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特開2023-3254情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003254
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20221228BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104324
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼ 貴之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB64
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発行時と異なる媒体を用いてチケットが使用されることを防止し易くする情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】チケット情報管理サーバと、チケット予約サーバチケット発行サーバと、鉄道路線の各駅に設置された改札装置と、チケット発行装置と、チケット情報処理システムを利用する各ユーザが携帯するユーザ端末とが、通信ネットワークを介して接続されているチケット情報処理システムにおいて、チケット発行サーバ130は、チケット内容情報D2を取得する通信部133と、チケット内容情報D2毎に、二次元コードデータを作成する制御部131と、を備える。制御部131が作成する二次元コードデータは、チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チケットの内容に係る情報であるチケット内容情報を取得する第1取得手段と、
前記チケット内容情報ごとに、チケットに記憶される情報であるチケット記憶情報を作成する作成手段と、
を備え、
前記作成手段が作成する前記チケット記憶情報は、前記チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記発行媒体情報は、前記チケットが携帯端末に対して発行されるものであることを示す情報又は印刷用媒体に印刷することによって発行されるものであることを示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記チケット内容情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記チケット内容情報ごとに、当該チケット内容情報を特定可能な情報であるチケット特定情報を付与する付与手段と、
を備え、
前記チケット記憶情報は、前記チケット特定情報をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記チケット記憶情報は、少なくとも一部の情報が符号化され、
前記発行媒体情報及び前記チケット特定情報は符号化された情報に含まれることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
読取装置において読み取られた前記チケット記憶情報を取得する第2取得手段と、
前記読取装置において前記チケット記憶情報を読み取った媒体に係る情報である読取媒体情報を取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段が取得した前記チケット記憶情報に含まれる前記発行媒体情報に係る媒体と、前記第3取得手段が取得した前記読取媒体情報に係る媒体とが一致するかについて判定する第1判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、チケットから前記チケット記憶情報を読み取る読取装置と、を備え、
前記読取装置は、
前記チケット記憶情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が前記チケット記憶情報を読み取った媒体を特定し、前記チケット記憶情報を読み取った媒体に係る情報である読取媒体情報を取得する特定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記読取装置は、
前記読取手段が読み取った前記チケット記憶情報に含まれる前記発行媒体情報に係る媒体と、前記特定手段が特定した前記読取媒体情報に係る媒体と、が一致するかについて判定する第2判定手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記読取装置は、鉄道路線の駅に設置された改札装置であることを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
チケットの内容に係る情報であるチケット内容情報を取得する取得ステップと、
前記チケット内容情報ごとに、チケットに記憶される情報であるチケット記憶情報を作成する作成ステップと、
を含み、
前記作成ステップにおいて作成する前記チケット記憶情報は、前記チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
チケットの内容に係る情報であるチケット内容情報を取得する取得手段、
前記チケット内容情報ごとに、チケットに記憶される情報であるチケット記憶情報を作成する作成手段、
として機能させ、
前記作成手段が作成する前記チケット記憶情報は、前記チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含むことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来磁気カードによって実現されていた列車の乗車に用いるチケットを、例えばQRコード(登録商標)等の一次元又は二次元の所定のコードを用いて発行する技術が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
このような一次元又は二次元のコードは、従来の磁気カードによるチケットや、近時増加しているICカードによるチケットと異なり、専用のカード等を用いずとも、例えばスマートフォン、タブレット端末等の表示部に表示させたり、一般的な用紙に印刷したりすることによって発行できることから、安価かつ簡便に、ユーザに対して列車の乗車に用いるチケットを発行することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-59249号公報
【特許文献2】特許第5380338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような一次元又は二次元のコードによるチケットは、例えばスマートフォン、タブレット端末等のユーザが使用する端末装置に電子データで発行されたものを紙等の印刷用媒体に印刷したり、反対に、紙等の印刷用媒体に印刷して発行されたものを写真撮影して電子データ化した上で、スマートフォン、タブレット端末等のユーザが使用する端末装置に保存したりすることによって、発行時と異なる媒体で使用可能とすることが容易であり、このような発行時と異なる媒体で使用可能とされたチケットが、所謂キセル乗車等の不正な乗車に利用されるおそれがあった。
この点は、電子データ化された際の偽造防止対策を施すことが困難な紙等の印刷用媒体に印刷して発行されたチケットが、他者への配付が容易な電子データ化されて使用される場合に、特に顕著であった。
【0005】
本発明の課題は、発行時と異なる媒体を用いてチケットが使用されることを防止し易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報処理装置において、
チケットの内容に係る情報であるチケット内容情報を取得する第1取得手段と、
前記チケット内容情報ごとに、チケットに記憶される情報であるチケット記憶情報を作成する作成手段と、
を備え、
前記作成手段が作成する前記チケット記憶情報は、前記チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、
前記発行媒体情報は、前記チケットが携帯端末に対して発行されるものであることを示す情報又は印刷用媒体に印刷することによって発行されるものであることを示す情報であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記チケット内容情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記チケット内容情報ごとに、当該チケット内容情報を特定可能な情報であるチケット特定情報を付与する付与手段と、
を備え、
前記チケット記憶情報は、前記チケット特定情報をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理装置において、
前記チケット記憶情報は、少なくとも一部の情報が符号化され、
前記発行媒体情報及び前記チケット特定情報は符号化された情報に含まれることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
読取装置において読み取られた前記チケット記憶情報を取得する第2取得手段と、
前記読取装置において前記チケット記憶情報を読み取った媒体に係る情報である読取媒体情報を取得する第3取得手段と、
前記第2取得手段が取得した前記チケット記憶情報に含まれる前記発行媒体情報に係る媒体と、前記第3取得手段が取得した前記読取媒体情報に係る媒体とが一致するかについて判定する第1判定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、情報処理システムにおいて、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、チケットから前記チケット記憶情報を読み取る読取装置と、を備え、
前記読取装置は、
前記チケット記憶情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が前記チケット記憶情報を読み取った媒体を特定し、前記チケット記憶情報を読み取った媒体に係る情報である読取媒体情報を取得する特定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記読取装置は、
前記読取手段が読み取った前記チケット記憶情報に含まれる前記発行媒体情報に係る媒体と、前記特定手段が特定した前記読取媒体情報に係る媒体と、が一致するかについて判定する第2判定手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の情報処理システムにおいて、
前記読取装置は、鉄道路線の駅に設置された改札装置であることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、情報処理方法において、
チケットの内容に係る情報であるチケット内容情報を取得する取得ステップと、
前記チケット内容情報ごとに、チケットに記憶される情報であるチケット記憶情報を作成する作成ステップと、
を含み、
前記作成ステップにおいて作成する前記チケット記憶情報は、前記チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、情報処理プログラムにおいて、
コンピュータを、
チケットの内容に係る情報であるチケット内容情報を取得する取得手段、
前記チケット内容情報ごとに、チケットに記憶される情報であるチケット記憶情報を作成する作成手段、
として機能させ、
前記作成手段が作成する前記チケット記憶情報は、前記チケットの発行に使用される媒体に係る情報である発行媒体情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発行時と異なる媒体を用いてチケットが使用されることを防止し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係るチケット情報処理システムの構成の概略を示すブロック図である。
図2】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット情報管理サーバの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット予約サーバの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット発行サーバの構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係るチケット情報処理システムにおける改札装置の構成を示すブロック図である。
図6】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるチケット発行装置の構成を示すブロック図である。
図7】実施形態に係るチケット情報処理システムにおけるユーザ端末の構成を示すブロック図である。
図8】実施形態に係るチケット情報処理システムの動作における全体の流れの概略を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(ユーザ端末に対して発行される場合)の動作を示すフローチャートである。
図10】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(ユーザ端末に対して発行される場合)の動作を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係るチケット情報処理システムの二次元コードデータのデータ構造を示す図である。
図12】実施形態に係るチケット情報処理システムのチケットの発行時(チケット発行装置において発行される場合)の動作を示すフローチャートである。
図13】実施形態に係るチケット情報処理システムの改札入出場時(チケット発行サーバにおいて媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合)の動作を示すフローチャートである。
図14】実施形態に係るチケット情報処理システムの改札入出場時(改札装置において媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合)の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1から図14に基づいて、本発明の実施形態であるチケット情報処理システム100について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
[第1 構成の説明]
チケット情報処理システム100は、システムを利用するユーザへの一次元又は二次元の所定のコードを利用したチケットの提供、当該チケットを利用した改札における入出場等を支援するためのシステムであり、図1に示すように、チケット情報処理システム100を管理・運営する鉄道事業者等が管理する各種サーバ、すなわち、チケット情報管理サーバ110、チケット予約サーバ120及びチケット発行サーバ130と、鉄道路線の各駅に設置された改札装置140及びチケット発行装置150と、チケット情報処理システム100を利用する各ユーザが携帯するユーザ端末160と、を備えて構成されている。
また、各装置の間は、図1に示すように、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0020】
なお、上記各サーバは、必ずしも別個に設けられていることを要せず、単一のPC(Personal Computer)、WS(Work Station)等の情報機器が、これら複数のサーバとしての機能を兼ねていてもよい。
また、反対に、上記各サーバは、必ずしも単一のPC、WS等の情報機器によって実現されることを要せず、複数台のPC、WS等の情報機器が通信ネットワークNを介して接続されることで、複数台の情報機器により、各サーバとしての機能が実現されていてもよい。この場合、このような複数台の情報機器が通信ネットワークNを介して接続されたものが、本発明における各サーバに該当することとなる。
また、改札装置140、チケット発行装置150及びユーザ端末160についても、必ずしも単一の機器によって実現されていることを要せず、複数の機器によって実現されていてもよい。
【0021】
[1 チケット情報管理サーバ]
チケット情報管理サーバ110は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、後述のように、運行列車情報D3、予約状況情報D4等のチケット発行に際して必要となる情報につき管理すると共に、チケット内容情報D2の作成及び他のサーバへの送信等を行う。
チケット情報管理サーバ110は、図2に示すように、例えば、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、を備えて構成されている。
【0022】
制御部111は、チケット情報管理サーバ110の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access
Memory)等を備えて構成され、記憶部112に記憶されたプログラム等とCPUとの協働により、チケット情報管理サーバ110の各部を統括制御する。
【0023】
記憶部112は、チケット情報管理サーバ110の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等のチケット情報管理サーバ110の運用に必要となるデータを、制御部111から読み書き可能に記憶する。
【0024】
記憶部112には、チケット内容情報発行プログラム1121と、運行列車情報D3が記憶される運行列車情報記憶部1122と、予約状況情報D4が記憶される予約状況情報記憶部1123と、が備えられている。
【0025】
チケット内容情報発行プログラム1121は、チケット情報管理サーバ110を動作させるための制御部111への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット情報管理サーバ110の動作は、チケット内容情報発行プログラム1121に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0026】
通信部113は、チケット情報管理サーバ110と、チケット予約サーバ120、チケット発行サーバ130及びチケット発行装置150との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部111の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0027】
[2 チケット予約サーバ]
チケット予約サーバ120は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、後述のように、ユーザ端末160からのユーザが購入を希望するチケットに係る情報の取得等を行う。
チケット予約サーバ120は、図3に示すように、チケット情報管理サーバ110と同様、例えば、制御部121と、記憶部122と、通信部123と、を備えて構成されている。
【0028】
制御部121及び通信部123の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ110における制御部111及び通信部113と変わるところはない。
記憶部122は、チケット情報管理サーバ110における記憶部112と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、チケット予約プログラム1221と、チケット内容情報D2、チケット購入情報D6、チケット予約情報D8、チケット番号情報D11及び二次元コード利用可能時間情報D14が記憶されるチケット情報記憶部1222と、が備えられている。
【0029】
チケット予約プログラム1221は、チケット予約サーバ120を動作させるための制御部121への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット予約サーバ120の動作は、チケット予約プログラム1221に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0030】
また、チケット予約サーバ120は、図1に示すように、通信部123により、チケット情報管理サーバ110、チケット発行サーバ130及びユーザ端末160と通信ネットワークNを介して接続され、チケット情報管理サーバ110、チケット発行サーバ130及びユーザ端末160との間でデータの送受信が可能とされている。
【0031】
[3 チケット発行サーバ]
チケット発行サーバ130は、例えば、PC、WS等の情報機器であり、後述のように、チケットとして利用する二次元コードに係るデータの作成等を行う。
チケット発行サーバ130は、図4に示すように、チケット情報管理サーバ110等と同様、例えば、制御部131と、記憶部132と、通信部133と、を備えて構成されている。
【0032】
制御部131及び通信部133の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ110における制御部111及び通信部113と変わるところはない。
記憶部132は、チケット情報管理サーバ110における記憶部112と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、チケット発行プログラム1321と、チケット内容情報D2、チケット購入情報D6、チケット識別子情報D10、チケット番号情報D11及び二次元コード利用可能時間情報D14が記憶されるチケット情報記憶部1322と、符号化情報D16が記憶される符号化情報記憶部1323と、検定用処理情報D18が記憶される検定用処理情報記憶部1324と、が備えられている。
【0033】
チケット発行プログラム1321は、チケット発行サーバ130を動作させるための制御部131への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット発行サーバ130の動作は、チケット発行プログラム1321に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0034】
また、チケット発行サーバ130は、図1に示すように、通信部133により、チケット情報管理サーバ110、チケット予約サーバ120、改札装置140及びチケット発行装置150と通信ネットワークNを介して接続され、チケット情報管理サーバ110、チケット予約サーバ120、改札装置140及びチケット発行装置150との間でデータの送受信が可能とされている。
【0035】
[4 改札装置]
改札装置140は、鉄道路線の各駅に設置された、改札における入出場の可否の判定等の改札業務を自動的に行う装置であり、後述のように、チケットを所持するユーザの改札内への入場又は改札内からの出場の可否に応じた開閉部145の開閉等を行う。
改札装置140は、図5に示すように、チケット情報管理サーバ110等と同様、例えば、制御部141と、記憶部142と、通信部143と、を備えると共に、さらにチケット情報読取部144と、開閉部145と、を備えて構成されている。
【0036】
制御部141及び通信部143の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ110における制御部111及び通信部113と変わるところはない。
記憶部142は、チケット情報管理サーバ110における記憶部112と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、入出場処理プログラム1421と、検定用処理情報D18が記憶される検定用処理情報記憶部1422と、改札装置設置駅情報D21及び改札装置機器情報D22が記憶される機器情報記憶部1423と、が備えられている。
【0037】
入出場処理プログラム1421は、改札装置140を動作させるための制御部141への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べる改札装置140の動作は、入出場処理プログラム1421に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0038】
また、改札装置140は、図1に示すように、通信部143により、チケット発行サーバ130と通信ネットワークNを介して接続され、チケット発行サーバ130との間でデータの送受信が可能とされている。
【0039】
チケット情報読取部144は、後述のように一次元又は二次元の所定のコードにより発行されたチケット、すなわち、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたチケット又はユーザ端末160を媒体として発行され表示部164に表示されたチケットの記憶内容を読み取るための部分であり、チケットの発行時に使用されるコードの種類に対応した所定の一次元コード又は二次元コードの読み取り機からなる。チケット情報読取部144は、ユーザによりチケットがかざされた際に、当該チケットの記憶内容を読み取る。
【0040】
また、チケット情報読取部144は、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたチケット及びユーザ端末160を媒体として発行され表示部164に表示されたチケットの両者を読み取ることができると共に、どちらを読み取ったかを特定できるように構成されている。
【0041】
すなわち、紙等の印刷用媒体に印刷された一次元又は二次元のコードを読み取る場合、このような印刷用媒体は自発光しない(媒体自体が光を発することがない)ことから、チケット情報読取部144から光を照射して、その反射によって一次元又は二次元のコードを読み取ることとなる。
これに対し、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイから構成される後述のユーザ端末160の表示部164は、自発光する(表示部164自体が光を発する)ものが用いられると共に、光を照射すると反射によってかえって表示内容を読み取れなくなってしまうことから、チケット情報読取部144から光を照射することなく、表示部164の自発光によって一次元又は二次元のコードを読み取ることとなる。
【0042】
そこで、チケット情報読取部144は、例えば、紙等の印刷用媒体に印刷された一次元又は二次元のコードを読み取るための光を照射しての読み取りと、表示部164に表示された一次元又は二次元のコードを読み取るための光を照射しない読み取りと、を切り換えながら交互に繰り返し行うことで、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたチケット及びユーザ端末160を媒体として発行され表示部164に表示されたチケットの両者を読み取ることができる。
また、光を照射しての読み取りと、光を照射しない読み取りと、のどちらのタイミングで一次元又は二次元のコードを読み取ることができたかを記憶することで、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたチケット又はユーザ端末160を媒体として発行され表示部164に表示されたチケットのどちらを読み取ったかについて特定することができる。
【0043】
なお、上記のチケット情報読取部144の構成は一例であり、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたチケット及びユーザ端末160を媒体として発行され表示部164に表示されたチケットの両者を読み取ることができると共に、どちらを読み取ったかを特定できるものであれば、チケット情報読取部144による一次元又は二次元のコードの読み取り方法として、既存の他の手法を用いてもよい。
【0044】
例えば、紙等の印刷用媒体に印刷された一次元又は二次元のコードを読み取るための光を照射する読取部と、表示部164に表示された一次元又は二次元のコードを読み取るための光を照射しない読取部と、を別に設け、そのどちらが読み取りに成功したかにより、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたチケット又はユーザ端末160を媒体として発行され表示部164に表示されたチケットのどちらを読み取ったかを特定するようにしてもよい。
【0045】
開閉部145は、改札装置140の開状態と閉状態とを切り替える手段であり、開閉自在の柵を有し、後述のように、ユーザの当該改札装置140が設置された駅における入出場の可否に係る判定結果に従い、入場又は出場を許可する場合にこれを開状態とし、入場又は出場を不許可とする場合にこれを閉状態とする。
【0046】
なお、ユーザがチケットをチケット情報読取部144にかざしておらず、改札装置140が使用されていない不使用状態においては、開閉部145は、開状態・閉状態のどちらとしておいてもよい。ただし、不使用状態においてはこれを開状態とした上で、チケットをかざしたユーザにつき入場又は出場を許可する場合にこれを開状態のままとし、チケットをかざしたユーザにつき入場若しくは出場を不許可とする場合、又はユーザがチケットをかざすことなく入場又は出場しようとした場合にこれを閉状態とすることが好ましい。
本実施形態においては、不使用状態において開状態であった開閉部145につき、ユーザがチケットをかざした際に開状態を維持することも、開閉部145を開状態とすることに含まれるものとする。
【0047】
[5 チケット発行装置]
チケット発行装置150は、鉄道路線の各駅に設置された、ユーザが列車の乗車に用いるチケットを購入する際に使用する装置であり、本実施形態においては、後述のように、一次元又は二次元の所定のコードによるチケットを、紙等の所定の印刷用媒体に印刷することにより発行する際等に用いられる。
チケット発行装置150は、図6に示すように、例えば、チケット情報管理サーバ110等と同様に、制御部151と、記憶部152と、通信部153と、を備えると共に、さらに、表示部154と、操作部155と、チケット発行部156と、を備えて構成されている。
【0048】
制御部151及び通信部153の構成は、それぞれチケット情報管理サーバ110における制御部111及び通信部113と変わるところはない。
記憶部152は、チケット情報管理サーバ110における記憶部112と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、チケット内容情報発行プログラム1521と、運行列車情報D3が記憶される運行列車情報記憶部1522と、予約状況情報D4が記憶される予約状況情報記憶部1523と、が備えられている。
【0049】
チケット内容情報発行プログラム1521は、チケット発行装置150を動作させるための制御部151への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるチケット発行装置150の動作は、チケット内容情報発行プログラム1521に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0050】
また、チケット発行装置150は、図1に示すように、通信部153により、チケット情報管理サーバ110及びチケット発行サーバ130と通信ネットワークNを介して接続され、チケット情報管理サーバ110及びチケット発行サーバ130との間でデータの送受信が可能とされている。
【0051】
表示部154は、例えば、LCD等のディスプレイを備え、制御部151から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。
【0052】
操作部155は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等を備え、チケット発行装置150でチケットを購入するユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部151へと出力する。操作部155は、例えば、表示部154と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよく、チケット発行装置150でチケットを購入するユーザからの操作入力を受け付けることができるものであれば特に限定されない。
【0053】
チケット発行部156は、制御部151の制御の下、ユーザに対するチケットの発行を行う部分であり、本実施形態においては、後述のようにチケット発行サーバ130から受信したデータに基づく、所定の一次元コード又は二次元コードによるチケットを、紙等の所定の印刷用媒体に印刷することにより発行することとなる。
【0054】
[6 ユーザ端末]
ユーザ端末160は、本システムを利用してチケットの発行等を受ける各ユーザが携帯するスマートフォン、タブレット端末等の情報機器(携帯端末)であり、後述のように、一次元又は二次元の所定のコードによって発行されたチケットを用いた改札装置140における入場又は出場の際等に用いられる。
ユーザ端末160は、図7に示すように、例えば、チケット発行装置150と同様に、制御部161と、記憶部162と、通信部163と、表示部164と、操作部165と、を備えて構成されている。
【0055】
制御部161、通信部163、表示部164、操作部165の構成は、それぞれチケット発行装置150における制御部151、通信部153、表示部154及び操作部155と変わるところはない。
記憶部162は、チケット発行装置150における記憶部152と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、ユーザ端末用アプリケーション1621と、二次元コード画像データD19、チケット番号情報D11及びチケット予約情報D8が記憶されるチケット情報記憶部1622と、が備えられている。
【0056】
ユーザ端末用アプリケーション1621は、ユーザ端末160を動作させるための制御部161への各種命令を含むプログラムであり、後述の動作の説明において述べるユーザ端末160の動作は、ユーザ端末用アプリケーション1621に従ってなされることとなる。
また、各記憶部に記憶された情報の詳細は、動作の説明において述べる。
【0057】
また、ユーザ端末160は、通信部163から通信ネットワークNを介してチケット予約サーバ120と接続され、チケット予約サーバ120との間でデータを送受信可能とされている。
【0058】
[7 通信ネットワーク]
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、電話回線網、携帯電話通信網、無線LAN通信網等であり、図1に示すように、チケット情報処理システム100を構成する各装置の間を接続する。
通信ネットワークNとしては、上記のように各装置間を繋ぎ、これらの間でデータの送受信を行うことが可能なものであれば特に限定されない。
【0059】
[第2 動作の説明]
以下、本実施形態に係るチケット情報処理システム100の使用時の動作について説明する。チケット情報処理システム100の動作は、図8のフローチャートに示すように、大きく分けて、ステップS1(チケットの発行)及びステップS2(改札入出場)の二つのステップからなる。
【0060】
[1 ステップS1:チケットの発行]
まず、ユーザに対し、列車の乗車に用いるチケットを発行する際の本システムの動作につき、ユーザ端末160に対してデータによりチケットの発行がなされる場合と、チケット発行装置150において紙等の所定の印刷用媒体によりチケットの発行がなされる場合と、に分けて説明する。
【0061】
[(1) ステップS11:ユーザ端末に対する発行]
まず、ユーザ端末160に対してデータによりチケットの発行がなされる場合の動作の流れにつき、図9及び図10のフローチャートに従って説明する。
【0062】
チケット情報処理システム100のユーザは、本システムを利用し、列車の乗車に用いるチケットの発行を受けることを希望する場合、まず、ユーザ端末160の操作部165を用いて、予約を希望するチケットに係る情報、すなわち、例えば、列車の乗車駅、降車駅、出発時刻、到着時刻、座席番号等に係る情報を含む購入希望チケット情報D1につき入力し(ステップS11-1)、購入希望チケット情報D1が入力されると、制御部161は、入力された情報を、通信部163から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ120へと送信する(ステップS11-2)。
【0063】
ユーザによる予約を希望するチケットに係る情報の入力は、例えば、チケット予約サーバ120によって提供される、予約を希望する列車、座席、乗車駅、降車駅を指定できるように構成された所定のチケット予約に係るウェブサイトにおいて、予約を希望する列車及び座席を指定することによって行うようにすればよい。
また、ユーザ端末160の記憶部162に事前に所定のアプリケーションをダウンロードするようにし、当該アプリケーションにしたがって入力がなされるようにしてもよい。
【0064】
チケット予約サーバ120においては、通信部123により購入希望チケット情報D1を受信すると、制御部121が、通信部123から通信ネットワークNを介して、チケット情報管理サーバ110へと、受信した購入希望チケット情報D1を、当該データに対応したチケット内容情報D2を送信する旨の所定の要求と共に送信する(ステップS11-3)。
【0065】
チケット情報管理サーバ110においては、通信部113により、購入希望チケット情報D1と、チケット内容情報D2の送信要求と、を受信すると、制御部111が、運行列車情報記憶部1122に記憶された運行列車情報D3及び予約状況情報記憶部1123に記憶された予約状況情報D4に基づき、座席を確保する必要のある場合は列車の空席状況につき照合の上、購入希望チケット情報D1に係るユーザがチケットの購入を希望する列車の座席につき、チケットの購入が可能である場合、これに対応したチケット内容情報D2を作成し、取得する(ステップS11-4)。
【0066】
チケット内容情報D2は、購入希望チケット情報D1に対応した列車の乗車に用いるチケットの内容をなす情報であり、例えば、具体的なチケットの有効区間(乗車駅、降車駅、経由駅等)及びチケットの有効期間等の情報を含むこととなる。
【0067】
また、チケット内容情報D2は、チケットのステータス、すなわち、入場及び出場履歴と、乗車済区間に係る情報、具体的には、未使用(入場前)、既使用(降車駅における出場後)、使用中(入場後出場前)、使用中(途中駅における出場後)等の各チケットの状態に係る情報を含む。
【0068】
このような情報は、例えば、チケットの購入直後にはステータスとして未使用である旨の情報が記憶され、これが使用開始(例えば、改札装置140からの入場)されると、ステータスが使用中(入場後出場前)である旨の情報に更新され、途中駅で出場すると、ステータスが使用中(途中駅における出場後)である旨の情報に更新され、さらに、使用が完了(降車駅における改札装置140からの出場)すると、ステータスが既使用である旨の情報に更新されることとなる。
【0069】
チケット内容情報D2を作成すると、チケット情報管理サーバ110においては、制御部111が、通信部113から通信ネットワークNを介して、作成したチケット内容情報D2を、購入結果情報D5と共に、チケット予約サーバ120へと送信する(ステップS11-5)。
購入結果情報D5は、ユーザが購入希望チケット情報D1に対応するチケットを購入できるか否かに係る情報であり、チケット内容情報D2が作成される場合には、必然的に購入可能である旨の情報となる。なお、ユーザが購入希望チケット情報D1に対応するチケットを購入できない場合、チケット内容情報D2は送信されず、購入不可能である旨の購入結果情報D5のみがチケット予約サーバ120へと送信されることとなる。
【0070】
チケット予約サーバ120においては、通信部123によってチケット内容情報D2及び購入結果情報D5を受信すると、制御部121が、通信部123から通信ネットワークNを介して、ステップS11-2において購入希望チケット情報D1を送信したユーザ端末160へと、購入結果情報D5を送信し(ステップS11-6)、通信部163によりこれを受信したユーザ端末160においては、制御部161が、受信したデータに基づき、チケットの購入結果につき、表示部164に表示させる(ステップS11-7)。
【0071】
チケット予約サーバ120においては、ユーザ端末160への購入結果情報D5の送信が完了すると、続いて、ユーザが購入したチケットに係るチケット購入情報D6及びチケット予約情報D8を作成の上、これらをチケット内容情報D2と紐付けて、記憶部122のチケット情報記憶部1222に記憶させる(ステップS11-8)。
【0072】
チケット購入情報D6は、例えば各チケットに割り振られた購入番号に係る情報であるチケット購入番号情報D7を含む、チケット内容情報D2、購入結果情報D5及びチケット予約情報D8等の発行されたチケットに係る各情報を紐づけるための情報である。また、チケット購入情報D6にも、チケット内容情報D2に含まれるものと同様の、購入希望チケット情報D1に対応したチケットの内容に係る情報と、チケットのステータスに係る情報と、が含まれる。
【0073】
チケット予約情報D8は、予約されたチケットにつきチケット予約サーバ120において管理するための、ユーザによる具体的な予約内容に係るデータであり、チケット予約情報D8にも、チケット内容情報D2に含まれるものと同様の、購入希望チケット情報D1に対応したチケットの内容に係る情報と、チケットのステータスに係る情報と、が含まれる。
【0074】
チケット予約サーバ120においては、上記データを作成すると、制御部121が、通信部123から通信ネットワークNを介して、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6を、チケット発行サーバ130へと送信し(ステップS11-9)、これらデータを通信部133によって受信したチケット発行サーバ130においては、制御部131が、受信したチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6を紐付けて、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶させる(ステップS11-10)。
【0075】
なお、ステップS11-9におけるチケット予約サーバ120からチケット発行サーバ130へのチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6の送信は、必ずしもステップS11-8におけるチケット購入情報D6及びチケット予約情報D8の作成の直後に行われる必要はなく、例えば、複数のチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6を所定のタイミングでまとめてチケット発行サーバ130へと送信するようにしてもよい。
【0076】
上記のようにしてチケット予約サーバ120及びチケット発行サーバ130に情報が記憶された後、購入したチケットにつき、二次元コードの発行を受けることを希望する場合、ユーザは、まず、ユーザ端末160の操作部165を用いて、二次元コードによるチケットの発行を要求する所定の情報(チケット発行要求情報D9)につき入力し(ステップS11-11)、チケット発行要求情報D9が入力されると、ユーザ端末160の制御部161は、入力された情報を、通信部163から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ120へと送信する(ステップS11-12)。
【0077】
ユーザによる二次元コードの発行を受けることを希望するチケットに係る情報の入力は、例えば、チケット予約サーバ120によって提供される、チケット予約サーバ120に存在する当該ユーザが購入済みのチケットに係るチケット予約情報D8の一覧から、二次元コードの発行を受けることを希望するチケットを選択できるように構成された所定のウェブサイトにおいて、二次元コードの発行を希望するチケットを選択することによって行うようにすればよい。
また、ユーザ端末160の記憶部162に事前に所定のアプリケーションをダウンロードするようにし、当該アプリケーションにしたがって入力がなされるようにしてもよい。
【0078】
チケット予約サーバ120においては、通信部123によりチケット発行要求情報D9を受信すると、制御部121が、受信したチケット発行要求情報D9に基づき、記憶部122のチケット情報記憶部1222につき検索の上、対応するチケット購入情報D6を抽出し、抽出したチケット購入情報D6に含まれるチケット購入番号情報D7を、発行する二次元コードを利用に制限時間がない静的なものとするか、利用に制限時間があり、ユーザが利用時にリアルタイムに作成することを要する動的なもとするか、に関する情報である静的・動的発行識別情報D13と共に、通信部123から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ130へと送信する(ステップS11-13)。
【0079】
チケット発行サーバ130においては、通信部133により、チケット発行要求情報D9に係るチケット購入情報D6に含まれるチケット購入番号情報D7を受信すると、制御部131が、受信したチケット購入番号情報D7に従い、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶された対応するチケット購入情報D6につき抽出の上、抽出したチケット購入情報D6ごとに、所定の規則に従いID(識別子)を設定して、後述の二次元コードデータD12ごとに付されることとなる識別子に係る情報であるチケット識別子情報D10を作成するとともに、番号を採番して、後述の二次元コードデータD12ごとに付されることとなる番号に係る情報であるチケット番号情報D11を作成の上、記憶部132のチケット情報記憶部1322に、対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6と紐付けて記憶させる(ステップS11-14)。チケット識別子情報D10、チケット番号情報D11のいずれも、チケットごとに付された各チケットを識別し、特定し得る情報となる。
【0080】
続いて制御部131は、チケット購入情報D6及び作成したチケット識別子情報D10を用いて、所定の二次元コードのフォーマットに従い、二次元コードデータD12を作成する(ステップS11-15)。二次元コードのフォーマットとしては、例えばQRコード(登録商標)に係るフォーマット等を用いることができる。
【0081】
また、制御部131は、二次元コードデータD12を作成する際、受信した静的・動的発行識別情報D13につき参照し、これが、発行する二次元コードを動的なもとする内容であった場合、作成する二次元コードデータD12に係る二次元コードの利用可能時間に係る情報である二次元コード利用可能時間情報D14を作成し、作成した二次元コード利用可能時間情報D14を、記憶部132のチケット情報記憶部1322に、対応するチケット内容情報D2、チケット購入情報D6、チケット識別子情報D10及びチケット番号情報D11と紐付けて記憶させる。
二次元コード利用可能時間情報D14は、例えば、ステップS11-15において二次元コードデータD12が作成された時刻と、当該時刻から所定の時間(5分等)という形で設定すればよい。
【0082】
二次元コードデータD12は、所定の二次元コードのフォーマットに従い作成された二次元コードの元となるデータであり、後述のように二次元コードにより発行されるチケットに記憶されることとなる情報を含む。なお、面積に対するデータ容量の関係で好ましくないものの、二次元コードに代えて一次元コードを使用することも一応可能である。
【0083】
二次元コードデータD12は、複数の記憶領域、例えば、図11に示すように、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、を有し、基本情報部D12-1の一部情報のみが、記憶部132の符号化情報記憶部1323に記憶された符号化情報D16を用いて符号化されている。なお、符号化情報D16は、チケット発行サーバ130が二次元コードデータD12の符号化の際に用いる所定の変換規則に係るデータである。
【0084】
このうち基本情報部D12-1には、発行事業者や発行時期などに係る属性情報に加え、ステップS11-14において作成されたチケット識別子情報D10と、発行媒体情報D15と、が含まれる。なお、チケット識別子情報D10及び発行媒体情報D15は、符号化情報D16を用いて符号化されている情報に含まれている。
【0085】
発行媒体情報D15は、二次元コードデータD12に係るチケットが発行される際の媒体に係る情報、すなわち、当該チケットが、ユーザ端末160に対して発行されるものであるか、チケット発行装置150において紙等の所定の印刷用媒体に印刷されて発行されるものであるかを示す情報である。
【0086】
情報の形式は特に限定されず、後述のステップS2の改札入出場時に、改札装置140においてチケット情報読取部144が読み取った二次元コードデータD12に係るチケットが、ユーザ端末160に対して発行されたものであるか、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷されて発行されたものであるかを特定できる所定の識別子等を含む情報を用いればよい。
制御部131は、このような情報を、二次元コードデータD12に係るチケットが発行される際の媒体の種類に応じて作成の上、当該情報を含む二次元コードデータD12を作成することとなる。
【0087】
ステップS11においては、二次元コードデータD12に係るチケットはユーザ端末160に対して発行されるものであることから、発行媒体情報D15として、ユーザ端末160に対して発行される(ユーザ端末160を媒体として発行される)ものであることを示す情報が、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1に含まれることとなる。
【0088】
また、正当性検定部D12-2には、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である検定情報D17が含まれる。検定情報D17は、記憶部132の検定用処理情報記憶部1324に検定用処理情報D18として記憶された所定の変換規則又は計算式に、制御部131が、基本情報部D12-1に含まれるデータを入力して作成する。
【0089】
二次元コードデータD12を作成すると、チケット発行サーバ130においては、制御部131が、作成した二次元コードデータD12を、対応するチケット番号情報D11と共に、通信部133から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ120へと送信する(ステップS11-16)。
また、制御部131は、ステップS11-15において二次元コード利用可能時間情報D14を作成した場合には、二次元コード利用可能時間情報D14についても、チケット番号情報D11及び二次元コードデータD12と共に、通信部133から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ120へと送信する。
【0090】
チケット予約サーバ120においては、通信部123によって、チケット発行サーバ130から送信された情報を受信すると、制御部121が、受信したチケット番号情報D11を、記憶部122のチケット情報記憶部1222に、対応するチケット内容情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8と紐付けて記憶させた上で、受信した二次元コードデータD12に基づき、これを画像データ化したデータである二次元コード画像データD19を作成する(ステップS11-17)。
なお、チケット発行サーバ130から、二次元コード利用可能時間情報D14を受信した場合には、制御部121は、二次元コード利用可能時間情報D14についても、記憶部122のチケット情報記憶部1222に、対応するチケット内容情報D2、チケット購入情報D6、チケット予約情報D8及びチケット番号情報D11と紐付けて記憶させる。
【0091】
二次元コード画像データD19を作成すると、制御部121は、作成したデータを、対応するチケット番号情報D11及びチケット予約情報D8と共に、通信部123から通信ネットワークNを介して、ユーザ端末160へと送信する(ステップS11-18)。
【0092】
また、上記送信処理が完了すると、チケット予約サーバ120においては、制御部121が、記憶部122のチケット情報記憶部1222に記憶された当該チケットに係るチケット内容情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新すると共に(ステップS11-19)、ステータス更新の内容に係る情報である二次元コード発行時ステータス更新情報D20をチケット発行サーバ130へと送信し(ステップS11-20)、チケット発行サーバ130においても、同様に、制御部131が、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶された当該チケットに係るチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新する(ステップS11-21)。
【0093】
なお、ステップS11-19においては、チケット内容情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報については更新することなく、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報についてのみ更新するようにしてもよい。
【0094】
ユーザ端末160においては、通信部163によって二次元コード画像データD19、チケット番号情報D11及びチケット予約情報D8を受信すると、制御部161が、受信したデータを紐付けて、記憶部162のチケット情報記憶部1622に記憶させる(ステップS11-22)。
これによって、ユーザ端末160においては、表示部164に、記憶部162のチケット情報記憶部1622に記憶された二次元コード画像データD19に係る二次元コードの画像及びチケット番号情報D11に係るチケット番号を表示させることが可能となる。
【0095】
なお、二次元コード画像データD19をチケット予約サーバ120において作成することなく、チケット予約サーバ120の制御部121が、二次元コード画像データD19に代えて、二次元コードデータD12を通信部123から通信ネットワークNを介してユーザ端末160へと送信するようにし、これを受信したユーザ端末160において、制御部161が、ユーザ端末用アプリケーション1621に従って二次元コード画像データD19を作成することによって、二次元コード画像データD19を取得するようにしてもよい。
【0096】
[(2) ステップS12:チケット発行装置における発行]
続いて、チケット発行装置150において紙等の所定の印刷用媒体によりチケットの発行がなされる場合の動作の流れにつき、図12のフローチャートに従って説明する。
【0097】
ユーザは、チケット発行装置150により、列車の乗車に用いるチケットの発行を受けることを希望する場合、まず、チケット発行装置150の操作部155を用いて、予約を希望するチケットに係る情報、すなわち、例えば、列車の乗車駅、降車駅、出発時刻、到着時刻、座席番号等に係る情報を含む購入希望チケット情報D1につき入力した上で、所定の購入操作を行う(ステップS12-1)。
【0098】
ユーザによる予約を希望するチケットに係る情報の入力は、例えば、チケット発行装置150において表示部154に表示される、予約を希望する列車及び座席を指定できるように構成された所定のチケット予約に係る画面に従って、操作部155を用いて、予約を希望する列車及び座席を指定することによって行うようにすればよい。
【0099】
購入希望チケット情報D1が入力されると、制御部151は、入力された情報を基にチケット購入情報D6を作成する(ステップS12-2)。
【0100】
続いて、制御部151は、運行列車情報記憶部1522に記憶された運行列車情報D3及び予約状況情報記憶部1523に記憶された予約状況情報D4に基づき、列車の空席状況につき確認の上、チケット購入情報D6に係るユーザがチケットの購入を希望する列車の座席につき、チケットの購入が可能である場合、これに対応したチケット内容情報D2を作成する(ステップS12-3)。
【0101】
チケット内容情報D2を作成すると、制御部151は、ステップS12-3で作成したチケット内容情報D2を、ステップS12-2で作成したチケット購入情報D6と共に、通信部153から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ130へと送信する(ステップS12-4)。
【0102】
チケット発行サーバ130においては、通信部133によってチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6を受信すると、制御部131が、受信したチケット内容情報D2と、チケット購入情報D6と、を紐付けて、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶させる(ステップS12-5)。
【0103】
続いて、チケット発行サーバ130の制御部131は、チケット購入情報D6ごとに、所定の規則に従いID(識別子)を設定して、チケット識別子情報D10を作成するとともに、番号を採番して、チケット番号情報D11を作成の上、記憶部132のチケット情報記憶部1322に、対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6と紐付けて記憶させる(ステップS12-6)。
【0104】
続いて制御部131は、チケット購入情報D6及び作成したチケット識別子情報D10を用いて、所定の二次元コードのフォーマットに従い、二次元コードデータD12を作成する(ステップS12-7)。
【0105】
二次元コードデータD12は、ステップS11で説明したものと同様、図11に示すように、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、を有し、基本情報部D12-1の符号化された部分にチケット識別子情報D10及び発行媒体情報D15が含まれ、正当性検定部D12-2に検定情報D17が含まれるものである。
ただし、ステップS12においては、二次元コードデータD12に係るチケットはチケット発行装置150において紙等の所定の印刷用媒体に印刷されて発行されるものであることから、発行媒体情報D15として、チケット発行装置150において紙等の所定の印刷用媒体に印刷されて発行されるものであることを示す情報が、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1に含まれることとなる。
【0106】
二次元コードデータD12を作成すると、チケット発行サーバ130においては、制御部131が、作成した二次元コードデータD12を、対応するチケット番号情報D11と共に、通信部133から通信ネットワークNを介して、チケット発行装置150へと送信する(ステップS12-8)。
【0107】
チケット発行装置150においては、通信部153によって二次元コードデータD12及びチケット番号情報D11を受信すると、制御部151が、二次元コードデータD12に基づき、これを画像データ化したデータである二次元コード画像データD19を作成の上、チケット発行部156により、二次元コード画像データD19に係る二次元コード及びチケット番号情報D11に係る番号が紙等の所定の印刷用媒体に印刷等の方法で記憶されたチケットを発行させる(ステップS12-9)。
【0108】
チケットの発行が完了すると、チケット発行装置150においては、制御部151が、チケットの発行が完了した旨の所定の通知を、通信部153から通信ネットワークNを介してチケット発行サーバ130へと送信する(ステップS12-10)。
【0109】
上記通知を通信部133によって受信したチケット発行サーバ130においては、制御部131が、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶された当該チケットに係るチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、二次元コード発行済みである旨の情報に更新する(ステップS12-11)。
【0110】
[2 ステップS2:改札入出場]
続いて、ユーザが、ステップS1で発行された二次元コードを利用して、改札装置140において、改札内へ入場又は改札内から出場する際の本システムの動作につき、媒体の一致の判定及び入出場判定をチケット発行サーバ130で行う場合と、改札装置140で行う場合と、に分けて説明する。
【0111】
[(1) ステップS21:チケット発行サーバにおいて媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合]
まず、チケット発行サーバ130において媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合の動作の流れにつき、図13のフローチャートに従って説明する。
【0112】
ユーザは、列車への乗車前に改札装置140から駅の改札内へと入場することを希望する場合、又は列車への乗車後に改札装置140から駅の改札外へと出場することを希望する場合、ステップS1で発行された二次元コードを、改札装置140のチケット情報読取部144にかざす。
具体的には、二次元コードがステップS11で説明した工程を経てユーザ端末160に対して発行された場合、ユーザは、ユーザ端末160の操作部165を用いて所定の操作を行い、二次元コード画像データD19に係る二次元コードを表示部164に表示させたのち、表示された二次元コードをチケット情報読取部144にかざすこととなる。
また、二次元コードがステップS12で説明した工程を経てチケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷して発行された場合、紙等の印刷用媒体に印刷された二次元コードをチケット情報読取部144にかざすこととなる。
【0113】
二次元コードがチケット情報読取部144にかざされると、改札装置140の制御部141は、チケット情報読取部144により、かざされた二次元コードから、二次元コードデータD12を読み取らせる(ステップS21-1)。
【0114】
また、制御部141は、ステップS21-1で読み取った二次元コードを表示した媒体を特定する(ステップS21-2)。すなわち、制御部141は、当該二次元コードが、ユーザ端末160の表示部164に表示された二次元コードか、チケット発行装置150において発行された紙等の印刷用媒体に印刷された二次元コードか、を特定することとなる。
【0115】
特定方法は特に限定されないが、例えば、改札装置140のチケット情報読取部144に係る構成の説明において述べたように、チケット情報読取部144を、紙等の印刷用媒体に印刷された二次元コードを対象とした光を照射しての読み取りと、ユーザ端末160の表示部164に表示された二次元コードを対象とした光を照射しない読み取りと、を切り換えながら交互に繰り返し行うように構成した上で、いずれのタイミングで二次元コードを読み取ることができたかによって、当該二次元コードが、ユーザ端末160の表示部164に表示された二次元コードか、チケット発行装置150において発行された紙等の印刷用媒体に印刷された二次元コードか、を特定するようにすればよい。
【0116】
続いて、制御部141は、かざされた二次元コードが、正規のチケットか否かにつき判定する(ステップS21-3)
【0117】
具体的には、ステップS11において説明したように、二次元コードデータD12は、複数の記憶領域、例えば、図11に示すように、基本情報部D12-1と、正当性検定部D12-2と、から構成され、正当性検定部D12-2には、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、検定用処理情報D18に係る所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行った結果に係る情報である検定情報D17が含まれる。
【0118】
また、改札装置140においては、記憶部142の検定用処理情報記憶部1422に、同様の所定の変換規則又は計算式が、検定用処理情報D18として記憶されている。
【0119】
そこで、制御部141は、ステップS21-1で読み取った二次元コードデータD12のうち、基本情報部D12-1に含まれるデータを基に、記憶部142の検定用処理情報記憶部1422に検定用処理情報D18として記憶された上記所定の変換規則又は計算式に従って、所定の検定用の変換又は計算を行う。
そして、制御部141は、上記変換又は計算の結果が、正当性検定部D12-2に含まれる検定情報D17と一致する場合に、当該二次元コードを正規のチケットであると判定し、これが一致しない場合に、当該二次元コードを正規のチケットではないものと判定する。
【0120】
ステップS21-3において非正規のチケットであると判定した場合には、制御部141は、開閉部145を閉じて処理を終了することとなる。
これに対し、ステップS21-3において二次元コードデータD12を正規のチケットに係るものであると判定した場合、改札装置140においては、制御部141が、チケット情報読取部144が読み取った二次元コードデータD12を、記憶部142の機器情報記憶部1423に記憶された改札装置設置駅情報D21及び改札装置機器情報D22、並びにステップS21-2における特定結果に係る情報である読取媒体情報D23と共に、通信部143から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ130へと送信する(ステップS21-4)。
【0121】
改札装置設置駅情報D21は、当該改札装置140が設置された駅に係る情報であり、二次元コードをチケット情報読取部144にかざしたユーザが改札から入場又は出場する駅を意味することとなる。
改札装置機器情報D22は、当該改札装置140に係る情報であり、設置した事業者を示す情報、当該改札装置140が、チケット発行サーバ130による入出場判定を要するものか、改札装置140自身において入出場判定を行うものかに係る情報、改札装置140ごとに有している不正判定等の詳細設定に係る情報等が含まれる。
読取媒体情報D23は、ステップS21-2における特定結果に係る情報、すなわち、ステップS21-1でチケット情報読取部144によって読み取った二次元コードを表示した媒体に係る情報(媒体がユーザ端末160であるか、紙等の印刷用媒体であるかを示す情報)である。
【0122】
通信部133によって、改札装置140から送信された情報を受信したチケット発行サーバ130においては、制御部131が、改札装置機器情報D22に基づき、当該改札装置140がチケット発行サーバ130による入出場判定を要する改札装置140か判断した後、チケット発行サーバ130による入出場判定を要する場合、まず、記憶部132の符号化情報記憶部1323に記憶されている符号化情報D16を用いて、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化する(ステップS21-5)。
【0123】
続いて、制御部131は、ステップS21-4で受信した読取媒体情報D23に係る媒体(ステップS21-1でチケット情報読取部144によって読み取った二次元コードを表示した媒体)と、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1に含まれる発行媒体情報D15に係る媒体(ステップS1における発行時の媒体)と、が一致するか否かについて判定する(ステップS21-6)。
【0124】
すなわち、いずれもユーザ端末160である場合及びいずれも紙等の印刷用媒体である場合には一致しているものと判定し、一方がユーザ端末160であり、他方が紙等の印刷用媒体である場合には一致していないものと判定する。
【0125】
この際、ユーザがステップS11で説明した工程を経てユーザ端末160に対して発行された二次元コードをそのままユーザ端末160に表示させて使用する場合、及びステップS12で説明した工程を経て紙等の印刷用媒体に印刷して発行された二次元コードをそのまま印刷用媒体で使用する場合であれば、必然的に一致しているものと判定されることとなる。
これに対し、ユーザが、ステップS11で説明した工程を経てユーザ端末160に対して発行された二次元コードを紙等の印刷用媒体に印刷して使用した場合や、ステップS12で説明した工程を経て紙等の印刷用媒体に印刷して発行された二次元コードを写真撮影して電子データ化し、ユーザ端末160に表示させて使用した場合等に、一致していないものと判定することとなる。
【0126】
ステップS21-6において、ステップS21-4で受信した読取媒体情報D23に係る媒体と、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1に含まれる発行媒体情報D15に係る媒体とが一致しないと判定した場合には、制御部131は、通信部133から通信ネットワークNを介して、改札装置140へと開閉部145を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0127】
なお、ステップS21-4で受信した読取媒体情報D23に係る媒体と、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1に含まれる発行媒体情報D15に係る媒体とが一致しないと判定した場合の処理は、改札装置140への開閉部145を閉じる旨の指令の送信には限られない。例えば、開閉部145を閉じる旨の指令に代えて、改札の通過音を変える旨の指令を改札装置140へと送信するようにし、通過音によって、駅員が媒体の不一致を認識して対応できるようにしてもよい。
【0128】
また、改札装置140への指令の送信に代えて、他の所定の端末へと通知するようにしてもよい。
例えば、駅員が携帯する端末へと所定の通知を送信し、当該端末を使用する駅員が媒体の不一致を認識して対応できるようにしてもよい。
また、例えば、ステップS11で説明した工程を経てユーザ端末160に対して発行された二次元コードが、紙等の印刷用媒体に印刷されて使用された場合等においては、ステップS1でチケットの発行を受けたユーザが関与しない不正利用がなされた可能性もあることから、ユーザ端末160へと所定の通知を送信し、ステップS1でチケットの発行を受けたユーザに通知するようにしてもよい。
【0129】
これに対し、ステップS21-6において、ステップS21-4で受信した読取媒体情報D23に係る媒体と、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1に含まれる発行媒体情報D15に係る媒体とが一致すると判定した場合には、制御部131は、ステップS21-5で復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づき、記憶部132のチケット情報記憶部1322につき検索し、ステップS21-4で受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6を抽出した上で、ステップS21-4で受信した改札装置設置駅情報D21及び改札装置機器情報D22と、チケット内容情報D2とを対比して、入出場の可否に係る判定を行う(ステップS21-7)。
なお、受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6が抽出されなかった場合、制御部131は、その時点で入場又は出場不可能と判定する。したがって、上記のように改札装置設置駅情報D21及び改札装置機器情報D22とチケット内容情報D2との対比に進むのは、受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6が抽出された場合のみである。
【0130】
具体的には、入場の場合には、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入出場履歴につき確認の上、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの入場駅と、チケット内容情報D2に含まれる有効区間(乗車駅と降車駅との間の経由駅を経由する区間)に係る情報と、につき対比する。そして、例えば、入場履歴がないか途中駅における出場後であり、チケット内容情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの入場駅が、チケット内容情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅である場合に入場可能と判定し、既に入場履歴がありかつ途中駅における出場後でないか、チケット内容情報D2に係る有効期間外であるか、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの入場駅が、チケット内容情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅ではない場合に入場不可能と判定する。
【0131】
また、出場の場合には、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報から入場履歴及び出場履歴につき確認の上、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの出場駅と、チケット内容情報D2に含まれる有効区間に係る情報と、につき対比する。そして、例えば、入場後出場前であり、チケット内容情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの出場駅が、チケット内容情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅である場合に出場可能と判定し、入場前又は出場後であるか、チケット内容情報D2に係る有効期間外であるか、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの出場駅が、チケット内容情報D2に含まれる有効区間に係る情報における有効区間内に存在する駅ではない場合に出場不可能と判定する。
【0132】
なお、記憶部132のチケット情報記憶部1322に、受信した二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D14が記憶されている場合には、制御部131は、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6の抽出に先立って、受信した二次元コードデータD12に対応する二次元コードが利用可能時間内であるかについての判定も行う。
具体的には、チケット識別子情報D10に基づき記憶部132のチケット情報記憶部1322につき検索し、受信した二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D14を抽出した上で、例えば、二次元コード利用可能時間情報D14に含まれる二次元コードデータD12が作成された時刻と、現在時刻とを対比し、その差が二次元コード利用可能時間情報D14に含まれる所定の時間内である場合に利用可能時間内であると判定し、その差が二次元コード利用可能時間情報D14に含まれる所定の時間外である場合に利用可能時間外であると判定する。
この場合、制御部131は、利用可能時間内であると判定した場合のみ、上記の受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6の抽出及び改札装置設置駅情報D21及び改札装置機器情報D22とチケット内容情報D2との対比を行い、利用可能時間外であると判定した場合には、その時点で入場又は出場不可能と判定することとなる。
【0133】
上記判定が完了すると、制御部131は、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶されたチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS21-8)。
具体的には、入場可能であった場合、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場可能であった場合、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0134】
上記更新が完了すると、制御部131は、ステップS21-7における改札入出場の判定結果に係る情報(第1入出場判定結果情報D24)を、通信部133から通信ネットワークNを介して、改札装置140へと送信する(ステップS21-9)。
【0135】
通信部143によって、チケット発行サーバ130から送信された第1入出場判定結果情報D24を受信した改札装置140においては、制御部141が、受信した第1入出場判定結果情報D24に基づき、開閉部145の開閉を行う(ステップS21-10)。
具体的には、受信した第1入出場判定結果情報D24が、入場又は出場を可とするものであった場合、開閉部145につき開状態とし、入場又は出場を不可とするものであった場合、開閉部145につき閉状態とすることとなる。
【0136】
チケット発行サーバ130においては、第1入出場判定結果情報D24を改札装置140へと送信した後、ステップS21-8におけるチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に関する情報(第1入出場時ステータス更新情報D25)を、通信部133から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ120へと送信する(ステップS21-11)。
【0137】
チケット予約サーバ120においては、通信部123により第1入出場時ステータス更新情報D25を受信すると、制御部121が、記憶部122のチケット情報記憶部1222に記憶されたチケット内容情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS21-8におけるチケット発行サーバ130における更新と同様にして更新する(ステップS21-12)。
【0138】
[(2) ステップS22:改札装置において媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合]
続いて、改札装置140において媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合の動作の流れにつき、図14のフローチャートに従って説明する。
【0139】
まず、二次元コードデータの読み取り(ステップS22-1)から二次元コードデータの復号化(ステップS22-5)までの工程については、チケット発行サーバ130において媒体の一致の判定及び入出場判定を行う場合(ステップS21)に係る二次元コードデータの読み取り(ステップS21-1)から二次元コードデータの復号化(ステップS21-5)までの工程と変わるところはない。
【0140】
チケット発行サーバ130においては、ステップS22-5で、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化すると、続いて、制御部131が、復号化された情報に含まれるチケット識別子情報D10に基づきチケット情報記憶部1322につき検索し、受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6を抽出し、抽出したチケット内容情報D2を、ステップS22-5で復号化した情報に含まれる発行媒体情報D15と共に、ステップS22-4において情報を送信した改札装置140へと送信する(ステップS22-6)。
【0141】
なお、受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6が抽出されなかった場合には、制御部131は、通信部133から通信ネットワークNを介して、改札装置140へと開閉部145を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0142】
また、記憶部132のチケット情報記憶部1322に、受信した二次元コードデータD12に対応する二次元コード利用可能時間情報D14が記憶されている場合には、制御部131は、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6の抽出に先立って、受信した二次元コードデータD12に対応する二次元コードが利用可能時間内であるかについての判定を行う。判定方法はステップS21-7で説明したものと同様である。
この場合、制御部131は、利用可能時間内であると判定した場合のみ、上記の受信した二次元コードデータD12に対応するチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6の抽出並びにチケット内容情報D2の改札装置140への送信を行い、利用可能時間外であると判定した場合には、制御部131は、通信部133から通信ネットワークNを介して、改札装置140へと開閉部145を閉じる旨の所定の指令を送信して、処理を終了することとなる。
【0143】
通信部143によってチケット内容情報D2及び発行媒体情報D15を受信した改札装置140においては、制御部141が、ステップS22-2で特定した読取媒体情報D23に係る媒体(ステップS22-1でチケット情報読取部144によって読み取った二次元コードを表示した媒体)と、チケット発行サーバ130から受信した発行媒体情報D15に係る媒体(ステップS1における発行時の媒体)と、が一致するか否かについて判定する(ステップS22-7)。具体的な判定の方法は、チケット発行サーバ130において媒体の一致の判定を行う場合について、ステップS21-6で説明したのと同様である。
【0144】
ステップS22-7において、ステップS22-2で特定した読取媒体情報D23に係る媒体と、チケット発行サーバ130から受信した発行媒体情報D15に係る媒体とが一致しないと判定した場合には、制御部141は、開閉部145を閉じて処理を終了することとなる。
これに対し、ステップS22-7において、ステップS22-2で特定した読取媒体情報D23に係る媒体と、チケット発行サーバ130から受信した発行媒体情報D15に係る媒体とが一致すると判定した場合、制御部141は、チケット発行サーバ130から受信したチケット内容情報D2に基づき、入出場の可否に係る判定を行う(ステップS22-8)。
【0145】
具体的には、例えば、チケット発行サーバ130において入出場の可否に係る判定がなされる場合と同様、入場の場合には、チケット内容情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報において入場履歴がないか途中駅における出場後であり、チケット内容情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの入場駅が、チケット内容情報D2に係る有効区間内に存在する駅である場合に入場可能と判定し、出場の場合には、チケット内容情報D2に含まれるチケットのステータスに係る情報において入場後出場前であり、チケット内容情報D2に係る有効期間内であり、かつ、改札装置設置駅情報D21に係るユーザの出場駅が、チケット内容情報D2に係る有効区間内に存在する駅である場合に出場可能と判定する。
【0146】
上記判定が完了すると、制御部141は、判定結果に基づき、開閉部145の開閉を行う(ステップS22-9)。
具体的には、ステップS22-8における判定結果が、入場又は出場を可とするものであった場合、開閉部145につき開状態とし、入場又は出場を不可とするものであった場合、開閉部145につき閉状態とすることとなる。
【0147】
続いて、改札装置140においては、制御部141が、ステップS22-8における改札入出場の判定結果に係る情報(第2入出場判定結果情報D26)を、ステップS22-7において受信したチケット内容情報D2と共に、通信部143から通信ネットワークNを介して、チケット発行サーバ130へと送信する(ステップS22-10)。
【0148】
改札装置140から送信された情報を受信したチケット発行サーバ130においては、制御部131が、記憶部132のチケット情報記憶部1322に記憶されたチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報につき更新する(ステップS22-11)。
具体的には、入場可能であった場合、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、チケット使用中(入場後出場前)とし、出場可能であった場合、チケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報を、既使用(降車駅における出場後)又は使用中(途中駅における出場後)とする。
【0149】
上記更新が完了すると、制御部131は、ステップS22-11におけるチケット内容情報D2及びチケット購入情報D6に含まれるチケットのステータスに係る情報の更新内容に係る情報(第2入出場時ステータス更新情報D27)を、通信部133から通信ネットワークNを介して、チケット予約サーバ120へと送信する(ステップS22-12)。
【0150】
チケット予約サーバ120においては、通信部123により第2入出場時ステータス更新情報D27を受信すると、制御部121が、記憶部122のチケット情報記憶部1222に記憶されたチケット内容情報D2、チケット購入情報D6及びチケット予約情報D8に含まれるチケットのステータスに係る情報につき、ステップS22-11におけるチケット発行サーバ130における更新と同様にして更新する(ステップS22-13)。
【0151】
[第3 効果の説明]
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0152】
本実施形態によれば、チケット発行サーバ130において、発行するチケットの内容に係る情報を含むチケット内容情報D2を取得すると共に、チケット内容情報D2ごとに、チケットに記憶される情報を含む二次元コードデータD12を作成する。そして、チケット発行サーバ130において作成される二次元コードデータD12には、二次元コードデータD12に係るチケットが発行される際の媒体に係る情報、すなわち、当該チケットが、ユーザ端末160に対して発行されるものであるか、チケット発行装置150において紙等の所定の印刷用媒体に印刷されて発行されるものであるかを示す情報である発行媒体情報D15が含まれる。
【0153】
これによって、ユーザが、発行媒体情報D15と異なる場体を用いて、二次元コードデータD12に係るチケットを使用した場合、例えば、ユーザ端末160に対して発行された二次元コードを紙等の印刷用媒体に印刷して使用した場合や、チケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷して発行された二次元コードを写真撮影して電子データ化し、スマートフォン等の端末装置に表示させて使用した場合等に、発行媒体情報D15に係る発行媒体と、チケットの使用時の媒体とを比較することで、発行時の媒体と使用時の媒体との不一致を検知することが可能となることから、発行時と異なる媒体を用いてチケットが使用されることを防止し易くなる。
【0154】
なお、ステップS11で説明したように、ユーザ端末160に対して発行する場合には、二次元コード利用可能時間情報D14によって、発行からの利用可能時間を制限することができる。したがって、仮にユーザ端末160に対して発行されたチケットが、紙等の印刷用媒体に印刷されたとしても、このような利用可能時間の制限によって、発行時と異なる媒体とされたチケットが不正に利用されるおそれは、ある程度低減できる。
【0155】
これに対し、ステップS12で説明したように、紙等の印刷用媒体に印刷して発行する場合には、二次元コード利用可能時間情報D14によって、発行からの利用可能時間を制限することが困難である。また、電子データ化されると、電子メールでの送信、インターネット上で公開する等の方法により、物理的な接触を要することなく、容易に他者にチケットを配付できてしまう。
したがって、紙等の印刷用媒体に印刷して発行されたチケットが、電子データ化され、スマートフォン等の端末装置に表示して使用される場合に、特に不正に利用されるおそれが大きい。
【0156】
本実施形態は、このように特に不正利用のおそれが大きいケースである、紙等の印刷用媒体に印刷して発行されたチケットが電子データ化され、スマートフォン等の端末装置に表示して使用されるケースにおいて、このようなチケットの使用を防止し易くなる点で、特に有効性を有するものである。
【0157】
さらに、二次元コードデータD12の基本情報部D12-1の一部情報が符号化情報D16を用いて符号化され、チケット識別子情報D10及び発行媒体情報D15が符号化されている情報に含まれていることで、チケットの中心をなす情報であるチケット識別子情報D10及び発行媒体情報D15を符号化してチケットのセキュリティを高めることが可能となる。
【0158】
[第4 変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0159】
[1 チケットの発行媒体の変更]
上記においては、ステップS11でユーザ端末160に対してチケットが発行される場合について説明し、ステップS12でチケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷してチケットが発行される場合について説明し、このようなユーザ端末160に対して発行されたチケット又はチケット発行装置150において紙等の印刷用媒体に印刷して発行されたチケットについて、ステップS2で発行時の媒体とチケットの使用時の媒体の一致/不一致につき判定する場合について説明したが、チケットの発行に利用される媒体はこれに限られるものではない。
改札装置140においてチケットの使用時の媒体を特定可能なものであれば、上記以外の媒体を用いてチケットを発行する場合においても、上記実施形態の構成を適用することで、チケットの発行時の媒体と使用時の媒体との一致/不一致につき判定可能とし、発行時と異なる媒体を用いてチケットが使用されることを防止し易くすることが可能である。
【0160】
[2 チケット発行装置におけるチケット発行時のチケット情報管理サーバによるチケット内容情報の作成]
上記においては、ステップS12において、チケット発行装置150でのチケットの発行時には、チケット発行装置150においてチケット内容情報D2を作成する場合について説明したが、チケット発行装置150でのチケットの発行時にも、ステップS11と同様、チケット情報管理サーバ110においてチケット内容情報D2を作成するようにしてもよい。
【0161】
この場合、チケット発行装置150は、チケット購入情報D6を、当該データに対応したチケット内容情報D2を作成する旨の所定の要求と共に、通信部153から通信ネットワークNを介して、チケット情報管理サーバ110へと送信し、これを受信したチケット情報管理サーバ110において、制御部111が、チケット内容情報D2を作成した上で、チケット発行装置150から受信したチケット購入情報D6と共に、チケット発行サーバ130へと送信することとなる。
【0162】
[3 媒体の一致の判定及び入出場判定の実施場所の変更]
上記においては、ステップS21で媒体の一致の判定及び入出場判定の両者をチケット発行サーバ130で行う場合について説明し、ステップS22で媒体の一致の判定及び入出場判定の両者を改札装置140で行う場合について説明したが、媒体の一致の判定の実施場所と、入出場判定の実施場所とを分けてもよい。
例えば、改札装置140で媒体の一致の判定を行った上で、チケット発行サーバ130で入出場判定を行ってもよいし、チケット発行サーバ130で媒体の一致の判定を行った上で、改札装置140で入出場判定を行ってもよい。
また、チケット発行サーバ130及び改札装置140の両者において重ねて媒体の一致の判定及び入出場判定を行うことで、判定の誤りが生じる可能性を低減するようにしてもよい。
また、符号化情報D16を改札装置140に記憶させ、改札装置140において二次元コードデータD12の基本情報部D12-1のうち符号化されている情報を復号化することができるようにすることで、チケット発行サーバ130にデータを送信することなく、改札装置140のみによって媒体の一致の判定及び入出場判定を行い、媒体が一致しない場合又は入出場不可能と判定した場合に、開閉部145を閉じることができるようにしてもよい。
【0163】
[4 チケットの利用目的の変更]
上記においては、ステップS1で列車という交通機関の利用に用いるチケットを発行し、ステップS2で、鉄道路線の各駅に設置された改札装置140においてチケットを読み取る場合について説明したが、チケットの利用目的は、交通機関の利用に限られない。
例えば、スポーツの試合やコンサート等、何らかのイベントに入場するためのチケットについて、発行媒体情報D15を含めて発行した上で、当該イベントの会場に設置されたチケットの記憶情報を読み取るための読取装置において、読み取ったチケットの媒体について特定可能とすることで、媒体の一致の判定を行うことができるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0164】
100 チケット情報処理システム(情報処理システム)
110 チケット情報管理サーバ
120 チケット予約サーバ
130 チケット発行サーバ(情報処理装置)
131 制御部(作成手段、記憶制御手段、付与手段、第1判定手段)
132 記憶部(記憶手段)
1321 チケット発行プログラム(情報処理プログラム)
133 通信部(第1取得手段、第2取得手段、第3取得手段、取得手段)
140 改札装置(読取装置)
141 制御部(特定手段、第2判定手段)
142 記憶部
143 通信部
144 チケット情報読取部(読取手段)
145 開閉部
150 チケット発行装置
160 ユーザ端末(携帯端末)
D2 チケット内容情報
D6 チケット購入情報(チケット内容情報)
D8 チケット予約情報(チケット内容情報)
D10 チケット識別子情報(チケット特定情報)
D12 二次元コードデータ(チケット記憶情報)
D15 発行媒体情報
D23 読取媒体情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14