IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ K&Kグローバル株式会社の特許一覧

特開2023-32784口腔内部を口腔内部から照らす照明器具
<>
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図1
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図2
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図3
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図4
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図5
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図6
  • 特開-口腔内部を口腔内部から照らす照明器具 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032784
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】口腔内部を口腔内部から照らす照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20230302BHJP
   A61C 19/00 20060101ALI20230302BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230302BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230302BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230302BHJP
   F21Y 107/70 20160101ALN20230302BHJP
   F21W 131/202 20060101ALN20230302BHJP
【FI】
F21L4/00 400
A61C19/00 Z
F21S2/00 611
F21V19/00 170
F21Y115:10
F21Y107:70
F21W131:202
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139096
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】521381004
【氏名又は名称】K&Kグローバル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】亀井 勝行
(72)【発明者】
【氏名】野本 恵子
【テーマコード(参考)】
3K013
4C052
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013EA13
4C052LL09
(57)【要約】
【課題】診療者の指に装着され、診療者の意思で簡単に操作できる照明器具を提供する。したがって、口腔内の患部を適切に照らすことができる。
【解決手段】照明器具1は、診療者の少なくとも1つ以上の指に装着する部材2を有し、当該部材2は、照明部材3を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診療者の少なくとも1つ以上の指に装着する部材を有し、当該部材は、照明部材を有することを特徴とする、患者の口腔内部を照らす照明器具。
【請求項2】
前記部材が複数に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記部材の内部に照明部材が貼付されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記照明部材がLEDであることを特徴とする、請求項1~3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記部材がシリコンであることを特徴とする請求項1~4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記部材は、前記診療者の少なくとも1以上の指の先端部にのみ装着することを特徴とする請求項1~5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記照明部材を点灯させる電源を有することを特徴とする請求項1~6に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 口腔内部を口腔内部から照らすことができる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、歯科で歯を治療するためには、まず、患者が患者用の椅子に座り、当該患者用の椅子に備えられたライトなどの照明器具を用いて、口腔の外部から患者の口腔を照らして 歯医者や歯科衛生士などの診療者の視野を確保する 。
【0003】
続いて、診療者は、前記照明器具で患者の口腔内部の患部を照らしながら、診療 や治療を行う。
【0004】
歯科治療では、患者の歯の患部が非常に小さい見難い。また、歯の周囲には、多くの神経が密集してので、繊細で細密な診療や治療が必要となる。
【0005】
特に、診療者が患者の口腔内部の状態を確認するために、診療者の視野の確保が 非常に重要である 。
【0006】
しかしながら、従来の照明器具は、患者用椅子の上方に設置された照明器具を使用して、患者の口腔内部を口腔外部から照らすものである(例えば、特許文献1)。
【0007】
このように口腔外部から患者の口腔内部を照らすと、患者の口腔内部に影が発生 して口腔内部に光が照らされない部分が生じるという問題点があった。
【0008】
また、従来の照明器具の場合、診療者が患者の口腔内部の状態を確認するために、診療者が、歯科診療中に照明器具の位置を調整しなければならない。
【0009】
これでは、診療者は、歯の診療や治療に集中し難い。また、患者の歯の患部が非常に小さく見難いので、照明器具の位置を適切な位置に調整することは、熟練の診療者で難しい。
【0010】
このため、従来の照明器具では、患者の口腔内部を十分に照らすには限界があった。また、診療者の作業効率も上がらなかった。
【0011】
また、いわゆるLEDを有するバイトブロックを存在するが(例えば、特許文献2)、これらは、構造が複雑で、作製に時間と費用がかかるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2015-35372号
【特許文献2】特許第4861510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、患者の口腔内部から患者の患部を照らす照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため、請求項1の本発明に係る照明器具は、診療者の少なくとも1つ以上の指に装着する部材を有し、当該部材は、照明部材を有することを特徴とする。
【0015】
請求項1の照明器具によれば、患者の口腔内部から口腔内部の患部を照らすことができる。
【0016】
また、当該照明器具は、診療者の指に装着され、診療者の意思で簡単に操作できる。したがって、口腔内の患部を適切に照らすことができる。
【0017】
また、当該照明器具は、診療者の指に装着され、診療者の意思で簡単に操作できるので、診療者が患者の診断や治療に専念でき、作業効率を上げることができる。
【0018】
請求項2の本発明に係る照明器具は、請求項1のものにおいて、前記部材が複数に分割されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3の本発明に係る照明器具は、請求項1又は2のものにおいて、前記部材の内部に照明部材が貼付されていることを特徴とする。
【0020】
請求項3の照明器具によれば、仮に照明部材が割れた場合にも、その破片が患者の口腔内に入ってしまう恐れが少なくなり、安全性を確保できる。
【0021】
請求項4の本発明に係る照明器具は、請求項1、2又は3のものにおいて、前記照明部材がLEDであることを特徴とする。
【0022】
請求項5の本発明に係る照明器具は、請求項1乃至4のものにおいて、前記部材がシリコンであるであることを特徴とする。
【0023】
請求項5の照明器具によれば、診断や治療中に患者が歯で照明器具を噛んでしまった場合でも、前記照明部材が割れてしまっても患者の口内に部材が飛散することを防ぐとこができ、診療や治療の安全性を確保できる。
【0024】
請求項6の本発明に係る照明器具は、請求項1乃至5のものにおいて、前記部材は、前記診療者の少なくとも1以上の指の先端部にのみ装着することを特徴とする。
【0025】
請求項6の本発明に係る照明器具によれば、最小限必要な指の先端部のみに装着する照明器具なので、効率よく口腔内の患部を適切に照らすことができる。また、安価に製造できる。
【0026】
請求項7の本発明に係る照明器具は、請求項1乃至6のものにおいて、前記部材は、前記照明部材を点灯させる電源を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の一形態に係る照明器具の図面である。
図2図1の部材2を説明する図面である。
図3図1の照明部材3を説明する図面である。
図4図1の照明器具1と電源4を説明する図面である。
図5図1の部材2と照明部材3と電源4の接続を説明する図面である。
図6】本発明の他の実施例を説明する図面である。
図7】本発明の他の実施例の使用例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
本発明に係る照明器具は、歯医者や歯科衛生士などの診療者が、患者の診療や治療の際に使用するものであって、診療者の少なくとも1つの指の装着する部材を有し、当該部材は、照明部材を有する照明器具である。
【0030】
図1に示すように、本発明の実施の一形態に係る照明器具1は、診療者の少なくとも1つ以上の指に装着する部材2を有する。また、当該部材は、照明部材3を有する。また、当該照明部材3は、当該照明部材3を点灯させる電源4を有する。
また。当該照明器具1は、当該照明部材3と当該電源4を繋ぐ線(ケーブル)
5を有する。
【0031】
本実施の形態では、図1の照明器具1の部材2は、透明なシリコンゴムを用いて製造した。
【0032】
本実施の形態では、図2のように、部材2は3つのパーツに分けて作成した。部材2aは、噛みつき保護用の部材で最初に指に装着される。装着される位置は、人差し指の関節の位置から根本の位置となる。が、この位置に限定されない。
【0033】
部材2bは、基板ズレ防止用の部材で、部材2aの次に指に装着される。装着される位置は、人差し指の関節の位置から爪に間の位置となる。が、この位置に限定されない。
【0034】
部材2cは、指先に装着される部材である。図2では指先の全体を覆う形となっている。しかし、この形に限られず、爪の部分だけを覆い、指先が露出している形でもよい。
【0035】
また、部材2は、図2のものに限られず部材2を1つ、2つ、4つ等のパーツで作成してもよい。
【0036】
部材2は、透明であることが望ましいが、透明でなくても照明部材3の光が透過するものであればよい。透過性を有すればよい。
【0037】
部材2は、シリコンであることが望ましいが、これに限られず、ゴムなどの弾性体であってもよい。
【0038】
部材2には、透過性を有すれば、いわゆる市販の指サックを用いることもできる。
【0039】
照明部材3について、本実施の形態では、図3のように、LED3aとフレキシブル基板3bを有するLEDテープを用い、それをリング状に丸めて粘着性を有するテープ部分3cで結合し、前記部材2を構成するパーツである部材2cの内部に押し込む。なお、照明部材3をリング状に丸めて粘着性を有するテープ部分で結合し、指先に付けてから、前記部材2を構成するパーツである部材2cの内部に押し込んでもよい。
【0040】
照明部材3には、証明部材3と電源4を繋ぐ線(ケーブル)5の一方が接続されている。
【0041】
照明部材3は、前記部材2の内部に限らずに部材2の外部に貼付することもできる。しかし、安全面を考慮すると、部材2の内部に貼付することが望ましい。
【0042】
照明部材3は、LED3aとフレキシブル基板3bと粘着性を有するテープ部分3cを有するLEDテープでなくともよく、同様の目的を達成できるものを用いてもよい。
【0043】
また、当該照明部材3は、当該照明部材3を点灯させる電源4を有する。本実施の形態では、図4、5に示すように電源4は、電源ボックス6を有する。
【0044】
電源ボックス6には、証明部材3と電源4を繋ぐ線(ケーブル)5の他方が接続されている。
【0045】
電源ボックス6は、その上面にLEDの光量調整手段7と電源スイッチ8を有する。
【0046】
光量調整手段7は、いわゆるツマミであり、ツマミを回転させることで光量を調整するものである。
本実施の形態では、ツマミを右に回転させる毎に光量が強くなる。ツマミを左に回転させると光量が弱くなる。
【0047】
ただし、光量調整手段7は、これに限られずLEDの光量を調整できる手段であればよい。
【0048】
電源スイッチ6は、電源をオンオフするためのものボタンである。本実施の形態では、スイッチボタンを右にすると電源がオンになり、LEDが点灯する。スイッチボタンを左にすると電源がオフになり、LEDが消灯する。
【0049】
ただし、電源スイッチ6は、これに限られず電源をオンオフできるものであればよい。
【0050】
電源ボックス6の裏面には、電池を挿入する空間9が設けられている。この空間には+-の端子が設けられており、本実施の形態では単四サイズの電池を4本装着するものである。
【0051】
電源ボックス6は、図示していないが電池を挿入する空間9を覆う蓋を有する。
【0052】
電源ボックス6の電池のサイズは単四サイズに限定されず、単一サイズ、単二サイズ、単三サイズの電池を用いてもよい。
【0053】
通電は電池を用い、リード線で照明部材3であるLEDテープと接続している。場所を取らない電池を使用するのが、診療者の作業の効率化を考えると望ましいが、これには限定されない。
【0054】
電源4は、電池に限られずACアダプタでコンセントに接続してよいし、USBでコンセントやパソコンに接続してもよい。
【0055】
続いて、図1図2を用いて、本発明に係る照明器具の使用例を説明する。
【0056】
まず、診療者は、部材2cに照明部材3を装着する(詰め込む)。具体的には照明部材3をリング状に丸めて粘着性を有するテープ部分3cで結合し、前記部材2を構成するパーツである部材2cの内部に押し込む。また、照明部材3をリング状に丸めて粘着性を有するテープ部分で結合し、指先に付けてから、前記部材2を構成するパーツである部材2cの内部に押し込んでもよい。
図1の照明器具の部材2(部材2a、2b、2c)を人差し指に装着する。診断や治療方法から考えると、人差し指に装着するのが好ましいがこれに限られない。また、部材2は、指全体を覆う形状であってもよい。
【0057】
また、本使用例では、人差し指1本だけに装着したが、これには限定されず、人差し指と中指、人差し指と薬指というように複数本の指に装着してもよい。
【0058】
その後、診療者は、医療用の透明な手袋をはめて、診療や治療を行う。なお、医療用の手袋は、透明であることが望ましいが、透明でなくても照明部材3の光が透過するものであればよい。
【0059】
診療者は、口の中に手を入れて歯の診療を行う際に、電源スイッチ4のスイッチ8をオンにする。これにより、口腔内を明るくした状態で歯の診療を行うことができる。
【0060】
診療者は、治療位置や診療時刻に合わせて光量調整手段7を用いて、LED光量を強くしたり、弱くしたりすることができる。
【0061】
本発明に係る照明器具を用いることにより、診療者は口腔内部で患者の患部を照らすことができる。
【0062】
また、診療者自身の指に照明器具が装着されているので、診療者は自身の診療や治療のやり易いように口腔内の照らすことができる(照明器具で照らす位置を自由に、簡単に調整することができる)。
【0063】
また、本発明の他の実施形態として、図6図7に示す照明器具を用いてもよい。
【0064】
本実施の形態では係る照明器具1は、診療者の少なくとも1つ以上の指に装着する部材2を有する。また、当該部材は、照明部材3を有する。また、当該照明部材3は、当該照明部材3を点灯させる電源4を有する。また。当該照明器具1は、当該照明部材3と当該電源4を繋ぐ線(ケーブル)5を有する。
【0065】
本実施の形態では、部材2は1つの部材で構成されている。図7に示すよう知指先が隠れるほどの大きさであるが、これに限定されない。
【0066】
本実施の形態では、照明部材3が、照明部材3は、LED3aとフレキシブル基板3bと粘着性を有するテープ部分3cを有するLEDテープを巻いて3つのリングを形成したものであるが、リングの数は1つでも、2つであっても4つであってもよい。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 照明器具
2 部材
3 照明部材(LEDテープ)
4 電源
5 ケーブル
6 電源ボックス
7 光量調整手段
8 電源スイッチ
9 電池を挿入する空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7