(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032872
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】設定情報提供装置、設定情報適用システム、設定情報適用プログラム及び設定情報適用方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230302BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20230302BHJP
【FI】
G06F3/12 325
G06F3/12 303
G06F3/12 331
G06F3/12 385
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139227
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA11
(57)【要約】
【課題】情報処理装置にインストールされるドライバに適切な設定情報を適用し得るようにする。
【解決手段】設定情報提供システム1は、使用者端末装置4にプリンタ5のプリンタドライバをインストールする際に、該プリンタ5のシリアル番号と対応する定義ファイル124をサーバ装置2から取得し、該定義ファイル124の各設定情報を各設定項目に適用する。このため設定情報提供システム1では、最新のプリンタドライバが更新された場合にも管理者にファイルの更新作業等を行わせること無く、使用者端末装置4のプリンタドライバにおける各設定項目に、該定義ファイル124の各設定情報を適用することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置との間で情報を送受信する通信部と、
対象装置を駆動する際に使用される設定情報と、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報とを対応付けた個別設定情報を記憶する記憶部と、
前記通信部を介して前記識別情報と共に前記設定情報の要求を受け付けると、当該識別情報と対応付けられた前記個別設定情報を提供する提供部と
を具えることを特徴とする設定情報提供装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記対象装置を駆動するためのドライバを記憶し、
前記提供部は、前記通信部を介して前記ドライバの要求を受け付けると、当該ドライバを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の設定情報提供装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
複数の前記対象装置の前記個別設定情報を記憶すると共に、複数の前記対象装置の前記識別情報を格納した識別情報リストを記憶し、
前記提供部は、前記通信部を介して前記識別情報リストの要求を受け付けると、当該識別情報リストを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の設定情報提供装置。
【請求項4】
設定装置から前記通信部を介して前記対象装置の前記識別情報及び前記設定情報を取得する情報取得部と、
前記識別情報及び前記設定情報を基に、前記個別設定情報を生成して前記記憶部に記憶させる個別設定情報生成部と
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の設定情報提供装置。
【請求項5】
対象装置と、駆動装置と、提供装置とがネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記対象装置は、
前記ネットワークとの間で情報を送受信する対象通信部と、
当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報を記憶する対象記憶部と
を具え、
前記提供装置は、
前記ネットワークとの間で情報を送受信する提供通信部と、
前記対象装置を駆動する際に使用される設定情報と、当該対象装置の前記識別情報とを対応づけた個別設定情報を記憶する提供記憶部と
を具え、
前記駆動装置は、
前記ネットワークとの間で情報を送受信する駆動通信部と、
前記駆動通信部を介して前記対象装置から前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記駆動通信部を介して前記提供装置から前記識別情報に対応付けられた前記個別設定情報を取得する個別設定情報取得部と、
前記対象装置を駆動するドライバに対し、前記個別設定情報に含まれる前記設定情報を適用する設定情報適用部と
を具えることを特徴とする設定情報適用システム。
【請求項6】
前記駆動装置は、
インストールされる前の前記ドライバを記憶する駆動記憶部と、
前記ドライバをインストールするインストール処理部と
をさらに具え、
前記インストール処理部は、
前記ドライバをインストールする場合に、前記識別情報取得部により前記対象装置から前記識別情報を取得させ、前記個別設定情報取得部により前記提供装置から前記識別情報と対応付けられた前記個別設定情報を取得させ、前記設定情報適用部により当該ドライバに対し前記個別設定情報に含まれる前記設定情報を適用させる
ことを特徴とする請求項5に記載の設定情報適用システム。
【請求項7】
前記ネットワークに接続され、最新バージョンの前記ドライバを提供するドライバ提供装置
をさらに具え、
前記インストール処理部は、前記ドライバ提供装置に対し前記最新バージョンを問い合わせ、前記駆動記憶部に記憶されている前記ドライバが前記最新バージョンで無ければ、前記ドライバ提供装置から前記最新バージョンの前記ドライバを取得してから、当該ドライバをインストールする
ことを特徴とする請求項6に記載の設定情報適用システム。
【請求項8】
情報処理装置に対し、
対象装置から、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
提供装置に対し、前記識別情報と対応付けられ前記対象装置を駆動する際に使用される設定情報を要求する設定情報要求ステップと、
前記提供装置から、前記識別情報と対応付けられた前記設定情報である個別設定情報を取得する個別設定情報取得ステップと、
前記対象装置を駆動するためのドライバに対し、前記個別設定情報に含まれる前記設定情報を適用する設定情報適用ステップと
を実行させるための設定情報適用プログラム。
【請求項9】
対象装置から、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
提供装置に対し、前記識別情報と対応付けられ前記対象装置を駆動する際に使用される設定情報を要求する設定情報要求ステップと、
前記提供装置から、前記識別情報と対応付けられた前記設定情報である個別設定情報を取得する個別設定情報取得ステップと、
前記対象装置を駆動するためのドライバに対し、前記個別設定情報に含まれる前記設定情報を適用する設定情報設定ステップと
を有することを特徴とする設定情報適用方法。
【請求項10】
前記ドライバをインストールするインストールステップと
をさらに有し、
前記設定情報設定ステップは、
前記インストールステップによりインストールされた前記ドライバに対し、前記個別設定情報に含まれる前記設定情報を適用する
ことを特徴とする請求項9に記載の設定情報適用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定情報提供装置、設定情報適用システム、設定情報適用プログラム及び設定情報適用方法に関し、例えばプリンタ等を駆動するためのドライバをコンピュータ等にインストールする場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ装置等(以下、情報処理装置とも呼ぶ)に、プリンタ等(以下、対象装置とも呼ぶ)を接続して駆動する場合に、当該コンピュータ装置にデバイスドライバ(以下、ドライバとも呼ぶ)をインストールして実行するものが、広く普及している。
【0003】
例えば、プリンタ用のデバイスドライバであるプリンタドライバでは、当該プリンタの印刷処理に関する複数の設定項目が設けられており、各設定項目の設定値(以下、設定情報とも呼ぶ)に従い、当該プリンタを動作させる。この設定項目としては、例えばカラー設定(カラー又はモノクロ)や印刷の向き(縦又は横)等が設けられている。これらの設定項目は、インストール時に初期設定値(いわゆるデフォルト値)が設定されており、またその後の設定作業等により、その値を変更し得るようになっている。
【0004】
一方、例えば企業等においてプリンタを導入してネットワークに接続させる場合、当該ネットワークに接続された複数台のコンピュータ装置にプリンタドライバをそれぞれインストールし、さらに当該企業の運用ルール等に従った設定値をそれぞれに適用することが考えられる。しかし、複数台のコンピュータ装置において、プリンタドライバの各設定項目に設定値をそれぞれ適用する作業は、極めて繁雑であり、多大な手間や時間を要する。
【0005】
そこで、企業の管理者等により、プリンタドライバのインストーラと各設定項目の設定値とをひとまとめにしたインストールパッケージを予め作成して各コンピュータ装置に配布する、という手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この手法によれば、各コンピュータ装置において当該インストールパッケージを実行することにより、プリンタドライバをインストールでき、且つ各設定項目に設定値を適用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-59106号公報(
図5等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでプリンタドライバは、不具合の修正や機能の追加等の目的で、更新(バージョンアップ等とも呼ばれる)が行われることがある。このため企業の管理者等は、プリンタドライバが更新される度に、インストールパッケージの作成及び配布を行う必要があり、その作業に手間や時間を要してしまう、という問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、情報処理装置にインストールされるドライバに適切な設定情報を適用し得る設定情報提供装置、設定情報適用システム、設定情報適用プログラム及び設定情報適用方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明の設定情報提供装置においては、外部装置との間で情報を送受信する通信部と、対象装置を駆動する際に使用される設定情報と、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報とを対応付けた個別設定情報を記憶する記憶部と、通信部を介して識別情報と共に設定情報の要求を受け付けると、当該識別情報と対応付けられた個別設定情報を提供する提供部とを設けるようにした。
【0010】
また本発明の設定情報適用システムにおいては、対象装置と、駆動装置と、提供装置とがネットワークを介して接続されたシステムであって、対象装置には、ネットワークとの間で情報を送受信する対象通信部と、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報を記憶する対象記憶部とを設け、提供装置には、ネットワークとの間で情報を送受信する提供通信部と、対象装置を駆動する際に使用される設定情報と、当該対象装置の識別情報とを対応づけた個別設定情報を記憶する提供記憶部とを設け、駆動装置は、ネットワークとの間で情報を送受信する駆動通信部と、駆動通信部を介して対象装置から識別情報を取得する識別情報取得部と、駆動通信部を介して提供装置から識別情報に対応付けられた個別設定情報を取得する個別設定情報取得部と、対象装置を駆動するドライバに対し、個別設定情報に含まれる設定情報を適用する設定情報適用部とを設けるようにした。
【0011】
さらに本発明の設定情報適用プログラムにおいては、情報処理装置に対し、対象装置から、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報を取得する識別情報取得ステップと、提供装置に対し、識別情報と対応付けられ対象装置を駆動する際に使用される設定情報を要求する設定情報要求ステップと、提供装置から、識別情報と対応付けられた設定情報である個別設定情報を取得する個別設定情報取得ステップと、対象装置を駆動するためのドライバに対し、個別設定情報に含まれる設定情報を適用する設定情報適用ステップとを実行させるようにした。
【0012】
さらに本発明の設定情報適用方法においては、対象装置から、当該対象装置に一意に割り当てられた識別情報を取得する識別情報取得ステップと、提供装置に対し、識別情報と対応付けられ対象装置を駆動する際に使用される設定情報を要求する設定情報要求ステップと、提供装置から、識別情報と対応付けられた設定情報である個別設定情報を取得する個別設定情報取得ステップと、対象装置を駆動するためのドライバに対し、個別設定情報に含まれる設定情報を適用する設定情報設定ステップとを有するようにした。
【0013】
本発明は、対象装置に一意に対応する個別設定情報を予め設定情報提供装置に記憶させておき、当該対象装置を駆動する駆動装置において、設定情報提供装置から当該対象装置に対応する個別設定情報を取得させ、適用することができる。これにより本発明では、対象装置を駆動するためのドライバと個別設定情報とを一体化する必要が無く、当該対象装置を駆動する駆動装置に対し、当該ドライバの更新等にかかわらず、当該対象装置に適した個別設定情報を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報処理装置にインストールされるドライバに適切な設定情報を適用し得る設定情報提供装置、設定情報適用システム、設定情報適用プログラム及び設定情報適用方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】設定情報提供システムの全体構成を示す略線的ブロック図である。
【
図2】サーバ装置のハードウェア構成を示す略線的ブロック図である。
【
図3】管理者端末装置のハードウェア構成を示す略線的ブロック図である。
【
図4】使用者端末装置のハードウェア構成を示す略線的ブロック図である。
【
図5】プリンタのハードウェア構成を示す略線的ブロック図である。
【
図6】設定情報提供システムの機能ブロック構成を示す略線的ブロック図である。
【
図7】定義ファイル作成処理手順を示すシーケンスチャートである。
【
図8】設定情報入力画面の構成を示す略線図である。
【
図10】シリアル番号リストの構成を示す略線図である。
【
図11】設定情報適用処理手順(1)を示すシーケンスチャートである。
【
図12】設定情報適用処理手順(2)を示すシーケンスチャートである。
【
図13】プリンタ選択画面の構成を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0017】
[1.設定情報提供システムの構成]
図1に示すように、本実施の形態による設定情報提供システム1は、サーバ装置2、管理者端末装置3、使用者端末装置4及びプリンタ5がネットワーク6を介して接続された構成になっている。管理者端末装置3、使用者端末装置4及びプリンタ5は、同一の企業10内に設置されている。またサーバ装置2は、プリンタ5の製造者により運用されている。
【0018】
因みに、本実施の形態では、企業10においてプリンタ5を新たに導入する場合を想定している。この企業10では、管理者端末装置3を使用する管理者により、各種情報機器(使用者端末装置4やプリンタ5等)が管理されている。
【0019】
提供装置及びドライバ提供装置としてのサーバ装置2は、情報処理装置であり、
図2に模式的なハードウェア構成図を示すように、制御部21、記憶部22及び通信部23がバス20を介して相互に接続された構成となっている。提供部としての制御部21は、CPU(Central Processing Unit)21A、ROM(Read Only Memory)21B及びRAM(Random Access Memory)21C等を有している。この制御部21は、ROM21Bや記憶部22から各種プログラムを読み出し、RAM21Cをワークエリアとして使用しながら、CPU21Aにおいて各種演算処理を行うことにより種々の処理を実行し、サーバ装置2を統括的に制御する。
【0020】
提供記憶部としての記憶部22は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体である。この記憶部22は、各種プログラムや各種設定情報、或いは各種データ等を記憶する。提供通信部としての通信部23は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3(IEEE802.3u/ab/an)等の規格に準拠した有線LANのインタフェースである。この通信部23は、所定の変調処理や復調処理等を行うことにより、ネットワーク6(
図1)を介して種々の情報処理装置(以下これを外部装置とも呼ぶ)との間で種々の情報を送受信する。
【0021】
設定装置としての管理者端末装置3は、情報処理装置であり、
図3に模式的なハードウェア構成図を示すように、制御部31、記憶部32、通信部33、表示部34及び操作部35がバス30を介して相互に接続された構成となっている。この管理者端末装置3は、例えばノート型コンピュータ装置であり、上述したように、企業10(
図1)の管理者により使用される。
【0022】
制御部31は、サーバ装置2の制御部21(
図2)と同様に構成されており、CPU31A、ROM31B及びRAM31C等を有している。この制御部31は、ROM31Bや記憶部32から各種プログラムを読み出し、RAM31Cをワークエリアとして使用しながら、CPU31Aにおいて各種演算処理を行うことにより種々の処理を実行し、管理者端末装置3を統括的に制御する。
【0023】
記憶部32は、例えばソリッドステートドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体である。この記憶部32は、各種プログラムや各種設定情報、或いは各種データ等を記憶する。通信部33は、例えばIEEE802.11(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)等の規格に準拠した無線LANのインタフェースである。この通信部33は、所定の変調処理や復調処理等を行うことにより、ネットワーク6(
図1)との間で種々の情報を送受信する。
【0024】
表示部34は、例えば液晶パネルのような表示装置であり、種々の表示画面を構成して表示する。操作部35は、例えばキーボードやマウス、或いはタッチパネルやタッチパッド等の入力操作装置であり、管理者による種々の操作を受け付ける。
【0025】
駆動装置としての使用者端末装置4は、情報処理装置であり、
図4に模式的なハードウェア構成図を示すように、制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44及び操作部45がバス40を介して相互に接続された構成となっている。この使用者端末装置4は、例えばノート型コンピュータ装置であり、企業10(
図1)の従業員である使用者により使用される。
【0026】
識別情報取得部、個別設定情報取得部、設定情報適用部及びインストール処理部としての制御部41は、制御部31(
図3)と同様に構成されており、CPU41A、ROM41B及びRAM41C等を有している。この制御部41は、ROM41Bや記憶部42から各種プログラムを読み出し、RAM41Cをワークエリアとして使用しながら、CPU41Aにおいて各種演算処理を行うことにより種々の処理を実行し、使用者端末装置4を統括的に制御する。
【0027】
駆動記憶部としての記憶部42は、記憶部32(
図3)と同様に構成されており、例えばソリッドステートドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体である。この記憶部42は、各種プログラムや各種設定情報、或いは各種データ等を記憶する。駆動通信部としての通信部43は、通信部33(
図3)と同様に構成されており、例えばIEEE802.11(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)等の規格に準拠した無線LANのインタフェースである。この通信部43は、所定の変調処理や復調処理等を行うことにより、ネットワーク6(
図1)との間で種々の情報を送受信する。
【0028】
表示部44は、表示部34(
図3)と同様に構成されており、例えば液晶パネルのような表示装置であり、種々の表示画面を構成して表示する。操作部45は、操作部35(
図3)と同様に構成されており、例えばキーボードやマウス、或いはタッチパネルやタッチパッド等の入力操作装置であり、使用者による種々の操作を受け付ける。
【0029】
対象装置としてのプリンタ5は、情報処理装置であり、
図5に模式的なハードウェア構成図を示すように、制御部51、記憶部52、通信部53及び印刷部54がバス50を介して相互に接続された構成となっている。このプリンタ5は、画像形成装置とも呼ばれており、例えば電子写真方式により用紙に画像を形成する(すなわち印刷する)ようになっている。因みにプリンタ5は、原稿を読み取るイメージスキャナ機能や電話回線を使用した通信機能等を有しておらず、プリンタ機能のみを有する単機能のSFP(Single Function Printer)となっている。
【0030】
制御部51は、サーバ装置2の制御部21(
図2)等と同様に構成されており、CPU51A、ROM51B及びRAM51C等を有している。この制御部51は、ROM51Bや記憶部52から各種プログラムを読み出し、RAM51Cをワークエリアとして使用しながら、CPU51Aにおいて各種演算処理を行うことにより種々の処理を実行し、プリンタ5を統括的に制御する。
【0031】
対象記憶部としての記憶部52は、記憶部32(
図3)と同様に構成されており、例えばソリッドステートドライブやフラッシュメモリ等のような不揮発性の情報記憶媒体である。この記憶部52は、各種プログラムや各種設定情報、或いは各種データ等を記憶する。対象通信部としての通信部53は、通信部33(
図3)と同様に構成されており、例えばIEEE802.11(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)等の規格に準拠した無線LANのインタフェースである。この通信部53は、所定の変調処理や復調処理等を行うことにより、ネットワーク6(
図1)との間で種々の情報を送受信する。
【0032】
印刷部54は、例えば図示しない露光装置や定着装置、及び用紙の搬送機構等を有している。この印刷部54は、搬送機構により用紙を搬送しながら、制御部51から供給される画像データに基づいて露光装置によりトナー画像を形成し、当該トナー画像を定着装置により用紙に定着させることにより、画像データに基づく画像を印刷する。
【0033】
因みにプリンタ5は、製造時に一意のシリアル番号(以下これを識別情報とも呼ぶ)が割り当てられており、その値が記憶部52に記憶されると共に、該シリアル番号が印刷されたラベルが該プリンタ5の筐体や梱包箱等に貼り付けられる。
【0034】
ネットワーク6は、例えばハブやルータ、或いは基地局等の各種ネットワーク機器(何れも図示せず)により構成された情報ネットワークであり、IEEE802.3に準拠した有線LANやIEEE802.11に準拠した無線LANのネットワークとして機能する。
【0035】
また設定情報提供システム1は、サーバ装置2、管理者端末装置3、使用者端末装置4及びプリンタ5においてそれぞれ所定のプログラムを実行することにより、
図6に示すような機能ブロックを形成するようになっている。説明の都合上、
図6では、各種ファイルや各種データもそれぞれブロックとして表している。
【0036】
サーバ装置2には、通信制御部121、ウェブページ制御部122、ファイル送受信制御部123、定義ファイル124、定義ファイル管理部125、シリアル番号リスト126、シリアル番号リスト管理部127、及び最新プリンタドライバ128が含まれる。
【0037】
通信制御部121は、ネットワーク6との間で種々の通信を制御する。ウェブページ制御部122は、ウェブページの生成や入力内容の取得等を行う。提供部としてのファイル送受信制御部123は、各種ファイルの送信及び受信に関する制御を行う。
【0038】
個別設定情報としての定義ファイル124は、プリンタ5に関する各種設定情報と当該プリンタ5のシリアル番号とが対応付けられたファイルである(詳しくは後述する)。個別設定情報生成部としての定義ファイル管理部125は、定義ファイル124の生成、保存及び内容の読み出し等を行う。識別情報リストとしてのシリアル番号リスト126は、プリンタ5のシリアル番号が格納されたリストである(詳しくは後述する)。シリアル番号リスト管理部127は、シリアル番号リスト126の更新や内容の読み出し等を行う。
【0039】
最新プリンタドライバ128は、使用者端末装置4にインストールされることにより、プリンタ5と接続して駆動する(動作させる)ためのプログラムである。特にサーバ装置2の最新プリンタドライバ128は、不具合の修正や機能の追加等の目的でバージョンアップされた場合に、直ちに最新バージョンのものに更新されるようになっている。
【0040】
設定装置としての管理者端末装置3には、通信制御部131、表示制御部132及び入力部133が含まれる。通信制御部131は、サーバ装置2の通信制御部121と同様、ネットワーク6との間で種々の通信を制御する。表示制御部132は、通信制御部131を介して得られた情報等を基に所定の表示画面を生成し、これを表示部34(
図3)に表示させるよう制御する。入力部133は、管理者による操作部35(
図3)を介した入力操作を受け付けて表示制御部132に引き渡す。
【0041】
使用者端末装置4には、通信制御部141、表示制御部142、入力部143及びインストールパッケージ144が含まれる。またインストールパッケージ144内には、既存プリンタドライバ145が含まれる。さらに使用者端末装置4には、図中に破線で示すように、定義ファイル146を有する場合がある(詳しくは後述する)。
【0042】
通信制御部141は、サーバ装置2の通信制御部121と同様、ネットワーク6との間で種々の通信を制御する。表示制御部142は、通信制御部141を介して得られた情報等を基に所定の表示画面を生成し、これを表示部44(
図4)に表示させるよう制御する。入力部143は、使用者による操作部45(
図4)を介した入力操作を受け付けて表示制御部142に引き渡す。
【0043】
インストールパッケージ144は、既存プリンタドライバ145を使用者端末装置4にインストールする(すなわち実行可能な状態に組み込む)処理を行う。このインストールパッケージ144は、事前にネットワーク6を介して取得され、或いは図示しないUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の着脱可能な記憶媒体を介して取得され、記憶部42(
図4)に記憶されている。このため既存プリンタドライバ145は、サーバ装置2の最新プリンタドライバ128と比較して、古いバージョンである可能性がある。
【0044】
プリンタ5には、通信制御部151及びシリアル番号152が含まれる。通信制御部151は、サーバ装置2の通信制御部121と同様、ネットワーク6との間で種々の通信を制御する。シリアル番号152は、上述したように、製造時に記憶部52(
図5)に記憶される。
【0045】
[2.定義ファイルの作成]
次に、設定情報提供システム1(
図6)において、管理者端末装置3に対する管理者の操作に基づき、サーバ装置2に定義ファイル124を新たに作成して記憶させる場合、すなわち新規登録する場合について説明する。
【0046】
管理者端末装置3(
図3)の制御部31は、管理者から操作部35を介して所定の操作を受け付けると、記憶部32からウェブブラウザプログラムを読み出して実行する。これにより制御部31は、
図6に示した各機能ブロックを形成した上で、
図7に示す処理手順RT1を開始し、最初のステップSP11に移る。
【0047】
ステップSP11において制御部31は、ウェブブラウザにおいて所定のURL(Uniform Resource Locator)が指定されると、通信制御部131によりサーバ装置2に対して接続の要求を送信する。
【0048】
一方、サーバ装置2(
図2)の制御部21は、予め記憶部22から所定のサーバプログラム等を読み出して実行する。これにより制御部21は、
図6に示した各機能ブロックを形成した上で、
図7に示す処理手順RT2を開始する。
【0049】
制御部21は、管理者端末装置3から接続の要求を受信すると、ステップSP21に移り、ウェブページ制御部122(
図6)によりウェブページを表示するためのデータを生成し、これを通信制御部121により管理者端末装置3へ送信する。
【0050】
これに応じて管理者端末装置3の制御部31は、サーバ装置2からデータを受信すると、次のステップSP12に移り、表示制御部132(
図6)により、
図8に示す設定情報入力画面P1を表示部34(
図3)に表示させて、次のステップSP13に移る。
【0051】
この設定情報入力画面P1は、企業10(
図1)に設置された使用者端末装置4等の各端末装置に対し、プリンタ5を使用するためのプリンタドライバをインストールする場合に、当該プリンタドライバの各設定項目に設定すべき内容(以下これを設定情報とも呼ぶ)を予め指定する画面である。この設定情報入力画面P1には、プリンタ機種選択欄C1、シリアル番号入力欄C2、カラー設定欄C3、印刷の向き設定欄C4、両面印刷設定欄C5及び登録ボタンB1が設けられている。
【0052】
プリンタ機種選択欄C1は、プリンタ5の機種(プリンタ名とも呼ぶ)を選択させるための欄である。このプリンタ機種選択欄C1は、右端の三角形が表示されたボタンが押下されると、その下側に一時的にドロップダウンリスト(図示せず)として複数のプリンタの機種が表示され、その何れかを選択させ得るようになっている。シリアル番号入力欄C2は、プリンタ5のシリアル番号を入力させるための欄である。管理者は、プリンタ5の本体や保証書等に記載されているシリアル番号を参照しながら、当該シリアル番号をシリアル番号入力欄C2に入力する。
【0053】
カラー設定欄C3は、ラジオボタンにより「モノクロ」又は「カラー」の何れかを選択させるための欄である。印刷の向き設定欄C4は、用紙に対する印刷の方向として「縦」又は「横」の何れかを選択させるための欄である。両面印刷設定欄C5は、ラジオボタンにより、「片面」、「長辺とじ」又は「短辺とじ」の何れかを選択させるための欄である。この両面印刷設定欄C5では、片面又は両面の何れに印刷するか、及び両面の場合に長辺又は短辺の何れを綴じるかを、まとめて選択させるようになっている。登録ボタンB1は、押下操作されると、各欄において選択又は入力された内容を確定して登録する、すなわちサーバ装置2に記憶させるためのボタンである。
【0054】
ステップSP13(
図7)において制御部31は、管理者の入力部133(
図6)に対する操作に基づき、設定情報入力画面P1におけるプリンタ機種選択欄C1等の各欄に対し、内容の選択又は入力を受け付け、登録ボタンB1が押下操作されると次のステップSP14に移る。
【0055】
ステップSP14において制御部31は、設定情報入力画面P1において入力されたシリアル番号及び選択された各設定情報を、通信制御部131(
図6)によりサーバ装置2へ送信する。その後制御部31は、次のステップSP15に移って処理手順RT1を終了する。
【0056】
これに応じてサーバ装置2の制御部21は、管理者端末装置3からシリアル番号及び各設定情報を受信すると、次のステップSP22に移る。ステップSP22において制御部21は、定義ファイル管理部125(
図6)により、受信したシリアル番号及び各設定情報を基に定義ファイル124を生成し、次のステップSP23に移る。この定義ファイルは、例えばテキストファイルであり、
図9に示すように、シリアル番号及び各設定情報が、それぞれの項目名を表す文字列(例えば「serial」等)及び所定の記号(例えば「=」)に続けて記載されている。
【0057】
ステップSP23において制御部21は、生成した定義ファイル124を記憶部22(
図2)に記憶させ、次のステップSP24に移る。ステップSP24において制御部21は、シリアル番号リスト管理部127(
図6)により、シリアル番号リスト126を更新する。このシリアル番号リスト126は、
図10に示すように、各定義ファイル124に含まれるシリアル番号がそれぞれ抽出されてリスト化されたものである。
【0058】
その後、制御部21は、次のステップSP25(
図7)に移り、処理手順RT2を終了する。因みに制御部21は、管理者端末装置3のようにネットワーク6に接続された各端末装置(図示せず)から接続を要求される度に、一連の処理を繰り返すようになっている。
【0059】
[3.設定情報の適用]
次に、設定情報提供システム1(
図6)において、使用者端末装置4に対する使用者の操作に基づき、該使用者端末装置4に対し、プリンタ5を駆動する(動作させる)ためのプリンタドライバをインストールすると共に各設定情報を適用する場合について説明する。
【0060】
使用者端末装置4(
図4)の制御部41は、使用者から操作部45を介して所定の操作を受け付けると、記憶部42からプリンタドライバのインストールパッケージを読み出して実行する。これにより制御部41は、
図6に示した各機能ブロックを形成した上で、
図11及び
図12に示す処理手順RT3を開始し、最初のステップSP31に移る。
【0061】
ステップSP31において制御部41は、通信制御部141(
図6)により、ネットワーク6(
図1)に接続されたプリンタを探索し、次のステップSP32に移る。このとき制御部41は、ネットワーク6に接続された各プリンタに対し、当該プリンタに関する情報、具体的にはプリンタ名(機種名)、IPアドレス及びシリアル番号(以下、これらをまとめてプリンタ情報と呼ぶ)を要求する。
【0062】
一方、プリンタ5(
図5)の制御部51は、電源が投入されると、所定の基本プログラムを開始した後、記憶部52から所定の情報通知プログラムを読み出して実行する。これにより制御部51は、
図6に示した各機能ブロックを形成した上で、
図11に示す処理手順RT5を開始する。
【0063】
制御部51は、使用者端末装置4からプリンタ5に関するプリンタ情報の要求を取得すると、ステップSP51に移り、該プリンタ5のプリンタ情報を該使用者端末装置4へ送信する。その後、制御部51はステップSP52に移って処理手順RT5を終了する。
【0064】
これに応じて使用者端末装置4の制御部41は、ネットワーク6(
図6)に接続されたプリンタ5等の各プリンタからそれぞれのプリンタ情報を受信し、これらを記憶部42(
図4)に一時的に記憶させ、次のステップSP32に移る。
【0065】
ステップSP32において制御部41は、表示制御部142(
図6)により、
図13に示すプリンタ選択画面P2を表示部44(
図4)に表示させて、次のステップSP33に移る。このプリンタ選択画面P2は、ネットワーク6に接続されているプリンタに関する情報を一覧形式で表示すると共に、その何れかを選択させるための画面である。具体的にプリンタ選択画面P2には、プリンタ情報一覧表T11と、選択ボタンB11とが設けられている。
【0066】
プリンタ情報一覧表T11には、プリンタ名、IPアドレス及びシリアル番号の列がそれぞれ設けられており、1台のプリンタに関する情報が1行に表示されている。このためプリンタ情報一覧表T11には、ネットワーク6に接続されているプリンタの台数に応じた行数の情報が表示される。
【0067】
またプリンタ情報一覧表T11では、何れか1行(すなわち何れか1台のプリンタ)を選択させ得るようになっており、図中に斜線で示したように、選択された行の表示を他の行と異なる色により表示する。選択ボタンB11は、プリンタ情報一覧表T11における選択を確定して次の処理に進むためのボタンである。
【0068】
ステップSP33において制御部41は、使用者の入力部143(
図6)に対する操作に基づき、プリンタ選択画面P2におけるプリンタ情報一覧表T11における何れかの行を選択する操作を受け付ける。その上で制御部41は、選択ボタンB11が押下操作されると、次のステップSP34に移る。ここでは、プリンタ情報一覧表T11の1行目に表示されているプリンタ5が選択されたものとする。
【0069】
ステップSP34において制御部41は、選択されたプリンタ5のシリアル番号を記憶部42に記憶させ、次のステップSP35に移る。ステップSP35において制御部41は、インストールパッケージ144内の既存プリンタドライバ145(
図6)のバージョンを確認し、次のステップSP36に移る。
【0070】
ステップSP36において制御部41は、通信制御部141により、サーバ装置2に対し、最新プリンタドライバ128のバージョンを問い合わせる。一方、サーバ装置2の制御部21(
図2)は、予め記憶部22から所定のプログラムを読み出して実行しており、
図6に示した各機能ブロックを形成した上で、
図11及び
図12に示す処理手順RT6を開始している。
【0071】
制御部21は、使用者端末装置4から最新プリンタドライバ128のバージョンについて問い合わせを受信すると、ステップSP61に移る。ステップSP61において制御部21は、ファイル送受信制御部123(
図6)により、最新プリンタドライバ128のバージョンを読み出し、これを通信制御部121により使用者端末装置4へ送信する。
【0072】
これに応じて使用者端末装置4の制御部41は、サーバ装置2から最新プリンタドライバ128のバージョンを取得し、次のステップSP37(
図12)へ移る。
【0073】
ステップSP37において制御部41は、既存プリンタドライバ145のバージョンと最新プリンタドライバ128のバージョンとを比較することにより、該既存プリンタドライバ145が最新であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは既存プリンタドライバ145をそのままインストールすべきできあること表している。このとき制御部41は、次のステップSP38に移る。
【0074】
ステップSP38において制御部41は、インストールパッケージ144により既存プリンタドライバ145をインストールし、次のステップSP41に移る。このときインストールパッケージ144は、「カラー設定」や「印刷の向き」等(
図8)のような設定項目に関し、プリンタ5の製造業者により予め設定された所定の標準設定情報をそれぞれ設定する。
【0075】
一方、ステップSP37において否定結果が得られると、このことは既存プリンタドライバ145をそのままインストールすべきでないこと表している。このとき制御部41は、次のステップSP39に移る。
【0076】
ステップSP39において制御部41は、通信制御部141(
図6)により、サーバ装置2に対して最新プリンタドライバ128の取得を要求する。これに応じてサーバ装置2の制御部21は、通信制御部121及びファイル送受信制御部123により、最新プリンタドライバ128を使用者端末装置4へ送信する。使用者端末装置4の制御部41は、通信制御部141により、最新プリンタドライバを受信して記憶部42(
図4)に記憶させ、次のステップSP40に移る。
【0077】
ステップSP40において制御部41は、インストールパッケージ144により最新プリンタドライバをインストールし、次のステップSP41に移る。このときインストールパッケージ144は、ステップSP38と同様、各設定項目に標準設定情報をそれぞれ設定する。
【0078】
ステップSP41において制御部41は、通信制御部141(
図6)により、サーバ装置2に対してシリアル番号リスト126の取得を要求する。これに応じてサーバ装置2の制御部21は、通信制御部121、ファイル送受信制御部123及びシリアル番号リスト管理部127により、シリアル番号リスト126を使用者端末装置4へ送信する。使用者端末装置4の制御部41は、通信制御部141により、シリアル番号リストを受信して記憶部42(
図4)に記憶させ、次のステップSP42に移る。
【0079】
ステップSP42において制御部41は、受信したシリアル番号リストに、プリンタ5のシリアル番号が登録されているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはプリンタ5のために作成された定義ファイル124がサーバ装置2に登録されていることを表している。このとき制御部41は、次のステップSP43に移る。
【0080】
ステップSP43において制御部41は、通信制御部141(
図6)により、サーバ装置2に対してシリアル番号を通知すると共に定義ファイルの取得を要求する。これに応じてサーバ装置2の制御部21は、通信制御部121、ファイル送受信制御部123及び定義ファイル管理部125により、通知されたシリアル番号と一致するシリアル番号の定義ファイル124を使用者端末装置4へ送信する。その後、制御部21は、次のステップSP65に移って処理手順RT6を終了する。
【0081】
使用者端末装置4の制御部41は、通信制御部141により、定義ファイルを受信して記憶部42(
図4)に記憶させ、次のステップSP44に移る。以下では、このとき受信した定義ファイルを定義ファイル146(
図6)と呼ぶ。ステップSP44において制御部41は、定義ファイル146に格納されている各設定情報を該当する各設定項目に適用することにより更新して、次のステップSP45に移る。
【0082】
一方、ステップSP42において否定結果が得られると、このことはプリンタ5のシリアル番号と対応付けられた定義ファイル124が作成されていないことを表している。このとき制御部41は、各設定項目を標準設定情報のまま変更せず、次のステップSP45に移る。ステップSP45において制御部41は、処理手順RT3を終了する。
【0083】
[4.効果等]
以上の構成において、本実施の形態による設定情報提供システム1は、予めプリンタ5のシリアル番号と各設定情報とを対応付けた定義ファイル124をサーバ装置2に記憶させておく。その後、設定情報提供システム1では、使用者端末装置4にプリンタ5のプリンタドライバをインストールする際に、該プリンタ5のシリアル番号と対応する定義ファイル124をサーバ装置2から取得し、該定義ファイル124の各設定情報を各設定項目に適用する。
【0084】
すなわち設定情報提供システム1では、プリンタ5と対応する定義ファイル124を予め作成しサーバ装置2に登録しておくだけで、使用者端末装置4のプリンタドライバにおける各設定項目に、該定義ファイル124の各設定情報を適用することができる。このため設定情報提供システム1では、各設定情報を組み込んだインストールパッケージの作成や配布を行う必要が無く、また不具合の修正や機能の追加等のためにプリンタドライバが更新された場合に、インストールパッケージの再作成や再配布を行う必要も無い。
【0085】
また設定情報提供システム1では、使用者端末装置4においてプリンタドライバをインストールする際に、サーバ装置2に対し最新のプリンタドライバのバージョンを問い合わせるようにした。このとき使用者端末装置4は、既存プリンタドライバ145(
図6)が最新で無かった場合、サーバ装置2から最新プリンタドライバ128を取得してインストールするようにした。
【0086】
このため設定情報提供システム1では、使用者端末装置4のインストールパッケージ144に含まれる既存プリンタドライバ145が最新で無かったとしても、サーバ装置2から取得した最新プリンタドライバ128をインストールすることができる。その上で設定情報提供システム1では、プリンタ5の定義ファイル124がサーバ装置2に登録されていれば、使用者端末装置4により当該定義ファイル124を取得し、各設定項目に各設定情報を適用できる。
【0087】
他の観点から見れば、設定情報提供システム1では、使用者端末装置4の使用者が、インストールパッケージ144に含まれる既存プリンタドライバ145(
図6)のバージョンを気にする必要が無い。すなわち設定情報提供システム1では、当該使用者にプリンタドライバのインストールを単純に実行させるだけで、使用者端末装置4に最新のプリンタドライバをインストールでき、且つ各設定情報を適用することができる。
【0088】
さらに設定情報提供システム1では、インストール処理において、ネットワーク6に接続された各プリンタからプリンタ情報を取得し、プリンタ選択画面P2(
図13)にプリンタ情報一覧表T11を表示するようにした。多くの場合、企業10(
図1)では、管理者から使用者に対し、プリンタ5のIPアドレスやノード名等が予め通知されている。このため設定情報提供システム1では、使用者端末装置4の使用者にIPアドレスを基にプリンタ5を選択させるだけで、当該プリンタ5のシリアル番号を特定でき、これを基にサーバ装置2から適切な定義ファイル124を取得させることができる。
【0089】
以上の構成によれば、本実施の形態による設定情報提供システム1は、使用者端末装置4にプリンタ5のプリンタドライバをインストールする際に、該プリンタ5のシリアル番号と対応する定義ファイル124をサーバ装置2から取得し、該定義ファイル124の各設定情報を各設定項目に適用する。このため設定情報提供システム1では、最新のプリンタドライバが更新された場合にも管理者にファイルの更新作業等を行わせること無く、使用者端末装置4のプリンタドライバにおける各設定項目に、該定義ファイル124の各設定情報を適用することができる。
【0090】
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、定義ファイルに登録する各設定情報を、「カラー設定」、「印刷の向き」及び「両面印刷設定」の3項目とする場合について述べた(
図8)。しかし本発明はこれに限らず、例えば印刷内容を用紙に対して拡大又は縮小して印刷する「拡大・縮小」や、印刷時の解像度を300dpi(dots per inch)や600dpi等に指定する「印刷品位」等、種々の項目の設定情報を定義ファイルに登録しても良い。この場合、定義ファイルに登録する各設定情報は、2項目以下又は4項目以上であっても良い。さらに、定義ファイルに登録する各設定情報は、プリンタ名(すなわち機種名)ごとに相違させても良い。
【0091】
また上述した実施の形態においては、プリンタ5に対して一意に割り当てられる識別番号であるシリアル番号を基に、該プリンタ5と定義ファイルとを対応付ける場合について述べた(
図8及び
図13)。しかし本発明はこれに限らず、例えばプリンタ5の通信部53(
図5)に対して一意に割り当てられる情報であるMAC(Media Access Control)アドレス等、該プリンタ5を一意に特定し得る種々の情報を定義ファイルと対応付けても良い。
【0092】
さらに上述した実施の形態においては、使用者端末装置4が各プリンタから取得するプリンタ情報にIPアドレスを含めておき、プリンタ選択画面P2(
図13)において使用者に該IPアドレスを手がかりとしてプリンタを選択させる場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば各プリンタに対して設定されるネットワーク上の名称である「ノード名」等、使用者が各プリンタを容易に識別し得る種々の情報をプリンタ情報に含めておき、当該情報を手がかりとして当該使用者にプリンタを選択させるようにしても良い。
【0093】
さらに上述した実施の形態においては、定義ファイルの作成処理(
図7)において、管理者の操作に基づき、管理者端末装置3をサーバ装置2と接続させて定義ファイル124を作成する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば、後にプリンタドライバをインストールする予定である使用者端末装置4をサーバ装置2と接続させて、定義ファイル124を作成するようにしても良い。この場合、管理者端末装置3を省略しても良い。
【0094】
さらに上述した実施の形態においては、定義ファイルを作成する際に、設定情報入力画面P1(
図8)に対する操作指示を基に、管理者端末装置3からシリアル番号及び各設定情報をサーバ装置2へ送信し、該サーバ装置2において定義ファイル124を生成する場合について述べた(
図7)。しかし本発明はこれに限らず、例えば管理者端末装置3において定義ファイル124を作成し、これをサーバ装置2へ送信しても良い。
【0095】
さらに上述した実施の形態においては、プリンタドライバのインストール時に、使用者端末装置4がサーバ装置2からシリアル番号リスト126を取得し、該使用者端末装置4においてプリンタ5のシリアル番号が該シリアル番号リスト126に登録されているか否かを判定する場合について述べた(
図12)。しかし本発明はこれに限らず、例えば使用者端末装置4からサーバ装置2へプリンタ5のシリアル番号を送信し、該サーバ装置2において該シリアル番号がシリアル番号リスト126に登録されているか否かを判定しても良い。またこの場合、例えばシリアル番号リスト126の作成や管理を省略し、登録済みの定義ファイル124を逐次参照することにより、該シリアル番号と対応する定義ファイル124の有無を調査するようにしても良い。さらには、当該シリアル番号に対応する定義ファイル124が存在する場合に、サーバ装置2から使用者端末装置4に対し、当該定義ファイルが存在することを返信するのでは無く、当該定義ファイル124を直ちに送信しても良い。
【0096】
さらに上述した実施の形態においては、プリンタドライバのインストール時に、ネットワーク6を介して、使用者端末装置4がプリンタ5からプリンタ情報を取得する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばUSB(Universal Serial Bus)やBluetooth(登録商標)等、有線又は無線による種々の通信手段を介して、使用者端末装置4がプリンタ5からプリンタ情報を取得しても良い。
【0097】
さらに上述した実施の形態においては、使用者端末装置4に対するプリンタドライバのインストール時に、既存プリンタドライバ145(
図6)が最新であるか否かを確認し、最新で無かった場合にはサーバ装置2から最新プリンタドライバ128を取得してインストールする場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば既存プリンタドライバ145が最新であるか否かを確認せず、該既存プリンタドライバ145をそのままインストールするようにしても良い。
【0098】
さらに上述した実施の形態においては、使用者端末装置4にプリンタドライバをインストールする際に、既存プリンタドライバ145が組み込まれたインストールパッケージ144を実行する場合について述べた(
図6)。しかし本発明はこれに限らず、例えば既存プリンタドライバ145を含まないプログラム(いわゆるインストーラ)を使用者端末装置4において実行し、サーバ装置2から最新プリンタドライバ128をダウンロードしてインストールするようにしても良い。
【0099】
さらに上述した実施の形態においては、各プリンタドライバ等のバージョンを参照及び比較することにより、既存プリンタドライバ145が最新であるか否かを判定する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば各プリンタドライバの更新日時等、各プリンタドライバに関する種々の情報を用いることにより、既存プリンタドライバ145が最新であるか否かを判定しても良い。
【0100】
さらに上述した実施の形態においては、サーバ装置2に定義ファイル124及び最新プリンタドライバ128を格納する場合について述べた(
図6)。しかし本発明はこれに限らず、例えばサーバ装置2に最新プリンタドライバ128を格納せず、ネットワーク6に接続された他のサーバ装置(図示せず)に最新プリンタドライバ128を格納しても良い。
【0101】
さらに上述した実施の形態においては、
図6に示した各機能ブロックをソフトウェアにより実現する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば各機能ブロックの一部又は全部を、ハードウェアにより、又はソフトウェア及びハードウェアの協働により、実現しても良い。
【0102】
さらに上述した実施の形態においては、使用者端末装置4(
図4)において記憶部42に各種プログラムを予め記憶させておく場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばいわゆるUSBメモリやDVD-ROM(Digital Versatile Disc-Read Only Memory)等の着脱可能な記憶媒体を介して、或いは所定のサーバ装置(図示せず)からネットワーク6を介して、各種プログラムを取得し、これを実行するようにしても良い。またこの場合、取得した各種プログラムを記憶部42に記憶させること無く、これらの記憶媒体から読み出しながら実行しても良い。サーバ装置2、管理者端末装置3及びプリンタ5についても同様である。
【0103】
さらに上述した実施の形態においては、使用者端末装置4をノート型コンピュータ装置とする場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えば使用者端末装置4をタブレット型コンピュータ装置やスマートフォン等、種々の情報処理装置としても良い。要は、
図6に示した各機能ブロックを実現できれば良い。管理者端末装置3についても同様である。
【0104】
さらに上述した実施の形態においては、プリンタ5を、スキャナ機能や電話回線との接続機能を持たない単機能のプリンタとする場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばプリンタ5を、スキャナ機能や電話回線との接続機能を有することにより複写機やファクシミリ装置として機能するMFP(Multi Function Peripheral)としても良い。
【0105】
さらに上述した実施の形態においては、プリンタ5のデバイスドライバ(すなわちプリンタドライバ)を使用者端末装置4にインストールする場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、例えばイメージスキャナやペンタブレット等、種々の電子機器を使用者端末装置4に接続して駆動する(動作させる)ためのデバイスドライバを当該使用者端末装置4にインストールする場合に適用しても良い。
【0106】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0107】
さらに上述した実施の形態においては、通信部としての通信部23と、記憶部としての記憶部22と、提供部としての制御部21とによって設定情報提供装置としてのサーバ装置2を構成する場合について述べた。しかし本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる通信部と、記憶部と、提供部とによって設定情報提供装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、使用者端末装置にデバイスドライバをインストールしてプリンタ等の電子機器を駆動する場合に利用できる。
【符号の説明】
【0109】
1……設定情報提供システム、2……サーバ装置、3……管理者端末装置、4……使用者端末装置、5……プリンタ、6……ネットワーク、21、31、41、51……制御部、21A、31A、41A、51A……CPU、21B、31B、41B、51B……ROM、21C、31C、41C、51C……RAM、22、32、42、52……記憶部、23、33、43、53……通信部、34、44……表示部、35、45……操作部、54……印刷部、121……通信制御部、122……ウェブページ制御部、123……ファイル送受信制御部、124……定義ファイル、125……定義ファイル管理部、126……シリアル番号リスト、127……シリアル番号リスト管理部、128……最新プリンタドライバ、131……通信制御部、132……表示制御部、133……入力部、141……通信制御部、142……表示制御部、143……入力部、144……インストールパッケージ、145……既存プリンタドライバ、146……定義ファイル、151……通信制御部、152……シリアル番号、P1……設定情報入力画面、P2……プリンタ選択画面。