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特開2023-3237クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム
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  • 特開-クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム 図1
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  • 特開-クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003237
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0217 20230101AFI20221228BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20221228BHJP
【FI】
G06Q30/02 338
G06Q20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104305
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】517076411
【氏名又は名称】福岡 万明
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】福岡 万明
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】クローズドマーケットの会員に、予め資金的融通を図り、購買意欲を促進することを目的とする。
【解決手段】クレジットポイント交換取引支援システムは、会員を登録する会員登録手段と、会員に、クローズドマーケットにおける商品、サービスの交換取引を可能にするクレジットポイントの与信枠を割当てるクレジットポイント与信枠割当手段とを備えており、前記クレジットポイントは、前記会員が前記クローズドマーケットで商品、サービスの交換取引をしたときは所定期間内に決済するようにしている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品、サービスの取引を、会員に限定したクローズドマーケットにおける取引支援システムであって、
会員を登録する会員登録手段と、
会員に、クローズドマーケットにおける商品、サービスの交換取引を可能にするクレジットポイントの与信枠を割当てるクレジットポイント与信枠割当手段とを備え、
前記クレジットポイントは、前記会員が前記クローズドマーケットで商品、サービスの交換取引をしたときは所定期間内に決済されるようにした、クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
クレジットポイント取引管理手段を更に備え、
会員が、前記クレジットポイントを消費する際に、割当てられたクレジットポイント与信枠を超えてしまうときには、所定の枠内でのクレジットポイントの貸付けを行う構成にしている、クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
インターネット上の専用サイトにアクセスして、クレジットポイントと商品、サービスとの交換取引を行うものである、クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム。
【請求項4】
請求項1又は2において、
カタログ本等の紙媒体を通じて、クレジットポイントと商品、サービスとの交換取引を行うものである、クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記商品、サービスは、交換に必要なクレジットポイント数に通常の市販価格を併記している、クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項において、
前記登録会員が、前記クローズドマーケットにおける出店店舗を紹介したときには、紹介した登録会員には、当該店舗の売上額に応じた利益が分配還元されるようにしている、クローズドマーケットにおけるクレジットポイント交換取引支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品やサービスの取引を会員のみに限定したクローズドマーケットにおける取引を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、クレジットカード等のキャッシュレスサービスでは、商品、サービスの購入額に応じてポイントを付与し、購入者には蓄積したポイントを、予め準備した商品、サービスに交換する権利を与えて購買意欲をそそっている。例えば、次の非特許文献1、2には、毎月のカードショッピングの利用合計金額に対してポイントを付与し、蓄積されたポイントと所望の商品、サービスとを引き換えたり、他の提携会社のポイントに移行したりできるサービスが提案されている。しかしながら、これらのサービスで使用されるポイントは、商品、サービスの購入した際に、販促用のおまけとして付与されるものに過ぎない。
また、クレジットカード等のキャッシュレスサービスは、利用可能な店舗が多数になるオープンマーケットを前提としたものであり、そこで取引可能な商品やサービスも多岐にわたり利便ではある。しかし、審査があり、低所得者やカード支払いに事故を生じた者は入会できないという問題がある。
一方で、特定の企業グループの店舗内でのみ有効なキャッシュレスサービスも考えられ、この場合は入会審査を穏やかにすることも可能であっても、取引可能な商品やサービスが限定されるので利便性に劣ることになる。
更に、近時における高齢化と長引く経済不況や消費税の増税化、更にコロナ禍による自粛規制は、消費者のみならず商品、サービスを提供する事業者の経済活動を縮小させ、貧困化を助長させており、その結果、クレジットカードが使用できない生活困窮者を増やし、経済活動を急激に委縮化させている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.jaccs.co.jp/service/point/
【非特許文献2】https://www.cr.mufg.jp/nicos/point/waiwai/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、クレジットカードの上述したような現状や、現在の市場で購買されている商品、サービスが大手企業が主体となって複雑なルートを通じて販売され、そのため、消費者は割高な価格で購買を強いられ、貧困者は阻害されている状況を打破するため鋭意検討した結果として到達したもので、運営者が商品やサービスの取引を会員のみに限定したクローズドマーケットを特別に構築して、そこで購買する消費者には資金的融通を図ることで、購買活動を活発にし、購買活動で得た利益を消費者に還元させるという新規な取引支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的で提供される本発明は、商品、サービスの取引を、会員に限定したクローズドマーケットにおける取引支援システムであって、会員を登録する会員登録手段と、会員にクローズドマーケットにおける商品、サービスの交換取引を可能にするクレジットポイントの与信枠を割当てるクレジットポイント与信枠割当手段とを備え、前記クレジットポイントは、前記会員が前記クローズドマーケットで商品、サービスの交換取引をしたときに所定期間内に決済されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、クローズドマーケットに参加する会員には、予め特定されたクレジットポイントの与信枠を割当てて、その与信枠内でクレジットポイントと商品、サービスとの交換取引を許容するので、会員には資金的融通が図られ、クローズドマーケットにおける購買活動も活性化する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明支援システムの基本的な構成図である。
図2】本発明の基本的な処理手順を示すフロー図である。
図3】クローズドマーケットの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明によるクレジットポイント交換取引支援システムの基本的な構成図である。
この取引支援システム1は、商品やサービスの取引を、会員に限定したクローズドマーケット2での取引を支援するシステムである。会員は、特定商品やサービスの定期購入者であってもよい。
【0009】
クローズドマーケット2は、その運営業者と契約した店舗の商品、サービスをクレジットポイントとの交換取引によって会員に提供する仕組みとし、商品、サービスの金銭等による購入はできないようになっている。
クレジットポイントは、会員毎に割り当てた与信枠内で会員の申込みに応じて発行され、発行済みのクレジットポイントは後日決済されるようになっている。なお、会員がクローズドマーケット2の運営業者の関連企業から何らかの商品、サービスを購入した際に、おまけとして発行されたポイント等もこのクレジットポイントに含めることができる。
これらは、クローズドマーケットを主宰する運営者と、会員との間で締結される会員約款などによって予め規定されている。
【0010】
会員自身もクローズドマーケット2において、ポイントと交換取引されるべき商品、サービスを提供できるようにしてもよい。また会員がクローズドマーケット2における出店店舗を紹介したときには、紹介した登録会員に対して当該店舗の売上額に応じた利益が分配還元されるようにしてもよく、そうすればクローズドマーケット2内の店舗を会員参加型で拡大し、発展を図ることができる。
【0011】
クローズドマーケット2は、インターネット上の専用サイトにアクセスして、クレジットポイントと商品、サービスとの交換取引を行うものとしてもよいが、カタログ本等の紙媒体を通じて、クレジットポイントと商品、サービスとの交換取引を行うものとしてもよい。
【0012】
クローズドマーケット2での取引は、商品やサービスをクレジットポイントと交換する取引方法に限定される。しかしながらクローズドマーケット2において商品、サービスの通常の市販価格を併記することにより、会員は市場の商品、サービスとの価格を比較して、安心して取引することが可能になる。
【0013】
取引支援システム1は、その構成要素として、会員を登録する会員登録手段10と、会員に、クローズドマーケット2における商品、サービスの取引を可能にするクレジットポイントの与信枠を割当てるクレジットポイント与信枠割当手段11と、その与信枠内で会員にクレジットポイントを発行するクレジットポイント取引管理手段12とを備える。
【0014】
会員登録手段10は、顧客から入会申請を受けたときに所定基準によって資格判断して会員登録する手段である。このときの基準は一般的なクレジットカードの入会基準よりも穏やかなものとすることが望ましい。またクレジットポイント与信枠割当手段11は、会員の属性情報に基づいて会員毎に与信枠を割り当てて所定方法によって通知する手段である。
【0015】
会員登録手段10は、クローズドマーケット2の運営業者の関連企業等が健康食品や化粧品等を販売している場合であれば、その定期購入者(代金支払いに問題がない)については与信状況を把握できることから、その定期購入の取引実績に基づいて会員資格を判断してもよい。
この場合、クレジットポイント与信枠割当手段11は、会員の定期購入額を基準として、与信枠を割り当ててもよいし、会員の所得などに応じて、希望する金額を割り当ててもよい。低所得者向けに、生活必要額基準を設けて割り当てれば、貧困化を防止できる。
このような構成とすれば、会員はたとえ低所得者であってもクローズドマーケット2を利用できるようになる。
【0016】
クレジットポイント与信枠割当手段11は、例えば会員の定期購入額に応じて、与信枠を月単位で割当てることができる。仮に会員の定期購入が年間12万円であれば、与信枠は毎月12万円としてもよい。なおポイントの円レートは任意である。例えば1ポイント1円相当であってもよいし、1ポイント10円相当であってもよい。
【0017】
クレジットポイントの決済は、例えば月締めで行われてもよく、最長60日決済でもよい。与信枠は、会員が各月に商品、サービスと交換できるクレジットポイントの使用限度額になっている。
【0018】
クレジットポイント取引管理手段12は、会員からの申込みに基づいてクレジットポイントを発行するが、その都度、クレジットポイントの発行残高が与信枠内となるか否かの判定を行う。当然であるが、クレジットポイントの発行残高が与信枠を超えてしまう場合は、クレジットポイントを発行せずに交換取引を禁止するが、緊急な場合など必要なときには、特別枠を設けて貸付けるようにしてもよい。
【0019】
更に詳細に説明すると、会員は、インターネットのサイトやカタログなどからクローズドマーケット2の商品、サービスを閲覧し、所望の商品、サービスを選択してポイントと交換するが、このときクレジットポイント取引管理手段12は、会員に発行されたクレジットポイントの現残高で交換取引が可能か否かを判断し、可能であればクレジットポイントによる商品、サービスとの交換を許可する。しかし一方で現残高が不足してしまう場合には、通常は交換取引を禁止するが、この場合、特別な契約によって、更にクレジットポイントを貸付けてもよい。
そしてクレジットポイントを発行した場合は、それに相当する金額を、予め約款などで規定した方法、例えば、月締め、最長60日、などで請求額に組み込む処理を行う。
なお月締めの一括支払いに限定されることはなく、分割払い、リボルビング払いを選択できるようにしてもよい。また、会員が支払いを遅延する場合には、特別な貸付を行ったり、決済日を延長してもよい。
またクレジットポイント取引管理手段12は、更にクレジットポイントと交換されるべき商品を仕入れる処理と、その商品をポイントとの取引交換によって会員に引き渡す処理とを行う。なお業者からの仕入れはポイント交換とせずに通常の決済とすればよい。
【0020】
前記のような取引支援システム1は、具体的には、会員の通信端末、決済機関のシステム等とネットワーク通信が可能なコンピュータ装置と、そのコンピュータ装置にインストールされ前記各手段の機能を実行させるコンピュータ用プログラムとで構成される。
【0021】
本発明では以上のように、会員毎に商品、サービスと交換可能なクレジットポイントの与信枠を割当てて、その与信枠内でのポイント交換取引を許容しているので、会員には資金的融通が図られ、クローズドマーケット2という限定された範囲内ではあるが、商品、サービスの購買が促進されて会員の囲い込みも出来る。
またクレジットカードが使用できない低所得者等に対しても、クレジットポイントを用いた交換取引によって商品、サービスが提供されるので、社会全体の経済活動を活性化させるという効果も期待できる。
本発明においてクレジットポイントの与信枠は、会員の取引履歴や会員の所得などによって定める他、日本の平均的な家族所帯が生活できる最小限度の経費を基準にして定めてもよい。例えば、日本の平均的な家族3人が食に困らず、生活できる費用が約12万円といわれているので、会員の入会時に、12万円相当のクレジット枠/月を与えるように設定しておけば、会員には最低限度の生活が確保できることになり、貧困化を防止できることになる。
【0022】

図2は、取引支援システムの基本的な処理手順を示すフロー図である。
ステップS1は、会員を登録する処理である。
ステップS2は、会員にクレジットポイント与信枠を割り当てる処理である。
ステップS3は、会員にクローズドマーケットを提供する処理である。
ステップS4は、会員が所望の商品についてポイント交換を申し込む処理である。
ステップS5は、ポイント交換の申込に対する与信処理である。
ステップS6は、ポイントを発行する処理である。
ステップS7は、ポイント交換されるべき商品の仕入れ処理である。
ステップS8は、商品とポイントとを交換して会員に引き渡す処理である。
ステップS9は、与信処理した金額を月締め請求に組み込む処理である。
【0023】
図3は、クローズドマーケットの一例であり、インターネット上の専用サイトとして構成されている。図示は、会員が専用サイトにログインしてマイページを開いた状態である。
【0024】
マイページの画面上段部には、会員氏名A1、クレジットポイント与信枠A2が設けられ、その下に商品検索用の入力欄A3が設けられている。クレジットポイント与信枠A2には会員に最初に割当てられたポイントが交換取引によって順次減算され、現利用可能ポイントが表示されるようになっている。
画面中段部には、検索された商品を掲載されている商品一覧ページが表示される。
商品毎に表示される情報A4としては、商品画像A5、商品名A6、商品説明、交換に必要なポイント数A7等がある。また商品毎に交換個数の入力欄A8と、「カートに入れる」ボタンA9が設けられている。
また画面下段部には、カートに入れられた商品合計に対して必要なポイント数A10が表示されている。何らかの商品をカートに入れた状態で「カートを見る」ボタンA11を操作すると、そのカートに入った商品についてポイント交換を申し込むための手続きを実行するためのページ(図示なし)にジャンプするようになっている。
なお、図例では、インターネットの特定サイトからクローズドマーケットを閲覧して、商品、サービスを選択する例を示したが、クローズドマーケットに出展された商品、サービスをカタログに掲載し、会員はカタログを閲覧して、商品、サービスを選択するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 取引支援システム
2 クローズドマーケット
10 会員登録手段
11 クレジットポイント与信枠割当手段
12 クレジットポイント取引管理手段
図1
図2
図3