(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032915
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】磁力式コンパクト化バッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 7/00 20060101AFI20230302BHJP
A45C 3/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A45C7/00 G
A45C3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139288
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】711013807
【氏名又は名称】佐田 有美
(72)【発明者】
【氏名】佐田 有美
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CB05
3B045CE08
3B045CE09
3B045FA01
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
(57)【要約】
【課題】
簡易な動作でコンパクト化できるバッグを提供する。
【解決手段】
平置きで平面状の略矩形を成し、各脇線上に弾性線状部材と、各脇線の上部と下部にそれぞれ磁性体を配置し、平置きの平面状の状態で、各脇線に配置された弾性線状部材をそれぞれ丸めると略円筒形になり、前記磁性体をくっつけることで該円筒形の状態を維持し、該円筒形の底面同士をそれぞれ逆方向に回転させて略円筒形の側面を捻ることで、該円筒形の側面の体積を小さくすると同時に、該底面同士の距離を縮め、さらには前記磁性体を底面の面上に出現させることができ、該底面の面上に出現した前記磁性体をくっつけることで該底面の外周内に本体部材が格納された状態で該底面同士が重ね合わさった状態を維持することを特徴とするバッグを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平置きで平面状の略矩形を成し、
各脇線上に弾性線状部材と、
各脇線の上部と下部にそれぞれ磁性体を配置し、
平置きの平面状の状態で、各脇線に配置された弾性線状部材をそれぞれ丸めると略円筒形になり、
前記磁性体をくっつけることで該略円筒形の状態を維持し、
該略円筒形の底面同士をそれぞれ逆方向に回転させて該略円筒形の側面を捻ることで、該略円筒形の側面の体積を小さくすると同時に、該底面同士の距離を縮め、さらには前記磁性体を該底面の面上に出現させることができ、
該底面の面上に出現した前記磁性体をくっつけることで該底面の外周内に本体部材が格納された状態で該底面同士が重ね合わさった状態を維持することを特徴とするバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は捻ってコンパクト化した状態が磁力によって固定され保持されるバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁力によって容易に折り畳むことができ、その折り畳んだ状態が維持されるバッグとしては先行発明で以下のものなどがある。
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献にかかるバッグは、表面側等を折り畳む際の所定の折線を対称軸として、2個の磁石が線対称の位置に一対として配置されるもので、この一対の磁石を固着させることにより、折り畳み位置を容易に決定することができると共に、折り畳んだ状態を維持することができる。
【0005】
しかしながら、該バッグはコンパクト化までに複数回折り畳む工程を必要とする。
【0006】
したがって、本発明の目的は、複数回折り畳む工程を必要とせずコンパクト化し、コンパクト化した状態が磁力によって維持されるバッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、平置きで平面状の略矩形を成し、各脇線上に弾性線状部材と、各脇線の上部と下部にそれぞれ磁性体を配置し、平置きの平面状の状態で、各脇線に配置された弾性線状部材をそれぞれ丸めると略円筒形になり、前記磁性体をくっつけることで該円筒形の状態を維持し、該円筒形の底面同士をそれぞれ逆方向に回転させて略円筒形の側面を捻ることで、該円筒形の側面の体積を小さくすると同時に、該底面同士の距離を縮め、さらには前記磁性体を底面の面上に出現させることができ、該底面の面上に出現した前記磁性体をくっつけることで該底面の外周内に本体部材が格納された状態で該底面同士が重ね合わさった状態を維持することを特徴とするバッグを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るバッグは、折り畳むという工程を必要とせず、容易にコンパクト化でき、且つコンパクト化した状態を維持する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るバッグを平置きした状態を示す正面図。
【
図2】平置きの本発明に係るバッグの脇線を丸める途中の状態を示す斜視図。
【
図3】略円筒形状態の本発明に係るバッグを示す斜視図。
【
図4】略円筒形状態の本発明に係るバッグの略円筒形の底面同士を逆方向に回転させたときの軌道を示す図。
【
図5】略円筒形状態の本発明に係るバッグの略円筒形の両底面の面上に磁性体が出現した状態を示す側面図。
【
図6】略円筒形状態の本発明に係るバッグの略円筒形の底面同士が重ねあわさった状態を維持している状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るバッグは、物を入れて運ぶためのバッグとして利用しないときにはコンパクトに纏まるので保管や携帯に便利なバッグである。
【0011】
なお、本発明のバッグ本体を構成する部材は、「捻る」と「広げる」動作の繰り返しに耐えうるものであれば素材を問わない。
【0012】
なお、本発明のバッグは持ち手の有無を問わず、持ち手を設ける場合は、本体部材と一体であっても別部材であってもよく、また「捻る」と「広げる」動作の繰り返しに耐えうるものであれば持ち手の素材を問わない
【0013】
本発明に係るバッグはマチの有無を問わない。マチを内側に折り込めば平面上の略矩形になるよう平置きできれば、「捻る」と「広げる」動作の繰り返しに耐えうるものであればマチの素材及び形状を問わない。
【0014】
本発明に係るバッグの脇線上には弾性線状部材が配置されている。この弾性線状部材は本発明に係るバッグの脇線を丸めて略円筒形状にするときに、脇線が略正円となるようにテンションをかけるためのもので、この効果を満たせば素材や長さ、配置位置は問わない。
【0015】
本発明に係るバッグの脇線の上部と下部には磁性体が配置されている。該磁性体は本発明に係るバッグの脇線を丸めて略円筒形状にしたときにバッグの上部と下部を重ねて固着させる効果を有し、さらには、円筒形の底面同士が重ね合わされた状態を維持する効果を持つものである。
【0016】
該磁性体の配置位置は出来るだけ各角に近い位置に配置することが望ましい。なぜならば、各角から距離が遠いほど、コンパクト化したときに本発明に係るバッグの角が飛び出した形状になる。該磁性体を各角に近い位置に配置するほどコンパクト化したとき本発明に係るバッグの角の飛び出しを抑えられる(
図7参照)。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態によるバッグの平置き時の状態を正面側から見た正面図である。本発明に係るバッグは平置きで平面上の略矩形を成す。
【0018】
図2は平置きした状態の本発明に係るバッグを上下方向に丸める途中の状態を示す斜視図である。
図2のように本発明に係るバッグの脇線上に配置された弾性線状部材をそれぞれ丸め、磁性体3aと3b、4aと4bをくっつけると、本発明に係るバッグは
図3で示すような略円筒形状を保持する。このとき、該弾性線状部材がテンションをかけることにより、該略円筒形状の底面は略正円を成す。
【0019】
磁性体3aと3b、4aと4bはどちらを上にして重ねても問題ない。ただし、外付けの持ち手の場合は持ち手が外側になるように重ねた場合、コンパクト化した時に持ち手がはみ出る可能性はある。
【0020】
図4は略円筒形状態の本発明に係るバッグの略円筒形の底面同士を逆方向に回転させたときの軌道を示す図である。この動作を行うことで、略円筒形の側面が捻られ体積が小さくなると同時に、該底面間の距離が縮まる。
【0021】
図5は略円筒形状態の本発明に係るバッグの略円筒形の両底面の面上に磁性体が出現した状態を示している。略円筒形状態のとき、磁性体が存在する面と略円筒形の底面は略直角に交わっていたが、略円筒形の側面が捻られ、磁性体が存在する面が中心に向かって引っ張られたことで、磁性体が存在する面と略円筒形の底面が成す角は鋭角になっていき、最終的にその角度は0度となる。これにより、略円筒形の底面状に磁性体が存在する面が出現する。
【0022】
図6は略円筒形状態の本発明に係るバッグの略円筒形の底面同士が重ねあわさった状態を維持している状態を示す斜視図である。本体部材が該底面の外周内に格納され、磁性体3a、3b、4a、4bの全てが重なってくっつく。以上で本発明に係るバッグのコンパクト化が完成し、コンパクト化された状態を維持する。
【0023】
コンパクト時において、それぞれの磁性体の間には本体部材が挟まれていることがあるので、本体部材が挟まれていてもくっつくような磁力を有する磁性体を選択する必要がある。
【0024】
磁性体はS極、N極の配置に注意して配置する必要がある。3aと3b、4aと4bは、本発明に係るバッグが略円筒形状を成すようにくっつかなければならず、且つ、該略円筒形の底面が合わさるようにくっつかなければならない。この一例として、本発明に係るバッグの平置き状態で3aはS極、3bはS極、4aはN極、4bはN極が上に向くように配置する方法がある。この一例は磁性体全てに磁石を用いた場合であり、その場合、S極とN極は逆でもよい。また、磁性体に単体では磁力を持たないが磁石にくっつく物質、例えば鉄などのようなもの(以下、鉄)を3aか3bのいずれかを磁石、もう一方に鉄、同様に4aと4bのいずれかを磁石、もう一方に鉄という配置も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係るバッグのコンパクト化に係る動作は簡易なので、これまでコンパクト化できるバッグではあるが、畳むなどの工程が難解もしくは器用さを求められるために、結果的にコンパクト化せず、広げた状態で放置していた人でも扱えるという可能性を有している。
【符号の説明】
【0026】
1 バッグ
2 持ち手
3a 磁性体
3b 磁性体
4a 磁性体
4b 磁性体
5a 弾性線状部材
5b 弾性線状部材
6 本体部材
7a 角
7b 角
8a 角
8b 角