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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032929
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】プッシュスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/06 20060101AFI20230302BHJP
   H01H 13/48 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H01H1/06 J
H01H13/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139307
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森尾 健一
【テーマコード(参考)】
5G051
5G206
【Fターム(参考)】
5G051AA07
5G206AS11F
5G206AS18F
5G206CS11K
5G206DS02H
5G206ES04N
5G206ES04P
5G206FS32K
5G206FU03
5G206GS02
5G206GS21
5G206KS15
5G206KS37
5G206KS42
5G206KS53
(57)【要約】
【課題】本開示は、可動接点体に掛かる負荷を低減させることを目的とする。
【解決手段】プッシュスイッチ1は、ケース5と、第1金属部材6と、可動接点体4と、第2金属部材7と、を備える。第2金属部材7は、本体部70と、第1端部71と、第2端部71sと、第1中間部73と、第2中間部73sと、第1連結部72と、第2連結部74と、第3連結部72sと、第4連結部74sと、を含む。第1中間部73の上面730は、第1端部71の上面710及び本体部70の上面700より下方に位置する。第2中間部73sの上面730sは、第2端部71sの上面710s及び本体部70の上面700より下方に位置する。第1連結部72、第2連結部74、第3連結部72s、及び第4連結部74sは、ケース5に覆い隠されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口する凹部を有する樹脂製のケースと、
前記ケースに埋設され、前記凹部の底面から露出した固定接点部を有する第1金属部材と、
前記固定接点部に対向する可動接点部を有し、前記第1金属部材の上方に設けられた導電性を有する可動接点体と、
前記ケースに埋設された第2金属部材と、を備え、
前記ケースは、前記凹部内にそれぞれ設けられた第1台座部と、第2台座部と、を有し、
前記第1台座部の上面と前記第2台座部の上面とは、前記固定接点部より上方に位置し、かつ、前記凹部の底面より上方に位置し、
前記第2金属部材は、
本体部と、
第1端部と、
第2端部と、
前記本体部と前記第1端部との間に位置する第1中間部と、
前記本体部と前記第2端部との間に位置する第2中間部と、
前記第1端部と前記第1中間部とを連結する第1連結部と、
前記第1中間部と前記本体部とを連結する第2連結部と、
前記第2端部と前記第2中間部とを連結する第3連結部と、
前記第2中間部と前記本体部とを連結する第4連結部と、を含み、
前記第1端部と前記第2端部は、前記第1台座部の前記上面に露出し前記可動接点体に接触するように、前記第1台座部に設けられ、
前記本体部は、前記第2台座部の前記上面に露出し前記可動接点体に接触するように、前記第2台座部に設けられ、
前記可動接点体は、前記可動接点部を前記固定接点部に接触させる形状と、前記可動接点部を前記固定接点部から離す形状とに変形可能であり、
前記第1中間部の上面は、前記第1端部の上面及び前記本体部の上面より下方に位置し、
前記第2中間部の上面は、前記第2端部の上面及び前記本体部の前記上面より下方に位置し、
上方から見て、前記固定接点部は、前記第1中間部と前記第2中間部との間に位置し、
前記第1連結部、前記第2連結部、前記第3連結部、及び前記第4連結部は、前記ケースに覆い隠されている、
プッシュスイッチ。
【請求項2】
前記第2金属部材の前記第1中間部の少なくとも一部及び前記第2金属部材の前記第2中間部の少なくとも一部は、前記凹部の前記底面に露出している、
請求項1に記載のプッシュスイッチ。
【請求項3】
前記第2金属部材の前記第1中間部及び前記第2金属部材の前記第2中間部は、前記ケースに覆い隠されている、
請求項1に記載のプッシュスイッチ。
【請求項4】
前記第1端部の前記上面、前記第2端部の前記上面、及び、前記第1台座部の前記上面は、面一である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のプッシュスイッチ。
【請求項5】
前記第1端部は、前記第1台座部の前記上面よりも上方に突出する突出部を含み、
前記第2端部は、前記第1台座部の前記上面よりも上方に突出する突出部を含み、
前記可動接点体は、前記第1端部の前記突出部と前記第2端部の前記突出部とに接している、
請求項1~3のいずれか一項に記載のプッシュスイッチ。
【請求項6】
前記固定接点部の上面は、前記凹部の前記底面よりも上方に位置した、
請求項1~5のいずれか一項に記載のプッシュスイッチ。
【請求項7】
前記可動接点体のうち前記第1端部に接触する第1位置と、前記可動接点体のうち前記第2端部に接触する第2位置との間の距離は、前記可動接点体のうち前記本体部と接触する第3位置と前記第2位置との間の距離より短い、
請求項1~6のいずれか一項に記載のプッシュスイッチ。
【請求項8】
前記可動接点体の上方に配置された押圧体を更に備え、
上方から見て、前記押圧体の全体が、前記固定接点部に重なる、
請求項1~7のいずれか一項に記載のプッシュスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にプッシュスイッチに関し、より詳細には、樹脂製のケースを備えるプッシュスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のプッシュスイッチは、固定接点部と、可動接点部と、を備える。可動接点部は、固定接点部の接触面に接触する第1の位置と、接触面から離れる第2の位置との間を移動可能である。固定接点部は、接触面を複数の領域に分割する溝部を有する。溝部の開口周縁と溝部の底とを連結する連結面が、接触面に対する傾斜角度が鋭角となる傾斜部を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/044725号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプッシュスイッチでは、可動接点部(可動接点体)が固定接点部に接触する第1の位置へ移動するとき、可動接点部の変形により、可動接点部の外周縁部が、不必要に、他の構成と接触する可能性があった。これにより、可動接点部に負荷が掛かり、可動接点部の劣化又は破損等の原因となるおそれがあった。
【0005】
本開示は、可動接点体に掛かる負荷を低減させることができるプッシュスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプッシュスイッチは、ケースと、第1金属部材と、可動接点体と、第2金属部材と、を備える。前記ケースは、上方が開口する凹部を有する。前記ケースは、樹脂製である。前記第1金属部材は、前記ケースに埋設されている。前記第1金属部材は、前記凹部の底面から露出した固定接点部を有する。前記可動接点体は、前記固定接点部に対向する可動接点部を有する。前記可動接点体は、前記第1金属部材の上方に設けられている。前記可動接点体は、導電性を有する。前記第2金属部材は、前記ケースに埋設されている。前記ケースは、第1台座部と、第2台座部と、を有する。前記第1台座部及び前記第2台座部はそれぞれ、前記凹部内に設けられている。前記第1台座部の上面と前記第2台座部の上面とは、前記固定接点部より上方に位置し、かつ、前記凹部の底面より上方に位置する。前記第2金属部材は、本体部と、第1端部と、第2端部と、前記本体部と前記第1端部との間に位置する第1中間部と、前記本体部と前記第2端部との間に位置する第2中間部と、前記第1端部と前記第1中間部とを連結する第1連結部と、前記第1中間部と前記本体部とを連結する第2連結部と、前記第2端部と前記第2中間部とを連結する第3連結部と、前記第2中間部と前記本体部とを連結する第4連結部と、を含む。前記第1端部と前記第2端部とは、前記第1台座部の前記上面に露出し前記可動接点体に接触するように、前記第1台座部に設けられている。前記本体部は、前記第2台座部の前記上面に露出し前記可動接点体に接触するように、前記第2台座部に設けられている。前記可動接点体は、前記可動接点部を前記固定接点部に接触させる形状と、前記可動接点部を前記固定接点部から離す形状とに変形可能である。前記第1中間部の上面は、前記第1端部の上面及び前記本体部の上面より下方に位置する。前記第2中間部の上面は、前記第2端部の上面及び前記本体部の前記上面より下方に位置する。上方から見て、前記固定接点部は、前記第1中間部と前記第2中間部との間に位置する。前記第1連結部、前記第2連結部、前記第3連結部、及び前記第4連結部は、前記ケースに覆い隠されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、可動接点体に掛かる負荷を低減させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るプッシュスイッチの分解斜視図である。
図2図2は、同上のプッシュスイッチの保護シート、押圧体及び可動接点体を外した状態の斜視図である。
図3図3は、同上のプッシュスイッチの保護シート、押圧体及び可動接点体を外した状態の平面図である。
図4図4は、同上のプッシュスイッチの平面図である。
図5図5は、同上のプッシュスイッチの斜視図である。
図6図6は、同上のプッシュスイッチの非操作状態を示す、図4のVI-VI線に対応する断面図である。
図7図7は、同上のプッシュスイッチの操作状態を示す、図4のVI-VI線に対応する断面図である。
図8図8は、同上のプッシュスイッチの要部の断面図である。
図9図9は、変形例1に係るプッシュスイッチの要部の断面図である。
図10図10は、変形例2に係るプッシュスイッチの保護シート、押圧体及び可動接点体を外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係るプッシュスイッチについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
(概要)
図1図2に示すように、本実施形態のプッシュスイッチ1は、可動接点体4と、固定接点部61と、を有する。プッシュスイッチ1の所定箇所(押圧部22)が押されていないときは、可動接点体4が固定接点部61から離れている(図6参照)。上記所定箇所が押されることで、可動接点体4が変形して、固定接点部61に接触する(図7参照)。
【0011】
プッシュスイッチ1は、例えば携帯情報端末、車載機器及び家電機器等の各種の機器の操作部に用いられる。プッシュスイッチ1は、例えばプリント基板に実装された状態で機器の筐体内に内蔵される。この場合、筐体においてプッシュスイッチ1に対応する位置には例えば操作釦が配置される。ユーザが操作釦を押すことによって、プッシュスイッチ1の上記所定箇所が操作釦を介して押される。
【0012】
図1図2に示すように、本実施形態のプッシュスイッチ1は、ケース5と、第1金属部材6と、可動接点体4と、第2金属部材7と、を備える。ケース5は、上方が開口する凹部50を有する。ケース5は、樹脂製である。第1金属部材6は、ケース5に埋設されている。第1金属部材6は、凹部50の底面500から露出した固定接点部61を有する。可動接点体4は、固定接点部61に対向する可動接点部400を有する。可動接点体4は、第1金属部材6の上方に設けられている。可動接点体4は、導電性を有する。第2金属部材7は、ケース5に埋設されている。ケース5は、第1台座部51と、第2台座部52と、を有する。第1台座部51及び第2台座部52はそれぞれ、凹部50内に設けられている。第1台座部51の上面510と第2台座部52の上面520とは、固定接点部61より上方に位置し、かつ、凹部50の底面500より上方に位置する。第2金属部材7は、本体部70と、第1端部71と、第2端部71sと、本体部70と第1端部71との間に位置する第1中間部73と、本体部70と第2端部71sとの間に位置する第2中間部73sと、第1端部71と第1中間部73とを連結する第1連結部72と、第1中間部73と本体部70とを連結する第2連結部74と、第2端部71sと第2中間部73sとを連結する第3連結部72sと、第2中間部73sと本体部70とを連結する第4連結部74sと、を含む。第1端部71と第2端部71sとは、第1台座部51の上面510に露出し可動接点体4に接触するように、第1台座部51に設けられている。本体部70は、第2台座部52の上面520に露出し可動接点体4に接触するように、第2台座部52に設けられている。可動接点体4は、可動接点部400を固定接点部61に接触させる形状と、可動接点部400を固定接点部61から離す形状とに変形可能である。第1中間部73の上面730は、第1端部71の上面710及び本体部70の上面700より下方に位置する。第2中間部73sの上面730sは、第2端部71sの上面710s及び本体部70の上面700より下方に位置する。上方から見て、固定接点部61は、第1中間部73と第2中間部73sとの間に位置する。第1連結部72、第2連結部74、第3連結部72s、及び第4連結部74sは、ケース5に覆い隠されている。
【0013】
本実施形態によれば、第1中間部73の上面730は第1端部71の上面710及び本体部70の上面700より下方に位置し、第2中間部73sの上面730sは第2端部71sの上面710s及び本体部70の上面700より下方に位置する。つまり、第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sは、比較的下方に位置する。そのため、可動接点体4が可動接点部400を固定接点部61に接触させる形状(以下、“操作形状”と称す)に変化したとき、可動接点体4が第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sに接触する可能性を低減できる。これにより、可動接点体4にかかる負荷(応力)を低減できる。
【0014】
また、第1端部71が設けられた第1台座部51の上面510と、第2端部71sが設けられた第2台座部52の上面520とは、ケース5の凹部50の底面500より上方に位置する。そのため、第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sのうち少なくとも一方が、ケース5のうち底面500の一部を構成する部位により覆われている場合には、操作形状の可動接点体4が当該部位に接触する可能性を低減できる。よって、この場合も同様に、可動接点体4にかかる負荷(応力)を低減できる。
【0015】
(詳細)
(1)全体構成
図1に示すように、プッシュスイッチ1は、ケース5と、第1金属部材6と、可動接点体4と、第2金属部材7と、に加えて、保護シート2と、押圧体3と、を更に備える。ケース5と、第1金属部材6と、第2金属部材7とは、一体成形(インサート成形)されている。ケース5に可動接点体4と保護シート2と押圧体3とが組み合わさって、プッシュスイッチ1が構成されている。
【0016】
本開示では、可動接点部400から見て固定接点部61が設けられた側を下と規定し、固定接点部61から見て可動接点部400が設けられた側を上と規定する。また、第1中間部73から見て第2中間部73sが設けられた側を前と規定し、第2中間部73sから見て第1中間部73が設けられた側を後ろと規定する。また、第1台座部51から見て第2台座部52が設けられた側を左と規定し、第2台座部52から見て第1台座部51が設けられた側を右と規定する。ただし、これらの規定は、プッシュスイッチ1の使用方向を限定する趣旨ではない。例えば、本開示で言う「上」が、下、前、後、左又は右となる向きで、プッシュスイッチ1が使用されてもよい。
【0017】
(2)ケース
ケース5の材料は、合成樹脂である。図1図3に示すように、ケース5は、第1台座部51と、第2台座部52と、ケース本体53と、周壁部54と、を有する。
【0018】
ケース5の各構成に関して、“上面”とは、ケース5が第1金属部材6及び第2金属部材7と(一体成形により)組み合わさった状態において上方へ露出している面に限られ、ケース5のうち、第1金属部材6又は第2金属部材7により覆われた面は含まない。
【0019】
ケース本体53の形状は、直方体状である。ケース本体53の上下方向の長さ(厚さ)は、前後方向及び左右方向の長さと比較して小さい。
【0020】
周壁部54は、ケース本体53から上方に突出している。上から見て、周壁部54の形状は、長円状である。ケース5は、周壁部54の上面から下方に窪んだ凹部50を有している。凹部50の底面500は、ケース本体53の上面530よりも下方に位置する。凹部50の底面500からは、固定接点部61が露出している。底面500は、平面状である。
【0021】
第1台座部51及び第2台座部52は、凹部50内に設けられている。ここで、凹部50の底面500とは、第1台座部51の表面(上面510等)及び第2台座部52の表面(上面520等)は含まない。つまり、第1台座部51及び第2台座部52は、凹部50の底面500から上方に突出している。底面500に対する第1台座部51及び第2台座部52の突出量は、互いに等しい。また、凹部50の底面500とは、ケース5が第1金属部材6及び第2金属部材7と(一体成形により)組み合わさった状態において上方へ露出している面に限られ、第1金属部材6又は第2金属部材7により覆われた面は含まない。一方、凹部50の底面500とは、第1台座部51及び第2台座部52以外の箇所において第1金属部材6又は第2金属部材7を覆っている部位の上面は含む。
【0022】
第1台座部51の上面510及び第2台座部52の上面520は、周壁部54の上面540よりも下方に位置する。また、第1台座部51の上面510及び第2台座部52の上面520は、固定接点部61の上面610及び凹部50の底面500よりも上方に位置する。上面510、520は、互いに同じ高さにある。言い換えると、上面510、520は、上下方向において同じ位置にある。上面510、520はそれぞれ、平面状である。上面510は、少なくとも、第1端部71と第2端部71sとの間の領域を含む。
【0023】
第1台座部51は、凹部50の右端に設けられている。第2台座部52は、凹部50の左端に設けられている。また、第1台座部51は、固定接点部61の右方に設けられている。第2台座部52は、固定接点部61の左方に設けられている。
【0024】
上から見て、第1台座部51及び第2台座部52の各々の形状は、円弧状である。上から見て、第1台座部51及び第2台座部52の各々は、凹部50の側面に沿った形状に形成されている。第1台座部51及び第2台座部52の各々において、前後方向の長さは、左右方向の長さよりも長い。
【0025】
第1台座部51の前端部及び後端部は、第1台座部51における他の部位よりも左に突出している。前後方向における第1台座部51の中心部の左側面は、第1台座部51における他の部位よりも右に窪んでいる。
【0026】
第2台座部52の前端部及び後端部は、第2台座部52における他の部位よりも右に突出している。前後方向における第2台座部52の中心部の右側面は、第2台座部52における他の部位よりも左に窪んでいる。
【0027】
(3)第1金属部材
第1金属部材6の材料は、例えば、銅又は銅合金である。また、第1金属部材6は、銅又は銅合金等の母材の表面に、銀(Ag)メッキ等を含む導電層が設けられることで形成されていてもよい。図1図3に示すように、第1金属部材6は、固定接点部61と、包囲部62と、延長部63と、端子64と、端子65と、を有する。
【0028】
第1金属部材6の各構成に関して、“上面”とは、ケース5が第1金属部材6と(一体成形により)組み合わさった状態において上方へ露出している面に限られ、第1金属部材6のうち、ケース5の一部により覆われた面は含まない。
【0029】
固定接点部61は、凹部50の底面500に露出している。上から見て、固定接点部61の形状は、円状である。固定接点部61の上面610には、十字形の溝が形成されている。なお、固定接点部61の上面610とは、この溝の底面を含まない。
【0030】
固定接点部61の上面610は、凹部50の底面500よりも上方に位置している。また、上面610は、第1台座部51の上面510及び第2台座部52の上面520よりも下方に位置している。
【0031】
上から見て、包囲部62の形状は、環状である。包囲部62は、固定接点部61につながっている。包囲部62は、上から見て固定接点部61を囲むように設けられている。包囲部62の上面620は、固定接点部61の上面610よりも下方に位置している。包囲部62の上面620は、凹部50の底面500と面一である。上面620は、平面状である。
【0032】
延長部63は、包囲部62から右方に延びている。延長部63の一部は、第1台座部51の下方に埋め込まれ、第1台座部51により覆い隠されている。延長部63は、端子64及び端子65につながっている。
【0033】
端子64及び端子65は、ケース5の右端部に設けられている。上から見て、端子64及び端子65は、ケース5の外へ突出している。また、端子64及び端子65は、ケース5の下面に露出している。
【0034】
(4)第2金属部材
第2金属部材7の材料は、例えば、銅又は銅合金である。また、第2金属部材7は、銅又は銅合金等の母材の表面に、銀(Ag)メッキ等を含む導電層が設けられることで形成されていてもよい。図1図3に示すように、第2金属部材7は、本体部70と、第1端部71と、第2端部71sと、第1連結部72と、第2連結部74と、第1中間部73と、第2中間部73sと、第3連結部72sと、第4連結部74sと、端子75と、端子75sと、を有する。
【0035】
第2金属部材7の各構成に関して、“上面”とは、ケース5が第2金属部材7と(一体成形により)組み合わさった状態において上方へ露出している面に限られ、第2金属部材7のうち、ケース5の一部により覆われた面は含まない。
【0036】
本体部70は、第2台座部52の上面520に露出している。本体部70の上面700は、平面状である。本体部70の上面700は、第2台座部52の上面520と面一である。本体部70は、前後方向の長さが左右方向の長さよりも長い。本体部70の一部は、ケース5の周壁部54の下方に埋め込まれ、周壁部54により覆い隠されている。
【0037】
第1端部71及び第2端部71sは、第1台座部51の上面510に露出している。第1端部71の上面710及び第2端部71sの上面710sはそれぞれ、平面状である。第1端部71の上面710、第2端部71sの上面710s、及び、第1台座部51の上面510は、面一である。第1端部71及び第2端部71sは、本体部70と比較して、前後方向の長さが短い。第1端部71は、前後方向における第1台座部51の中心よりも後方に位置している。第2端部71sは、前後方向における第1台座部51の中心よりも前方に位置している。第1端部71の一部及び第2端部71sの一部は、ケース5の周壁部54の下方に埋め込まれ、周壁部54により覆い隠されている。
【0038】
第1中間部73の少なくとも一部及び第2中間部73sの少なくとも一部は、凹部50の底面500に露出している。第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sはそれぞれ、平面状である。第1中間部73の上面730、第2中間部73sの上面730s、及び、凹部50の底面500は、面一である。つまり、第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sは、第1端部71の上面730、第2端部71sの上面710s、及び、本体部70の上面700よりも下方に位置している。第1中間部73及び第2中間部73sは、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長い。第1中間部73は固定接点部61の後方に位置している。第2中間部73sは固定接点部61の前方に位置している。第1中間部73の一部及び第2中間部73sの一部は、ケース5の周壁部54の下方に埋め込まれ、周壁部54により覆い隠されている。
【0039】
図8に、プッシュスイッチ1のうち第1連結部72を含む部位の断面を図示する。このように、第1連結部72は、第1端部71と第1中間部73とを連結している。より詳細には、第1端部71の上面710が第1中間部73の上面730よりも上方に位置しており、この2つの上面のギャップを埋めるように、第1連結部72は上下方向に長さを有している。第2金属部材7は一枚の板金を材料として、打ち抜き加工及び曲げ加工等により製造される。製造工程において、第1端部71と第1中間部73との間の2箇所を折り曲げることで、第1端部71の上面710と第1中間部73の上面730との上下方向の位置の違いが設けられる。第1連結部72は、第1端部71と第1中間部73との間の折り曲げられた2箇所の間の部位に相当する。なお、第2連結部74、第3連結部72s及び第4連結部74sも、第1連結部72と同様の形状であり、同様の工程により製造される。
【0040】
図1に示すように、第2連結部74は、第1中間部73と本体部70とを連結している。より詳細には、本体部70の上面700が第1中間部73の上面730よりも上方に位置しており、この2つの上面のギャップを埋めるように、第2連結部74は上下方向に長さを有している。
【0041】
第3連結部72sは、第2端部71sと第2中間部73sとを連結している。より詳細には、第2端部71sの上面710sが第2中間部73sの上面730sよりも上方に位置しており、この2つの上面のギャップを埋めるように、第3連結部72sは上下方向に長さを有している。
【0042】
第4連結部74sは、第2中間部73sと本体部70とを連結している。より詳細には、本体部70の上面700が第2中間部73sの上面730sよりも上方に位置しており、この2つの上面のギャップを埋めるように、第4連結部74sは上下方向に長さを有している。
【0043】
また、第1連結部72、第2連結部74、第3連結部72s及び第4連結部74sは、ケース5に覆い隠されている。第1連結部72、第2連結部74、第3連結部72s及び第4連結部74sは、少なくとも、上から見て露出しないようにケース5に埋め込まれていればよい。本実施形態では、第1連結部72、第2連結部74、第3連結部72s及び第4連結部74sは、いずれの方向へも露出しないように、ケース5に埋め込まれている。第1連結部72及び第3連結部72sは、第1台座部51の一部により覆い隠されており、第2連結部74及び第4連結部74sは、第2台座部52の一部により覆い隠されている。
【0044】
端子75及び端子75sは、本体部70につながっている。端子75及び端子75sは、ケース5の左端部に設けられている。上から見て、端子75及び端子75sは、ケース5の外へ突出している。また、端子75及び端子75sは、ケース5の下面に露出している。
【0045】
端子75、端子75s、及び、第1金属部材6の端子64、端子65は、例えばプリント基板上の導電部材に対してはんだ付けにより機械的に結合及び電気的に接続される。
【0046】
(5)可動接点体
図1図6に示すように、可動接点体4は、3つの板ばね40を有する。各板ばね40は、弾性を有する。板ばね40は、例えば、ステンレス(SUS)等の金属板にて構成されている。可動接点体4は、略同一形状の3つの板ばね40を重ね合わせて構成されている。最も下段の板ばね40は、その下面に、固定接点部61に対向する部位を含む。当該部位が、可動接点部400に相当する。
【0047】
可動接点体4は、導電性を有する。より詳細には、最も下段の板ばね40の下面に、例えば、金めっき又は銀めっき等により、導電性を有する導電膜が形成されている。
【0048】
なお、板ばね40の個数は、3つに限定されず、1つ、2つ、又は、4つ以上であってもよい。
【0049】
可動接点体4は、凹部50内に配置されている。可動接点体4は、第1金属部材6の上方に設けられている。上から見て、可動接点体4の形状は、長円状である。可動接点体4は、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長い。可動接点体4は、凹部50の側面に沿った形状に形成されている。
【0050】
可動接点体4の右端部は、第1台座部51の上面510に対向している。可動接点体4の右端部は、第1端部71の上面710及び第2端部71sの上面710sに接触している。これにより、第1端部71及び第2端部71sが、可動接点体4と電気的に接続している。また、これにより、可動接点体4の右端部が支持されている。
【0051】
可動接点体4の左端部は、第2台座部52の上面520に対向している。可動接点体4の左端部は、本体部70の上面700に接触している。これにより、本体部70が、可動接点体4と電気的に接続している。また、これにより、可動接点体4の左端部が支持されている。本体部70は、例えば、ケース5を左右に2等分する線分に対して第1端部71及び第2端部71sと対称な2箇所で、可動接点体4を支持している。
【0052】
図1図3に示すように、可動接点体4のうち第1端部71に接触する第1位置P1と、可動接点体4のうち第2端部71sに接触する第2位置P2との間の距離L1は、第3位置P3と第2位置P2との間の距離L2より短い。第3位置P3は、可動接点体4のうち本体部70と接触する位置である。ここでは、距離L2は、距離L1に相当する線分と直交する方向(左右方向)にて測定される距離とした。また、可動接点体4のうち本体部70と接触する位置は、第3位置P3と、第4位置P4と、があり、第3位置P3と第2位置P2との間の距離L2は、第4位置P4と第2位置P2との間の距離よりも短い。
【0053】
可動接点体4が上から押された場合に、可動接点体4は、第1位置P1及び第2位置P2と、第3位置P3及び第4位置P4と、を支点として変形する。ここで、第2位置P2と第3位置P3との間の距離L2が比較的長いので、可動接点体4の変形量は比較的大きくなる。よって、可動接点部400の移動量が比較的大きくなる。
【0054】
プッシュスイッチ1に操作がされていないとき、可動接点体4は、固定接点部61と対向する中央部が頂点となるように、ドーム状となる(図6参照)。可動接点体4のうち中央部から離れた部位ほど、下方に位置する。このように、可動接点体4は、上に凸のドーム状に形成されている。可動接点体4が上から押されることで、可動接点体4の中央部が下に凸のドーム状となる(図7参照)。つまり、可動接点体4は、可動接点部400を固定接点部61に接触させる形状(図7参照)と、可動接点部400を固定接点部61から離す形状(図6参照)とに変形可能である。
【0055】
可動接点体4の後端部は、第1中間部73の上面730に対向している。可動接点体4の前端部は、第2中間部73sの上面730sに対向している。
【0056】
(6)保護シート及び押圧体
図1図4図5に示すように、保護シート2は、接合部21と、押圧部22と、中間部23と、を有する。保護シート2は、可撓性を有する合成樹脂製のシートである。保護シート2は、接合部21にてケース5の周壁部54に接合されている。保護シート2は、凹部50の全体を覆っている。これにより、保護シート2は、凹部50内を密閉状態としている。
【0057】
接合部21は、保護シート2の周縁部に相当する。押圧部22は、保護シート2の中央部に相当する、上から見て円状の部位である。中間部23は、押圧部22と接合部21との間の部位である。押圧部22は、中間部23に対して上方に突出している。
【0058】
押圧体3は、保護シート2の押圧部22と可動接点体4との間に配置されている。押圧体3は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。押圧体3の形状は、上下方向に扁平な円盤状である。押圧体3は、押圧体3の下面を可動接点体4に接触させた状態で、可動接点体4の上方に配置されている。押圧体3の上面は、例えばレーザ溶着によって保護シート2の押圧部22に接合されている。
【0059】
押圧体3は、保護シート2の押圧部22に加わる操作力を可動接点体4に伝達する。操作力は、具体的には、上から押す力である。押圧部22に上方から操作力が作用すると、この操作力は押圧体3を介して可動接点体4に伝達される。したがって、押圧部22が押されることによって、可動接点体4が押圧体3を介して間接的に操作され、図7のように変形する。押圧体3の外形は円盤状に限らず、例えば漏斗状等でもよい。
【0060】
押圧体3は、可動接点体4の上方に配置されている。ここで、上方から見て、押圧体3の全体が、固定接点部61に重なるように、押圧体3の寸法が設定されていてもよい。例えば、上から見た押圧体3の形状は、図3に1点鎖線D1で示す円形状であってもよい。この構成によれば、押圧体3から操作力を受けて可動接点体4が固定接点部61に接触するとき、上から見て固定接点部61の外側となる部位で、可動接点体4に過大なせん断応力が加わる可能性を低減できる。
【0061】
上方から見て、押圧体3の全体が、固定接点部61に重なるとは、押圧体3の外縁が固定接点部61の外縁と一致する場合も含む。
【0062】
(7)プッシュスイッチの動作
可動接点部400と固定接点部61とは接点部を構成する。可動接点体4に操作力が作用し可動接点体4が変形することにより、接点部がオフからオンに切り替わる。具体的には、可動接点体4に操作力が作用していない状態では、可動接点部400が固定接点部61から離れているため、接点部はオフである。このとき、第1金属部材6と第2金属部材7とは電気的に絶縁されているため、端子64、65のペアと端子75、75sのペアとの間は非導通となる。一方、可動接点体4に操作力が作用して可動接点部400が固定接点部61に接触すると、接点部はオンになる。このとき、第1金属部材6と第2金属部材7とは可動接点体4を介して電気的に接続されるため、端子64、65のペアと端子75、75sのペアとの間が導通する。
【0063】
また、接点部がオフからオンに切り替わる過程で、可動接点体4に作用する操作力の大きさが所定値を超えると、可動接点体4は勢いよく座屈して変形する。このとき、可動接点体4の弾性力が急激に変化する。このような可動接点体4のいわゆる反転動作によって、可動接点体4は、図7に示すように、中央部が下向きに凸となるように湾曲したドーム状に変形する。したがって、プッシュスイッチ1を押操作するユーザ(操作者)には、可動接点体4の変形に伴って節度感(クリック感)が与えられる。
【0064】
一方、可動接点体4が下向きに凸となるドーム状等に変形した状態で、可動接点体4に作用する操作力が無くなると、可動接点体4は、可動接点体4の復元力によって中央部が上方に凸となるように湾曲したドーム状に復元(変形)する(図6参照)。このとき、可動接点体4の弾性力が急激に変化するため、可動接点体4は、元の形状(中央部が上方に凸となるドーム状)に、勢いよく復元(変形)する。したがって、プッシュスイッチ1を押操作するユーザ(操作者)には、押操作の解除時においても、可動接点体4の変形に伴って節度感(クリック感)が与えられる。
【0065】
(8)利点
可動接点体4に操作力が作用して、下向きに凸となるドーム状に変形する際、可動接点体4の下面が下方に移動するため、可動接点体4と、第2金属部材7の第1中間部73及び第2中間部73sとが接触することが懸念される。ただし、本実施形態のプッシュスイッチ1では、このような懸念が従来のプッシュスイッチと比較して小さい。これについて、以下で詳細に説明する。
【0066】
従来のプッシュスイッチでは、第1中間部73及び第2中間部73sに相当する構成が、第1端部71及び第2端部71sに相当する構成に対して、上下方向における同じ位置(高さ)に設けられていた。そして、可動接点体4の変形量が大きい場合、可動接点体4が、第1中間部73及び第2中間部73sの少なくとも一方に相当する構成に接触する懸念があった。これらが接触することで、可動接点体4に負荷が掛かり、可動接点体4の寿命が短くなる可能性があった。また、第2金属部材7のうち第1中間部73及び第2中間部73sの少なくとも一方に相当する構成が、可動接点体4に接触することで削れ(つまり、摩耗し)、第2金属部材7の削れ粉が生じる可能性があった。ここでいう“削れ粉”は、第2金属部材7等の部材の一部が削れて生じる粉状体である。ただし、削れ粉は第2金属部材7等の金属部材に限らず、例えば合成樹脂製のケース5の一部が削れて生じる粉状体も、削れ粉と呼ぶ。削れ粉が固定接点部61に付着して、固定接点部61と可動接点部400との間に介在すると、可動接点体4の動きが削れ粉に阻害されたり、固定接点部61と可動接点部400との間の導通不良が生じたりする可能性がある。
【0067】
これに対して、本実施形態のプッシュスイッチ1では、第1中間部73の上面730は第1端部71の上面710及び本体部70の上面700より下方に位置し、第2中間部73sの上面730sは第2端部71sの上面710s及び本体部70の上面700より下方に位置する。そのため、可動接点体4が可動接点部400を固定接点部61に接触させる形状に変化したとき、可動接点体4が第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sに接触する可能性を低減できる。よって、プッシュスイッチ1の寿命が短くなることを抑制し、また、プッシュスイッチ1に不良が生じる可能性を低減できる。また、プッシュスイッチ1のストロークが比較的長くても、可動接点体4が第1中間部73の上面730及び第2中間部73sの上面730sに接触することを抑制できるので、ストロークを長くすることができる。プッシュスイッチ1のストロークとは、可動接点部400が固定接点部61から離れた状態から接触した状態になるとき、又は、可動接点部400が固定接点部61に接触した状態から離れた状態になるときの、押圧体3の移動量である。
【0068】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、可動接点体4が第2金属部材7の第1端部71、第2端部71s及び本体部70に支持されている。そのため、樹脂製のケース5の第1台座部51及び第2台座部52のみにより支持されている場合と比較して、削れ粉が生じにくい。つまり、樹脂製のケース5よりも、樹脂と比較して硬い金属製の第2金属部材7の方が、削られて削れ粉が生じる可能性が低い。よって、削れ粉に起因する不良を低減できる。
【0069】
(変形例1)
以下、変形例1に係るプッシュスイッチ1Aについて、図9を用いて説明する。上述の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
本変形例1では、ケース5は被覆部55(以下、“第1被覆部”とも称す)を更に有している。被覆部55は、第1中間部73を上から覆っている。つまり、第1中間部73の上面730は、凹部50の底面500から露出していない。
【0071】
また、ケース5はもう1つの被覆部55(以下、“第2被覆部”と称す)を更に有していてもよい。第2被覆部は、第2中間部73s(図1参照)を上から覆っている。つまり、第2中間部73sの上面730sは、凹部50の底面500から露出していない。
【0072】
ここで、凹部50の底面500は、第1被覆部の上面及び第2被覆部の上面を含んでいる。第1被覆部の上面及び第2被覆部の上面は、底面500のうち他の領域と面一であることが好ましい。つまり、実施形態と比較すると、本変形例1では、凹部50の底面500が第1中間部73及び第2中間部73sの上方にまで延びている。
【0073】
上記のように、本変形例1において、第2金属部材7の第1中間部73及び第2金属部材7の第2中間部73sは、ケース5に覆い隠されている。第1中間部73及び第2中間部73sは、少なくとも、上から見て露出しないようにケース5に埋め込まれていればよい。本変形例1では、第1中間部73及び第2中間部73sは、いずれの方向へも露出しないように、ケース5に埋め込まれている。
【0074】
さらに、実施形態と同様に、第1端部71が設けられた第1台座部51の上面510と、第2端部71sが設けられた第2台座部52の上面520とは、ケース5の凹部50の底面500より上方に位置する。つまり、第1端部71の上面710及び第2端部71sの上面710sが、第1被覆部の上面及び第2被覆部の上面より上方に位置する。そのため、可動接点体4に操作力が作用して変形した場合であっても、可動接点体4が凹部50の底面500(第1被覆部の上面及び第2被覆部の上面)に接触する可能性を低減できる。これにより、可動接点体4にかかる負荷を低減できる。
【0075】
(変形例2)
以下、変形例2に係るプッシュスイッチ1Bについて、図10を用いて説明する。上述の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、本変形例2は、変形例1と組み合わせて実現されてもよい。
【0076】
本変形例2において、第1端部71は、突出部712を含み、突出部712は、第1台座部51の上面510よりも上方に突出している。第2端部71sは、突出部712sを含み、突出部712sは、第1台座部51の上面510よりも上方に突出している。可動接点体4(図1参照)は、第1端部71の突出部712と第2端部71sの突出部712sとに接している。以下、プッシュスイッチ1Bの構成についてより詳細に説明する。
【0077】
第1端部71は、突出部712に加えて、ベース711を更に含む。ベース711の上面は、第1台座部51の上面510と面一である。突出部712は、ベース711から上方に突出している。突出部712の上面は、周壁部54の上面540より下方に位置する。
【0078】
第2端部71sは、突出部712sに加えて、ベース711sを更に含む。ベース711sの上面は、第1台座部51の上面510と面一である。突出部712sは、ベース711sから上方に突出している。突出部712sの上面は、周壁部54の上面540より下方に位置する。
【0079】
本体部70は、ベース701と、突出部702と、突出部702sと、を含む。ベース701の上面は、第2台座部52の上面520と面一である。突出部702、702sは、ベース701から上方に突出している。突出部702、702sの上面は、周壁部54の上面540より下方に位置する。
【0080】
なお、ある面が本体部70の上面700よりも下方に位置するとは、本体部70の上面700を構成するいずれの面よりも下方に位置することを指す。つまり、上記ある面が、ベース701の上面及び突出部702、702sの上面よりも下方に位置することを指す。
【0081】
同様に、ある面が第1端部71の上面710よりも下方に位置するとは、第1端部71の上面710を構成するいずれの面よりも下方に位置することを指す。つまり、上記ある面が、ベース711の上面及び突出部712の上面よりも下方に位置することを指す。
【0082】
同様に、ある面が第2端部71sの上面710sよりも下方に位置するとは、第2端部71sの上面710sを構成するいずれの面よりも下方に位置することを指す。つまり、上記ある面が、ベース711sの上面及び突出部712sの上面よりも下方に位置することを指す。
【0083】
突出部712、702は、ケース5を左右に2等分する線分に対して互いに対称な位置に設けられている。突出部712s、702sは、ケース5を左右に2等分する線分に対して互いに対称な位置に設けられている。
【0084】
例えば、第2金属部材7の材料となる、厚さが均一な金属板を用意し、上記金属板の一部をプレス加工により押し出すことにより、突出部712、712s、702、702sを形成してもよい。あるいは、上記金属板に突出部712、712s、702、702sを接合してもよい。
【0085】
可動接点体4は、突出部712、712s、702、702sの各々の上面に接触し、これらに支持される。突出部712、712s、702、702sが無い場合と比較して、可動接点体4が上方に配置されるので、可動接点体4に操作力が作用したとき、可動接点体4が第1中間部73及び第2中間部73sに接触する可能性をより低減できる。また、プッシュスイッチ1Bのストロークを長くすることができる。
【0086】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0087】
第1中間部73の上面730は、凹部50の底面500より下方に位置していてもよい。第2中間部73sの上面730sは、凹部50の底面500より下方に位置していてもよい。
【0088】
プッシュスイッチ1は、機器の操作部に用いられて人に操作される構成に限らず、例えば機器の検知部等に用いられてもよい。プッシュスイッチ1が機器の検知部に用いられる場合、プッシュスイッチ1は、例えばリミットスイッチとしてアクチュエータ等の機械部品の位置検出に用いられる。
【0089】
押圧体3は、保護シート2と可動接点体4との間に限らず、例えば保護シート2の上方に配置されていてもよい。この場合、押圧体3の下面が保護シート2の上面に接合される。この構成では、押圧体3に作用する操作力が、保護シート2を介して可動接点体4に伝達される。
【0090】
保護シート2は、凹部50の少なくとも一部を覆っていればよく、凹部50の全体を覆っていることは必須ではない。例えば保護シート2の一部に、孔が形成されていてもよい。あるいは、そもそも保護シート2が省略されていてもよい。
【0091】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0092】
第1の態様に係るプッシュスイッチ(1、1A、1B)は、ケース(5)と、第1金属部材(6)と、可動接点体(4)と、第2金属部材(7)と、を備える。ケース(5)は、上方が開口する凹部(50)を有する。ケース(5)は、樹脂製である。第1金属部材(6)は、ケース(5)に埋設されている。第1金属部材(6)は、凹部(50)の底面(500)から露出した固定接点部(61)を有する。可動接点体(4)は、固定接点部(61)に対向する可動接点部(400)を有する。可動接点体(4)は、第1金属部材(6)の上方に設けられている。可動接点体(4)は、導電性を有する。第2金属部材(7)は、ケース(5)に埋設されている。ケース(5)は、第1台座部(51)と、第2台座部(52)と、を有する。第1台座部(51)及び第2台座部(52)はそれぞれ、凹部(50)内に設けられている。第1台座部(51)の上面(510)と第2台座部(52)の上面(520)とは、固定接点部(61)より上方に位置し、かつ、凹部(50)の底面(500)より上方に位置する。第2金属部材(7)は、本体部(70)と、第1端部(71)と、第2端部(71s)と、本体部(70)と第1端部(71)との間に位置する第1中間部(73)と、本体部(70)と第2端部(71s)との間に位置する第2中間部(73s)と、第1端部(71)と第1中間部(73)とを連結する第1連結部(72)と、第1中間部(73)と本体部(70)とを連結する第2連結部(74)と、第2端部(71s)と第2中間部(73s)とを連結する第3連結部(72s)と、第2中間部(73s)と本体部(70)とを連結する第4連結部(74s)と、を含む。第1端部(71)と第2端部(71s)とは、第1台座部(51)の上面(510)に露出し可動接点体(4)に接触するように、第1台座部(51)に設けられている。本体部(70)は、第2台座部(52)の上面(520)に露出し可動接点体(4)に接触するように、第2台座部(52)に設けられている。可動接点体(4)は、可動接点部(400)を固定接点部(61)に接触させる形状と、可動接点部(400)を固定接点部(61)から離す形状とに変形可能である。第1中間部(73)の上面(730)は、第1端部(71)の上面(710)及び本体部(70)の上面(700)より下方に位置する。第2中間部(73s)の上面(730s)は、第2端部(71s)の上面(710s)及び本体部(70)の上面(700)より下方に位置する。上方から見て、固定接点部(61)は、第1中間部(73)と第2中間部(73s)との間に位置する。第1連結部(72)、第2連結部(74)、第3連結部(72s)、及び第4連結部(74s)は、ケース(5)に覆い隠されている。
【0093】
上記の構成によれば、第1中間部(73)の上面(730)は第1端部(71)の上面(710)及び本体部(70)の上面(700)より下方に位置し、第2中間部(73s)の上面(730s)は第2端部(71s)の上面(710s)及び本体部(70)の上面(700)より下方に位置する。そのため、可動接点体(4)が可動接点部(400)を固定接点部(61)に接触させる形状(操作形状)に変化したとき、可動接点体(4)が第1中間部(73)の上面(730)及び第2中間部(73s)の上面(730s)に接触する可能性を低減できる。これにより、可動接点体(4)にかかる負荷(応力)を低減できる。また、第1端部(71)が設けられた第1台座部(51)の上面(510)と、第2端部(71s)が設けられた第2台座部(52)の上面(520)とは、ケース(5)の凹部(50)の底面(500)より上方に位置する。そのため、第1中間部(73)の上面(730)及び第2中間部(73s)の上面(730s)のうち少なくとも一方が、ケース(5)のうち底面(500)の一部を構成する部位により覆われている場合には、操作形状の可動接点体(4)が当該部位に接触する可能性を低減できる。よって、この場合も同様に、可動接点体(4)にかかる負荷(応力)を低減できる。
【0094】
また、第2の態様に係るプッシュスイッチ(1、1B)では、第1の態様において、第2金属部材(7)の第1中間部(73)の少なくとも一部及び第2金属部材(7)の第2中間部(73s)の少なくとも一部は、凹部(50)の底面(500)に露出している。
【0095】
上記の構成によれば、第1中間部(73)の上面(730)及び第2中間部(73s)の上面(730s)がケース(5)の一部により覆われている場合と比較して、上面(730)、(730s)の上方の空間が空くので、可動接点体(4)が固定接点部(61)以外の構成(第1中間部(73)、第2中間部(73s)及びケース(5)等)に不必要に接触する可能性を更に低減できる。
【0096】
また、第3の態様に係るプッシュスイッチ(1A)では、第1の態様において、第2金属部材(7)の第1中間部(73)及び第2金属部材(7)の第2中間部(73s)は、ケース(5)に覆い隠されている。
【0097】
上記の構成によれば、第1中間部(73)及び第2中間部(73s)を保護できる。
【0098】
また、第4の態様に係るプッシュスイッチ(1、1A)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、第1端部(71)の上面(710)、第2端部(71s)の上面(710s)、及び、第1台座部(51)の上面(510)は、面一である。
【0099】
上記の構成によれば、可動接点体(4)から加わる応力を、第1端部(71)、第2端部(71s)及び第1台座部(51)に分散できる。
【0100】
また、第5の態様に係るプッシュスイッチ(1B)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、第1端部(71)は、突出部(712)を含む。突出部(712)は、第1台座部(51)の上面(510)よりも上方に突出する。第2端部(71s)は、突出部(712s)を含む。突出部(712s)は、第1台座部(51)の上面(510)よりも上方に突出する。可動接点体(4)は、第1端部(71)の突出部(712)と第2端部(71s)の突出部(712s)とに接している。
【0101】
上記の構成によれば、可動接点体(4)をより上方に配置できるので、可動接点体(4)が固定接点部(61)以外の構成に不必要に接触する可能性を更に低減できる。
【0102】
また、第6の態様に係るプッシュスイッチ(1、1A、1B)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、固定接点部(61)の上面(610)は、凹部(50)の底面(500)よりも上方に位置している。
【0103】
上記の構成によれば、可動接点部(400)と固定接点部(61)とを接触させやすいので、可動接点体(4)が固定接点部(61)以外の構成に不必要に接触する可能性を更に低減できる。
【0104】
また、第7の態様に係るプッシュスイッチ(1、1A、1B)では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、可動接点体(4)のうち第1端部(71)に接触する第1位置(P1)と、可動接点体(4)のうち第2端部(71s)に接触する第2位置(P2)との間の距離(L1)は、第3位置(P3)と第2位置(P2)との間の距離(L2)より短い。第3位置(P3)は、可動接点体(4)のうち本体部(70)と接触する位置である。
【0105】
上記の構成によれば、可動接点体(4)の変形時に、可動接点部(400)の移動量を比較的大きくすることができる。
【0106】
また、第8の態様に係るプッシュスイッチ(1、1A、1B)は、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、押圧体(3)を更に備える。押圧体(3)は、可動接点体(4)の上方に配置されている。上方から見て、押圧体(3)の全体が、固定接点部(61)に重なる。
【0107】
上記の構成によれば、固定接点部(61)が上記よりも小さい場合と比較して、押圧体(3)が可動接点体(4)を下方に押して押圧体(3)と固定接点部(61)との間に可動接点体(4)が挟まれるとき、可動接点体(4)に過大なせん断応力が加わる可能性を低減できる。
【0108】
第1の態様以外の構成については、プッシュスイッチ(1、1A、1B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0109】
1、1A、1B プッシュスイッチ
3 押圧体
4 可動接点体
5 ケース
6 第1金属部材
7 第2金属部材
50 凹部
51 第1台座部
52 第2台座部
61 固定接点部
70 本体部
71 第1端部
71s 第2端部
72 第1連結部
74 第2連結部
72s 第3連結部
74s 第4連結部
73 第1中間部
73s 第2中間部
400 可動接点部
500 底面
510 上面
520 上面
610 上面
700 上面
710s 上面
712 突出部
712s 突出部
730 上面
730s 上面
L1 距離
L2 距離
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10