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特開2023-32864業務実績管理システム、及び業務実績管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032864
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】業務実績管理システム、及び業務実績管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139211
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】株式会社日立物流
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】下村 真帆
(72)【発明者】
【氏名】小坂 忠義
(72)【発明者】
【氏名】古家 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 学
(72)【発明者】
【氏名】鴨志田 亮太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】端末により受注企業のサーバの宛先を取得する。
【解決手段】業務実績管理システムであって、複数の企業の各々のサーバと、少なくとも委託元企業のサーバとネットワークを介して接続される端末とを備え、サーバは、取得した識別情報が付された発注情報が第1記憶部に記憶されているかを判定し、取得した識別情報が付された発注情報が第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得することによって、受注企業のサーバを段階的に探し、取得した識別情報が付された発注情報が第1記憶部に記憶されていない場合、最終受注企業であることを示す情報を端末に送信し、端末は、最終受注企業であることを示す情報の送信元のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、最終受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報として特定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の企業間で発注及び受注からなる業務委託が段階的に行われる商取引において、業務を請け負う受注企業のサーバを探索する業務実績管理システムであって、
前記複数の企業の各々のサーバと、
少なくとも委託元企業のサーバとネットワークを介して接続される端末とを備え、
前記サーバの各々は、所定の処理を実行する第1演算装置と、前記第1演算装置に接続された第1記憶部とを有し、
前記端末は、所定の処理を実行する第2演算装置と、前記第2演算装置に接続された第2記憶部とを有し、
前記サーバは、
取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されているかを判定し、
前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得することによって、前記受注企業のサーバを段階的に探し、
前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されていない場合、最終受注企業であることを示す情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記最終受注企業であることを示す情報の送信元のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、前記最終受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報として特定することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の業務実績管理システムであって、
前記識別情報は、前記業務委託のフローにおける複数の企業間の受注及び発注に共通の案件IDであって、
前記端末は、前記発注情報に付される案件IDを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
取得した前記案件IDが付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得し、
前記案件ID及び前記受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記サーバから受信した受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報に従って、前記発注情報に付される案件IDを前記受注企業のサーバに送信することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の業務実績管理システムであって、
前記端末は、前記発注情報に付される識別情報を前記委託元企業の前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得し、前記受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報に従って前記受注企業のサーバに前記識別情報を送信し、
前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されていない場合、最終受注企業であることを示す情報及び前記最終受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を前記端末に送信することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の業務実績管理システムであって、
前記端末は、発注情報のハッシュ値を記憶する第2記憶部を有し、
前記サーバは、前記取得した識別情報が付された発注情報を示すデータ及び受注情報を示すデータの少なくとも一方を前記端末に送信し、
前記端末は、
前記取得した前記発注情報を示すデータ及び前記受注情報を示すデータを前記第2記憶部に記憶し、
同じ識別情報に関連付けられる発注情報を示すデータと受注情報を示すデータとを比較し、
前記比較の結果、二つのデータが同じであると判定されると、受注企業のサーバに前記識別情報を送信することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項5】
請求項3に記載の業務実績管理システムであって、
前記サーバは、
前記取得した識別情報及び当該識別情報の発注情報を示すデータを受注企業のサーバに送信し、
同じ識別情報が付された受注情報を示すデータと、他の前記サーバから取得した発注情報を示すデータとを比較し、
前記比較の結果、二つのデータが同じであると判定されると、受注企業のサーバに前記識別情報を送信することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の業務実績管理システムであって、
前記サーバが、耐改ざん性を持つ第3記憶部にアクセス可能であり、
前記サーバは、
前記識別情報と関連付けて発注情報を前記第3記憶部に送信し、
他の前記サーバから取得した発注情報を示すデータと前記第3記憶部から取得した発注情報を示すデータとを比較することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の業務実績管理システムであって、
前記端末は、
前記識別情報及び当該識別情報が付された発注情報について特定された最終受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を特定し、
前記識別情報及び当該識別情報が付された発注情報にかかる業務実績を、前記アドレス情報が特定された最終受注企業のサーバに送信することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の業務実績管理システムであって、
前記端末は、
前記アドレス情報が特定されたサーバに、前記識別情報と暗号化された業務実績を送信し、
前記業務実績を復号するための鍵を前記アドレス情報が特定された最終受注企業のサーバに送信し、
前記サーバは、取得した鍵を用いて前記業務実績を復号することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項9】
請求項7に記載の業務実績管理システムであって、
前記サーバは、取得した業務実績に基づいて、受注企業への支払データを生成することを特徴とする業務実績管理システム。
【請求項10】
複数の企業間で発注及び受注からなる業務委託が段階的に行われる商取引において、受注企業のサーバを探索する業務実績管理システムが実行する業務実績管理方法であって、
前記業務実績管理システムは、前記複数の企業の各々のサーバと、少なくとも委託元企業のサーバとネットワークを介して接続される端末とを有し、
前記サーバの各々は、所定の処理を実行する第1演算装置と、前記第1演算装置に接続された第1記憶部とを有し、
前記端末は、所定の処理を実行する第2演算装置と、前記第2演算装置に接続された第2記憶部とを有し、
前記業務実績管理方法は、
前記サーバの第1演算装置が、取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されているかを判定し、
前記サーバの第1演算装置が、前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得して、受注企業のサーバを段階的に探し、
前記サーバの第1演算装置が、前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されていない場合、最終受注企業であることを示す情報を前記端末に送信し、
前記端末の第2演算装置が、前記最終受注企業であることを示す情報の送信元のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、前記最終受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報として特定することを特徴とする業務実績管理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の業務実績管理方法であって、
前記識別情報は、前記業務委託のフローにおける複数の企業間の受注及び発注に共通の案件IDであって、
前記業務実績管理方法は、
前記端末の第2演算装置が、前記発注情報に付される案件IDを前記サーバに送信し、
前記サーバの第1演算装置が、取得した前記案件IDが付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得して、前記端末に送信し、
前記サーバの第1演算装置が、前記取得した案件ID及び前記受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を前記端末に送信し、
前記端末が、前記サーバから受信した受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報に従って、前記発注情報に付される案件IDを前記サーバに送信することを特徴とする業務実績管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の業者が請け負った業務を、委託、再委託のように連なって業務委託が行われる場合の実績管理に適した、業務実績管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流業界や建設業界では、繁忙期の需要に応えつつ効率的な経営を維持するために、顧客から受注した業務の全部又は一部を他の企業に委託することが多い。また、委託元企業から仕事を受注した委託先の企業が、さらに別の企業に作業を委託することもあり、複数の企業間で受発注処理が発生する委託構造が成り立っている。このように、一つの業務に対して繰り返し委託、再委託、再々委託が行われ、チェーン状又はフロー状に業務が委託された場合、最終的に仕事を請け負った委託先企業がその作業を完了させることになる。
【0003】
物流業界や建設業界では、作業効率化のため、業務を遂行する作業者(最終作業者)の作業状況や商品の納品状況をリアルタイムに把握することが求められる。例えば、物流業界では、商品の配送を担当するドライバが最終作業者となり、ドライバによる商品の納品実績を、受注企業からのフロー(受発注)に参加した企業間で共有することが求められる。
【0004】
現状、物流業界では、納品先の担当者がサインした受領書を、最終業務を担当した受注企業を始点に、当該受注企業からその発注企業へと順次送付することにより、納品実績を共有している。しかし、複数の企業間で受領書を送付するのは時間がかかるため、電子化した納品実績を迅速に共有できる仕組みが必要である。
【0005】
複数の企業が多段に連結するサプライチェーンを推定する技術として、特開2011―008309号公報(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1によれば、評価対象とする商取引先の会員情報と、製品の品目情報に関わる受発注情報から、当該会員情報及び、当該品目情報に関わるサプライチェーンを推定し、推定したサプライチェーンを、前記品目情報に関わる属性情報を使用して絞り込み、前記絞り込んだサプライチェーンにおける各会員の環境情報交換履歴における情報要求日と情報回答日から、前記会員別の情報回答期間を評価し、前記絞り込んだサプライチェーンに従って、前記評価した会員別の情報回答期間を集計し、前記集計した評価対象企業の情報回答期間をネットワークを介してユーザコンピュータへ回答するシステムが記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-008309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1では、製品の品目情報に関する受発注情報を共通の記憶部で保持し、その受発注情報から当該会員情報及び、当該品目情報に関わるサプライチェーンを推定している。しかし、サプライチェーンに参加する会員の中で、直接取引に関係ない会員に、受発注関係や取引先の企業の情報を秘匿化することを、特許文献1は想定していない。サプライチェーンに参加する各会員が関わる受発注情報を共通の記憶部で管理する場合でも、記憶部に対するアクセス制御によって秘匿化が実現できるが、どのデータを誰に秘匿化するなどを設定する必要があり、記憶部を管理する者の手間が大きい。
【0008】
そこで、以下の条件を満たした上で、納品実績を電子データとして取得し、かかる納品業務に参加する企業間で共有する仕組みを実現することが求められる。納品実績の電子データとしては、例えば、サイン付き受領書の画像などが考えられる。
【0009】
第一の条件として、最終的に業務を遂行する企業(以下、「最終受注企業」という。)の責任者が、納品実績を初めに受け取ること。
【0010】
第二の条件として、納入者が端末を用いて納品実績を送信する時に、複雑な操作を納入者に要求しないこと。例えば、送信先のサーバ情報の入力やメールアドレスの入力などの複雑な操作をしなくても、アプリ上で納品実績を容易に指定のサーバに送信できる仕組みを構築する。
【0011】
第三の条件として、最終受注先企業が零細企業である場合を考慮すること。例えば、最終受注企業が、納品実績を送信するための端末を用意できない場合や、納品実績送信用のアプリを開発できない場合にも対応できるようにするのが望ましい。従って、委託元である企業がそれらの端末やアプリを用意することを前提とする。
【0012】
第四の条件として、納入者が用いる端末が納品の度に異なる場合を考慮すること。従って、納入者が用いる端末に、納品実績送信先のサーバ情報やメールアドレスなどを事前に登録できない場合にも対応できるようにする。
【0013】
第五の条件として、企業の情報漏洩リスク防止のために、受発注取引(契約)に直接関係のない企業には秘匿とすること。具体的には一案件にかかる業務委託に参加していても、委託、再委託、再々委託のようにフローが長くなると自らの取引とは関係のない受発注(契約)が発生する。商取引の健全性のため、発注者、受注者に関連のない第三者企業が閲覧できないようにする必要がある。ここで、発注者とは他の企業に仕事を依頼する企業であり、受注者とは他の企業から仕事の依頼を受ける企業である。
【0014】
ここで懸念される課題として、最終受注企業(納入者)が手入力などでサーバ情報を入力するのが困難と想定されること(上記、第二の条件)や、委託元企業が直接受発注取引(契約)に関与しない最終受注企業の情報を知ることは難しい(上記、第五の条件)ことから、最終受注企業のサーバ情報を、端末(委託元となる企業が貸し出すものを想定)に入力することが困難、ということが挙げられる。従って、委託元企業が、受注企業及びそのサーバ情報を知らない場合でも、端末が最終受注企業のサーバのアドレスを取得し、業務実績を送信できる仕組みが求められる。
【0015】
そこで、本発明では、一の業者が請け負った業務を他の業者に発注・受注する業務委託が、複数回行われる商取引において、参加する各企業のサーバが、直接関係のある受発注取引の情報のみを管理し、秘匿化を実現できるととともに、元請業者企業が、最終受注企業のサーバ情報を知らず、また、当該元請業者が貸与する端末にその情報を入力できない場合でも、最終受注企業がサーバの宛先に送付した情報を、端末により取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数の企業間で発注及び受注からなる業務委託が段階的に行われる商取引において、業務を請け負う受注企業のサーバを探索する業務実績管理システムであって、前記複数の企業の各々のサーバと、少なくとも委託元企業のサーバとネットワークを介して接続される端末とを備え、前記サーバの各々は、所定の処理を実行する第1演算装置と、前記第1演算装置に接続された第1記憶部とを有し、前記端末は、所定の処理を実行する第2演算装置と、前記第2演算装置に接続された第2記憶部とを有し、前記サーバは、取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されているかを判定し、前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されている場合、当該発注情報の受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を取得することによって、前記受注企業のサーバを段階的に探し、前記取得した識別情報が付された発注情報が前記第1記憶部に記憶されていない場合、最終受注企業であることを示す情報を前記端末に送信し、前記端末は、前記最終受注企業であることを示す情報の送信元のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、前記最終受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報として特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、端末が最終受注企業のサーバ情報を取得できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例のソリューションコンセプトを示す図である。
図2】実施例1の業務実績管理システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】実施例1の業務実績管理システムの論理構成を示すブロック図である。
図4A】実施例1の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図4B】実施例1の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図4C】実施例1の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図5】実施例1の通知処理の流れを示すシーケンス図である。
図6】実施例1の発注情報の一例を示す図である。
図7】実施例2の受発注情報の一例を示す図である。
図8A】実施例2の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図8B】実施例2の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図8C】実施例2の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図9】実施例3の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図10】実施例3の通知処理の流れを示すシーケンス図である。
図11】実施例3のハッシュ値情報の一例を示す図である。
図12A】実施例4の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図12B】実施例4の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図13】実施例4の通知処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】実施例5の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図15】実施例5の通知処理の流れを示すシーケンス図である。
図16A】実施例6の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図16B】実施例6の通知処理手順の例を示すフローチャートである。
図17】実施例6の通知処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明の一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。また、多くの場合ユーザは納入者を指す。
【0020】
本明細書等における「0次」、「1次」、「2次」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、又はその内容を限定するものではない。なお、以下の実施例では、一つの案件の仕事全部又は一部を、0次企業から1次企業へ委託し、1次企業から2次企業へ委託するという流れで、再委託、再々委託のように、発注及び受注による業務の委託を段階的に繰り返すことにより、チェーン状又はフロー状の業務委託構造(以下、単に「業務委託フロー」という。)が形成される。なお、0次企業が委託元企業であるとは限らず、各段階において委託元及び委託先がある。
【0021】
図1は、本発明の実施例のソリューションコンセプトを示す図である。
【0022】
本ソリューションでは、0次企業001、1次企業002、2次企業003及び金融機関004が登場する。0次企業001から1次企業002へ業務を委託し(ステップS011)、1次企業002から2次企業003へ業務を委託し(ステップS012)、2次企業の納入者が業務を完了後、2次企業から1次企業へ納品完了を報告し(ステップS013)、1次企業から0次企業へ納品完了を報告する(ステップS014)。1次企業から0次企業へ納品完了報告後に、その業務の対価が0次企業から1次企業に支払われる(ステップS015)。同様に、2次企業から1次企業へ納品完了報告後に、その業務の対価が1次企業から2次企業に支払われる(ステップS016)。業務の対価の支払いは、銀行などの金融機関が発行する法定通貨や、仮想通貨などの様々な手段を採用してもよい。
【0023】
なお、本発明を輸送業、特に商品の納品業務に適用した場合の実施例を説明するが、輸送業に限らず多段階の業務委託フローとなっている業界であれば、例えば建設業や製造業にも本発明は適用可能である。
【実施例0024】
実施例1では、多段階の業務委託フローに参加する各企業が、自社による受注及び発注の情報のみを自社のサーバで管理している状況において、最終の委託先企業を知らない委託元企業が提供するシステムに入力された納品先のサイン付き受領書の画像を納品実績として、最終の委託先企業のサーバに送信する。
【0025】
本実施例で取り扱われる受領書は、納品先が商品を受領したことを証明するために作成される文書であり、受領書は委託元である0次企業が発行し、納品先での受領サインの記入によって、納品先が納品物を受領したことの証書である。通常は、納品先がサインした受領書が、業務委託フローの下流から上流に送付され、最初の委託元企業に返却される場合が多い。
【0026】
納品先の担当者とは、納品先で商品を受け取る業務を担当する人や納品先の責任者である。例えば、納品先の担当者は、納品先である企業で納品物の受取業務を担当する人や納品先の現場の責任者でもよいし、納品先である個人本人でもよい。また、納品実績は、納品先が物品を受領したことの証拠となる電子化された情報であり、例えば、納品先のサイン付き受領書の画像である。
【0027】
<業務実績管理システムのハードウェア構成例>
図2は、実施例1の業務実績管理システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0028】
業務実績管理システム100は、サーバ110、端末120、及びネットワーク130を有する。サーバ110と端末120は、有線又は無線によるネットワーク130で通信が可能であり、情報を送受信できる。
【0029】
サーバ110は、記憶部111、制御部112、表示部113、入力部114、及び通信部115を有する。サーバ110が、表示部113及び入力部114を有さなくてもよい。例えば、サーバ110とネットワーク130による通信が可能で、入力部、表示部、及び通信部を有するクライアント装置を別に設け、クライアント装置がサーバ110から送信された情報を表示したり、クライアント装置に入力された情報をサーバ110に送信したりしてもよい。
【0030】
また、サーバ110は業務委託フローに参加する企業ごとに設けられ、サーバ110の数は任意である。実施例1では、ある業務の委託構造に参加する企業が4社あり、業務実績管理システム100が、0次企業のサーバ110-1、1次企業のサーバ110-2、2次企業のサーバ110-3、及び3次企業のサーバ110-4を有する例で説明する。
【0031】
記憶部111は、例えば半導体記憶装置、磁気ディスク装置、不揮発性の記憶素子であるROM、揮発性の記憶素子であるRAM、又はそれらの組合せなどで構成され、不揮発性記憶領域及び揮発性記憶領域を含む。記憶部111は、制御部112によって実行されるプログラム、制御部112による処理の際に参照されるデータ、及びや制御部112による処理で出力されたデータなどを格納する。
【0032】
制御部112は、記憶部111、表示部113、入力部114、及び通信部115と接続されており、記憶部111に格納されたプログラムに記述された命令に従って、後述する種々の処理を実行する演算装置である。例えば、発注情報などの記憶部111への書き込みや、端末120から受信したデータをクエリとして、記憶部111に格納されたデータの検索などを行う。
【0033】
表示部113は、例えば画像表示装置(ディスプレイ)のような情報を出力するデバイスであり、例えば、発注情報を入力するための画面や、端末120から受信した受領書画像などの納品実績などを画面上に表示する。
【0034】
入力部114は、例えばタッチパネルやキーボード、マウスなどの入力装置であり、発注情報などを入力するために使用される。
【0035】
通信部115は、有線又は無線によるネットワーク130と接続するインターフェース装置であり、端末120との間で、案件IDや発注ID、サーバ110のネットワーク上のアドレス情報の送受信、納品実績などの情報を受信する。
【0036】
サーバ110にネットワークを介して接続された管理者端末(図示省略)が表示部113及び入力部114を提供してもよい。この場合、サーバ110がウェブサーバの機能を有し、管理者端末がサーバ110に所定のプロトコル(例えばhttp)でアクセスしてもよい。
【0037】
制御部112が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介してサーバ110に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の記憶部111に格納される。このため、サーバ110は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0038】
サーバ110は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。サーバ110の各機能部は、各々別個の物理的又は論理的計算機上で動作するものでも、複数が組み合わされて一つの物理的又は論理的計算機上で動作するものでもよい。
【0039】
端末120は、納入者などのユーザ(最終の受注企業の従業員)が納品時に携帯し、サーバ110との間で情報を送受信する。例えば、端末120は、物流業務の場合、輸送業務を行うドライバなどが携帯する。端末120は、制御部121と、表示部122と、入力部123と、通信部124を有する。制御部121は、表示部122、入力部123、及び通信部124と接続し、端末120の動作全般を制御する。
【0040】
表示部122は、例えば画像表示装置(ディスプレイ)のような、情報を出力するデバイスである。表示部122は、ユーザへの操作指示や伝達事項などを画面表示する。案件IDや端末120が最初に通信するサーバ110のネットワーク上のアドレス情報などを、受領書などの書面に印字されたバーコードから読み取る際に、表示部122がバーコードの読み取り画面を表示するとよい。また、納品実績として、サイン付き受領書の画像や納品物などの画像を用いる場合、表示部122がカメラの撮影画面を表示してもよい。
【0041】
入力部123は、業務実績管理システム100の通知処理を開始する案件ID、納品実績、及び端末120が最初に通信するサーバ110のネットワーク上のアドレス情報など、端末120が送信する情報を受け付ける入力装置である。入力部123としては、例えば、タッチパネルやキーボード、マウスである。
【0042】
入力部123は、バーコードリーダや二次元コードリーダでもよく、これらのリーダを用いると、案件IDや端末120が最初に通信するサーバ110のネットワーク上のアドレス情報などを、受領書などの書面に印字されたバーコードから読み取れる。また、入力部123は画像を撮影するカメラでもよく、サイン付き受領書の画像や納品物などの画像を納品実績として用いる撮影できる。
【0043】
通信部124は、有線又は無線の通信によってネットワーク130と接続し、端末120との間で、案件ID、発注ID、サーバ110のネットワーク上のアドレス情報などを送受信し、納品実績などの情報を送信する。
【0044】
ここで、サーバ110のネットワーク上のアドレス情報とは、例えば、サーバ110のIP(Internet Protocol)アドレス、URL(Uniform Resource Locator)、ホスト名、ポート番号、ファイルパス等である。
【0045】
<業務実績管理システムの機能的構成例>
図3は、実施例1の業務実績管理システム100の論理構成を示すブロック図である。
【0046】
各サーバ110は、記憶部111と、発注情報入力部211と、発注情報送信部212と、実績取得部213と、受注者検索部214と、アドレス送信部215を有する。
【0047】
発注情報入力部211には、発注情報231が入力される。実績取得部213には、端末120から取得した納品実績234が入力され、表示部113に表示される。サーバ110に入力されたデータは、記憶部111に記憶される。
【0048】
端末120は、初期情報入力部221と、サーバ接続部222と、納品実績送信部223を有する。初期情報入力部221は、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードを読み取ることで、案件ID232や端末120が最初に通信する0次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報233を取得する。また、納品実績234は、納品実績送信部223に入力され、3次企業のサーバに送信される。
【0049】
ここで、端末120の入力部123に入力される案件ID232や端末120が最初に通信するサーバ110のネットワーク上のアドレス情報233の取得方法は、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードから取得する方法に限定されない。例えば、案件ID232については、端末120の表示部122が案件IDの一覧を表示し、納品実績送信の通知処理を開始する案件IDの選択によって案件IDを取得してもよい。また、サーバ110のネットワーク上のアドレス情報233については、端末120の記憶部に0次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報233を事前に記憶してもよい。これにより、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードがない場合でも、ユーザの作業を増加することなく、案件ID232や0次企業のサーバ110-1のネットワーク上のアドレス情報233を取得できる。
【0050】
なお、図3では、初期情報入力部221、サーバ接続部222及び納品実績送信部223は端末120に配置することを想定したが、端末120はwebブラウザを実行し、Webブラウザと連携したサーバ110-1の処理によって、それらの機能を実現してもよい。その場合、初期情報入力部221、サーバ接続部222及び納品実績送信部223は、例えば、図3に示したサーバ110-1の記憶部111に記憶されたプログラムを、制御部112が実行することによって実現できる。これにより、端末120にネイティブアプリを実装できない場合でも、業務実績管理システム100を実現できる。
【0051】
図3に示すアドレス送信部215から受注者検索部214への通信は、実施例3では使用されない。また、後述する実施例3では、サーバ接続部222からアドレス送信部215への通信と、アドレス送信部215からサーバ接続部222への通信は使用されず、アドレス送信部215から受注者検索部214への通信が使用される。
【0052】
<業務実績管理システムによる通知処理手順例>
図4A図4B及び図4Cは、実施例1の業務実績管理システム100による通知処理手順の例を示すフローチャートであり、図5は、通知処理の流れを示すシーケンス図である。
【0053】
業務実績管理システム100による通知処理を開始する前に、0次企業のサーバ110-1の発注情報入力部211が1次企業への発注情報231を取得し、取得した発注情報231を記憶部111に記憶し、発注情報送信部212に送信する(ステップS301)。発注情報231の詳細は図6を参照して後述する。
【0054】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数nを0に設定する(ステップS302)。
【0055】
次に、n次企業のサーバ110の発注情報送信部212は、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211に、n次企業からn+1次企業への発注情報231を送信する(ステップS303)。
【0056】
次に、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211は、n+1次企業への発注情報231を記憶部111に記憶する(ステップS304)。
【0057】
次に、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211は、n+2次企業への発注情報231を取得するかどうかを判定する。n+2次企業への発注情報231がある場合(ステップS305:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS306以降の通知処理を開始する。一方、n+2次企業への発注情報231がない場合(ステップS305:No)、業務実績管理システム100は、ステップS308以降の通知処理を開始する。
【0058】
ステップS305でn+2次企業への発注情報231を取得すると判定されると、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211は、n+2次企業への発注情報231を記憶部111に記憶し、n+2次企業のサーバ110の発注情報入力部211に、n+1次企業からn+2次企業への発注情報231を送信する(ステップS306)。
【0059】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数nに1を加算し(ステップS307)、ステップS303に戻る。
【0060】
ステップS305でn+2次企業への発注情報231を取得しないと判定されると、端末120は、ユーザの所定の操作による通知処理の開始指示の有無を判定する(ステップS308)。開始指示がある場合(ステップS308:Yes)、端末120は、ステップS309以降の通知処理を開始する。開始指示がない場合(ステップS308:No)、ステップS309以降の通知処理を実行せず、処理を終了する。
【0061】
次に、端末120の初期情報入力部221は、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードを読み取ることで、案件ID232と0次企業のサーバ110-1のネットワーク上のアドレス情報233を取得し、サーバ接続部222に送信する(ステップS309)。なお、初期情報入力部221による、案件ID232と0次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報233の取得方法は、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードから取得する方法に限定されず、前述した他の方法を採用しうる。
【0062】
次に、端末120のサーバ接続部222が、0次企業のサーバ110-1の受注者検索部214に、案件ID232を送信する(ステップS310)。
【0063】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数mを0に設定する(ステップS311)。
【0064】
次に、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、端末120のサーバ接続部222から取得した案件ID232に関連付けられ、発注者402が自社である、m+1次企業への発注情報231が、記憶部111に記憶されているかどうかを判定する(ステップS312)。m+1次企業への発注情報231がある場合(ステップS312:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS313以降の通知処理を開始する。m+1次企業への発注情報231がない場合(ステップS312:No)、業務実績管理システム100は、ステップS317以降の通知処理を開始する。
【0065】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていると判定されると、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232に関連付けて、記憶部111に記憶されているm+1次企業への発注情報231から受注者のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報405、すなわち、m+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を検索し、案件ID232とm+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報をアドレス送信部215に送信する(ステップS313)。
【0066】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232とm+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップS314)。ここで、端末120が記憶部を有し、ステップS309において、端末120がその記憶部に案件IDを記憶する場合、現在処理中の案件IDを知っているので、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232を端末120のサーバ接続部222に送信しなくてもよい。これにより、ステップS314における、サーバ110と端末120のデータの通信量を削減できる。
【0067】
次に、端末120のサーバ接続部222は、案件ID232をm+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップS315)。
【0068】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数mに1を加算し、ステップS312に戻る(ステップS316)。ステップS313からS315を、業務委託フローの0次、1次、2次へと順次辿って、段階的なサーバの探索を繰り返し実行することによって、委託元である0次企業のサーバ110-1から、最終的に作業を受注した3次企業のサーバ110-4に到達できる。
【0069】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていないと判定されると、企業の発注順序を表す変数mが最大値、すなわち最終の受注者となっているので、最終の受注者であるm次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232とNULLデータをアドレス送信部215に送信する(ステップS317)。
【0070】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232とNULLデータを端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップS318)。
【0071】
次に、端末120のサーバ接続部222は、サーバ110から案件ID232とNULLデータを受信すると、案件ID232とNULLデータの送信元であるサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を、納品実績送信部223に送信する(ステップS319)。このように、サーバ接続部222は、発注情報231が記憶部111に記憶されているかを判定し、発注情報231が記憶部111に記憶されている場合には、案件ID232に関連する発注情報231から、受注企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を検索する。そして、この受注企業のサーバの記憶部に、案件ID232に関連する発注情報231が、更に記憶されている場合、案件ID232に関連する発注情報231から、その受注企業のサーバのネットワーク上の固有情報を取得して端末120に送信する。受注企業のサーバに発注情報231が検出される場合には、このようにサーバを段階的に検索する。発注情報がない場合、案件ID232とNULLデータを端末120に送信する。
【0072】
ここで、ステップS318において、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、NULLデータではなく、m次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を端末120のサーバ接続部222に送信してもよい。その場合、ステップS319では、端末120のサーバ接続部222は、サーバ110から受信したサーバ110のネットワーク上のアドレス情報と、そのデータの送信元のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を照合し、両者が同じであるかを判定する。アドレス情報が同じであれば、サーバ110から取得したサーバのネットワーク上のアドレス情報を、納品実績送信部223に送信する。このように端末がNULLデータ(又はこれに代わるデータでも良い)を受信することをトリガーとして、最終受注企業のサーバのアドレスを取得し、業務実績を送信できるようになる。
【0073】
次に、端末120の納品実績送信部223は、納品実績234を取得後、サーバ接続部222から取得した、m次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報に基づいて、案件ID232と納品実績234を、m次企業のサーバ110の実績取得部213に送信する(ステップS320)。
【0074】
ここで、端末120の納品実績送信部223が受信する、納品実績234の詳細について説明する。納品実績234は、納品先が商品を受領したことの証拠となる情報を電子化したものである。例えば、納品先の担当者が受領サインを記入した受領書や納品書でもよいし、納品先での納品物の画像、納品先と納品物が一緒に写った画像でもよい。納品実績234に納入者の指紋情報や顔の特徴量を含めて、納品実績234の証拠能力を高めてもよい。サイン付き受領書の画像は納品実績234の一例であり、他の形態でもよい。
【0075】
次に、m次企業のサーバ110の実績取得部213は、受信した納品実績234を記憶部111に記憶後、表示部113に出力する(ステップS321)。ここで、m次企業のサーバ110の実績取得部213が、m次企業の担当者による納品実績の承認実績を取得してもよい。例えば、実績取得部213が、納品実績234と共に納品実績の承認ボタンを表示してもよい。この場合、m次企業の担当者によって承認ボタンが操作された後に、サーバ110の実績取得部213が納品実績234を、記憶部111に記憶するとよい。一方、m次企業の担当者によって承認ボタンが操作されない(例えば、却下ボタンが操作された)場合、サーバ110の実績取得部213が端末120に不承認実績を送信し、端末120のユーザに再度、納品実績の取得を促してもよい。これにより、最終受注企業によって承認された納品実績を、m次企業のサーバ110が取得できる。
【0076】
ステップS321において、必ずしも納品実績234が表示部113に表示される必要はない。例えば、m次企業のサーバ110の実績取得部213が納品実績234を受信後、受信した納品実績234を記憶部111に記憶してもよい。これにより、人が確認する作業を除いて、業務を効率化できる。
【0077】
ステップS321の後に、ステップS322からステップS326を実行するが、ステップS308に戻ってもよい。
【0078】
次に、m次企業のサーバ110の受注者検索部214が、端末120のサーバ接続部222から取得した案件ID232に関連付けられ、受注者404が自社であるm-1次企業からの発注情報231が記憶部111に記憶されているかどうかを判定する(ステップS322)。m-1次企業からの発注情報231がある場合(ステップS322:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS323以降の通知処理を開始する。m-1次企業からの発注情報231がない場合(ステップS322:No)、ステップS308に戻る。
【0079】
次に、m次企業のサーバ110の実績取得部213が、記憶部111に記憶されており、端末120から取得した案件IDに関連付けられており、受注者が自社であるm次企業への発注情報231から、発注者であるm-1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報403を検索し、検索されたサーバ110に案件IDと納品実績234を送信する(ステップS323)。
【0080】
次に、m-1次企業のサーバ110の実績取得部213が、受信した案件IDに関連付けて、受信した納品実績234を記憶部111に記憶する(ステップS324)。
【0081】
次に、発注者から受注者への支払金額情報が発注情報231に含まれる場合、m-1次企業のサーバ110の実績取得部213が、案件IDに関連付けられた発注情報231のm次企業への支払金額情報に基づいて、中央銀行が発行する法定通貨、仮想通貨などによる支払データを生成し、支払処理を実行する(ステップS325)。
【0082】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数mから1を減算し、ステップS322に戻る(ステップS326)。
【0083】
ステップ324において、記憶部111に納品実績234を記憶した後、即時にステップS325において支払い処理を実行せずに、発注者402のサーバ110の実績取得部213が、納品実績234と共に支払承認ボタンを表示して、支払承認ボタンが操作された後に支払処理を実行してもよい。
【0084】
ステップS322からステップS326によって、業務委託フローに参加する全企業に対して、m次企業のサーバ110が端末120から取得した納品実績234を共有でき、納品実績234を取得後、発注者から受注者への支払いを早期に実行できる。
【0085】
なお、ステップS309において、端末120の納品実績送信部223が、取得した納品実績234を別のサーバに送信後、当該サーバから暗号化した納品実績を取得し、サーバ接続部222に送信してもよい。その後、ステップS310において、端末120のサーバ接続部222が、0次企業のサーバ110の受注者検索部214に、案件ID232と暗号化した納品実績を送信してもよい。さらに、ステップS320において、端末120の納品実績送信部223が、納品実績234を暗号化した当該別のサーバから秘密鍵を取得し、m次企業のサーバ110の実績取得部213に、案件ID232と秘密鍵を送信してもよい。これにより、納品実績234を業務委託フローに参加する企業間で共有する時、最終受注企業から納品実績234ではなく、暗号化された納品実績を復号するための秘密鍵のみを送信すればよいため、データの送信量を削減できる。
【0086】
<入力データの発注情報の一例>
図6は、実施例1の業務実績管理システム100のサーバ110へ入力される発注情報231の一例を示す図である。なお、図6に記載されているデータは一例である。
【0087】
発注情報231は、発注者が依頼し、受注者が引き受ける業務に関する情報である。発注情報231は、案件ID232、発注ID401、発注者402、発注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報403、受注者404、及び受注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報405を含む。
【0088】
案件ID232は、企業間で受発注される業務を識別するために付される識別情報である。案件ID232は、ステップS301において、0次企業から1次企業への発注情報231を作成する時に生成され、0次企業から受注した業務を、1次企業から2次企業へ、2次企業から3次企業へと委託するように、他の企業に同じ業務を委託する場合、各企業間で取引される発注情報231の案件ID232は同じ値である。
【0089】
発注ID401は、発注者と受注者の間で取り引きされる発注を識別する情報である。発注ID401は、各企業間で受発注取引をする度に生成される。例えば、0次企業から1次企業への発注情報231の発注ID401と、1次企業から2次企業への発注情報231の発注ID401は別の値となる。
【0090】
発注者402は業務を発注する委託元企業の情報であり、受注者404は業務を受注する委託先企業の情報である。発注者402及び受注者404は、企業の名称でもよいし、企業の識別情報でもよい。
【0091】
なお、発注者402のサーバ110の実績取得部213が、納品実績234を受注者404のサーバ110から取得する際に、発注情報231の発注者402のサーバ110が受注者404への支払処理を実行する場合、発注情報231が発注者から受注者への支払金額を含んでもよい。これにより、納品実績234を取得後、発注者から受注者への支払いを即時に実行できる。
【0092】
以上に説明したように、実施例1によれば、業務実績管理システム100を用いて、納品実績を送信するための端末120を貸し出す委託元企業が、最終受注企業の名称やサーバ情報を知らない場合でも、その端末120が業務委託フローの上流から下流へサーバ110を順次辿って、段階的にサーバを探索でき、最終受注企業のサーバ110に納品実績を送信できる。また、ユーザが納品実績の送信先である、最終受注企業のサーバ情報を端末120に入力するなどの複雑な操作をしなくても、納品実績を容易に最終受注企業のサーバに送信できる。
【0093】
また、最終受注企業が、納品実績を送信するための端末120をユーザである最終受注企業の従業員に貸し出せない場合や、納品実績を送信するための環境を用意できない場合に、最終受注企業に代えて、委託元企業が納品実績を送信するための端末120を貸し出す場合でも、最終受注企業のサーバに納品実績を送信できる。さらに、納品実績を送信するための端末120が納品の度に異なったり、事前にサーバ情報やメールアドレス等の情報を端末120に記憶できなかったりした場合でも、最終受注企業のサーバに納品実績を送信できる。
【0094】
なお、業務委託フローに参加する全企業の発注情報を共通サーバで管理し、納品実績を送信するための端末120がその共通サーバ上で最終受注企業のサーバ情報を検索し、そのサーバに納品実績を送信してもよい。しかし、共通サーバを管理する第三者機関が必要となるため、サーバの運用コストがかかり、発注情報に記載されている支払金額情報や受発注取引先の名前やサーバ情報などは、取引に直接関係のない企業に対して秘匿化すべきである。この場合、発注情報のアクセス制御を設定する必要があり、共通サーバを管理する者の作業工数が大きい。
【0095】
一方、本実施例の業務実績管理システム100を用いると、各企業が直接関係ある発注情報のみ自社のサーバで管理するので、共通サーバが不要であり、サーバの運用コストを削減できる。また、受発注情報を各企業が分散して管理することによって、受発注情報を直接取引に関係のない企業に対して秘匿化できるため、共通サーバを管理する者の作業工数を削減できる。
【実施例0096】
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例1では、発注ID401とは別に、業務委託フローで取り引きされる全ての発注情報231に、関係する企業内で共通する案件ID232が付与される。実施例2では、業務委託フローに参加する全企業で共有する案件IDが付与されない。
【0097】
実施例2では、前述した実施例1との相違点を主に説明し、実施例1と同じ構成及び処理には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図1図2図3図5図6図7図8A図8B及び図8Cを参照し、実施例1と相違する部分を説明する。
【0098】
<実施例2における入力データの発注情報の一例>
実施例2では、図6の発注情報231は案件ID232を含まない。
【0099】
<実施例2における機能的構成例を示すブロック図>
実施例2では、サーバ110の記憶部111は、受発注情報500を記憶する。受発注情報500の詳細は図7を参照して後述する。
【0100】
<業務実績管理システムによる通知処理手順例>
図8A図8B及び図8Cは、実施例2の業務実績管理システム100による通知処理手順の例を示すフローチャートである。実施例2において、通知処理の流れを示すシーケンス図は実施例1(図5)と同じであるが、ステップS314、S315、S318、S320を、それぞれステップS314a、S315a、S318a、S320aと読み替えられる。
【0101】
実施例2では、図8Aに示すステップS301~S305、S307の処理は前述した実施例1と同じである。
【0102】
ステップS305でn+2次企業への発注情報231を取得すると判定されると、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211が、ステップS303においてn次企業のサーバ110から取得したn+1次企業への発注情報231と、ステップS305において入力されたn+2次企業への発注情報231に基づいて、受発注情報500を作成する。その後、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211が、n+2次企業への発注情報231と受発注情報500を記憶部111に記憶し、n+2次企業への発注情報231を、n+1次企業のサーバ110の発注情報送信部212に送信する(ステップS306a)。
【0103】
次に、図8Bに示すステップS308~S317について説明する。
【0104】
ステップS305でn+2次企業への発注情報231を取得しないと判定されると、端末120は、ユーザの所定の操作による通知処理の開始指示の有無を判定する(ステップS308)。開始指示がある場合(ステップS308:Yes)、端末120は、ステップS309以降の通知処理を開始する。開始指示がない場合(ステップS308:No)、ステップS309以降の通知処理を実行せず、処理を終了する。
【0105】
次に、端末120の初期情報入力部221は、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードを読み取ることで、1次企業への発注情報231の発注ID401と0次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報233を取得し、サーバ接続部222に送信する(ステップS309)。なお、初期情報入力部221による、0次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報233の取得方法は、受領書に印字されたバーコード又は二次元コードから取得する方法に限定されず、前述した他の方法を採用しうる。
【0106】
次に、端末120のサーバ接続部222が、0次企業のサーバ110-1の受注者検索部214に、1次企業への発注情報231の発注ID401を送信する(ステップS310)。
【0107】
次に、0次企業のサーバ110-1の受注者検索部214が、端末120のサーバ接続部222から取得した発注ID401に関連付けられた1次企業への発注情報231から、1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を検索し、発注ID401と1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報をアドレス送信部215に送信する(ステップS801)。
【0108】
次に、0次企業のサーバ110のアドレス送信部215が、端末120のサーバ接続部222に発注IDを送信し、端末120のサーバ接続部222が、発注ID401を1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップS802)。
【0109】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数mに1を設定する(ステップS311a)。
【0110】
次に、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、端末120のサーバ接続部222から取得した発注ID401を受注ID501の値としている受発注情報500が、記憶部111に記憶されているかどうかを判定する(ステップS312a)。受発注情報500がある場合(ステップS312a:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS313a以降の通知処理を開始する。受発注情報500がない場合(ステップS312a:No)、業務実績管理システム100は、ステップS317a以降の通知処理を開始する。
【0111】
ステップS312aでm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていると判定されると、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、端末120のサーバ接続部222から取得した発注ID401を受注ID501の値としている受発注情報500から、発注ID401と受注者のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報405、すなわち、m+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を検索し、アドレス送信部215に送信する(ステップS313a)。
【0112】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、発注ID401とm+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップS314a)。
【0113】
次に、端末120のサーバ接続部222は、発注ID401をm+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップS315a)。
【0114】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数mに1を加算し、ステップS312aに戻る(ステップS316)。ステップS313aからS315aを、業務委託フローを辿って、段階的なサーバの探索を繰り返し実行することによって、委託元である0次企業のサーバ110-1から最終の受注者である3次企業のサーバ110-4に到達できる。
【0115】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていないと判定されると、企業の発注順序を表す変数mが最大値、すなわち最終の受注者となっているので、最終の受注者であるm次企業のサーバ110の受注者検索部214が、発注ID401とNULLデータをアドレス送信部215に送信する(ステップS317a)。
【0116】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、発注ID401とNULLデータを端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップS318a)。
【0117】
次に、端末120のサーバ接続部222は、サーバ110から発注ID401とNULLデータを受信すると、発注ID401とNULLデータの送信元であるサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を、納品実績送信部223に送信する(ステップS319a)。ここで、ステップS318aにおいて、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、NULLデータではなく、m次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を端末120のサーバ接続部222に送信してもよい。その場合、ステップS319aでは、端末120のサーバ接続部222は、サーバ110から受信したサーバ110のネットワーク上のアドレス情報と、そのデータの送信元のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を照合し、両者が同じであるかを判定する。アドレス情報が同じであれば、サーバ110から取得したサーバのネットワーク上のアドレス情報を、納品実績送信部223に送信する。
【0118】
次に、端末120の納品実績送信部223は、納品実績234を取得後、サーバ接続部222から取得した、m次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報に基づいて、発注ID401と納品実績234を、m次企業のサーバ110の実績取得部213に送信する(ステップS320a)。
【0119】
次に、m次企業のサーバ110の実績取得部213が、受信した納品実績234を記憶部111に記憶後、表示部113に出力する(ステップS321)。ここで、m次企業のサーバ110の実績取得部213が、m次企業の担当者による納品実績の承認実績を取得してもよい。例えば、実績取得部213が、納品実績234と共に納品実績の承認ボタンを表示してもよい。この場合、m次企業の担当者によって承認ボタンが操作された後に、サーバ110の実績取得部213が納品実績234を、記憶部111に記憶するとよい。一方、m次企業の担当者によって承認ボタンが操作されない(例えば、却下ボタンが操作された)場合、サーバ110の実績取得部213が端末120に不承認実績を送信し、端末120のユーザに再度、納品実績の取得を促してもよい。これにより、最終受注企業によって承認された納品実績を、m次企業のサーバ110が取得できる。ステップS321において、必ずしも納品実績234が表示部113に表示される必要はない。例えば、m次企業のサーバ110の実績取得部213が納品実績234を受信後、受信した納品実績234を記憶部111に記憶してもよい。これにより、人が確認する作業を除いて、業務を効率化できる。また、ステップS321の後に、ステップS803からステップS326を実行するが、ステップS308に戻ってもよい。
【0120】
次に、m次企業のサーバ110の実績取得部213が、記憶部111に記憶されており、端末120から取得した発注ID401が受注IDの値として格納されている受発注情報500から、発注者であるm-1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報403を検索し、検索されたサーバ110に発注ID401と納品実績234を送信する(ステップS803)。
【0121】
次に、m-1次企業のサーバ110の実績取得部213が、発注ID401に関連付けて納品実績234を記憶部111に記憶する(ステップS804)。
【0122】
次に、発注者から受注者への支払金額情報が発注情報231に含まれる場合、m-1次企業のサーバ110の実績取得部213が、発注ID401に関連付けられた発注情報231のm次企業への支払金額情報に基づいて、中央銀行が発行する法定通貨、仮想通貨などによる支払データを生成し、支払処理を実行する(ステップS805)。
【0123】
次に、m-1次企業のサーバ110の受注者検索部214が、m次企業のサーバ110から取得した発注ID401に紐づく受発注情報500が、記憶部111に記憶されているかどうか判定する(ステップS322)。m次企業からの受発注情報500がある場合(ステップS322:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS323以降の通知処理を開始する。m次企業からの受発注情報500がない場合(ステップS322:No)、ステップS308に戻る。
【0124】
次に、m-1次企業のサーバ110の実績取得部213が、記憶部111に記憶されており、m次企業のサーバ110から取得した発注ID401に関連付けられた受発注情報500から、発注者であるm-2次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報403を検索し、検索されたサーバ110に発注ID401と納品実績234を送信する(ステップS323)。
【0125】
次に、m-2次企業のサーバ110の実績取得部213が、m-1次企業から受信した受注ID501の値を発注ID401として関連付けて、納品実績234を記憶部111に記憶する(ステップS324)。
【0126】
次に、発注者から受注者への支払金額情報が発注情報231に含まれる場合、m-2次企業のサーバ110の実績取得部213が、m-1次企業から受信した受注ID501が、発注ID401に関連付けられた発注情報231のm次企業への支払金額情報に基づいて、中央銀行が発行する法定通貨、仮想通貨などによる支払データを生成し、支払処理を実行する(ステップS325)。ステップ324において、記憶部111に納品実績234を記憶した後、即時にステップS325において支払い処理を実行せずに、発注者402のサーバ110の実績取得部213が、納品実績234と共に支払承認ボタンを表示して、支払承認ボタンが操作された後に支払処理を実行してもよい。
【0127】
<サーバが記憶する受発注情報の一例>
図7は、実施例2の業務実績管理システム100のサーバ110の記憶部111に記憶される受発注情報500の一例を示す図である。なお、図7に記載されているデータは一例である。
【0128】
受発注情報500は、他社が自社に発注した発注情報231にかかる業務を自社が第3の企業に依頼した場合、他社が自社に発注した発注情報231と自社から第3の企業に発注した発注情報231を関連付けた情報である。受発注情報500は、受注ID501、発注者402、発注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報403、発注ID401、受注者404、及び受注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報405を含む。
【0129】
受注ID501とは、他社が自社に発注した発注情報231の発注ID401である。そのため、発注者402は、他社から自社への発注情報231の発注者(当該他社)である。
【0130】
発注ID401は、自社から第3の企業への発注情報231の発注IDである。また、受注者404は、自社から第3の企業への発注情報231の受注者(当該第3の企業)である。
【0131】
以上に説明したように、実施例2によれば、業務委託フローに参加する全ての企業で共有する案件IDが無い場合でも、業務実績管理システム100を用いて、納品実績を送信する端末120が業務委託フローの上流から下流のサーバ110を順次辿って、段階的にサーバを探索でき、最終受注企業のサーバに納品実績を送信できる。
【実施例0132】
次に本発明の実施例3について説明する。実施例1では、端末120を経由して最終受注企業のサーバ110を特定後、端末120から最終受注企業のサーバ110に納品実績234を送信する。実施例3では、端末120を経由せずに、業務委託フローに参加する企業のサーバ110を上流から下流へ辿って、段階的なサーバの探索を繰り返し実行することで、最終受注企業のサーバ110を特定後、端末120から最終受注企業のサーバ110に納品実績を送信する。
【0133】
実施例3では、前述した実施例1との相違点を主に説明し、実施例1と同じ構成及び処理には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図1図2図3図4A図4C図5図6及び図9を参照し、実施例1と相違する部分を説明する。
【0134】
<業務実績管理システムによる通知処理手順例>
図9は、実施例3の業務実績管理システム100による通知処理手順のステップS308~S317bの例を示すフローチャートであり、図10は、通知処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図9のステップS308の前に実行されるステップS301~S307は実施例1(図4A)と同じであり、ステップS317bの後に実行されるステップS318~S326は実施例1(図4C)と同じである。
【0135】
図9のステップS308~S311は、実施例1(図4B)と同じである。
【0136】
ステップS311の後、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、端末120のサーバ接続部222から取得した案件ID232に関連付けられ、発注者402が自社である、m+1次企業への発注情報231が、記憶部111に記憶されているかどうかを判定する(ステップS312)。m+1次企業への発注情報231がある場合(ステップS312:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS313b以降の通知処理を開始する。m+1次企業への発注情報231がない場合(ステップS312:No)、業務実績管理システム100は、ステップS317b以降の通知処理を開始する。
【0137】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていると判定されると、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232に関連付けて、記憶部111に記憶されているm+1次企業への発注情報231から受注者のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報405、すなわち、m+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を検索し、案件ID232とm+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報、及び端末120のネットワーク上のアドレス情報を、アドレス送信部215に送信する(ステップS313b)。
【0138】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232と端末120のネットワーク上のアドレス情報を、m+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する。その後、業務実績管理システム100は、ステップS316以降の通知処理を開始する(ステップ314b)。
【0139】
次に、端末120のサーバ接続部222は、案件ID232をm+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップS315)。
【0140】
次に、業務実績管理システム100は、企業の発注順序を表す変数mに1を加算し、ステップS312に戻る(ステップS316)。ステップS313bからS315を、業務委託フローを辿って、段階的なサーバの探索を繰り返し実行することによって、委託元である0次企業のサーバ110-1から最終の受注者である3次企業のサーバ110-4に到達できる。
【0141】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていないと判定されると、企業の発注順序を表す変数mが最大値、すなわち最終の受注者となっているので、最終の受注者であるm次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232とNULLデータ、端末120のネットワーク上のアドレス情報をアドレス送信部215に送信する(ステップS317b)。
【0142】
以後のステップS318~S321は、実施例1(図4B)と同じである。
【0143】
以上に説明したように、実施例3によれば、端末120を経由せずに業務委託フローに参加する企業のサーバ110を上流から下流に順次辿って、サーバを段階的に探索でき、最終受注企業のサーバ110を特定し、納品実績を送信できる。また、端末120は0次企業と最終受注企業のサーバ110とのみ通信するため、端末120とサーバ110とのデータ送受信の回数を削減でき、端末120の電力消費量を削減できる。
【実施例0144】
次に、本発明の実施例4について説明する。実施例4では、同じ発注ID401に関連付けられる発注情報のハッシュ値を発注者と受注者のサーバから各々取得し、発注者と受注者の各サーバが記憶する発注情報が等しいことを確認する処理が実施例1に追加されている。
【0145】
実施例4では、前述した実施例1との相違点を主に説明し、実施例1と同じ構成及び処理には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図1図2図3図4A図4B図4C図5図6図7図11図12A図12B及び図13を参照し、実施例1と相違する部分を説明する。
【0146】
<実施例4におけるハードウェア構成例を示すブロック図>
実施例4では、図2の端末120は記憶部を有する。
【0147】
<実施例4における機能的構成例を示すブロック図>
実施例4では、図3のサーバ110の記憶部111にハッシュ値情報600が記憶される。ハッシュ値情報600の詳細は図11を参照して説明する。
【0148】
<業務実績管理システムによる通知処理手順例>
図12A及び図12Bは、実施例4の業務実績管理システム100による通知処理手順のステップS308~S317の例を示すフローチャートであり、図13は、通知処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図12AのステップS308の前に実行されるステップS301~S307は実施例1(図4A)と同じであり、図12BのステップS317の後に実行されるステップS318~S326は実施例1(図4C)と同じである。
【0149】
図12AのステップS308~S312及び図12BのステップS315~S317は、実施例1(図4B)と同じである。
【0150】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていると判定されると、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232に関連付けられて、記憶部111に記憶されているm+1次企業への発注情報231から、発注ID401と受注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報405、すなわち、m+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を検索し、m次企業のサーバ110の受注者検索部214が、案件ID232と発注ID401とm+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報とm+1次企業への発注情報231のハッシュ値をアドレス送信部215に送信する(ステップS313c)。
【0151】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232と発注ID401とm+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報とm+1次企業への発注情報231のハッシュ値を、端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップS314c)。
【0152】
次に、端末120のサーバ接続部222は、m次企業のサーバ110から取得した案件ID232と発注ID401と、発注者の発注情報のハッシュ値601として、m+1次企業への発注情報231のハッシュ値を格納した、ハッシュ値情報600を端末120の記憶部に記憶する。次に、業務実績管理システム100は、ステップS702以降の通知処理を開始する(ステップS701)。
【0153】
次に、端末120のサーバ接続部222は、案件ID232と発注ID401をm+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップS702)。
【0154】
次に、m+1次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232と発注ID401に関連付けて、記憶部111に記憶されている受注者404が自社となっている、m+1次企業への発注情報231を検索し、案件ID232と発注ID401とm+1次企業への発注情報231のハッシュ値を、端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップS703)。
【0155】
次に、端末120のサーバ接続部222は、m+1次企業のサーバ110から取得した案件ID232と発注ID401に関連付けて、端末120の記憶部に記憶されているハッシュ値情報600の、受注者の発注情報のハッシュ値602を、m+1次企業のサーバ110から取得したm+1次企業への発注情報231のハッシュ値で更新する(ステップS704)。
【0156】
次に、端末120のサーバ接続部222は、端末120の記憶部に格納されているハッシュ値情報600の発注者の発注情報のハッシュ値601と受注者の発注情報のハッシュ値602を照合し、両者が同じであるかを判定する(ステップS705)。ハッシュ値が同じである場合(ステップS705:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS315以降の通知処理を開始する。ハッシュ値が異なる場合(ステップS705:No)、業務実績管理システム100は、通知処理を終了する。
【0157】
ここで、ステップS701からステップS705において、サーバ110から端末120に発注情報231のハッシュ値を送信せずに、発注情報231を送信し、端末120が発注情報231からハッシュ値を生成し、端末120の記憶部に格納してもよい。これにより、ある企業のサーバ110が発注情報231からハッシュ値を生成できない場合でも、発注者と受注者が持つ発注情報231のハッシュ値を照合できる。なお、ハッシュ値の照合ではなく、発注者と受注者が持つ発注情報231の各データ項目の値が等しいかを判定してもよい。
【0158】
<端末が記憶するハッシュ値情報の一例>
図11は、実施例3の業務実績管理システム100の端末120の記憶部に記憶されるハッシュ値情報600の一例を示す図である。なお、図11に示すデータは一例であり、他の形態でもよい。
【0159】
ハッシュ値情報600は、発注情報231を文字列に変換したハッシュ値を、案件ID232と発注ID401に関連付けた情報である。ハッシュ値情報600は、案件ID232と、発注ID401と、発注者の発注情報のハッシュ値601と、受注者の発注情報のハッシュ値602を含む。
【0160】
発注者の発注情報のハッシュ値601は、発注側企業のサーバ110から取得した発注情報231のハッシュ値である。受注者の発注情報のハッシュ値602は、受注側企業のサーバ110から取得した発注情報231のハッシュ値である。
【0161】
以上に説明したように、実施例4によれば、発注情報231に受注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報405が記載されているため、発注者が持つ発注情報231と受注者が持つ発注情報231が同じであることを判定する処理によって、端末120が、発注者のサーバ110から取得した発注情報231に記載された受注者のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報405が正しいことを確認できる。
【実施例0162】
次に、本発明の実施例5について説明する。実施例3では、業務委託フローに参加する企業のサーバ110を、端末120を経由せずに上流から下流へ辿って、段階的にサーバを探して、最終受注企業のサーバ110を特定後、端末120から最終受注企業のサーバに納品実績を送信する。実施例5では、実施例3において、同じ発注IDに関連付けられる発注情報のハッシュ値を、受注者のサーバ110が発注者のサーバ110から取得した発注情報と同じであるかを判定する。
【0163】
実施例5では、前述した実施例3との相違点を主に説明し、実施例3と同じ構成及び処理には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図1図2図3図4A図4C図5図6図14及び図15を参照し、実施例3と相違する部分を説明する。
【0164】
<業務実績管理システムによる通知処理手順例>
図14は 実施例5の業務実績管理システム100による通知処理手順のステップS308~S317の例を示すフローチャートであり、図15は、通知処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図14のステップS308の前に実行されるステップS301~S307は実施例1(図4A)と同じであり、図14のステップS317の後に実行されるステップS318~S326は実施例1(図4C)と同じである。
【0165】
図9のステップS308~S312は、実施例3(図4B)と同じである。
【0166】
ステップS312でm+1次企業への発注情報231が記憶部111に記憶されていると判定されると、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232に関連付けて、記憶部111に記憶されているm+1次企業への発注情報231から、発注ID401と受注者のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報405、すなわち、m+1次企業のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報を検索し、案件ID232と発注ID401と端末120のネットワーク上のアドレス情報とm+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報とm+1次企業への発注情報231のハッシュ値を、アドレス送信部215に送信する(ステップS313d)。
【0167】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232と発注ID401と端末120のネットワーク上のアドレス情報とm+1次企業への発注情報231のハッシュ値を、m+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップS314d)。
【0168】
次に、m+1次企業のサーバ110の受注者検索部214は、m次企業のサーバ110から取得した、案件ID232と発注ID401に関連付けられて、記憶部111に記憶されている発注情報231のハッシュ値を読み出す(ステップ801)。
【0169】
次に、m+1次企業のサーバ110の受注者検索部214は、読み出したハッシュ値と、m次企業のサーバ110から取得した発注情報231のハッシュ値を照合し、両者が同じであるかを判定する(ステップ802)。ハッシュ値が同じである場合(ステップS802:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS316以降の通知処理を開始する。ハッシュ値が異なる場合(ステップS802:No)、業務実績管理システム100は、通知処理を終了する。
【0170】
以上に説明したように、実施例5によれば、発注情報231に受注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報405が記載されているため、発注者が持つ発注情報231と受注者が持つ発注情報231が同じであることを判定する処理によって、端末120を経由することなく、業務委託フローの上流から下流のサーバを順次辿って、段階的なサーバの探索を繰り返し実行でき、受注者のサーバ110が、案件ID232と発注ID401に関連付けられた発注情報231の発注者402のサーバ110からのアクセスであることを確認できる。
【0171】
また、発注者のサーバが持つ発注情報231と受注者のサーバ110が持つ発注情報231のハッシュ値を照合せずに、ステップS314dでアクセス元の発注者のサーバ110のネットワーク上のアドレス情報のハッシュ値と、受注者のサーバ110の記憶部が持つ発注情報231の発注者の発注情報のハッシュ値を照合し、両者が同じであれば、受注者のサーバは正しい発注者のサーバからのアクセスであると判定してもよい。これにより、サーバ110がハッシュ値を生成できない場合でも、正しい発注者のサーバからのアクセスであることを受注者が確認できる。
【実施例0172】
次に本発明の実施例6について説明する。実施例6は、発注者と受注者で共有可能であり、耐改ざん性を持つ台帳に発注情報のハッシュ値を書き込んで、書き込まれたハッシュ値を照合し、発注者のサーバが持つ発注情報と受注者のサーバが持つ発注情報が同じであるかを判定する。
【0173】
実施例6では、前述した実施例1との相違点を主に説明し、実施例1と同じ構成及び処理には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。以下、図1図2図3図4C図5図6図16A図16B及び図17を参照し、実施例1と相違する部分を説明する。
【0174】
<実施例6におけるハードウェア構成例を示すブロック図>
実施例6では、図1図2に、発注者と受注者で共有可能であり、耐改ざん性を持つ台帳が追加される。この共有台帳は、発注者と受注者のみで共有できる台帳でもよいし、業務委託フローに参加する企業全員で共有できる台帳でもよい。
【0175】
<業務実績管理システムによる通知処理手順例>
図16A及び図16Bは、実施例6の業務実績管理システム100による通知処理手順のステップS301~S317の例を示すフローチャートであり、図17は、通知処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図16BのステップS317の後に実行されるステップS318~S326は実施例1(図4C)と同じである。
【0176】
図16AのステップS301~S302、S304~S307は、実施例1(図4A)と同じである。
【0177】
ステップS302の後、n次企業のサーバ110の発注情報送信部212は、案件ID232と発注ID401に関連付けて、n+1次企業への発注情報231のハッシュ値を共有台帳に記憶し、n+1次企業への発注情報231を、n+1次企業のサーバ110の発注情報入力部211に送信する(ステップS303e)。
【0178】
図16BのステップS308~S311、S316~S317は、実施例1(図4B)と同じである。
【0179】
ステップS311の後、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、端末120のサーバ接続部222から取得した案件ID232に関連付けられ、発注者402が自社である、m+1次企業への発注情報231が、記憶部111に記憶されているかどうかを判定する(ステップS312)。m+1次企業への発注情報231がある場合(ステップS312:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS313e以降の通知処理を開始する。m+1次企業への発注情報231がない場合(ステップS312:No)、業務実績管理システム100は、ステップS317以降の通知処理を開始する。
【0180】
次に、m次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232に関連付けて、記憶部111にある、m+1次企業への発注情報231から、発注ID401と受注者のサーバのネットワーク上のアドレス情報405、すなわち、m+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を検索し、案件ID232と発注ID401、m+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報をアドレス送信部215に送信する(ステップ313e)。
【0181】
次に、m次企業のサーバ110のアドレス送信部215は、案件ID232と発注ID401とm+1次企業のサーバのネットワーク上のアドレス情報を、端末120のサーバ接続部222に送信する(ステップ314e)。
【0182】
次に、端末120のサーバ接続部222は、案件ID232と発注ID401をm+1次企業のサーバ110の受注者検索部214に送信する(ステップ315e)。
【0183】
次に、m+1次企業のサーバ110の受注者検索部214は、案件ID232と発注ID401に関連付けられたm+1次企業への発注情報231のハッシュ値を、共有台帳から読み出す(ステップ901)。
【0184】
次に、共有台帳から読み出したハッシュ値とm+1次企業のサーバ110の記憶部111にある発注情報231のハッシュ値と照合し、両者が同じであるかを判定する(ステップ902)。ハッシュ値が同じである場合(ステップS902:Yes)、業務実績管理システム100は、ステップS316以降の通知処理を開始する。ハッシュ値が異なる場合(ステップS902:No)、業務実績管理システム100は、通知処理を終了する。
【0185】
以上に説明したように、実施例6によれば、発注者と受注者で共有可能であり耐改ざん性を持つ共有台帳に、発注者から受注者に発注情報を送る時点でハッシュ値を書き込むことで、発注者のサーバ110の記憶部111に記憶された発注情報231が受注者のサーバに送信した時点から改変されていないかを判定でき、正しい業務委託フローであること、及び発注情報が誤操作などによって書き換えられていないことを確認しつつ、最終受注企業のサーバに納品実績を送信できる。
【0186】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0187】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0188】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0189】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0190】
100 業務実績管理システム、110 サーバ、111 記憶部、112 制御部、113 表示部、114 入力部、115 通信部、120 端末、121 制御部、122 表示部、123 入力部、124 通信部、130 ネットワーク、211 発注情報入力部、212 発注情報送信部、213 実績取得部、214 受注者検索部、215 アドレス送信部、221 初期情報入力部、222 サーバ接続部、223 納品実績送信部、231 発注情報、233 アドレス情報、234 納品実績、500 受発注情報、600 ハッシュ値情報
図1
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