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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032370
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】エポキシ樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/04 20060101AFI20230302BHJP
   C08G 59/46 20060101ALI20230302BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20230302BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20230302BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20230302BHJP
   C09J 11/00 20060101ALI20230302BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20230302BHJP
   H02K 3/46 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
C08G59/04
C08G59/46
C08L63/00 C
C09J163/00
C09J11/08
C09J11/00
C09J11/04
H02K3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138462
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000216243
【氏名又は名称】田岡化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅子
(72)【発明者】
【氏名】石黒 美幸
(72)【発明者】
【氏名】河村 芳範
【テーマコード(参考)】
4J002
4J036
4J040
5H604
【Fターム(参考)】
4J002BG033
4J002CD05W
4J002CD06W
4J002CD13W
4J002CD17W
4J002DE236
4J002DJ016
4J002ER007
4J036AA01
4J036AA05
4J036AC14
4J036AD00
4J036AE00
4J036AG00
4J036AJ02
4J036AJ03
4J036DC31
4J036FA03
4J036FA05
4J036FB03
4J036HA12
4J036JA05
4J036JA06
4J040CA032
4J040DF042
4J040DF052
4J040EC051
4J040EC061
4J040EC071
4J040HA196
4J040HA306
4J040HC16
4J040KA16
4J040KA42
4J040LA06
4J040NA19
5H604AA02
5H604AA05
5H604BB01
5H604BB03
5H604DA15
5H604DB03
(57)【要約】
【課題】
耐熱性に優れ(ガラス転移温度が高く)、且つ剥離接着強度が高い硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】
(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子、(D)増粘粒子、(E)潜在性硬化剤、及び(F)無機フィラーを特定の割合で含むエポキシ樹脂組成物によれば、前記課題が解決可能であることを見出した。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下(A)~(F):
(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂
(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子
(D)増粘粒子
(E)潜在性硬化剤
(F)無機フィラー
を含み、(B)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し35~65重量部であり、(C)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し6~35重量部であり、(D)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し5~13重量部であり、(F)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し0.5重量部以上であり、且つ(C)及び(F)の合計含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し27~45重量部である、エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂として、少なくともアミノフェノール型エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
(E)潜在性硬化剤として、少なくともジシアンジアミドを含む、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
(F)無機フィラーとして、少なくともシリカ及び炭酸カルシウムを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
(D)増粘粒子として、少なくともコアシェル構造を有さないアクリル酸エステル系重合物及び/又はメタクリル酸エステル系重合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて含浸固着させたコイル。
【請求項7】
請求項6に記載のコイルを有するモータ及び/又は発電機。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いた構造用接着剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂組成物に関する。特に、モータや発電機に使用されている絶縁コイルを固着するために用いられるエポキシ樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や鉄道をはじめとする車両や産業機械に組み込まれているモータや発電機のエナメル被覆された絶縁コイルは、湿気、塵埃などの使用環境の影響、または、モータ又は発電機のローターの高速回転運動の振動や、それらを搭載する自動車等の機器からの振動もしくは衝撃によって、被膜の絶縁性低下による隣接コイル間の短絡、または、振動等で発生する摩擦によるコイルの断線などによるモータの停止等の危険性がある。このような絶縁性の低下を防止し、絶縁コイルの損傷・切断から保護するために、絶縁コイル間に液状のエポキシ樹脂を含浸硬化させ、絶縁コイル同士の固着及びそれらを鉄芯に接着させることが行なわれている。
【0003】
近年、この含浸固着用エポキシ樹脂組成物に求められる特性は、特に自動車用途におい
て厳しくなってきている。自動車における駆動機構のハイブリッド化の流れを受け、自動
車用のモータ、特に駆動モータおよび発電機が小型化・高出力化しており、これに伴い、コイルの巻き線密度の向上、回転数の増加から、発熱量が増加し、従来から使用されている含浸固着用エポキシ樹脂では耐熱性が不足してきている。
【0004】
この問題を解決する為に、例えば、特許文献1には、常温で液状のエポキシ樹脂、無水メチルハイミック酸および潜在性硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組成物が提案されているが、上述の耐熱性向上の要求に対しては充分に応えられるものではなかった。
【0005】
また、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させる他の手法としては、多官能エポキシ樹脂を用いて架橋密度を向上させる方法が知られている。例えば、特許文献2には、1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂を、液状のエポキシ樹脂に溶解させて得られる混合エポキシ樹脂と、液状の硬化剤と、硬化促進剤とを配合した一液型エポキシ組成物が提案されている。該組成物は架橋密度の向上により高ガラス転移温度となり、耐熱性は向上する反面、剥離接着強度が不十分となる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2008/032704号パンフレット
【特許文献2】特開2013-181124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、耐熱性に優れ(ガラス転移温度が高く)、且つ剥離接着強度が高い硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために種々検討した結果、(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子、(D)増粘粒子、(E)潜在性硬化剤、及び(F)無機フィラーを特定の割合で含むエポキシ樹脂組成物によれば、前記課題が解決可能であることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を含む。
【0009】
〔1〕
以下(A)~(F):
(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂
(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子
(D)増粘粒子
(E)潜在性硬化剤
(F)無機フィラー
を含み、(B)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し35~65重量部であり、(C)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し6~35重量部であり、(D)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し5~13重量部であり、(F)の含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し0.5重量部以上であり、且つ(C)及び(F)の合計含有量が(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し27~45重量部である、エポキシ樹脂組成物。
【0010】
〔2〕
(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂として、少なくともアミノフェノール型エポキシ樹脂を含む、〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
【0011】
〔3〕
(E)潜在性硬化剤として、少なくともジシアンジアミドを含む、〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
【0012】
〔4〕
(F)無機フィラーとして、少なくともシリカ及び炭酸カルシウムを含む、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
【0013】
〔5〕
(D)増粘粒子として、少なくともコアシェル構造を有さないアクリル酸エステル系重合物及び/又はメタクリル酸エステル系重合物を含む、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
【0014】
〔6〕
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いて含浸固着させたコイル。
【0015】
〔7〕
〔6〕に記載のコイルを有するモータ及び/又は発電機。
【0016】
〔8〕
〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いた構造用接着剤。
【発明の効果】
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐熱性に優れ(ガラス転移温度が高く)、且つ剥離接着強度が高いとの特徴を有する。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、モータや発電機等に用いられる絶縁コイル同士の固着及びそれらの鉄芯への接着や、構造用接着剤として好適に使用することができる。
【0018】
一般的にエポキシ樹脂は、ゴム系改質剤の添加等により架橋密度を低下させることで、エポキシ樹脂の塑性変形能力を向上させ、高靭性化させることによって剥離接着強度を高める手法が定法となっている一方、架橋密度を低下させることは、耐熱性を低下させることにも繋がるため、通常、ゴム系改質剤が添加されたエポキシ樹脂においては、高剥離接着強度と高耐熱性の両立は困難とされてきた。しかしながら、本発明では、前述した構成を有するエポキシ樹脂組成物とすることにより、高剥離接着強度と高耐熱性との両立を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子、(D)増粘粒子、(E)潜在性硬化剤、及び(F)無機フィラーを含有する。
【0020】
<(A)1分子内に2個のエポキシ基を有エポキシ樹脂>
本発明において用いられる1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、アルキレンオキシド変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アルキレンオキシド変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノールエポキシ樹脂、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(シクロヘキセン若しくはシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイド若しくはシクロペンテンオキサイド含有化合物、または、少なくとも1個の脂環族環を有する2価以下アルコールのポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂等)、カテコール、レゾルシン等の2価フェノール、または1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール等の2価アルコールとエピハロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、p-オキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル、フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、長鎖二塩基酸等のポリカルボン酸とエピハロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル等が挙げられる。
【0021】
上記した1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、絶縁コイル同士の狭い間隔の隙間への流れ込みが向上することから、少なくとも1種類は、常温(25℃)で液状であることが好ましい。
【0022】
上記した1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の中でも、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が用いられる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフェノールF型エポキシ樹脂は、比較的安価に入手することが可能であるので好ましい。
【0023】
これら1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、市販品を用いてもよい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、D.E.R.331、D.E.R.383(以上、OLIN社製)、jER828、jER828EL(以上、三菱ケミカル社製)、エピクロン850、エピクロン850-S(以上、DIC社製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER807(三菱ケミカル社製)、エピクロン830、エピクロン830-S(以上、DIC社製)等が挙げられる。
【0024】
1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
<(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂>
本発明に用いられる1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、芳香族アミン型エポキシ樹脂、脂肪族アミン型エポキシ樹脂、脂環式アミン型エポキシ樹脂、ジフェニルジアミノメタン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等のグリシジルアミン型エポキシ化合物、トリメチロールプロパンポリグリジシルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂、エポキシ変性ブタジエン、エポキシ変性アクリル‐スチレン系ポリマー等のエポキシ基含有ポリマー等が挙げられる。
【0026】
上記した1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、絶縁コイル同士の狭い間隔の隙間への流れ込みが向上することから、少なくとも1種は、常温(25℃)で液状であることが好ましい。
【0027】
上記した1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂の中でも、好ましくは、芳香族アミン型エポキシ樹脂(例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、テトラグリシジルメタキシレンジアミン等)、及びアミノフェノール型エポキシ樹脂(例えば、N,N,O-トリグリシジル-p-アミノフェノール、N,N,O-トリグリシジル-p-アミノ-m-クレゾール等)、より好ましくは、アミノフェノール型エポキシ樹脂が用いられる。
【0028】
これら1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、市販品を用いてもよい。芳香族アミン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER604(N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、三菱ケミカル社製)、スミエポキシELM-434、ELM-434VL、ELM-434L(以上N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、住友化学社製)、TETRAD-X(テトラグリシジルメタキシレンジアミン、三菱ガス化学社製)等が挙げられる。アミノフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER630(N,N,O-トリグリシジル-p-アミノフェノール、三菱ケミカル社製)、スミエポキシELM-100H、ELM-100(N,N,O-トリグリシジル-p-アミノ-m-クレゾール、住友化学社製)等が挙げられる。
【0029】
1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】
<エポキシ樹脂組成物中に含まれる(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合>
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる(B)の量は、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し、通常35~65重量部、好ましくは40~60重量部であり、より好ましくは50~60重量部である。35~65重量部の範囲であれば、高耐熱性(ガラス転移温度)を維持しつつ、剥離接着強度を向上させることができる。
【0031】
<(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子>
本発明におけるコア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子とは、ジエン系のゴム状ポリマーを主成分とするコア部と、これを被覆するポリマー成分を主成分とするシェル層とから構成されるポリマー粒子である。コア部のジエン系ゴム状ポリマーとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン系モノマーの重合体が挙げられる。コア部を被覆するポリマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、シアン化ビニル系モノマー等の(共)重合体、シリコーンレジンが挙げられる。
【0032】
コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子は市販品を用いてもよい。例えば、カネカ社製のカネエース(例えば、B-11A、B-521等のBシリーズ、M-701、M-711、M-732等のMシリーズ等)、三菱ケミカル社製のメタブレン(例えば、C-223A等のCタイプ、E-870A、E-875A等のEタイプ等)等が挙げられる。
【0033】
これらコア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子は、微粉末の状態で使用することができ、この場合には、微粉末を上記記載の(A)1分子内に2個以下のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び/または(B)1分子に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂中になるべく均一に分散させ、凝集物やダマが生じないよう配合する。また、コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子は、これを予めエポキシ樹脂に分散させた分散体(以下、ゴム粒子分散体と称する場合がある)に調製してから、上記記載の(A)1分子内に2個以下のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び/または(B)1分子に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂に配合して用いてもよい。ゴム粒子分散体において、コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子を分散するエポキシ樹脂としては、25℃で液状であればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族アミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ゴム粒子分散体に占めるコア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子の割合は、例えば、25重量%~40重量%、好ましくは30重量%~40重量%である。また、ゴム粒子分散体は、コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子を1次粒子の状態で分散させたものであると、本発明のエポキシ組成物にコア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子をより高濃度に配合、分散することができ、よりコアシェル型ゴム粒子の物性が発現されるため好ましい。
【0034】
ゴム粒子分散体の市販品としては、例えば、カネカ社製のカネエースMXシリーズ(例えば、MX-153、MX-257、MX-154、MX-136、MX-267、MX-217、MX-416、MX-451)等が挙げられる。これらゴム粒子分散体の市販品の中でも、コアシェル型ゴム粒子が高濃度に分散されているカネエースMX-267(ブタジエン系ゴム37%重量部ビスフェノールF型エポキシ分散体)、カネエースMX-153(ブタジエン系ゴム33%重量部ビスフェノールA型エポキシ分散体)、カネエースMX-257(ブタジエン系ゴム37%重量部ビスフェノールA型エポキシ分散体)、カネエースMX-154(ブタジエン系ゴム40%重量部ビスフェノールA型エポキシ分散体)が好ましい。
【0035】
これらコア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子及びゴム粒子分散体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
<エポキシ樹脂組成物中に含まれる(C)コア部がジエン系ゴムのコアシェル型ゴム粒子の割合>
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる(C)の量は、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し、通常6~35重量部、好ましくは11~30重量部である。
【0037】
<(D)増粘粒子>
本発明において増粘粒子とは、熱可塑性樹脂もしくはこれを主とするものであり、(A)1分子内に2個以下のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び/又は(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、常温(25℃)で均一に分散でき、この分散体を加熱すると特有の温度域において膨潤し、さらに加熱すると膨潤が進行、急激に増粘し、分散媒のエポキシ樹脂に溶解、あるいは層を形成し、硬化時の相分離によって海島構造のドメインを形成するものである。なお、コアシェル構造を有する粒子は、エポキシ樹脂組成物中で膨潤し難く、粘度を上昇させる効果が低いため、本発明における増粘粒子には含まれない。また、増粘粒子は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化温度以下で増粘および膨潤することが好ましい。
【0038】
本発明で用いる増粘粒子としては、熱可塑性樹脂もしくはこれを主とするものであることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、常温で固体のもの、さらには粉体、微粒子として使用できるものが好ましく、具体的には、例えば、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、ビニル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を単量体単位とする樹脂を含むことが好ましく、メタクリル酸エステル系化合物を単量体単位とする樹脂を含むことがより好ましい。
【0039】
上記アクリル酸エステル系化合物とは、アクリル酸エステル構造を有する化合物とその誘導体をいい、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等が挙げられる。
【0040】
上記メタクリル酸エステル化合物とは、メタクリル酸エステル構造を有する化合物とその誘導体をいい、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n - プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n - ブチルメタクリレート、n - ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
【0041】
上記ビニル化合物とは、重合可能なビニル構造を有する化合物をいい、例えば、スチレン、α - メチルスチレン、ジビニルベンゼン及びこれらの芳香環がアルキル基やハロゲン原子等の種々の官能基で置換された化合物等が挙げられる。
【0042】
また、増粘粒子は、単一の熱可塑性樹脂から構成されていてもよく、異なる2種以上の熱可塑性樹脂から構成されていてもよい。
【0043】
増粘粒子は市販品を用いてもよい。増粘粒子の市販品としては、例えば、アイカ工業社製のゼフィアックF325 、ゼフィアックF320等の、コアシェル構造を有さないポリメチルメタクリレートからなる粒子が挙げられる。
【0044】
これら増粘粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0045】
また、増粘粒子は、予めエポキシ樹脂に分散させたものを使用してもよい。予めエポキシ樹脂に分散させたものを使用すれば、均一分散に至るまでの攪拌混合時間を短縮することができる。分散に用いられるエポキシ樹脂は、25℃で液状であればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族アミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0046】
<エポキシ樹脂組成物中に含まれる(D)増粘粒子の割合>
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる(D)の量は、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し、5~13重量部、好ましくは7~11重量部である。5~13重量部の範囲であれば、高耐熱性(高ガラス転移温度)を維持しつつ、剥離接着強度を向上させることができる。
【0047】
<(E)潜在性硬化剤>
本発明において用いられる潜在性硬化剤としては、例えば、ジヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、イミダゾールアダクト系化合物、アミンアダクト系化合物、変性脂肪族ポリアミン化合物等が挙げられる。ジヒドラジド化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、味の素テクノファイン社製のアミキュアVDH、アミキュアUDH等が挙げられる。イミダゾール化合物としては、例えば2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。イミダゾールアダクト系化合物としては、例えば、味の素テクノファイン社製アミキュアPN-23、アミキュアPN-R等が挙げられ、アミンアダクト系化合物としては、例えば、味の素テクノファイン社製アミキュアMY-24、アミキュアMY-R、特開昭57-100127号公報又は特開2017-178981号公報に示されたアダクト系化合物等が挙げられる。変性脂肪族ポリアミン化合物としては、例えば、T&K TOKA製フジキュアーFXE-1000、FXR-1121等が挙げられる。潜在性硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0048】
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる(E)の量は、特に限定されないが、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し、例えば、2~20重量部、好ましくは8~14重量部である。
【0049】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記潜在性硬化剤の中でも、金属との接着性をより向上させる観点から、少なくともジシアンジアミドを含むことが好ましい。また、ジシアンジアミドは単独で使用することもできるが、単独で使用した場合、硬化に180℃以上の加熱が必要となることから、より低温で硬化させたい場合には、ジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤と併用することが好ましい。ジシアンジアミドと併用する潜在性硬化剤としては、イミダゾールアダクト系化合物、アミンアダクト系化合物が好ましい。
【0050】
ジシアンジアミドとジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤とを併用する場合、前記(A)及び(B)のエポキシ樹脂全体の合計量100重量部に対し、例えば、ジシアンジアミドの含有量は1~10重量部、ジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤の含有量は0.5~30重量部であり、好ましくはジシアンジアミドの含有量は1~5重量部、ジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤の含有量は3~20重量部である。
【0051】
また、ジシアンジアミド及び/又はジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤は、予めエポキシ樹脂に分散させたものを使用してもよい。予めエポキシ樹脂に分散させたものを使用すれば、均一分散に至るまでの攪拌混合時間を短縮することができる。分散に用いられるエポキシ樹脂は、25℃で液状であればよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族アミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0052】
<(F)無機フィラー>
本発明において用いられる無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラスフィラー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ等が挙げられる。無機フィラーは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0053】
<エポキシ樹脂組成物中に含まれる(F)無機フィラーの割合>
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる(F)の量は、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し、0.5重量部以上、好ましくは30重量部以下である。また、(C)及び(F)の合計含有量は、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対し、27~45重量部、好ましくは29~37重量部である。(C)の含有量が6~35重量部、(F)の含有量が0.5重量部以上、且つ(C)及び(F)の合計含有量が27~45重量部、の範囲であることにより、高耐熱性(高ガラス転移温度)を維持しつつ、剥離接着強度を向上させることができる。また、室温(25℃)での粘度が高くなり過ぎず、ハンドリング性に優れたエポキシ樹脂組成物となる。
【0054】
<その他の成分>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、(C)及び(D)以外の有機フィラー、カップリング剤、着色剤、非反応性希釈剤等を配合することができる。(C)及び(D)以外の有機フィラーとしては、例えば、コアがアクリルゴム系であるコアシェル型ゴム粒子や、コアがシリコーンゴム系であるコアシェル型ゴム粒子等が挙げられる。カップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。非反応性希釈剤としては、例えば、キシレン、セロソルブ等の有機溶剤や、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソノニル、リン酸トリクレジル等の可塑剤等が挙げられる。
【0055】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記その他成分の他、必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、湿潤分散剤、難燃性、安定化剤等を配合することができる。
【0056】
<エポキシ樹脂組成物の調製方法>
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法は、通常のエポキシ樹脂組成物の調製方法と同様に一般的な撹拌混合装置と混合条件が適用される。使用される装置としては、ミキシングロール、ディゾルバ、プラネタリミキサ、ニーダ、押出機等である。混合の際、エポキシ樹脂等を溶解および/または低粘度化し、撹拌混合効率を向上させるために加熱してもよい。また、摩擦発熱、反応発熱等を除去するために必要に応じて冷却してもよい。撹拌混合の時問は必要により定めればよく、特に制約されることはない。
【0057】
次に、本発明の硬化物について説明する。本発明の硬化物は、本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱により硬化して得ることができる。具体的には、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を80~200℃で10分間~10時間加熱することで硬化物を得ることができる。
【0058】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、粘度が高過ぎず(例えば、室温(25℃)における粘度が500Pa・s以下)、ハンドリング性に優れる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物を上記のように硬化させて得られる硬化物は、ガラス転移温度が150℃以上となり、且つ、剥離接着強度が高いことから、特に、モータや発電機等に用いられる絶縁コイル同士の固着及びそれらの鉄芯への接着等に好適に用いられる。また、高耐熱性と高剥離強度に優れることから、自動車車体、自動車部品、工作機、航空機部品、変電機、その他溶接を必要とする箇所等に使用される構造用接着剤としても好適に用いることができる。なお、本発明におけるガラス転移温度、剥離接着強度および粘度とは、後述する実施例の項に記載の条件にて測定された値である。
【0059】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は必要に応じ、(A)1分子以内に2個以下のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び(B)1分子内に2個より多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂のうち、少なくともいずれか1種を25℃で液状であるものを使用することにより、25℃で液状であるエポキシ樹脂組成物とすることができる。
【実施例0060】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0061】
(実施例1~9、比較例1~9)
表1及び表2に従って各成分をそれぞれ計量し、撹拌脱泡機(ARE-300(シンキー社製)を使って撹拌混合することで、各実施例および比較例に係るエポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて下記の方法で各種試験を行い、得られた試験結果を下記評価基準に従って評価した。評価結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2中の各成分の配合量は、特に断りのない限り重量部である。また、表1中の(C)の欄、及び表2中の(C)、(C´)の欄には、各製品に含まれるコアシェル型ゴム粒子の量を記載し、分散媒であるエポキシ樹脂の量は、(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の欄に記載した。
【0062】
(ガラス転移温度の測定)
各実施例および比較例で得られたエポキシ樹脂組成物を、それぞれ130℃で60分間硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物から3mm×5mm×5mmの試験片を作成し、作成した試験片について熱機械分析装置(TMA-7100 (日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、温度範囲を30-270℃、5℃/分とし、圧縮モードで、測定を行った。TMA曲線より、ガラス転移温度(Tg)を求めた。以下に示す基準に従って接着力を判定した結果を表1及び表2に示す。
(ガラス転移温度の評価基準)
・150℃以上:○
・150℃未満:×
【0063】
(剥離接着強度(T型、鋼-鋼)の測定)
各実施例および比較例で得られたエポキシ樹脂組成物を、それぞれ2枚の鋼板(0.3mm×25mm×150mm)の間に塗布し、張り合わせ、130℃で30分間硬化させて試験片を作成した。作成した試験片についてJISK6854-3におけるT形剥離接着強度の測定方法に準拠して、鋼-鋼での接着力を測定した。以下に示す基準に従って接着力を判定した結果を表1及び表2に示す。
(剥離接着強度(T型、鋼-鋼)の評価基準)
・1.5[N/mm]以上:◎
・1.5[N/mm]未満、1.2[N/mm]以上:○
・1.2[N/mm]未満:×
【0064】
(粘度の測定)
各実施例および比較例で得られたエポキシ樹脂組成物をE型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:TV-25 typeH、適用コーンプレート型ロータ:3°×R14)を用いて、温度25℃、回転数1rpmでの値を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0065】
なお、表1及び表2中の各成分は以下の通りである。
(A)1分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
・D.E.R331:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(OLIN社製)
・jER807:ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製)
(B)1分子内に2個より多いグリシジル基を有するエポキシ樹脂
・jER630:アミノフェノール系3官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製)
・ELM-100:アミノクレゾール系3官能エポキシ樹脂(住友化学社製)
(C)コア部がジエン系ゴムであるコアシェル型ゴム粒子
・カネエースMX-154:40重量%ブタジエンゴム系コアシェル型ゴム粒子含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂分散体(カネカ社製)
(C’)その他のコアシェル型ゴム粒子
・カネエースMX-960:25重量%シリコーンゴム系コアシェル型ゴム粒子含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂分散体(カネカ社製)
(D)増粘粒子
・ゼフィアックF320:ポリメタクリル酸エステル系有機微粒子(アイカ工業社製)
(E)潜在性硬化剤
・ジシアンジアミド
・フジキュアFXR-1121:変性脂肪族ポリアミン化合物(T&K TOKA社製)
(F)無機フィラー
・アエロジル200:親水性溶融シリカ(日本アエロジル社製)
・ミクローン200:脂肪酸処理軽質炭酸カルシウム(ニューライム社製)
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】