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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032769
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】あおり扉の開閉駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/027 20060101AFI20230302BHJP
   E05D 15/40 20060101ALI20230302BHJP
   E05F 15/63 20150101ALI20230302BHJP
   B62D 33/037 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B62D33/027 Y
E05D15/40
E05F15/63
B62D33/037 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139077
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿尾 泰宏
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA06
2E052DB06
2E052EA03
2E052EC01
(57)【要約】
【課題】本発明は、直線的な駆動力によってあおり扉の開放および閉鎖を行うあおり扉開閉駆動装置において、開閉駆動装置の構成要素の破損を抑制する、あおり扉の開閉駆動装置の提供を目的とする。
【解決手段】開閉駆動装置1は、駆動源3と、第1の軸Ax2周りに揺動可能に取り付けられ、伸縮軸Xに沿って伸縮するアクチュエータ4と、アクチュエータ4とジョイント部Jにおいて接続された揺動部材5と、あおり扉2に対して第3の軸Ax4周りに揺動可能な扉支持部材6と、扉支持部材6と揺動部材5とを繋ぐ伝達部材7とを備え、あおり扉2が閉鎖状態から開放状態へ向かうときに、アクチュエータ4の伸縮軸Xと第2の軸Ax3との間の距離が長くなるように、アクチュエータ4は第1の軸Ax2周りに揺動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びる床板に対して回動軸周りに回動し、前記床板に対して垂直方向上方に延びる閉鎖状態と、前記床板に対して垂直方向下方に延びる開放状態との間で動作するあおり扉の開閉駆動装置であって、前記開閉駆動装置が、
駆動源と、
一端部が前記床板の下部に設けられた第1の軸周りに揺動可能に取り付けられ、前記駆動源の駆動力によって伸縮軸に沿って伸縮するアクチュエータと、
前記アクチュエータの、前記第1の軸とは反対側の他端部とジョイント部において接続され、前記アクチュエータの伸縮によって、第2の軸周りに揺動可能に設けられた揺動部材と、
前記あおり扉に対して第3の軸周りに揺動可能となるように、前記あおり扉に取り付けられた扉支持部材と、
前記揺動部材の第2の軸周りの揺動に応じて、前記扉支持部材が、前記あおり扉を前記閉鎖状態と前記開放状態との間で回動するように、前記扉支持部材と前記揺動部材とを繋ぐ伝達部材と
を備え、
前記アクチュエータは、前記第1の軸が、前記水平方向において、前記第2の軸よりも前記回動軸から離れた位置となるように、前記床板の下部に設けられ、
前記あおり扉が前記閉鎖状態にあるときに、前記アクチュエータが収縮することによって、前記揺動部材、前記伝達部材および前記扉支持部材を介して、前記あおり扉が前記開放状態へ向かって回動するように構成され、
前記あおり扉が前記開放状態にあるときに、前記アクチュエータが伸長することによって、前記揺動部材、前記伝達部材および前記扉支持部材を介して、前記あおり扉が前記閉鎖状態へ向かって回動するように構成され、
前記あおり扉が前記閉鎖状態から前記開放状態へ向かうときに、前記アクチュエータの伸縮軸と、前記第2の軸との間の距離が長くなり、前記あおり扉が前記開放状態から前記閉鎖状態へ向かうときに、前記アクチュエータの伸縮軸と、前記第2の軸との間の距離が短くなるように、前記アクチュエータは前記第1の軸周りに揺動するように構成されている、
あおり扉の開閉駆動装置。
【請求項2】
前記あおり扉が閉鎖状態のときの前記ジョイント部の位置と、前記あおり扉が開放状態のときの前記ジョイント部の位置とを結んだ線よりも上方に、前記第1の軸が位置するように、前記アクチュエータが設けられている、請求項1に記載のあおり扉の開閉駆動装置。
【請求項3】
前記ジョイント部は、前記第2の軸を中心とした回転軌跡上を移動するように構成され、
円周の一部が前記回転軌跡である前記第2の軸を中心とした円の円周と、前記第2の軸から前記あおり扉に向かって前記床板に対して平行に延びる線とが交差する点を基準点とするとき、
前記あおり扉が閉鎖状態のときの前記ジョイント部は、前記円周のうち、前記基準点に対して前記第2の軸を中心として下方に30度回転した第2基準点と、前記基準点に対して前記第2の軸を中心として下方に60度回転した第3基準点との間に位置するように設けられる、請求項1または2に記載のあおり扉の開閉駆動装置。
【請求項4】
前記伝達部材は、前記あおり扉が閉鎖状態にあるときに、
前記揺動部材の上部から前記扉支持部材の第1位置に向かって延びる第1伝達部材と、
前記揺動部材の下部から前記扉支持部材の前記第1位置に対して垂直方向下方側に位置する第2位置に向かって延びる第2伝達部材と
を備えている、請求項1~3のいずれか1項に記載のあおり扉の開閉駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あおり扉の開閉駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラック等の荷台には、荷台の側面(例えば左右の側面および後の側面)にあおり扉が設けられている。このあおり扉は非常に重いため、電動であおり扉を開閉することが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図6図8に示されるように、床板Pの下部で伸縮作動するアクチュエータ400と、長手方向を上下に向けて配置されるとともにアクチュエータ400の伸縮によって揺動する揺動部材500と、あおり扉200を閉鎖した状態においてあおり扉200の回動軸Ax10の位置よりも上方で先端が枢着された扉支持部材600と、扉支持部材600の他端と揺動部材500の下端との間に設けられて両者を連動させる第1伝達部材710と、扉支持部材600と揺動部材500の上端との間に設けられて両者を連動させる第二伝達部材720とを備えたあおり扉の開閉駆動装置100が開示されている。
【0004】
具体的には、あおり扉200が荷台の床板Pに対して鉛直方向上方へと延びている閉鎖状態(図6参照)から、荷台の床板Pに対して鉛直方向下方へと延びている開放状態(図8参照)まで開放する際に、特許文献1のあおり扉の開閉駆動装置100は以下のように動作する。
【0005】
まず、図6に示されるように、アクチュエータ400のロッド420がアクチュエータ400の筒部410aに後退した状態(アクチュエータ400が収縮した状態)から、アクチュエータ400が駆動されると、アクチュエータ400のロッド420がアクチュエータ400の筒部410aから突出する方向に移動する。ロッド420がアクチュエータ400の筒部410aから突出すると(アクチュエータ400が伸長すると)、ロッド420の先端に接続された揺動部材500は、図7および図8に示されるように、アクチュエータ400の回動軸Ax10から遠ざかる方向へと回動し、それに伴って、第1伝達部材710および第2伝達部材720を介して扉支持部材600が動作して、あおり扉200が開放する。あおり扉200が閉鎖する際には、アクチュエータ400が伸長した状態からアクチュエータ400が収縮した状態へと動作することによって、揺動部材500、第1伝達部材710、第2伝達部材720および扉支持部材600が、あおり扉200が開放するときの動作とは逆の動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-59501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示のあおり扉の開閉駆動装置100は、電動で重いあおり扉200の開閉が可能となる点では優れている一方で、重いあおり扉200を電動の駆動装置によって開放と閉鎖との両方を行ううえで、駆動装置の構成要素の破損の抑制や、駆動装置の限られた出力でのより向上した作動効率の達成が望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、直線的な駆動力によってあおり扉の開放および閉鎖を行うあおり扉開閉駆動装置において、開閉駆動装置の構成要素の破損を抑制する、あおり扉の開閉駆動装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のあおり扉の開閉駆動装置は、水平方向に延びる床板に対して回動軸周りに回動し、前記床板に対して垂直方向上方に延びる閉鎖状態と、前記床板に対して垂直方向下方に延びる開放状態との間で動作するあおり扉の開閉駆動装置であって、前記開閉駆動装置が、駆動源と、一端部が前記床板の下部に設けられた第1の軸周りに揺動可能に取り付けられ、前記駆動源の駆動力によって伸縮軸に沿って伸縮するアクチュエータと、前記アクチュエータの、前記第1の軸とは反対側の他端部とジョイント部において接続され、前記アクチュエータの伸縮によって、第2の軸周りに揺動可能に設けられた揺動部材と、前記あおり扉に対して第3の軸周りに揺動可能となるように、前記あおり扉に取り付けられた扉支持部材と、前記揺動部材の第2の軸周りの揺動に応じて、前記扉支持部材が、前記あおり扉を前記閉鎖状態と前記開放状態との間で回動するように、前記扉支持部材と前記揺動部材とを繋ぐ伝達部材とを備え、前記アクチュエータは、前記第1の軸が、前記水平方向において、前記第2の軸よりも前記回動軸から離れた位置となるように、前記床板の下部に設けられ、前記あおり扉が前記閉鎖状態にあるときに、前記アクチュエータが収縮することによって、前記揺動部材、前記伝達部材および前記扉支持部材を介して、前記あおり扉が前記開放状態へ向かって回動するように構成され、前記あおり扉が前記開放状態にあるときに、前記アクチュエータが伸長することによって、前記揺動部材、前記伝達部材および前記扉支持部材を介して、前記あおり扉が前記閉鎖状態へ向かって回動するように構成され、前記あおり扉が前記閉鎖状態から前記開放状態へ向かうときに、前記アクチュエータの伸縮軸と、前記第2の軸との間の距離が長くなり、前記あおり扉が前記開放状態から前記閉鎖状態へ向かうときに、前記アクチュエータの伸縮軸と、前記第2の軸との間の距離が短くなるように、前記アクチュエータは前記第1の軸周りに揺動するように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、直線的な駆動力によってあおり扉の開放および閉鎖を行うあおり扉開閉駆動装置において、開閉駆動装置の構成要素の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】あおり扉が閉鎖状態にある、本発明の一実施形態の開閉駆動装置を示す概略図である。
図2図1の状態から、アクチュエータが所定量収縮したときの開閉駆動装置を示す概略図である。
図3】あおり扉が開放状態にある、本発明の一実施形態の開閉駆動装置を示す概略図である。
図4】アクチュエータの回転軸となる第1の軸と、揺動部材の回転軸となる第2の軸と、アクチュエータと揺動部材とが接続されるジョイント部との位置関係を説明するための図である。
図5】第2の軸を中心とした円周におけるジョイント部の位置を説明するための図である。
図6】あおり扉が閉鎖状態にある、従来の開閉駆動装置を示す概略図である。
図7】あおり扉が閉鎖状態と開放状態との間の中間位置にある、従来の開閉駆動装置を示す概略図である。
図8】あおり扉が開放状態にある、従来の開閉駆動装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態のあおり扉の開閉駆動装置を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明のあおり扉の開閉駆動装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
なお、本明細書において、「Aに垂直」およびこれに類する表現は、Aに対して完全に垂直な方向のみを指すのではなく、Aに対して略垂直であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「Bに平行」およびこれに類する表現は、Bに対して完全に平行な方向のみを指すのではなく、Bに対して略平行であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「C形状」およびこれに類する表現は、完全なC形状のみを指すのではなく、見た目にC形状を連想させる形状(略C形状)を含んで指すものとする。
【0014】
本実施形態のあおり扉の開閉駆動装置(以下、単に開閉駆動装置と呼ぶ)1は、図1図3に示されるように、あおり扉2を駆動する。開閉駆動装置1は、例えば、トラックやトレーラーなど貨物車両の荷台に設けられた、側方または後方のあおり扉2を開閉するように構成される。しかし、開閉駆動装置1の適用対象は、トラック等の貨物車両に限定されず、あおり扉2を有する他の構造であってもよい。
【0015】
あおり扉2は、図1図3に示されるように、水平方向D1に延びる床板Pに対して回動軸Ax1周りに回動し、床板Pに対して垂直方向上方D21に延びる閉鎖状態(図1参照)と、床板Pに対して垂直方向下方D22に延びる開放状態(図3参照)との間で動作する。なお、垂直方向上方D21および垂直方向下方D22の両方向をまとめて垂直方向D2と呼ぶ。本実施形態では、水平方向D1と垂直方向D2とは互いに直交し、垂直方向D2は、鉛直方向と言い換えることができる。
【0016】
あおり扉2は、床面Pに対して回動軸Ax1周りに回動することによって、閉鎖状態と開放状態との間で動作する。なお、床板Pは、あおり扉2が設けられる取付対象(本実施形態では車両)が水平な状態のときに、水平方向D1に延びる。床板Pの形状および構造は、水平方向D1に延びていれば特に限定されず、床板Pは、メッシュ状など部分的に開放していても構わない。なお、床板Pは、本実施形態では、トラック等の荷台の床板である。
【0017】
あおり扉2の閉鎖状態は、図1に示されるように、あおり扉2が床板Pに対して垂直方向上方D21に延びることによって、床板Pの上方の空間があおり扉2によって外部と水平方向D1に仕切られた状態である。閉鎖状態にあるあおり扉2は、取付対象に設けられた図示しない係止部材によって、閉鎖状態で保持される。なお、「垂直方向上方D21」とは、床板Pに対して90°を中心として所定の幅(例えば、床板Pに対して70°~110°、好ましくは80~100°、より好ましくは85~95°)を持った上向きの方向をいい、床板Pに対して90°の方向に限定されない。
【0018】
あおり扉2の開放状態(全開状態)は、図3に示されるように、あおり扉2が床板Pに対して垂直方向下方D22に延びることによって、床板Pの上方の空間があおり扉2によって外部と水平方向D1に連通した状態である。なお、「垂直方向下方D22」とは、床板Pに対して90°を中心として所定の幅(例えば、床板Pに対して70°~110°、好ましくは80~100°、より好ましくは85~95°)を持った下向きの方向をいい、床板Pに対して90°の方向に限定されない。本実施形態では、開放状態にあるあおり扉2は、閉鎖状態のあおり扉2に対して約180°回転した状態となっている。
【0019】
回動軸Ax1は、あおり扉2の回転中心となる軸である。具体的には、回動軸Ax1は、あおり扉2と取付対象(車体)との間に設けられたヒンジ等によって構成されている。回動軸Ax1の位置は、取付対象におけるあおり扉2の設置位置等によって適宜変更される。本実施形態では、回動軸Ax1は、床板Pとほぼ同じ高さに位置している。
【0020】
本実施形態の開閉駆動装置1は、図1図3に示されるように、駆動源3と、アクチュエータ4と、揺動部材5と、扉支持部材6と、伝達部材7とを備えている。
【0021】
駆動源3は、アクチュエータ4を動作させるための駆動力を発生させる。駆動源3は、床板Pの下方に配置され、アクチュエータ4に連結されている。駆動源3は、例えば電動モータとすることができ、電動モータの回転力をアクチュエータ4に伝達して、アクチュエータ4を伸縮させる。
【0022】
アクチュエータ4は、図1図3に示されるように、一端部が床板Pの下部に設けられた第1の軸Ax2周りに揺動可能に取り付けられ、駆動源3の駆動力によって伸縮軸Xに沿って伸縮する。アクチュエータ4の、第1の軸Ax2とは反対側の他端部は、ジョイント部Jにおいて揺動部材5と接続されている。なお、第1の軸Ax2は回動軸Ax1と平行に延びている。
【0023】
本実施形態では、アクチュエータ4は、図1図3に示されるように、第1の軸Ax2が、水平方向D1において、後述する揺動部材5の回転軸となる第2の軸Ax3よりも回動軸Ax1から離れた位置となるように、床板Pの下部に設けられている。より具体的には、アクチュエータ4は、床板Pの下部に設けられた基部Bに対して、第1の軸Ax2周りに回転できるように取り付けられている。アクチュエータ4は、第1の軸Ax2から水平方向D1で第2の軸Ax3に近付く方向へと水平方向D1に対して傾斜して延びている。アクチュエータ4の伸縮軸Xは、あおり扉2が閉鎖状態から開放状態に亘って、水平方向D1であおり扉2に近付くように斜め下方に延びている。
【0024】
アクチュエータ4は、図1図3に示されるように、駆動源3の駆動力によって伸縮軸Xに沿って伸縮するとともに、第1の軸Ax2周りに揺動することで、後述するように、揺動部材5、伝達部材7および扉支持部材6を介してあおり扉2を開閉させる。具体的には、アクチュエータ4は、図1に示される状態から図3に示される状態に向かって、アクチュエータ4が収縮したときに、揺動部材5を水平方向D1であおり扉2から離れるように第2の軸Ax3周りに回転させる。これにより、あおり扉2が閉鎖状態から開放状態に向かって移動する。また、アクチュエータ4は、図3に示される状態から図1に示される状態に向かって、アクチュエータ4が伸長したときに、揺動部材5を水平方向D1であおり扉2に近付くように第2の軸Ax3周りに回転させる。これにより、あおり扉2が開放状態から閉鎖状態に向かって移動する。
【0025】
アクチュエータ4の形状および構造は、駆動源3の駆動力によって伸縮軸Xに沿ってアクチュエータ4が伸縮可能に構成されていれば、特に限定されない。本実施形態では、アクチュエータ4は、図1図3に示されるように、アクチュエータ基部41と、アクチュエータ基部41に対する突出量を変化させるように、アクチュエータ基部41に対して相対移動するロッド42とを備えている。アクチュエータ基部41は、本実施形態では、ロッド42の一部を進退可能に収容する筒部41aを有している。本実施形態では、アクチュエータ基部41の筒部41a内には、駆動源3(以下、モータ3とも呼ぶ)の回転力によって伸縮軸Xの軸周りに回転するスクリュー軸(図示せず)を備えている。スクリュー軸は、図示しない伝動部材によってモータ3に接続されている。ロッド42は、スクリュー軸に螺合しているとともに、スクリュー軸と共回りすることが抑制されている。モータ3が一方向に回転することによって、スクリュー軸が一方向に回転し、スクリュー軸に螺合しているロッド42が伸縮軸Xに沿って筒部41aから前進する方向に移動して、アクチュエータ4が伸長する。また、モータ3が他方向に回転することによって、スクリュー軸が他方向に回転し、スクリュー軸に螺合しているロッド42が伸縮軸Xに沿って筒部41a内へ後退する方向に移動して、アクチュエータ4が収縮する。
【0026】
揺動部材5は、アクチュエータ4の伸縮によって、第2の軸Ax3周りに揺動可能に設けられている。また、揺動部材5は第2の軸Ax3周りに揺動することによって、伝達部材7および扉支持部材6を動作させて、これによりあおり扉2を開閉させる。
【0027】
揺動部材5は、本実施形態では、図1図3に示されるように、床板Pの下部に設けられた第2の軸Ax3周りに揺動するように構成されている。具体的には、揺動部材5は、床板Pの下部に設けられた基部Bに第2の軸Ax3周りに揺動できるように取り付けられている。第2の軸Ax3は、水平方向D1で回動軸Ax1と第1の軸Ax2との間に位置している。なお、第2の軸Ax3は、回動軸Ax1および第1の軸Ax2と平行に延びる軸である。
【0028】
揺動部材5の形状および構造は、揺動部材5が第2の軸Ax3周りに揺動することによって、伝達部材7および扉支持部材6を介してあおり扉2を開閉させることができれば、特に限定されない。本実施形態では、揺動部材5は、取付対象(基部B)に対して第2の軸Ax3周りに取り付けられるとともに、ジョイント部Jにおいてアクチュエータ4に対して、第2の軸Ax3に平行な軸周りに相対回転可能に接続されている。また、揺動部材5は、伝達部材7に対して第2の軸Ax3に平行な軸周りに相対回転可能に接続されている。具体的には、揺動部材5は、後述する第1伝達部材71および第2伝達部材72に第2ジョイント部J2および第3ジョイント部J3において、相対回転可能に接続されている。第2ジョイント部J2は、図1に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態のときに、第2の軸Ax3に対して垂直方向上方D21かつ水平方向D1であおり扉2側に位置している。第3ジョイント部J3は、図1に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態のときに、第2の軸Ax3に対して垂直方向下方D22かつ水平方向D1で第2の軸Ax3に対してあおり扉2側に位置している。第2の軸Ax3から第3ジョイント部J3までの距離は、第2の軸Ax3から第2ジョイント部J2までの長さよりも長い。また、ジョイント部Jは、第2の軸Ax3と第3ジョイント部J3とを結んだ線よりも水平方向D1であおり扉2側に位置している。
【0029】
伝達部材7は、図1図3に示されるように、揺動部材5の第2の軸Ax3周りの揺動に応じて、扉支持部材6が、あおり扉2を閉鎖状態と開放状態との間で回動するように、扉支持部材6と揺動部材5とを繋いでいる。伝達部材7の数や配置は、扉支持部材6が、あおり扉2を閉鎖状態と開放状態との間で回動するように、扉支持部材6と揺動部材5とを繋いでいれば、特に限定されない。
【0030】
本実施形態では、伝達部材7は、図1に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態にあるときに、揺動部材5の上部から扉支持部材6の第1位置に向かって延びる第1伝達部材71と、揺動部材5の下部から扉支持部材6の第1位置に対して垂直方向下方D22側に位置する第2位置に向かって延びる第2伝達部材72とを備えている。なお、扉支持部材6の第1位置および第2位置は、第1位置と第2位置との間の相対的な位置を示すものであり、扉支持部材6の第1位置および第2位置の具体的な位置は、あおり扉2が開閉できるように、扉支持部材6と、第1伝達部材71および第2伝達部材72とを回転可能に接続することができる位置であれば、特に限定されない。本実施形態では、第1位置は、あおり扉2が閉鎖状態にあるときに、垂直方向D2で第2の軸Ax3とジョイント部Jとの間の高さに位置し、水平方向D1ではジョイント部Jに対してあおり扉2側に位置している。また、第2位置は、あおり扉2が閉鎖状態にあるときに、垂直方向D2でジョイント部Jよりも垂直方向下方D22側(第3ジョイント部J3とほぼ同じ高さ)となる高さに位置し、水平方向D1でジョイント部Jに対してあおり扉2側(第1位置とほぼ同じ水平方向の位置)に位置している。なお、本実施形態では、扉支持部材6と第1伝達部材71とは、扉支持部材6の第1位置に設けられた第4ジョイント部J4によって互いに対して相対回転可能に接続されている。また、扉支持部材6と第2伝達部材72とは、扉支持部材6の第2位置に設けられた第5ジョイント部J5によって互いに対して相対回転可能に接続されている。
【0031】
扉支持部材6は、図1図3に示されるように、あおり扉2に対して第3の軸Ax4周りに揺動可能となるように、あおり扉2に取り付けられている。扉支持部材6は、図1に示されるように、あおり扉2の閉鎖状態において、第3の軸Ax4に対して垂直方向下方D22に延びている。第3の軸Ax4は、本実施形態では、図1に示されるように、閉鎖状態のあおり扉2の下端部分(下端からわずかに上方)に位置し、かつ、回動軸Ax1に対して垂直方向上方D21に位置している。第3の軸Ax4は、回動軸Ax1、第1の軸Ax2および第2の軸Ax3と平行に延びている。扉支持部材6の形状は特に限定されないが、本実施形態では、図1に示されるように、扉支持部材6の垂直方向D2で上部領域61は、細長いロッド状に形成され、下部領域62は、上部領域61に対して水平方向D1に幅広に形成されている。また、扉支持部材6の下部領域62に、伝達部材7が接続されている。具体的には、あおり扉2が閉鎖状態にあるときに、扉支持部材6の下部領域62の上部側に第4ジョイント部J4を介して、第1伝達部材71が相対回転可能に接続されている。また、扉支持部材6の下部領域62の下部側に第5ジョイント部J5を介して、第2伝達部材72が相対回転可能に接続されている。
【0032】
図1図3に示されるように、扉支持部材6は、伝達部材7に接続されており、アクチュエータ4の伸縮により、揺動部材5および伝達部材7が動作することによって、あおり扉2を開閉させるように動作する。図1に示されたあおり扉2の閉鎖状態から、アクチュエータ4が収縮して、揺動部材5があおり扉2から離れるように揺動すると、扉支持部材6の下部領域62がアクチュエータ4側に引き寄せられるように動作する。これにより、図1に示されるあおり扉2の閉鎖状態において垂直方向D2で上下に配向していた扉支持部材6は、図2に示されるように、垂直方向D2に対して傾いて、扉支持部材6の上端(第3の軸Ax4)が、閉鎖状態のあおり扉2の外側面の位置に対して水平方向D1に向かって移動する。これにより、第3の軸Ax4において扉支持部材6と接続されたあおり扉2は、扉支持部材6の上端に引っ張られて、開放状態に向かって、回動軸Ax1を中心に回転する。逆に、図3に示されたあおり扉2の開放状態(全開状態)から、アクチュエータ4が伸長して、揺動部材5があおり扉2に近付くように揺動すると、扉支持部材6の下部領域62は、揺動部材5および伝達部材7を介して水平方向D1であおり扉2側に押圧される。これにより、図3に示されるあおり扉2の開放状態において傾斜した扉支持部材6は、垂直方向D2で上下に配向する姿勢に向かって動作する。これにより、第3の軸Ax4において扉支持部材6と接続されたあおり扉2は、扉支持部材6の上端に押されて、閉鎖状態に向かって回動軸Ax1を中心に回転する。なお、第3の軸Ax4は、図1図3に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態から開放状態まで移動する際に、回動軸Ax1を中心とした円周上を移動する。
【0033】
本実施形態では、開閉駆動装置1は、図1図3に示されるように、アクチュエータ4は、第1の軸Ax2が、水平方向D1において、第2の軸Ax3よりも回動軸Ax1から離れた位置となるように、床板Pの下部に設けられている。また、開閉駆動装置1は、あおり扉2が閉鎖状態にあるときに(図1参照)、アクチュエータ4が収縮することによって、揺動部材5、伝達部材7および扉支持部材6を介して、あおり扉2が開放状態へ向かって回動するように構成されている。また、開閉駆動装置1は、あおり扉2が開放状態にあるときに(図3参照)、アクチュエータ4が伸長することによって、揺動部材5、伝達部材7および扉支持部材6を介して、あおり扉2が閉鎖状態へ向かって回動するように構成されている。このように、本実施形態の開閉駆動装置1においては、アクチュエータ4の第1の軸Ax2は、水平方向D1で第2の軸Ax3よりも回動軸Ax1から離れた位置となるように配置され、アクチュエータ4を収縮させることであおり扉2が開放され、アクチュエータ4を伸長させることであおり扉2が閉鎖される。この場合、揺動部材5、伝達部材7および扉支持部材6を含むリンク機構の垂直方向D2で必要な高さを小さくすることができ、開閉駆動装置1を垂直方向D2で小型化することができる。図6図8に示される特許文献1の構造のように、アクチュエータ400の第1の軸Ax20が、回動軸Ax10と第2の軸Ax30との間に配置され、アクチュエータ400を伸長させることであおり扉200を開放し、アクチュエータ400を収縮させることであおり扉200を閉鎖する構造の場合、図6に示されるように、水平方向D1でアクチュエータ400が回動軸Ax10と第2の軸Ax30との間に配置される。このような構造の場合、揺動部材500の第2の軸Ax30と回動軸Ax10までの間の長さが長くなる。したがって、揺動部材500、伝達部材700および扉支持部材600によって構成されたリンク機構の各部材の長さが長くなってしまう。そのため、図8に示されるように、あおり扉200の開放状態において、伝達部材700や扉支持部材600が垂直方向D2で下方に張り出す大きさが大きくなる。一方、本実施形態では、アクチュエータ4が揺動部材5、伝達部材7および扉支持部材6によって構成されたリンク機構の外側に位置するので、リンク機構を構成する揺動部材5、伝達部材7および扉支持部材6等の各部材の長さを短くすることができる。したがって、開閉駆動装置1を垂直方向D2で小型化することができる。
【0034】
また、本実施形態では、開閉駆動装置1は、図1図3に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態(図1参照)から開放状態(図3参照)へ向かうときに、アクチュエータ4の伸縮軸Xと、第2の軸Ax3との間の距離が長くなり、あおり扉2が開放状態から閉鎖状態へ向かうときに、アクチュエータ4の伸縮軸Xと、第2の軸Ax3との間の距離が短くなるように、アクチュエータ4が第1の軸Ax2周りに揺動するように構成されている。この場合、詳細は後述するが、開放状態の近傍におけるあおり扉2が回動する速度は、閉鎖状態の近傍におけるあおり扉2が回動する速度に対して遅くすることができる。したがって、あおり扉2の開放時(全開時)において、あおり扉2や、開閉駆動装置1の構成要素への衝撃を低減することができる。また、図3に示されるあおり扉2の開放状態の近傍において、第2の軸Ax3からアクチュエータ4の伸縮軸Xまでの距離が長いので、あおり扉2の開放状態から閉鎖状態に向かってあおり扉2を移動させる際のモーメントを大きくすることができる。したがって、重いあおり扉2を開放状態から閉鎖状態に向かって移動させる際の駆動源3の出力を低減させることが可能となり、アクチュエータ4への負担を減らすことができる。
【0035】
上記点について、図1図3を用いて詳しく説明する。なお、図2において、図1の状態のときのあおり扉2とアクチュエータ4とが二点鎖線で示されている。また、図3において、図2の状態のときのあおり扉2とアクチュエータ4とが二点鎖線で示されている。なお、図2は、図1に示される状態からアクチュエータ4が収縮した収縮量が、図1に示される状態から図3に示される状態となるまでのアクチュエータ4の全収縮量の1/2となったときの各部の状態を示している。すなわち、図1に示される状態から図2に示される状態までのアクチュエータの収縮量は、図2に示される状態から図3に示される状態までのアクチュエータの収縮量と同じである。
【0036】
図1に示される、あおり扉2の閉鎖状態における、アクチュエータ4の伸縮軸Xと第2の軸Ax3との間の距離L1は、あおり扉2の開閉の過程のうち、最も短くなっている。一方、図3に示される、あおり扉2の開放状態における、アクチュエータ4の伸縮軸Xと第2の軸Ax3との間の距離L2は、あおり扉2の開閉の過程のうち、最も長くなっている。このように、アクチュエータ4の伸縮軸Xと第2の軸Ax3との間の距離は、あおり扉2の開放状態に近付くにつれて、徐々に長くなるようになっている場合、図2に示される状態から図3に示される状態までに、ジョイント部Jが第2の軸Ax3を中心として回転した角度θ2(すなわち、揺動部材5の回転角度)は、図1に示される状態から図2に示される状態までに、ジョイント部Jが第2の軸Ax3を中心として回転した角度θ1よりも小さくなる。したがって、揺動部材5の第2の軸Ax3周りの回転角度は、あおり扉2が閉鎖状態に近い側に位置するときよりも、あおり扉2が開放状態に近い側に位置するときの方が小さくなっている。これにより、アクチュエータ4が伸縮する速度が一定であるとき、開放状態の近傍におけるあおり扉2が回動する速度を、閉鎖状態の近傍におけるあおり扉2が回動する速度に対して遅くすることができ、あおり扉2の開放時(全開時)において、あおり扉2や、開閉駆動装置1の構成要素に加わる衝撃を低減することができる。
【0037】
また、図3に示されるあおり扉2の開放状態から図1に示される閉鎖状態へ向かってあおり扉2を移動させる際には、重さのあるあおり扉2を上方に持ち上げる必要があるので、あおり扉2を閉鎖状態から開放させる場合と比較して、揺動部材5に対して大きな力を加える必要がある。本実施形態では、図3に示される状態での第2の軸Ax3からアクチュエータ4の伸縮軸Xまでの距離L2は、図1に示される状態での第2の軸Ax3からアクチュエータ4の伸縮軸Xまでの距離L1よりも長くなっている。そのため、図3に示される状態においてアクチュエータ4を伸長させたときに生じる第2の軸Ax3周りのモーメントは、あおり扉2が閉鎖状態近傍にある場合にアクチュエータ4を伸長させたときに生じるモーメントよりも大きくなる。したがって、特許文献1のような構造と比較して、駆動源3の出力を低減させても、揺動部材5を容易に第2の軸Ax3周りに回転させることができる。したがって、重いあおり扉2を開放状態から閉鎖状態へと移動させる際に、駆動源3やアクチュエータ4への負担を小さくすることができる。
【0038】
なお、あおり扉2が閉鎖状態から開放状態へ向かうときに、アクチュエータ4の伸縮軸Xと、第2の軸Ax3との間の距離が長くなるように構成されていれば、開閉駆動装置1の各部材の配置は特に限定されない。本実施形態では、図4に模式的に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態のときのジョイント部Jの位置PJ1と、あおり扉2が開放状態のときのジョイント部Jの位置PJ2とを結んだ線LNよりも上方に、第1の軸Ax2が位置するように、アクチュエータ4が設けられることにより、あおり扉2が閉鎖状態から開放状態へ向かうときに、アクチュエータ4の伸縮軸Xと、第2の軸Ax3との間の距離を長くすることができる。なお、本実施形態では、あおり扉2が閉鎖状態にあるときからあおり扉2が開放状態となるまでに、ジョイント部Jは第2の軸Ax3周りに40~50°回転するように構成されている。また、本実施形態では、あおり扉2が閉鎖状態にあるときから、ジョイント部Jが第2の軸Ax3周りに40~50°回転したときに、ジョイント部Jは、第2の軸Ax3の垂直方向下方D22に位置するように構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、水平方向D1における第1の軸Ax2の位置は、図1に示されるように、第1の軸Ax2と第2の軸Ax3との間の水平方向D1の距離L3が、第2の軸Ax3からジョイント部Jまでの長さ(図1図3におけるジョイント部Jの回転軌跡によって形成される円の半径)以上となるように設定されている。また、垂直方向D2における第1の軸Ax2の位置(高さ)は、図4に示されるように、あおり扉2が閉鎖状態のときの、第2の軸Ax3とジョイント部Jとの間の垂直方向D2の距離をL4としたときに、第2の軸Ax3の垂直方向D2での位置に対して1/2×L4の範囲内、好ましくは1/3×L4の範囲内にあることが好ましい。この場合、あおり扉2の閉鎖状態における第2の軸Ax3とアクチュエータ4の伸縮軸X(図4においてX1として示している)との間の距離L1と、あおり扉2の開放状態における第2の軸Ax3とアクチュエータ4の伸縮軸X(図4においてX2として示している)との間の距離L2との差を大きくすることができる。したがって、上述した、開閉駆動装置1の構成要素への衝撃の低減効果や、駆動源、アクチュエータ4への負担の軽減効果をより効果的に得ることができる。
【0040】
また、本実施形態では、図1図3に示されるように、ジョイント部Jは、第2の軸Ax3を中心とした回転軌跡上を移動するように構成されている。図5に示されるように、円周の一部が回転軌跡である第2の軸Ax3を中心とした円の円周Cと、第2の軸Ax3からあおり扉2に向かって床板Pに対して平行に延びる線LN2とが交差する点を基準点P1とするとき、あおり扉2が閉鎖状態のときのジョイント部Jは、円周Cのうち、基準点P1に対して第2の軸Ax3を中心として下方に30度回転した第2基準点P2と、基準点P1に対して第2の軸Ax3を中心として下方に60度回転した第3基準点P3との間に位置するように設けられる。この場合、ジョイント部Jにおいて連結されるアクチュエータ4の先端部をあおり扉2に近付けることができ、それに伴い、アクチュエータ4の回転軸となる第1の軸Ax2の位置を、水平方向D1であおり扉2側に寄せることができる。したがって、アクチュエータ4を含めた開閉駆動装置1の水平方向D1に必要なスペースを小さくすることができる。
【0041】
より好ましくは、あおり扉2が閉鎖状態のときのジョイント部Jは、図5における第2基準点P2と第3基準点P3との間のうち、第2基準点P2に対して第2の軸Ax3を中心として下方に10~20°の位置に設けられていることが好ましい。すなわち、あおり扉2の閉鎖状態のときのジョイント部Jは、基準点P1に対して下方に40~50°(より好ましくは45°)回転した位置に位置することが好ましい。例えば、あおり扉2の閉鎖状態から開放状態までに、第2の軸Ax3を中心として揺動部材5が回転する角度が40~50°である場合、閉鎖状態でのジョイント部Jは図5における点P4(図4におけるPJ1に対応する位置)に位置し、開放状態でのジョイント部Jは図5における点P5(図4におけるPJ2に対応する位置)に位置する。この場合、上述したように、第2の軸Ax3と伸縮軸Xとの距離の差を大きくすることが容易となる。したがって、上述した、開閉駆動装置1の構成要素への衝撃の低減効果や、駆動源3、アクチュエータ4への負担の軽減効果をさらに効果的に得ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 開閉駆動装置
2 あおり扉
3 駆動源(モータ)
4 アクチュエータ
41 アクチュエータ基部
41a 筒部
42 ロッド
5 揺動部材
6 扉支持部材
61 上部領域
62 下部領域
7 伝達部材
71 第1伝達部材
72 第2伝達部材
Ax1 回動軸
Ax2 第1の軸
Ax3 第2の軸
Ax4 第3の軸
B 基部
C 第2の軸を中心とした円の円周
D1 水平方向
D2 垂直方向
D21 垂直方向上方
D22 垂直方向下方
J ジョイント部
J2 第2ジョイント部
J3 第3ジョイント部
J4 第4ジョイント部
J5 第5ジョイント部
L1 あおり扉の閉鎖状態における、アクチュエータの伸縮軸と第2の軸との間の距離 L2 あおり扉の開放状態における、アクチュエータの伸縮軸と第2の軸との間の距離 L3 第1の軸と第2の軸との間の水平方向の距離
L4 あおり扉が閉鎖状態のときの第2の軸とジョイント部との間の垂直方向の距離
LN あおり扉2が閉鎖状態のときのジョイント部の位置と、あおり扉が開放状態のときのジョイント部の位置とを結んだ線
LN2 第2の軸からあおり扉2に向かって床板に対して平行に延びる線
P 床板
P1 基準点
P2 第2基準点
P3 第3基準点
P4、PJ1 あおり扉が閉鎖状態のときのジョイント部の位置
P5、PJ2 あおり扉が開放状態のときのジョイント部の位置
X 伸縮軸
θ1、θ2 ジョイント部が第2の軸を中心として回転した角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8