(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032741
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】収納庫
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20230302BHJP
E05D 13/00 20060101ALI20230302BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20230302BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A47B55/00
E05D13/00 F
E05D15/06 101Z
E06B3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139039
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美香
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴之
【テーマコード(参考)】
2E014
2E034
3B067
【Fターム(参考)】
2E014FA04
2E014FB05
2E034BA15
2E034CA01
3B067AA00
3B067AA05
3B067AA11
3B067DA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】収納物のスムーズな出し入れを可能としつつ、引き違い戸のガタツキを抑制することができる収納庫を提供する。
【解決手段】互いに引き違い状にスライド可能に上吊りされた一対の引き違い戸により、収納空間を構成する本体の正面側開口が開閉される収納庫は、本体の収納空間内に水平に設置される横方向仕切り板16と、引き違い戸に取り付けられ、引き違い戸と横方向仕切り板との奥行方向間隔に対応する長さを有して横方向仕切り板と当接するスペーサ部材20とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに引き違い状にスライド可能に上吊りされた一対の引き違い戸により、収納空間を構成する本体の開口が開閉される収納庫において、
前記本体の収納空間内を上下に仕切る横方向仕切り板と、
前記引き違い戸に取り付けられ、前記引き違い戸と前記横方向仕切り板との奥行方向間隔に対応する長さを有して前記横方向仕切り板と当接するスペーサ部材とを備えることを特徴とする収納庫。
【請求項2】
前記スペーサ部材はローラを有し、
前記引き違い戸のスライドに応じて、前記ローラが前記横方向仕切り板の端面に当接して回転することを特徴とする請求項1に記載の収納庫。
【請求項3】
前記スペーサ部材は、長さ調整可能に構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納庫。
【請求項4】
前記引き違い戸の召合せ領域内の前記本体の底面部分に上凸形状のガイドピンが配置され、前記引き違い戸の下端部は、前記ガイドピンが嵌合して前記引き違い戸の横方向に延びる溝部が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の収納庫。
【請求項5】
少なくとも前記本体の側面と前記引き違い戸との奥行方向間隔分の長さで前記本体の側面から前記本体の開口面側に延びる隙間隠し用側板が前記本体の側面に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の収納庫。
【請求項6】
互いに引き違い状にスライド可能に上吊りされた一対の引き違い戸により、収納空間を構成する本体の開口が開閉される収納庫において、
前記本体の収納空間の側面を形成する側板と、
前記側板に取り付けられ、前記引き違い戸と前記側板との奥行方向間隔に対応する長さを有して前記本体の正面側開口を閉じる位置にある前記引き違い戸と当接するスペーサ部材とを備えることを特徴とする収納庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する収納庫に関し、特に、互いに引き違い状にスライド可能な左右一対の引き違い戸により収納空間を開閉する収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンの食器棚などの収納庫において、収納空間の開口部を左右一対の引き違い戸により開閉するものがある。特に、上吊り式(吊り下げ式)の引き違い戸は、各引き違い戸が上部ガイドレールに吊り下げられて設置され、各引き違い戸をそのガイドレール上に沿って左右にスライドさせることで、収納庫の開閉が行われる。
【0003】
この上吊り式の引き違い戸では、収納庫の上端側で引き違い戸を収納庫本体にスライド可能に取り付けられるが、収納庫の下端側で引き違い戸を開放端とすると引き違い戸が揺動してしまうため、収納庫の下端側である底面に上凸構造の下部ガイドレールを設け、引き違い戸を下端側においてもガイドレールに沿ってスライドさせることで、引き違い戸のガタツキを抑制している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、収納庫の底面に上凸構造のガイドレールを設けると、引き違い戸のガタツキを抑えることができるが、その凸部形状により、例えば、収納庫の底面上に置かれた収納物を開口部から前後方向にスライドさせて出し入れする際に、その収納物が下部ガイドレールの凸部に当接し、スムーズな出し入れを阻害する。特に、収納庫の底部にゴミ箱やキャスター付き家具のような比較的大型の収納物を格納する場合、下部ガイドレールの凸部を乗り越えるために収納物を持ち上げることなく前後方向にスライドさせて出し入れできず、ユーザの利便性を損なう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、収納物のスムーズな出し入れを可能としつつ、引き違い戸のガタツキを抑制することができる収納庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の収納庫は、互いに引き違い状にスライド可能に上吊りされた一対の引き違い戸により、収納空間を構成する本体の開口が開閉される収納庫において、前記本体の収納空間内に水平に設置される横方向仕切り板と、前記引き違い戸に取り付けられ、前記引き違い戸と前記横方向仕切り板板との奥行方向間隔に対応する長さを有して前記横方向仕切り板と当接するスペーサ部材とを備えることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記スペーサ部材はローラを有し、前記引き違い戸のスライドに応じて、前記ローラが前記横方向仕切り板の端面に当接して回転する。さらに、前記スペーサ部材は、長さ調整可能に構成される。さらに、前記引き違い戸の召合せ領域内の前記本体の底面部分に上凸形状のガイドピンが設置され、前記引き違い戸の下端部は、前記ガイドピンが嵌合して前記引き違い戸の横方向に延びる溝部が形成される。さらに、少なくとも前記本体の側面と前記引き違い戸との奥行方向間隔分の長さで前記本体の側面から前記本体の開口面側に延びる隙間隠し用側板が前記本体の側面に取り付けられる。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の別の収納庫は、互いに引き違い状にスライド可能に上吊りされた一対の引き違い戸により、収納空間を構成する本体の開口が開閉される収納庫において、前記本体の収納空間の側面を形成する側板と、前記側板に取り付けられ、前記引き違い戸と前記側板との奥行方向間隔に対応する長さを有して前記本体の正面側開口を閉じる位置にある前記引き違い戸と当接するスペーサ部材とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の収納庫によれば、上吊り式の引き違い戸に、引き違い戸と本体に水平配置された横方向仕切り板との間隔を保持するスペーサ部材を設け、スペーサ部材が横方向仕切り板の端面に当接しながら引き違い戸が開閉するようにしたので、引き違い戸のガタツキ、揺れを抑えることができる。また、本発明の別の収納庫によれば、本体の側板に、引き違い戸と本体の側板との間隔を保持するスペーサ部材を設け、引き違い戸が閉状態においてスペーサ部材と当接するようにしたので、引き違い戸のガタツキ、揺れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態における収納庫の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】引き違い戸14とガイドピン18の係合状態を示す図である。
【
図3】本実施の形態における収納庫10にスペーサ部材20が取り付けられた部分を示す図である。
【
図4】長さ調整可能なスペーサ部材20の構成例を示す図である。
【
図5】本実施の形態における収納庫10に別のスペーサ部材25が取り付けられた部分を示す図である。
【
図6】別のスペーサ部材25の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態における収納庫の外観構成を示す斜視図である。収納庫10は、収納物を収納する収納空間となる本体12を備え、本体12は、天面、底面、左側面、右側面、背面にてフレーム構成される箱型形状であり、本体12の収納空間内には、長手方向(横方向)に延びて収納空間を上下に仕切る少なくとも1枚の水平な棚板である横方向仕切り板16と、鉛直方向(縦方向)に延びて収納空間を左右に仕切る縦方向仕切り板17とが配置され、収納空間は上下及び左右に分割されている。また、本体12の底面は収納庫10が設置される床面としてもよく、これにより、底面が床面とフラットな配置となり、底面上に置かれた収納物を段差なく出し入れすることができる。
【0014】
本体12は正面側に開口し、その正面側を開閉するための扉として、互いに引き違い状にスライド可能な左右一対の引き違い戸14が、本体12の開口部分を開閉可能に本体12に取り付けられる。通常、一対の引き違い戸14において、左側引き違い戸14aに対して右側引き違い戸14bが手前側をスライドする。
【0015】
引き違い戸14(左側引き違い戸14aと右側引き違い戸を総称して引き違い戸14と称する)は、上吊り式(吊り下げ式)の引戸であって、その上端側において、本体12の天面付近に設けられる上部ガイドレール(図示せず)に吊り下げられて設置され、引き違い戸14の上端側に配置されたローラ(図示せず)が上部ガイドレールに沿って走行することで、各引き違い戸14を左右にスライドさせて、本体12の開口部分の開閉が行われる。
【0016】
なお、
図1(a)は引き違い戸14が閉じられている状態、
図1(b)は引き違い戸14が一部開けられている状態を示し、
図1(b)に示されるように、収納庫10の本体12には、収納空間を複数段に仕切る少なくとも1枚の横方向仕切り板16(
図1(b)では、2枚の横方向仕切り板を例示)が水平に取り付けられている。また、縦方向仕切り板17は、本体12の横幅の中央部分であって引き違い戸14の召し合わせ領域に設けられる。
【0017】
引き違い戸14は、その下端側においては、本体12の底面部分に固定して設けられる上凸形状の一対のガイドピンにより位置決めされる。
【0018】
図2は、引き違い戸14とガイドピン18の係合状態を示す図であり、
図2(a)は側面側向から見た斜視図、
図2(b)は正面側から見た斜視図である。一対のガイドピン18(奥行方向の奥側のガイドピン18aと手前側のガイドピン18bを総称してガイドピン18と称する)は、左側引き違い戸14aと右側引き違い戸14bの召し合わせ領域において、好ましくは縦方向仕切り板17と奥行方向同列に、本体12の底面位置に奥行方向に並んで設けられ、奥側のガイドピン18aが右側引き違い戸14aの下端部と係合し、手前側のガイドピン18bが右側引き違い戸14bの下端部と係合する。引き違い戸14の下端部は、長手方向(横方向)に延びる溝部141(左側引き違い戸14aの溝部141a、右側引き違い戸14bの溝部141bを総称して溝部141と称する)が形成されており、ガイドピン18の凸部分が引き違い戸14の溝部141に嵌入した状態で、ガイドピン18に沿って引き違い戸14のスライド動作が行われる。ガイドピン18の頭部にはローラ181(ガイドピン18aのローラ181a、ガイドピン18bのローラ181bを総称してローラ181と称する)が設けられ、引き違い戸14のスライド動作により、ガイドピン18のローラ181が溝部141の側壁に接しながら回転し、引き違い戸14をスムーズにスライドさせる。このように、召し合わせ領域にガイドピン18を配置することにより、上吊り式の引き違い戸14の下端部が位置決めされ、本体12の底面に凹凸を有して左右方向に延びるガイドレールを設けることなく、引き違い戸14の下端側の揺れやガタツキを抑えスムーズにスライドさせることができる。
【0019】
収納庫10の本体12に設置される横方向仕切り板16は、引き違い戸14との間に奥行方向に間隔をあけて配置されており、横方向仕切り板16と引き違い戸14との間には隙間がある。本実施の形態における収納庫10では、引き違い戸14の揺れやガタツキをさらに抑制するために、この本体12の横方向仕切り板16との奥行方向間隔に対応する長さを有して横方向仕切り板16と当接するスペーサ部材が引き違い戸14に取り付けられる。
【0020】
図3は、本実施の形態における収納庫10にスペーサ部材20が取り付けられた部分を示す図であり、
図3(a)は引き違い戸14に取り付けられたスペーサ部材20の斜視図、
図3(b)は平面図である。スペーサ部材20は、引き違い戸14の内面側に固定され、引き違い戸14と面する横方向仕切り板16の端面に向けて、引き違い戸14から本体の背面側奥行方向に突出するようにして取り付けられ、横方向仕切り板16に当接する奥行方向長さを有する。
【0021】
スペーサ部材20は、ステンレスやアルミニウムなどの金属部材、樹脂部材などで形成される凸型部材であり、好ましくはネジ止めにより引き違い戸14に固定される。スペーサ部材20は、左右それぞれの引き違い戸14の戸先付近裏側に取り付けられる。
【0022】
スペーサ部材20の先端が横方向仕切り板16の端面に当接することで、引き違い戸14のスライド動作において、引き違い戸14と横方向仕切り板16との間の一定間隔を保ちながら、スペーサ部材20が横方向仕切り板16の端面に沿って当接しながらスライドするため、引き違い戸14の揺れやガタツキを抑制することができる。
【0023】
特に、
図3(b)に示されるように、引き違い戸14は本体12の開口面から所定の奥行方向長さ分より広く離間させて配置される。例えば、本体12の下段にゴミ箱のような比較的大型で奥行方向長さを有する収納物を収納する場合、引き違い戸14を所定の奥行方向長さ分より手前側に配置することで、より長い奥行方向長さを有する収納物を本体12に収納することができるようになり、その収納状態で引き違い戸14を開閉することができようになる。引き違い戸14を本体12の開口面から所定の奥行方向長さ分離間させて配置した場合、本体12と引き違い戸14との間に側面から見える隙間が生じるため、その隙間隠し用側板30が本体12に取り付けられるようにしてもよい。
【0024】
隙間隠し用側板30は、本体12の両側面において、少なくとも本体12の側面と引き違い戸14との奥行方向間隔分の長さで本体12の側面から本体の開口面側に延び、また、隙間隠し用側板30は本体12の高さ方向にわたって設けられる。引き違い戸14は、閉じた状態において、隙間隠し用側板30に当接する。
【0025】
引き違い戸14を本体12の開口面から所定の奥行方向長さ分離間させて配置することで、上吊り式の引き違い戸14の揺れ幅もより大きくなるが、本実施の形態におけるスペーサ部材20を引き違い戸14に取り付けることで、引き違い戸14を本体12から離間させて配置した場合も引き違い戸14の揺れやガタツキを抑制することができる。
【0026】
好ましくは、スペーサ部材20は、引き違い戸14に固定される固定部21と、固定部21の先端に取り付けられる先端部22により構成され、先端部22は、図示されるように、水平方向に回転するローラ23を備えている。引き違い戸14のスライド動作では、ローラ23が横方向仕切り板16の端面に当接して回転しながら左右方向に移動するので、引き違い戸14は先端部22が摩耗することなく滑らかにスライドすることができる。先端部22はローラ23に限らず、例えば比較的摩擦の小さい樹脂部品であってもよく、横方向仕切り板16の端面に当接しながら引きずられるようにスライドする。
【0027】
また、スペーサ部材20の先端部22は、好ましくは、固定部21に対してその奥行方向長さが調節可能に取り付けられる。収納庫10の設置作業現場におけるクリアランス調整や経年による引き違い戸14と横方向仕切り板16間の長さ変化に対応可能となる。
【0028】
図4は、長さ調整可能なスペーサ部材20の構成例を示す図である。
図4(a)に示す構成例では、先端部22の一部が固定部21に嵌合してネジ止めされており、固定部21から先端部22の突出する長さを調整することでスペーサ部材20の長さ調整が行われる。また、
図4(b)に示す構成例では、先端部22が固定部21に対して回動可能に取り付けられ、先端部22を任意の角度に回動させてネジ止めし、奥行方向長さを調整する。
【0029】
上記実施の形態例では、収納庫1の本体12の収納空間を複数段に仕切る棚板である横方向仕切り板16の位置に合わせてスペーサ部材20を配置し、スペーサ部材20が横方向仕切り板16の端面に沿って水平方向に移動する例を示したが、横方向仕切り板16は棚板には限らず、例えば、収納庫10の本体12が、正面が開口する箱型形状の複数の収納キャビネットを段積みして形成される構成である場合、横方向仕切り板16は、各収納キャビネットの天板又は底板であり、スペーサ部材20は、収納キャビネットの天板又は底板の水平方向に延びる端面に沿って当接してスライドする。また、この場合、縦方向仕切り板17は各収納キャビネットの側板である。収納キャビネットは、それぞれが天面、底面、左側面、右側面、背面にて囲まれる箱型形状のパーツであり、これを高さ方向、左右幅方向に連結させて組み合わせることで、所望の大きさの収納庫10を構成することができる。
【0030】
図5は、本実施の形態における収納庫10に別のスペーサ部材25が取り付けられた部分を示す部分平面図である。
図5の例に示す収納庫10では、上述の
図3及び
図4において示されたスペーサ部材20に代わって、引き違い戸14の揺れやガタツキをさらに抑制するために、引き違い戸14とそれに面する本体12の正面側端面との奥行方向間隔に対応する長さを有する別のスペーサ部材25が本体12の側板12aに取り付けられる。
【0031】
図6は、別のスペーサ部材25の構成例を示す斜視図である。別のスペーサ部材25は、ステンレスやアルミニウムなどの金属部材、樹脂部材などで形成される細長部材であり、一端側が好ましくはネジ止めにより本体12の側板12aの内面側に固定される。スペーサ部材25は、左右それぞれの側板12aに取り付けられる。なお、別のスペーサ部材15の取り付け高さ位置は適宜決定され、例えば本体12の高さの中央付近若しくは中央より下方の位置であってよい。上吊り式の引き違い戸14では、その下方ほどガタツキが大きくなりやすいため、別のスペーサ部材25は本体12の相対的に下方位置に取り付けられる。また、別のスペーサ部材25は、異なる高さに複数取り付けられてもよい。
【0032】
別のスペーサ部材25は、本体12の側板12aの内面側に固定され、引き違い戸14の内面に向けて、側板12aからから本体12の正面側奥行方向に突出するようにして取り付けられ、引き違い戸14に当接する奥行方向長さを有する。
【0033】
引き違い戸14の全閉状態において、別のスペーサ部材25の側板12aから突出した先端部分が引き違い戸14の内面に当接することで、引き違い戸14が閉じられた際に、引き違い戸14と本体12の側板12aとの間の一定間隔を保つため、引き違い戸14の揺れやガタツキを抑制することができる。引き違い戸14が閉じられた状態(全閉状態)は、引き違い戸14の戸先が、幅方向(横方向)中央に配置されたガイドピン18から最も離れた状態であって、最もガタツキが生じやすい位置であり、その位置において引き違い戸のガタツキを防止する別のスペーサ部材25は、上述の
図3及び
図4において示したスペーサ部材20とほぼ同様のガタツキ抑制効果を発揮する。また、別のスペーサ部材25が取り付けられる場合も、上述の隙間隠し用側板30が本体12に取り付けることができる。
【0034】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
10:収納庫、12:本体、12a:側板、14:引き違い戸、16:横方向仕切り板、17:縦方向仕切り板、18:ガイドピン、20:スペーサ部材、21:固定部、22:先端部、23:ローラ、25:別のスペーサ部材、30:隙間隠し用側板、141:溝部、181:ローラ