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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032728
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ポンプユニット及びポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/12 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
F04B43/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139018
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】518042833
【氏名又は名称】株式会社ソラリス
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】梅田 清
(72)【発明者】
【氏名】中村 太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】田上 賢悟
(72)【発明者】
【氏名】横山 和也
(72)【発明者】
【氏名】武藤 沙織
【テーマコード(参考)】
3H077
【Fターム(参考)】
3H077AA14
3H077BB10
3H077CC01
3H077CC10
3H077CC14
3H077CC18
3H077DD09
3H077EE01
3H077EE29
3H077EE31
3H077FF02
3H077FF21
3H077FF45
3H077FF51
3H077FF60
(57)【要約】
【課題】搬送物に応じて好適な環境で搬送可能なポンプユニット及びポンプ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】外筒と、外筒の内周面に沿って設けられ、弾性体を素材として構成された内筒と、外筒及び内筒の両端に設けられ、外筒の内周と内筒の外周との間を閉空間として形成する端部部材とを備え、閉空間に作動媒体を供給することにより内筒が求心方向に膨張し、閉空間から作動媒体を排出することにより内筒が収縮するポンプユニットであって、端部部材の一方に取り付けられるとともに内筒の外周に接して設けられ、該端部部材を介して入力される熱を内筒に伝導させる熱伝導体を備える構成とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と、
前記外筒の内周面に沿って設けられ、弾性体を素材として構成された内筒と、
外筒及び内筒の両端に設けられ、外筒の内周と内筒の外周との間を閉空間として形成する端部部材とを備え、前記閉空間に作動媒体を供給することにより内筒が求心方向に膨張し、閉空間から作動媒体を排出することにより内筒が収縮するポンプユニットであって、
前記端部部材の一方に取り付けられるとともに前記内筒の外周に接して設けられ、該端部部材を介して入力される熱を内筒に伝導させる熱伝導体を備えることを特徴とするポンプユニット。
【請求項2】
前記熱伝導体が取り付られる端部部材は、熱媒体の流通を可能とする流路を備えることを特徴とする請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項3】
前記熱伝導体は、前記内筒の外周に沿う筒状に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポンプユニット。
【請求項4】
前記熱伝導体は、前記内筒を求心方向に変形させる突起部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のポンプユニット。
【請求項5】
前記請求項1乃至請求項4いずれかに記載のポンプユニットを備えたポンプ装置であって、
前記端部部材を加熱若しくは冷却する加熱冷却手段を備えたことを特徴とするポンプ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプユニット及びポンプ装置に関し、特に、外筒及び内筒を備え、該外筒と内筒との間に加圧用媒体を供給して内筒を求心方向に膨張させて搬送物を搬送するためのポンプ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプの一つの形態として、特許文献1乃至3に示すような蠕動運動を利用して搬送物を移送するものが知られている。特許文献1,2に開示されるポンプでは、外筒と内筒の間に加圧用媒体を供給することで内筒が膨張するポンプユニットを複数連結し、連結されたポンプユニットの内筒を順次膨張させ、移送対象となる搬送物を加圧することにより搬送物を搬送するように構成されている。また、特許文献3に開示されるポンプでは、連結されたポンプユニットの内筒を順次収縮させ、移送対象となる搬送物に負圧を印加することにより、搬送物を搬送するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-196689号公報
【特許文献2】特開2010-203400号公報
【特許文献3】特開平05-321842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1乃至3のポンプでは、液体、スラリー等の粘性流体や粉体、又は固液混合物等(以下単に搬送物という)に関わらず搬送が可能とされる。
しかしながら、特許文献3に記載のあるように、搬送物が食品などの場合、食品に適した環境で搬送する必要がある。例えば、チーズの場合、チーズに流動性がある状態を維持しつつ温かいまま搬送する必要があり、搬送経路の途中で冷えて固まると詰まりが生じてしまうという問題がある。また、ミンチ肉の場合、常温で搬送すると油成分が溶け出てしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、搬送物に応じて好適な環境で搬送可能なポンプユニット及びポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのポンプユニットの構成として、外筒と、外筒の内周面に沿って設けられ、弾性体を素材として構成された内筒と、外筒及び内筒の両端に設けられ、外筒の内周と内筒の外周との間を閉空間として形成する端部部材とを備え、閉空間に作動媒体を供給することにより内筒が求心方向に膨張し、閉空間から作動媒体を排出することにより内筒が収縮するポンプユニットであって、端部部材の一方に取り付けられるとともに内筒の外周に接して設けられ、該端部部材を介して入力される熱を内筒に伝導させる熱伝導体を備える構成とした。
本構成によれば、端部部材から熱伝導体、熱伝導体から内筒へと熱を伝えることができ、その結果として、熱媒体の熱が内筒を通じて搬送物に伝わることになり、搬送物を好適な環境で搬送することが可能となる。
また、前記熱伝導体が取り付られる端部部材は、熱媒体の流通を可能とする流路を備える構成とすることにより、搬送物の搬送に好適とされた温度に加熱、或いは冷却された熱媒体を端部部材の流路に流通させることにより、熱媒体の熱が端部部材、端部部材から熱伝導体、熱伝導体から内筒へと伝えることができる。その結果、熱媒体の熱が内筒を通じて搬送物に伝わることになり、搬送物を好適な環境で搬送することが可能となる。
熱伝導体は、内筒の外周に沿う筒状としたり、内筒を求心方向に変形させる突起部を備える構成としたりしても良い。
また、上記課題を解決するためのポンプ装置の構成として、請求項1乃至請求項4いずれかに記載のポンプユニットを備えたポンプ装置であって、前記端部部材を加熱若しくは冷却する加熱冷却手段を備える構成とした。
本構成によれば、搬送物に応じて好適な環境で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ポンプ装置の概略構成図である。
図2】ポンプユニットの軸方向断面図及び径方向断面図である。
図3】ポンプユニットにおける外筒の半径方向の断面図である。
図4】ポンプユニットにおける端部部材の断面図である。
図5】ポンプユニットを軸方向視した平面図及び軸方向断面図である。
図6】ポンプ部の動作を示す図である。
【0008】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[蠕動運動型ポンプ全体の概略構成]
図1は、ポンプ装置1の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るポンプ装置1は、ポンプユニット10と、搬送制御装置100とを備える。
ポンプユニット10は、例えば、単体、若しくは、複数連結することでポンプ装置1におけるポンプ部8を構成する。ポンプ部8は、例えば、搬送物が貯留される貯留装置の出口や、既設の配管の途中等に設けられ、搬送物を移送する搬送路兼ポンプとして機能する。以下の説明では、ポンプユニット10は、直列に複数(本実施形態では4つ)連結することでポンプ部8を構成するものとして説明するが、必ずしも連結されることなく、単体であっても良い。
【0010】
[ポンプユニット10について]
図2は、ポンプユニット10の軸方向断面図及び径方向断面図である。
図2に示すように、ポンプユニット10は、内筒12と、内筒12の中心軸と同軸の二重管を形成するように配置される外筒14と、内筒12の外周と外筒14の内周との間に形成される空間を閉塞する一対の端部部材16;16と、熱伝導体18とを備える。
【0011】
ポンプユニット10は、端部部材16;16により閉塞され、内筒12の外周と外筒14の内周との間に形成された空間に加圧媒体(作動媒体)を供給することにより、内筒12が求心方向に膨張しつつ軸方向に収縮するように構成されている。
【0012】
[内筒について]
内筒12は、気密性及び弾性を有する円筒体として構成される。内筒12を構成する素材には、例えば、天然ラテックスゴムやシリコーンゴム等のゴムやエラストマー等の弾性素材を利用できる。
【0013】
図2に示すように、内筒12は、円筒状の筒部12Aの両端にフランジ部12Bを備える。フランジ部12Bは、筒部12Aと一体的に形成され、筒部12Aの端部において半径方向外側に向けて同心円状に広がる中空円板状に形成されている。このフランジ部12Bは、先端(外周部)に、筒部12A側(軸方向内向き)に突出する突起部13が全周にわたり形成されている。
【0014】
[外筒について]
図3は、図2中のA-A矢視における半径方向断面図である。
外筒14は、気密性を維持しつつ軸方向への伸縮を弾性体よりなる筒体として構成される。外筒14は、例えば、弾性素材と繊維素材とを含んで構成される。
図3に示すように、外筒14は、例えば、半径方向の断面視において弾性素材15Aと、弾性素材15Aに内包される複数の繊維15Bとを備える。
【0015】
弾性素材15Aは、例えば、天然ラテックスゴムやシリコーンゴム等のゴムやエラストマー等の弾性素材を利用できる。
【0016】
繊維15Bは、外筒14の軸線方向への伸長を拘束するために設けられ、外筒14の軸方向への伸長を拘束する拘束手段として機能する。繊維15Bは、例えば、層状に設けられ、外筒14の一端側から他端側まで連続して延長する長さを有し、外筒14の軸方向に沿って延長するように配設される。
なお、繊維15Bは、外筒14において必ずしも層状に含まれる必要はなく、弾性素材内に分散して埋設されていても良い。
【0017】
繊維15Bの素材には、軸方向への伸縮変化の小さい、高弾性繊維が好適である。例えば、アラミド繊維、炭素(カーボン)繊維、ガラス繊維、ナイロン、ポリアミド系繊維やポリオレフィン系繊維、金属繊維等の被伸長性を有するものを適宜選択して用いることができる。繊維には、適当なプライマー処理、又は、表面酸化処理を行うことで、接着性を十分に向上させることができるが、好ましくは、弾性素材との接着性に応じて選択すると良い。
【0018】
繊維素材の形態としては、フィラメント、ヤーン(スパン・ヤーン及びフィラメント・ヤーン)、ストランド等のいずれの形態でも用いることができ、さらに、撚りをかけずに収束させた無撚繊維、これらの繊維を複数本撚って作成した繊維を用いることも可能である。繊維の種類にもよるが、二種類以上の素材の異なる繊維や形態の異なる繊維を組み合わせても良い。
【0019】
なお、繊維15Bの長さは、一端側から他端側まで連続する長さに限定されず、外筒14の軸方向長さよりも短い複数の繊維を軸方向に沿って連続的に分布させて一端側から他端側まで到達するように構成しても良い。
【0020】
また、外筒14における拘束手段は、繊維15Bに代えて、弾性素材そのもので構成しても良い。例えば、外筒14の軸方向に延長するリブを、外筒14を構成する弾性素材で一体的に形成し、拘束手段としても良い。
【0021】
また、ポンプユニット10は、内筒12の求心方向への膨張のしやすさを考慮して、外筒14の弾性率が内筒12の弾性率よりも大きくなるように構成されることが好ましい。
【0022】
[端部部材について]
端部部材16;16は、内筒12及び外筒14の両端に配置される。端部部材16;16は、内筒12及び外筒14の両端に固定可能とされるとともに、ポンプユニット10同士の連結を可能に構成される。
【0023】
端部部材16;16は、フランジ部16Aと、筒部16Bとを備える。フランジ部16Aは、中空部20を有する平板矩形状に形成される。中空部20は、内筒12の筒部12Aが貫通可能な円孔として設けられる。中空部20の直径は、例えば、内筒12の筒部12Aの外周面に密着するような寸法とすると良い。
【0024】
フランジ部16Aは、軸方向外側の端面16aに、環状に窪む環状溝22を備える。環状溝22は、中空部20と同心円状に形成され、内筒12のフランジ部12Bの先端の突起部13が嵌合可能とされる。また、フランジ部16Aの外側の端面16aは、環状溝22に内筒12の突起部13が嵌合された状態において、内筒12のフランジ部12Bが、該外側の端面16aよりも外側に突出するように形成されている。
【0025】
内筒12は、端部部材16の環状溝22に、フランジ部12Bの突起部13が嵌め合わされることで端部部材16;16に取り付けられる。内筒12は、端部部材16;16を介して他のポンプユニット10の端部部材や、既存の配管に設けられたフランジと連結されることで、フランジ部12Bが端部部材16に押し付けられて端部部材16との気密が形成される。
【0026】
筒部16Bは、フランジ部16Aの内側の端面16bから軸方向に円筒状に突出して設けられる。筒部16Bは、中心軸が中空部20と同心とされ、フランジ部16Aと一体的に形成されている。筒部16Bは、外径が外筒14の内周側に密着状態で挿入可能な大きさを有するように設定される。
【0027】
カシメ中間部材24は、カシメ部材26と共に外筒14を端部部材16;16に気密状態で固定するための固定手段を構成する。カシメ中間部材24は、端部部材16の筒部16Bを外筒14に挿入した状態において外筒14の外周に挿入可能な環状部材として形成される。
【0028】
カシメ中間部材24は、内周側が円筒面として形成され、外筒14の外周に対して例えば、締り嵌めとなるように内径が設定される。また、カシメ中間部材24は、外周側が円錐面(テーパー面)として形成され、内周面に対して漸次肉厚となるように形成される。カシメ中間部材24は、厚肉側を端部部材16に押し付けるようにして外筒14の外周に配置される。
【0029】
カシメ部材26は、外筒14に配置されたカシメ中間部材24の外周に嵌合可能な環状部材として形成される。カシメ部材26は、内周側が円錐面(テーパー面)として形成され、カシメ中間部材24の円錐面に対して面接触するように構成される。
【0030】
カシメ部材26は、内周側の円錐面をカシメ中間部材24の円錐面に接触させて、図外のボルト等の固定手段で端部部材16の内側の端面16bに固定される。これにより、カシメ中間部材24が外筒14に押し付けられ、端部部材16の筒部16Bに外筒14が気密状態で固定される。
【0031】
上述のように、ポンプユニット10は、端部部材16;16が、内筒12及び外筒14の端部に取り付けられることにより、内筒12の外周及び外筒14の内周の間に形成された空間を閉空間とし、ポンプユニット10における流体室Vを形成する。
【0032】
一方の端部部材16は、流体室Vに加圧媒体を供給・排出するための給排孔28を備える。給排孔28は、一端が端部部材16のフランジ部16Aの外周の端面に開口し、他端がフランジ部16Aの内側端面16bの内筒12及び外筒14の間に開口する。
【0033】
給排孔28を構成するフランジ部16Aの外周の端面の開口は、搬送制御装置100から延長する図外の管が接続可能とされ、流体室Vへの加圧媒体の供給、流体室Vからの加圧媒体の排出がなされる。
【0034】
図4は、他方側の端部部材の厚さ方向中央部分における端面に平行な断面図である。
他方の端部部材16は、搬送物を加熱・冷却するための熱媒体が流通する流路17を備える。図4に示すように、流路17は、後述の加熱冷却手段180の一部を構成し、矩形状に形成された端部部材16の外周を形成する一側面に、両端が開口し、中空部20の外周に沿う環状に延長する孔として設けられている。なお、流路17の形状は、これに限定されず、適宜変更すれば良く、好ましくは、熱媒体により均等に端部部材16を加熱・冷却できるように形成すると良い。
【0035】
フランジ部16Aの一側面に形成された流路17の開口部17A;17Aには、搬送制御装置100から延長する図外の管が接続され、熱媒体が流路17を循環可能とされる。
【0036】
したがって、端部部材16;16は、少なくとも流路17を備える他方の端部部材16については、例えば、銅やアルミ等の熱伝導性の良い素材で構成すると良い。
【0037】
[熱伝導体について]
図5は、ポンプユニットを軸方向視した平面図及び軸方向断面図である。
熱伝導体18は、流体室Vに設けられる。熱伝導体18は、例えば、筒部18Aと、フランジ部18Bとを有する円筒状に構成される。熱伝導体18は、他方の端部部材16に設けられた流路17を流通する熱媒体により加熱、或いは冷却された端部部材16の熱が伝達されやすいように、端部部材16を構成する素材の熱伝導率と同等か、それよりも熱伝導率の良い素材で構成すると良い。
【0038】
また、熱伝導体18の筒部18Aは、例えば、内筒12の外周に接触可能な内径を有するように構成すると良い。これにより、内筒12を熱伝導体18により加熱、或いは冷却することができる。
フランジ部18Bは、筒部18Aの一端側に設けられる。熱伝導体18は、フランジ部18Bを介して他方の端部部材16に固定され、筒部18Aが一方の端部部材16に向けて延長するように他方の端部部材16に取り付けられる。好ましくは、フランジ部18Bは、端部部材16との接触面が広くなるように形状を構成すると良い。これにより、端部部材16からフランジ部18Bに効率良く熱伝導させることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、ポンプユニット10が軸方向に収縮可能とされることから、筒部18Aは、ポンプユニット10が最大収縮したときに、他の部材、例えば、一方の端部部材16に接触しないように軸方向の長さを設定すると良いことは言うまでもない。
【0040】
熱伝導体18には、筒部18Aの内周に複数の突起部19が形成されている。突起部19は、図5に示すように、ポンプユニット10を軸方向視したときに、円周方向に均等な間隔で、4方向から突出するように設けらている。また、各突起部19は、軸方向に沿う平面視においてなだらかな山型に形成されている。
【0041】
内筒12は、軸方向の中央側が熱伝導体18の突起部19によって予め押しつぶされ、この状態がポンプユニット10内における自然状態とされる。そして、流体室Vに圧縮空気を供給することにより、内筒12は、突起部19に押された部分を基点として求心方向に膨張させることができる。
【0042】
突起部19は、内筒12の膨張時の形状を規定するように、内筒12を予め所定の形状に変形させておくものであれば良く、上記実施形態の数量や形状、またその形態は限定されない。なお、突起部19は、必須ではないが、設けられていることが好ましい。
【0043】
また、前述の給排孔28は、一方の端部部材16に限定されず、他方の端部部材16に設け、両方の端部部材16;16から流体室Vに流体を供給・排出するようにしても良い。
【0044】
上記構成によれば、ポンプユニット10は、給排孔28を介して流体室Vに圧縮空気を供給することにより、図2(b)に示すように内筒12が半径方向内向き(求心方向)に膨張するとともに軸方向に収縮し、流体室Vに供給された圧縮空気を排出することにより、図2(a)に示すように半径方向に収縮するとともに軸方向に伸長する。また、流路17に加熱媒体を流通させることにより、端部部材16が加熱媒体の熱によって加熱・冷却され、その熱が熱伝導体18を介して内筒12に伝わることになる。内筒12に伝えられた熱は、内筒12の内周側の空間、及び内筒12の内周側を移送される搬送物に伝えられる。
【0045】
[搬送制御装置について]
搬送制御装置100は、連結されたポンプユニット10による搬送物の搬送動作を制御するための装置である。搬送制御装置100は、例えば、図1に示すように、加圧媒体制御手段110と、駆動制御手段160と、加熱冷却手段180とで構成することができる。なお、図1において破線は電気的な信号の経路を示す信号線、実線は加圧媒体の流路を示す管、一点鎖線は熱媒体の流路を示す管をそれぞれ示している。
【0046】
[加圧媒体制御手段]
加圧媒体制御手段110は、ポンプユニット10の流体室Vへの加圧媒体の供給、停止、排出を制御する。本実施形態では、加圧媒体に空気を利用するものとして説明するが、加圧媒体は空気に限定されず、他の気体や、水等の液体の流体であっても良い。
なお、加圧媒体制御手段110は、利用する加圧媒体に応じて、以下で説明する機能が得られるように適宜構成すれば良い。
【0047】
加圧媒体制御手段110は、例えば、コンプレッサー112、レギュレータ114、供給弁116、排出弁118、流量センサ120、圧力センサ122等を備える。
【0048】
コンプレッサー112は、ポンプユニット10の流体室Vに供給する空気を圧縮空気として生成する。
【0049】
レギュレータ114は、コンプレッサー112と接続され、コンプレッサー112により加圧された圧縮空気を入力とし、入力された圧縮空気を所定の圧力に減圧して一定圧の圧縮空気を出力する。レギュレータ114から出力される圧縮空気の圧力は、少なくともポンプユニット10を膨張させたときにポンプユニット10の内筒12の内周面が互いに密接可能な圧力、或いはそれよりも大きく設定される。
【0050】
供給弁116は、連結されたポンプユニット10毎に設けられ、レギュレータ114と、各ポンプユニット10とが接続される。供給弁116は、レギュレータ114により減圧された圧縮空気を入力とし、この圧縮空気をポンプユニット10の流体室Vへの出力(流体室Vへの圧縮空気の供給及び供給の停止)を制御する。供給弁116は、電気的な信号に基づいて開閉する弁を有し、弁を開くことで圧縮空気を流体室Vに供給し、弁を閉じることで圧縮空気の供給を停止する。供給弁116は、駆動制御手段160と電気的に接続され、駆動制御手段160から入力される信号に基づいて弁を開閉する。
【0051】
排出弁118は、ポンプユニット10毎に設けられ、それぞれポンプユニット10と接続される。排出弁118は、流体室Vにおける圧縮空気を入力とし、この圧縮空気が大気中に排出されるように出力側が大気開放されている。排出弁118は、電気的な信号に基づいて開閉する弁を有し、弁を開くことで流体室Vを大気開放することによって流体室V内の圧縮空気を大気中に排出し、弁を閉じることで圧縮空気の排出を停止する。排出弁118は、駆動制御手段160と電気的に接続され、駆動制御手段160から入力される信号に基づいて弁を開閉する。
【0052】
流量センサ120は、ポンプユニット10毎に設けられた供給弁116と対応するポンプユニット10との間に設けられ、ポンプユニット10に供給された圧縮空気の流量を計測する。流量センサ120は、駆動制御手段160と電気的に接続され、計測した圧縮空気の流量を駆動制御手段160に出力する。
なお、流量センサ120が設けられる位置は、流体室Vに供給される圧縮空気の流量を計測できるのであればいずれであっても良い。
【0053】
圧力センサ122は、ポンプユニット10毎に設けられた流量センサ120と対応するポンプユニット10との間に設けられ、ポンプユニット10の流体室V内の圧力を計測する。圧力センサ122は、駆動制御手段160と電気的に接続され、計測した流体室V内の圧力を駆動制御手段160に出力する。
なお、圧力センサ122は、流体室V内の圧力を計測できるのであればいずれの位置に設けられていても良い。
【0054】
供給弁116及び排出弁118は、例えば、初期状態として信号が入力されない状態では弁を閉じた状態とし、信号が入力されることで弁を開き、信号が停止されることで弁を閉じるものとして説明する。
【0055】
供給弁116及び排出弁118には、例えば、ソレノイドバルブを適用することができる。供給弁116及び排出弁118は、ソレノイドバルブを用いることにより、ポンプユニット10を膨張或いは収縮させるときの応答速度を向上させることができる。
【0056】
[駆動制御手段]
駆動制御手段160は、ポンプユニット10の動作を制御するための装置である。例えば、駆動制御手段160は、演算処理手段としてのCPUや記憶手段としてのROM,RAM等のハードウェアを備えたコンピュータである。
【0057】
記憶手段には、ポンプユニット10を動作させるためのプログラムや、供給弁116及び排出弁118への信号の出力・停止を判定するための判定値等が記憶される。
【0058】
駆動制御手段160は、演算処理手段が記憶手段に記憶されたプログラムに従って処理を実行し、ポンプユニット10毎に設けられた流量センサ120から入力される流量、及び圧力センサ122から入力される圧力に基づいて、ポンプユニット10毎に設けられた供給弁116及び排出弁118に弁を開閉するための信号を出力する。
なお、駆動制御手段160は、コンピュータに限定されず、PLC(Programmable Logic Controller)を利用することもできる。
【0059】
[ポンプユニット10の膨縮制御]
駆動制御手段160は、ポンプユニット10を膨張させる場合、対応する供給弁116にのみ信号を出力する。これにより、ポンプユニット10は、流体室V内に圧縮空気が流入し、内筒12が求心方向に膨張する。
【0060】
駆動制御手段160は、流体室Vへの圧縮空気の供給過程において、流量センサ120から入力される流量の変化と、圧力センサ122から入力される圧力の変化とを監視する。そして、駆動制御手段160は、入力された流量と圧力とが膨張状態に達したとされる判定値となったときに、供給弁116への信号の出力を停止する。
これにより、ポンプユニット10の内筒12は、図2(b)に示すような膨張状態となり、その状態が維持される。以下、この膨張状態を完全膨張状態、若しくは単に完全膨張という場合がある。
なお、完全膨張とは、搬送物の搬送動作において最も膨張したときを言い、例えば、搬送路を閉塞可能に膨張した状態を意味するものとする。
【0061】
[ポンプユニット10の収縮制御]
また、駆動制御手段160は、ポンプユニット10が完全膨張した状態から収縮させる場合、排出弁118にのみ信号を出力し、対応する供給弁116への信号の出力の停止状態を維持する。
これにより、ポンプユニット10の流体室V内の圧縮空気は、ポンプユニット10の弾性による復元力により大気中に排出される。
【0062】
駆動制御手段160は、流体室Vからの圧縮空気の排出過程において、流体室Vの圧力の変化を監視する。そして、駆動制御手段160は、入力された圧力がポンプユニット10の過収縮状態に達したとされる判定値となったときに、排出弁118への信号の出力を停止する。以下、この収縮状態を完全収縮状態、若しくは単に完全収縮という場合がある。なお、完全収縮とは、内筒12及び外筒14の弾性により流体室Vから圧縮空気が大気中に排出され、流体室Vの圧力値が例えば大気圧と等しくなったとなった状態を意味するものとする。
【0063】
[加熱冷却手段]
加熱冷却手段180は、ポンプ部8によって搬送される搬送物を加熱或いは冷却するための手段である。搬送物を加熱或いは冷却する方法の一つとして、例えば、端部部材16を介して搬送物を加熱或いは冷却するように構成することができる。
本実施形態に係る加熱冷却手段180は、前述の流路17と、流路17に熱媒体を供給する熱媒体供給装置とで構成される。熱媒体供給装置は、例えば、熱交換器182と、温度制御手段184とで構成することができる。
【0064】
熱交換器182は、ポンプユニット10に循環させる熱媒体を加熱、或いは、冷却するための装置である。
温度制御手段184は、熱交換器182による熱媒体との熱交換を制御し、搬送物の搬送に好適な環境とすべく熱媒体の温度を調整するための装置である。温度制御手段184は、熱媒体の温度が予め設定された温度となるように、熱交換器182と熱媒体との熱交換を制御するための装置である。
【0065】
温度制御手段184は、例えば、ポンプユニット10と熱交換器182との間で熱媒体を循環させるためのポンプと、熱交換器182からポンプユニット10に流出する熱媒体の温度を計測する流出側温度センサと、ポンプユニット10から熱交換器182に流入する熱媒体の温度を計測する流入側温度センサと、流出側温度センサ及び流入側温度センサにより検出された熱媒体の温度に基づいてポンプの吐出量を制御する制御装置等で構成することができる。そして、温度制御手段184は、流出側温度センサ及び流入側温度センサにより計測されたそれぞれの温度に基づいて、ポンプにより熱媒体の循環させる流量(吐出量)を変化させ、熱交換器182から熱媒体へと伝達される熱量を制御することにより、熱媒体の温度を調節可能とされる。熱媒体供給装置には、例えば、いわゆる恒温槽等を利用することができる。
【0066】
熱媒体供給装置から吐出された熱媒体は、例えば、各ポンプユニット10に分配され、各ポンプユニット10の端部部材16を経由して熱媒体供給装置に戻される。
なお、熱媒体供給装置は、上記構成に限定されず、熱媒体の温度を調節し、ポンプユニット10に循環可能なものであれば良い。
【0067】
熱媒体には、気体、液体等の流体が用いることができ、好ましくは、熱容量の大きい液体を利用すると良い。なお、熱媒体供給装置は、利用する流体に応じて、以下で説明する機能が得られるように適宜変更すれば良い。
【0068】
[ポンプ装置の動作]
ポンプ装置1は、例えば、次のように動作させることができる。なお、以下の説明では、図1に示すように、図中矢印示す搬送方向に搬送物を搬送するものとして説明する。また、図1中においてポンプユニット10や供給弁116、排出弁118、流量センサ120、圧力センサ122等に付された()付けのA,B,C,Dは、各ポンプユニット10の動作に付随する弁等を特定するための符号である。
【0069】
図6は、本実施形態に係るポンプ部8の搬送動作を示す図である。なお、図6に示すポンプ部8の動作は、一例であってこれに限定されない。
ポンプ部8は、図6(a)に示すように、全てのポンプユニット10(A)~10(D)が収縮した状態を初期状態として動作を開始するものとして説明する。
【0070】
[ステップ1]
まず、駆動制御手段160は、ポンプユニット10(A)を膨張させるために、供給弁116(A)にのみ信号を出力し、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力を停止状態とする。これにより、ポンプユニット10(A)の流体室Vには、圧縮空気が供給され、ポンプユニット10(A)の内筒12が求心方向に膨張を開始する。
そして、駆動制御手段160は、流量センサ120(A)から入力される流量と圧力センサ122(A)から入力される圧力とが、それぞれポンプユニット10が完全膨張したとされる判定値に達すると、供給弁116(A)への信号の出力を停止する。このとき駆動制御手段160は、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態が維持されている。
これにより、図6(b)に示すように、ポンプユニット10(A)内の搬送物が、ポンプユニット10(B)へと押し出されることにより、ポンプユニット10(B)内の搬送物がポンプユニット10(C)に、ポンプユニット10(C)内の搬送物がポンプユニット10(D)に、ポンプユニット10(D)内の搬送物がポンプ部8外へと順次押し出される。
【0071】
[ステップ2]
次に、駆動制御手段160は、ポンプユニット10(A)の膨張状態を維持したまま、ポンプユニット10(B)を膨張させるために、供給弁116(B)にのみ信号を出力し、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態を維持する。
これにより、ポンプユニット10(B)の流体室Vには、圧縮空気が供給され、ポンプユニット10(B)の内筒12が求心方向に膨張を開始する。
そして、駆動制御手段160は、流量センサ120(B)から入力される流量と圧力センサ122(B)から入力される圧力とが、それぞれポンプユニット10(B)が完全膨張したとされる判定値に達すると、供給弁116(B)への信号の出力を停止する。このとき駆動制御手段160は、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態が維持されている。
これにより、図6(c)に示すように、ポンプユニット10(B)内の搬送物が、ポンプユニット10(C)へと押し出されることにより、ポンプユニット10(C)内の搬送物がポンプユニット10(D)に、ポンプユニット10(D)内の搬送物がポンプ部8外へと順次押し出される。
【0072】
[ステップ3]
次に、駆動制御手段160は、ポンプユニット10(A),10(B)の膨張状態を維持したまま、ポンプユニット10(C)を膨張させるために、供給弁116(C)にのみ信号を出力し、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態を維持する。これにより、ポンプユニット10(C)の流体室Vには、圧縮空気が供給され、ポンプユニット10(C)の内筒12が求心方向に膨張を開始する。
そして、駆動制御手段160は、流量センサ120(C)から入力される流量と圧力センサ122(C)から入力される圧力とが、それぞれポンプユニット10(C)が完全膨張したとされる判定値に達すると、供給弁116(C)への信号の出力を停止する。このとき駆動制御手段160は、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態が維持されている。
これにより、図6(d)に示すように、ポンプユニット10(C)内の搬送物が、ポンプユニット10(D)へと押し出されることにより、ポンプユニット10(D)内の搬送物がポンプ部8外へと順次押し出される。
【0073】
[ステップ4]
次に、駆動制御手段160は、ポンプユニット10(A)~10(C)の膨張状態を維持したまま、ポンプユニット10(D)を膨張させるために、供給弁116(D)にのみ信号を出力し、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態を維持する。これにより、ポンプユニット10(D)の流体室Vには、圧縮空気が供給され、ポンプユニット10(D)の内筒12が求心方向に膨張を開始する。
そして、駆動制御手段160は、流量センサ120(D)から入力される流量と圧力センサ122(D)から入力される圧力とが、それぞれポンプユニット10(D)が完全膨張したとされる判定値に達すると、供給弁116(D)への信号の出力を停止する。このとき駆動制御手段160は、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力の停止状態が維持されている。
これにより、図6(e)に示すように、ポンプユニット10(D)内の搬送物が、ポンプ部8外へと押し出される。
【0074】
[ステップ5]
次に、駆動制御手段160は、ポンプユニット10(A)~10(D)を収縮させるために、排出弁118(A)~118(D)に信号を出力し、供給弁116(A)~116(D)への信号の出力の停止状態を維持する。これにより、ポンプユニット10(A)~10(D)の流体室Vから圧縮空気が排出され、ポンプユニット10(A)~10(D)が収縮を開始する。
そして、駆動制御手段160は、圧力センサ122(A)~122(D)から入力される圧力が、それぞれポンプユニット10(A)~10(D)が完全収縮したとされる判定値に達すると、排出弁118(A)~118(D)への信号の出力を停止する。このとき駆動制御手段160は、供給弁116(A)~116(D)への信号の出力の停止状態が維持されている。
これにより、図6(a)に示すように、全てのポンプユニット10(A)~10(D)が完全収縮したことにより、ポンプ部8は、初期状態に戻る。そして、ポンプ装置1は、ポンプ部8がステップ1~ステップ5を1つの搬送サイクルとし、これを繰り返すことで搬送物を上流側から下流側へと加圧しつつ搬送可能とされる。
【0075】
このような搬送動作中において、熱媒体供給装置から各ポンプユニット10(A)~10(D)に対して熱媒体を供給し、循環させることにより、搬送物に対して熱媒体から熱を内筒12を介して作用させることができる。
各ポンプユニット10(A)~10(D)の端部部材16を循環する熱媒体は、まず、端部部材16に熱を作用させる。この熱は、図6中の矢印で示すように、端部部材16から熱伝導体18へと伝わり、収縮状態において熱伝導体18に接する内筒12へと伝えられる。内筒12に伝えられた熱は、内筒12の内周側の空間を加熱・冷却するとともに、内筒12内を移動する搬送物に直接的に伝達されることになる。
したがって、加熱冷却手段180が、搬送物の搬送に必要とされる熱をポンプユニット10(A)~10(D)に供給することにより、搬送物の状態を好適に維持したまま搬送することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のポンプ装置1によれば、ポンプ部8を構成するポンプユニット10が、熱媒体の流通を可能とする流路17と、この流路17を有する端部部材16に一端側が取り付けられ、閉空間に延長する熱伝導体18とを備えることにより、搬送物の搬送に好適とされた温度に加熱若しくは冷却された熱媒体を端部部材16の流路17に流通させることが可能となり、熱媒体の熱を端部部材16、端部部材16から熱伝導体18、熱伝導体18から内筒12へと伝えることができるので、搬送物に応じて好適な環境で搬送することが可能となる。
【0077】
また、熱伝導体18は、内筒12の外周に沿う筒状とすることにより、内筒12に直接的に熱を伝導させることができる。また、熱伝導体18に内筒12を求心方向に変形させる突起部19を複数設けることにより、内筒12を容易に膨張させることができる。
【0078】
また、熱伝導体18を設けずに、端部部材16から搬送物に熱を伝達させるようにしても良いが、熱伝導体18を設けることにより、内筒12の一部に、局所的に熱を伝導させるときに比べ、効率良く搬送物に熱を伝達させることができるとともに、ポンプユニット10の耐久性を向上させることができる。
【0079】
なお、上記実施形態では、ポンプユニット10は、外筒14が軸方向に収縮するものとして説明したが、例えば、剛性を有する素材により構成し、実質的に軸方向に収縮しないように構成しても良い。
【0080】
また、端部部材16に熱媒体を循環させ、これに取り付けた熱伝導体18を介して搬送物に熱を伝達するものとして説明したが、例えば、加圧媒体を加熱・冷却してポンプユニット10の流体室Vに供給するようにしても良い。
【0081】
なお、加圧媒体制御手段110の構成は上記実施形態に限定されず、図6の動作を実現可能な構成であれば、本発明の範疇に含まれる。
【0082】
また、加熱冷却手段180は、上記構成に限定されない。例えば、搬送物を加熱・冷却するための端部部材16に熱源を接触させ、端部部材16を加温・冷却することにより、熱伝導体18を介して内筒12に伝導されるようにしても良い。
【符号の説明】
【0083】
1 ポンプ装置、8 ポンプ部、10 ポンプユニット、12 内筒、14 外筒、
16 端部部材、18 熱伝導体、
100 搬送制御装置、110 加圧媒体制御手段、112 コンプレッサー、
114 レギュレータ、116 供給弁、118 排出弁、120 流量センサ、
122 圧力センサ、160 駆動制御手段、180 熱媒体供給手段、V 流体室。
図1
図2
図3
図4
図5
図6