱交換器212に導入された水が加熱されて湯となり、湯が給湯管路213を通じて浴室水栓3または外部水栓4に供給される。浴室水栓3または外部水栓4が閉じられると、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0071】
また、浴室リモコン12または台所リモコン13から浴槽2への湯張りの指令を受けると、制御部111は、湯張り機能(ふろ自動機能)を実行する。この場合、給湯電磁弁232が開放されるとともに、水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入され、給湯熱交換器212で加熱される。そして、給湯熱交換器212からの湯が給湯管路213およびバイパス管路231を通じて戻り管路221に導入される。
【0072】
戻り管路221に導入された湯の一部は、戻り管路221を循環アダプタ2a側へと流れ、循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。戻り管路221に導入された湯の残りは、戻り管路221をふろ熱交換器222側へと流れ、さらにふろ熱交換器222および往き管路223を流れて循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。
【0073】
給湯が行われて浴槽2内に湯が溜められると、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223が水で満たされた状態となる。これにより、水位センサ114での浴槽2内の水位検出が可能となる。浴槽2内の水位が予め設定された水位に到達したことが水位センサ114により検出されると、給湯電磁弁232が閉じられ、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0074】
なお、湯が張られた浴槽2内に人が入ると浴槽2内の水位が上昇する。また、浴槽2内から人が出ると水位が下降する。この浴槽2内への人の出入りに基づく水位変動を、水位センサ114によって検出することができる。これにより、上記のように、入退浴検知部111aの機能により、浴槽2に対する人の入退が検知される。
【0075】
また、追い焚き機能の実行時には、循環ポンプ225が作動するとともにふろ燃焼器224が燃焼する。浴槽2内の湯が、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223からなる追い焚き循環路P10と浴槽2との間で循環し、その間にふろ熱交換器222で加熱される。浴槽2内の湯温が予め設定された上限温度よりも高くなると、循環ポンプ225とふろ燃焼器224が停止する。
【0076】
足し湯機能では、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御により、所定量の湯が浴槽2に注入される。足し水機能の実行時には、給湯燃焼器214およびふろ燃焼器224を停止させた状態で、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御が実行され、所定量の水が浴槽2に注入される。
【0077】
図3に戻り、浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125と、スピーカ126と、マイク127と、人センサ128と、発光部129とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、上述の各種操作スイッチを備える。
【0078】
制御部123は、マイクロコンピュータを備え、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11および台所リモコン13と通信を行う。
【0079】
スピーカ126は、制御部123により生成された音声信号に基づく音声を出力する。制御部123は、記憶部124に記憶されている音声情報を随時読み出して、音声信号を生成する。スピーカ126から出力された音声は、
図1の音声窓12aから出力される。マイク127は、
図1の音声窓12aを介して、音声を集音する。
【0080】
人センサ128は、浴室における人の有無を検知する。人センサ128は、たとえば、赤外線を用いた焦電センサである。人センサ128の検出範囲は、浴室内の洗い場と浴槽2をカバーする範囲に設定される。人センサ128が、洗い場の範囲と浴槽の範囲を個別に検出可能であってもよい。制御部123は、人センサ128の検出結果を一定周期(たとえば1秒周期)で給湯器11および台所リモコン13に送信する。人センサ128の検出結果は、台所リモコン13からサーバ50に送信され、浴室に対する人の入退監視に用いられる。
【0081】
発光部129は、
図2(a)、(b)の点灯部E1の発光源であるLEDとその駆動回路を備える。発光部129は、制御部123からの制御により、所定の点灯部E1に対応付けられたLEDを所定の発光状態で発光させる。
【0082】
台所リモコン13は、上述の表示入力部131および運転スイッチ132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135と、スピーカ136と、マイク137と、無線通信部138とを備える。
【0083】
制御部133は、マイクロコンピュータを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11および浴室リモコン12と通信を行う。
【0084】
スピーカ136は、制御部133により生成された音声信号に基づく音声を出力する。制御部133は、記憶部134に記憶されている音声情報を随時読み出して、音声信号を生成する。スピーカ136から出力された音声は、
図1の音声窓13aから出力される。マイク137は、
図1の音声窓13aを介して、音声を集音する。
【0085】
無線通信部138は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、台所リモコン13(給湯装置10)のアドレス情報およびID情報として、無線通信部138のアドレス情報およびID情報が登録される。
【0086】
図2(a)の呼出スイッチ122eが操作されると、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12から台所リモコン13に呼出信号が送信される。これにより、台所リモコン13のスピーカ136から呼出音声が出力される。
図2(b)の通話スイッチ122fが操作されると、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12から台所リモコン13に通話信号が送信され、通話要求が台所リモコン13に出力される。浴室外の使用者が、この通話要求に応じる操作を台所リモコン13に行うことで、浴室リモコン12のスピーカ126およびマイク127と台所リモコン13のスピーカ136およびマイク137とを用いた通話が開始される。
【0087】
携帯端末装置30は、制御部301と、記憶部302と、無線通信部303と、表示入力部304と、スピーカ305と、マイク306と、を備える。
【0088】
制御部301は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部302に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部302は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。記憶部302には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが記憶され、制御部301は、このプログラムに従って、遠隔制御の処理を実行する。無線通信部303は、制御部301からの制御に従って、ルータ20および外部通信網40と通信を行う。無線通信部303は、ルータ20および外部通信網40との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。
【0089】
表示入力部304は、たとえば、タッチパネルにより構成される。スピーカ305およびマイク306は、携帯端末装置30に対する音声の入出力に用いられる。
【0090】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503とを備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0091】
本実施形態では、予め、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10(台所リモコン13)に対応付けて、サーバ50に登録される。すなわち、予め、給湯装置10と携帯端末装置30とがペアリングされ、ペアリングを示す情報(ペアリング情報)が、サーバ50において管理される。具体的には、給湯装置10(台所リモコン13)のID情報と携帯端末装置30のID情報とが互いに対応づけられて、ペアリング情報が構成される。
【0092】
このようなペアリングは、たとえば、給湯装置10が設置された宅内H10に設置された台所リモコン13を介して、携帯端末装置30がサーバ50と通信することにより行われる。これにより、悪意の第三者によって不当に、携帯端末装置30と給湯装置10とがペアリングされる可能性が減少する。
【0093】
【0094】
ここでは、給湯装置10が台所リモコン13(無線通信部138)のID情報により特定されている。台所リモコン13のID情報に、当該給湯装置10を制御可能な携帯端末装置30のID情報とアドレス情報が対応づけられる。アドレス情報は、外部通信網40を介した通信の際に、携帯端末装置30に接続するための情報である。たとえば、アドレス情報は、携帯端末装置30に対するプッシュ通知の際に利用される。
【0095】
ところで、本実施形態に係る給湯システム1には、入浴者を見守る機能が設けられている。たとえば、入浴者が長時間に亘って浴槽2の湯に浸かり続けている場合に、入浴者の安否が確認される。
【0096】
図6は、給湯器11の制御部111により行われる入浴時間の監視処理を示すフローチャートである。
図6の処理のうち、ステップS101、S106は、
図3の入退浴検知部111aの機能により行われ、その他のステップは、
図3の入浴時間監視部111bの機能により行われる。
【0097】
制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づき、浴槽に人が入浴したことを検知すると(S101:YES)、入浴時間のカウントを開始し(S102)、カウントした入浴時間が、設定時間に到達したか否かを判定する(S103)。設定時間は、台所リモコン13または携帯端末装置30を介して、使用者により予め設定されている。制御部111は、設定時間に入浴時間が到達するまでの間に(S103:NO)、水位センサ114の検出結果から退浴を検知すると(S106:YES)、入浴時間のカウントを終了して(S105)、
図6の処理を終了する。
【0098】
他方、制御部111は、退浴を検知するまでに(S106:NO)、入浴時間が設定時間に到達すると(S103:YES)、入浴時間が設定時間を超過したことを示す長時間入浴通知を、台所リモコン13に送信する(S104)。そして、制御部111は、入浴時間のカウントを終了して(S105)、
図6の処理を終了する。
【0099】
台所リモコン13は、
図6のステップS104において送信された長時間入浴通知を受信すると、身のID情報とともに、長時間入浴通知を、サーバ50に送信する。これを受けて、サーバ50は、受信したID情報に対応付けられている携帯端末装置30に、長時間入浴通知を、プッシュ通知等により送信する。これに応じて、当該携帯端末装置30において、入浴時間が設定時間に到達したことを報知する処理が行われる。これにより、当該携帯端末装置30の使用者は、設定時間に入浴時間が到達したことを把握できる。
【0100】
図7は、長時間入浴通知の受信に応じて、携帯端末装置30の表示入力部304に表示される報知画面600の一例を示す図である。
【0101】
報知画面600は、入浴時間が設定時間に到達したことを示すメッセージ601と、浴槽に人が入浴中であることを示す画像602と、入浴時間を示す項目603と、入浴者に呼び掛けを行うか否かを問い合わせるメッセージ604と、キー605、606とを含んでいる。
【0102】
携帯端末装置30に使用者は、メッセージ601を参照することにより、入浴時間が設定時間に到達したことを把握でき、さらに、画像602および項目603を参照することで、現在までの入浴時間を把握できる。使用者は、これらを把握した上で、入浴者に呼び掛けを行う場合はキー605を操作し、呼び掛けを行わない場合はキー606を操作する。
【0103】
キー605が操作された場合、制御部301は、サーバ50に応答要求を送信する。これに応じて、サーバ50は、当該携帯端末装置30に対応付けられている台所リモコン13に応答要求を送信する。応答要求は、台所リモコン13から浴室リモコン12に転送される。これにより、浴室リモコン12から、入浴者に応答要求を行うための音声が出力される。他方、キー606が操作された場合、制御部301は、報知画面600を閉じて処理を終了する。
【0104】
図8は、応答要求の受信に応じて、浴室リモコン12の制御部123が実行する処理を示すフローチャートである。
【0105】
制御部123は、応答要求を受信すると(S201:YES)、呼出スイッチ122eを応答用の操作スイッチに設定し(S202)、呼出スイッチ122eに対する操作を、呼出操作ではなく、入浴者からの応答操作として受け付ける(S203)。そして、制御部123は、解除条件が充足されるまでの応答受付期間において(S205:NO)、入浴者からの応答を受け付けるための応答受付処理を実行する(S204)。
【0106】
図9は、
図8のステップS204における応答受付処理を示すフローチャートである。
【0107】
制御部123は、呼出スイッチ122eの点灯部E1を、通常時の点灯状態とは異なる点灯状態(応答報知状態)で点灯させる(S211)。たとえば、制御部123は、ステップS211において、呼出スイッチ122eの点灯部E1を点滅させる。あるいは、点灯部E1の発光源であるLEDが複数色で発光可能である場合、制御部123は、ステップS211において、呼出スイッチ122eの点灯部E1を、呼出機能実行時(通常動作時)とは異なる色で点灯または点滅させる。
【0108】
さらに、制御部123は、入浴者から応答を受け付けるための報知メッセージを、スピーカ126から出力させる。
【0109】
図10(a)、(b)は、
図9のステップS211、S212の処理による浴室リモコン12の動作を示す図である。
【0110】
図9のステップS211の処理により、
図10(a)に示すように、呼出スイッチ122eの点灯部E1が点滅し、さらに、
図9のステップS212の処理により、音声窓12aから安否問い合わせの音声が出力される。たとえば、浴室内の人に対して「大丈夫ですか」と問いかける音声が、音声窓12aを介して、
図3のスピーカ126から出力される。
【0111】
さらに、
図9のステップS212の処理により、
図10(b)に示すように、呼出スイッチ122eを操作することを入浴者に促すメッセージ音声が、音声窓12aを介して、スピーカ126から出力される。このメッセージに対し、入浴者は、自身に異常が無い場合、
図10(c)に示すように、呼出スイッチ122eを操作する。他方、入浴者に異常が生じている場合、入浴者は、
図10(a)、(b)の問いかけに対して、適切に応答することができない。たとえば、入浴者が気を失っている場合、入浴者は、呼出スイッチ122eを操作できない。
【0112】
図9に戻って、制御部123は、呼出スイッチ122eを応答用のスイッチに設定した時点(
図8のステップS202)から所定時間内(たとえば数十秒)に(S216:NO)、入浴者から応答操作(呼出スイッチ122eの操作)があった場合(S213:YES)、そのことを示す正常通知を、台所リモコン13を介してサーバ50に送信する(S214)。他方、応答操作(呼出スイッチ122eの操作)がないまま(S213:NO)、所定時間が経過すると(S216:YES)、制御部123は、そのことを示す異常通知を、台所リモコン13を介してサーバ50に送信する(S217)。このとき、制御部123は、
図10(d)に示すように、異常の連絡を携帯端末装置30に対して行うことを報知するメッセージ音声を、音声窓12aを介して、スピーカ126から出力させてもよい。
【0113】
こうして、正常通知または異常通知を送信した後、制御部123は、点灯部E1の点灯を終了させて(S215)、
図9の応答受付処理を終了する。
【0114】
ステップS214で送信された正常通知またはステップS217で送信された異常通知は、サーバ50から携帯端末装置30に送信される。これに応じて、携帯端末装置30の制御部301は、正常通知または異常通知に応じた報知画面を表示入力部304に表示させる。これにより、携帯端末装置30の使用者は、入浴者の正常または異常を把握することができる。
【0115】
図8に戻って、制御部123は、ステップS204において、
図9に示した応答受付処理を実行した後、解除条件が充足されたか否かを判定する(S205)。
【0116】
図11は、
図8のステップS205における解除条件の判定処理を示すフローチャートである。
【0117】
ここでは、応答操作があったこと(S221)、呼出スイッチ122eを応答用のスイッチに設定した時点(
図8のステップS202)から所定時間が経過したこと(S222)、および、入浴者が浴室から退出したこと(S223)が解除条件に設定されている。ステップS222の所定時間は、
図9のステップS216における所定時間と同じに設定される。あるいは、ステップS222の所定時間は、
図9のステップS216における所定時間よりやや長く設定されてもよい。
【0118】
入浴者から応答操作(呼出スイッチ122eの操作)があった場合(S221:YES)、制御部123は、解除条件が充足されたと判定する(S224)。また、制御部123は、入浴者から応答操作(呼出スイッチ122eの操作)がなくても(S221:NO)、上述の所定時間(たとえば数十秒)が経過し(S222:YES)、あるいは、人センサ128からの出力により入浴者が浴室から退出したことを検知すると(S223:YES)、解除条件が充足されたと判定する(S224)。
【0119】
図8に戻って、こうして解除条件が充足されると(S205:YES)、制御部123は、呼出スイッチ122eを応答用のスイッチに設定した状態を解除し、呼出スイッチ122eの機能を、本来の呼出機能に復帰させる(S207)。こうして、制御部123は、
図8の処理を終了する。
【0120】
なお、
図2(a)に示す呼出スイッチ122eが、
図2(b)のように、通話スイッチ122fの置き換えられた場合、通話スイッチ122fを対象として、上記の制御が行われる。この場合、
図8のステップS205がYESとなるまでの応答待機期間において、通話スイッチ122fが応答用のスイッチに設定される。そして、応答待機期間においては、通話スイッチ122fの通話機能が制限され、通話スイッチ122fに対する操作が応答要求に対する応答操作として受け付けられる。その後、解除条件が充足されると、通話スイッチ122fに対する応答用のスイッチの設定が解除され、通話スイッチ122fの機能は、本来の機能である通話機能に復帰する。
【0121】
<実施形態の効果>
上記実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0122】
図8に示したように、浴室リモコン12(操作部)がサーバ50(外部装置)から応答要求を受信した場合(S201:YES)、浴室リモコン12に配置された操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)が応答用のスイッチに設定される(S202)。よって、浴室リモコン12に、応答専用の操作スイッチを別途配置する必要がなく、浴室リモコン12の構成を簡素にできる。また、この操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)が応答用のスイッチに設定された後、解除条件(S205)が充足されるまでの応答受付期間(S205:NO)は、当該スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)に対する操作が、本来の機能(呼出機能または通話機能)のための操作ではなく、応答のための操作として受け付けられる(S203)。このため、入浴者が応答時にこの操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)を操作しても、当該操作スイッチの本来の機能(呼出機能または通話機能)は実行されることはない。よって、入浴者は、この操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)を操作することにより、円滑に、応答要求に対する応答を行うことができる。
【0123】
図2(a)、(b)に示したように、浴室リモコン12(操作部)は、複数の操作スイッチ(入力部122を構成する複数の操作スイッチ)を有し、応答受付期間(
図8のS205がYESになるまでの期間)において、複数の操作スイッチのうちの一部の操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)を、応答用のスイッチに設定する。これにより、入浴者は、応答受付期間において、応答用のスイッチに設定されていない残りの操作スイッチ(運転スイッチ122a、ふろ自動スイッチ122b、追い焚きスイッチ122c、優先スイッチ122d)に対応付けられた機能を、給湯装置10(ふろ装置)に実行させることができる。よって、入浴者は、応答要求に対する応答を適切に行いつつ、所定の機能を円滑に実行させることができる。
【0124】
図8に示したように、浴室リモコン12(操作部)は、ふろ機能に関連しない操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)を応答用のスイッチに設定する。具体的には、応答用のスイッチに設定される操作スイッチは、浴室外に設置された台所リモコン13(他の操作部)を介して浴室外の使用者に呼び出しを行うための呼出スイッチ122e、または、台所リモコン13(他の操作部)を介して浴室外の使用者と通話を行うための通話スイッチ122fとされる。これにより、入浴者は、応答受付期間において、応答用のスイッチに設定されていない残りの操作スイッチ(運転スイッチ122a、ふろ自動スイッチ122b、追い焚きスイッチ122c、優先スイッチ122d)に対応付けられたふろ機能を、給湯装置10(ふろ装置)に実行させることができる。よって、入浴者は、応答要求に対する応答を適切に行いつつ、所望のふろ機能を円滑に実行させることができる。
【0125】
図2(a)、(b)に示したように、浴室リモコン12(操作部)は、操作スイッチごとに対応付けられて配置された点灯部E1を備える。そして、浴室リモコン12は、
図9のステップS211において、応答用スイッチに設定された操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)の点灯部E1を、通常時とは異なる点灯形態で点灯させる。これにより、入浴者は、応答受付期間において、浴室リモコン12に配備された操作スイッチのうち、どの操作スイッチにより応答を行えるかを、点灯部E1の点灯形態から把握できる。よって、入浴者は、応答要求に対する応答操作を円滑に進めることができる。
【0126】
図8に示したように、浴室リモコン12(操作部)は、前記解除条件が充足されたことに応じて(S205:YES)、応答用のスイッチの設定を解除し(S206)、応答用のスイッチに設定されていた操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)の機能を、本来の機能(呼出機能または通話機能)に復帰させる。これにより、入浴者は、解除条件が充足された後にこの操作スイッチを操作することにより、この操作スイッチの本来の機能を円滑に実行させることができる。
【0127】
図11に示したように、解除条件は、操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)を応答用のスイッチに設定した後、所定時間内に(S222:NO)、応答用のスイッチに対する操作が行われたこと(S221:YES)を含んでいる。これにより、入浴者は、応答操作を行った後、直ちに、当該操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)に対する操作により、当該操作スイッチの本来の機能(呼出機能または通話機能)を給湯装置10(ふろ装置)に実行させることができる。
【0128】
また、
図11に示したように、解除条件は、操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)を応答用のスイッチに設定した後、所定時間が経過したこと(S222:YES)を含んでいる。これにより、当該操作スイッチが応答用スイッチに設定され続けることを回避できる。よって、入浴者は、当該操作スイッチに対する本来の機能(呼出機能または通話機能)を円滑に給湯装置10(ふろ装置)に実行させることができる。
【0129】
図3に示したように、給湯装置10(ふろ装置)は、浴室内に人がいるか否かを検出するための人センサ128を備え、
図11に示したように、解除条件は、人センサ128からの出力に基づいて浴室内に人がいないことが検出されたこと(S223:YES)を含んでいる。これにより、浴室内に人がいなくなって、浴室リモコン12(操作部)に対する応答操作が不要となったことに応じて、操作スイッチ(呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122f)が本来の機能のためのスイッチに復帰する。よって、当該操作スイッチを本来の機能(呼出機能または通話機能)に適切に復帰させることができる。
【0130】
図8に示したように、浴室リモコン12(操作部)は、サーバ50(外部装置)からの応答要求を受信したことにより(S201:YES)、応答要求に基づく処理を実行する。これにより、携帯端末装置30の使用者は、自身の携帯端末装置30を用いて、サーバ50経由で、応答要求を浴室リモコン12(操作部)に送信でき、入浴者の安全を見守ることができる。
【0131】
図6に示したように、応答要求は、浴室内の入浴者が所定の設定時間を超えて入浴を継続したこと(S103:YES)に基づいてなされる。これにより、長時間に亘って入浴者が入浴を継続した場合に、応答要求により、入浴者の安否を確認できる。
【0132】
<変更例>
上記実施形態では、呼出スイッチ122eまたは通話スイッチ122fが、応答要求に対する応答用の操作スイッチに設定されたが、応答用に設定される操作スイッチは、これに限られるものではない。
【0133】
たとえば、
図12(a)に示すように、呼出スイッチ122eとともに優先スイッチ122dが、応答用の操作スイッチに設定されてもよく、あるいは、
図12(b)に示すように、蓋部12bに配置されている全ての操作スイッチが応答用の操作スイッチに設定されてもよい。
【0134】
図12(a)の変更例では、応答受付期間において、呼出スイッチ122eおよび優先スイッチ122dに対する本来の機能が制限され、これらの操作スイッチに対する操作が、応答のための操作として受け付けられる。また、
図12(b)の変更例では、応答受付期間において、蓋部12bに配置された全ての操作スイッチに対する本来の機能が制限され、これらの操作スイッチに対する操作が、応答のための操作として受け付けられる。
【0135】
この他、蓋部12bが開放されると現れる操作スイッチが応答用のスイッチに設定されてもよい。但し、この場合は、応答時に、入浴者に対して、蓋部12bを開放する作業を強制することになる。よって、より簡便に応答操作を行えるようにするためには、応答用に設定される操作スイッチは、浴室リモコン12が通常の状態にあるときに外部に露出している操作スイッチであることが好ましい。
【0136】
外部に露出している操作スイッチ(蓋部12bの外側面に配置されている操作スイッチ)は、必ずしも、
図2(a)、(b)に示された操作スイッチに限られるものではなく、他の機能の操作スイッチに変更されてもよい。
【0137】
なお、
図12(a)、(b)のように、複数の操作スイッチが応答用の操作スイッチに設定されると、応答のための操作の自由度が高まる。このため、入浴者は、より容易に応答操作を行い得る。しかし、その反面、このように複数の操作スイッチが応答用の操作スイッチに設定されると、応答受付期間において制限される本来の機能の数が増加する。よって、応答受付期間において本来の機能をなるべく実行可能に維持しつつ、応答を円滑に行うためには、応答用の操作スイッチに設定される操作スイッチの数を減少させることが好ましく、さらには、上記実施形態のように、ふろ機能に関連しない操作スイッチを応答用の操作スイッチに設定することが好ましい。
【0138】
また、上記実施形態では、解除条件として、
図11に示した3つの条件(S211、S222、S223)が示されたが、解除条件は、これら3つの条件に限られるものではない。たとえば、解除条件に、浴槽2から退出(退浴)したことが含まれてもよく、応答受付状態を維持する必要がなくなったことに対応する他の条件が含まれてもよい。
【0139】
また、上記実施形態では、
図10(b)に示すように、点灯部E1の点灯状態と、音声窓12aから出力される音声とによって、入浴者に、応答のための操作スイッチが報知されたが、この報知が他の形態で行われてもよい。たとえば、応答のための操作スイッチを報知するためのメッセージが表示部121に表示されてもよい。
【0140】
また、点灯部E1は、必ずしも、操作キーの領域内に配置されなくてもよく、対応付けられる操作キーを把握可能な限りにおいて、操作キーの周囲等、操作キーの領域外に配置されてもよい。また、応答用のスイッチに設定された操作スイッチを点灯部E1により報知する形態も、上記実施形態に示した形態に限られるものではなく、たとえば、点灯部E1が複数色でサイクリックに点灯する形態であってもよい。
【0141】
また、安否確認および応答を促すメッセージ音声等も、
図10(a)、(b)、(d)に示す内容に限られるものではなく、適宜変更され得る。
【0142】
また、上記実施形態では、入浴時間が設定時間を超過したことの判定が給湯器11において行われたが、この判定が、他の機器によって行われてもよい。たとえば、この判定が、浴室リモコン12または台所リモコン13で行われてもよく、あるいは、サーバ50で行われてもよい。また、浴室リモコン12、台所リモコン13およびサーバ50以外の制御機器がさらに給湯システム1に配置される場合は、この制御機器において、この判定が行われてもよい。これらの場合、給湯器11は、この判定を行う他の機器に対して、浴槽2に対する入退浴の検知結果を随時送信し、他の機器は、この検知結果から、入浴時間が設定時間を超えたか否かを判定する。そして、他の機器は、入浴時間が設定時間を超えた場合に、そのことを示す通知を、直接またはサーバ50を介して、携帯端末装置30に送信する。
【0143】
また、上記実施形態では、入浴時間が設定時間を超えたことの通知が携帯端末装置30に送信されたことを契機として、応答要求が、携帯端末装置30から送信され、浴室リモコン12に転送されたが、応答要求は、他の形態により、浴室リモコン12に送信されてもよい。たとえば、携帯端末装置30にインストールされた上記アプリケーションプログラムが、入浴者に対する任意の呼び掛け操作を受け付ける場合、この呼び掛け操作に応じて、応答要求が、携帯端末装置30からサーバ50に送信されてもよい。この場合も、上記実施形態と同様、送信された応答要求は、サーバ50から、当該携帯端末装置30に対応付けられている台所リモコン13へと送信され、浴室リモコン12へと転送される。これにより、浴室リモコン12の制御部123は、
図8の処理を実行する。
【0144】
また、このように、携帯端末装置30を用いて使用者が任意に呼び掛け操作を行う場合、応答要求は、必ずしも、サーバ50経由で浴室リモコン12に送信されなくてもよい。たとえば、
図1に示すように携帯端末装置30が宅内H10にある場合、携帯端末装置30からの応答要求が、宅内H10のルータ20を介して、直接、台所リモコン13に送信され、浴室リモコン12に転送されてもよい。また、台所リモコン13が、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信の機能を有する場合、携帯端末装置30からの応答要求が、この近距離無線通信を介して、台所リモコン13に送信され、台所リモコン13から浴室リモコン12に転送されてもよい。これらの構成では、携帯端末装置30が、特許請求の範囲に記載の「外部装置」に対応する。
【0145】
また、入退浴検知部および入浴時間監視部は、必ずしも、プログラムに基づく機能として実現されなくてもよく、ロジック回路に基づくハードウエアにより実現されてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、水位センサ114の出力に基づいて、入浴の有無が検知されたが、入浴の有無の検知方法はこれに限られるものではない。たとえば、背もたれ部分に照度センサを配置し、照度センサの検出照度が低下したことに基づいて、入浴が検出されてもよい。また、人センサ128の検知結果に基づいて入浴の有無が検知されてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、給湯装置10を構成する台所リモコン13に無線通信部138が設けられたが、無線通信部が給湯器11に設けられて給湯器11がルータ20に接続されてもよい。あるいは、給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13以外に無線通信部を備えた制御ユニットが給湯装置10に配置され、この制御ユニットがルータ20に接続されてもよい。
【0148】
なお、給湯装置10を遠隔制御する端末装置に、携帯性がなく所定の場所に設置される据え置き型の端末装置が含まれてもよい。また、給湯装置10は、ガス燃料を用いるものに限らず、オイルを燃料とする給湯装置であってもよい。給湯装置10は、貯留タンクを用いた貯留式のものであってもよく、燃料電池等の発電ユニットをさらに備えた構成であってもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、浴槽に対する所定のふろ機能を実行するふろ装置として、ふろ関連機能とともに給湯機能を備えた給湯装置10が例示されたが、ふろ装置は、ふろ関連機能のみを実行可能な装置であってもよい。たとえば、浴槽2に溜められた水を、熱交換器に循環させて暖める機能のみを有するふろ装置を、ふろシステムが備える構成であってもよい。この場合、ふろ装置は、ふろを沸かすための構成と、ふろシステムのサーバと通信するための構成とを備えていればよい。また、給湯器11の構成も、
図4に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。
【0150】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 給湯システム(ふろシステム)
10 給湯装置(ふろ装置)
12 浴室リモコン(操作部)
13 台所リモコン(他の操作部)
30 携帯端末装置
40 外部通信網
50 サーバ(外部装置)
122 入力部(操作スイッチ)
122e 呼出スイッチ
122f 通話スイッチ
128 人センサ
138 無線通信部(通信部)
E1 点灯部