(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032566
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】洗浄器、洗浄器の使用方法、および、洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/07 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
B67D1/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138775
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591036996
【氏名又は名称】フジテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 達夫
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 元博
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB03
3E082CC01
3E082DD11
3E082FF01
(57)【要約】
【課題】シンプルな構成で、ディスペンスヘッド本体部の下端部を洗浄可能な洗浄器、洗浄器の使用方法、および、洗浄方法を提供する。
【解決手段】ディスペンスヘッドを洗浄可能な洗浄器は、洗浄液の一部を収容する主収容部を規定する容器本体と、ディスペンスヘッド本体部を支持する支持部と、ディスペンスヘッドの飲料流路に連通する第1流路を備え、容器本体の底部に向かって延在する洗浄液取出管と、加圧ガスと洗浄液との混合流体を生成する混合流体生成部と、を具備する。混合流体生成部は、洗浄液の一部を収容する副収容部と、加圧ガスを副収容部に導入するガス導入口と、副収容部で生成される混合流体をディスペンスヘッド本体部の下端部に向けて放出する混合流体放出口と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流路と、飲料流路と、ディスペンスヘッド本体部と、前記ディスペンスヘッド本体部に対して相対移動可能なプランジャ部材とを有するディスペンスヘッドを洗浄可能な洗浄器であって、
洗浄液の一部を収容する主収容部を規定する容器本体と、
前記ディスペンスヘッド本体部を支持する支持部と、
前記飲料流路に連通する第1流路を備え、前記容器本体の底部に向かって延在する洗浄液取出管と、
加圧ガスと前記洗浄液との混合流体を生成する混合流体生成部と
を具備し、
前記混合流体生成部は、
前記洗浄液の一部を収容する副収容部と、
前記加圧ガスを前記副収容部に導入するガス導入口と、
前記副収容部で生成される前記混合流体を前記ディスペンスヘッド本体部の下端部に向けて放出する混合流体放出口と
を有する
洗浄器。
【請求項2】
前記混合流体放出口は、前記ガス導入口を兼用する
請求項1に記載の洗浄器。
【請求項3】
前記副収容部と前記主収容部との間で前記洗浄液が移動することを許容する連通孔を更に具備し、
前記主収容部内の前記洗浄液の液面の高さが予め設定された高さよりも高く、かつ、前記主収容部内の前記洗浄液の液面の高さが前記副収容部内の前記洗浄液の液面の高さよりも高いとき、前記主収容部から前記副収容部に、前記連通孔を介して前記洗浄液が移動するように構成される
請求項1または2に記載の洗浄器。
【請求項4】
前記副収容部は、
第1壁と、
前記第1壁の外側に配置される第2壁と、
前記第1壁と前記第2壁とを接続する底壁と、
前記ディスペンスヘッド本体部の前記下端部が配置されることとなる空間に対向配置される前記混合流体放出口と
を有する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の洗浄器。
【請求項5】
前記第1壁は、前記洗浄液取出管の一部によって構成される
請求項4に記載の洗浄器。
【請求項6】
洗浄時において、前記副収容部内の前記洗浄液は、前記副収容部から放出された後、前記主収容部および前記洗浄液取出管を介して、前記容器本体の外部に排出されるように構成される
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の洗浄器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の洗浄器の使用方法であって、
前記ディスペンスヘッド本体部が前記支持部によって支持される前に、前記主収容部に前記洗浄液の一部が溜められ、前記副収容部に前記洗浄液の一部が溜められる
洗浄器の使用方法。
【請求項8】
洗浄器を用いてディスペンスヘッドを洗浄する洗浄方法であって、
前記ディスペンスヘッドは、
ガス流路と、
飲料流路と、
ディスペンスヘッド本体部と、
前記ディスペンスヘッド本体部に対して相対移動可能なプランジャ部材と
を備え、
前記洗浄器は、
洗浄液の一部を収容する主収容部を規定する容器本体と、
前記ディスペンスヘッド本体部を支持する支持部と、
前記飲料流路に連通する第1流路を備え、前記容器本体の底部に向かって延在する洗浄液取出管と、
前記洗浄液の一部を収容する副収容部を有し、加圧ガスと前記洗浄液との混合流体を生成する混合流体生成部と
を備え、
前記洗浄方法は、
前記主収容部、および、前記副収容部の両方に前記洗浄液を溜める貯留工程と、
前記貯留工程の実行後に、前記ディスペンスヘッド本体部を、前記支持部に取り付ける取付工程と、
前記ガス流路から前記副収容部に供給される前記加圧ガスの運動量を用いて、前記加圧ガスと前記洗浄液との前記混合流体を生成する混合流体生成工程と、
前記混合流体生成部から放出される前記混合流体によって、前記ディスペンスヘッド本体部の下端部を洗浄する第1洗浄工程と、
前記主収容部から前記洗浄液取出管の前記第1流路を介して前記プランジャ部材に供給される前記洗浄液によって、前記プランジャ部材の内部を洗浄する第2洗浄工程と
を具備する
洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄器、洗浄器の使用方法、および、洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスペンスヘッドを洗浄可能な洗浄器が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、ビールサーバヘッドの洗浄システムが開示されている。特許文献1に記載の洗浄システムは、ヘッドを取り付けた洗浄容器内の洗浄液を圧入するための圧入流路と、該圧入流路より狭く形成され、洗浄液をヘッド接続面側に向けて上方に噴射するための複数の噴射流路と、ヘッド接続面側に噴射された後の洗浄液を回収するために洗浄液を下方に案内する回収流路と、回収流路により回収された洗浄液を上方に流し、ヘッドの突出口部を通って洗浄容器外へ排出するための排出流路と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、シンプルな構成で、ディスペンスヘッド本体部の下端部を洗浄可能な洗浄器、洗浄器の使用方法、および、洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
いくつかの実施形態における洗浄器は、ガス流路(G)と、飲料流路(D)と、ディスペンスヘッド本体部(11)と、前記ディスペンスヘッド本体部(11)に対して相対移動可能なプランジャ部材(14)とを有するディスペンスヘッド(10)を洗浄可能な洗浄器(2)である。当該洗浄器(2)は、洗浄液(W)の一部を収容する主収容部(31)を規定する容器本体(3)と、前記ディスペンスヘッド本体部(11)を支持する支持部(41)と、前記飲料流路(D)に連通する第1流路(51f)を備え、前記容器本体(3)の底部(3b)に向かって延在する洗浄液取出管(51)と、加圧ガスと前記洗浄液(W)との混合流体を生成する混合流体生成部(60)と、を具備する。前記混合流体生成部(60)は、前記洗浄液(W)の一部を収容する副収容部(61)と、前記加圧ガスを前記副収容部(61)に導入するガス導入口(OP1)と、前記副収容部(61)で生成される前記混合流体を前記ディスペンスヘッド本体部(11)の下端部(110)に向けて放出する混合流体放出口(OP2)と、を有する。
【0008】
上記洗浄器において、前記混合流体放出口(OP2)は、前記ガス導入口(OP1)を兼用していてもよい。
【0009】
上記洗浄器は、前記副収容部(61)と前記主収容部(31)との間で前記洗浄液(W)が移動することを許容する連通孔(61h)を更に具備していてもよい。また、前記主収容部(31)内の前記洗浄液(Wa)の液面の高さ(H2)が予め設定された高さ(H1)よりも高く、かつ、主収容部(31)内の前記洗浄液(Wa)の液面の高さが前記副収容部(61)内の前記洗浄液(Wb)の液面の高さ(H3)よりも高いとき、前記主収容部(31)から前記副収容部(61)に、前記連通孔(61h)を介して前記洗浄液(W)が移動するように構成されていてもよい。
【0010】
上記洗浄器において、前記副収容部(61)は、第1壁(61a)と、前記第1壁(61a)の外側に配置される第2壁(61c)と、前記第1壁(61a)と前記第2壁(61c)とを接続する底壁(61b)と、前記ディスペンスヘッド本体部(11)の前記下端部(110)が配置されることとなる空間(SP)に対向配置される前記混合流体放出口(OP2)と、を有していてもよい。
【0011】
上記洗浄器において、前記第1壁(61a)は、前記洗浄液取出管(51)の一部によって構成されていてもよい。
【0012】
上記洗浄器を用いてディスペンスヘッドを洗浄する洗浄時において、前記副収容部(61)内の前記洗浄液(Wb)は、前記副収容部(Wb)から放出された後、前記主収容部(31)および前記洗浄液取出管(51)を介して、前記容器本体(3)の外部に排出されるように構成されていてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態における洗浄器の使用方法では、上述の洗浄器(2)が使用される。当該洗浄器の使用方法では、前記ディスペンスヘッド本体部(11)が前記支持部(41)によって支持される前に、前記主収容部(31)に前記洗浄液(W)の一部が溜められ、前記副収容部(61)に前記洗浄液(W)の一部が溜められる。
【0014】
いくつかの実施形態における洗浄方法は、洗浄器(2)を用いてディスペンスヘッド(10)を洗浄する洗浄方法である。前記ディスペンスヘッド(10)は、ガス流路(G)と、飲料流路(D)と、ディスペンスヘッド本体部(11)と、前記ディスペンスヘッド本体部(11)に対して相対移動可能なプランジャ部材(14)と、を備える。前記洗浄器(2)は、洗浄液(W)の一部を収容する主収容部(31)を規定する容器本体(3)と、前記ディスペンスヘッド本体部(11)を支持する支持部(41)と、前記飲料流路(D)に連通する第1流路(51f)を備え、前記容器本体(3)の底部(3b)に向かって延在する洗浄液取出管(51)と、前記洗浄液(W)の一部を収容する副収容部(61)を有し、加圧ガスと前記洗浄液(W)との混合流体を生成する混合流体生成部(60)と、を備える。前記洗浄方法は、前記主収容部(31)、および、前記副収容部(61)の両方に前記洗浄液(W)を溜める貯留工程と、前記貯留工程の実行後に、前記ディスペンスヘッド本体部(11)を、前記支持部(41)に取り付ける取付工程と、前記ガス流路(G)から前記副収容部(61)に供給される前記加圧ガスの運動量を用いて、前記加圧ガスと前記洗浄液(W)との前記混合流体を生成する混合流体生成工程と、前記混合流体生成部(60)から放出される前記混合流体によって、前記ディスペンスヘッド本体部(11)の下端部(110)を洗浄する第1洗浄工程と、前記主収容部(31)から前記洗浄液取出管(51)の前記第1流路(51f)を介して前記プランジャ部材(14)に供給される前記洗浄液(W)によって、前記プランジャ部材(14)の内部を洗浄する第2洗浄工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、シンプルな構成で、ディスペンスヘッド本体部の下端部を洗浄可能な洗浄器、洗浄器の使用方法、および、洗浄方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、飲料供給システムの一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、洗浄対象であるディスペンスヘッドの一例を模式的に示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態における洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
【
図4】
図4は、アタッチメントが、容器本体に取り付けられる様子を模式的に示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態における洗浄器にディスペンスヘッドが取り付けられている様子を模式的に示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態における洗浄器にディスペンスヘッドが取り付けられている様子を模式的に示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態における洗浄器を模式的に示す概略2面図である。
【
図8】
図8は、主収容部および副収容部に洗浄液が溜められる様子を模式的に示す概略断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態における洗浄方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、洗浄器と飲料サーバとが、ディスペンスヘッドおよび飲料供給管を介して接続されている様子を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、実験1の実験条件、および、実験1の実験結果を示す図である。
【
図12】
図12は、実験2の実験条件、および、実験2の実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態における洗浄器2、洗浄器2の使用方法、および、洗浄方法に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しとなる説明は省略される。
【0018】
(方向の定義)
本明細書において、洗浄器2の容器本体3の底部3bから、洗浄器2の支持部41(換言すれば、ディスペンスヘッド本体部11を支持する支持部41)に向かう方向を「上方向」と定義し、上方向と反対の方向を「下方向」と定義する。
【0019】
(飲料供給システム1)
図1を参照して、飲料供給システム1の一例について説明する。
図1は、飲料供給システム1の一例を模式的に示す図である。
【0020】
飲料供給システム1は、飲料貯蔵容器210と、ディスペンスヘッド10と、ガス源220と、飲料供給管230と、飲料サーバ240と、を備える。
【0021】
飲料貯蔵容器210は、ビール等の飲料を貯蔵する。飲料貯蔵容器210には、ディスペンスヘッド10を介して、ガスボンベ等のガス源220からガスが供給される。飲料貯蔵容器210に供給されるガスは、飲料貯蔵容器210内の飲料を押圧し、ガスによって押圧された飲料は、ディスペンスヘッド10を介して、飲料貯蔵容器210外に取り出される。ディスペンスヘッド10を介して飲料貯蔵容器210から取り出される飲料は、飲料供給管230を介して、飲料サーバ240に供給され、注出コック部241から注出される。飲料サーバ240の使用後に、飲料供給システム1の飲料流路を洗浄する場合、飲料貯蔵容器210からディスペンスヘッド10が取り外され、ディスペンスヘッド10が洗浄器2に取り付けられる。こうして、洗浄器2からディスペンスヘッド10を介して供給される洗浄液を用いて、ディスペンスヘッド10の内部、飲料供給管230の内部、および、飲料サーバ240内の飲料流路240fを洗浄することができる。
【0022】
(ディスペンスヘッド10)
図2を参照して、洗浄対象であるディスペンスヘッド10の一例について説明する。
図2は、洗浄対象であるディスペンスヘッド10の一例を模式的に示す概略断面図である。
図2(a)は、プランジャ部材14が上方位置にある状態を示し、
図2(b)は、プランジャ部材14が下方位置にある状態を示す。
【0023】
ディスペンスヘッド10は、ビール等の飲料を貯蔵する飲料貯蔵容器210に取り付けられ、飲料貯蔵容器210から飲料を取り出すために使用される。
【0024】
ディスペンスヘッド10は、ガス流路Gと、飲料流路Dと、ディスペンスヘッド本体部11と、プランジャ部材14と、を有する。
【0025】
ガス流路Gには、ガス源220からガスが供給される。
図2に記載の例では、ガス流路Gは、ディスペンスヘッド本体部11に配置される第1ガス流路G1と、ディスペンスヘッド本体部11とプランジャ部材14との間に配置される第2ガス流路G2とを有する。
図2(a)に例示されるように、プランジャ部材14が上方位置にあるとき、第2ガス流路G2は、第1ガス流路G1から遮断され、プランジャ部材14が下方位置にあるとき、第2ガス流路G2は、第1ガス流路G1と連通する。
【0026】
飲料流路Dは、プランジャ部材14によって規定され、飲料貯蔵容器210から飲料を取り出すために使用される。ディスペンスヘッド10が洗浄器2に取り付けられた状態では、当該飲料流路Dは、洗浄器2から洗浄液を取り出すために使用される。
【0027】
ディスペンスヘッド本体部11は、下端部110と、上端部113と、係合部115とを有する。
【0028】
下端部110は、第1シール部材111と、第1シール部材111を保持する保持部112とを有する。第1シール部材111は、底面視で、リング形状を有する。また、保持部112は、第1シール部材111の一部を受容する環状溝112dと、環状溝112dの下方に配置され、外向きに突出する突出部112sとを有する。突出部112sは、典型的には、金属材料によって構成される。
【0029】
図2に記載の例では、ディスペンスヘッド10は、プランジャ部材14をディスペンスヘッド本体部11に対して相対移動させる操作ハンドル17を有する。当該操作ハンドル17は、例えば、ディスペンスヘッド本体部11の上端部113に、揺動軸AXまわりに揺動可能なように取り付けられる。
【0030】
係合部115(以下、「第2係合部115」という。)は、飲料貯蔵容器210、あるいは、洗浄器2に係合する部分である。第2係合部115が飲料貯蔵容器210の口金部に係合されることにより、ディスペンスヘッド10が飲料貯蔵容器210に取り付けられる。また、第2係合部115が、洗浄器2の第1係合部415(必要であれば、
図3を参照。)に係合されることにより、ディスペンスヘッド10が洗浄器2に取り付けられる。
【0031】
プランジャ部材14は、ディスペンスヘッド本体部11に対して相対移動可能な部材である。プランジャ部材14は、上方位置(
図2(a)を参照。)と、下方位置(
図2(b)を参照。)との間で、ディスペンスヘッド本体部11に対して相対移動可能である。より具体的には、操作ハンドル17が下方に向けて操作されることにより、プランジャ部材14の位置が、上方位置から下方位置に変更される。また、操作ハンドル17が上方に向けて操作されることにより、プランジャ部材14の位置が、下方位置から上方位置に変更される。
【0032】
プランジャ部材14の下端部140の外周面には、第2シール部材141が配置されている。
【0033】
(第1の実施形態)
図1乃至
図6を参照して、第1の実施形態における洗浄器2Aについて説明する。
図3は、第1の実施形態における洗浄器2Aを模式的に示す概略2面図である。
図3の上側には、概略平面図が記載され、
図3の下側には、概略縦断面図が記載されている。
図4は、アタッチメントAMが、容器本体3に取り付けられる様子を模式的に示す概略断面図である。
図4(a)には、アタッチメントAMが、容器本体3に取り付けられる前の状態が示され、
図4(b)には、アタッチメントAMが、容器本体3に取り付けられた後の状態が示されている。
図5および
図6は、第1の実施形態における洗浄器2Aにディスペンスヘッド10が取り付けられている様子を模式的に示す概略断面図である。なお、
図5には、混合流体生成部60に加圧ガスが供給される前の状態が示され、
図6には、混合流体生成部60に加圧ガスが供給されている状態が示されている。
【0034】
洗浄器2Aは、ディスペンスヘッド10を洗浄可能な器具である。
図2に例示されるように、洗浄器2Aによって洗浄されるディスペンスヘッド10は、ガス流路Gと、飲料流路Dと、ディスペンスヘッド本体部11と、ディスペンスヘッド本体部11に対して相対移動可能なプランジャ部材14とを有する。洗浄器2Aは、飲料サーバ240内の飲料流路240f(
図1を参照。)、および、ディスペンスヘッド10と飲料サーバ240とを流体的に接続する飲料供給管230の内部を洗浄可能であることが好ましい。
【0035】
図3に例示されるように、洗浄器2Aは、容器本体3と、支持部41と、洗浄液取出管51と、混合流体生成部60と、を具備する。
【0036】
容器本体3は、洗浄液Wの一部(Wa)を収容する主収容部31を規定する。
図3に記載の例では、容器本体3は、口部3cと、胴部3aと、底部3bとを有する。容器本体3は、例えば、ステンレス鋼製等の金属製である。なお、本明細書において、洗浄液Wは、水であってもよいし、水以外の液体であってもよい。
【0037】
支持部41は、ディスペンスヘッド本体部11を支持する。より具体的には、支持部41にディスペンスヘッド本体部11が取り付けられることにより、支持部41は、ディスペンスヘッド本体部11を支持する。
【0038】
洗浄液取出管51は、ディスペンスヘッド10の飲料流路Dに連通する第1流路51fを備える。洗浄液取出管51は、容器本体3の底部3bに向かって延在する。
【0039】
混合流体生成部60は、加圧ガス(より具体的には、ディスペンスヘッド10のガス流路Gから供給される加圧ガス)と、洗浄液Wとの混合流体を生成する。
【0040】
混合流体生成部60は、副収容部61と、ガス導入口OP1と、混合流体放出口OP2とを有する。
図3に記載の例では、混合流体放出口OP2は、ガス導入口OP1を兼用している。換言すれば、混合流体放出口OP2と、ガス導入口OP1とが同一の開口OPによって構成されている。代替的に、混合流体放出口OP2は、ガス導入口OP1から分離されていてもよい(換言すれば、混合流体放出口OP2は、ガス導入口OP1とは別の開口であってもよい。)。
【0041】
副収容部61は、洗浄液Wの一部(Wb)を収容する。副収容部61に収容された洗浄液Wは、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を洗浄するために使用される。
【0042】
ガス導入口OP1は、加圧ガス(より具体的には、ディスペンスヘッド10のガス流路Gから供給される加圧ガス)を副収容部61に導入する(
図6における破線矢印Aを参照。)。副収容部61に加圧ガスが導入されることにより、副収容部61において、洗浄液Wと加圧ガスとの混合流体Cが生成される。なお、
図6において、混合流体Cは、白抜きの円によって仮想的に示されている。
【0043】
混合流体放出口OP2は、副収容部61で生成される混合流体Cをディスペンスヘッド本体部11の下端部110に向けて放出する(
図6における破線矢印Bを参照。)。
【0044】
図1に記載の例において、飲料貯蔵容器210からディスペンスヘッド10が取り外されるときに、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110には、ビール等の飲料が付着する。この事実に対応して、第1の実施形態における洗浄器2Aでは、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に向けて混合流体Cを放出可能である。よって、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に付着した飲料を、洗い落とすことができる。また、第1の実施形態における洗浄器2Aは、加圧ガスと洗浄液Wとの混合流体Cを生成する混合流体生成部60を有し、混合流体生成部60で生成された混合流体を、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に向けて放出可能である。よって、シンプルな構成で、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を洗浄することができる。また、混合流体Cを用いて、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110の洗浄が行われることにより、相対的に少量の洗浄液を用いて効率的に洗浄を行うことができる。更に、少量の洗浄液を用いてディスペンスヘッド本体部11の下端部110の洗浄が行われることにより、ディスペンスヘッド本体部11とプランジャ部材14との間に適用されている潤滑剤が、洗浄液によって、意図せずして除去されることが抑制される。
【0045】
第1の実施形態における洗浄器2Aの使用方法では、
図3に例示されるように、ディスペンスヘッド本体部11が洗浄器2Aの支持部41によって支持される前に、主収容部31に洗浄液Wの一部(Wa)が溜められ、副収容部61に洗浄液Wの一部(Wb)が溜められる。よって、シンプルな構成で、容易に、主収容部31および副収容部61の両方に洗浄液Wを溜めることができる。
【0046】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図6を参照して、第1の実施形態(あるいは、後述の第2の実施形態)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0047】
(連通孔61h)
図4(b)に記載の例では、洗浄器2Aは、副収容部61と主収容部31との間で洗浄液Wが移動することを許容する連通孔61hを備える。洗浄器2Aが連通孔61hを備える場合、副収容部61に洗浄液Wを溜める作業を、より容易に実施することができる。
【0048】
より具体的には、
図4(b)に例示されるように、主収容部31内の洗浄液Waの液面の高さH2が予め設定された高さH1(例えば、連通孔61hの高さ)よりも高く、かつ、主収容部31内の洗浄液Waの液面の高さH2が副収容部61内の洗浄液Wbの液面の高さH3よりも高い場合を想定する。このとき、
図4(b)に記載の例では、主収容部31から副収容部61に、連通孔61hを介して洗浄液Wが移動する(破線矢印Eを参照。)。よって、副収容部61に洗浄液Wを溜める作業を、より容易に実行することができる。例えば、
図4(a)に例示されるように、容器本体3内に洗浄液Wを溜め、その後、容器本体3にアタッチメントAMを取り付けるだけで、容器本体3内の洗浄液Wの一部が、連通孔61hを介して、アタッチメントAMに配置された副収容部61に移動し、当該副収容部61に洗浄液Wbを溜めることができる。
【0049】
図4(b)に記載の例では、洗浄器2Aは、副収容部61と主収容部31との間で洗浄液が移動することを許容する複数の連通孔61h(例えば、2個、3個、あるいは、4個以上の連通孔61h)を備える。洗浄器2Aが、複数の連通孔61hを備える場合、主収容部31から副収容部61への洗浄液Wの移動が迅速化され、より迅速に、副収容部61に洗浄液Wbを溜めることが可能となる。
図4(b)に記載の例では、連通孔61hは、副収容部61の底壁61bに形成されている。
【0050】
(アタッチメントAM)
図4(a)に記載の例では、洗浄器2Aは、容器本体3と、容器本体3に取り付けられるアタッチメントAMとを有する。アタッチメントAMは、一つの部品によって構成されてもよく、複数の部品のアセンブリによって構成されてもよい。
【0051】
アタッチメントAMは、ディスペンスヘッド本体部11を支持する支持部41と、洗浄液取出管51と、副収容部61を備える混合流体生成部60と、容器本体3(より具体的には、容器本体3の口部3c)に取り付けられる取付部71と、を有する。
【0052】
図4(b)に記載の例では、アタッチメントAMの取付部71と容器本体3の口部3cとの間には、シール部材75が配置されている。
【0053】
図4(b)に記載の例では、アタッチメントAMの外面(より具体的には、混合流体生成部60の外面および洗浄液取出管51の外面)と、容器本体3の内面とによって、主収容部31が規定されている。
【0054】
(支持部41)
支持部41は、ディスペンスヘッド本体部11を支持する部分である。支持部41は、例えば、樹脂製である。
図5に記載の例では、支持部41は、ディスペンスヘッド本体部11の第2係合部115と係合可能な第1係合部415を有する。
図5に記載の例では、第1係合部415は、第2係合部115に係合可能な係合突起である。
【0055】
図5および
図6に記載の例では、支持部41にディスペンスヘッド本体部11が取り付けられた状態において、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110は、副収容部61の混合流体放出口OP2の直上に配置されている。この場合、混合流体放出口OP2から上方に放出される混合流体を用いて、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を効率的に洗浄することができる。
【0056】
図6に記載の例では、支持部41にディスペンスヘッド本体部11が取り付けられた状態において、ディスペンスヘッド本体部11に配置された第1シール部材111の外周面が支持部41の内周面41nと環状に接触する。こうして、第1シール部材111と支持部41との間の隙間から、洗浄液Wまたは加圧ガスが漏れることが防止される。
【0057】
(洗浄液取出管51)
図4(a)に記載の例では、洗浄液取出管51は、第1管51-1と、第1管51-1に取り付けられた第2管51-2とを有する。
図4(a)に記載の例では、洗浄液取出管51が第1管51-1と第2管51-2とのアセンブリによって構成されている。代替的に、洗浄液取出管51は、1つの管によって構成されていてもよく、3つ以上の管のアセンブリによって構成されていてもよい。洗浄液取出管51は、例えば、樹脂製である。
【0058】
図6に記載の例では、洗浄液取出管51の上端部51u(より具体的には、第1管51-1の上端部51u)は、プランジャ部材14の第2シール部材141と接触する接触部として機能する。洗浄液取出管51の上端部51uと第2シール部材141とが環状に接触することにより、洗浄液取出管51と第2シール部材141との間の隙間から、洗浄液Wまたは加圧ガスが漏れることが防止される。
【0059】
(副収容部61)
図4(b)に記載の例では、副収容部61は、(1)第1壁61aと、(2)第1壁61aの外側に配置される第2壁61cと、(3)第1壁61aと第2壁61cとを接続する底壁61bと、(4)ディスペンスヘッド本体部11の下端部110が配置されることとなる空間SPに対向配置される混合流体放出口OP2と、を備える。この場合、副収容部61を、シンプルな構造とすることができ、かつ、当該副収容部61を、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110が配置されることとなる空間SPの近傍に配置することができる。副収容部61は、例えば、樹脂製である。
【0060】
図4(b)に記載の例では、第1壁61aは、副収容部61の内壁として機能する。
図4(b)に記載の例では、第1壁61aは、洗浄液取出管51の一部によって構成されている。この場合、副収容部61および洗浄液取出管51を備えたアタッチメントAMの構造をシンプルにすることができる。
【0061】
図4(b)に記載の例では、第2壁61cは、副収容部61の外壁として機能する。より具体的には、第1壁61aと、第1壁61aの外側に配置される第2壁61cとによって、2重筒が構成される。
【0062】
図3に記載の例では、平面視において、第2壁61cは、支持部41の内縁よりも内側に配置されている。代替的に、平面視において、第2壁61cは、支持部41の内縁よりも外側に配置されていてもよい。
【0063】
図3に記載の例では、副収容部61は、平面視でリング形状を有する。また、副収容部61の混合流体放出口OP2は、平面視でリング形状を有する。
図3に記載の例では、洗浄器2Aを上方からみて、混合流体放出口OP2を視認可能である。
【0064】
図3に記載の例では、平面視において、副収容部61の内側に、洗浄液取出管51によって規定される第1流路51fが配置されている。
図3に記載の例では、洗浄器2Aを上方からみて、第1流路51fを視認可能である。
【0065】
(取付部71)
図3に記載の例では、取付部71は、容器本体3の口部3cに形成された第1ネジ部32s(より具体的には、雄ネジ部)に螺合する第2ネジ部71s(より具体的には、雌ネジ部)を有する。取付部71は、例えば、樹脂製である。
【0066】
(連結部81)
図3に記載の例では、洗浄器2A(より具体的には、アタッチメントAM)は、支持部41と副収容部61とを連結する連結部81を有する。
図3に記載の例では、連結部81は、支持部41と副収容部61の第2壁61cとを連結している。
【0067】
連結部81は、ディスペンスヘッド本体部11に配置された第1シール部材111の下面と接触する上面81uを有していてもよい。換言すれば、
図6に例示されるように、支持部41にディスペンスヘッド本体部11が取り付けられた状態において、連結部81の上面81uは、ディスペンスヘッド本体部11に配置された第1シール部材111の下面111bと接触するように構成されていてもよい。この場合、支持部41および連結部81によって、ディスペンスヘッド本体部11が安定的に位置決めされる。連結部81は、例えば、樹脂製である。
【0068】
(ガス連通孔81h)
図6に記載の例では、洗浄器2A(より具体的には、アタッチメントAM)は、ガス連通孔81hを有する。ガス連通孔81hは、副収容部61内の加圧ガスが、主収容部31に移動することを許容する。ガス連通孔81hは、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を洗浄した洗浄液Wの一部が、主収容部31に移動することを許容してもよい。
図6に記載の例では、副収容部61内の洗浄液Wbは、最終的には、主収容部31に移動し、その後、洗浄液取出管51を介して、容器本体3の外部に排出される。換言すれば、洗浄時において、副収容部61内の洗浄液Wbは、副収容部61から放出された後、主収容部31および洗浄液取出管51内の第1流路51fを介して、容器本体3の外部に排出されるように構成される。
【0069】
図3に記載の例では、洗浄器2A(より具体的には、アタッチメントAM)は、4個のガス連通孔81hを有する。代替的に、洗浄器2A(より具体的には、アタッチメントAM)は、1個、2個、3個、あるいは、5個以上のガス連通孔81hを有していてもよい。
図3に記載の例では、ガス連通孔81hは、連結部81に形成されている。
【0070】
(安全弁91)
図3に記載の例では、洗浄器2A(より具体的には、アタッチメントAM)は、容器本体3内の圧力が所定圧以上になることを防止する安全弁91を有する。安全弁91は、容器本体3内の圧力が所定圧以上になると、自動的に、開放される。
【0071】
洗浄器2A(より具体的には、アタッチメントAM)は、容器本体3内の圧力を、手動で低下させるための操作部93を有していてもよい。洗浄器2Aを用いてディスペンスヘッド10の洗浄が行われた後、操作部93が押圧操作される。操作部93が押圧操作されることにより、容器本体3内の圧力が低下する。その後、ディスペンスヘッド10を、安全に、洗浄器2Aから取り外すことができる。
【0072】
(第2の実施形態)
図7および
図8を参照して、第2の実施形態における洗浄器2B、および、洗浄器2Bの使用方法について説明する。
図7は、第2の実施形態における洗浄器2Bを模式的に示す概略2面図である。
図7の上側には、概略平面図が記載され、
図7の下側には、概略縦断面図が記載されている。
図8は、主収容部31および副収容部61に洗浄液Wが溜められる様子を模式的に示す概略断面図である。
【0073】
第2の実施形態は、副収容部61(より具体的には、底壁61b)に、連通孔61hが形成されていない点で、第1の実施形態と相違する。その他の点では、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様である。
【0074】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0075】
図7に例示されるように、第2の実施形態では、副収容部61と主収容部31との間で洗浄液Wが移動することを許容する連通孔61hが設けられていない。よって、洗浄器2Bが正立した状態において、洗浄液Wは、主収容部31から副収容部61に移動することができない。
【0076】
図8に記載の例では、副収容部61の上方の開口OP(より具体的には、混合流体放出口OP2)を介して、副収容部61に洗浄液Wを注ぐことにより、副収容部61に洗浄液Wを溜めることができる。
図8に記載の例では、水道の蛇口から、主収容部31および副収容部61の各々に洗浄液Wが注がれ、主収容部31および副収容部61の各々に洗浄液Wが溜められる。
【0077】
第2の実施形態における洗浄器2Bの使用方法では、
図8に例示されるように、ディスペンスヘッド本体部11が洗浄器2Bの支持部41によって支持される前に、主収容部31に洗浄液Wの一部(Wa)が溜められ、副収容部61に洗浄液Wの一部(Wb)が溜められる。よって、シンプルな構成で、容易に、主収容部31および副収容部61の両方に洗浄液Wを溜めることができる。
【0078】
(洗浄方法)
図1乃至
図10を参照して、実施形態における洗浄方法について説明する。
図9は、実施形態における洗浄方法の一例を示すフローチャートである。
図10は、洗浄器2と飲料サーバ240とが、ディスペンスヘッド10および飲料供給管230を介して接続されている様子を模式的に示す図である。
【0079】
実施形態における洗浄方法において使用される洗浄器2は、第1の実施形態における洗浄器2Aであってもよいし、第2の実施形態における洗浄器2Bであってもよいし、その他の洗浄器であってもよい。
【0080】
実施形態における洗浄方法において洗浄されるディスペンスヘッド10は、(1)ガス流路Gと、(2)飲料流路Dと、(3)ディスペンスヘッド本体部11と、(4)ディスペンスヘッド本体部11に対して相対移動可能なプランジャ部材14と、を備える。ディスペンスヘッド10については、
図2等を参照して説明済みであるため、ディスペンスヘッド10についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0081】
実施形態における洗浄方法において使用される洗浄器2は、(1)洗浄液Wの一部(Wa)を収容する主収容部31を規定する容器本体3と、(2)ディスペンスヘッド本体部11を支持する支持部41と、(3)飲料流路Dに連通する第1流路51fを備え、容器本体3の底部3bに向かって延在する洗浄液取出管51と、(4)洗浄液Wの一部(Wb)を収容する副収容部61を有し、加圧ガスと洗浄液Wとの混合流体を生成する混合流体生成部60と、を備える。容器本体3、支持部41、洗浄液取出管51、および、混合流体生成部60については、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0082】
第1ステップST1において、主収容部31、および、副収容部61の両方に洗浄液Wが溜められる。第1ステップST1は、貯留工程である。
【0083】
図4に記載の例では、第1ステップST1(貯留工程)は、容器本体3の内部空間に洗浄液Wを注ぐこと(
図4(a)を参照。)と、連通孔61hを介して主収容部31から副収容部61に、洗浄液Wを移動させること(
図4(b)における破線矢印Eを参照。)と、を含む。
【0084】
図4(a)に記載の例では、容器本体3の内面3nに、注入すべき洗浄液Wの目標量を示す目印M(例えば、環状の段差部)が形成されている。この場合、ユーザは、目印M以上の高さまで、容器本体3の内部空間に洗浄液Wを注入すればよい。
【0085】
主収容部31から副収容部61に、洗浄液Wを移動させることは、例えば、連通孔61hが設けられた副収容部61を具備するアタッチメントAMを、容器本体3に取り付けることにより、自動的に実行される。より具体的には、アタッチメントAMの取付部71が容器本体3の口部3cに取り付けられると、連通孔61hの高さH1が、容器本体3内の主収容部31における洗浄液Wの液面の高さH2よりも低くなる。その結果、主収容部31から、連通孔61hを介して、副収容部61に洗浄液Wが移動する。当該移動は、主収容部31における洗浄液Waの液面の高さH2と、副収容部61における洗浄液Wbの液面の高さH3とが実質的に一致することにより終了する。
【0086】
代替的に、
図3において、第1ステップST1(貯留工程)は、副収容部61を具備するアタッチメントAMを容器本体3に取り付けることと、その後、主収容部31(あるいは、主収容部31と副収容部61との両方)に、洗浄液Wを注ぐこととを含んでいてもよい。主収容部31(あるいは、主収容部31と副収容部61との両方)に、洗浄液Wが注がれると、主収容部31における洗浄液Waの液面の高さH2と、副収容部61における洗浄液Wbの液面の高さH3とが実質的に一致するように、連通孔61hを通って洗浄液Wが移動する。
【0087】
図8に例示されるように、連通孔61hを備えていない洗浄器2Bが使用される場合には、第1ステップST1(貯留工程)は、副収容部61を具備するアタッチメントAMを容器本体3に取り付けることと、その後、主収容部31と副収容部61との両方に、洗浄液Wを注ぐこととを含む。代替的に、第1ステップST1(貯留工程)は、容器本体3の内部空間に洗浄液Wを注ぐことと、その後、アタッチメントAMを容器本体3に取り付けることと、更にその後、副収容部61に洗浄液Wを注ぐこと、とを含んでいてもよい。
【0088】
第2ステップST2において、ディスペンスヘッド本体部11が、洗浄器2の支持部41に取り付けられる。第2ステップST2は、取付工程である。取付工程は、第1ステップST1(貯留工程)の実行後に行われる。
図5には、取付工程が実行された後の状態が示されている。
図5および
図6に記載の例では、取付工程の実行後、ディスペンスヘッド本体部11に対して、プランジャ部材14が、相対的に下方向に移動される。プランジャ部材14が下方向に移動することにより、プランジャ部材14の下端部の外周面に配置された第2シール部材141が、洗浄液取出管51(より具体的には、第1壁61a)と環状に接触する。こうして、第2シール部材141と、洗浄液取出管51(より具体的には、第1壁61a)との間のシール状態が確保される。
【0089】
第3ステップST3において、加圧ガスと洗浄液Wとの混合流体が生成される。第3ステップST3は、混合流体生成工程である。混合流体生成工程では、ディスペンスヘッド10のガス流路Gから副収容部61に供給される加圧ガスの運動量を用いて、加圧ガスと洗浄液Wとの混合流体Cが生成される(
図6を参照。)
【0090】
より具体的には、混合流体生成工程では、第1に、ガス源220からディスペンスヘッド10に加圧ガス(換言すれば、大気圧よりも圧力の高いガス)が供給される。ディスペンスヘッド10に供給される加圧ガスの圧力は、例えば、0.1MPa(メガパスカル)以上、あるいは、0.2MPa以上である。加圧ガスは、炭酸ガスであってもよいし、空気であってもよい。
【0091】
第2に、ディスペンスヘッド10のガス流路Gから、副収容部61に加圧ガスが導入される(
図6における破線矢印Aを参照。)。副収容部61には、洗浄液Wの一部(Wb)が貯留されている。このため、副収容部61に加圧ガスが導入されると、加圧ガスの運動量によって副収容部61内の洗浄液Wbが攪拌される。その結果、副収容部61において、加圧ガスと洗浄液Wbとの混合流体Cが生成される。
【0092】
第4ステップST4において、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110が洗浄される。第4ステップST4は、第1洗浄工程である。第1洗浄工程では、混合流体生成部60(より具体的には、副収容部61)から放出される混合流体Cによって、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110が洗浄される。
【0093】
より具体的には、第1洗浄工程では、第1に、混合流体生成部60(より具体的には、副収容部61)で生成された混合流体Cが、副収容部61から、混合流体放出口OP2を介して、副収容部61外に放出される(
図6における破線矢印Bを参照。)。当該放出は、例えば、副収容部61に導入される加圧ガスによって、洗浄液Wbが加圧ガスと共に押し出されることにより行われる。
【0094】
第2に、副収容部61外に放出された混合流体Cが、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に衝突する。こうして、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110が混合流体Cによって洗浄される。
【0095】
ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に衝突した混合流体Cの一部は、ガス連通孔81hを介して、主収容部31に移動してもよい。また、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に衝突した混合流体Cの一部は、副収容部61に戻ってもよい。
【0096】
第5ステップST5において、ディスペンスヘッド10のプランジャ部材14の内部が洗浄される。第5ステップST5は、第2洗浄工程である。第2洗浄工程では、主収容部31から洗浄液取出管51内の第1流路51fを介してプランジャ部材14に供給される洗浄液によって、プランジャ部材14の内部が洗浄される。
【0097】
より具体的には、第2洗浄工程では、第1に、ガス源220からディスペンスヘッド10に加圧ガス(換言すれば、大気圧よりも圧力の高いガス)が供給される。
【0098】
第2に、ディスペンスヘッド10のガス流路Gから、ガス連通孔81hを介して、主収容部31に加圧ガスが導入される。主収容部31には、洗浄液Wの一部(Wa)が貯留されている。このため、主収容部31に加圧ガスが導入されると、加圧ガスの圧力によって、洗浄液Waが、洗浄液取出管51の第1流路51fに向けて押し出される。
【0099】
第3に、洗浄液取出管51の第1流路51fに押し出された洗浄液は、上方に移動して、プランジャ部材14の内部を通過する(
図6における破線矢印Fを参照。)。こうして、洗浄液によって、プランジャ部材14の内部が洗浄される。
【0100】
なお、
図6に記載の例では、第2洗浄工程(第5ステップST5)の一部は、第1洗浄工程(第4ステップST4)と同時、あるいは、第1洗浄工程の直後に実行される。第2洗浄工程(第5ステップST5)の一部は、第1洗浄工程(第4ステップST4)の終了後に実行されてもよい。換言すれば、副収容部61内の洗浄液Wbが実質的に空になった後に、第2洗浄工程(第5ステップST5)の一部が実行されてもよい。
【0101】
図10に記載の例では、ディスペンスヘッド10のプランジャ部材14は、飲料供給管230を介して、飲料サーバ240に流体的に接続されている。この場合、第6ステップST6において、飲料供給管230の内部と、飲料サーバ240内の飲料流路240fとが洗浄される。第6ステップST6は、第3洗浄工程である。
【0102】
より具体的には、第3洗浄工程では、第1に、プランジャ部材14の内部から、飲料供給管230の内部に洗浄液が移動する。こうして、飲料供給管230の内部が洗浄される。第2に、飲料供給管230の内部から飲料サーバ240内の飲料流路240fに洗浄液が移動する。こうして、飲料サーバ240の飲料流路240fが洗浄される。第3に、飲料サーバ240の飲料流路240fから、注出コック部241を介して、飲料サーバ240外に洗浄液が排出される。
【0103】
実施形態における洗浄方法では、シンプルな構成で、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を洗浄することができる。より具体的には、シンプルな構造の洗浄器2を用いて、シンプルな手順で、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を洗浄することができる。
【0104】
(実験1)
第1の実施形態における洗浄器2Aを用いて、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110の洗浄を行った。
図11(a)に実験1の実験条件、
図11(b)に実験1の実験結果(ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を下側から見た図)を示す。
【0105】
実験1では、副収容部61に、予め、底壁61bから30mmの高さ位置(容器本体3の頂面から10mmの高さ)まで、洗浄液としての水が溜められた洗浄器2Aが使用された。また、ディスペンスヘッド10に供給される加圧ガスのガス圧は、0.15MPaとされた。更に、実験1では、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110の金属部分110mに、8箇所、食紅(
図11(b)の左側の図において、ハッチングによって示されている部分を参照。)が付着されたディスペンスヘッド10が使用された。
【0106】
実験後(換言すれば、洗浄後)、洗浄器2Aから取り外されたディスペンスヘッド本体部11の下端部110を観察すると、下端部110の金属部分110mには、複数箇所、水滴(
図11(b)の右側の図において、白抜きの円で示されている部分を参照。)が付着していた。水滴は、概ね無色透明であった。以上のことから、第1の実施形態における洗浄器2Aを用いてディスペンスヘッド10の洗浄を行うと、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に付着した飲料(実験では、食紅によって模擬)が、効果的に洗い流されることが確認された。なお、
図11には、1回の実験結果のみが示されているが、複数回、同様の実験を行ったところ、
図11に示される実験結果と、ほぼ同様の実験結果が得られた。
【0107】
(実験2)
第2の実施形態における洗浄器2Bを用いて、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110の洗浄を行った。
図12(a)に実験2の実験条件、
図12(b)に実験2の実験結果(ディスペンスヘッド本体部11の下端部110を下側から見た図)を示す。
【0108】
実験2では、副収容部61に、予め、洗浄液としての水が溜められた洗浄器2Bが使用された。また、ディスペンスヘッド10に供給される加圧ガスのガス圧は、0.3MPaとされた。更に、実験2では、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110の金属部分110mに、8箇所、食紅(
図12(b)の左側の図において、ハッチングによって示されている部分を参照。)が付着されたディスペンスヘッド10が使用された。
【0109】
実験後(換言すれば、洗浄後)、洗浄器2Bから取り外されたディスペンスヘッド本体部11の下端部110を観察すると、下端部110の金属部分110mには、複数箇所、水滴(
図12(b)の右側の図において、白抜きの円で示されている部分を参照。)が付着していた。水滴は、概ね無色透明であった。以上のことから、第2の実施形態における洗浄器2Bを用いてディスペンスヘッド10の洗浄を行うと、ディスペンスヘッド本体部11の下端部110に付着した飲料(実験では、食紅によって模擬)が、効果的に洗い流されることが確認された。なお、
図12には、1回の実験結果のみが示されているが、複数回、同様の実験を行ったところ、
図12に示される実験結果と、ほぼ同様の実験結果が得られた。
【0110】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 :飲料供給システム
2、2A、2B:洗浄器
3 :容器本体
3a :胴部
3b :底部
3c :口部
3n :内面
10 :ディスペンスヘッド
11 :ディスペンスヘッド本体部
14 :プランジャ部材
17 :操作ハンドル
31 :主収容部
32s :第1ネジ部
41 :支持部
41n :内周面
51 :洗浄液取出管
51-1 :第1管
51-2 :第2管
51f :第1流路
51u :上端部
60 :混合流体生成部
61 :副収容部
61a :第1壁
61b :底壁
61c :第2壁
61h :連通孔
71 :取付部
71s :第2ネジ部
75 :シール部材
81 :連結部
81h :ガス連通孔
81u :上面
91 :安全弁
93 :操作部
110 :下端部
110m :金属部分
111 :第1シール部材
111b :下面
112 :保持部
112d :環状溝
112s :突出部
113 :上端部
115 :第2係合部
140 :下端部
141 :第2シール部材
210 :飲料貯蔵容器
220 :ガス源
230 :飲料供給管
240 :飲料サーバ
240f :飲料流路
241 :注出コック部
415 :第1係合部
AM :アタッチメント
D :飲料流路
G :ガス流路
G1 :第1ガス流路
G2 :第2ガス流路
M :目印
OP :開口
OP1 :ガス導入口
OP2 :混合流体放出口
SP :空間
W、Wa、Wb:洗浄液