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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003269
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】黒色顔料分散体
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/46 20060101AFI20221228BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20221228BHJP
   C08F 20/10 20060101ALI20221228BHJP
   C09B 57/00 20060101ALN20221228BHJP
【FI】
C09B67/46 A
C09B67/20 L
C09B67/20 F
C08F20/10
C09B57/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104342
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000180058
【氏名又は名称】山陽色素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野澤 貴博
【テーマコード(参考)】
4J100
【Fターム(参考)】
4J100AL03P
4J100AL03Q
4J100AL08R
4J100AL08S
4J100AQ12S
4J100BA05R
4J100BA08R
4J100BA28S
4J100BA31S
4J100CA03
4J100CA06
4J100DA01
4J100DA28
4J100JA07
(57)【要約】
【課題】ペリレンブラックを含有する顔料分散液を調製する際、分散液がゲル化したり、保存中に分散液の粘度が変化したりすることを防止し、分散性を向上させること。
【解決手段】ペリレンブラックと;化学式1~3に示されるいずれかの誘導体と;化学式4の構造を有する単量体Aと、塩基性官能基を有する単量体Bと、単量体A及び単量体Bと重合可能である単量体Cとから構成される共重合体であり、単量体Bが塩基性官能基として含窒素芳香族複素環基を有する単量体及び/又は化学式5の構造を有し、アミン価が120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である分散剤とを併用する。ペリレンブラックの含有量は、5質量%以上25質量%以下である。ペリレンブラックの平均粒子径は200nm以下に調整されることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも黒色顔料、誘導体、分散剤及び溶剤を含有する黒色顔料分散体であって、
前記黒色顔料は、ペリレンブラックであり、
前記誘導体は、化学式1、化学式2又は化学式3に示されるいずれかである誘導体であり、
前記分散剤は、
化学式4の構造を有する単量体Aと、
塩基性官能基を有する単量体Bと、
前記A及び前記Bと重合可能である単量体Cと、
から構成される共重合体であり、
前記単量体Bは、塩基性官能基として含窒素芳香族複素環基を有する単量体及び/又は化学式5の構造を有する単量体であり、
前記分散剤のアミン価は、120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である、
黒色顔料分散体。
【化1】
【化2】
(化学式2中、n=1~2である。)
【化3】
【化4】
(化学式4中、R1は、水素又はメチル基であり;R2は炭素数1~8のアルキル基であり; n=4~23である。)
【化5】
(化学式5中、R3は、水素又はメチル基であり;Aは-COO-又は-CONH-であり;Bは炭素数1~6のアルキレン基であり;R4、R5は、互いに独立して、水素又は炭素数1~3のアルキル基であり、R4とR5とが結合して、隣接する窒素原子とともに5~7員の複素環を形成してもよい。)
【請求項2】
前記ペリレンブラックが化学式6及び/又は化学式7に示されるペリレンブラックである、請求項1に記載の黒色顔料分散体。
【化6】
【化7】
【請求項3】
前記ペリレンブラックの平均粒子径が200nm以下である、請求項1又は2に記載の黒色顔料分散体。
【請求項4】
前記黒色顔料の含有量が黒色顔料分散体の質量全体の5質量%以上25質量%以下であり、
前記誘導体の含有量が顔料質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
前記分散剤の含有量が顔料と誘導体との合計質量に対して5質量%以上80質量%以下である、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の黒色顔料分散体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペリレンブラックを含有する、分散性に優れた黒色顔料分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、対向する透明電極が設けられた2枚のガラス基板の間に液晶物質が充填された液晶セル構造を有する。そして、2枚のガラス基板の間には、その基板間ギャップを均一に保持し、良好な画像を提供するため、カラムスペーサが挿入されている。従来、このようなカラムスペーサとしては、ビーズ状ガラスのようなビーズスペーサが使用されていた。しかし、ビーズスペーサを用いる方式では、ギャップにランダムにビーズを分散させるだけであるため光漏れの問題が生じることがある、ギャップ距離のばらつきが大きくなる場合がある、弾性などの力学的特性の制御が困難である、等の問題があることが指摘されている。また、近年の液晶表示装置に対する高画質化の市場の要請から、より精密なギャップ制御が求められている。
【0003】
この改善策として、ビーズスペーサに替えて、黒色感光性樹脂組成物を用いるブラックカラムスペーサが提案されている(特許文献1及び2)。ブラックカラムスペーサによれば、所望の位置にギャップ距離のばらつきが小さくなるようにカラムスペーサを形成することが可能で、光重合性成分等の特性を制御することが比較的容易なため、ビーズスペーサの場合よりも精密なギャップ制御が可能になると考えられる。そして、カラムスペーサに黒色の着色剤が含まれることで、可視光(波長は380nm~750nmとする) を遮断し、コントラストと発色効果の向上が期待できる。このような黒色の着色剤として、特許文献1及び2は、ペリレンブラックを例示している。また、ペリレンブラックの一例として、特許文献3は、特定構造の顔料を開示している。
【0004】
特許文献4は、ブラックカーボンを用いることなく、可視光領域の光線は吸収可能で、かつ、赤外線及び紫外線の吸収は抑制可能であり、耐溶剤性の良好な黒色顔料組成物として、特定構造のペリレンブラックと、当該ペリレンブラック以外の少なくとも2種類の有色有機顔料、分散剤及び溶剤を含有する黒色顔料組成物を開示している。
【0005】
特許文献5は、分散性に優れ、流動性が良く安定であり、かつ現像性にも優れたカラーフィルター用着色組成物として、着色剤と、樹脂型分散剤と、溶剤とを含有するカラーフィルター用着色組成物であって、当該着色剤が、平均一次粒子径が20nm~50nmであり、かつ、顔料粒子の縦横比が1:1~1:3 .5である顔料を含有し、該樹脂型分散剤が、親溶媒性を有するAブロックと、窒素原子を含む官能基を有するBブロックとからなるA -Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であり、かつ、アミン価が、有効固形分換算で10mgKOH/g以上99mgKOH/g以下であるアクリル系ブロック共重合体を含有することを特徴とするカラーフィルター用着色組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-191234号公報
【特許文献2】特開2007-71994号公報
【特許文献3】特許第4980727号公報
【特許文献4】特開2017-226821号公報
【特許文献5】特開2012-212054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ペリレンブラックは遮光性に優れるため、ペリレンブラックを含有する黒色着色組成物を用いて形成したブラックマトリクスは、カラー液晶表示装置の表示コントラストに優れ、さらに低誘電率特性であるため、液晶の配向乱れ及び薄膜トランジスタ(TFT)基板上に形成される電極間の導通といったブラックマトリクスの電気特性起因の不具合を生じにくい。また、近赤外領域の透過率に優れていることにより、マスクアライメント作業も可能であり、TFT方式カラー液晶表示装置の駆動用基板にも適している。
【0008】
ペリレンブラックは、分散性が悪いことが欠点とされており、特許文献5に開示されるように、分散剤を使用して黒色の着色組成物(黒色顔料分散体)中における分散性を向上させることが行われていた。しかし、黒色顔料分散体の調製時の分散性は向上できても、保存中に分散性が低下し、粒子径が増加したりゲル化したりする場合があった。また、分散体の粘度が上昇する場合もあるなど、ペリレンブラックの分散性をさらに向上させる必要があった。
【0009】
本発明は、ペリレンブラックを黒色顔料として含有する黒色顔料分散体であって、調製時のみならず保存中における分散性にも優れる黒色顔料分散体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ペリレンブラックを黒色顔料として顔料分散体に使用する場合、特定の誘導体及び分散剤と併用することにより、ペリレンブラックの分散性が向上されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
具体的に本発明は、
少なくとも黒色顔料、誘導体、分散剤及び溶剤を含有する黒色顔料分散体であって、
前記黒色顔料は、ペリレンブラックであり、
前記誘導体は、化学式1、化学式2又は化学式3に示されるいずれかである誘導体であり、
前記分散剤は、
化学式4の構造を有する単量体Aと、
塩基性官能基を有する単量体Bと、
前記A及び前記Bと重合可能である単量体Cと、
から構成される共重合体であり、
前記単量体Bは、塩基性官能基として含窒素芳香族複素環基を有する単量体及び/又は化学式5の構造を有する単量体であり、
前記分散剤のアミン価は、120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である、
黒色顔料分散体に関する。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
(化学式2中、n=1~2である。)
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
(化学式4中、R1は、水素又はメチル基であり;R2は炭素数1~8のアルキル基であり; n=4~23である。)
【0018】
【化5】
【0019】
(化学式5中、R3は、水素又はメチル基であり;Aは-COO-又は-CONH-であり;Bは炭素数1~6のアルキレン基であり;R4、R5は、互いに独立して、水素又は炭素数1~3のアルキル基であり、R4とR5とが結合して、隣接する窒素原子とともに5~7員の複素環を形成してもよい。)
【0020】
本発明の黒色顔料分散体は、化学式1~3のいずれかに示される誘導体と、特定のポリマー分散剤とを併用することにより、従来のペリレンブラック含有黒色顔料分散体よりも、ペリレンブラックの分散性及び安定性に優れる。
【0021】
前記ペリレンブラックは、化学式6及び/又は化学式7に示されるペリレンブラックであることが好ましい。
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
前記ペリレンブラックの平均粒子径(キュムラント平均粒子径)は、200nm以下であることが好ましく、170nm以下であることがより好ましい。平均粒子径が200nm以下であれば、ペリレンブラックの分散性に優れるためである。ただし、平均粒子径が170nm以下であっても経時的に凝集しないこと(分散安定性)が必要であり、分散安定性及び遮光性等の観点から、平均粒子径は50nm以上であることが好ましい。
【0025】
前記黒色顔料の含有量は、黒色顔料分散体の質量全体の5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、8質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。5質量%未満では顔料濃度が低いため着色が不十分になる可能性があり、25質量%超では粘度が高くなり、ハンドリング性が落ちるという問題を生じやすい。
【0026】
前記誘導体の含有量は、分散安定性の観点から、顔料質量(黒色顔料分散体中に含有されている顔料の質量)に対して5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
前記分散剤の含有量は、分散安定性、OD値及び色純度等の光学特性の観点から、顔料と誘導体との合計質量(黒色顔料分散体中に含有されている顔料及び誘導体の質量の合計)に対して5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。ただし、誘導体と分散剤の最適な含有量は、使用する顔料、誘導体及び分散剤の種類と組み合わせ等により、適宜、調整し得る。
【0028】
本発明の黒色顔料分散体は、さらに酸性基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、カルド構造を有する樹脂を含有してもよい。このような樹脂を含有することにより、現像性及び密着性の向上効果が得られる。
【0029】
本発明の黒色顔料分散体は、さらに粘度調整剤のような補助成分を含有してもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の黒色顔料分散体は、ペリレンブラックの分散性に優れ、調製時にゲル化せず、保存中にも平均粒子径及び粘度が変化しにくい。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0032】
(黒色顔料)
ペリレンブラックとしては、ペリレン構造を有する公知の黒色有機顔料を使用することができ、例えば、C.I.Pigment Black 31、C.I.Pigment Black 32の他、化学式6及び/又は化学式7に示されるペリレンブラック等を使用し得る。このようなペリレンブラックは、1種だけ使用されてもよく、2種以上で使用されてもよい。また、ペリレンブラックは市販品を使用することができ、例えば、Lumogen(登録商標) Black FK4280(BASF社)、Paliogen(登録商標) Black S0084(BASF社/C.I.Pigment Black 31)等を使用し得る。Lumogen(登録商標) Black FK4280は、化学式6又は化学式7の構造を有する。
【0033】
(誘導体)
本発明で使用される誘導体は、化学式1、化学式2又は化学式3に示されるいずれかである誘導体である。これら誘導体は、1種類だけ使用されてもよく、2種類以上で使用されてもよい。これら誘導体は、定法に従って合成し、使用することができる。化学式1~3に示される誘導体は、いずれもスルホン酸基を有するが、金属塩ではなく遊離酸を使用する。
【0034】
(分散剤)
単量体Aとしては、共栄社化学株式会社製のライトアクリレートシリーズ、第一工業製薬株式会社製のニューフロンティア(登録商標)シリーズに該当する単量体を使用し得る。
【0035】
単量体Bは、塩基性官能基として含窒素芳香族複素環基を有する単量体及び/又は化学式5の構造を有する単量体である。塩基性官能基として含窒素芳香族複素環基を有する単量体としては、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン等を使用し得る。化学式5の構造を有する単量体としては、共栄社化学株式会社製のライトエステルシリーズ、KJケミカルズ株式会社製のコーシルマー(登録商標)シリーズ等に該当する単量体を使用し得る。
【0036】
単量体Cは、顔料の分散性に影響を与えない観点から、ノニオン性の単量体が好ましい。ノニオン性の単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
【0037】
分散剤中の単量体A~Cの含有率は、単量体Aが10~60質量部、単量体Bが10~50質量部、単量体Cが20~60質量部で、合計が100質量部となるように適宜変更し得る。
【0038】
単量体A~Cの共重合体である分散剤の酸価及びアミン価は、共重合体に含まれる官能基とその含有量により決定される。酸価(固形分換算したときの酸価)は、例えば、DIN EN ISO 2114に準拠する方法により求めることができ、アミン価(固形分換算したときのアミン価)は、例えば、DIN 16945に準拠する方法により求めることができる。分散剤の酸価は、1 mgKOH/g以下であることが好ましい。分散剤のアミン価は、120mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることが好ましく、150mgKOH/g以上180mgKOH/g以下であることがより好ましい。
【0039】
(溶剤)
溶剤としては、例えば、芳香族系、ケトン系、エステル系、グリコールエーテル系、アルコール系、脂肪族系等の各種の有機溶剤を使用し得る。有機溶剤は、1種のみでもよく、2種以上組み合わせてもよい。
【0040】
芳香族系の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0041】
ケトン系の有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、イソホロン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0042】
エステル系の有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、酢酸-3-メトキシブチル、エチルグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ブチルカルビトールアセテート、乳酸ブチル、エチル-3-エトキシプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸プロピル、1,3-ブチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
【0043】
グリコールエーテル系の有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル等の水溶性のグリコールエーテル類;
エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコール-n-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコール-2-エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等の非水溶性のグリコールエーテル類等が挙げられる。
【0044】
アルコール系の有機溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1~4のアルキルアルコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0045】
脂肪族系の有機溶剤としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0046】
溶剤の含有量は、取り扱い容易の観点から、顔料等を含む固形分濃度が6~40重量%となるように調整されることが好ましい。
【0047】
<黒色顔料組成物の製造例>
以下の原料及び製造方法によって、黒色顔料分散体を製造した。
【0048】
(黒色顔料)
ペリレンブラックとして、Lumogen(登録商標) Black FK4280(BASF社)及びPaliogen(登録商標) Black S0084(BASF社)を使用した。
【0049】
(誘導体)
誘導体として、誘導体1~8及びソルスパース(登録商標)5000(日本ルーブリゾール社/スルホン酸基(アンモニウム塩)を有する)を使用した。
【0050】
(誘導体1の製造方法)
C.I.Pigment Yellow 138(BASF社、Paliotol(登録商標)Gelb K0961HD)20質量部と、98%濃硫酸300質量部とを500mLセパラブルフラスコに入れ、120℃で5時間反応させてフタルイミドキノフタロン化合物のスルホン化物を得た。反応混合物を、撹拌しながら水3000質量部中に注ぎ、フタルイミドキノフタロン化合物のスルホン化物を析出させて、30分撹拌した後、濾過、水洗を3回繰り返した。得られたウェットケーキを1%希硫酸300質量部で洗浄後、濾過し水洗した。熱風乾燥機中で乾燥させ、54質量部の化学式1で示される誘導体1を得た。
【0051】
得られた誘導体1を、ヒューレットパッカード社製液体クロマトグラフィー質量分析機「LC/MS」(Electro Spray Ionization)により、質量分析を行った結果、m/z=773〔M-H〕-を検出した。
【0052】
(誘導体2の製造方法)
定法に従い、化学式8で示される誘導体2を得た。
【0053】
【化8】
【0054】
(誘導体3の製造方法)
定法に従い、化学式9で示される誘導体3を得た。
【0055】
【化9】
【0056】
(誘導体4の製造方法)
定法に従い、化学式10で示される誘導体4を得た。
【0057】
【化10】
【0058】
(誘導体5の製造方法)
定法に従い、化学式11で示される誘導体5を得た。
【0059】
【化11】
【0060】
(誘導体6の製造方法)
98%濃硫酸200質量部中にC.I.Pigment Orange 43 15質量部、パラホルムアルデヒド1.6質量部及び4-アミノフタルイミド8.4質量部を添加し、85℃で5時間反応させた。次に、この溶液を1Lの氷水に添加し、濾過及び水洗を行うことにより、4-アミノフタルイミドメチル基1個を導入した、19.5質量部の(4-アミノフタルイミドメチル)-C.I.Pigment Orange 43を得た。
【0061】
次に、(4-アミノフタルイミドメチル)-C.I.Pigment Orange 43 10質量部を水100質量部に分散させ、アミノ基1個と反応する量の塩化シアヌル3.6質量部を加えて30℃で1時間反応させた。次に、3.4質量部のオルタニル酸(2-アミノベンゼンスルホン酸)を加え、80℃で2時間反応させ、残りの1個のClを加水分解して、15.2質量部の化学式2で示される誘導体6を得た。
【0062】
AXIMA CFR plus型マトリックス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析計(島津製作所製)を使用して、α-シアノ-4-ヒドロキシけい皮酸(CHCA)をマトリックスとして、正イオンモードで誘導体6の分子イオンピークを測定した。その結果、m/z=854にピークが認められた。このイオンピークは、n=1の化合物に相当する。
【0063】
(誘導体7の製造方法)
水100質量部に塩化シアヌル18.4質量部と塩化シアヌルの1個の塩素原子と反応する量のオルタニル酸17.3質量部とを加え、10℃で1時間反応させた。得られた反応物に、この反応物の2個の塩素原子と反応する量の3-アミノ-4-メトキシベンズアミド16.6質量部を加え、85℃で1時間反応させた。反応物を濾取し、得られた残渣を水洗した後、100℃の恒温槽に一晩静置して乾燥させて、32.5質量部の化学式3で示される誘導体3を得た。
【0064】
AXIMA CFR plus型マトリックス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析計(島津製作所製)を使用して、α-シアノ-4-ヒドロキシけい皮酸(CHCA)をマトリックスとして、正イオンモードで誘導体7の分子イオンピークを測定した。その結果、m/z=582にピークが認められた。
【0065】
(誘導体8の製造方法)
特開2012-212054号公報の段落[0148]に記載の方法に従って、誘導体1のアルミニウム塩である誘導体8を得た。
【0066】
(溶剤)
溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)を使用した。
【0067】
(分散剤)
分散剤として、後述する分散剤I~IVを使用した。各分散剤を構成するアミン価、Mp(ピークトップ分子量)、Mw/Mn(重量平均分子量と数平均分子量の比)、NV(固形分又は不揮発分)、及び単量体組成(数字は単量体の質量比を示す)は、表1に示されるとおりである。表1において、単量体組成欄の略号が示す構造は、表2に示されるとおりである。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
(分散剤Iの製造方法)
メチルメタクリレート(MMA)287.3質量部、ブチルメタクリレート(BMA)0.6質量部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(MPEG9MA)142.4質量部、N-(tert-ブチル)-N-(1-ジエチルホスホノ-2,2-ジメチルプロピル)-O-(2-カルボキシルプロプ-2-イル)ヒドロキシアミン(アルケマ社製、製品名BlocBuilder MA)15質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)436質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)218質量部を2L容ステンレス鋼製セパラブルフラスコに採取した。窒素バブリングしながら撹拌し、オイルバスによってフラスコを125℃に加熱し、4時間反応させた。
【0071】
次に、4-ビニルピリジン(4VPy)199.7質量部、PMA 196質量部、PM 98質量部をフラスコに投入し、引き続き窒素バブリングしながら撹拌し、125℃で4時間反応させた。
【0072】
反応混合物の固形分は40.5重量%であった。得られたブロック共重合体をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定したところ、ピークトップ分子量11500、Mw/Mnは1.24であった。アミン価(固形分)は168.6 mgKOH/gであった。
【0073】
このようにして得られたブロック共重合体(分散剤I)は、MMA(単量体C)に由来する構成単位と、BMA(単量体C)に由来する構成単位と、MPEG9MA(単量体A)に由来する構成単位とを有するブロックと、塩基性基含有単位として4VPy(単量体B)に由来する構成単位を有するブロックを有する。即ち、分散剤Iは、その一方の端部に塩基性基含有単位からなるブロックを有する直鎖状のブロック重合体である。単量体の構成上、分散剤Iは酸性基を有さない。分散剤Iの各構成単位の質量比(MMA/BMA/MPEG9MA/4VPy)は、45.6/0.1/22.6/31.7である。
【0074】
(分散剤IIの製造)
4VPyの代わりにDMを使用すること以外、分散剤Iと同様の方法によって分散剤IIを製造した。分散剤IIの各構成単位の質量比(MMA/BMA/MPEG9MA/DM)は、35.1/0.1/17.4/47.4である。
【0075】
(分散剤IIIの製造)
4VPyの代わりにDMAPAA(登録商標)を使用すること以外、分散剤Iと同様の方法によって分散剤IIIを製造した。分散剤IIIの各構成単位の質量比(MMA/BMA/MPEG9MA/DMAPAA)は、35.3/0.1/17.5/47.1である。
【0076】
(分散剤IVの製造)
4VPyの代わりにDEを使用すること以外、分散剤Iと同様の方法によって分散剤IVを製造した。分散剤IVの各構成単位の質量比(MMA/BMA/MPEG9MA/DE)は、53.1/0.1/26.2/20.6である。
【0077】
[実施例1]
ポリエチレン容器にペリレンブラック(BASF社、Lumogen(登録商標) Black FK4280)9.6質量部、誘導体として化学式1に示される誘導体12.4質量部、分散剤として分散剤Iを固形分換算で 6.0質量部、及び溶剤としてPMAを採取した。PMA量は、「ペリレンブラック+誘導体+分散剤+溶剤」が100質量部となるように調整された。ジルコニアビーズ(φ0.5mm)300質量部を容器内に投入し、浅田鉄工株式会社製ペイントシェイカーを用いて60分間分散処理を行い、実施例の黒色顔料分散体(ペリレンブラック濃度9.6質量%、誘導体濃度2.4質量%、分散剤濃度6.0質量%)を得た。
【0078】
[実施例2]
分散剤として分散剤IIを固形分換算で6.0質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして実施例2の黒色顔料分散体を得た。
【0079】
[実施例3]
分散剤として分散剤IIIを固形分換算で6.0質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして実施例3の黒色顔料分散体を得た。
【0080】
[比較例1]
ペリレンブラックを12.0質量部とし、誘導体を使用しないこと以外、すべて実施例1と同様にして比較例1の黒色顔料分散体を得た。
【0081】
[比較例2]
ペリレンブラックを12.0質量部とし、誘導体を使用しないこと以外、すべて実施例2と同様にして比較例2の黒色顔料分散体を得た。
【0082】
[比較例3]
ペリレンブラックを12.0質量部とし、誘導体を使用しないこと以外、すべて実施例3と同様にして比較例3の黒色顔料分散体を得た。
【0083】
[比較例4]
誘導体としてソルスパース(登録商標)5000(日本ルーブリゾール社/スルホン酸基(アンモニウム塩)を有する)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例4の黒色顔料分散体を得た。
【0084】
[比較例5]
誘導体として誘導体2(2級アミノ基を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例5の黒色顔料分散体を得た。
【0085】
[比較例6]
誘導体として誘導体3(2級アミノ基を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例6の黒色顔料分散体を得た。
【0086】
[比較例7]
誘導体として誘導体4(カルボキシル基を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例7の黒色顔料分散体を得た。
【0087】
[比較例8]
誘導体として誘導体5(カルボキシル基を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例8の黒色顔料分散体を得た。
【0088】
<ペリレンブラックの粒径測定>
実施例1~3及び比較例1~8の黒色顔料分散体をPMAで0.001~10質量%の濃度範囲に希釈した後、大塚電子株式会社製 FPAR-1000を用いて平均粒子径(キュムラント平均粒子径;キュムラント解析法による平均粒子径)を測定した。平均粒子径は、調製直後と、40℃の恒温庫内で1週間保存後に測定された。
【0089】
<黒色顔料分散体の粘度測定>
実施例1~3及び比較例1~8の黒色顔料分散体の調製直後と、40℃の恒温庫内で1週間保存後の粘度(25℃)を、東機産業株式会社製E型粘度計(TV-22)を用いて測定した。
【0090】
表3は、実施例1~3及び比較例1~8の黒色顔料分散体について、黒色顔料、誘導体、誘導体が有する官能基、分散剤、分散剤のアミン価(mgKOH/g)、溶剤、平均粒子径(粒子径Aは調製直後の平均粒子径(nm)であり、粒子径Bは40℃の恒温庫内で1週間保存後の平均粒子径(nm)である)、粒子径変化率(粒子径B/粒子径A)、粘度(粘度Aは調製直後の粘度(mPa・s/25℃)であり、粘度Bは40℃の恒温庫内で1週間保存後の粘度(mPa・s/25℃)である)、粘度変化率(粘度B/粘度A)、及び実用性判定の結果を示す。
【0091】
実施例1~3及び比較例4~8は、顔料濃度が9.6質量%であり、比較例1~3は、12.0質量%である。また、実施例1~3及び比較例4~8は、誘導体濃度が2.4質量%である。表3の全ての実施例及び比較例は、分散剤濃度が6.0質量%、溶剤濃度が82.0質量%である。
【0092】
実用性判定は、
項目1)調製直後の平均粒子径が200nm以下であり、かつ、粒子径変化率が0.85以上1.15以下である;
項目2)調製直後の粘度が10(mPa・s/25℃)以下であり、かつ、粘度変化率が0.85以上1.15以下である;
の2つの項目について、両方適合する場合を「○」、それ以外を「×」と判定した。
【0093】
【表3】
【0094】
比較例2,3,5,6は、調製時にゲル化し、平均粒子径及び粘度が測定不能であった。比較例1,4は、項目1)及び項目2)の両方が不適であり、比較例7,8は片方のみが不適であり、いずれも実用性は「×」と判定された。
【0095】
一方、実施例1~3は、項目1)及び項目2)の両方に適合し、実用性は「○」と判定された。
【0096】
実施例1~3と比較例1~3とを対比すると、顔料及び分散剤の種類が同じであっても、誘導体として誘導体1を使用することにより、ペリレンブラックの分散性が向上し、粒子径変化率及び粘度変化率が小さくなることが確認された。また、実施例1と比較例4~8とを対比すると、顔料及び分散剤の種類及び濃度が同じで、誘導体濃度も同じであっても、スルホン酸基を有しない誘導体を使用した場合には、顔料分散体がゲル化したり、粒子径変化率又は粘度変化率が大きくなったりすることが確認された。
【0097】
[実施例4]
誘導体として誘導体6を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして実施例4の黒色顔料分散体を得た。
【0098】
[実施例5]
誘導体として誘導体7を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして実施例5の黒色顔料分散体を得た。
【0099】
[実施例6]
黒色顔料としてペリレンブラック(BASF社、Paliogen(登録商標) Black S0084)を9.6質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして実施例6の黒色顔料分散体を得た。
【0100】
[比較例9]
誘導体として誘導体8(スルホン酸基(アルミニウム塩)を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例9の黒色顔料分散体を得た。
【0101】
[比較例10]
誘導体として誘導体8(スルホン酸基(アルミニウム塩)を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例2と同様にして比較例10の黒色顔料分散体を得た。
【0102】
[比較例11]
誘導体として誘導体8(スルホン酸基(アルミニウム塩)を有する誘導体)を2.4質量部使用すること以外、すべて実施例3と同様にして比較例11の黒色顔料分散体を得た。
【0103】
[比較例12]
分散剤として分散剤IVを固形分換算で6.0質量部使用すること以外、すべて実施例1と同様にして比較例12の黒色顔料分散体を得た。
【0104】
表4は、実施例4~6及び比較例9~12の黒色顔料分散体について、黒色顔料、誘導体、誘導体が有する官能基、分散剤、分散剤のアミン価(mgKOH/g)、溶剤、平均粒子径(粒子径Aは調製直後の平均粒子径(nm)であり、粒子径Bは40℃の恒温庫内で1週間保存後の平均粒子径(nm)である)、粒子径変化率(粒子径B/粒子径A)、粘度(粘度Aは調製直後の粘度(mPa・s/25℃)であり、粘度Bは40℃の恒温庫内で1週間保存後の粘度(mPa・s/25℃)である)、粘度変化率(粘度B/粘度A)、及び実用性判定の結果を示す。
【0105】
【表4】
【0106】
比較例10,11は、40℃1週間保存後にゲル化し、保存後は平均粒子径及び粘度が測定不能であった。比較例9,12は、調製時は平均粒子径及び粘度の測定値が好適であったが、粒子径変化率及び粘度変化率が基準値を超え、安定性に欠けるために実用性は「×」と判定された。
【0107】
一方、実施例4~6は、項目1)及び項目2)の両方に適合し、実用性は「○」と判定された。
【0108】
表3及び表4より、黒色顔料としてペリレンブラックを使用する黒色顔料分散体は、官能基としてスルホン酸基を有する化学式1、化学式2又は化学式3に示されるいずれかの誘導体と、特定の分散剤とを組み合わせることによって、調製時のみならず保存試験後も平均粒子径及び粘度が好適範囲内となり、顔料の分散性及び安定性に優れることが確認された。
【0109】
上述した特許文献5は、誘導体8を誘導体として顔料分散体に使用することを開示しているが、表3及び表4に示されるように、ペリレンブラックを黒色顔料として使用する黒色顔料分散体については、誘導体8では分散性の向上は不十分であり、誘導体1のようなスルホン酸基(遊離酸)を有する誘導体と特定分散剤とを組み合わせることによって、はじめて分散性及び安定性を向上させ得ることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明の黒色顔料分散体は、ディスプレイ、固体撮像素子、赤外線センサー等の技術分野において有用である。