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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032432
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ゴルフ練習装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230302BHJP
   F16H 37/12 20060101ALI20230302BHJP
   F16H 27/08 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A63B69/36 513A
F16H37/12 Z
F16H27/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138561
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】595116902
【氏名又は名称】大亦 絢一郎
(72)【発明者】
【氏名】大亦 絢一郎
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA44
3J062AB02
3J062AB04
3J062AB22
3J062AB31
3J062AC01
3J062AC07
3J062CE02
3J062CG95
(57)【要約】
【課題】ゴルフプレーヤーが、ヘッドアップしないで、ボールを良く見て打球することを訓練するための、ゴルフ練習装置を提供すること。
【解決手段】汎用モータ3とウオーム減速機4と板カム7を用いて、スライダ機構11と押し付けばね12で支持された移動板8上に、ティー14を介して置かれた練習用ボール15を間欠往復運動させ、練習者がボールを良く見て、ボールの静止時に打球するようにした。又、練習者に対する同様な効果を得るために、汎用モータとウオーム減速機と欠歯歯車機構を用いて、従動軸側欠歯歯車の上面にティーを介して置かれた練習用ボールを間欠円運動させた。これらの間欠往復運動及び間欠円運動は、制御用モータと制御装置を用いても、実現できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウオーム減速機により減速された汎用モータの回転を、前記ウオーム減速機の出力軸に取り付けた卵形の板カムに伝え、当該板カムの回転により、スライダ支持機構とばねで支持されたスライダ、並びにスライダに固定した移動板を間欠往復運動させると共に、
前記移動板の上面に、ティー支持台とティーを介して置かれた練習用ゴルフボールを間欠往復運動させ、当該間欠往復運動中にボールが静止するのを見て、練習者がボールを打球するようにしたことを特徴とする、ヘッドアップ防止用ゴルフ練習装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフ練習装置において、汎用モータとウオーム減速機と板カムを用いる代わりに、制御用モータとボールねじと制御装置を用い、
ボールねじを繰り返し回転-停止させることにより、ボールねじと噛み合っているスライダを間欠往復運動させ、当該スライダの上面にティー支持台とティーを介して置かれた練習用ゴルフボールを間欠往復運動させることを特徴とする、ヘッドアップ防止用ゴルフ練習装置。
【請求項3】
ウオーム減速機により減速された汎用モータの回転を、前記ウオーム減速機の出力軸に取り付けた駆動軸側欠歯歯車に伝え、当該駆動軸側欠歯歯車の回転を、スラストベアリングで支持された従動軸側欠歯歯車の間欠円運動に変換し、
前記従動軸側欠歯歯車の上面に、ティー支持台とティーを介して置かれた練習用ゴルフボールを間欠円運動させ、当該間欠円運動中にボールが静止するのを見て、練習者がボールを打球するようにしたことを特徴とする、ヘッドアップ防止用ゴルフ練習装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゴルフ練習装置において、汎用モータとウオーム減速機と欠歯歯車機構を用いる代わりに、制御用モータと制御装置を用いて、制御用モータの出力軸に取り付けた円板を間欠円運動させ、
当該円板の上面に、ティー支持台とティーを介して置かれた練習用ゴルフボールを間欠円運動させることを特徴とする、ヘッドアップ防止用ゴルフ練習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフのヘッドアップ防止用練習装置に係わり、ティー(球座)の上に置かれた練習ボールにゆっくりとした間欠往復運動、又は間欠円運動を与えることにより、練習者がボールを良く見て打球するようにした、ヘッドアップ防止用練習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボール(以下、単にボールと呼ぶ)を狙った方向に、遠くまで飛ばすための条件の一つは、打球時に、プレーヤーがヘッドアップをしないで、ボールを良く見て打球することである。
【0003】
ボールを良く見て打球することを練習するための方策の一つは、ボールにゆっくりとした往復運動と静止、又は円運動と静止を繰り返す、間欠運動を与えることである。これにより、練習者は常にボールの動きを注視し、静止している間にボールを良く見て打球することを習得できる。
【0004】
ボールを良く見て打球するためのヘッドアップ矯正装置としては、インパクト直前にボールが地面の下から地面の上に上昇するようにした、下記特許文献1の矯正装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2013-524925号公報
【0006】
上記特許文献1に記載のゴルフ練習装置では、ゴルフのティーショット練習の時、スイング速度が所定値以上である場合のみ、インパクト直前にボールが地面の下から地面の上に上昇するように設定することによって、ボールが置かれた位置から目を離すことが出来ないようにする(即ち、ヘッドアップを防止する)とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載のゴルフ練習装置では、練習者がクラブを振り出した時のスイング速度が所定値以上である場合のみ、ボールが地面の下から上昇して来て見えるようになるので、ボールが見えてから打球する迄の時間が少なく、ボールを良く見て打つための練習としては、不十分なものと言える。
(発明の目的)
【0008】
本発明は、ゴルフ練習者が、決められた時間内にボールを良く見て打球することを練習することにより、ヘッドアップを防止できるようなゴルフ練習装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係わるゴルフ練習装置では、ティーの上に置かれたボールが、ゆっくりとした水平面内の往復運動と静止を繰り返す間欠運動、又はゆっくりとした水平面内の円運動と静止を繰り返す間欠運動を行うようにした。
【発明の効果】
【0010】
ゴルフのプレーにおいて、打球の際によくヘッドアップする人は、ボールを良く見て打つ癖が付いていない人である。本発明では、ティー上に置かれたボールを間欠往復運動、又は間欠円運動させ、ボールの静止中に打球するようにしたことにより、練習者が常にボールを良く見て打球する癖(即ち、ヘッドアップしない癖)が付くものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】、
図2】本発明の第1実施形態における、汎用モータとウオーム減速機と板カムを用いた、間欠往復運動機構を示す。
図3】、
図4】本発明の第2実施形態における、制御用モータとボールねじと制御装置を用いた、間欠往復運動機構を示す。
図5】、
図6】本発明の第3実施形態における、汎用モータとウオーム減速機と欠歯歯車機構を用いた、間欠円運動機構を示す。
図7】、
図8】本発明の第4実施形態における、制御用モータと制御装置を用いた、間欠円運動機構を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係わる間欠往復運動機構100を、図1、2に基づいて説明する。
【0013】
図1、2の間欠往復運動機構100は、汎用モータ3、ウオーム4aとウオームホイール4bとケース4cから成るウオーム減速機4、卵形の板カム7、板カム7の回転運動によって往復直線運動を行う移動板8、移動板8の一端を固定するスライダ9、スライダ9を支持するスライダ支持機構11、移動板8を板カム7に押し付けるためのばね12、移動板8の上面に固定したティー支持台13、ティー支持台13に固着した柔軟なティー14、及びティー14に載せた練習用ボール15(以後、単にボールと呼ぶ)によって構成されている。
前記間欠往復運動機構100は、箱体1の中に収められており、箱体1は、ゴルフクラブ23を持った練習者が乗る、箱体2に接続される。
【0014】
練習者が箱体2の上に置かれた足踏み電源スイッチ16を押すと、汎用モータ3が回転し、ウオーム減速機4によって、減速機4の出力軸に固定された板カム7がゆっくりと回転する。前記板カム7が回転すると、ばね12により板カム7に押し付けられている移動板8は、板カム7の円弧部分と接触している間は静止し、円弧以外の部分と接触している間は、左右方向に往復直線運動を行うことになる。
【0015】
移動板8の間欠往復運動に伴い、移動板8上にティー支持台13及びティー14を介して置かれたボール15も、左右方向に間欠往復運動を行う。
ボール15をうまく打球するためには、練習者はボール15の動きに注視し、ボール15が静止している間に打球することが必要となる。これによって、練習者がボールを良く見て打球する(ヘッドアップを防止する)練習となる。
【0016】
図1、2の間欠往復運動機構100に用いるウオーム減速機4は、他のタイプの減速機(図示せず)であっても良い。
【0017】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係わる間欠往復運動機構200を、図3、4に基づいて説明する。
【0018】
図3、4の間欠往復運動機構200は、間欠往復運動機構100と同様な間欠往復運動を、制御用モータ5A(AC/DCサーボモータ、ステッピングモータ等)と、制御装置6A(コントローラ、ドライバ、プログラム、エンコーダ等を含む)と、ボールねじ17を用いて実現しようとするものである。
【0019】
練習者が制御用モータ5Aと制御装置6Aの電源スイッチ16を入れると、予め入力されたプログラムによって、制御用モータ6Aは「正回転-停止-逆回転-停止-正回転」或いは「正回転-停止-正回転-停止-逆回転-停止-逆回転-停止-正回転」を繰り返す。その際のモータ5Aの回転速度、停止位置及び停止時間は、自由に設定できる。
前記モータ5Aが回転すると、モータ5Aに直結したボールねじ17も回転し、ボールねじ17と噛み合っているスライダ10は、ボールねじ17の回転方向に応じて、スライダ支持機構11の案内軸11aに沿った前進又は後退運動を行う。これにより、間欠往復運動機構100と同様な、間欠往復運動を実現できる。
【0020】
スライダ10の上面にはティー支持台13が固定され、前記ティー支持台13の上には柔軟なティー14が固着されており、ティー14の上にはボール15が置かれている。
スライダ10の間欠往復運動に伴い、ボール15もスライダ支持機構11に沿って間欠往復運動を行うので、練習者はボールを良く見て、ボールの静止時に打球することが必要となる。
【0021】
図3、4の間欠往復運動機構200においては、制御用モータ5Aと制御装置6A及びボールねじ17が用いられているが、これらの間欠往復運動機構の代わりに、リニアモータシステム(図示せず)を用いても良い。
【0022】
間欠往復運動機構100及び200において、ボール15は打球方向とほぼ直角な方向に間欠往復運動を行っているが、直角方向のみならず、任意の方向に直線的な間欠往復運動を行うようにしても良い。
【0023】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係わる間欠円運動機構300を、図5、6に基づいて説明する。
【0024】
図5、6の間欠円運動機構300は、汎用モータ3、ウオーム減速機4、前記ウオーム減速機4の出力軸に固定した欠歯歯車18A(以後、駆動軸側欠歯歯車と呼ぶ)と従動軸に固定した欠歯歯車18B(以後、従動軸側欠歯歯車と呼ぶ)から成る欠歯歯車機構18、及び従動軸を垂直に支持するスラスト軸受19とスラスト軸受支持台20によって構成されている。加えて、従動軸側欠歯歯車18Bの上面には、柔軟なティー14を固着したティー支持台13が固定されており、ティー14の上にはボール15が載っている。
【0025】
練習者が箱体2の上に置かれた足踏みスイッチ16(図1参照)を押すと、汎用モータ3が回転し、ウオーム減速機4により、ウオーム減速機出力軸に取り付けた欠歯歯車18Aもゆっくりと回転する。この駆動軸側欠歯歯車18Aの円弧部分(錠前弧)と従動軸側欠歯歯車18Bの円弧部分(鞍曲線)が接触している間は、従動軸側欠歯歯車18Bは回転せず、静止したままであるが、駆動軸側欠歯歯車18Aと従動軸側欠歯歯車18Bの歯車部分が噛み合うと、従動軸側欠歯歯車18Bは、一定回転速度で回転運動を行うようになる。
【0026】
その結果、従動軸側欠歯歯車18Bの上面に、ティー支持台13とティー14を介して置かれたボール15は、間欠円運動(即ち、図6の18B上の2点鎖線に沿った円運動と停止を繰り返す動き)を行うので、練習者はボール15を良く見て、ボールの静止時に打球することが必要となる。
【0027】
図5、6の間欠円運動機構300においては、錠前弧を有する欠歯歯車18Aと鞍曲線を有する欠歯歯車18Bを用いているが、他のタイプの間欠円運動機構(図示せず)を用いても良い。
【0028】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係わる間欠円運動機構400を、図7、8に基づいて説明する。
【0029】
図7、8の間欠円運動機構400は、間欠円運動機構300と同様な間欠円運動を、制御用モータ5B(AC/DCサーボモータ、ステッピングモータ等)と、制御装置6B(コントローラ、ドライバ、プログラム、エンコーダ等を含む)を用いて、実現しようとするものである。
【0030】
練習者が制御用モータ5Bと制御装置6Bの電源スイッチ16を入れると、予め入力されたプログラムによって、制御用モータ5Bは「回転-停止」を繰り返す。その際のモータ5Bの回転速度、停止位置及び停止時間は、自由に設定できる。
前記モータ5Bが回転-停止を繰り返すと、モータ5Bに取り付けた円板21、及び当該円板21の上面に固着したティー支持台13と柔軟なティー14、並びにティー14の上に置いたボール15も、円板21と同様な間欠円運動を行うことになる。従って、練習者はボールを良く見て、ボールの静止時に打球することが必要となる。
【0031】
図7において、制御用モータ5Bは取付板22を用いて立てて設置されているが、横向きに設置し、ウオームギア等(図示せず)を用いて水平な回転運動に変換しても良い。
【0032】
本発明の間欠往復運動機構100、200及び間欠円運動機構300、400を用いたゴルフ練習装置を使用する際に、練習者が、ボール15が静止している間にボールを見て打つことが出来れば問題はないが、場合によってはボールが動いている間に打球してしまうことも考えられる。そのような時は、ボールは真っ直ぐに飛ばず、左右に曲がったり、地面に叩き付けられたりすることも起こる。そこで、この打ち損ねたボールによる危険を避けるために、ボールはウレタンフォーム等で造られた軟らかいボールであることが望ましい。軟らかいボールを用いれば、本発明のゴルフ練習装置を家の庭に置いて練習することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
ゴルフボールを打球する際のヘッドアップによって、ボールの飛ぶ方向と飛距離が不安定になることは、多くのアマチュア・ゴルフプレーヤーの悩みである。本発明のヘッドアップ防止用ゴルフ練習装置では、間欠運動を行うボールの静止時に打球しなければならないので、ボールを良く見て打球する練習が出来、ヘッドアップの悩みを解消する練習装置として、アマチュア・ゴルフプレーヤーに広く利用される可能性を有する。
【符号の説明】
【0034】
100・・・・間欠往復運動機構100
200・・・・間欠往復運動機構200
300・・・・間欠円運動機構300
400・・・・間欠円運動機構400
1・・・・箱体(間欠運動機構収納用)
2・・・・箱体(練習者立ち台)
3・・・・汎用モータ
4(4a、4b、4c)・・・・ウオーム減速機
5A、5B・・・・制御用モータ
6A、6B・・・・制御装置
7・・・・板カム
8・・・・移動板
9、10・・・・スライダ
11(11a、11b、11c、11d)・・・・スライダ支持機構
12・・・・ばね
13・・・・ティー支持台
14・・・・ティー(球座)
15・・・・練習用ボール
16・・・・足踏みスイッチ
17・・・・ボールねじ
18(18A、18B)・・・・欠歯歯車機構
19・・・・スラストベアリング
20・・・・スラストベアリング取付台
21・・・・円板
22・・・・モータ取付台
23・・・・ゴルフクラブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8