(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032921
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】植物忌避部材
(51)【国際特許分類】
A01N 25/10 20060101AFI20230302BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20230302BHJP
A01N 25/28 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A01N25/10
A01P21/00
A01N25/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139297
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】竹中 一貴
(72)【発明者】
【氏名】西口 昌利
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB03
4H011BB19
4H011BC19
4H011DA06
4H011DA07
4H011DA09
4H011DH02
4H011DH04
(57)【要約】
【課題】植物の忌避効果を長く維持できる植物忌避部材を提供する。
【解決手段】本発明による植物忌避部材は、蔓蔦状植物に対する忌避材が配合された樹脂の網目シート状の成形品からなる本体1を備える。本体1は、忌避材を内包するマイクロカプセルを有することができる。本体1は、複数の貫通孔10aを区画形成する実部10を有し、本体1の単位面積に占める実部10の面積の比率を0.5以下とすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蔓蔦状植物に対する忌避材が配合された樹脂の網目シート状の成形品からなる本体
を備える、植物忌避部材。
【請求項2】
前記本体は、前記忌避材を内包するマイクロカプセルを有する、
請求項1に記載の植物忌避部材。
【請求項3】
前記本体は、複数の貫通孔を区画形成する実部を有し、
前記本体の単位面積に占める前記実部の面積の比率が0.5以下である、
請求項1又は請求項2に記載の植物忌避部材。
【請求項4】
前記本体は、亀甲状に配置された複数の六角形の貫通孔を区画形成する実部を有する、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の植物忌避部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンス等の構築物に蔓蔦状植物が巻き上がることを防止するための植物忌避部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種の植物忌避部材としては、例えば下記の特許文献1に示されている構成を挙げることができる。すなわち、従来構成は、ポリエステルマルチフィラメント糸で構成されたメッシュ編織物と、メッシュ編織物の表裏面に設けられる防つる層とからなる防つるシートによって構成されている。防つる層は、樹脂層に植物の忌避材が含有されることで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来構成では、樹脂層につる忌避材が含有された防つる層がメッシュ編織物の表裏面に設けられているので、忌避材の保持量が少ないか、又は忌避材の保持力が小さいため、植物の忌避効果が短い。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、植物の忌避効果を長く維持できる植物忌避部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る植物忌避部材は、蔓蔦状植物に対する忌避材が配合された樹脂の網目シート状の成形品からなる本体を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の植物忌避部材によれば、蔓蔦状植物に対する忌避材が配合された樹脂の網目シート状の成形品からなる本体を備えるので、従来構成と比較して、忌避材の保持量及び保持力の少なくとも一方を向上でき、植物の忌避効果を長く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1による植物忌避部材を示す斜視図である。
【
図4】
図1の実部の寸法を説明するための説明図である。
【
図5】
図1の実部の引張強さを測定する引張試験を説明するための説明図である。
【
図6】本発明の実施の形態2による植物忌避部材を示す正面図である。
【
図7】本発明の実施の形態3による植物忌避部材を示す正面図である。
【
図8】
図7の実部の寸法を説明するための説明図である。
【
図9】本発明の実施の形態4による植物忌避部材を示す正面図である。
【
図10】
図9の植物忌避部材の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による植物忌避部材を示す斜視図であり、
図2は
図1の植物忌避部材を示す正面図であり、
図3は
図1の植物忌避部材の側面図であり、
図4は
図1の実部10の寸法を説明するための説明図である。
【0011】
なお、
図1~
図3では、説明のために、植物忌避部材が、正面から見た際に1辺が20mmの正方形の外形を有しているように示している。しかしながら、植物忌避部材の外形は、任意であり、図中に示す第1方向D1(横方向)及び第2方向D2(縦方向)の少なくとも一方に拡がりを有していてよい(連続していてよい)。第1及び第2方向D1,D2は、互いに直交する方向である。また、
図3では、植物忌避部材が3mmの厚みを有するように示している。しかしながら、植物忌避部材の厚みは任意に変更可能である。
【0012】
図1~
図3に示す本実施の形態の植物忌避部材は、構築物に蔓蔦状植物が巻き上がることを防止するためのものであり、その構築物に取付られて使用されるものである。
【0013】
限定はされないが、構築物は、例えば無線鉄塔、変電所、配電所、送電所及び未整地の敷地等の周囲を囲むフェンスであり得る。特に、構築物は、通風性及び/又は視認性が期待される格子状、ネット状又はメッシュ状のフェンスであり得る。通風性とは、風が少ない抵抗でフェンスを通り抜けることができる性質であり得る。視認性とは、フェンスを通してそのフェンスの内側を視認し易い性質であり得る。
【0014】
蔓蔦状植物は、蔦又はアサガオ等に代表される蔓草または蔓植物等の植物であり得る。蔓蔦状植物は、自発的な重力屈性を有し、葉やシュート軸と相同の巻きひげの回旋運動によって対象物に巻付くアサガオなどの巻付きタイプと、吸盤状の付着根を対象物表面に付着させて、対象物に這上るナツヅタなどの這上りタイプとがある。そのため、本願では、「巻付き」および「這上り」の両者を含めて「巻き上がり」と称している。
【0015】
図1~
図3に示すように、本実施の形態の植物忌避部材は、蔓蔦状植物に対する忌避材が配合された樹脂の網目シート状の成形品からなる本体1を有している。
【0016】
忌避材は、蔓蔦状植物が忌避する性質がある材質(物質)である。忌避材としては、例えばプリベントール等を挙げることができるが、他の材質を使用してよい。
【0017】
本体1は、平面状に延在されることができる。本実施の形態の植物忌避部材は、構築物(又はフェンス)の面に本体1が沿うように配置されて、その構築物に取り付けられ得る。本体1を構成する樹脂に忌避材が配合されていることで、本体1及び構築物に蔓蔦状植物が巻き上がることが防止される。
【0018】
構築物への本体1の取り付け方法は任意である。例えば結束バンドやバインド線等により構築物に本体1を取り付けることができる。また、本体1の配置位置も任意である。例えば、本体1は、本体1の一端が構築物の下端に一致するように配置されていてもよいし、本体1の一端が地面上に位置するように配置されていてもよい。
【0019】
上述のように本体1は、忌避材が配合された樹脂を網目シート状に成形したものである。すなわち、本実施の形態では、忌避材が配合された樹脂(そのもの)が網目シートを成している。このため、従来構成(メッシュ編織物の表裏面に設けられる樹脂層に忌避材が含有される構成)と比較して、忌避材の保持量及び保持力の少なくとも一方を向上でき、植物の忌避効果を長く維持できる。
【0020】
本体1の成形には、例えば押出成形又は射出成形等、忌避材が配合された樹脂を軟化させた後に所定形状を成した状態で固化させる方法が採用され得る。本体1の成形に用いる樹脂としては、例えばオレフィン系樹脂等を使用できる。
【0021】
本体1の各部は、忌避材が配合された樹脂の中実構造体であり得る。本体1は、樹脂を支持するための芯材を有していなくてよい。しかしながら、忌避材が配合された樹脂により本体1の各部が実質的に構成されていればよく、忌避材が配合された樹脂以外の材質又は物質が本体1の各部に含まれていてもよい。例えば、本体1の各部の断面に占める樹脂(忌避材が配合された樹脂)の面積割合が50%を超えていれば、忌避材が配合された樹脂により本体1の各部が実質的に構成されていると考えてもよい。断面に占める樹脂の面積割合は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。仮に芯材を設ける場合、芯材としては、忌避材配合樹脂と同等以上の剛性を持つ樹脂又は金属等を用いることができる。
【0022】
本体1は、忌避材を内包するマイクロカプセルを有していてよい。すなわち、忌避材は、樹脂に直接(マイクロカプセルに内包されない状態で)配合されてもよいし、マイクロカプセルに内包された状態で樹脂に配合されてもよい。一部の忌避材がマイクロカプセルに内包された状態で樹脂に配合され、他の忌避材が樹脂に直接配合されてよい。
【0023】
マイクロカプセルは、無機系又は有機系の物質で構成することができる。無機系物質としては、シリカ又はケイ酸カルシウム等を挙げることができる。無機系物質でマイクロカプセルを構成する場合、マイクロカプセルは、多孔質粒子とすることができ、その多孔質粒子に内包(吸着)された忌避材を徐々に分泌することができる。有機系物質でマイクロカプセルを構成する場合、マイクロカプセルは、薄膜により構成された容器体とすることができ、容器体が潰れた際に内部に収められていた忌避材を分泌することができる。マイクロカプセルは、1種の物質で構成されていてもよいし、2種以上の物質で構成されていてもよい。例えば、シリカ及びケイ酸カルシウムの両方でマイクロカプセルを構成してもよい。2種以上の物質でマイクロカプセルを構成するとき、それらの物質で別個にマイクロカプセルを構成し、それらのマイクロカプセルを別個に樹脂に配合してよい。マイクロカプセルにおける忌避材の内包率は、限定はされないが30%以上かつ80%以下であることが好ましい。内包率が30%以上であることで高い忌避効果を確保でき、内包率が80%以下であることでマイクロカプセルのべた付きを抑えて樹脂への配合作業が難しくなることを回避できる。内包率は、マイクロカプセルの全質量に占める忌避材の質量と理解してよい。マイクロカプセルの種類及び量は、忌避効果の持続時間(目的期間)等の実施条件に応じて調整することができる。
【0024】
本体1は、複数の貫通孔10aを区画形成する実部10を有している。実部10は、忌避材が配合された樹脂により構成された部分である。特に
図1及び
図2に示しているように、本実施の形態の実部10は、第2方向D2に互いに離間して第1方向D1にそれぞれ延在する第1線部11と、第1方向D1に互いに離間して第2方向D2にそれぞれ延在する第2線部12とを有している。本実施の形態では、第1線部11は第1方向D1に直線状に延在されており、第2線部12は第2方向D2に直線状に延在されている。本実施の形態の貫通孔10aは、正面視矩形の外形を有しており、第1及び第2方向D1,D2の両方に関して整列して配置されている。
【0025】
本体1の単位面積に占める実部10の面積の比率が0.5以下であることが好ましい(換言すると、貫通孔10aによる開口率が50%以上であることが好ましい)。これにより、本体1の視認性及び通風性を確保できる。この構成は、植物忌避部材を取り付ける対象が通風性及び/又は視認性が期待される構築物である場合に特に有用である。特に通風性を確保することで、例えば強風時等に大きな風圧荷重が植物忌避部材及び構築物に掛かることを回避できる。実部10の面積は、本体1の正面から光を当てた際にできる影の面積(投影面積)としてよい。
【0026】
本体1の単位面積に占める実部10の面積の比率は、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。本体1及び構築物の視認性及び通風性をより確実に確保できる。一方、本体1の単位面積に占める実部10の面積の比率は、0.1以上であることが好ましい。本体1の強度及び自立性等のためである。実部10の面積の比率は、0.15以上であることがより好ましく、0.2以上であることがさらに好ましい。
【0027】
ここで、
図4に示すように、1つの貫通孔10aを囲む実部10の第1方向D1に係る内寸をa(mm)とし、第2方向D2に係る実部10の内寸をb(mm)とし、第1方向D1に係る実部10の外寸をc(mm)とし、第2方向D2に係る実部10の外寸をd(mm)とする。a,bは、第1及び第2方向D1,D2に係る貫通孔10aの寸法であると理解してもよい。
【0028】
このとき、2ab≧cdを満たすことが好ましい。これは、貫通孔10aによる開口率が50%以上であることと同義の場合がある。また、a≧5mm及びb≧5mm、且つ2500mm2≧ab≧100mm2を満たすことが好ましい。これらを満たすことで、本体1の視認性及び通風性をより確実に確保できる。a≧20mm及びb≧20mmであることがより好ましく、a≧30mm及びb≧30mmであることがさらに好ましい。また、1600mm2≧ab≧400mm2であることがより好ましく、1000mm2≧ab≧500mm2であることがさらに好ましい。
【0029】
実部10の延在方向に直交する断面における実部10の面積(第1及び第2線部11,12の断面積)が4mm2以上であることが好ましい。忌避材の保持力向上のためである。実部10の面積は、6mm2以上であることがより好ましく、10mm2以上であることがさらに好ましい。また、実部10の面積は、25mm2以下であることが好ましい。本体1の重量を抑えることができる。また、本体1の硬さを適度に抑え、植物忌避部材の取付作業を容易にできる。実部10の面積は、20mm2以下であることがより好ましく、16mm2以下であることがさらに好ましい。
【0030】
実部10の引張強さは80N以上かつ700N以下であることが好ましい。実部10に適度な強度を持たせることができ、植物忌避部材の取付作業を容易にすることができる。実部10の引張強さは200N以上であることがより好ましい。また、実部10の引張強さは500N以下であることがより好ましく、400N以下であることがさらに好ましい。
【0031】
実部10の引張強さは、
図5に示す引張試験により測定することができる。すなわち、植物忌避部材の完成品より
図5に示すような7目分の試験片50(7つの貫通孔10aを有する試験片)を採取して、その試験片50にφ3mmのバインド線51を通し、バインド線51と試験片50の下部とをチャック(図示せず)にそれぞれ固定する。その後、バインド線51を引き上げるか又は試験片50を引き下げることにより試験片50を引っ張り、試験片50が破損するまでの最大荷重を測定し、その最大荷重を実部10の引張強さとする。但し、試験片50を引張速度は200mm/minとする。
【0032】
本実施の形態のような植物忌避部材では、蔓蔦状植物に対する忌避材が配合された樹脂の網目シート状の成形品からなる本体1を備えるので、従来構成と比較して、忌避材の保持量及び保持力の少なくとも一方を向上でき、植物の忌避効果を長く維持できる。
【0033】
また、本体1は、忌避材を内包するマイクロカプセルを有するので、忌避材の保持力をより確実に向上でき、植物の忌避効果をより長く維持できる。
【0034】
また、本体1の単位面積に占める実部10の面積の比率が0.5以下であるので、本体1の視認性及び通風性を確保できる。この構成は、植物忌避部材を取り付ける対象が通風性及び/又は視認性が期待される構築物である場合に特に有用である。
【0035】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2による植物忌避部材を示す正面図である。実施の形態1では、実部10によって区画形成される複数の貫通孔10aが第1及び第2方向D1,D2の両方に関して整列して配置されているように説明した(例えば
図2等を参照)。しかしながら、
図6に示すように、複数の貫通孔10aは、千鳥状に配置されていてもよい。
【0036】
本実施の形態2の実部10は、第1貫通孔列21、第2貫通孔列22、第3貫通孔列23を区画形成している。これら第1~第3貫通孔列21~23は、第2方向D2に順に隣り合って第1方向D1に直線状に配置された貫通孔10aの列である。互いに隣り合う第1及び第2貫通孔列21,22(並びに第2及び第3貫通孔列22,23)は、それぞれの貫通孔10aの第1方向D1に係る中心位置が第1方向D1に互いにずれるように設けられている。第1及び第3貫通孔列21,23は、それぞれの貫通孔10aの第1方向D1に係る中心位置が第1方向D1に互いに一致するように設けられていてよいし、互いにずれていてもよい。
【0037】
本実施の形態2の第2線部12は、第2方向D2に関して貫通孔10aにより分断されている。換言すると、第1貫通孔列21の貫通孔10aを区画形成する第2線部12と、第3貫通孔列23の貫通孔10aを区画形成する第2線部12との間に、第2貫通孔列22の貫通孔10aが位置している。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0038】
本実施の形態2のような植物忌避部材では、第2線部12が第2方向D2に関して貫通孔10aにより分断されているので、仮に蔓蔦状植物が第2方向D2に第2線部12を巻き上がろうとしても、貫通孔10aにより蔓蔦状植物の巻き上がりを阻害できる。
【0039】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3による植物忌避部材を示す正面図であり、
図8は
図7の実部10の寸法を説明するための説明図である。実施の形態1,2では貫通孔10aが正面視矩形の外形を有するように説明したが、貫通孔10aは他の多角形状の外形を有していてもよい。本実施の形態3の実部10は、亀甲状に配置された複数の六角形の貫通孔10aを区画形成している。
【0040】
本実施の形態3の実部10は、第1方向D1及び第2方向D2に互いに離間して配置されるとともに第2方向D2に延在された複数の第2線部12と、第2線部12の端部間を第1及び第2方向D1,D2に対して傾斜して延在されて第2線部12の端部間を接続する複数の接続線部13とを有している。
【0041】
図8に示すように、貫通孔10aが正面視六角形であるとき、第1方向D1に係る実部10の内寸(a)は1つの貫通孔10aの両側に位置する一対の第2線部12の内端間距離とでき、第1方向D1に係る実部10の外寸(c)はそれら一対の第2線部12の外端間距離とできる。第2方向D2に係る実部10の内寸(b)は、第1接続線部対131によって形成される第1角131aと、第2接続線部対132によって形成される第2角132aとの間の距離とできる。第2方向D2に係る実部10の外寸(d)は、第1接続線部対131が接続される第2線部12の一端12aと、第2接続線部対132が接続される第2線部12の一端12bとの間の距離とすることができる。その他の構成は、実施の形態1,2と同様である。
【0042】
このように貫通孔10aは矩形以外の多角形状の外形を有していてもよい。なお、
図7では六角形の貫通孔10aを示しているが、貫通孔10aの外形は、三角形、五角形又は7以上の角を有するより複雑な多角形であってもよい。
【0043】
また、亀甲状に配置された複数の六角形の貫通孔10aを実部10が区画形成しているので、実部10の各線部(第2線部12及び接続線部13)を第1及び第2方向D1,D2の両方に関して貫通孔10aによって分断でき、より確実に貫通孔10aにより蔓蔦状植物の巻き上がりを阻害できる。
【0044】
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4による植物忌避部材を示す正面図であり、
図10は
図9の植物忌避部材の変形例を示す正面図である。
図9及び
図10に示すように、貫通孔10aは円形であってもよい。円形の貫通孔10aは、
図9に示すように第1及び第2方向D1,D2の両方に関して整列して配置されてもよいし、
図10に示すように千鳥状に配置されてもよい。その他の構成は実施の形態1~3と同様である。
【0045】
このように貫通孔10aは円形であってもよい。なお、
図9及び
図10では貫通孔10aが真円であるように示しているが、貫通孔10aは楕円であってもよい。また、貫通孔10aは角を丸めた多角形等の他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 :本体
10 :実部
10a :貫通孔