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  • 特開-鋳造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032851
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】鋳造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 46/00 20060101AFI20230302BHJP
   B22D 47/00 20060101ALI20230302BHJP
   B22D 29/04 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B22D46/00
B22D47/00
B22D29/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139188
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391020492
【氏名又は名称】藤和電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 海彦
(72)【発明者】
【氏名】西田 理
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 利幸
(72)【発明者】
【氏名】星野 正則
(57)【要約】
【課題】出荷前の検査を効率的に行える鋳造設備を提供する。
【解決手段】鋳造方法は、鋳型に取鍋内の溶湯を注ぐ注湯工程と、取鍋内から採取された溶湯に基づいて生成されたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方を分析する分析工程と、鋳型から取り出された鋳物の外観検査を行う検査工程と、を含み、検査工程では、分析工程で得られたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方をディスプレイに表示する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型に取鍋内の溶湯を注ぐ注湯工程と、
前記取鍋内から採取された溶湯に基づいて生成されたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方を分析する分析工程と、
前記鋳型から取り出された鋳物の外観検査を行う検査工程と、
を含み、
前記検査工程では、前記分析工程で得られた前記テストピースの組成及び物性の少なくとも一方をディスプレイに表示する、
鋳造方法。
【請求項2】
前記注湯工程にて利用される取鍋内の溶湯を採取し、前記テストピースを生成するサンプリング工程を含み、
前記分析工程では、前記サンプリング工程で生成された前記テストピースの組成及び物性の少なくとも一方を分析する、請求項1に記載の鋳造方法。
【請求項3】
前記注湯工程にて溶湯が注がれた前記鋳型を冷却する冷却工程と、
前記冷却工程にて冷却された前記鋳型から前記鋳物を取り出すばらし工程と、
を含み、
前記検査工程では、前記ばらし工程にて取り出された前記鋳物の外観検査を行う、
請求項1又は2に記載の鋳造方法。
【請求項4】
前記検査工程では、前記鋳物の外観検査のタイミングと前記テストピースの組成及び物性の少なくとも一方を前記ディスプレイに表示するタイミングとを同期させる、請求項1~3の何れか一項に記載の鋳造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋳造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、鋳造設備を開示する。この鋳造設備では、取鍋が溶解炉で溶湯を受湯し、注湯機へと搬送される。さらに、複数の鋳型が造型機によって造型され、一鋳型分ずつ注湯機へと搬送される。注湯機では、搬送された鋳型に、取鍋内の溶湯が注湯される。注湯された後の鋳型は時間を掛けて冷却され、溶湯は鋳型ばらし装置に至る前に固化して鋳物となる。鋳型ばらし装置は、鋳型を分解して鋳物を取り出す。鋳物は、後工程を経て製品として出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/085765号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鋳物は製品として出荷される前に、鋳物の外観などが検査される。検査は、例えば作業員によって行われる。作業員は、検査場に順次搬送された鋳物がどの製品であるかを特定し、鋳物の外観が製品としての基準を満たすか否かを判断する。鋳造設備では複数種類の製品を製造することが一般的であるため、出荷前の検査場における作業員の負荷が増大するおそれがある。本開示は、出荷前の検査を効率的に行える鋳造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る鋳造方法は、鋳型に取鍋内の溶湯を注ぐ注湯工程と、取鍋内から採取された溶湯に基づいて生成されたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方を分析する分析工程と、鋳型から取り出された鋳物の外観検査を行う検査工程と、を含み、検査工程では、分析工程で得られたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方をディスプレイに表示する。
【0006】
この鋳造方法では、検査工程において、分析工程で得られたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方がディスプレイに表示される。このため、検査工程における作業員はディスプレイを介して検査対象の鋳物の組成及び物性の少なくとも一方を認識できる。作業員が鋳物の組成及び物性の少なくとも一方を認識することで、検査対象の鋳物に対応する製品を特定する作業が容易かつ正確となり、鋳物の組成及び物性と外観との整合性を確認できるようになる。このため、この鋳造方法は、出荷前の検査を効率的に行える。
【0007】
一実施形態においては、鋳造方法は、注湯工程にて利用される取鍋内の溶湯を採取し、テストピースを生成するサンプリング工程を含み、分析工程では、サンプリング工程で生成されたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方を分析してもよい。このように構成することで、注湯工程における溶湯がサンプリングされるため、分析結果と検査対象の鋳物の組成及び物性との差異を抑えることができる。
【0008】
一実施形態においては、鋳造方法は、注湯工程にて溶湯が注がれた鋳型を冷却する冷却工程と、冷却工程にて冷却された鋳型から鋳物を取り出すばらし工程とを含み、検査工程では、ばらし工程にて取り出された鋳物の外観検査を行ってもよい。
【0009】
一実施形態においては、検査工程では、鋳物の外観検査のタイミングとテストピースの組成及び物性の少なくとも一方をディスプレイに表示するタイミングとを同期させてもよい。このように構成することで、鋳造方法は、検査対象の鋳物と当該鋳物の分析結果との対応関係を作業員に容易に理解させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の種々の側面及び実施形態によれば、出荷前の検査を効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、例示的な実施形態に係る鋳造方法のフローチャートである。
図2図2は、図1の製造方法の各工程における鋳造設備を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の例示的な実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0013】
図1は、例示的な実施形態に係る鋳造方法のフローチャートである。図1に示される鋳造方法Mは、鋳物を製造する鋳造設備において実施される。図1に示されるように、鋳造方法Mは、溶解工程(ステップS10)、溶解搬送工程(ステップS12)、注湯工程(ステップS14)、サンプリング工程(ステップS16)、分析工程(ステップS18)、冷却工程(ステップS20)、ばらし工程(ステップS22)、仕上工程(ステップS24)、及び、検査工程(ステップS26)を含む。以下、各工程について、図2を参照しつつ説明する。図2は、図1の製造方法の各工程における鋳造設備を説明する図である。
【0014】
[溶解工程(ステップS10)]
図1及び図2に示されるように、最初に、溶解工程が実行される。溶解工程では、溶解炉10が溶解材料を熱で溶融して元湯を得る。溶解炉10で製作された溶湯は、処理取鍋に出湯される。処理取鍋は、受湯台車11によって搬送される。処理取鍋は、空替位置へ搬送され、注湯に適した取鍋(注湯取鍋)へ空け替えられる。空け替えとは、溶湯を他の取鍋に移し替えることである。注湯取鍋は、搬送台車12によって搬送される。溶解炉10、受湯台車11及び搬送台車12は、溶湯搬送PLC(Programmable Logic Controller)21によって動作が制御される。
【0015】
処理取鍋には、出湯前、例えば溶湯の成分調整用の材料投入時などにおいて、取鍋連番が予め付与されている。溶湯搬送PLC21は、溶解炉10から処理取鍋に出湯するタイミングで、出湯した溶湯に関する情報(溶湯情報)と取鍋連番とを関連付ける。取鍋の移動可能な場所には、場所を特定するアドレス情報が予め割り振られている。溶湯搬送PLC21は、取鍋連番とアドレス情報との関係性を保持している。例えば、溶湯搬送PLC21は、取鍋連番「1」が付与された取鍋がアドレス情報「2」の示す場所に位置する場合、取鍋連番「1」とアドレス情報「2」とを関連付ける。溶湯搬送PLC21は、取鍋が移動する度に、上記関係性を更新する。例えば、溶湯搬送PLC21は、取鍋連番「1」が付与された取鍋がアドレス情報「2」の示す位置からアドレス情報「3」の示す位置へ移動したとき、取鍋連番「1」とアドレス情報「3」とを関連付ける。このように、溶湯搬送PLC21は、取鍋の動きに合わせて、データ上で取鍋連番をシフトさせることで、任意の場所に位置する取鍋を把握し、当該取鍋の取鍋連番に関連付けられた溶湯情報を参照できる。なお、溶湯搬送PLC21は、処理取鍋の溶湯が注湯取鍋へ空け替えられたときには、処理取鍋の取鍋連番を注湯取鍋へと受け渡し、注湯取鍋の動きに合わせて取鍋連番をシフトさせる。
【0016】
溶湯搬送PLC21は、取鍋連番と、取鍋連番に対応する溶湯情報とを管理装置100へ送信する。管理装置100は、鋳造設備を統括するPLCまたはコンピュータ、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM(Read Only Memory)などの主記憶装置、タッチパネルやキーボードなどの入力デバイス、ディスプレイなどの出力デバイス、ハードディスクなどの補助記憶装置などを含む通常のコンピュータシステムとして構成される。
【0017】
[溶湯搬送工程(ステップS12)]
溶解工程が完了すると、溶湯搬送工程が実行される。溶湯搬送工程では、搬送台車12が注湯取鍋を搬送する。注湯取鍋は、搬送台車12によって搬送される。搬送台車12は、上述した空替位置の他に、注湯機14に注湯取鍋を搬送する取鍋交換位置にも停止することができる。搬送台車12は上述した溶湯搬送PLC21によって動作が制御される。
【0018】
溶湯の入った注湯取鍋(実取鍋)は、取鍋交換位置において、搬送台車12から取鍋交換装置13へ受け渡される。取鍋交換装置13において、実取鍋と、注湯して空になった注湯取鍋(空取鍋)との交換が実現する。取鍋交換装置13は注湯PLC22によって動作が制御される。
【0019】
[注湯工程(ステップS14)]
溶湯搬送工程が完了すると、注湯工程が実行される。注湯工程では、注湯機14が、鋳型に注湯取鍋内の溶湯を注ぐ。注湯工程においては、1つの注湯取鍋から複数の鋳型に溶湯が注湯される。注湯機14には、造型機(不図示)によって造型された複数の鋳型が列状に並べて1鋳型分ずつ搬送される。注湯機14は、搬送されている鋳型に対して注湯取鍋内の溶湯を注湯する。注湯機14は注湯PLC22によって動作が制御される。
【0020】
注湯PLC22は、管理装置100を介して、取鍋連番と、取鍋連番に対応する溶湯情報とを取得できる。このため、注湯PLC22は、注湯時に利用する注湯取鍋に付与された取鍋連番に基づいて、注湯する溶湯の溶湯情報を取得できる。鋳型には、注湯前、例えば造型機による製造時などにおいて、鋳型連番が予め付与されている。注湯PLC22は、注湯するタイミングで、溶湯情報と鋳型連番とを関連付ける。鋳型の移動可能な場所には、場所を特定するアドレス情報が予め割り振られている。注湯PLC22は、鋳型連番とアドレス情報との関係性を保持している。例えば、注湯PLC22は、鋳型連番「1」が付与された鋳型がアドレス情報「2」の示す場所に位置する場合、鋳型連番「1」とアドレス情報「2」とを関連付ける。注湯PLC22は、鋳型が移動する度に、上記関係性を更新する。例えば、注湯PLC22は、鋳型連番「1」が付与された鋳型がアドレス情報「2」の示す位置からアドレス情報「3」の示す位置へ移動したとき、鋳型連番「1」とアドレス情報「3」とを関連付ける。このように、注湯PLC22は、鋳型の動きに合わせて、データ上で鋳型連番をシフトさせることで、任意の場所に位置する鋳型を把握し、当該鋳型の鋳型連番に関連付けられた溶湯情報を参照できる。注湯PLC22は、鋳型連番と、鋳型連番に対応する溶湯情報とを管理装置100へ送信する。
【0021】
[サンプリング工程(ステップS16)]
サンプリング工程は、注湯工程の前後、あるいは注湯工程中に実行される。サンプリング工程では、注湯PLC22の制御下において、注湯工程で利用される注湯取鍋内の溶湯を注湯機14が採取し、テストピース(TP)を生成する。注湯PLC22は、テストピース番号と、取鍋連番とを関連付ける。
【0022】
[分析工程(ステップS18)]
分析工程は、サンプリング工程の後に、材質検査場15にて実行される。分析工程では、作業者がテストピースの組成及び物性の少なくとも一方を分析する。分析結果は、テストピース番号及び取鍋連番とともに管理装置100へ送信される。管理装置100は、取鍋連番に対応する溶湯情報と分析結果とを関連付けて記憶する。
【0023】
[冷却工程(ステップS20)]
冷却工程は、注湯工程の後に実行される。冷却工程は、サンプリング工程及び分析工程と並行して実行され得る。冷却工程では、冷却ライン16が時間を掛けて鋳型を搬送し、鋳型内の溶湯を冷却する。これにより、鋳型内に鋳物が形成される。冷却ライン16は造型PLC23によって動作が制御される。
【0024】
[ばらし工程(ステップS22)]
ばらし工程は、冷却工程の後に実行される。ばらし工程では、ばらし装置17が鋳型を一枠ずつ分解して鋳物を取り出す。ばらし装置17は造型PLC23によって動作が制御される。取り出された鋳物は、複数個ずつケースに収容され、ケース移送装置18によってケース単位で搬送され、仕上装置19へ移送される。ケース移送装置18は後処理PLC24によって制御される。
【0025】
後処理PLC24は、管理装置100を介して、鋳型連番と、鋳型連番に対応する溶湯情報とを取得できる。このため、後処理PLC24は、鋳型連番に基づいて、ばらし工程で解体された鋳型に対応する溶湯情報を取得できる。後処理PLC24は、鋳物をケースに収容するタイミングで、溶湯情報とケース連番とを関連付ける。ケースの移動可能な場所には、場所を特定するアドレス情報が予め割り振られている。後処理PLC24は、ケース連番とアドレス情報との関係性を保持している。例えば、後処理PLC24は、ケース連番「1」が付与されたケースがアドレス情報「2」の示す場所に位置する場合、ケース連番「1」とアドレス情報「2」とを関連付ける。後処理PLC24は、ケースが移動する度に、上記関係性を更新する。例えば、後処理PLC24は、ケース連番「1」が付与されたケースがアドレス情報「2」の示す位置からアドレス情報「3」の示す位置へ移動したとき、ケース連番「1」とアドレス情報「3」とを関連付ける。このように、後処理PLC24は、ケースの動きに合わせて、データ上でケース連番をシフトさせることで、任意の場所に位置するケースを把握し、当該ケースのケース連番に関連付けられた溶湯情報を参照できる。後処理PLC24は、ケース連番と、ケース連番に対応する溶湯情報とを管理装置100へ送信する。
【0026】
[仕上工程(ステップS24)]
仕上工程は、ばらし工程の後に実行される。仕上工程では、鋳物に付着した砂をブラスト装置などで除去したり、鋳物の表面を研磨装置などで研磨したりする。これらの装置は、後処理PLC24によって動作が制御される。
【0027】
[検査工程(ステップS26)]
検査工程は、仕上工程、及び、分析工程の後に検査場20にて実行される。検査工程では、作業者が鋳物の外観検査を行う。外観検査とは、目視による形状チェック、砂落としチェック、色合いチェック、寸法チェックなどである。検査場20には、管理装置100に接続されたディスプレイ101が配置される。検査工程中、検査場20のディスプレイ101は、管理装置100の表示制御に基づいて、テストピースの分析結果を表示する。管理装置100は、検査場20に移送されたケースのケース連番に基づいて溶湯情報を特定し、溶湯情報に関連付けられた分析結果を特定し、分析結果をディスプレイ101に表示させる。これにより、検査場20の作業者は、分析工程で得られたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方を認識できる。
【0028】
検査工程において、管理装置100は、鋳物の外観検査のタイミングと分析結果をディスプレイ101に表示するタイミングとを同期させることができる。鋳物の外観検査のタイミングは、作業者による作業開始ボタンの操作タイミングであってもよいし、検査場20にケースが搬入されたことをセンサが検知したタイミングであってもよいし、作業者が検査場20の作業スペースに位置したことをセンサが検知したタイミングであってもよい。管理装置100は、鋳物の外観検査のタイミングを取得したことに応じて、分析結果をディスプレイ101に表示させる。これにより、鋳物の外観検査のタイミングと分析結果をディスプレイ101に表示するタイミングとが同期する。
【0029】
(実施形態のまとめ)
鋳造方法Mでは、検査工程(ステップS26)において、分析工程(ステップS18)で得られたテストピースの組成及び物性の少なくとも一方がディスプレイ101に表示される。このため、検査工程における作業員はディスプレイ101を介して検査対象の鋳物の組成及び物性の少なくとも一方を認識できる。作業員が鋳物の組成及び物性の少なくとも一方を認識することで、検査対象の鋳物に対応する製品を特定する作業が容易かつ正確となり、鋳物の組成及び物性と外観との整合性を確認できるようになる。このため、この鋳造方法は、出荷前の検査を効率的に行える。
【0030】
また、注湯工程(ステップS14)における溶湯がサンプリングされるため、分析結果と検査対象の鋳物の組成及び物性との差異を抑えることができる。
【0031】
さらに、検査工程(ステップS26)において、鋳物の外観検査のタイミングとテストピースの組成及び物性の少なくとも一方をディスプレイ101に表示するタイミングとが同期するため、鋳造方法Mは、検査対象の鋳物と当該鋳物の分析結果との対応関係を作業員に容易に理解させることができる。
【0032】
以上、例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。例えば、使用する取鍋の台数が少ない場合には取鍋連番を用いなくてもよい。また、例示的実施形態においては、各PLCが管理装置100を介して通信する構成を例示したが、各PLCは直接通信してもよい。
【符号の説明】
【0033】
S14…注湯工程、S16…サンプリング工程、S18…分析工程、S20…冷却工程、S22…ばらし工程、S26…検査工程、101…ディスプレイ。
図1
図2