IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヨツギ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-鳥害防止用索条 図1
  • 特開-鳥害防止用索条 図2
  • 特開-鳥害防止用索条 図3
  • 特開-鳥害防止用索条 図4
  • 特開-鳥害防止用索条 図5
  • 特開-鳥害防止用索条 図6
  • 特開-鳥害防止用索条 図7
  • 特開-鳥害防止用索条 図8
  • 特開-鳥害防止用索条 図9
  • 特開-鳥害防止用索条 図10
  • 特開-鳥害防止用索条 図11
  • 特開-鳥害防止用索条 図12
  • 特開-鳥害防止用索条 図13
  • 特開-鳥害防止用索条 図14
  • 特開-鳥害防止用索条 図15
  • 特開-鳥害防止用索条 図16
  • 特開-鳥害防止用索条 図17
  • 特開-鳥害防止用索条 図18
  • 特開-鳥害防止用索条 図19
  • 特開-鳥害防止用索条 図20
  • 特開-鳥害防止用索条 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032922
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】鳥害防止用索条
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20230302BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20230302BHJP
   A01M 29/00 20110101ALI20230302BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
A01M29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139298
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池側 勝己
(72)【発明者】
【氏名】竹中 一貴
【テーマコード(参考)】
2B121
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB27
2B121BB32
2B121EA21
2B121FA13
5G352AC02
5G367BB11
(57)【要約】
【課題】保持具及び鳥害防止用索条の設置作業の効率を向上できる鳥害防止用索条を提供する。
【解決手段】鳥害防止用索条1は、架空線2に沿って互いに間隔をおいて配置された複数の保持具3により、架空線2の上方に張架される鳥害防止用索条1であって、索条本体10と、索条本体10の延在方向10Aに互いに間隔をおいて索条本体10の外周面に設けられた複数のマーク11とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空線に沿って互いに間隔をおいて配置された複数の保持具により、前記架空線の上方に張架される鳥害防止用索条であって、
索条本体と、
前記索条本体の延在方向に互いに間隔をおいて前記索条本体の外周面に設けられた複数のマークと
を備える、
鳥害防止用索条。
【請求項2】
前記マークは、前記索条本体の周方向に係る一部に設けられている、
請求項1に記載の鳥害防止用索条。
【請求項3】
前記索条本体の延在方向に係る前記マークの延在幅は、20mm以上かつ100mm以下である、
請求項1又は請求項2に記載の鳥害防止用索条。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持具により例えば電力線又は通信線等の架空線の上方に張架される鳥害防止用索条に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記の特許文献1に示されているように、電力線又は通信線等の架空線に沿って互いに間隔をおいて配置された複数の保持具により、架空線の上方に鳥害防止用索条を張架することで、架空線への鳥類の飛来及び営巣などを防止することが行われている。一般に、保持具の配置間隔は、保持具及び鳥害防止用索条を設置する現場にてメジャー等の器具を用いて測定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-4609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように従来は、保持具及び鳥害防止用索条を設置する現場にてメジャー等の器具を用いて保持具の配置間隔を測定している。地上から離れた場所での測定作業は容易ではなく、保持具及び鳥害防止用索条の設置作業の効率が低くなっている。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、保持具及び鳥害防止用索条の設置作業の効率を向上できる鳥害防止用索条を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鳥害防止用索条は、架空線に沿って互いに間隔をおいて配置された複数の保持具により、架空線の上方に張架される鳥害防止用索条であって、索条本体と、索条本体の延在方向に互いに間隔をおいて索条本体の外周面に設けられた複数のマークとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の鳥害防止用索条によれば、索条本体の延在方向に互いに間隔をおいて索条本体の外周面に複数のマークが設けられているので、マークを参照して保持具により鳥害防止用索条を保持すべき間隔を把握することができる。これにより、保持具の配置間隔の測定作業を省略でき、保持具及び鳥害防止用索条の設置作業の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による鳥害防止用索条の使用状態を示す斜視図である。
図2図1の鳥害防止用索条の使用状態を示す側面図である。
図3図1の鳥害防止用索条を概略的に示す正面図である。
図4図3の鳥害防止用索条の一態様をより詳細に示す正面図である。
図5図4の鳥害防止用索条の背面図である。
図6図4の鳥害防止用索条の平面図である。
図7図4の鳥害防止用索条の底面図である。
図8図4の鳥害防止用索条の右側面図である。
図9図4の鳥害防止用索条の左側面図である。
図10図3の鳥害防止用索条の別の態様をより詳細に示す正面図である。
図11図10の鳥害防止用索条の背面図である。
図12図10の鳥害防止用索条の平面図である。
図13図10の鳥害防止用索条の底面図である。
図14図10の鳥害防止用索条の右側面図である。
図15図10の鳥害防止用索条の左側面図である。
図16図3の鳥害防止用索条のさらに別の態様をより詳細に示す正面図である。
図17図16の鳥害防止用索条の背面図である。
図18図16の鳥害防止用索条の平面図である。
図19図16の鳥害防止用索条の底面図である。
図20図16の鳥害防止用索条の右側面図である。
図21図16の鳥害防止用索条の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0010】
図1は本発明の実施の形態による鳥害防止用索条1の使用状態を示す斜視図であり、図2図1の鳥害防止用索条1の使用状態を示す側面図である。図1及び図2に示す鳥害防止用索条1は、架空線2に沿って互いに間隔をおいて配置された複数の保持具3により、架空線2の上方に張架されるライン状の鳥害防止具である。
【0011】
架空線2は、電柱等の構造物により空中に張り渡された線状部材である。架空線2は、例えば電力線又は通信線等であり得る。一般に、架空線2の上に鳥類が飛来したり営巣したりすることで、例えば架空線2の下等の架空線2の近傍に糞の落下等の害が及ぶことがある。架空線2の上方に鳥害防止用索条1が張架されることで、架空線2への鳥類の飛来及び営巣などが防止される。
【0012】
図示の例では、鳥害防止用索条1の直径は2mm程度であり、直径20mm程度の架空線2に比べて鳥害防止用索条1の上への鳥類の飛来が困難とされている。しかしながら、鳥害防止用索条1の直径は、これに限定されず、例えば0.5mm以上かつ4mm以下等とすることもできる。また、図示の例では、鳥害防止用索条1は、架空線2は、架空線2から80mm程度離れた架空線2の上方に配置されている。しかしながら、鳥害防止用索条1と架空線2との間の離間距離は、これに限定されず、例えば20mm以上かつ120mm以下等とすることもできる。
【0013】
保持具3は、架空線2に取り付けられて、架空線2の上方に鳥害防止用索条1を保持するための部材である。保持具3は、架空線2に沿って例えば4000mm等の間隔で配置され得る。
【0014】
保持具3は、架空線2を保持するための第1保持部30と、第1保持部30から上方に延出された延出部31と、延出部31の上部に設けられ架空線2を保持するための第2保持部32とを有している。図示の例では、架空線2の長さ方向2Aに沿う第2保持部32の幅は50mmとされている。
【0015】
次に、図3は、図1の鳥害防止用索条1を概略的に示す正面図である。図3の(a)~(f)に示すように、本実施の形態の鳥害防止用索条1は、ライン状の索条本体10と、索条本体10の延在方向10Aに互いに間隔をおいて索条本体10の外周面に設けられた複数のマーク11とを備えている。
【0016】
マーク11を参照することにより、図1に示すように保持具3により鳥害防止用索条1を保持すべき間隔を把握することができる。マーク11は、図1に示すようにマーク11の位置で保持具3により鳥害防止用索条1を保持することで保持具3を適切な間隔で配置できるように設けられ得る。
【0017】
本実施の形態のマーク11は、索条本体10の周方向に係る一部に設けられている。マーク11が周方向に係る一部に設けられていることで、架空線2の上方に鳥害防止用索条1を張架する際にマーク11を上方に(空に向かうように)配置することにより、地上から鳥害防止用索条1を見た際にマーク11が目に入ることを抑えることができる。また、マーク11が周方向に係る一部に設けられていることで、鳥害防止用索条1を張架する際に鳥害防止用索条1のねじれを防止することができる。本実施の形態の索条本体10の周方向に係るマーク11の延在幅は、索条本体10の半周とされている。しかしながら、周方向に係るマーク11の延在幅は、索条本体10の半周よりも狭くされていてもよいし広くされていてもよい。マーク11は、索条本体10の全周に設けられていてもよい。本実施の形態のマーク11の形状は、索条本体10の周方向及び延在方向10Aに延びる帯状とされている。しかしながら、マーク11は他の形状とされていてもよい。
【0018】
マーク11は、索条本体10の外周面に設けられた塗膜とすることができる。マーク11を構成する塗膜の色は、索条本体10の外周面と異なる色を有することができる。索条本体10の外周面が黒色であるとき、視認性を向上するため、マーク11を構成する塗膜は白色又は黄色とすることが好ましい。索条本体10の外周面にマーク11(塗膜)を設ける方法としては、例えばインクジェットプリント又はホットスタンプ等の任意の方法を採り得る。マーク11には、索条本体10の外周面に比べて耐候性が低い塗膜を用いることができる。ある程度の期間、野外の架空線2の上方に鳥害防止用索条1が張架された後に、マーク11を視認することを困難とすることができる。また、鳥害防止用索条1の使用期間を簡易的に把握するために、マーク11の濃さを基準として利用できる場合もある。
【0019】
図3の(a)~(f)に示すように、索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の延在幅11W及び間隔11Gは、任意に変更可能である。
【0020】
(a)におけるマーク11の延在幅11W(第1延在幅)は(b)における延在幅11W(第2延在幅)よりも狭く、その(b)における延在幅11Wは(c)における延在幅11W(第3延在幅)よりも狭い。例えば、第1延在幅は5mmであり、第2延在幅は50mmであり、第3延在幅は100mmであり得る。架空線2の長さ方向2Aに沿う保持具3の第2保持部32の幅が20mmであるとき、マーク11の延在幅11Wは、20mm以上かつ100mm以下であることが好ましい。20mm以上であることで第2保持部32により鳥害防止用索条1を保持する際の利便性を向上でき、100mm以下であることで鳥害防止用索条1の配置位置が大きくずれることを回避できる。
【0021】
(a)~(c)におけるマーク11の間隔11G(第1間隔)は、(d)~(f)における間隔11G(第2間隔)よりも狭い。例えば、第1間隔は500mmであり、第2間隔は1000mmであり得る。間隔11Gは、保持具3の配置間隔を自然数n(1以上の整数)で等分した数値とすることができる。保持具3の配置間隔によっては間隔11Gをより広くしてもよい。例えば、間隔11Gを2000mm、3000mm又は4000mmとしてもよい。
【0022】
次に、図4図3の鳥害防止用索条1の一態様をより詳細に示す正面図であり、図5図4の鳥害防止用索条1の背面図であり、図6図4の鳥害防止用索条1の平面図であり、図7図4の鳥害防止用索条1の底面図であり、図8図4の鳥害防止用索条1の右側面図であり、図9図4の鳥害防止用索条1の左側面図である。鳥害防止用索条1の意匠は図4図7(正面図、背面図、平面図及び底面図)において左右にのみ連続するものである。図8及び図9(右及び左側面図)には、鳥害防止用索条1の芯部と外皮とが表れている。図4等には外皮の外周面に付されたマーク11が表れている。
【0023】
図4図9に示す態様において、仮に索条本体10の直径が1.8mmであるとき、索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の延在幅11Wは5mmであり得る。図4図7における一点鎖線は、鳥害防止用索条1を中間省略して図示していることを表している。索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の間隔11Gに応じて省略部分の長さが変わる(仮に図4の鳥害防止用索条1の左端から右端までの長さが125mmとなるように鳥害防止用索条1を図示したとき、間隔11Gが500mmであるとき省略部分は図面上125mmであり、間隔11Gが1000mmであるとき省略部分は図面上375mmであり、間隔11Gが2000mmであるとき省略部分は図面上875mmであり、間隔11Gが3000mmであるとき省略部分は図面上1375mmであり、間隔11Gが4000mmであるとき省略部分は図面上1875mmであり得る)。
【0024】
次に、図10図3の鳥害防止用索条1の別の態様をより詳細に示す正面図であり、図11図10の鳥害防止用索条1の背面図であり、図12図10の鳥害防止用索条1の平面図であり、図13図10の鳥害防止用索条1の底面図であり、図14図10の鳥害防止用索条1の右側面図であり、図15図10の鳥害防止用索条1の左側面図である。鳥害防止用索条1の意匠は図10図13(正面図、背面図、平面図及び底面図)において左右にのみ連続するものである。図14及び図15(右及び左側面図)には、鳥害防止用索条1の芯部と外皮とが表れている。図10等には外皮の外周面に付されたマーク11が表れている。
【0025】
図10図15に示す態様において、仮に索条本体10の直径が1.8mmであるとき、索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の延在幅11Wは50mmであり得る。図10図13における一点鎖線は、鳥害防止用索条1を中間省略して図示していることを表している。索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の間隔11Gに応じて省略部分の長さが変わる(仮に図10の鳥害防止用索条1の左端から右端までの長さが125mmとなるように鳥害防止用索条1を図示したとき、間隔11Gが500mmであるとき省略部分は図面上125mmであり、間隔11Gが1000mmであるとき省略部分は図面上375mmであり、間隔11Gが2000mmであるとき省略部分は図面上875mmであり、間隔11Gが3000mmであるとき省略部分は図面上1375mmであり、間隔11Gが4000mmであるとき省略部分は図面上1875mmであり得る)。
【0026】
次に、図16図3の鳥害防止用索条1のさらに別の態様をより詳細に示す正面図であり、図17図16の鳥害防止用索条1の背面図であり、図18図16の鳥害防止用索条1の平面図であり、図19図16の鳥害防止用索条1の底面図であり、図20図16の鳥害防止用索条1の右側面図であり、図21図16の鳥害防止用索条1の左側面図である。鳥害防止用索条1の意匠は図16図19(正面図、背面図、平面図及び底面図)において左右にのみ連続するものである。図20及び図21(右及び左側面図)には、鳥害防止用索条1の芯部と外皮とが表れている。図16等には外皮の外周面に付されたマーク11が表れている。
【0027】
図16図21に示す態様において、仮に索条本体10の直径が1.8mmであるとき、索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の延在幅11Wは100mmであり得る。図16図19における一点鎖線は、鳥害防止用索条1を中間省略して図示していることを表している。索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の間隔11Gに応じて省略部分の長さが変わる(仮に図16の鳥害防止用索条1の左端から右端までの長さが125mmとなるように鳥害防止用索条1を図示したとき、間隔11Gが500mmであるとき省略部分は図面上125mmであり、間隔11Gが1000mmであるとき省略部分は図面上375mmであり、間隔11Gが2000mmであるとき省略部分は図面上875mmであり、間隔11Gが3000mmであるとき省略部分は図面上1375mmであり、間隔11Gが4000mmであるとき省略部分は図面上1875mmであり得る)。
【0028】
本実施の形態のような鳥害防止用索条1によれば、索条本体10の延在方向10Aに互いに間隔をおいて索条本体10の外周面に複数のマーク11が設けられているので、マーク11を参照して保持具3により鳥害防止用索条1を保持すべき間隔を把握することができる。これにより、保持具3の配置間隔の測定作業を省略でき、保持具3及び鳥害防止用索条1の設置作業の効率を向上できる。
【0029】
また、索条本体10の周方向に係る一部にマーク11が設けられているので、地上から鳥害防止用索条1を見た際にマーク11が目に入ることを抑えることができる。また、鳥害防止用索条1を張架する際に鳥害防止用索条1のねじれを防止することができる。
【0030】
また、索条本体10の延在方向10Aに係るマーク11の延在幅11Wが20mm以上かつ100mm以下であるので、第2保持部32により鳥害防止用索条1を保持する際の利便性を向上できるとともに、鳥害防止用索条1の配置位置が大きくずれることを回避できる。
【符号の説明】
【0031】
1 :鳥害防止用索条
2 :架空線
3 :保持具
10 :索条本体
11 :マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21