(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032827
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、方法、情報処理システムおよび利用者端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230302BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230302BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139150
(22)【出願日】2021-08-27
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】相良 雅宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】2以上の対象の特定の通貨建てでの金額をまとめて処理する。
【解決手段】位置の特定に使用可能な複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、位置特定情報を受信する受信部と、前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出する算出部と、前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置の特定に使用可能な複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、
位置特定情報を受信する受信部と、
前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出する算出部と、
前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、複数の利用者IDの各々と通貨の種類を関連付けて記憶し、
前記受信部は、利用者IDを受信し、
前記第2の通貨は、前記受信部により受信された前記利用者IDに関連付けられている種類の通貨である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記2以上の対象の各々の数量を利用者が入力するための入力画面を生成する表示制御部をさらに備え、
前記算出部は、前記入力画面に入力された各対象の数量、および各対象の前記第1の通貨建てでの金額に基づいて前記第1の通貨建てでの支払金額を算出し、前記第1の通貨建てでの支払金額に相当する前記第2の通貨建てでの支払金額を算出する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置特定情報は、施設に設置されたビーコン装置から送信されるビーコンに含まれるビーコンIDであり、
前記記憶部に記憶される前記第1の通貨建てでの金額は、前記施設の利用金額である、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信部は、利用者が利用する利用者端末が前記ビーコン装置から受信したビーコンに含まれるビーコンIDを、前記利用者端末に対話型コミュニケーションサービスを提供する対話型コミュニケーションサービスシステムを介して受信し、
前記送信部は、前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を、前記対話型コミュニケーションサービスシステムを介して前記利用者端末に送信する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
位置の特定に使用可能な複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、
位置特定情報を受信する受信部と、
前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出する算出部と、
前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項7】
位置の特定に使用可能な位置特定情報を受信することと、
複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部を参照して、受信した位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出することと、
前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信することと、
を含む、コンピュータにより実行される方法。
【請求項8】
利用者が利用する利用者端末、および情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記利用者端末は、位置の特定に使用可能な位置特定情報を送信し、
前記情報処理装置は、
複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、
前記利用者端末から送信された前記位置特定情報を受信する受信部と、
前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象ごとに、第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を算出する算出部と、
前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項9】
位置の特定に使用可能な位置特定情報を取得する取得部と、
前記位置特定情報の取得に応じて、複数の位置特定情報の各々および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶している情報処理装置に前記位置特定情報を送信し、前記情報処理装置から、前記位置特定情報に関連付けられている前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額の算出結果を受信する通信部と、
前記通信部により受信された前記2以上の対象ごとの前記第2の通貨建てでの金額の表示を制御する制御部と、
を備える、利用者端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、方法、情報処理システムおよび利用者端末に関する。
【背景技術】
【0002】
日本には、多くの外国人が訪れる。日本において外国人が日本の施設を利用する際には、日本円にて施設の利用金額の支払いが求められ得るところ、外国人は、円建てで表示された施設の利用金額から自国通貨建てでの利用金額を直ちに理解することは困難である。
【0003】
このような観点から、利用金額を外国人の自国通貨建てで表示する技術が研究されている。例えば、特許文献1には、利用者の端末から位置情報を取得し、該位置情報に基づいて端末が位置する店舗を特定し、特定した店舗に応じた商品の価格および手数料に応じて、自国通貨建てでの商品の購入に対する支払金額を計算し、計算した支払金額を利用者の端末に表示する決済システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された決済システムでは、利用者が複数の対象(商品)の金額を確認したい場合に、利用者が商品ごとに支払金額を問い合わせる必要があり、煩雑である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、2以上の対象の特定の通貨建てでの金額をまとめて処理することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、プログラム、方法、情報処理システムおよび利用者端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、位置の特定に使用可能な複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、位置特定情報を受信する受信部と、前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出する算出部と、前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
前記記憶部は、複数の利用者IDの各々と通貨の種類を関連付けて記憶し、前記受信部は、利用者IDを受信し、前記第2の通貨は、前記受信部により受信された前記利用者IDに関連付けられている種類の通貨であってもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記2以上の対象の各々の数量を利用者が入力するための入力画面を生成する表示制御部をさらに備え、前記算出部は、前記入力画面に入力された各対象の数量、および各対象の前記第1の通貨建てでの金額に基づいて前記第1の通貨建てでの支払金額を算出し、前記第1の通貨建てでの支払金額に相当する前記第2の通貨建てでの支払金額を算出してもよい。
【0010】
前記位置特定情報は、施設に設置されたビーコン装置から送信されるビーコンに含まれるビーコンIDであり、前記記憶部に記憶される前記第1の通貨建てでの金額は、前記施設の利用金額であってもよい。
【0011】
前記受信部は、利用者が利用する利用者端末が前記ビーコン装置から受信したビーコンに含まれるビーコンIDを、前記利用者端末に対話型コミュニケーションサービスを提供する対話型コミュニケーションサービスシステムを介して受信し、前記送信部は、前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を、前記対話型コミュニケーションサービスシステムを介して前記利用者端末に送信してもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、位置の特定に使用可能な複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、位置特定情報を受信する受信部と、前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出する算出部と、前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、位置の特定に使用可能な位置特定情報を受信することと、複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部を参照して、受信した位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を前記2以上の対象ごとに算出することと、前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信することと、を含む、コンピュータにより実行される方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、利用者が利用する利用者端末、および情報処理装置を有する情報処理システムであって、前記利用者端末は、位置の特定に使用可能な位置特定情報を送信し、前記情報処理装置は、複数の位置特定情報の各々、および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶する記憶部と、前記利用者端末から送信された前記位置特定情報を受信する受信部と、前記位置特定情報に関連付けられた前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を特定し、当該2以上の対象ごとに、第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額を算出する算出部と、前記算出部により前記2以上の対象ごとに算出された前記第2の通貨建てでの金額を送信する送信部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、位置の特定に使用可能な位置特定情報を取得する取得部と、前記位置特定情報の取得に応じて、複数の位置特定情報の各々および2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額を関連付けて記憶している情報処理装置に前記位置特定情報を送信し、前記情報処理装置から、前記位置特定情報に関連付けられている前記2以上の対象の各々についての第1の通貨建てでの金額に相当する第2の通貨建てでの金額の算出結果を受信する通信部と、前記通信部により受信された前記2以上の対象ごとの前記第2の通貨建てでの金額の表示を制御する制御部と、を備える、利用者端末が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明した本発明によれば、2以上の対象の特定の通貨建てでの金額をまとめて処理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。
【
図2】本発明の一実施形態による携帯電話10の構成を示す説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態による対話型コミュニケーションサービスシステム30の構成を示す説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態による制御システム40の構成を示す説明図である。
【
図7】本システムの利用を開始するための利用登録時の動作を示す説明図である。
【
図10】サービス利用時の動作を示す説明図である。
【
図11】サービス利用時の動作を示す説明図である。
【
図13】購入数入力画面の具体例を示す説明図である。
【
図14】制御システム40のハードウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0020】
<1.情報処理システムの概要>
本発明の一実施形態は、利用者が希望する通貨建てでの利用金額を利用者に提示する情報処理システムに関する。以下、
図1を参照し、このような本発明の一実施形態による情報処理システムの概要を説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。
図1に示したように、本発明の一実施形態による情報処理システムは、携帯電話10、ビーコン装置20、対話型コミュニケーションサービスシステム30、制御システム40、為替レート提供システム50および決済システム60を有する。
【0022】
(携帯電話10)
携帯電話10は、利用者により利用される利用者端末の一例である。
図1においては、利用者端末の一例として携帯電話10を示しているが、利用者端末は、ウェアラブル端末、スマートフォン、または携帯ゲーム端末など、利用者により携帯される他の端末であってもよい。
【0023】
携帯電話10は、ビーコン装置20から送信されるビーコンを受信する。ビーコンには、ビーコンIDが含まれており、携帯電話10は受信したビーコンから当該ビーコンIDを抽出する。また、携帯電話10には、対話型コミュニケーションサービスシステム30を利用するアプリケーションが搭載されており、対話型コミュニケーションサービスシステム30とネットワーク12を介して多様な情報を通信する。例えば、携帯電話10はビーコンから抽出したビーコンIDを対話型コミュニケーションサービスシステム30に送信したり、対話型コミュニケーションサービスシステム30から施設の利用料金を示す通知を受信したりする。
【0024】
なお、ネットワーク12は、ネットワーク12に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク12は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。
【0025】
(ビーコン装置20)
ビーコン装置20は、ビーコンと呼ばれる無線信号を定期的に送信する装置である。ビーコンには上述の通りビーコンIDが含まれる。ビーコン装置20は、例えばBluetoothのような近距離無線通信方式によりビーコンを送信してもよい。ビーコン装置20は、例えば、スポーツ施設、映画館、美術館、動物園、水族館、または遊園地などの施設に設置される。このため、ビーコンに含まれるビーコンIDは、位置の特定に使用可能な位置特定情報の一例であると言える。本発明の一実施形態には、ビーコンIDに代えて、例えばGPSにより取得された位置情報も位置特定情報として利用可能である。
【0026】
(対話型コミュニケーションサービスシステム30)
対話型コミュニケーションサービスシステム30は、対話型コミュニケーションサービスを携帯電話10に提供する。具体的には、対話型コミュニケーションサービスシステム30は、携帯電話10に、通信相手との対話画面を提供し、携帯電話10から送信された情報および通信相手から送信された情報を上記対話画面に逐次追加する。特に、本発明の一実施形態による対話型コミュニケーションサービスシステム30は、携帯電話10と制御システム40との対話側面に、携帯電話10および制御システム40から送信された情報を逐次追加する。
【0027】
(制御システム40)
制御システム40は、対話型コミュニケーションサービスシステム30、為替レート提供システム50および決済システム60と例えばインターネットにより接続される。ビーコン装置20が設置された施設を利用者が訪れ、ビーコン装置20が送信したビーコンを受信できるエリアに利用者および携帯電話10が入ると、制御システム40は携帯電話10および対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して当該ビーコンに含まれるビーコンIDを受信する。そして、当該ビーコンIDに基づき、利用者が訪れた施設を特定し、当該利用者が指定した通貨建てでの当該施設の利用料金を算出し、対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して算出結果を携帯電話10に送信する。その際に、制御システム40は、為替レート提供システム50から為替情報を取得する。また、制御システム40は、利用者からの要求に応じて決済システム60に対して決済の依頼を行う。
【0028】
(為替レート提供システム50)
為替レート提供システム50は、為替情報を管理するシステムである。具体的には、為替レート提供システム50は為替レート管理部510を有する。為替レート管理部510は、複数の通貨の間での為替レートを随時取得し、最新の為替レートを保持する。為替レート提供システム50は、制御システム40からの依頼に応じて、為替レートを制御システム40に提供する。
【0029】
(決済システム60)
決済システム60は、決済機能を有するシステムである。具体的には、決済システム60は決済部610を有する。決済部610は、制御システム40から支払金額を含む決済の依頼を受信すると、当該依頼に従って決済を実行する。なお、決済システム60は、例えば決済代行会社などにより提供されるシステムである。
【0030】
以上、本発明の一実施形態による情報処理システムの概要を説明した。以下、本発明の一実施形態による情報処理システムの構成および動作を順次詳細に説明する。
【0031】
<2.携帯電話10の構成>
図2は、本発明の一実施形態による携帯電話10の構成を示す説明図である。
図2に示したように、本発明の一実施形態による携帯電話10は、ビーコン受信部130、操作表示部140、ネットワーク通信部150および制御部160を有する。
【0032】
(ビーコン受信部130)
ビーコン受信部130は、ビーコン装置20から送信されるビーコンを受信する。ビーコン受信部130は、例えばBluetooth機能によりビーコン装置20から送信されたビーコンを受信してもよい。ビーコン受信部130は、受信したビーコンからビーコンIDを抽出し、当該ビーコンIDを制御部160に供給する。なお、ビーコン受信部130は、位置特定情報の一例であるビーコンIDを取得する取得部の一例であり、ビーコン受信部130に代えて、位置特定情報の他の例である位置情報を取得するGPS機能が設けられてもよい。
【0033】
(操作表示部140)
操作表示部140は、携帯電話10の利用者による操作を検出する操作部としての機能、および多様な画面を表示する表示部としての機能を有する。例えば、操作表示部140は、対話型コミュニケーションサービスシステム30によって提供される制御システム40との対話画面を表示する。このような操作表示部140は、例えば、タッチパネルとディスプレイの積層構造であってもよい。なお、操作部としての機能と表示部としての機能は分離して実現されてもよい。
【0034】
(ネットワーク通信部150)
ネットワーク通信部150は、ネットワーク12を介して対話型コミュニケーションサービスシステム30および制御システム40などと通信する通信部である。例えば、ネットワーク通信部150は、対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して、ビーコンIDを制御システム40に送信したり、制御システム40から送信されたメッセージを受信したりする。
【0035】
(制御部160)
制御部160は、携帯電話10の動作全般を制御する。例えば、制御部160は、対話型コミュニケーションサービスシステム30によって提供される対話画面、および通知表示などを操作表示部140に表示させる。また、制御部160は、ブラウザ機能も有する。
【0036】
<3.対話型コミュニケーションサービスシステム30の構成>
以上、本発明の一実施形態による携帯電話10の構成を説明した。続いて、
図3を参照し、本発明の一実施形態による対話型コミュニケーションサービスシステム30の構成を説明する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による対話型コミュニケーションサービスシステム30の構成を示す説明図である。
図3に示したように、本発明の一実施形態による対話型コミュニケーションサービスシステム30は、通信部350および制御部360を有する。
【0038】
(通信部350)
通信部350は、携帯電話10との通信機能、および制御システム40との通信機能を有する。通信部350は、例えば利用者の携帯電話10からビーコンIDを受信し、当該利用者の利用者IDおよびビーコンIDを制御システム40に送信する。なお、利用者IDは、対話型コミュニケーションサービスにおける利用者のIDであってもよいし、利用者に一意に割り当てられている他のIDであってもよい。
【0039】
(制御部360)
制御部360は、対話型コミュニケーションサービスシステム30の動作全般を制御する。例えば、制御部360は、複数の装置の間で送受信されるメッセージを含む対話画面を管理する。例えば、制御部360は、携帯電話10からメッセージが送信されると、当該メッセージを携帯電話10と制御システム40との対話画面に追加する。また、制御部360は、制御システム40から携帯電話10へのメッセージが受信されると、当該メッセージを携帯電話10と制御システム40との対話画面に追加する。
【0040】
<4.制御システム40の構成>
続いて、
図4を参照し、本発明の一実施形態による制御システム40の構成を説明する。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態による制御システム40の構成を示す説明図である。
図4に示したように、本発明の一実施形態による制御システム40は、通信部450、制御部460および記憶部470を有する。
【0042】
(通信部450)
通信部450は、携帯電話10、対話型コミュニケーションサービスシステム30、為替レート提供システム50および決済システム60などの他の装置と通信する。例えば、通信部450は、対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して携帯電話10からビーコンIDを受信する受信部、および、利用者が指定した通貨建てでの利用金額を携帯電話10に対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して送信する送信部としての機能を有する。
【0043】
また、通信部450は、為替レート提供システム50と通信して、為替レート提供システム50から為替レートを受信する。通信部450は、オンライン通信によりリアルタイムの為替レートを取得してもよいし、日次バッチで為替レートを取得してもよい。なお、為替レート提供システム50にはAPIが用意されている場合が多く、通信部450は当該APIを利用して為替レートを取得することが可能である。
【0044】
また、通信部450は、決済システム60と決済の実行のための通信を行う。決済システム60にもAPIが用意されている場合が多く、通信部450は当該APIを利用して決済の実行を決済システム60に依頼することが可能である。
【0045】
(記憶部470)
記憶部470は、制御システム40の動作に用いられる多様なデータを記憶する。例えば、記憶部470は、利用通貨DBおよび利用金額DBを格納する。以下では、本情報処理システムが運用されている国での決済に用いられる通貨を現地通貨(第1の通貨)と称し、利用者により指定された他の通貨を利用通貨(第2の通貨)と称する場合がある。利用通貨DBは、利用通貨を利用者ごとに格納するデータベースである。利用金額DBは、各施設の利用金額を格納するデータベースである。以下、
図5および
図6を参照し、利用通貨DBおよび利用金額DBの具体例を説明する。
【0046】
図5は、利用通貨DBの具体例を示す説明図である。
図5に示したように、利用通貨DBにおいては、利用者IDおよび利用通貨が関連付けられている。
図5に示した例では、利用者ID「xxx」には、利用通貨「米ドル」が関連付けられている。これは、利用者ID「xxx」を有する利用者が、「米ドル」を利用通貨として指定したことを意味する。
【0047】
図6は、利用金額DBの具体例を示す説明図である。
図6に示したように、利用金額DBにおいては、ビーコンID、2以上の対象、および各対象についての現地通貨建てでの利用金額が関連付けられている。上述した通り、ビーコンIDはビーコン装置20から送信されるビーコンに含まれるIDであり、ビーコン装置20は施設に設置されるので、ビーコンIDは施設を示すものとも言える。
図6に示した例では、ビーコンID「ID1」に、対象「Adult」および利用金額「1100円」と、対象「Children」および利用金額「110円」が関連付けられている。これは、ビーコンID「ID1」を含むビーコンを送信するビーコン装置20が設置されている施設の大人の利用金額が「1100円」であり、子供の利用金額が「110円」であることを意味する。
【0048】
(制御部460)
制御部460は、制御システム40の動作全般を制御する。例えば、制御部460は、利用者の利用登録時に、携帯電話10から対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して利用通貨を示す情報を受信し、当該利用通貨を利用者IDと関連付けて記憶部470に記憶させる。
【0049】
また、制御部460は、ビーコンIDが通信部450により受信されると、利用金額DBを参照して当該ビーコンIDに関連付けられている2以上の対象の各々の現地通貨建てでの利用金額を特定し、さらに、利用通貨DBを参照して利用通貨を特定する。また、制御部460は、為替レート提供システム50から取得した為替レートに基づき、2以上の対象の各々についての現地通貨建てでの利用金額に相当する、利用通貨建てでの金額を算出する算出部として機能する。
【0050】
また、制御部460は、各対象の数量を利用者が入力するための入力画面を生成する表示制御部としての機能も有する。制御部460は、当該入力画面に入力された各対象の数量、および各対象の現地通貨建てでの利用金額に基づいて現地通貨建てでの支払金額を算出し、現地通貨建てでの支払金額に相当する利用通貨建てでの支払金額を算出する。
【0051】
<5.動作>
以上、本発明の一実施形態による情報処理システムの構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態による情報処理システムの動作を整理する。
【0052】
(利用登録時の動作)
図7は、本システムの利用を開始するための利用登録時の動作を示す説明図である。
図7に示したように、まず、携帯電話10と制御システム40との対話画面において利用者がサービスの利用登録をする意志を示すメッセージを入力する(S102)。当該メッセージは、例えば
図8に示す携帯電話10と制御システム40との対話画面にメッセージ71として追加される。対話型コミュニケーションサービスシステム30は、当該メッセージの入力を受け、サービスの利用登録のリクエストと当該利用者の利用者IDを制御システム40に通知する(S103)。
【0053】
そして、制御システム40は通貨の一覧を対話型コミュニケーションサービスシステム30に通知し(S104)、対話型コミュニケーションサービスシステム30は通貨の一覧を含むメッセージを携帯電話10に通知する(S105)。すると、例えば
図8に示す対話画面に、当該通貨の一覧を含むメッセージとしてメッセージ72が追加される。
【0054】
利用者が通貨の一覧から利用通貨を選択すると(S106)、対話型コミュニケーションサービスシステム30が利用通貨および利用者の利用者IDを制御システム40に通知する(S107)。なお、
図8に示した例では、利用者により選択された利用通貨はメッセージ73に示すように米ドルである。その後、制御システム40の制御部460は、利用通貨および利用者IDを関連付けて記憶部470に記憶させる。
【0055】
なお、上記ではS102からS108の処理が対話型コミュニケーションサービスシステム30により提供されるインタフェース(対話画面)を介して行われる例を説明したが、制御システム40からブラウザの登録画面を携帯電話10に提供し、当該ブラウザの登録画面を介して利用通貨と利用者IDの登録が行われてもよい。
【0056】
(サービス利用時の動作)
図9~
図11は、サービス利用時の動作を示す説明図である。
図9に示したように、まず、携帯電話10がビーコン装置20からビーコンを受信すると、携帯電話10が当該ビーコンに含まれるビーコンIDを対話型コミュニケーションサービスシステム30に送信する(S202)。そして、対話型コミュニケーションサービスシステム30は、携帯電話10の利用者の利用者IDおよび携帯電話10から受信したビーコンIDを制御システム40に通知する(S203)。
【0057】
制御システム40は、利用通貨DBを参照し、対話型コミュニケーションサービスシステム30から受信した利用者IDに関連付けられている利用通貨を特定する(S204)。そして、制御システム40は、当該利用通貨の為替レートの提供を為替レート提供システム50に依頼し(S205)、当該依頼に応じて為替レート提供システム50が利用通貨の為替レートを制御システム40に提供する(S206)。
【0058】
続いて、制御システム40は、利用金額DBを参照し、対話型コミュニケーションサービスシステム30から受信したビーコンIDに関連付けられている施設の利用金額を特定する(S207)。さらに、制御システム40は、利用通貨建てでの施設の利用金額を為替レート提供システム50から提供された為替レートに基づいて算出する(S208)。
【0059】
その後、制御システム40は、
図10に示すように携帯電話10に通知するメッセージを生成し(S209)、対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して当該メッセージを携帯電話10に通知する(S210、S211)。そして、携帯電話10は、当該メッセージを表示する(S212)。
【0060】
図12は、メッセージの表示例を示す説明図である。
図12に示したメッセージ75は、2以上の対象の各々についての利用通貨建てでの施設の利用金額として、「Adult $10 Children $1」を含む。また、メッセージ75は、「Pay」ボタン76を含む。利用者は、当該「Pay」ボタン76を選択することにより、施設の利用金額を支払う意志があるか否かを示すことができる。なお、対話型コミュニケーションサービスシステム30から当該メッセージ75がプッシュ通知され、当該メッセージ75は携帯電話10においてポップ表示されてもよい。
【0061】
ここで、利用者が例えば「Pay」ボタン76を選択しない場合、すなわち、利用者が施設の利用金額を支払わない場合(S213/支払わない)、本動作は終了する。一方、利用者が「Pay」ボタン76を選択した場合、すなわち、利用者が施設の利用金額を支払う意志を示した場合(S213/支払う)、制御システム40は、対象ごとの購入数を入力するための購入数入力画面を生成する(S214)。当該購入数入力画面は、対話型コミュニケーションサービスシステム30を介さずに携帯電話10のブラウザ機能により携帯電話10に表示されてもよい。
【0062】
図13は、購入数入力画面の具体例を示す説明図である。
図13に示したように、購入数入力画面は、対象ごとの購入数を入力するための入力欄77および78を含む。入力欄77は対象「Adult」の購入数の入力欄であり、入力欄78は対象「Children」の購入数の入力欄である。利用者は、これら入力欄77および78に例えばプルダウプルダウンにより購入数を入力する(S215)。
【0063】
続いて、携帯電話10は、
図11に示したように、利用者により入力された対象ごとの購入数を制御システム40に通知する(S216)。制御システム40は、対象ごとの購入数に基づいて利用通貨建てでの支払金額を算出し、算出した支払金額を決済システム60に通知する(S217)。そして、決済システム60が支払金額の決済を行うと(S218)、制御システム40が施設の利用のための電子チケットを携帯電話10に発行し(S219)、携帯電話10が当該電子チケットを表示する(S220)。これにより、利用者は、施設の入館、サービスの享受、または品物の受け取りなどが可能となる。
【0064】
なお、S217~S219の処理は、クレジットカードまたは電子マネーによる決済のフローであってもよい。望まれるセキュリティの強度によっては利用者にパスワードの入力が求められることも想定される。
【0065】
<6.作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態によれば、多様な作用効果が得られる。例えば、本発明の一実施形態によれば、他国に訪れた利用者の携帯電話10に、施設の利用通貨建て(例えば自国通貨建て)での利用金額が送信されるので、利用者が施設の利用通貨建てでの利用金額を容易に把握することが可能である。
【0066】
また、本発明の一実施形態によれば、携帯電話10に、2以上の対象の各々についての利用通貨建てでの利用金額が送信される。このため、利用者は2以上の対象の各々についての利用通貨建てでの利用金額を一括して把握できるので、利便性が高い。
【0067】
また、本発明の一実施形態によれば、利用者の利用通貨が利用者IDに関連付けて事前に記憶される。このため、利用者が利用通貨を都度指定する必要が無くなる。
【0068】
また、本発明の一実施形態によれば、携帯電話10によるビーコンの受信に基づいて施設が特定される。このため、利用者が手動で位置または施設などを入力しなくてよいので、利用者の負担を軽減することが可能である。
【0069】
また、本発明の一実施形態の一連のサービスは対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して提供される。このため、利用者が対話型コミュニケーションサービスシステム30のサービスを使い慣れていれば、利用者が気軽に本発明の一実施形態のサービスの使用を開始することが期待される。
【0070】
<7.ハードウェア構成>
以上、本発明の一実施形態を説明した。上述した利用通貨建てでの利用金額の算出および購入数入力画面の生成などの情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明する制御システム40のハードウェアとの協働により実現される。
【0071】
図14は、制御システム40のハードウェア構成を示したブロック図である。制御システム40は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、ホストバス404と、を備える。また、制御システム40は、ブリッジ405と、外部バス406と、インターフェース407と、入力装置408と、表示装置409と、音声出力装置410と、ストレージ装置(HDD)411と、ドライブ412と、ネットワークインターフェース415とを備える。
【0072】
CPU401は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って制御システム40内の動作全般を制御する。また、CPU401は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM402は、CPU401が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM403は、CPU401の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス404により相互に接続されている。これらCPU401、ROM402およびRAM403とソフトウェアとの協働により、
図4を参照した説明した制御部460の機能が実現され得る。
【0073】
ホストバス404は、ブリッジ405を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス406に接続されている。なお、必ずしもホストバス404、ブリッジ405および外部バス406を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0074】
入力装置408は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサー、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU401に出力する入力制御回路などから構成されている。制御システム40のユーザは、該入力装置408を操作することにより、制御システム40に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0075】
表示装置409は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、プロジェクター装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置410は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。
【0076】
ストレージ装置411は、本実施形態にかかる制御システム40の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置411は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置411は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。このストレージ装置411は、ストレージを駆動し、CPU401が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0077】
ドライブ412は、記憶媒体用リーダライタであり、制御システム40に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ412は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM403またはストレージ装置411に出力する。また、ドライブ412は、リムーバブル記憶媒体24に情報を書き込むこともできる。
【0078】
ネットワークインターフェース415は、例えば、ネットワーク12に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース415は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0079】
なお、上述した制御システム40のハードウェア構成は、携帯電話10、対話型コミュニケーションサービスシステム30、為替レート提供システム50および決済システム60にも適用可能である。
【0080】
<8.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
例えば、上記では施設の利用金額の表示に本発明の一実施形態が適用される例を説明したが、小売店で販売される商品の販売金額の表示に本発明の一実施形態が適用されてもよい。この場合、小売店にビーコン装置20が設置され、制御システム40においてビーコンIDに関連付けて小売店で扱われている対象である商品ごとの販売金額が記憶されていてもよい。そして、制御システム40は、ビーコン装置20から送信されたビーコンに含まれるビーコンIDに基づいて、制御システム40が小売店で扱われている対象である商品ごとの販売金額を特定し、利用通貨建てでの商品ごとの販売金額を算出し、利用通貨建てでの商品ごとの販売金額を対話型コミュニケーションサービスシステム30を介して携帯電話10に通知してもよい。
【0082】
また、上記では日本を訪れた外国人に本発明の一実施形態が利用される例を主に想定したが、本発明の一実施形態が外国において実現される場合には、外国を訪れた日本人も本発明の一実施形態を利用可能である。
【0083】
また、上記では施設に設置された1のビーコン装置20から送信されたビーコンを携帯電話10が受信することに基づいて利用通貨建てでの料金の表示が行われる例を説明した。他の例として、制御システム40は、2以上のビーコン装置20から送信されたビーコンを所定の順序で携帯電話10が受信したことに基づいて、利用通貨建てでの料金の携帯電話10に通知してもよい。かかる構成によれば、単に施設を通り過ぎた人ではなく、施設に向かって移動してきた人の携帯電話10に絞って利用通貨建てでの料金の表示させることが可能になり得る。
【0084】
また、本明細書の情報処理システムにおける各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理システムの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0085】
また、携帯電話10、対話型コミュニケーションサービスシステム30および制御システム40などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した携帯電話10、対話型コミュニケーションサービスシステム30および制御システム40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた非一時的な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0086】
10 携帯電話
130 ビーコン受信部
140 操作表示部
150 ネットワーク通信部
160 制御部
20 ビーコン装置
30 対話型コミュニケーションサービスシステム
40 制御システム
450 通信部
460 制御部
470 記憶部
50 為替レート提供システム
60 決済システム