(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032825
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】発電プラントの運転管理装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20230302BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/06
G05B23/02 301U
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139148
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深井 忠章
(72)【発明者】
【氏名】越後谷 拓夫
(72)【発明者】
【氏名】持地 繁
【テーマコード(参考)】
3C223
5L049
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223BA03
3C223CC02
3C223CC03
3C223DD03
3C223FF02
3C223FF03
3C223FF05
3C223FF12
3C223FF13
3C223FF22
3C223FF26
3C223FF35
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】部分負荷運転が導入される場合の発電効率を正確に管理するとともに燃料計画や資金計画の想定も容易となる発電プラントの運転管理技術を提供する。
【解決手段】運転管理装置10において、時系列の数値データr
m(t
n)(n=1,2…)から構成される複数のプロセス信号R
m(m=1~M)を蓄積する蓄積部11と、属性13の異なるプロセス信号R
mを任意に選択する選択部12と、属性13毎に数値データr
m(t
n)の数値区分16に対応する識別階級S
m
x(x=1~d
m)を設定する設定部15と、プロセス信号R
mの数値データr
m(t
n)を対応する識別階級S
m
xに変換する変換部17と、選択されたプロセス信号R
mにおいて時間同期する識別階級S
m
xのグループG
n(n=1,2…)を時系列に生成する生成部18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積する蓄積部と、
属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択する選択部と、
前記属性毎に、前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定する設定部と、
前記プロセス信号の前記数値データを対応する前記識別階級に変換する変換部と、
選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成する生成部と、を備える発電プラントの運転管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電プラントの運転管理装置において、
前記グループを保存する保存部と、
前記プロセス信号の前記属性及び時刻を情報キーとして前記グループを抽出する抽出部と、を備える発電プラントの運転管理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の発電プラントの運転管理装置において、
取得した気象情報の前記識別階級も含め前記グループの時系列が生成される発電プラントの運転管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発電プラントの運転管理装置において、
前記プロセス信号から演算される状態値に対しても前記識別階級が設定される発電プラントの運転管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発電プラントの運転管理装置において、
前記数値データの上限値及び下限値並びに分割数に基づいて前記識別階級が設定される発電プラントの運転管理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発電プラントの運転管理装置において、
生成した前記グループの時系列を入力及び出力の少なくとも一方の教師データとし、学習モデルを作成する機械学習部と、
仮想的な前記プロセス信号及び気象情報に基づき生成させた仮想グループの時系列を前記学習モデルに入力し、予測データを出力する予測部と、を備える発電プラントの運転管理装置。
【請求項7】
時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積するステップと、
属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択するステップと、
前記属性毎に、前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定するステップと、
前記プロセス信号の前記数値データを、対応する前記識別階級に変換するステップと、
選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成するステップと、を含む発電プラントの運転管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積するステップ、
属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択するステップ、
前記属性毎に、前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定するステップ、
前記プロセス信号の前記数値データを、対応する前記識別階級に変換するステップ、
選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成するステップ、を実行させる発電プラントの運転管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は部分負荷運転が導入される発電プラントの運転管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった温室効果ガスの排出されない再生可能エネルギーを電源に活用する機運が高まっている。このような再生可能エネルギーは、時間帯や季節、天候による出力変動や資源分布地域の偏在といった要因が、電力供給に影響を与え易い。このため、そのような要因による影響を緩和し、電力供給と電力需給とのバランスの最適化に貢献する調整電源が別個に必要となる。このような調整電源として、発電出力の調整が比較的容易なガスタービンもしくはガスタービンと蒸気タービンを複合させたコンバインドサイクルによる発電プラントに、その役割が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1-271602号公報
【特許文献2】特開2004-54808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら発電プラントは、一般に、最大出力時に発電効率が最大になるよう設計されている。よって電力需給バランスを最適化させる部分負荷運転による中間出力時は、最大効率が得られない。また部分負荷運転における運転条件の範囲は広く、全ての運転条件に関し、設計データから発電効率を正確に管理することは困難である。さらに、部分負荷運転が導入される場合、継続的な最大出力運転と対比して、燃料計画や資金計画の想定が困難であった。
【0005】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、部分負荷運転が導入される場合の発電効率を正確に管理するとともに燃料計画や資金計画の想定も容易となる発電プラントの運転管理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る発電プラントの運転管理装置において、時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積する蓄積部と、属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択する選択部と、前記属性毎に前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定する設定部と、前記プロセス信号の前記数値データを対応する前記識別階級に変換する変換部と、選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成する生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により、部分負荷運転が導入される場合の発電効率を正確に管理するとともに燃料計画や資金計画の想定も容易となる発電プラントの運転管理技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る発電プラントの運転管理装置のブロック図。
【
図2】プロセス信号及び気象情報を説明する一覧表。
【
図3】実施形態に係る入力部、選択部、変換部、生成部の機能の説明図。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る発電プラントの運転管理装置のブロック図。
【
図5】実施形態に係る発電プラントの運転管理方法の手順及び運転管理プログラムのアルゴリズムを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る発電プラントの運転管理装置10A(10)(以下、単に「運転管理装置10A」という)のブロック図である。
図2は、プロセス信号R
m(m=1~M)及び気象情報K(K
a,K
b,…)を説明する一覧表である。
【0010】
このように運転管理装置10A(10)は、時系列の数値データrm(tn)(n=1,2…)から構成される複数のプロセス信号Rm(m=1~M)を蓄積する蓄積部11と、属性13の異なるプロセス信号Rmを任意に選択する選択部12と、属性13毎に数値データrm(tn)の数値区分16に対応する識別階級Sm
x(x=1~dm)を設定する設定部15と、プロセス信号Rmの数値データrm(tn)を対応する識別階級Sm
xに変換する変換部17と、選択されたプロセス信号Rmにおいて時間同期する識別階級Sm
xのグループGn(n=1,2…)を時系列に生成する生成部18と、を備えている。
【0011】
発電プラント20は、センサ(図示略)から出力された圧力、流量、温度、位置といったプロセス信号Rmをアルゴリズム処理し、アクチュエータや機械的・電気的スイッチの操作量を決定し、というルーチンを繰り返すことで、プラント全体が自動制御されている。
【0012】
受信部21は、発電プラント20に数多く設けられているセンサが出力するプロセス信号Rm(m=1~M)を蓄積部11に蓄積している。なおこれらプロセス信号Rmの数値データrm(tn)は、センサが検出した物理量である場合の他に、単位系の異なる物理量を相互比較できるよう無次元量化した正規化量である場合もある。
【0013】
そして取得部26では、これらプロセス信号Rmに時間同期させて気象情報K(Ka,Kb…)を取得し蓄積部11に蓄積している。これら気象情報Kとしては、気温、湿度、気圧等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これら気象情報Kは、専用の計測機器(図示略)により取得する場合もあるが、WEB情報を活用することもできる。
【0014】
選択部12は、蓄積されているもののうち、互いに属性13が異なるプロセス信号Rm(m=1~M)及び/又は気象情報K(Ka,Kb…)を任意に選択する。この選択は、入力部22を介するオペレータ操作により実行される。さらに入力部22は、発電プラント20の状態値Jを指定することができ、選択部12は、この状態値Jを演算部27で演算するためのプロセス信号Rm(m=1,2)を選択することができる。
【0015】
設定部15は、
図2に示すように、プロセス信号R
m(m=1~M)の属性13毎に数値データr
m(t
n)の数値区分16に対応する識別階級S
m
x(x=1~d
m)を設定する。さらに、選択部12において気象情報K(K
a,K
b…)が選択されている場合も同様に、その属性13毎に数値データr(t
n)の数値区分16に対応する識別階級S(S
a,S
b…)を設定する。さらに、選択部12において状態値Jが選択されている場合も同様に、その属性13毎に数値データ(図示略)の数値区分16に対応する識別階級Sが設定される。
【0016】
図3は実施形態に係る入力部22、選択部12、変換部17、生成部18の機能の説明図である。ここでは、オペレータにより入力部22において、プロセス信号R(R
2,R
5,R
8)が指定されたとして説明している。選択部12では、指定されたプロセス信号Rの属性13毎に数値データr
2(t
n),r
5(t
n),r
8(t
n) {n=1,2…}を、蓄積部11から選択する。
【0017】
これら数値データrm(tn){m=2,5,8}は、それぞれ別々に上限値31及び下限値32並びに分割数33が設定されている。ここで分割数33をα,β,γとおいた場合、数値データr2(tn)の識別階級S2はS2
1,S2
2…S2
αの合計でα種類が設定され、数値データr5(tn)の識別階級S5はS2
1,S2
2…S2
βの合計でβ種類が設定され、数値データr8(tn)の識別階級S8はS2
1,S2
2…S2
γの合計でγ種類が設定されていることになる。なお識別階級Sの設定は、上述した上限値31及び下限値32並びに分割数33に基づく場合に限定されることはなく、オペレータの感覚で設定することもできる。
【0018】
変換部17では、プロセス信号R(R
2,R
5,R
8)の数値データr
2(t
n),r
5(t
n),r
8(t
n) {n=1,2…}の各々を対応する識別階級S(S
2
x,S
5
x,S
8
x)に変換する。
図3の例では、プロセス信号R
2の数値データr
2(t
1)は識別階級S
2
3に変換され、r
2(t
2)は識別階級S
2
5に変換され、r
2(t
n)は識別階級S
2
4に変換されている。そして、プロセス信号R
5の数値データr
5(t
1)は識別階級S
5
1に変換され、r
5(t
2)は識別階級S
5
2に変換され、r
5(t
n)は識別階級S
5
3に変換されている。そして、プロセス信号R
8の数値データr
8(t
1)は識別階級S
8
4に変換され、r
8(t
2)は識別階級S
8
7に変換され、r
8(t
n)は識別階級S
8
2に変換されている。
【0019】
生成部18では、選択されたプロセス信号R(R2,R5,R8)において時間同期する識別階級Sm
xのグループGn(n=1,2…)を時系列に生成する。そして、生成されたグループGn(n=1,2…)は保存部19に保存される。
【0020】
ここで、グループG1は識別階級S(S2
3,S5
1,S8
4)の組み合わせからなり、グループG2は識別階級S(S2
5,S5
2,S8
7)の組み合わせからなり、グループGnは識別階級S(S2
4,S5
3,S8
2)の組み合わせからなる。なおここでは、数値データrm(tn){m=2,5,8}における識別階級S(S2
x,S5
x,S8
x)の各々が、それぞれα種類,β種類,γ種類に設定されていることから、グループGnの組み合わせパターンは合計でα×β×c通りであるといえる。
【0021】
図1に戻って説明を続ける。
抽出部29は、保存部19に保存されているグループG
n(n=1,2…)を、プロセス信号R
mの属性13及び時刻t
nを情報キーとして抽出することができる。これにより、さまざまなプロセス信号R、状態値J、気象情報Kが組み合わされたグループGの時系列を、容易に抽出することができる。
【0022】
このように運転管理装置10が構成されることで、階級分けしたプロセス信号R、状態値J、気象情報Kを組み合わせて運転状態を記述することで、運転領域が広い発電プラント20の部分負荷運転を全域に渡り網羅的に解析することが可能になる。
【0023】
(第2実施形態)
次に
図4を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図4は本発明の第2実施形態に係る発電プラントの運転管理装置10B(10)(以下、単に「運転管理装置10B」という)のブロック図である。なお、
図4において
図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0024】
第2実施形態の運転管理装置10B(10)は、第1実施形態の運転管理装置10Aと同様に、プロセス信号Rを蓄積する蓄積部11と、プロセス信号Rを任意に選択する選択部12と、識別階級Sを設定する設定部15と、数値データr(t)を対応する識別階級Sに変換する変換部17と、グループGの時系列を生成する生成部18と、を備えている。
【0025】
さらに運転管理装置10Bは、生成したグループGの時系列を入力及び出力の少なくとも一方の教師データ41,42として学習モデル46を作成する機械学習部45と、仮想的なプロセス信号R及び気象情報Kに基づき生成させた仮想グループVの時系列を学習モデル46に入力し予測データ48を出力する予測部47と、を備えている。
【0026】
機械学習部45は、入力側の教師データ41として抽出したグループGの時系列を用い、出力側の教師データ42として発電効率や燃料使用量等を用い、学習モデル46を作成することができる。もしくは、属性13の組み合わせが異なる二つのグループGの時系列を、それぞれ入力側の教師データ41及び出力側の教師データ42として用いて学習モデル46を作成することもできる。妥当性の高い学習モデル46を作成するために、入力側の教師データ41及び出力側の教師データ42のデータセットを増やして、機械学習させるとよい。
【0027】
発電プラント20の発電計画に基づいて、仮想的なプロセス信号Rをシミュレーションすることができる。さらにこの発電計画における気象情報Kも組みあわせることで、仮想グループVの時系列を生成することができる。そして、この仮想グループVn及び学習モデル46を予測部47に入力することで、この発電計画における発電効率や燃料使用量等の予測データ48を出力することができる。
【0028】
このように、さまざまな組み合わせの仮想的なプロセス信号R等から、予測データ48を出力することで、発電効率の低下要因分析や、発電プラント20設計時のシミュレーションモデルの補正に役立てることができる。つまり共通の仮想的プロセス信号Rを入力させたとして、シミュレーションモデルの出力データと、第2実施形態における予測データ48との乖離を評価する。そして、このシミュレーションモデルの出力データを予測データ48に近似させるようにシミュレーションモデルの補正を行う。
【0029】
図5のフローチャートに基づいて、実施形態に係る発電プラントの運転管理方法の手順及び運転管理プログラムのアルゴリズムを説明する。まず発電プラント20のプロセス信号R
m(m=1~M)を受信して蓄積する(S11)。そして、この蓄積されているもののうち属性13の異なるプロセス信号R
mを任意に選択する(S12)。
【0030】
そして、属性13毎に数値データrm(tn)の数値区分16に対応する識別階級Sm
x(x=1~dm)が設定される(S13)。続いて、プロセス信号Rmの数値データrm(tn)を対応する識別階級Sm
xに変換する(S14)。さらに、選択されたプロセス信号Rmにおいて時間同期する識別階級Sm
xのグループGn(n=1,2…)を時系列に生成する(S15)。
【0031】
次に、生成したグループGの時系列を入力及び出力の少なくとも一方の教師データ41,42として学習モデル46が作成される(S16)。そして、発電プラント20の運転計画に則って仮想的なプロセス信号R及び気象情報Kを創作し(S17)、これから仮想グループVの時系列を生成させる(S18)。続いて、この仮想グループの時系列を学習モデル46に入力し、予測データ48を出力する(S19 END)。
【0032】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の発電プラントの運転管理装置によれば、数値データを識別階級に変換し、選択されたいくつかのプロセス信号において時間同期する識別階級のグループを時系列に生成することにより、部分負荷運転が導入される場合の発電効率を正確に管理するとともに燃料計画や資金計画の想定も容易することができる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0034】
以上説明した発電プラントの運転管理装置は、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。このため発電プラントの運転管理装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、発電プラントの運転管理プログラムにより動作させることが可能である
【0035】
また発電プラントの運転管理プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。
【0036】
また、本実施形態に係る発電プラントの運転管理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、発電プラントの運転管理装置は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0037】
10(10A,10B)…運転管理装置,11…蓄積部,12…選択部,13…属性,15…設定部,16…数値区分,17…変換部,18…生成部,19…保存部,20…発電プラント,21…受信部,22…入力部,26…取得部,29…抽出部,31…上限値,32…下限値,33…分割数,41…入力用の教師データ,42…出力用の教師データ,45…機械学習部,46…学習モデル,47…予測部,48…予測データ,rm(tn)…数値データ,Rm…プロセス信号,K…気象情報,J…状態値,Sm
x…識別階級,Gn…グループ,Vn…仮想グループ。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積する蓄積部と、
属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択する選択部と、
前記属性毎に、前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定する設定部と、
前記プロセス信号の前記数値データを対応する前記識別階級に変換する変換部と、
選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成する生成部と、を備える発電プラントの運転管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電プラントの運転管理装置において、
前記グループを保存する保存部と、
前記プロセス信号の前記属性及び時刻を情報キーとして前記グループを抽出する抽出部と、を備える発電プラントの運転管理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の発電プラントの運転管理装置において、
取得した気象情報の前記識別階級も含め前記グループの時系列が生成される発電プラントの運転管理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発電プラントの運転管理装置において、
前記プロセス信号から演算される状態値に対しても前記識別階級が設定される発電プラントの運転管理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発電プラントの運転管理装置において、
前記数値データの上限値及び下限値並びに分割数に基づいて前記識別階級が設定される発電プラントの運転管理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発電プラントの運転管理装置において、
生成した前記グループの時系列を入力及び出力の少なくとも一方の教師データとし、学習モデルを作成する機械学習部と、
仮想的な前記プロセス信号及び気象情報に基づき生成させた仮想グループの時系列を前記学習モデルに入力し、予測データを出力する予測部と、を備える発電プラントの運転管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の発電プラントの運転管理装置を用い、
時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積部に蓄積するステップと、
選択部により、属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択するステップと、
設定部により、前記属性毎に、前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定するステップと、
変換部により、前記プロセス信号の前記数値データを、対応する前記識別階級に変換するステップと、
生成部により、選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成するステップと、を含む発電プラントの運転管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
時系列の数値データから構成される複数のプロセス信号を蓄積するステップ、
属性の異なる前記プロセス信号を任意に選択するステップ、
前記属性毎に、前記数値データの数値区分に対応する識別階級を設定するステップ、
前記プロセス信号の前記数値データを、対応する前記識別階級に変換するステップ、
選択された前記プロセス信号において時間同期する前記識別階級のグループを時系列に生成するステップ、を実行させる発電プラントの運転管理プログラム。