(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023032948
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】荷崩れ防止バンド
(51)【国際特許分類】
B65D 63/14 20060101AFI20230302BHJP
B65D 71/02 20060101ALI20230302BHJP
B65D 71/00 20060101ALI20230302BHJP
B65D 71/06 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
B65D63/14 E
B65D71/02
B65D71/00 200
B65D71/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139335
(22)【出願日】2021-08-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】390037534
【氏名又は名称】オーエッチ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 幸治
【テーマコード(参考)】
3E067
3E085
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB99
3E067AC14
3E067BB05A
3E067BB11A
3E067BB14A
3E067BB21A
3E067CA02
3E067DA01
3E067EC29
3E067FC05
3E085AD02
3E085BA22
3E085BB34
3E085BE08
(57)【要約】
【課題】 バンド本体に広い範囲にわたりかつ効率よく引っ張り力を伝達することができるようにする。
【解決手段】 ベルト本体3の始端3aと終端3bとに補強板4、5を埋設し、裏面ファスナー6をベルト本体3の終端3bに設け、表面ファスナー7をベルト本体3の表面の少なくとも始端3a側に設け、ベルト本体3の終端3bからベルト幅方向複数本の取っ手8を突出し、ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト本体(3)の始端(3a)と終端(3b)とに補強板(4、5)を埋設し、裏面ファスナー(6)をベルト本体(3)の終端(3b)に設け、表面ファスナー(7)をベルト本体(3)の表面の少なくとも始端(3a)側に設け、ベルト本体(3)の終端(3b)からベルト幅方向複数本の取っ手(8)を突出し、ベルト本体(3)の長手方向中央と終端(3b)との間に取っ手(8)の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部(C)を形成していることを特徴とする荷崩れ防止バンド。
【請求項2】
ベルト本体(3)の始端(3a)と終端(3b)とに補強板(4、5)を埋設し、裏面ファスナー(6)をベルト本体(3)の終端(3b)と始端(3a)とに設け、ベルト本体(3)の終端(3b)からベルト幅方向複数本の取っ手(8)を突出し、ベルト本体(3)の長手方向中央と終端(3b)との間に取っ手(8)の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部(C)を形成していることを特徴とする荷崩れ防止バンド。
【請求項3】
前記伸縮部(C)は、ベルト本体(3)の長手方向2点間に距離を縮める弾性帯(11)を、ベルト幅方向に分離して複数本設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷崩れ防止バンド。
【請求項4】
前記伸縮部(C)は、終端(3b)側の補強板(5)に隣接してベルト本体(3)の長手方向2点を近づける弛み(D)を形成し、この弛み(D)の両側にベルト幅方向複数本の弾性帯(11)の両端を縫着していることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷崩れ防止バンド。
【請求項5】
前記ベルト本体(3)の終端(3b)側の補強板(5)はベルト幅方向複数枚に分割されており、取っ手(8)は各分離補強板(5)に対応して配置され、伸縮部(C)の弾性帯(11)は分離補強板(5)に対応して配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の荷崩れ防止バンド。
【請求項6】
ベルト本体(3)の始端(3a)側には先端が先細り形状の差込部(E)が接続されており、この差込部(E)の先端部には先端補強板(9)を埋設していることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止バンド。
【請求項7】
ベルト本体(3)の始端(3a)側の補強板(4)はベルト幅方向複数枚に分割されており、各分離補強板(4)に対応して取っ手(8)を突出していることを特徴とする請求項2に記載の荷崩れ防止バンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレットや台車上に集合積載された荷物の荷崩れを防止する荷崩れ防止バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として特許文献1に開示された荷崩れ防止バンドは、先端の差込部に板材からなる差込用シートを備え、中間部は外表面が面ファスナーB面からなり、終端の接着部には複数本の先端に接着面ファスナーA面を縫合した伸縮バンドを縫合している(請求項1)。
また、特許文献2に開示された荷崩れ防止シートは、パレットや台車に積み上げられた荷物に巻回して荷崩れを防止するシートであって、荷物に巻回された前記シートを連結させるための両端辺又は両端辺近傍に設けられた連結部と、両端が前記シートに間隔を設けて取着され、荷物の上部に掛け渡して前記シートを荷物に吊止するための一又は二以上の掛止部材とを有する(請求項1)。そしてシートの両端辺間に弾性部材が配設され、連結部の面ファスナーの先端に取っ手を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3172486号公報
【特許文献2】特許第3286752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記両従来技術は、バンド本体の終端側の面ファスナーが複数本に分割されていてバンド巻き回し時に引っ張り易くなっているが、バンド本体内で撓み、捻れ等が生じることがあり、バンド本体内での引っ張り力の伝達が偏り、局部的になり易いものとなっている。
また、前者従来技術では、バンド本体の終端側の面ファスナーが伸縮バンドに縫合されているので、伸縮バンド自体の伸縮が容易であるが、バンド本体内での弾性引っ張り力は与え難い。
【0005】
さらに、後者従来技術では、弾性部材はバンド本体の長手方向略中央に配置されていて、弾性部材とバンド本体の終端側との間で荷物との摩擦が発生し、バンド本体の終端側からの引っ張り力で弾性部材を伸張させる抵抗となり、引っ張りが不十分になることがある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした荷崩れ防止バンドを提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、バンド本体の終端側からの引っ張り力を、バンド本体に対して幅広にかつ確実に与えられるようにした荷崩れ防止バンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、ベルト本体3の始端3aと終端3bとに補強板4、5を埋設し、裏面ファスナー6をベルト本体3の終端3bに設け、表面ファスナー7をベルト本体3の表面の少なくとも始端3a側に設け、ベルト本体3の終端3bからベルト幅方向複数本の取っ手8を突出し、ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cを形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バンド本体に広い範囲にわたりかつ効率よく引っ張り力を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】荷崩れ防止バンドの実施形態を示す使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~4に示す第1実施形態において、荷崩れ防止バンド1Aはパレットに集合積載した荷物Wに水平方向に巻き掛け(横巻き)て荷崩れを防止する。
荷崩れ防止バンド1Aは布(植物繊維又は合成繊維の織物、パイル地又は帆布等)を主材として長尺のベルト本体3を形成しており、ベルト本体3は始端3aと終端3bとに補強板4、5を埋設している。
【0011】
補強板4、5には樹脂板、アルミ板が使用でき、始端3a側の補強板4は狭幅の帯形状のアルミ板が適用され、終端3b側の補強板5には広幅の帯形状の樹脂板が適用されており、ベルト本体3を形成している布で覆われ、補強板4、5の周囲を縫製することによりベルト本体3内に保持されている。
そしてベルト本体3の終端3bには裏面ファスナー6が設けられ、ベルト本体3の表面の始端3a側には表面ファスナー7が設けられ、この表面ファスナー7に裏面ファスナー6が結合可能になっている。ファスナーは雌雄ファスナーであって、裏面ファスナー6と表面ファスナー7とはどちらが雌雄であってもよいが、通常、裏面ファスナー6としては雄ファスナーが適用され、表面ファスナー7には雌ファスナーが適用されている。
【0012】
ベルト本体3の終端3bには、ベルト幅方向複数本の取っ手8が突出されている。実施形態では、終端3bのベルト幅方向両端にそれぞれ1本の取っ手8が逢着されている。この各取っ手8は帯紐の両端を終端3bに逢着して1つの指掛け輪を形成できるようにしたものであり、荷崩れ防止バンド1Aを巻き掛けるために、ベルト本体3の終端3bを引っ張るときに使用される。
【0013】
ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cが形成されている。伸縮部Cはベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間の中央よりも終端3bに近い位置、終端3bに略隣接する位置に配置されている。
前記伸縮部Cは、終端3b側の補強板5に隣接してベルト本体3の長手方向2点を近づける弛みDを形成し、この弛みDの両側にベルト幅方向複数本の弾性帯11の両端を縫着している。
【0014】
弾性帯11は弾性材料(ゴム、織りゴム等の伸縮バンド)で形成されており、収縮時の寸法はベルト本体3の長手方向2点間の距離より短く、その両端を長手方向2点に連結すると、その2点間に弛みDが形成されることになる。
ベルト本体3の終端3bを引っ張って荷物Wに巻き掛けるとき、弾性帯11は伸張され、その弾性復元力が巻き掛けたベルト本体3の全長に作用し、荷物Wを締め付けることになる。
【0015】
弾性帯11は取っ手8の近傍に配置されているので、集合積載荷物Wの1面側に対して取っ手8と共存することになり、集合積載荷物Wの角部でベルト本体3が擦れて移動抵抗を受ける手前で引っ張り力を受けるので、引っ張り力授与効率がよく、また、その伸縮状態を目視し易くなっている。
弾性帯11はベルト本体3と同幅の幅広帯に形成することもできるが、ベルト幅方向に分離して複数本(2または3本)にする方が、取っ手8からの引っ張り力による捻れが生じ難く、ベルト幅方向で弾性復元力付与の均等化を図ることができる。
【0016】
ベルト本体3の始端3a側には先端が先細り形状の差込部Eが接続されている。荷崩れ防止バンド1Aは集合積載した荷物Wに水平方向に巻き掛ける際、始端3a側を左右荷物W間に差し込んで保持しておく。その最初の差し込みに差込部Eが適用される。
この差込部Eはベルト本体3の布を先細り三角形に折り曲げ、かつさらにその先端を矩形状に形成し、その矩形状先端部に先端補強板9を埋設している。この先端補強板9には樹脂板が適用され、ベルト本体3を形成している布または別の布で覆われ、周囲を縫製することにより差込部E内に保持されている。
【0017】
前記差込部Eには先端補強板9の上から前方へ延長ファスナー12が設けられている。この延長ファスナー12は雄ファスナーが適用されており、荷崩れ防止バンド1Aを巻き掛けない保管時に、終端3bを中心にベルト本体3を丸め、最外周となった延長ファスナーをベルト本体3の表面ファスナー7に結合させるものであり、保管時の荷崩れ防止バンド1Aの結束バンドの役目をする。
【0018】
前記荷崩れ防止バンド1Aを横巻きに適用する場合、
図1に示すように、集合積載した荷物Wの正面で左右荷物W間に差込部Eを挿入し、ベルト本体3を集合積載荷物Wの正面から右側面、背面、左側面を経て、ベルト本体3の終端3bを荷物Wの正面に至らせ、取っ手8を引っ張りながら終端3bの裏面ファスナー6を始端3a側の表面ファスナー7に結合させる。
【0019】
また、前記荷崩れ防止バンド1Aは縦巻きにも適用できる。例えば、集合積載した荷物Wの正面で上下荷物W間に差込部Eを挿入し、ベルト本体3を集合積載荷物Wの下面(又はパレットの内部空間)に回し、荷物Wの背面、上面を経て、ベルト本体3の終端3bを荷物Wの正面に至らせ、取っ手8を引き下げながら終端3bの裏面ファスナー6を始端3a側の表面ファスナー7に結合させる。
【0020】
前記荷崩れ防止バンド1Aは、表面ファスナー7を1枚ファスナーで形成されているが、幅方向4分割されたファスナーで形成することもでき、その場合は、分割4枚ファスナーに対応して4本の取っ手8を設けることが好ましい。
図5は第1実施形態の荷崩れ防止バンド1Aの変形例を示している。この荷崩れ防止バンド1Bは前記荷崩れ防止バンド1Aとベルト本体3の表面ファスナー7の配置範囲が異なる。荷崩れ防止バンド1Bの表面ファスナー7はベルト本体3の略全面に配置されており、後述する第2実施形態で例示する縦巻き荷崩れ防止バンド1Cとの共用に利用できるように構成している。
【0021】
即ち、前記荷崩れ防止バンド1A、1Bは、ベルト本体3の表面ファスナー7の配置範囲は略全面でもよく、少なくとも始端3a側に設けておけば、集合積載した荷物Wの横巻き及び縦巻きに利用できる。
図1、6~8に示す第2実施形態において、荷崩れ防止バンド1Cはパレットに集合積載した荷物Wに上下方向に巻き掛け(縦巻き)て荷崩れを防止する。
【0022】
荷崩れ防止バンド1Cは布(植物繊維又は合成繊維の織物、パイル地又は帆布等)を主材として長尺のベルト本体3を形成しており、ベルト本体3は始端3aと終端3bとに補強板4、5を幅方向に3分割して埋設している。補強板4、5にはアルミ板も使用できるが、それぞれ矩形状の樹脂板が適用され、ベルト本体3を形成している布で覆われ、周囲を縫製することによりベルト本体3内に保持されている。
【0023】
そしてベルト本体3の始端3aと終端3bとには補強板4、5と略対応する裏面に裏面ファスナー6が設けられており、この裏面ファスナー6は前記した横巻きの荷崩れ防止バンド1Bの表面ファスナー7に結合可能になっている。
ベルト本体3の始端3aと終端3bとには、指掛け輪となる取っ手8がベルト幅方向複数本突出されている。実施形態では、3分割された補強板4、5とそれぞれ略対応して取っ手8が設けられており、各取っ手8を引っ張る力が補強板4、5を経由して、ベルト本体の幅方向及び長手方向に広く伝播できるようにしている。
【0024】
ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cが形成されている。伸縮部Cは終端3bに略隣接する位置に配置されている。
前記伸縮部Cは、終端3b側の補強板5に隣接してベルト本体3の長手方向2点を近づける弛みDを形成し、この弛みDの両側にベルト幅方向複数本の弾性帯11の両端を縫着している。
【0025】
弾性帯11はゴム等の弾性材料で形成されており、収縮時の寸法はベルト本体3の長手方向2点間の距離より短く、その両端を長手方向2点に連結すると、その2点間に弛みDが形成されることになる。
ベルト本体3の終端3bを引っ張って荷物Wに巻き掛けるとき、弾性帯11は伸張され、その弾性復元力が巻き掛けたベルト本体3の全長に作用し、荷物Wを締め付けることになる。
【0026】
弾性帯11は終端3bの取っ手8の近傍に配置されているので、集合積載荷物Wの1面側に対して取っ手8と共存することになり、集合積載荷物Wの角部でベルト本体3が擦れて移動抵抗を受ける手前で引っ張り力を受けるので、引っ張り力授与効率がよく、また、その伸縮状態を目視し易くなっている。
弾性帯11は1枚の幅広帯に形成することもできるが、ベルト幅方向に分離して複数本(2または3本)にする方が、取っ手8からの引っ張り力による捻れが生じ難く、ベルト幅方向で弾性復元力付与の均等化を図ることができる。
【0027】
荷崩れ防止バンド1Cは、
図1に示すように、集合積載荷物Wに荷崩れ防止バンド1Bを横巻きにした後に、集合積載荷物Wの上面に掛け渡し、その始端3a及び終端3bを集合積載荷物Wの前後面に垂れさせ、背面側の始端3aの裏面ファスナー6を横巻きの荷崩れ防止バンド1Bの全面表面ファスナー7に結合し、その後、終端3bを取っ手8を持って引き下げながらかつ弾性帯11を伸張させながら、裏面ファスナー6を横巻きの荷崩れ防止バンド1Bの全面表面ファスナー7に結合する。
【0028】
荷崩れ防止バンド1Cは、ベルト本体3の終端3bを先に横巻き荷崩れ防止バンド1Bの全面表面ファスナー7に結合し、後ほど始端3aを荷崩れ防止バンド1Bの全面表面ファスナー7に結合することも可能であるが、集合積載荷物Wの正面側となる終端3bを弾性帯11の伸張を目視しながら引き下げて荷崩れ防止バンド1Bに結合することが好ましい。
【0029】
図9は第2実施形態の変形例を示している。この荷崩れ防止バンド1Dは前記荷崩れ防止バンド1Cとベルト本体3の始端3aのファスナーが表面ファスナー7となっている点で異なる。
荷崩れ防止バンド1Dの表面ファスナー7は、ベルト本体3の表面に補強板4と重合する位置(それよりも広く)に設けられており、始端3aの裏面ファスナー6と結合可能になっている。
【0030】
前記荷崩れ防止バンド1Cは集合積載荷物Wに横巻きされた荷崩れ防止バンド1Bより上側で荷崩れを防止する部分防止であるが、荷崩れ防止バンド1Dは、ベルト本体3を集合積載荷物Wの下面(又はパレットの内部空間)に回し、荷物Wの背面、上面を経て、ベルト本体3の終端3bを荷物Wの正面に至らせ、取っ手8を引き下げながら終端3bの裏面ファスナー6を始端3a側の表面ファスナー7に結合させるものであり、全周縦巻き荷崩れ防止をする。
【0031】
なお、荷崩れ防止バンド1Cのベルト本体3の始端3aに、荷崩れ防止バンド1Dの始端3aの表面ファスナー7を併用することは可能である。また、荷崩れ防止バンド1C、1Dのベルト本体3の始端3a及び終端3bの補強板4、5は、それぞれ分割されていない幅広の1枚板材で形成してもよい。
前述した実施形態においては、ベルト本体3の始端3aと終端3bとに補強板4、5を埋設し、裏面ファスナー6をベルト本体3の終端3bに設け、表面ファスナー7をベルト本体3の表面の少なくとも始端3a側に設け、ベルト本体3の終端3bからベルト幅方向複数本の取っ手8を突出し、ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cを形成している。
【0032】
これによって、取っ手8を持って引っ張ると、その引っ張り力は補強板4、5を介して広い範囲に伝達でき、終端3b近くの伸縮部Cを効率良く伸張させることができる。
前述した実施形態においては、ベルト本体3の始端3aと終端3bとに補強板4、5を埋設し、裏面ファスナー6をベルト本体3の終端3bと始端3aとに設け、ベルト本体3の終端3bからベルト幅方向複数本の取っ手8を突出し、ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cを形成している
これによって、取っ手8を持って引っ張ると、その引っ張り力は補強板4、5を介して広い範囲に伝達でき、終端3b近くの伸縮部Cを効率良く伸張させることができる。
【0033】
また、前記実施形態においては、前記伸縮部Cは、ベルト本体3の長手方向2点間に距離を縮める弾性帯11を、ベルト幅方向に分離して複数本設けている。
これによって、ベルト幅方向に伸張力を分散し、引っ張り力の伝達範囲を広げることができる。
さらに、前記実施形態においては、前記伸縮部Cは、終端3b側の補強板5に隣接してベルト本体3の長手方向2点を近づける弛みDを形成し、この弛みDの両側にベルト幅方向複数本の弾性帯11の両端を縫着している。
【0034】
これによって、ベルト幅方向に伸張力を分散し、引っ張り力の伝達範囲を広げることができるうえに、伸縮部Cが損傷しても、ベルト本体3の荷崩れ防止機能を補償することができる。
さらにまた、前記実施形態においては、前記ベルト本体3の終端3b側の補強板5はベルト幅方向複数枚に分割されており、取っ手8は各分離補強板5に対応して配置され、伸縮部Cの弾性帯11は分離補強板5に対応して配置されている。
【0035】
これによって、ベルト本体3の終端3b側の取っ手8から分離した補強板5へ引っ張り力を効率よく伝達され、ベルト本体3への引っ張り力の伝達を広い範囲に広げることができる。
また、前記実施形態においては、ベルト本体3の始端3a側には先端が先細り形状の差込部Eが接続されており、この差込部Eの先端部には先端補強板9を埋設している。
【0036】
これによって、差込部Eを先端補強板9で補強でき、ベルト本体3の始端3a側の支持を確保できる。
さらに、前記実施形態においては、ベルト本体3の始端3a側の補強板4はベルト幅方向複数枚に分割されており、各分離補強板4に対応して取っ手8を突出している。
これによって、ベルト本体3の始端3a側の取っ手8から分離した補強板4へ引っ張り力を効率よく伝達され、ベルト本体3への引っ張り力の伝達を広い範囲に広げることができる。
【0037】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、ベルト本体3の幅方向寸法を短く形成し、ベルト本体3の終端3bに取っ手8を1本設け、補強板5、裏面ファスナー6及び弾性帯11を幅狭のものを使用してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1A、1B 、1C 、1D 荷崩れ防止バンド
3 ベルト本体
3a 始端
3b 終端
4、5 補強板
6 裏面ファスナー(雄ファスナー)
7 表面ファスナー(雌ファスナー)
8 取っ手
9 先端補強板
11 弾性帯
12 延長ファスナー
C 伸縮部
D 弛み
E 差込部
【手続補正書】
【提出日】2022-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト本体(3)の始端(3a)と終端(3b)とに補強板(4、5)を埋設し、裏面ファスナー(6)をベルト本体(3)の終端(3b)に設け、表面ファスナー(7)をベルト本体(3)の表面の少なくとも始端(3a)側に設け、ベルト本体(3)の終端(3b)からベルト幅方向複数本の取っ手(8)を突出し、ベルト本体(3)の長手方向中央と終端(3b)との間に取っ手(8)の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部(C)を形成しており、
前記伸縮部(C)は、終端(3b)側の補強板(5)に隣接してベルト本体(3)の長手方向2点を近づける弛み(D)を形成し、この弛み(D)の両側にベルト幅方向複数本の弾性帯(11)の両端を縫着しており、
前記ベルト本体(3)の終端(3b)側の補強板(5)はベルト幅方向複数枚に分割され、各分離補強板(5)はその周囲でベルト本体(3)が縫製されて互いに分離されており、取っ手(8)は各分離補強板(5)に対応して隣接配置され、伸縮部(C)の各弾性帯(11)はベルト幅方向に分離されていて分離補強板(5)に対応して隣接配置されていることを特徴とする荷崩れ防止バンド。
【請求項2】
ベルト本体(3)の始端(3a)と終端(3b)とに補強板(4、5)を埋設し、裏面ファスナー(6)をベルト本体(3)の終端(3b)と始端(3a)とに設け、ベルト本体(3)の終端(3b)からベルト幅方向複数本の取っ手(8)を突出し、ベルト本体(3)の長手方向中央と終端(3b)との間に取っ手(8)の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部(C)を形成しており、
前記伸縮部(C)は、終端(3b)側の補強板(5)に隣接してベルト本体(3)の長手方向2点を近づける弛み(D)を形成し、この弛み(D)の両側にベルト幅方向複数本の弾性帯(11)の両端を縫着しており、
前記ベルト本体(3)の終端(3b)側の補強板(5)はベルト幅方向複数枚に分割され、各分離補強板(5)はその周囲でベルト本体(3)が縫製されて互いに分離されており、取っ手(8)は各分離補強板(5)に対応して隣接配置され、伸縮部(C)の各弾性帯(11)はベルト幅方向に分離されていて分離補強板(5)に対応して隣接配置されていることを特徴とする荷崩れ防止バンド。
【請求項3】
表面ファスナー(7)をベルト本体(3)の表面の始端(3a)から終端(3b)までの略全面に設けており、
ベルト本体(3)の始端(3a)側には先端が先細り形状の差込部(E)が接続されており、この差込部(E)の先端部には先端補強板(9)を埋設していることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止バンド。
【請求項4】
ベルト本体(3)の始端(3a)側の補強板(4)はベルト幅方向複数枚に分割されており、各分離補強板(5)はその周囲でベルト本体(3)が縫製されて互いに分離されており、各分離補強板(4)に対応しかつ隣接して取っ手(8)を突出していることを特徴とする請求項2に記載の荷崩れ防止バンド。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、ベルト本体3の始端3aと終端3bとに補強板4、5を埋設し、裏面ファスナー6をベルト本体3の終端3bに設け、表面ファスナー7をベルト本体3の表面の少なくとも始端3a側に設け、ベルト本体3の終端3bからベルト幅方向複数本の取っ手8を突出し、ベルト本体3の長手方向中央と終端3bとの間に取っ手8の引っ張りにより長手方向に弾性伸縮する伸縮部Cを形成しており、
前記伸縮部Cは、終端3b側の補強板5に隣接してベルト本体3の長手方向2点を近づける弛みDを形成し、この弛みDの両側にベルト幅方向複数本の弾性帯11の両端を縫着しており、
前記ベルト本体3の終端3b側の補強板5はベルト幅方向複数枚に分割され、各分離補強板5はその周囲でベルト本体3が縫製されて互いに分離されており、取っ手8は各分離補強板5に対応して隣接配置され、伸縮部Cの各弾性帯11はベルト幅方向に分離されていて分離補強板5に対応して隣接配置されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
これによって、ベルト幅方向に伸張力を分散し、引っ張り力の伝達範囲を広げることができるうえに、伸縮部Cが損傷しても、ベルト本体3の荷崩れ防止機能を補償することができる。
さらにまた、前記実施形態においては、前記ベルト本体3の終端3b側の補強板5はベルト幅方向複数枚に分割され、各分離補強板5はその周囲でベルト本体3が縫製されて互いに分離されており、取っ手8は各分離補強板5に対応して隣接配置され、伸縮部Cの各弾性帯11はベルト幅方向に分離されていて分離補強板5に対応して隣接配置されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
これによって、ベルト本体3の終端3b側の各取っ手8からそれに対応して隣接する分離補強板5へ引っ張り力を効率よく伝達され、かつその分離補強板5に対応して隣接する弾性帯11へ引っ張り力を効率よく伝達され、他の取っ手8を順次引っ張ることにより、ベルト本体3への引っ張り力の伝達を広い範囲に広げることができる。
また、前記実施形態においては、表面ファスナー7をベルト本体3の表面の始端3aから終端3bまでの略全面に設けており、ベルト本体3の始端3a側には先端が先細り形状の差込部Eが接続されており、この差込部Eの先端部には先端補強板9を埋設している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
これによって、差込部Eを先端補強板9で補強でき、ベルト本体3の始端3a側の支持を確保でき、さらに、裏面ファスナー6をベルト本体3の終端3bと始端3aとに設けた荷崩れ防止バンドとの交差連結ができる。
さらに、前記実施形態においては、ベルト本体3の始端3a側の補強板4はベルト幅方向複数枚に分割されており、各分離補強板5はその周囲でベルト本体3が縫製されて互いに分離されており、各分離補強板4に対応しかつ隣接して取っ手8を突出している。
これによって、ベルト本体3の始端3a側の取っ手8から分離した補強板4へ引っ張り力を効率よく伝達され、ベルト本体3への引っ張り力の伝達を広い範囲に広げることができる。