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  • 特開-改善会議システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032519
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】改善会議システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138697
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】521381451
【氏名又は名称】新川 保成
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】新川 保成
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】コールセンタで働く労働者にとって労働環境などの改善をするための意見交換の場を提供することである。
【解決手段】改善会議システム10は、コールセンタで働く複数の労働者8のための改善会議システム10であって、複数の労働者8を登録するための労働者登録部12と、複数の労働者8が業務に対して建設的な意見を交換するための意見交換部14と、を備えることを特徴とする。また、営業時間外の空き時間を有効活用することを希望する飲食店3を登録する飲食店登録部16と、飲食店3を活用してコールセンタ業務を行うためのインフラを構築するインフラ構築部18と、を備えることが好ましい。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の労働者のための改善会議システムであって、
前記複数の労働者を登録するための労働者登録部と、
前記複数の労働者が業務に対して建設的な意見を交換するための意見交換部と、
を備えることを特徴とする改善会議システム。
【請求項2】
請求項1に記載の改善会議システムにおいて、
営業時間外の空き時間を有効活用することを希望する店舗を登録する店舗登録部と、
前記店舗を活用してコールセンタ業務を行うためのインフラを構築するインフラ構築部と、
を備えることを特徴とする改善会議システム。
【請求項3】
請求項2に記載の改善会議システムにおいて、
前記労働者登録部により登録された前記複数の労働者の中から前記店舗での前記コールセンタ業務を行うためのマッチングを行うマッチング部を備えることを特徴とする改善会議システム。
【請求項4】
請求項3に記載の改善会議システムにおいて、
前記労働者登録部は、前記店舗で働いている従業員を新たな前記労働者として登録し、
前記インフラ構築部は、前記従業員が働いている前記店舗で前記コールセンタ業務を行うためのインフラを構築することを特徴とする改善会議システム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本のコールセンタで働く人は非正規雇用の割合が約80%と高い水準となっている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、ネットワーク経由で複数のユーザと意見交換を行うための電子会議システムにおいて、所定の議題に関する意見交換を行う場である会議室の各々についてその会議室に固有の情報をあらかじめ設定した会議室情報管理テーブル、新たに登録される意見を所定の観点で分類する複数の意見キーワードをあらかじめ設定した意見キーワード管理テーブル、及び、前記会議室に登録された意見の各々についてその意見に固有の意見情報を設定した意見情報管理テーブルを記憶保持する管理テーブル記憶部と、所定の進行管理者から与えられる管理指示操作にしたがって、前記会議室情報管理テーブル及び前記意見キーワード管理テーブルに設定する情報の定義を行う会議室定義処理部と、所定の一般利用者から与えられる進行指示操作にしたがって、前記会議室における意見交換を進行させる会議室進行処理部とを具備したことを特徴とする電子会議システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-55254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正規雇用と非正規雇用の労働者の平均労働時間を比べると大きな差がないにもかかわらず、給与などの待遇面には正規雇用と非正規雇用との間で大きな差が生じている。また、非正規雇用の労働者には労働組合などが存在しないため、経営陣に対して労働者の声が伝わりづらい状況となっている。
【0005】
本発明の目的は、コールセンタで働く労働者にとって労働環境などの改善をするための意見交換の場を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る改善会議システムは、複数の労働者のための改善会議システムであって、 前記複数の労働者を登録するための労働者登録部と、前記複数の労働者が業務に対して建設的な意見を交換するための意見交換部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る改善会議システムにおいて、営業時間外の空き時間を有効活用することを希望する店舗を登録する店舗登録部と、前記店舗を活用してコールセンタ業務を行うためのインフラを構築するインフラ構築部と、を備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る改善会議システムにおいて、前記労働者登録部により登録された前記複数の労働者の中から前記店舗での前記コールセンタ業務を行うためのマッチングを行うマッチング部を備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る改善会議システムにおいて、前記労働者登録部は、前記店舗で働いている従業員を新たな前記労働者として登録し、前記インフラ構築部は、前記従業員が働いている前記店舗で前記コールセンタ業務を行うためのインフラを構築することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コールセンタで働く労働者にとって労働環境などの改善をするための意見交換の場を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態の改善会議システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態の改善会議システム10を示す図である。改善会議システム10は、コールセンタで働く複数の労働者8のためのコールセンタシステムである。
【0014】
改善会議システム10は、労働者登録部12と、意見交換部14と、飲食店登録部16と、インフラ構築部18と、マッチング部20と、記憶部22とを備えている。改善会議システム10は、ネットワーク2を介して、飲食店3、管理者4、企業5、教育者6及び労働者8と接続されている。
【0015】
飲食店3は、居酒屋、イタリアン料理、創作料理などの店舗において飲食物の提供を行う。管理者4は、コールセンタで働く労働者8の管理を行う人である。
【0016】
企業5は、改善会議システム10を利用してコールセンタの業務の依頼を希望する組織である。教育者6は、コールセンタで働く労働者8の教育を行う人である。労働者8は、コールセンタで働く人である。
【0017】
労働者登録部12は、複数の労働者8を登録する機能を有する。労働者8は、ここでは、非正規雇用労働者であるものとして説明するが、もちろん、正規雇用労働者を含んでもよい。
【0018】
日本のコールセンタで働く人において、非正規雇用の労働者8の割合は、約87%である。国際的に比較すると、各国平均で29%、米国は20%、英国は30%、仏国は30%、独国は40%、スペインは50%、韓国は60%であり、日本の非正規雇用の労働者8の割合は海外に比べて高いと言える。
【0019】
ここで、コールセンタで働く、いわゆるオペレータの一般的な年収は、正社員で約500万円、フルタイムの有期雇用の契約社員は約260万円、パートタイムの有期雇用の契約社員は約130万円、派遣社員は約260万円である。
【0020】
一週間の平均労働時間を見ると、正社員は38.1時間、フルタイムの有期雇用の契約社員は36.7時間、パートタイムの有期雇用の契約社員は22.9時間、派遣労働者は35.5時間であり、パートタイムの有期雇用の契約社員を除けば、雇用形態によって平均労働時間はそれほど変わらない。それにもかかわらず、正社員と非正規労働者間の待遇には大きな差がある。
【0021】
意見交換部14は、複数の労働者8が業務に対して建設的な意見を交換する機能を有する。ここでは、様々なコールセンタで働く労働者8が、労働環境の改善などについての前向きな意見を交換する掲示板のような機能を有している。
【0022】
意見交換部14は、例えば、労働者8のコールセンタ業務におけるスキルの改善会議、コールセンタ業務における学習促進のための改善会議、システムについての改善会議、及び、ビジネスプランの改善会議を行う。なお、意見交換部14の機能として、例えば、改善に関するテーマを掲げて、当該改善に関して建設的な意見を述べることができる人のみをトークルームに入れて意見交換させるような形にしてもよい。
【0023】
労働者8に教育訓練を施し、長期的に勤務してもらうことで、安定的に質の高いサービスを提供する必要がある。しかしながら、教育訓練を実施してすぐに離職されると、教育投資が無駄になるだけでなく、スタッフが不足することでサービスの質の低下を招く危険性がある。
【0024】
非正規雇用又は派遣の労働者8は正社員のような補償もなく、労働組合による団体交渉などができない。そこで、意見交換部14の機能を用いて、労働者8が業務に関する建設的な意見を交換することで、例えば、非正規雇用又は派遣の労働者8からの声を聞くことができる。
【0025】
飲食店登録部16は、営業時間外の空き時間を有効活用することを希望する飲食店3を登録する機能を有する。
【0026】
飲食店3は、新型コロナウィルス感染症などの影響によって休業要請が出されることがある。休業要請に従って営業を停止した場合には、一定の補償金などが提供されることがあるが、店舗経営を行うにために十分でない場合がある。このように営業を止める場合に、店舗の空きを利用して、コールセンタ業務が出来ると、店舗経営の資金の補填になるとともに、当該飲食店3で働く労働者8にとっても働き口が増えてよい。
【0027】
インフラ構築部18は、飲食店3を活用してコールセンタ業務を行うためのインフラを構築する機能を有する。インフラ構築部18は、労働者8、管理者4、及び、教育者6がネットワーク2を介して、管理業務、教育業務、及びコールセンタ業務を行う。
【0028】
飲食店3を活用するためのインフラとして、例えば、電話やサーバなどの装置を設置することが出来る。これにより、例えば、普段、飲食店3の店員として働いている労働者8が同じ職場でコールセンタ業務を行うことが出来る。
【0029】
管理者4は、ネットワーク2を介してテレワークによって労働者8を管理する。また、管理者4は、テレワーク以外の手段で業務を行ってもよく、例えば、コールセンタ業務を行うインフラが整った飲食店3で業務を行ってもよい。
【0030】
管理者4が行う管理業務として、例えば、労働者8からの定期的な報告を受け、現状の把握を行い、コールセンタの効率化、顧客満足度の向上、業務基盤の強化などを行う。また、その他の業務として、業務マニュアルや管理マニュアルなどを作成する。
【0031】
教育者6は、ネットワーク2を介してテレワークによって労働者8を教育する。また、管理者4は、テレワーク以外の手段で業務を行ってもよく、上記した飲食店3で業務を行ってもよい。ここでは、労働者8がコールセンタ業務を行うために必要な能力を習得するためのOJT(オンザジョブトレーニング)をオンラインにて行う。
【0032】
労働者8の教育は、教育者6によるオンライン研修のような形で実施することができるが、AI(Artifical Intelligence)を用いて、労働者8の学習を支援することが出来る。
【0033】
AIを用いた学習として、例えば、労働者8の一人ひとりの苦手な分野などを分析して、当該労働者8にとって最適な学習プログラムを提供することが出来る。学習プログラムの提供方法としては、種々存在するが、オンデマンド形式やライブ配信形式や双方向形式など様々な手法がある。
【0034】
マッチング部20は、労働者登録部12により登録された複数の労働者8の中から飲食店3でのコールセンタ業務を行うためのマッチングを行う機能を有する。マッチング部20は、労働者8の能力(例えば、コミュニケーション能力、クレーム対応力、商品知識、事務作業能力)や品質などを考慮し、コールセンタ業務を依頼する企業5と労働者8とのマッチングを行う。
【0035】
記憶部22は、労働者登録部12及び飲食店登録部16が登録する労働者8及び飲食店3に関する情報の他、各種データなどを記録する機能を有してる。
【0036】
続いて、上記構成の改善会議システム10の作用について説明する。コールセンタでは、近年の統計では、1年間の離職率が10%以下の企業は32.3%であり、離職率が11~30%の企業は22.7%である。実に半数近くのコールセンタが、採用したスタッフの3割以上が1年間で離職している。
【0037】
このように離職率が高い原因として、コールセンタでは、非正規雇用の労働者8が約80%と高い水準となっており、非正規雇用の労働者8は正規雇用の労働者8と労働時間で大差がないにもかかわらず、待遇の面で両者に大きな差が生じていることが要因とされている。また、非正規雇用は労働組合などの組織がないため、経営陣に直接声を留めるような仕組みがないという点も原因であると考えられる。
【0038】
これに対し、改善会議システム10によれば、労働者登録部12によって登録された労働者8によれば、意見交換部14の機能を用いて、職場環境の改善などに関して建設的な意見交換を行うことができる。
【0039】
これにより、非正規雇用や派遣の労働者8の意見を吸い上げて経営陣などに伝えることができ、職場環境の改善などに繋がり、ひいては、労働者8が長期間働き続けてくれることで、コールセンタ業務の品質が高まることにつながるという顕著な効果を奏する。
【0040】
また、新型コロナウィルス感染症の影響により、休業要請や時短要請などに応じて飲食店3が営業時間を短くし、または、営業を止めることがある。営業を行わない空き時間を活用することが望ましい。
【0041】
そこで、改善会議システム10によれば、飲食店登録部16によって登録された飲食店3が空き時間を活用することを希望する場合には、インフラ構築部18の機能により、飲食店3でコールセンタ業務を行うインフラを構築することが可能となる。
【0042】
これにより、飲食店3としての営業時間を止めることによる機会損失をコールセンタ業務で補うことができるとともに、飲食店3の店員として働いている労働者8も普段の慣れた職場で仕事を行うことができるという利点がある。
【0043】
また、改善会議システム10によれば、労働者8、管理者4及び教育者6はネットワーク2を介してテレワークによって業務を行うことができるため、三密を回避して感染症対策も行うことができるというメリットがある。
【0044】
なお、ここでは、店舗の一例として、飲食店を説明したが、飲食業以外の事業であってもよく、例えば、美容室、理容室、リラクゼーションサロン、フィットネスジムなどの店舗であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
2 ネットワーク、3 飲食店、4 管理者、5 企業、6 教育者、8 労働者、10 改善会議システム、12 労働者登録部、14 意見交換部、16 飲食店登録部、18 インフラ構築部、20 マッチング部、22 記憶部。
図1