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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032454
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】仕切部材および包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20230302BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65D5/50 101Z
B65D85/30 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138595
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勲
【テーマコード(参考)】
3E060
3E096
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060BC02
3E060CC12
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC33
3E060CC43
3E060DA23
3E060EA13
3E096AA06
3E096BA23
3E096CA02
3E096DA01
3E096DA05
3E096EA01X
3E096FA09
3E096FA10
3E096GA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単に組み立てることができる仕切部材を提供する。
【解決手段】仕切部材は、左右方向に連設された一対の第1側板10および一対の第1底板11と、第1側板10等の後方で左右方向に連設された一対の第2側板20および一対の第2底板21と、を備え、一対の第3谷折線L5から伸長させた一対の仮想線とV字縁部25との間の領域内には仮想線からV字縁部25の側に離れた位置で落丁穴14が開口し、仕切部材を組み立てる場合、第1底板11と第2底板21とを谷折りし、第1側板10の後方を第2側板20の裏側に進入させた屈曲形態を維持しながら、一対の第1側板10は、互いに山折りされ、且つ一対の第1底板11に対して谷折りされることで第1仕切壁を形成し、一対の第2側板20は、互いに山折りされ、且つ一対の第2底板21に対して谷折りされることで第1仕切壁の後方を挟み込んだ第2仕切壁を形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体(2)の内部空間(S1)を幅方向に仕切って複数の収容空間(S2)を形成する仕切部材(3,4)であって、
互いに幅方向に並設されている一対の第1側板(10)と、
一対の前記第1側板の幅方向の両端に連設されている一対の第1底板(11)と、
互いに幅方向に並設され、一対の前記第1側板の幅方向に平面上で直交する長さ方向の一方に設けられている一対の第2側板(20)と、
一対の前記第2側板の幅方向の両端に連設され、一対の前記第1底板の長さ方向の一端に連設されている一対の第2底板(21)と、を備え、
一対の前記第1側板との境界となる一対の前記第2側板の長さ方向の他方の辺縁は、一対の前記第2側板に食い込むようにV字状に傾斜したV字縁部(25)を構成し、
一対の前記第1側板の長さ方向の一方であって、一対の前記第1底板と一対の前記第2底板との境界線(L5)を互いに接近する方向に伸長させた一対の仮想線(VL)と前記V字縁部との間の領域内には、前記仮想線から前記V字縁部の側に離れた位置で少なくとも前記V字縁部の一部を露出させるように落丁穴(14)が開口し、
前記仕切部材を組み立てる場合、一対の前記第1側板、一対の前記第1底板、一対の前記第2側板および一対の前記第2底板は、同一平面上に配置されたブランク形態(F1)から、一対の前記第1底板と一対の前記第2底板との境界で谷折りされることで、一対の前記第1側板と一対の前記第2側板とが互いに谷折り方向に回動し、一対の前記第1側板の長さ方向の一方を一対の前記第2側板の裏側に進入させた屈曲形態(F2)に変形し、
前記屈曲形態を維持しながら、一対の前記第1側板は、互いに対向するように山折りされ、且つ一対の前記第1底板に対して谷折りされることで起立した第1仕切壁(W1)を形成し、一対の前記第2側板は、互いに対向するように山折りされ、且つ一対の前記第2底板に対して谷折りされることで前記第1仕切壁の長さ方向の一方を挟み込んで起立した第2仕切壁(W2)を形成することを特徴とする仕切部材。
【請求項2】
前記落丁穴は、前記V字縁部の幅方向の中央部を露出させるように開口しており、
前記落丁穴を除く一対の前記第1側板と一対の前記第2側板との境界線は、前記V字縁部と同一輪郭となる一対の切断線(15)であり、
前記落丁穴の幅方向の両縁を形成する一対の前記第1側板の辺縁(16A)の付近は、一対の爪部(16)を構成し、
一対の前記爪部の前記辺縁は、それぞれ、前記切断線に対して直角または鋭角を成すように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の仕切部材。
【請求項3】
一対の前記第1側板は、第1連結部(12)を介して幅方向に連設され、
一対の前記第2側板は、第2連結部(22)を介して幅方向に連設され、
前記第1連結部および前記第2連結部は、前記落丁穴に露出しており、
前記落丁穴に露出する位置において、前記第2連結部の幅方向の寸法は、前記第1連結部の幅方向の寸法よりも広く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の仕切部材。
【請求項4】
前記第1仕切壁には、その上端から下方に向かって第1係合溝(18)が切り込まれ、
前記第2仕切壁の上端部となる一対の前記第2側板の間には、前記落丁穴から長さ方向の一方に向かって第2係合溝(28)が切り込まれ、
前記第1仕切壁および前記第2仕切壁が形成された状態で、一対の前記第2底板は、一対の前記第1底板に対して谷折りされながら前記第2係合溝を前記第1係合溝に噛み合わせることで起立姿勢に保持されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の仕切部材。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の仕切部材(3,4)と、
前記仕切部材によって内部空間(S1)を幅方向に仕切られる箱本体(2)と、を備えていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱本体の内部空間を仕切る仕切部材および包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
底板の両側に起立する側板が連設されて瓶収納空間を形成する瓶固定用パッドが知られている(特許文献1)。底板は胴底部および肩底部を有し、側板は胴側部、肩側部、押上板および肩稜部を有している。瓶固定用パッドを組み立てるには、胴底部と胴側部の境界および押上板と肩側部の境界が側折線で谷折りされ、肩底部と押上板の境界が肩折線で山折りされ、胴側部の頂部、および肩稜部と肩側部の境界が稜折線で山折りされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3203789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した瓶固定用パッドでは、各々の折線をどの向きに折り曲げるのかを熟知していなければ組み立てることができなかった。つまり、上記した瓶固定用パッドを組み立てるには熟練を要し、不慣れな作業者が瓶固定用パッドを組み立てることは困難であった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、簡単に組み立てることができる仕切部材および包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、箱本体の内部空間を幅方向に仕切って複数の収容空間を形成する仕切部材であって、互いに幅方向に並設されている一対の第1側板と、一対の前記第1側板の幅方向の両端に連設されている一対の第1底板と、互いに幅方向に並設され、一対の前記第1側板の幅方向に平面上で直交する長さ方向の一方に設けられている一対の第2側板と、一対の前記第2側板の幅方向の両端に連設され、一対の前記第1底板の長さ方向の一端に連設されている一対の第2底板と、を備え、一対の前記第1側板との境界となる一対の前記第2側板の長さ方向の他方の辺縁は、一対の前記第2側板に食い込むようにV字状に傾斜したV字縁部を構成し、一対の前記第1側板の長さ方向の一方であって、一対の前記第1底板と一対の前記第2底板との境界線を互いに接近する方向に伸長させた一対の仮想線と前記V字縁部との間の領域内には、前記仮想線から前記V字縁部の側に離れた位置で少なくとも前記V字縁部の一部を露出させるように落丁穴が開口し、前記仕切部材を組み立てる場合、一対の前記第1側板、一対の前記第1底板、一対の前記第2側板および一対の前記第2底板は、同一平面上に配置されたブランク形態から、一対の前記第1底板と一対の前記第2底板との境界で谷折りされることで、一対の前記第1側板と一対の前記第2側板とが互いに谷折り方向に回動し、一対の前記第1側板の長さ方向の一方を一対の前記第2側板の裏側に進入させた屈曲形態に変形し、前記屈曲形態を維持しながら、一対の前記第1側板は、互いに対向するように山折りされ、且つ一対の前記第1底板に対して谷折りされることで起立した第1仕切壁を形成し、一対の前記第2側板は、互いに対向するように山折りされ、且つ一対の前記第2底板に対して谷折りされることで前記第1仕切壁の長さ方向の一方を挟み込んで起立した第2仕切壁を形成する。
【0007】
この場合、前記落丁穴は、前記V字縁部の幅方向の中央部を露出させるように開口しており、前記落丁穴を除く一対の前記第1側板と一対の前記第2側板との境界線は、前記V字縁部と同一輪郭となる一対の切断線であり、前記落丁穴の幅方向の両縁を形成する一対の前記第1側板の辺縁の付近は、一対の爪部を構成し、一対の前記爪部の前記辺縁は、それぞれ、前記切断線に対して直角または鋭角を成すように形成されてもよい。
【0008】
この場合、一対の前記第1側板は、第1連結部を介して幅方向に連設され、一対の前記第2側板は、第2連結部を介して幅方向に連設され、前記第1連結部および前記第2連結部は、前記落丁穴に露出しており、前記落丁穴に露出する位置において、前記第2連結部の幅方向の寸法は、前記第1連結部の幅方向の寸法よりも広く形成されてもよい。
【0009】
この場合、前記第1仕切壁には、その上端から下方に向かって第1係合溝が切り込まれ、前記第2仕切壁の上端部となる一対の前記第2側板の間には、前記落丁穴から長さ方向の一方に向かって第2係合溝が切り込まれ、前記第1仕切壁および前記第2仕切壁が形成された状態で、一対の前記第2底板は、一対の前記第1底板に対して谷折りされながら前記第2係合溝を前記第1係合溝に噛み合わせることで起立姿勢に保持されてもよい。
【0010】
本発明の包装箱は、上記のいずれかに記載の仕切部材と、前記仕切部材によって内部空間を幅方向に仕切られる箱本体と、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、仕切部材を簡単に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る仕切部材のブランクを示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る仕切部材のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る仕切部材を屈曲形態にした状態を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る仕切部材を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る仕切部材のブランクを示す平面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る仕切部材のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る仕切部材を屈曲形態にした状態を示す斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る仕切部材であって、仕切壁を形成した状態を示す斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る仕切部材を示す斜視図である。
図12】本発明の第1実施形態の変形例に係る仕切部材のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向(長さ方向)、左右方向(幅方向)および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、包装箱を使用する状態での方向や位置を基準にしている。
【0014】
[包装箱の概要]
図1および図2を参照して、包装箱1の概要について説明する。図1は包装箱1を示す斜視図である。図2は、図1のII-II断面図である。
【0015】
包装箱1は、箱本体2と、仕切部材3と、を備えている。箱本体2は、上面を開口させた略直方体状(トレイ状)に形成されている。仕切部材3は、箱本体2の内部空間S1に配置されている。仕切部材3は、箱本体2の内部空間S1を左右方向に仕切って複数(例えば、図1では3つ)の収容空間S2を形成する。各々の収容空間S2には、例えば、飲料等を封入した瓶90が配置される(図2参照)。瓶90は、略円筒状の胴部91と、胴部91から縮径しながら延びた首部92と、首部92の注ぎ口(図示せず)を塞ぐキャップ93と、を有している(図2参照)。
【0016】
<箱本体>
箱本体2は、長方形状に形成された底壁2Aと、角筒状に形成され、底壁2Aの周縁部に立設された周壁2Bと、を有している。周壁2Bは、内面と外面とを対向させた二重壁構造とされている。詳細な説明は省略するが、箱本体2は、箱用ブランク(図示せず)を折り曲げることで組み立てられる。箱用ブランクは、例えば、段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。なお、包装箱1は、箱本体2の上面開口を閉塞するための蓋体(図示せず)を有していてもよい。
【0017】
[第1実施形態:仕切部材]
次に、図3および図4を参照して、第1実施形態に係る仕切部材3について説明する。図3は仕切部材3のブランク3Aを示す平面図である。図4はブランク3Aの一部を拡大して示す平面図である。
【0018】
仕切部材3は、図3に示すブランク3Aを組み立てることで形成されている。ブランク3Aは、1枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9C(図2も参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図3および図4は、表ライナ9B側(表面)を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
【0019】
[ブランク]
図3に示すように、ブランク3Aは、全体として屈曲しながら段方向に延びた略扇状に形成されている。ブランク3Aは、二対の第1側板10と、3つの第1底板11と、二対の第2側板20と、3つの第2底板21と、一対の外脚片30と、を備えている。
【0020】
各第1側板10と各第2側板20は流れ方向に並設され、各第1底板11と各第2底板21も流れ方向に並設されている。3つの第1底板11と二対の第1側板10は段方向に交互に並設され、3つの第2底板21と二対の第2側板20も段方向に交互に並設されている。段方向の中央に位置する第1底板11および第2底板21は、ブランク3Aを段方向に二等分する中心線C1と同一の中心線を有する略四角形状に形成されている。二対の第1側板10は、段方向の中央に位置する第1底板11を介して連設され、流れ方向の一方(図3で上方、使用状態で後方)から他方(図3で下方、使用状態で前方)に向かって中心線C1から離れるように傾斜して配置されている。また、二対の第2側板20は、段方向の中央に位置する第2底板21を介して連設され、流れ方向の一方から他方に向かって中心線C1から離れるように傾斜して配置されている。段方向の両側に位置する2つの第1底板11および2つの第2底板21は、上記した第1側板10等の傾斜角度よりも大きな角度をもって流れ方向の一方から他方に向かって中心線C1から離れるように傾斜して配置されている。
【0021】
なお、二対の第1側板10は中心線C1を軸に線対称となる形状であり、3つの第1底板11は傾斜角度の違いがあるものの略同一形状であるため、本明細書では、説明の便宜も考慮して、主に、一対の第1側板10と、これを挟んで段方向の両側に位置する一対の第1底板11とに着目して説明する。また、これと同様の理由で、主に、一対の第2側板20と、これを挟んで段方向の両側に位置する一対の第2底板21とに着目して説明する。また、本明細書では、各部の位置や向きを説明する際に、「段方向(左右方向)」や「流れ方向(前後方向)」との用語を用いるが、「段方向」との用語は、厳密に段方向と平行な方向に限定される意味ではなく、段方向に対して傾いているが段方向に近似できる方向も含む意味であり、「流れ方向」との用語は、厳密に流れ方向と平行な方向に限定される意味ではなく、流れ方向に対して傾いているが流れ方向に近似できる方向も含む意味である。
【0022】
<第1側板>
一対の第1側板10は、互いに段方向(幅方向)に並設されている。詳細には、一対の第1側板10は、第1連結部12を介して段方向に連設されている。一対の第1側板10は、第1連結部12を軸に線対称となる形状であり、各第1側板10は、流れ方向の一方から他方に向かって徐々に段方向に広がる略台形状に形成されている。一対の第1側板10と第1連結部12との境界には、一対の第1山折線L1が形成されている。一対の第1山折線L1は、流れ方向に伸長し、段ボールシート1枚分程度の間隔をあけて略平行に形成されている。第1連結部12は、一対の第1山折線L1の間で流れ方向に細長い略長方形状に形成されている。
【0023】
一対の第1側板10の流れ方向の他端で段方向の両外側に寄った位置には、一対の係合凸部13が突設されている。各係合凸部13は、仕切部材3を箱本体2にセットした際に、箱本体2の周壁2Bの内面に開口した係合凹部2C(図2参照)に係合し、内部空間S1での仕切部材3の位置を決めると共に仕切部材3の離脱を抑制する。
【0024】
<第1底板>
一対の第1底板11は、第1谷折線L2を介して第1側板10の段方向の両端に連設されている。各第1底板11は、流れ方向に長い略長方形状に形成されている。一対の第1谷折線L2は、流れ方向の一方から他方に向かって互いに離れるように斜めに形成されている。
【0025】
<第2側板>
一対の第2側板20は、一対の第1側板10の流れ方向(長さ方向)の一方に設けられている。一対の第2側板20は、互いに段方向に並設され、第2連結部22を介して連設されている。一対の第2側板20は、第2連結部22を軸に線対称となる形状であり、各第2側板20は、流れ方向の他方から一方に向かって徐々に段方向に狭くなる略台形状に形成されている。また、第2連結部22は、流れ方向の他方から一方に向かって徐々に段方向に広くなる略台形状(または略三角形状)に形成されている。一対の第2側板20と第2連結部22との境界には、一対の第2山折線L3が形成されている。一対の第2山折線L3は、流れ方向の他方から一方に向かって徐々に互いに離れるように斜めに形成されている。
【0026】
一対の第2側板20の流れ方向の一方には、互いに離れる方向に屈曲した一対の内脚片23が形成されている。各内脚片23は、第2側板20の段方向の端部から外側に向けて突設されている。ブランク3Aの段方向の中央側に位置する内脚片23は、隣接する他の第2側板20に形成された内脚片23に突き合わされている。また、ブランク3Aの段方向の端側に位置する内脚片23は、後述する第2底板21に形成された内側片24に突き合わされている。なお、一対の第2側板20の流れ方向の一端(内脚片23を含む)は、第2連結部22から段方向に離れるに従って流れ方向の他方に傾斜している。
【0027】
ここで、一対の第1側板10(第1連結部12)との境界となる一対の第2側板20(第2連結部22)の流れ方向の他方の辺縁は、一対の第2側板20に食い込むようにV字状に傾斜したV字縁部25を構成している。一対の第1側板10の流れ方向の一方には、V字縁部25から流れ方向の他方に離れるように落丁穴14が凹設されている。落丁穴14は、V字縁部25の段方向の中央部を露出させるように開口している。落丁穴14を除く一対の第1側板10と一対の第2側板20との境界線は、V字縁部25の一部と同一輪郭となる一対の切断線15とされている。つまり、落丁穴14を除く一対の第1側板10の流れ方向の一端は、V字縁部25に突き合わされている。
【0028】
落丁穴14は、流れ方向に平坦になるように潰されたような略菱形状に形成されている。図4に示すように、落丁穴14は、一対の第1底板11と一対の第2底板21との境界線(後述する第3谷折線L5)を互いに接近する方向に伸長させた一対の仮想線VLとV字縁部25との間の領域内に開口している。詳細には、落丁穴14は、仮想線VLからV字縁部25の側に離れた位置であって、V字縁部25に接し、且つ一対の仮想線VLには接しない位置に形成されている。
【0029】
落丁穴14の段方向の両縁を形成する一対の第1側板10の辺縁16Aの付近は、一対の爪部16を構成している。各爪部16は、切断線15と辺縁16Aとで囲まれた範囲で概ね三角形状に形成されている。一対の爪部16の辺縁16Aは、それぞれ、切断線15に対して鋭角を成すように形成されている。つまり、一対の爪部16は、その先端部を落丁穴14の内側に向け、互いに接近する方向に伸長している。なお、第1実施形態では、一例として、各爪部16の辺縁16Aと各切断線15との成す角度θは約70度に設定されているが、これに限らず、0度以上90度未満の範囲で自由に変更してもよい。
【0030】
また、第1連結部12および第2連結部22は落丁穴14に露出している。落丁穴14に露出する位置において、第2連結部22の段方向の寸法(M2)は、第1連結部12の段方向の寸法(M1)よりも広く形成されている。具体的な一例としては、第2連結部22の寸法(M2)は、第1連結部12の寸法(M1)よりも段ボールシート1枚分程度広く形成されている。また、1つの切断線15を含む1つの第2側板20の流れ方向の他端辺の長さは、1つの第1側板10上での仮想線VL(第1連結部12上の仮想線VLを除く。)の長さ(第1側板10の高さ)よりも僅かに長く形成されている。
【0031】
<第2底板>
図3に示すように、一対の第2底板21は、第2谷折線L4を介して一対の第2側板20(一対の内脚片23を除く部分)の段方向の両端に連設されている。また、一対の第2底板21は、第3谷折線L5を介して一対の第1底板11の流れ方向の一端に連設されている。一対の第2谷折線L4は、一対の第1谷折線L2の流れ方向の一端から流れ方向の一方に向かって互いに離れるように斜めに形成されている。一対の第3谷折線L5は、一対の第1谷折線L2と一対の第2谷折線L4との交点から互いに段方向に離れるように伸長している。ブランク3Aの段方向の端側に位置する第3谷折線L5は、当該交点から離れるに従って流れ方向の一方に傾斜している。なお、一対の第3谷折線L5から延ばした一対の仮想線VLは第1連結部12の段方向の略中央で交差する(図4参照)。
【0032】
ブランク3Aの段方向の中央側に位置する第2底板21は、隣り合う2つの第2側板20の間に挟まれており、流れ方向の他方から一方に向かって徐々に段方向に狭くなる略台形状に形成されている。ブランク3Aの段方向の端側に位置する第2底板21は、第2谷折線L4を斜辺とし、流れ方向の他方から一方に向かって徐々に段方向に狭くなる略台形状に形成されている。ブランク3Aの段方向の端側に位置する第2底板21の流れ方向の一方には、第2側板20の内脚片23に突き合わされる内側片24が形成されている。内側片24は、内折線L6を介して第2底板21に連設されている。
【0033】
各第2底板21には、流れ方向の一端から他方に向かって互いに接近するように切り込まれた一対の切目の間に逃し片26が形成されている。各逃し片26は、逃し折線L7を介して第2底板21に連設されている。
【0034】
<外脚片>
一対の外脚片30は、段方向の両側に位置する一対の第2底板21に連設されている。各外脚片30は、第2底板21の流れ方向の一方に寄った位置で、外折線L8を介して第2底板21の段方向の端部に連設されている。各外脚片30は、流れ方向の他方から一方に向かって徐々に段方向に狭くなる略台形状(または略五角形状)に形成されている。
【0035】
なお、第1山折線L1、第2山折線L3、内折線L6、逃し折線L7および外折線L8は、それぞれ、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、主に裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(山折りする)機能を有している。また、第1~第3谷折線L2、L4、L5は、それぞれ、汎用罫線上に複数の切目(ミシン目)を入れたリード罫である。リード罫は、主に表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(谷折りする)機能を有している。上記した各種の折線L1~L8は、汎用罫線やリード罫に限らず、例えば、ミシン目等、段ボールシートを所望の向きに折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
【0036】
[仕切部材の組立]
次に、図1図2図5および図6を参照して、仕切部材3の組立手順について説明する。図5は仕切部材3を屈曲形態F2にした状態を示す斜視図である。図6は仕切部材3を示す斜視図である。なお、引き続いて、主に、一対の第1および第2側板10,20、一対の第1および第2底板11,21に着目して説明する。
【0037】
作業者は、ブランク3A(図3参照)の適所を折り曲げて仕切部材3を組み立てる。なお、本明細書では、一対の第1側板10、一対の第1底板11、一対の第2側板20および一対の第2底板21等が同一平面上に配置された形態、つまり、仕切部材3が折り曲げる前のブランク3Aを、「ブランク形態F1」と呼ぶ(図3参照)。
【0038】
仕切部材3を組み立てる場合、図5に示すように、作業者は、一対の第1底板11と一対の第2底板21とを第3谷折線L5で谷折りする。すると、一対の第1側板10と一対の第2側板20とは、切断線15や落丁穴14で分断されているため、互いに谷折り方向(互いに表面を接近させる方向)に回動され、一対の第1側板10の流れ方向の一方(後方)を一対の第2側板20の裏側(下側)に進入させる。一対の第1側板10、一対の第1底板11、一対の第2側板20および一対の第2底板21等は、ブランク形態F1から各第3谷折線L5で谷折りされた屈曲形態F2に変形する。
【0039】
ブランク3Aを屈曲形態F2に変形させる過程で、各第2側板20の爪部16は、各第1側板10のV字縁部25から下方(厚さ方向)にずれながら各第1側板10の下側に進入して行く。各爪部16の先端部は、落丁穴14の内側に向けられているため、各第2側板20の下側に食い込み易くなっている。したがって、ブランク3Aが屈曲し始めると、まずは各爪部16の先端部が第2側板20の下側に食い込み、各爪部16の先端部に続いて各第1側板10の後端部が各第2側板20の下側に進入する。
【0040】
なお、ブランク3Aは全体的に略扇状に形成されており、3つの第3谷折線L5は平行に形成されていないため、各第1底板11と各第2底板21とは、ある程度の角度(概ね90度未満)で谷折りの進行が規制される。つまり、ブランク3Aが折り返される等、過度に谷折りされることが抑制され、その後の作業(ブランク3Aを略蛇腹状に折り曲げる作業)に円滑に移行することができる。
【0041】
次に、作業者は、屈曲形態F2を維持しながら、ブランク3Aを左右方向の外側から中央に向かって圧縮し、ブランク3Aを概ね蛇腹状に折り曲げる。詳細には、図6に示すように、一対の第1側板10は、互いに対向するように第1山折線L1で山折りされ、且つ一対の第1底板11に対して第1谷折線L2で谷折りされる。これにより、一対の第1側板10は、第1連結部12を頂部とするように持ち上げ、一対の第1底板11に対して起立した第1仕切壁W1を形成する。また、一対の第2側板20は、互いに対向するように第2山折線L3で山折りされ、且つ一対の第2底板21に対して第2谷折線L4で谷折りされる。これにより、一対の第2側板20は、第2連結部22を天面とするように持ち上げ、第1仕切壁W1の後部を挟み込んで一対の第2底板21に対して起立した第2仕切壁W2を形成する(図2も参照)。なお、各第2側板20が立設されることで、各内脚片23は第2底板21よりも下方に向かって延設される。また、作業者は、一対の外脚片30を外折線L8で下方に折り曲げる(山折りする)。
【0042】
以上によって、仕切部材3が完成する(図6参照)。第1連結部12が前後方向に細長い略四角形状であるため、一対の第1側板10は僅かな隙間を挟んで対向し、第1仕切壁W1は略二重壁とされている。第2連結部22は前方から後方に向かって幅広くなる略台形状であるため、一対の第2側板20は前方から後方に向かって徐々に間隔を広げながら対向し、第2仕切壁W2は下面を開放した略U字溝状に形成されている。第1仕切壁W1の後部は第2仕切壁W2の内側に差し込まれており、第1仕切壁W1と第2仕切壁W2とは一連の仕切壁Wを形成する(図2も参照)。第2側板20の前端辺の長さが第1側板10の高さ(≒第1側板10上での仮想線VLの長さ)よりも長いため、第2仕切壁W2(第2連結部22)の前端部が第1仕切壁W1(第1連結部12)の後端部に覆い被さる。
【0043】
次に、作業者は、完成した仕切部材3を箱本体2の内部空間S1に収容し、包装箱1を完成させる(図1および図2参照)。左右方向に隣り合う一対の仕切壁Wの間と、箱本体2の周壁2Bの左右方向の両内側面と一対の仕切壁Wとの間には、3本の瓶90を収容するための3つの収容空間S2が形成される(図1参照)。つまり、箱本体2の内部空間S1が3つの収容空間S2に仕切られる。
【0044】
図1に示すように、隣り合う一対の第1仕切壁W1は略平行に立設し、一対の第1仕切壁W1の間に形成された収容空間S2の前部は前後方向に亘って略同一の左右幅とされている。周壁2Bの内側面と第1仕切壁W1の間に形成された収容空間S2の前部も同様である。また、図1および図2に示すように、第1底板11は、略水平姿勢とされ、箱本体2の底壁2A上に載置されている。第1底板11に対する第1仕切壁W1の高さは、前方から後方に向かって徐々に低くなっている。
【0045】
図1に示すように、隣り合う一対の第2仕切壁W2の間に形成された収容空間S2の後部は、第2連結部22が略台形状(または略三角形状)であるため、前方から後方に向かって徐々に幅狭くなるように形成されている。周壁2Bの内側面と第2仕切壁W2の間に形成された収容空間S2の後部も同様である。また、各外脚片30の下端および各内脚片23の下端は箱本体2の底壁2Aに当接し、第2底板21の後部が底壁2Aから持ち上げられている。このため、図1および図2に示すように、第2底板21は、前方から後方に向かって上方に傾斜する傾斜姿勢とされている。また、第2連結部22も、前方から後方に向かって上方に傾斜する傾斜姿勢とされている。第2底板21に対する第2仕切壁W2の高さは、前方から後方に向かって徐々に低くなっている。
【0046】
図2に示すように、作業者が瓶90を収容空間S2に配置すると、胴部91は第1底板11上に接触し、首部92は第2底板21上に接触する。また、瓶90のキャップ93は第2底板21の逃し片26上に接触し、逃し片26はキャップ93に押されて逃し折線L7で下方に折れ曲がる。これにより、瓶90の注ぎ口よりも径方向に出っ張ったキャップ93を第2底板21よりも下方に逃すことができる。なお、左右両側の収容空間S2に瓶90を配置した場合、内側片24がキャップ93に押されて内折線L6で下方に折れ曲がることもある(図1参照)。
【0047】
以上説明した第1実施形態に係る仕切部材3では、組み立てに際してブランク形態F1から屈曲形態F2に変形されることで、各第1側板10の前部(長さ方向の一方)が各第2側板20の裏側(下側)に潜り込む構成とした(図5参照)。そして、屈曲形態F2のまま、一対の第1側板10を対向させつつ起立させ、一対の第2側板20を対向させつつ起立させることで、起立した一対の第1側板10が起立した一対の第2側板20に挟み込まれる構成とした(図2および図6参照)。この構成によれば、屈曲形態F2にしたブランク3Aを概ね蛇腹状に折り曲げるだけで、仕切部材3を簡単に組み立てことができる。これにより、仕切部材3の組み立てに熟練を要することなく、組立作業に不慣れな作業者であっても、短時間で適正な仕切部材3を組み立てることができる。
【0048】
また、第1実施形態に係る仕切部材3では、ブランク3Aを屈曲形態F2に変形させる過程で、先に一対の爪部16を一対の第2側板20の下側に食い込ませ、一対の爪部16に続いて一対の第1側板10の後部が一対の第2側板20の下側に潜り込む構成とした。この構成によれば、各第1側板10の後部を円滑に各第2側板20の下側に進入させることができる。
【0049】
また、第1実施形態に係る仕切部材3によれば、落丁穴14に露出する位置において、第2連結部22が第1連結部12よりも幅広いため(図4参照)、一対の第2側板20の間隔(第2仕切壁W2の左右幅)を一対の第1側板10の間隔(第1仕切壁W1の左右幅)よりも広くすることができる。これにより、第1仕切壁W1の後部を挟みながら一対の第2側板20を適正に折り返すことができる。
【0050】
なお、第1実施形態に係る仕切部材3では、内側片24(内折線L6)および逃し片26(逃し折線L7)が形成されていたが、これに限らず、内側片24と逃し片26の少なくともいずれか一方が省略されてもよい(図示せず)。また、箱本体2に第2底板21を傾斜姿勢に支持する構造が設けられている場合、内脚片23と外脚片30(外折線L8)の少なくとも1つが省略されてもよい(図示せず)。
【0051】
また、第1実施形態に係る仕切部材3では、複数の第1側板10と複数の第1底板11とが傾斜しながら並設され、且つ複数の第2側板20と複数の第2底板21とが傾斜しながら並設されることで、ブランク3Aが略扇状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の第1側板10と複数の第1底板11とは直線状に一列に並設され、且つ複数の第2側板20と複数の第2底板21とは直線状に一列に並設されてもよい(図示せず)。つまり、第1山折線L1、第1谷折線L2、第2山折線L3および第2谷折線L4が互いに平行に形成されるようにしてもよい。
【0052】
[第2実施形態]
次に、図7および図8を参照して、第2実施形態に係る仕切部材4(ブランク4A)について説明する。図7は仕切部材4のブランク4Aを示す平面図である。図8はブランク4Aの一部を拡大して示す平面図である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る仕切部材3と同一または対応する構成には同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
【0053】
図7に示すように、仕切部材4のブランク4Aは、四対の第1側板10と、5つの第1底板11と、四対の第2側板20が2組と、5つの第2底板21が2組と、を備えている。
【0054】
各第1側板10および各第1底板11は、それぞれ流れ方向を長辺とする略長方形状に形成にされている。5つの第1底板11と四対の第1側板10は、段方向に交互に、且つ平行に並設されている。四対の第1側板10の流れ方向の両端には、それぞれ四対の第2側板20が設けられている。5つの第1底板11の流れ方向の両端には、それぞれ5つの第2底板21が設けられている。5つの第2底板21と四対の第2側板20は、段方向に交互に並設されている。なお、四対の第1側板10は同一形状であり、5つの第1底板11も略同一形状であるため、本明細書では、説明の便宜も考慮して、主に、一対の第1側板10と、これを挟んで段方向の両側に位置する一対の第1底板11とに着目して説明する。また、四対の第2側板20が2組と5つの第2底板21が2組とは、ブランク4Aを流れ方向に二等分する中心線C2を軸に線対称となる形状であり、さらに、第1側板10等と同様の理由で、主に、一対の第2側板20と、これを挟んで段方向の両側に位置する一対の第2底板21とに着目して説明する。
【0055】
<第1側板>
一対の第1側板10を連結する第1連結部12は流れ方向の両側と中央との3箇所に設けられ、第1連結部12を除いた一対の第1側板10の境界には2つの切目17が形成されている。各第1山折線L1と各切目17とは、ブランク4Aを段方向に二等分する中心線C1と平行に形成されている。流れ方向の両側の第1連結部12と切目17との間には、それぞれ第1係合溝18が穿設されている。各第1係合溝18は、第1連結部12を横断し、一対の第1側板10の段方向の中央付近まで伸長している。一対の第1側板10(第1連結部12)の流れ方向の両側には、一対の第1係合溝18から第1連結部12に向かって略三角形状に突き出すように第1隅切部18A(図8参照)が切り欠かれている。
【0056】
<第1底板、第1谷折線>
各第1側板10と各第1底板11との境界線となる第1谷折線L2は、流れ方向の両側と中央との3箇所に設けられ、各第1谷折線L2を除いた境界には2つの分離穴19が形成されている。各第1谷折線L2と各分離穴19とは、ブランク4Aの中心線C1と平行に形成されている。一対の第1谷折線L2は、一対の第1山折線L1と略平行に形成されている。
【0057】
<第2側板>
一対の第2側板20は、一対の第1側板10から流れ方向に離れるに従って互いに離れるように斜めに延設されている。各第2側板20は、傾斜姿勢となる略正方形状に形成されている。第2連結部22は、落丁穴14から流れ方向の外側に向かって段方向に広がる略台形状に形成されている。第2連結部22には、落丁穴14から流れ方向の外側に向かって第2係合溝28が切り込まれている(図8も参照)。第2係合溝28は、第2連結部22の流れ方向の中央付近まで伸長している。
【0058】
<第2底板>
各第2底板21は、第1底板11から流れ方向の外側に向かって段方向に狭まる略台形状に形成されている。一対の第2谷折線L4は、一対の第1谷折線L2の流れ方向の外端から流れ方向の外側に向かって互いに離れるように斜めに形成されている。一対の第3谷折線L5は、中心線C2と平行に形成されている。隣り合う第2山折線L3と第2谷折線L4とは、略平行に形成されている。
【0059】
なお、1つの切断線15を含む1つの第2側板20の流れ方向の他端辺の長さは、第2側板20の高さとされており、1つの第1側板10上での仮想線VLの長さ(第1側板10の高さ)よりも僅かに長く形成されている。第2連結部22を略台形状とし、一対の第2側板20を略正方形状とすることで、第2側板20を第1側板10よりも高く形成しやすくなる。例えば、一対の第2谷折線L4を、一対の第2山折線L3よりも更に広がるように傾斜させることで、第2底板21を略台形状として、その高さを増加させることができる(図示せず)。
【0060】
[仕切部材の組立]
次に、図9ないし図11を参照して、仕切部材4の組立手順について説明する。図9は仕切部材4を屈曲形態F2にした状態を示す斜視図である。図10は仕切壁Wを形成した状態を示す斜視図である。図11は仕切部材4を示す斜視図である。なお、引き続いて、主に、一対の第1および第2側板10,20、一対の第1および第2底板11,21に着目して説明する。
【0061】
上記した第1実施形態に係る仕切部材3と同様に、作業者は、図9に示すように、一対の第1底板11と一対の第2底板21とを第3谷折線L5で谷折りすることで、ブランク形態F1(図7参照)から屈曲形態F2に変形させる。また、作業者は、図10に示すように、屈曲形態F2を維持しながら、一対の第1側板10を第1山折線L1で山折りし、第1谷折線L2で谷折りし、一対の第2側板20を第2山折線L3で山折りし、第2谷折線L4で谷折りする。このように、ブランク4Aを概ね蛇腹状に折り曲げることで、第1仕切壁W1および第2仕切壁W2が立設される。
【0062】
この状態で、第1係合溝18は第1仕切壁W1の上端から下方に向かって切り込まれ、第2係合溝28は第2仕切壁W2の上端部となる第2連結部22(一対の第2側板20の間)に切り込まれている。また、各第2連結部22は自由端から第1仕切壁W1に向かって下方に傾斜し、第1仕切壁W1の端部は第2仕切壁W2(第2係合溝28)の内部に進入している。また、各第2底板21も、自由端から第1底板11に向かって下方に傾斜している。
【0063】
次に、第1仕切壁W1および第2仕切壁W2が形成された状態で、作業者は、第3谷折線L5での谷折りを更に進行させる。すると、一対の第2底板21は、一対の第1底板11に対して谷折りされながら第2係合溝28を第1係合溝18に噛み合わせことになる。各第2底板21の谷折りの進行に伴って、第2連結部22は、第1隅切部18Aに案内されながら第1係合溝18に進入する。図11に示すように、第2係合溝28が第1係合溝18に確り噛み合うと、各第2底板21は第1底板11に対して略垂直に起立した起立姿勢に保持される。また、第1係合溝18と第2係合溝28とが互いに噛み合うことで、第1仕切壁W1と第2仕切壁W2とが二重構造に保持される。
【0064】
以上によって、仕切部材4が完成する。作業者は、完成した仕切部材4を箱本体2の内部空間S1に収容し、包装箱1を完成させる(図示せず)。4つの仕切壁Wと箱本体2の周壁2B(両内側面)とによって、箱本体2の内部空間S1が5つの収容空間S2に仕切られる。なお、この収容空間S2の第1底板11上には、前後方向に細長い物品(図示せず)が載置される。
【0065】
以上説明した第2実施形態に係る仕切部材4によれば、簡単に組み立てを行うことができる等、第1実施形態に係る仕切部材3と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態に係る仕切部材4では、第1および第2仕切壁W1,W2が形成された状態で、各第2底板21が立ち上げられながら第2係合溝28を第1係合溝18に噛み合わせることで起立姿勢に保持される構成とした。この構成によれば、第1仕切壁W1と第2仕切壁W2とが互いに噛み合った状態になるため、仕切壁Wを二重構造に保持することができ、且つ第2仕切壁W2を起立姿勢に保持することができる。これにより、組み立てられた仕切部材4が自然に展開される(ブランク4Aに戻る)ことが防止されるため、仕切部材4を箱本体2にセットし易くなる(作業性を向上させることができる)。
【0066】
なお、第2実施形態に係る仕切部材4では、各第2底板21が第1底板11に対して略垂直な起立姿勢にされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示すように、各第2底板21を傾斜姿勢で保持したものを仕切部材4として使用してもよい。
【0067】
また、第2実施形態に係る仕切部材4では、各第1側板10と各第1底板11との前後両側に第2側板20と第2底板21とが連設されていたが、これに限らず、各第1側板10と各第1底板11との前後方向の一端にのみ第2側板20と第2底板21とが連設されてもよい(図示せず)。
【0068】
なお、第1および第2実施形態に係る仕切部材3,4では、一対の第1側板10が第1連結部12を介して連設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1連結部12を省略し、一対の第1側板10が1つの第1山折線L1を介して連設されてもよい(図示せず)。
【0069】
また、第1および第2実施形態に係る仕切部材3,4では、一対の第2側板20が略台形状の第2連結部22を介して連設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2連結部22は、第1連結部12と同様に、略長方形状に形成されてもよい(図示せず)。また、例えば、第2連結部22を省略し、一対の第2側板20が1つの第2山折線L3を介して連設されてもよい(図示せず)。
【0070】
また、第1および第2実施形態に係る仕切部材3,4では、落丁穴14がV字縁部25の一部(左右方向の中央部)を露出させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、落丁穴14は、一対の第1谷折線L2と一対の第3谷折線L5との交点同士を結ぶ直線とV字縁部25との間に開口し、V字縁部25の全部を露出させてもよい(変形例)。この場合、切断線15や爪部16等は省略される。また、この場合であっても、落丁穴14は一対の仮想線VLに接しないことが好ましい。なお、図12では、落丁穴14の変形例を第1実施形態に係る仕切部材3に適用した例を示したが、これに限らず、第2実施形態に係る仕切部材4に適用してもよい(図示せず)。
【0071】
また、第1および第2実施形態に係る仕切部材3,4では、各爪部16の辺縁16Aと切断線15との成す角度θが鋭角であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、各爪部16の辺縁16Aは、切断線15に対して直角(θ=90度)に形成されてもよい。
【0072】
また、第1実施形態に係る仕切部材3では、2つの仕切壁Wが立設され、箱本体2の内部空間S1を3つの収容空間S2に区切り、第2実施形態に係る仕切部材4では、4つの仕切壁Wが立設され、箱本体2の内部空間S1を5つの収容空間S2に区切られていたが、これらに限らず、仕切壁Wの形成数は自由に変更してもよく、1つ以上の仕切壁Wを立設させ、内部空間S1を2つ以上の収容空間S2に区切ることができればよい。
【0073】
また、第1および第2実施形態に係る仕切部材3,4は、段ボールシートで形成されていたが、これに限らず、例えば、コートボール等の厚紙や樹脂製の板等で形成されていてもよい。また、各部の寸法(幅、奥行き、高さ)や形状、段ボールシート等の厚みや中しん9Aが延びる方向等は自由に変更してもよい。
【0074】
なお、本実施形態では、箱本体2がトレイ状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。箱本体2は、例えば、角筒体の上下両面をフラップで閉塞するA式の箱(図示せず)等、仕切部材3を配置可能な内部空間S1を有する箱であれば如何なるものでもよい。
【0075】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る仕切部材および包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0076】
1 包装箱
2 箱本体
3,4 仕切部材
10 第1側板
11 第1底板
12 第1連結部
14 落丁穴
15 切断線
16 爪部
16A 辺縁
18 第1係合溝
20 第2側板
21 第2底板
22 第2連結部
25 V字縁部
28 第2係合溝
F1 ブランク形態
F2 屈曲形態
L5 第3谷折線(境界線)
S1 内部空間
S2 収容空間
V1 仮想線
W1 第1仕切壁
W2 第2仕切壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12