(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032369
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20230302BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20230302BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 C
A62B18/02 C
A62B18/02 Z
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138458
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】521379975
【氏名又は名称】株式会社ショー・エンターテイメント
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】西原 在満
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185AA07
2E185CC36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】衛生マスク、フェイスシールド等を顔面に装着するに際し、装用している眼鏡に簡単に連結支持でき、装着する際の耳等に対する負担を軽減できるようにする。
【解決手段】眼鏡Gのつる部Tに装着する支持体10に、顔面を覆うフェイスシールドSを支持するシールド支持体11、口元を覆うマスクを支持するマスク支持体21の少なくともいずれか一方を備える。シールド支持体11は、支持体10の前部に設けたシールド支持軸に軸支した段部状のシールド支持基部と、フェイスシールドSを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピンを配列した連結部とから成る。マスク支持体21は、支持体10の後部に設けたマスク支持軸に軸支した段部状のマスク支持基部と、このマスク支持基部にマスクを顔面等に圧止するよう起伏可能に揺動連結したマスク圧止部とから成る。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のつる部に装着される支持体に、顔面を覆うフェイスシールドを支持するシールド支持体、口元を覆うマスクを支持するマスク支持体の少なくともいずれか一方を備えて成り、シールド支持体は、支持体の前部に設けたシールド支持軸に軸支される段部状のシールド支持基部と、フェイスシールドを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピンが配列されている連結部とから成り、マスク支持体は、支持体の後部に設けたマスク支持軸に軸支される段部状のマスク支持基部と、このマスク支持基部にマスクを顔面等に圧止するよう起伏可能に揺動連結したマスク圧止部とから成ることを特徴とする眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項2】
シールド支持体は支持体の上方に、マスク支持体は支持体の下方にそれぞれ揺動可能にしてある請求項1に記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項3】
支持体は、つる部に直接に、あるいはつる部に装着されるベース体を介して連結手段によって取り付けられる請求項1または2に記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項4】
支持体は、つる部と一体に形成してある請求項1乃至3のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項5】
シールド支持体は、支持体の前部に設けたシールド支持軸に軸支される段部状のシールド支持基部と、フェイスシールドを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピンが配列されている連結部とから成る請求項1乃至4のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項6】
シールド支持体は、シールド支持基部が軸支されている支持体の側面の下部隅部に、ほぼL字状に隆起形成されている規制突部が設けられていて、上方に揺動するシールド支持基部の外周面が規制突部に当接停止されることで下方への揺動動操作が規制されるようにしてある請求項1乃至5のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項7】
マスク支持体は、支持体の後部に設けたマスク支持軸に軸支される段部状のマスク支持基部と、このマスク支持基部にマスクを顔面等に圧止するよう起伏可能に揺動連結したマスク圧止部とから成る請求項1乃至6のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項8】
マスク支持体は、マスク支持基部が軸支されている支持体の側面の上部隅部に、ほぼL字状に隆起形成されている規制突部が設けられていて、下方に揺動するマスク支持基部の外周面が規制突部に当接停止されることで上方への揺動操作が規制されるようにしてある請求項1乃至7のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項9】
マスク圧止部は、マスク支持基部の端部に起伏揺動するよう軸支され、倒伏時ではマスク支持基部の側面に当接するように折り畳まれ、下方に向かう起立時ではマスク圧止部の端部が眼鏡の装着者側に向かって傾斜状態となるように位置決め規制されるようにしてある請求項1乃至8のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項10】
マスク圧止部は、マスク支持基部の端部に設けた軸部に、マスク圧止部の基部の両脇に形成した軸支部を嵌め合わせ、軸部の外面に形成した規制突条にマスク圧止部の基端面を衝接させることで起立時位置を規制設定するようにしてある請求項1乃至9のいずれかに記載の眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具。
【請求項11】
眼鏡のつる部に配置される支持体に、顔面を覆うフェイスシールドを支持するシールド支持体、口元を覆うマスクを支持するマスク押当圧止体の少なくともいずれか一方を備えて成り、シールド支持体は、支持体の前部に設けたシールド支持軸に軸支される段部状のシールド支持基部と、フェイスシールドを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピンが配列されている連結部とから成り、マスク押当圧止体は、支持体の後部に設けたマスク支持軸に揺動自在に軸支してあって、下方に揺動されたときに先端部分が顔面等にマスクを弾発的に圧止するようにして成ることを特徴とするマスク・フェイスシールド支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として眼鏡使用者が衛生マスクあるいはフェイスシールド等を顔面に装着するに際し、眼鏡に簡単に連結支持でき、装着する際の耳等に対する負担を軽減できるようにした眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、眼鏡使用者がマスクを装着する場合、眼鏡と共にマスクをも耳に掛けることになり、眼鏡のつる部における耳掛け部分とマスクの耳掛け部分とが重なってしまい、煩わしくなるばかりでなく、耳が痛くなり、場合によっては炎症を生じることがある。
【0003】
こうした点を解消すべく、眼鏡のつる部を利用してこのつる部にマスクを支持するようにしたマスク支持具が提案されている。例えば特許文献1に示されるマスク掛止部つきメガネ、特許文献2に示されるつる部の耳にかかる部分にマスクの紐を通し保持するための凹状のガイド部を設けた眼鏡のフレーム、特許文献3に示される眼鏡のつる部に装着するマスクの耳かけ紐用ガード等がある。これらは、いずれもマスクの紐材を眼鏡のつるに沿ってガイドさせることで耳に掛かるマスク紐の負担を軽減するようにしている。
【0004】
また、近時は、口、鼻等を覆うマスクによる場合に限らず、顔面全体あるいは顔面の下半あるいは上半を覆うようにした透明なフェイスシールドを着用する場合もある。例えば特許文献4に示される他者保護用の衛生マスクであり、これは、口、鼻等の呼吸器を覆うことがない透明な呼吸器前方カバーを顎部に当接する顎把持部に取り付けると共に、顎把持部を紐状あるいはリング状の支持手段によって耳に掛けるようにして成り、口、鼻等を覆うようにしている。更には、顔面全体を覆うようにした透明なカバー体を、例えば頭部を囲繞するバンドに取り付けるフェイスシールド構成も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-64540号公報
【特許文献2】特開2014-197178号公報
【特許文献3】特開2014-197177号公報
【特許文献4】特許第5174984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、耳に掛かる紐材の一部を眼鏡のつる部に沿ってガイドすることで耳に対する負担を軽減させるとしても、耳には眼鏡のつる部と共に紐材も掛けられるから、面倒であることに変わりはない。また、フェイスシールド構成は、顎に宛がう顎支持部が例えば話すときの顎の動きに追随せずに外れることもあり、顔面全体を覆うにしても頭部を囲繞するバンドによって支持することになるから面倒であり、特に眼鏡使用者にとっては煩わしいものであった。
【0007】
そればかりでなく、マスクを装着する場合と、フェイスシールド用カバーを装着する場合とでは、それらの支持方法・構成がそれぞれで異なるから、マスク、フェイスシールドのいずれを使用するかによってその支持構成等を選択する必要がある。特に眼鏡使用者にとっては、耳への負担が大きくなるから、いずれを選択してもその負担を軽減できるものではなかった。
【0008】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、主として眼鏡使用者が顔面にマスクを装着、あるいはフェイスシールドを装着する場合、眼鏡を利用することでいずれを選択しても簡単に使用できるようにし、また確実に支持できるようにした眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、眼鏡Gのつる部Tに配置される支持体10に、顔面を覆うフェイスシールドSを支持するシールド支持体11、口元を覆うマスクMを支持するマスク支持体21の少なくともいずれか一方を備えて成り、シールド支持体11は、支持体10の前部に設けたシールド支持軸12に軸支される段部状のシールド支持基部13と、フェイスシールドSを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピン16が配列されている連結部14とから成り、マスク支持体21は、支持体10の後部に設けたマスク支持軸22に軸支される段部状のマスク支持基部23と、このマスク支持基部23にマスクMを顔面等に圧止するよう起伏可能に揺動連結したマスク圧止部26とから成ることを特徴とする。
シールド支持体11は支持体10の上方に、マスク支持体21は支持体10の下方にそれぞれ揺動可能にして構成することができる。
支持体10は、つる部Tに直接に、あるいはつる部Tに装着されるベース体1を介して連結手段5によって取り付けられるように構成することができる。
支持体10は、つる部Tと一体に形成して構成することができる。
シールド支持体11は、支持体10の前部に設けたシールド支持軸12に軸支される段部状のシールド支持基部13と、フェイスシールドSを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピン16が配列されている連結部14とから構成することができる。
シールド支持体11は、シールド支持基部13が軸支されている支持体10の側面の下部隅部に、ほぼL字状に隆起形成されている規制突部15が設けられていて、上方に揺動するシールド支持基部13の外周面が規制突部15に当接停止されることで下方への揺動動操作が規制されるようにして構成することができる。
マスク支持体21は、支持体10の後部に設けたマスク支持軸22に軸支される段部状のマスク支持基部23と、このマスク支持基部23にマスクMを顔面等に圧止するよう起伏可能に揺動連結したマスク圧止部26とから構成することができる。
マスク支持体21は、マスク支持基部23が軸支されている支持体10の側面の上部隅部に、ほぼL字状に隆起形成されている規制突部25が設けられていて、下方に揺動するマスク支持基部23の外周面が規制突部25に当接停止されることで上方への揺動操作が規制されるようにして構成することができる。
マスク圧止部26は、マスク支持基部23の端部に起伏揺動するよう軸支され、倒伏時ではマスク支持基部23の側面に当接するように折り畳まれ、下方に向かう起立時ではマスク圧止部26の端部が眼鏡Gの装着者側に向かって傾斜状態となるように位置決め規制されることで構成することができる。
マスク圧止部26は、マスク支持基部23の端部に設けた軸部27に、マスク圧止部26の基部の両脇に形成した軸支部28を嵌め合わせ、軸部27の外面に形成した規制突条29にマスク圧止部26の基端面を衝接させることで起立時位置を規制設定するようにして構成することができる。
眼鏡Gのつる部Tに配置される支持体10に、顔面を覆うフェイスシールドSを支持するシールド支持体11、口元を覆うマスクMを支持するマスク押当圧止体31の少なくともいずれか一方を備えて成り、シールド支持体11は、支持体10の前部に設けたシールド支持軸12に軸支される段部状のシールド支持基部13と、フェイスシールドSを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピン16が配列されている連結部14とから成り、マスク押当圧止体31は、支持体10の後部に設けたマスク支持軸22に揺動自在に軸支してあって、下方に揺動されたときに先端部分が顔面等にマスクMを弾発的に圧止するようにして成ることを特徴とする。
【0010】
以上のように構成された本発明に係る眼鏡用のマスク・フェイスシールド支持具にあって、眼鏡Gつる部Tに取り付けられた支持体10のシールド支持体11によって顔面を覆うフェイスシールドSを揺動自在にして支持させ、マスク支持体21によって口元を覆うマスクMの後縁部を顔面側部に圧止した状態で支持させる。
ベース体1は、予め連結手段5が設けられていない一般的な通常の眼鏡Gのつる部Tに装着されることで支持体10をつる部Tに連結固定させる。
シールド支持体11は、支持体10の前部で上方への揺動を可能にして連結されていることで、このシールド支持体11にシールド支持ピン16によって支持連結された顔面を覆うフェイスシールドSを上方への揺動を許容させて支持させる。また、規制突部15は、支持体10に対してのシールド支持基部13の下方への揺動を一定位置で停止させることで上方への一定範囲内で円滑に揺動させる。
マスク支持体21は、支持体10の後部で下方への揺動を可能にして連結されており、規制突部25は、支持体10に対してのマスク支持基部23の上方への揺動を一定位置で停止させることで下方への一定範囲内で円滑に揺動させる。
また、下方に揺動するマスク支持基部23に起伏揺動するマスク圧止部26の先端が、マスクMの後縁部を顔面側面に押し付けることで、口元を覆うマスクMを支持させる。このとき、規制突条29は、マスク支持基部23に対してマスク圧止部26を同様に一定範囲内で揺動規制させ、マスクMに対する顔面への押し付け作用を維持させる。
マスク押当圧止体31は、支持体10のマスク支持軸22を支点として下方に揺動されることで、その先端部分はマスクMの例えば上縁隅部を弾発的に押圧し、口等を覆っているマスクMを支持させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は以上説明したように構成されているため、眼鏡Gの使用者にとって、例えばフェイスシールドS、マスクMを装着するに際し、耳に掛けたり、頭部を囲繞するベルト等を使用したりすることなく、これらを眼鏡Gのつる部Tによって装着利用でき、マスクM用の耳かけ紐、頭部囲繞のベルト等が不要となり、煩わせることなく利用者はフェイスシールドS、マスクMを簡便に装着することができる。
【0012】
すなわちこれは本発明において、眼鏡Gのつる部Tに装着される支持体10に、シールド支持体11、マスク支持体21の少なくともいずれか一方を備えて成り、シールド支持体11は、支持体10の前部に軸支されるシールド支持基部13と、フェイスシールドSを支持する連結部14とから成り、マスク支持体21は、支持体10の後部に軸支されるマスク支持基部23と、マスクMを顔面等に圧止するマスク圧止部26とから成るからである。これによって、フェイスシールドS、マスクMのいずれか、または両方をつる部Tによって支持し、顔面に装着することができる。
【0013】
また、シールド支持体11は、段部状のシールド支持基部13、連結部14から成り、シールド支持基部13は支持体10の前部でほぼL字状に隆起形成されている規制突部15によって下方への揺動は規制されるも、上方に対しては自由に揺動されるから、顔面を覆うフェイスシールドSは上方に任意に持ち上げられることで下方を開放でき、例えば飲食を可能にする。
【0014】
連結部14は、フェイスシールドSを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピン16が配列されていることで、フェイスシールドSを簡単に連結支持でき、顔面全体、顔面上部あるいは下部を覆う各種タイプのフェイスシールドSのいずれをも連結支持できる。
【0015】
マスク支持体21は、段部状のマスク支持基部23、マスク圧止部26から成り、マスク支持基部23は支持体10の後部でほぼL字状に隆起形成されている規制突部25によって上方への揺動は規制されるも、下方に対しては自由に揺動されるから、顔面における口元を覆うマスクMを支持すべく、起伏揺動するマスク圧止部26を所定位置に位置決めできる。
【0016】
マスク圧止部26は、マスク支持基部23の端部に起伏揺動するよう軸支され、倒伏時ではマスク支持基部23の側面に当接するように折り畳まれることで、不使用時ではマスク支持基部23に沿って格納された状態となり、邪魔にならない。そして、マスク支持基部23から下方に向かうように起立されるとき、マスク支持基部23の軸部27に形成された規制突条29にマスク圧止部26の基端面が衝接されて起立位置が規制設定されることで、マスク圧止部26の端部が眼鏡Gの装着者側に向かって傾斜状態となるように位置決め規制される。この状態では、マスク圧止部26は顔面の外方側に揺動拡開することなく、マスク圧止部26の端部は眼鏡Gの装着者側に向かって傾斜状態となるように位置決めされて、口元を覆うマスクMを顔面の側部に押し付けてマスクMを支持することができる。
【0017】
マスク押当圧止体31は、支持体10におけるマスク支持軸22に揺動自在に連結してあることで、下方に揺動させることによってその先端部分でマスクMにおける上縁隅部を押圧でき、また、その弾発作用でマスクMを顔面脇にしっくりと押し当て、口等を覆っているマスクMを支持することができる。
【0018】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付した。本発明は、これらの記載、図面中の符号等によって示された構造・形状等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明を実施するための一形態を示す眼鏡に取り付けるときの分解斜視図である。
【
図2】同じく眼鏡のつる部に取り付けたときの平面図である。
【
図4】同じくシールド支持体、マスク支持体それぞれの揺動状態を示す支持体の背面図である。
【
図5】同じくマスク支持体におけるマスク圧止部の揺動状態を示す正断面図である。
【
図6】同じくフェイスシールドを支持したときの側面図である。
【
図7】同じくマスクを支持したときの斜視図である。
【
図8】同じくフェイスシールドとマスクとを支持したときの斜視図である。
【
図9】同じくフェイスシールドとマスクとを支持したときの側面図である。
【
図10】同じく眼鏡に直接に取り付けるときの他の実施の形態における分解斜視図である。
【
図11】同じくその(A)はマスク押当圧止体をつる部に格納してあるときの他の実施の形態における平面図であり、(B)はマスク支持時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための一形態を説明すると、図において示される符号1は眼鏡Gのつる部Tに装着されるベース体であり、このベース体1に連結される支持体10によって、マスクMあるいはフェイスシールドS、あるいはその両方が支持される。尚、本発明支持具は、眼鏡Gにおける左右で対になっているつる部Tそれぞれに取り付けられて使用され、フェイスシールドS、マスクMそれぞれの左右部分を支持するものとされるも、本明細書においては特別に断らない限り、左右部分のいずれにも適用可能なものとしてある。
【0021】
ベース体1は、図例のように、つる部Tの上方からやや強制的につる部Tに嵌め合わせられるように下方が開放された断面でほぼ溝形状に形成されている。そして、溝形部分の開口部の内縁に内方に向かって突出している係止突起によってつる部Tの底面に噛み合うことで、上方からスライドさせるように嵌め合わせた固定状態を維持できるようにしている。
【0022】
支持体10は、ベース体1と着脱自在に連結され、後述するシールド支持体11によって顔面を覆うフェイスシールドSを、同じくマスク支持体21によって口部分を覆うマスクMを吊り下げ・押し当て状にして支持する。支持体10には、ベース体1に着脱自在に連結させる連結手段5が設けられており、フェイスシールドSを固定支持するシールド支持体11、マスクMを固定支持するマスク支持体21が揺動自在に取り付けられている。
【0023】
図示にあっての連結手段5は、ベース体1の側面と支持体10の側面との間で雌雄嵌合する凹部6と凸部7とから成る。この連結手段5では、例えば円形枠状にした凹部6の側面に形成した切欠部分と円形枠内に嵌まり込む凸部7の側面に形成した突条部分とが嵌め合わされて雌雄嵌合することで、ベース体1に対して支持体10が所定位置で、例えば揺動、回転することなく位置決めされて連結されるようにしてある。尚、これらの凹部6、凸部7はベース体1、支持体10それぞれの中央部に配置されている。
【0024】
ベース体1は、図示を省略したが、つる部Tに対して横方向、下方向等から嵌め合わせて、あるいはつる部Tの末端からスライドさせて連結することもでき、必要があれば連結状態で例えばベルト・バンド等を巻回させて一層強固に連結支持することも可能である。更には、このベース体1を、眼鏡Gにおけるつる部Tと一体に形成して構成することもでき、要は、シールド支持体11、マスク支持体21が支持体10を介してでもつる部Tに揺動可能な状態で配置されるものとなればよい。
【0025】
支持体10は、つる部Tの前後方向に沿うように前後にやや長く形成された矩形ブロック状に形成されていて、つる部T側に位置する支持体10の側面において、支持体10の前部に前記シールド支持体11が、後部に前記マスク支持体21がそれぞれ取り付けられている。そして、シールド支持体11は下方への揺動が規制されて支持体10の上方に、マスク支持体21は上方への揺動が規制されて支持体10の下方にそれぞれ揺動自在にして支持体10に軸支することで配置されている。
【0026】
シールド支持体11は、支持体10の前部に設けたシールド支持軸12に軸支される段部状のシールド支持基部13と、フェイスシールドSを嵌め込み支持する適数のシールド支持ピン16が配列されている連結部14とから成る。
【0027】
また、このシールド支持体11は、
図4に示すように、上方への揺動が可能であるも、支持体10にほぼ重なる位置よりも下方には揺動しないように規制されている。そのため、支持体10におけるシールド支持基部13が軸支されている支持体10の側面における下部隅部に、ほぼL字状に隆起形成されている規制突部15が設けられていて、揺動するシールド支持基部13の外周面が規制突部15に当接して、支持体10からの下方への揺動が不能となるよう停止される。こうすることで、支持体10に重なるように位置決めされて、支持体10に格納されるような状態となるようにしている。
【0028】
シールド支持ピン16は、例えばフェイスシールドSの側部縁に開穿されている適数の連結孔のいずれかが選択されて嵌め合わせられることで、シールド支持体11によってフェイスシールドSが支持されるようになっている。このシールド支持ピン16は、眼鏡Gに本発明品か装着されたときの顔面側に向く側面に位置決め配置され、眼鏡Gの左右のつる部Tそれぞれに配置使用されることで、顔面を覆うフェイスシールドSを左右から支持するようになっている。
【0029】
一方、マスク支持体21は、支持体10の後部に設けたマスク支持軸22に軸支される段部状のマスク支持基部23と、このマスク支持基部23にマスクMを顔面等に圧止するよう起伏可能に揺動連結したマスク圧止部26とから成る。
【0030】
また、このマスク支持体21は、
図4に示すように、下方への揺動が可能であるも、支持体10にほぼ重なる位置よりも上方には揺動しないように規制されている。そのため、支持体10におけるマスク支持基部23が軸支されている支持体10の側面における上部隅部に、ほぼL字状に隆起形成されている規制突部25が設けられていて、揺動するマスク支持基部23の外周面が規制突部25に当接して、支持体10からの上方への揺動が不能となるよう停止される。こうすることで、支持体10に重なるように位置決めされて、支持体10に格納されるような状態となるようにしている。
【0031】
マスク圧止部26は、マスク支持基部23の端部に、この端部を支点として起伏揺動するように設けられている。そして、
図5に示すように、倒伏時ではマスク支持基部23の側面、すなわちつる部T側の側面に当接するように折り畳まれ、下方に向かう起立時ではマスク圧止部26の端部が眼鏡Gの装着者側に向かって傾斜状態となるように位置決め規制されている。
【0032】
この位置決め規制は、例えばマスク支持基部23の端部に設けた軸部27に、マスク圧止部26の基部の両脇に形成した軸支部28を嵌め合わせておいて、軸部27の外面に形成した規制突条29にマスク圧止部26の基端面を衝接させることで起立時位置を設定している。位置決め設定された起立時では、マスク圧止部26の先端が顔面に装着されるマスクMの上縁部を顔面に押し当て支持するようになっている。
【0033】
また、
図10には他の実施の形態が示されている。この実施の形態においては、前記ベース体1による連結手段5とせずに、ベース体1を介さずにつる部Tに支持体10を直接に連結できるように、つる部Tの側面に連結手段5、例えば凹部6を設ける。こうすることで、ベース体1をつる部Tに装着することなく、支持体10を眼鏡Gのつる部Tに直接に取り付け可能にして設けることができる。
【0034】
図11には、他の実施の形態が示されており、マスク支持体21に代えてマスク押当圧止体31を支持体10に設けたものである。この図示例においてのマスク押当圧止体31は、その先端部分が顔面等にマスクMを弾発的に圧止するようにしたのであり、支持体10の後部に設けたマスク支持軸22に揺動自在に軸支して成る。
【0035】
このマスク押当圧止体31は、マスク支持軸22を支点として下方に揺動可能になっていて、下方に揺動したときの先端部分が、口等を覆っているマスクMにおける例えば上部縁部分をやや強制的に押し当てるに足る長さに形成されている。また、このマスク押当圧止体31自体は、下方に揺動されたときに顔面の外方に向かって出張るように湾曲していて、先端部分である下端縁が顔面側に向かうようになることで、先端部分には顔面側に向かう弾発力が作用するようにしてある。こうすることで、支持体10に軸支されたマスク押当圧止体31が下方に揺動されたときにはマスクMを押し当て支持することができ、不要時では支持体10が配置されている眼鏡Gのつる部Tに沿わせておくことで格納でき、邪魔にならない。
【0036】
尚、具体的な図示例は省略したが、支持体10のシールド支持軸12、マスク支持軸22にそれぞれ軸支されるシールド支持体11、マスク支持体21、マスク押当圧止体31において、揺動されるときの所定角度毎でクリック的に停止されるようにすることもできる。例えばシールド支持体11のシールド支持基部13、マスク支持基部23、マスク押当圧止体31それぞれの内側面とこれに対向する片面との間で互いに弾発的に噛み合う噛合面を形成したり、シールド支持軸12、マスク支持軸22との軸支内外面で同様に噛合面を形成したりする。こうすることで、シールド支持基部13、マスク支持基部23、マスク押当圧止体31それぞれにおける噛み合い位置が異なる噛合面によって、所定の角度位置を任意に選択し、その仮止め状態を維持することができる。
【0037】
次にこれの使用の一例を説明する。眼鏡Gの左右のつる部Tそれぞれにベース体1を装着し、このベース体1に連結手段5によって支持体10を取り付ける。このとき、シールド支持体11、マスク支持体21それぞれはつる部Tの長さ方向に沿って支持体10の前方にシールド支持体11が、後方にマスク支持体21がそれぞれ配置される。
【0038】
そして、顔面を覆うフェイスシールドSの場合には、
図6に示すように、支持体10におけるシールド支持体11を上方に揺動し、つる部Tの上方に外出したシールド支持ピン16を例えばフェイスシールドSに開穿されている支持孔に嵌め合わせ、眼鏡GにフェイスシールドSを支持する。尚、フェイスシールドSは顔面全体を覆うタイプ、眼部分を覆うタイプ、口元を覆うタイプのいずれであっても同様に支持できると共に、シールド支持体11の揺動によって例えば上方に持ち上げることで下方を開放できる。
【0039】
また、口元を覆うマスクMの場合には、
図7に示すように、支持体10におけるマスク支持体21を下方に揺動し、つる部Tの下方に外出したマスク支持基部23からマスク圧止部26を下方に向けて外方に開くように起立させ(
図5参照)、顔面側に向けられているマスク圧止部26の先端によって、口元を覆っているマスクMの後部の上隅部を顔面に押し付けるようにして圧止し、マスクMを支持する。
【0040】
このようにしてフェイスシールドS、マスクMのいずれか一方でも支持できると共に、シールド支持体11、マスク支持体21それぞれは互いに干渉・錯綜することはないから、
図8、
図9に示すように、フェイスシールドS、マスクMの両方を同時に支持して使用することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
G…眼鏡
T…つる部
S…フェイスシールド
M…マスク
1…ベース体
5…連結手段
6…凹部
7…凸部
10…支持体
11…シールド支持体
12…シールド支持軸
13…シールド支持基部
14…連結部
15…規制突部
16…シールド支持ピン
21…マスク支持体
22…マスク支持軸
23…マスク支持基部
25…規制突部
26…マスク圧止部
27…軸部
28…軸支部
29…規制突条
31…マスク押当圧止体