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特開2023-33017歩行分析システム、歩行分析方法及び歩行分析プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033017
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】歩行分析システム、歩行分析方法及び歩行分析プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20230302BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230302BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20230302BHJP
【FI】
A61B5/11 230
G06T1/00 320Z
G06T7/20 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139453
(22)【出願日】2021-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】千野 晃裕
(72)【発明者】
【氏名】樋口 誠
(72)【発明者】
【氏名】清原 武彦
【テーマコード(参考)】
4C038
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA12
4C038VB14
4C038VB17
5B057CA20
5B057DA20
5B057DC03
5L096BA02
5L096BA18
5L096FA64
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】肖像権の問題を生じさせることなく、高精度かつ短時間で歩行者の歩行に関する情報を分析可能な歩行分析システムを提供すること。
【解決手段】歩行者の足裏由来の圧力値、測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段12から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力手段22に入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類処理(ステップS200)によって分類し、圧力情報分類処理によって分類された任意の足型を、足型分類処理(ステップS300)で任意の人物毎の足型に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の顔情報を取得することなく、歩行者の歩行に関する情報を取得することができる歩行分析システムを提供することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力手段と、
前記圧力情報入力手段に入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類手段と、
前記圧力情報分類手段によって分類された任意の足型を、任意の人物毎の足型に分類する足型分類手段と、
を備えたことを特徴とする、
歩行分析システム。
【請求項2】
請求項1に記載の歩行分析システムにおいて、
前記足型分類手段によって任意の人物毎に分類された足型から、任意の人物の歩行情報を分析する歩行情報分析手段と、
を備えたことを特徴とする、
歩行分析システム。
【請求項3】
前記歩行情報分析手段は、前記足型分類手段によって任意の人物毎に分類された足型から、前記任意の人物毎の歩幅、歩隔、歩行速度又は歩行周期の少なくとも1つを算出することを特徴とする、
請求項2に記載の方向分析システム。
【請求項4】
前記圧力情報分類手段は、K平均法を利用したクラスタリングアルゴリズムを用いて同一の足型由来の圧力情報にクラスタ化することで、前記圧力情報を任意の足型毎の圧力情報に分類することを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の歩行分析システム。
【請求項5】
前記足型分類手段は、圧力分布推移ベクトルに基づいて任意の人物毎の足型に分類することを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の歩行分析システム。
【請求項6】
前記足型分類手段は、基準推定存在範囲に基づいて任意の人物毎の足型に分類することを特徴とする、
請求項1から5のいずれか1項に記載の歩行分析システム。
【請求項7】
歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力ステップと、
前記圧力情報入力ステップで入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類ステップと、
前記圧力情報分類ステップで分類された任意の足型を、任意の人物毎の足型に分類する足型分類ステップと、
を含むことを特徴とする、
歩行分析方法。
【請求項8】
請求項7に記載の歩行分析方法を1又は2以上のコンピュータで実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行分析システム、歩行分析方法及び歩行分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品のレイアウトの最適化、繁忙期を予測する目的等のために、人の向き、速度、滞在時間など公共の場における人の動線情報を取得する方法が知られている。例えば、オムロン社製のHVC-C2W等では、カメラで撮像した撮像情報を基に人物を認識し、それぞれの人物の動線情報を取得するシステムが知られている。
【0003】
また、例えば、特許文献1では、ユーザの介在なしに、複数の検出手段の検出結果に基づく、対象物の行動の認識精度を向上させる行動認識装置が知られている。この行動認識装置は、動き検出部が、カメラ(第1のセンサ)が撮像した画像を分析して、人(対象物)の動きを検出し、動き検出部が、センサタグ(第2のセンサ)の出力を分析して、人の動きを検出する。そして、信頼度算出部が、センサタグの出力に基づく人の動きの検出結果に対して信頼度を付与する。また、信頼度算出部が、画像に基づく人の動きの検出結果に対して信頼度を付与する。さらに、行動認識部が、動き検出部が検出した人の動きの検出結果と当該検出結果の信頼度とに基づいて、ユーザの介在なしに、人の行動を認識する。こうすることにより、対象物の行動を精度良く認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-159726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の行動認識装置では、撮像した画像に歩行者の顔が含まれてしまう場合には、肖像権の問題が生じるという課題がある。また、信頼度を算出する等の複雑な処理が必要となるため、特に、多数の人物の行動を認識する場合には、処理時間が長く必要であるという課題がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、肖像権の問題を生じさせることなく、不特定多数の歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析可能な歩行分析システムを提供することを主目的とする。また、不特定多数の歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析可能な分析方法及び歩行分析プログラムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の歩行分析システムは、
歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力手段と、
前記圧力情報入力手段に入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類手段と、
前記圧力情報分類手段によって分類された任意の足型を、任意の人物毎の足型に分類する足型分類手段と、
を備えたことを特徴とする、
ものである。
【0009】
この歩行分析システムは、歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力手段に入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類手段によって分類し、圧力情報分類手段によって分類された任意の足型を、足型分類手段で任意の人物毎の足型に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することが可能な情報を取得することできる。
【0010】
本発明の歩行分析システムは、前記足型分類手段によって任意の人物毎に分類された足型から、前記任意の人物毎の歩行情報を分析する歩行情報分析手段と、を備えたことを特徴としてもよい。こうすることにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することができる。
【0011】
この態様を採用した本発明の歩行分析システムにおいて、前記歩行情報分析手段は、前記足型分類手段によって任意の人物毎に分類された足型から、前記任意の人物毎の歩幅、歩隔、歩行速度又は歩行周期の少なくとも1つを算出することを特徴としてもよい。こうすることにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析し、任意の人物毎の歩幅、歩隔、歩行速度又は歩行周期の少なくとも1つを算出することができる。
【0012】
本発明の歩行分析システムにおいて、前記圧力情報分類手段は、K平均法を利用したクラスタリングアルゴリズムを用いて同一の足型由来の圧力情報にクラスタリングすることで、前記圧力情報を任意の足型毎の圧力情報に分類することを特徴としてもよい。こうすることにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することができる。
【0013】
本発明の歩行分析システムにおいて、前記足型分類手段は、圧力分布推移ベクトルに基づいて任意の人物毎の足型に分類することを特徴としてもよい。こうすることにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することができる。なお、ここで、「圧力分布推移ベクトル」とは、クラスタリングされた圧力値の点群のクラスタ発生時と消失直前のフレームにおける圧力中心点又は面積中心点を算出し、その座標の発生時側の点を始点算出し、消失直前側の点と圧力値から終点を算出し、この始点から終点のベクトル(X座標、Y座標及び時刻tからなる三次元空間座標におけるベクトル)を意味するものであり、この圧力分布推移ベクトルは、クラスタの発生から消失までの反応箇所の広がりや足圧中心の軌跡などを用いて三次元的にベクトル化したものである。
【0014】
本発明の歩行分析システムにおいて、前記足型分類手段は、基準推定存在範囲に基づいて任意の人物毎の足型に分類することを特徴としてもよい。こうすることにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することができる。なお、ここで「基準推定存在範囲」とは、次の足型が位置する可能性の高い範囲を意味する。
【0015】
本発明の歩行分析方法は、
歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力ステップと、
前記圧力情報入力ステップで入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類ステップと、
前記圧力情報分類ステップで分類された任意の足型を、任意の人物毎の足型に分類する足型分類ステップと、
を含むことを特徴とする、
ものである。
【0016】
この歩行分析方法は、歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力ステップで入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類ステップで分類し、圧力情報分類ステップで分類された任意の足型を、足型分類ステップで任意の人物毎の足型に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することが可能な情報を取得することできる。
【0017】
本発明のプログラムは、1又は複数のコンピュータに、歩行分析方法の各ステップを実行させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(例えば、ハードディスク、ROM、CD、DVD、フラッシュメモリなど)に記録されていても良いし、伝送媒体(インターネットや有線/無線LANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ送信されても良いし、その他どのような形で授受されても良い。また、分析方法の各ステップを実行する装置で実行されるものであっても、プログラムが実行される装置と処理が行われる装置とが異なっていてもよい。いずれの場合であっても、このプログラムを1つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した分析方法と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の歩行分析システム20の電気的な接続の一例を示すブロック図である。
図2図2は、圧力情報入手手段10及び圧力情報の一例を示す説明図である。
図3図3は、本発明の歩行分析処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、歩行分析処理ルーチンにおける生データ処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、歩行分析処理ルーチンにおける足型毎分類処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、クラスタ化された圧力情報を模式的に表した模式図である。
図7図7は、歩行分析処理ルーチンにおける人物毎分類処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、歩行分析処理ルーチンにおける歩行解析処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態の一例として、歩行分析システム20について詳しく説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号を付す。また、歩行分析システム20の分析方法の一例を示すことで、本発明の歩行分析方法及び歩行分析プログラムの一例も明らかにするとともに、歩行分析システム20の使用方法の一例を明らかにする。
【0020】
本発明の実施の形態の一例である歩行分析システム20は、図1に示すように、歩行者の足裏由来の圧力値、前記圧力値の測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段10から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力手段22と、圧力情報入力手段22に入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類し、分類された任意の足型を、任意の人物毎の足型に分類する制御手段30(本発明の圧力情報分類手段及び足型分類手段に相当)と、制御手段30によって分類された任意の人物毎の足型情報を出力する出力手段24と、が、それぞれ電気的に接続されている。この歩行分析システム20は、圧力情報測定手段10から出力された歩行者の足裏由来の圧力情報が圧力情報入力手段22から入力され、この圧力情報を制御手段30が任意の足型毎の圧力情報に分類し、任意の人物毎の足型に分類して出力手段24からすることにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を高精度かつ短時間で分析することが可能な情報を取得することできる。
【0021】
圧力情報測定手段10は、公知の圧力センサであり、例えば、所定の間隔で複数の圧力センサを備えた樹脂製シートを用いてもよい。この樹脂製シートの上を歩行者が歩行すると、歩行者の足裏に位置する圧力センサが検知し、検知した圧力センサの位置に関する情報を含む位置情報、検知した時間に関する情報を含む時間情報及び検知した圧力値を含む圧力情報を圧力情報入力手段22に出力される。こうすることにより、制御手段30は、この圧力情報に基づいて歩行者の歩行に関する情報を取得することができる。なお、複数の圧力センサは、図2(A)に示すように、格子状に設けられており、圧力センサの位置は、X-Y座標の座標位置によって表されるものとする。この圧力センサの位置情報、圧力センサが検知した圧力値及び検知した時間に関する情報は、図2(B)に示すように、時間毎に座標位置と圧力値とが対応するテーブル状態の圧力情報として圧力情報入力手段22に出力される。ここで、図2(A)は、圧力情報測定手段10の一例を示す模式図であり、図2(B)は、圧力情報の一例を示す説明図である。
【0022】
圧力情報入力手段22は、圧力情報測定手段10から出力された圧力情報を含む信号を制御手段30に出力する公知の入出力手段である。
【0023】
出力手段24は、制御手段30から出力された歩行者の歩行に関する情報を含む信号を出力する公知の出力手段である。なお、この出力手段24は、歩行者の歩行に関する情報を含む信号をモニタやプリンタ等に出力し表示する表示手段を兼ねてもよい。
【0024】
制御手段30は、CPU31を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、圧力情報を任意の足型毎に分類し、任意の人物毎に分類する歩行分析処理ルーチン等の各種処理ルーチンが記憶されたROM32と、圧力情報入力手段22から入力された圧力情報等を一時的に記憶するRAM33と、圧力情報入力手段22や出力手段24等との間の各種信号の送受信を行うインタフェース34(以下、「I/F34」と言う。)がそれぞれバス35を介して電気的に接続されている。この制御手段30は、圧力情報入力手段22から入力された圧力情報に基づいて任意の人物毎に分類し、歩行者の歩行に関する情報を出力手段24から出力する。
【0025】
次に、圧力情報入力手段22から入力された圧力情報を分類する動作について、制御手段30によって実行される歩行分析処理ルーチンを一例に説明する。この歩行分析処理ルーチンは、所定のタイミング(例えば、開始信号を受信した場合や圧力情報を含む信号を受信した場合等)に繰り返し実行される。なお、ここで、図3は、歩行分析処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0026】
この歩行分析処理ルーチンがCPU31によって実行されると、圧力情報入力手段22に入力された圧力情報を後の処理に適したデータに処理する生データ処理(ステップS100)が実行され、後述する足型毎分類処理(ステップS200)に適した形式のデータに変換される。この生データ処理では、入力された圧力情報(図2(B)参照)から、足型毎分類処理(ステップS200)で必要な情報を処理する。
【0027】
ここで、生データ処理について、図4を用いて詳しく説明する。なお、ここで、図4は、生データ処理一例を示すフローチャートである。生データ処理がCPU31によって実行されると、圧力情報のテーブル番号を意味する変数tに値0を代入し(ステップS110)、t番目のテーブルに含まれる圧力情報をRAM33に一時的に記憶する(ステップS120)。続いて、CPU31は、圧力情報に記憶された圧力値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定し(ステップS130)、圧力値が予め定められた閾値より小さいと判定した場合には、圧力値に値0を代入する(ステップS140)。このように、予め定められた閾値より小さい値を0とすることにより、足型由来でない圧力によって計測された圧力値を排除することができるため、全ての圧力値に基づいて後続処理を行うよりも、演算労力を低減し、演算時間を短縮することができる。
【0028】
続いて、ステップS130で圧力値が閾値以上であるとCPU31が判定した場合、又は、ステップS140が実行された後に、全ての圧力値についてステップS130が実行されたか否かを判定し、全ての圧力値についてステップS130が実行されていないと判定した場合には、他の圧力値について、ステップS130を実行する。こうすることにより、閾値よりも低い値の圧力値を全て値ゼロに置き換えることができる。
【0029】
一方、ステップS150で全ての圧力値について終了したとCPU31が判定した場合には、全ての圧力値の値が全て値ゼロであるか否かを判定し(ステップS160)、全ての圧力値の値が値ゼロであると判定した場合には、当該圧力テーブルを削除する。このような圧力テーブルには、足型由来の圧力によって計測された圧力値を有しないことは明らかであるため、この圧力テーブルを削除することで、後述する処理を行う労力を低減し、演算時間を短縮することができる。
【0030】
続いて、ステップS160で全ての圧力値のいずれかの値が値ゼロでないとCPU31が判定した場合、又は、ステップS170が実行された後に、変数tに値1を加算し(ステップS180)、変数tの値がテーブル数以上であるか否かを判定し、テーブルの数未満であると判定した場合には、ステップS130を再度実行する。こうすることにより、時間毎に圧力値が記憶された全てのテーブルについて、圧力値が閾値以上の圧力値が記憶された時間のテーブルのみを抽出すると共に、閾値より小さな圧力値を0とすることで、必要な情報に整理し、後述する処理を行う労力を低減し、演算時間を短縮することができる。
【0031】
さて、CPU31は、図3に示すように、生データ処理(ステップS100)に続き、足型毎分類処理(ステップS200)を実行する。この足型毎分類処理では、同一の足型由来の圧力による圧力値毎に圧力値の集合体をクラスタリングする。このように、圧力値を足型由来の圧力値の集合としてクラスタリングすることができるため、クラスタリングされた圧力値の集合体を歩行の一歩分の圧力値として扱うことができる。
【0032】
ここで、足型毎分類処理について、図5を用いて詳しく説明する。なお、ここで、図5は、足型毎分類処理一例を示すフローチャートである。足型毎分類処理がCPU31によって実行されると、三次元クラスタリング処理が実行され(ステップS210)、圧力情報がクラスタリングされる。具体的には、非階層型クラスタリングのアルゴリズムであるK平均法(k-means clustering)を用いてクラスタリングされる。このとき、クラスタ化されたデータは、図6に示すように、模式的に圧力値の集合によって足型の位置及び時間空間に表される。なお、ここで、図6は、クラスタリングされた圧力情報を模式的に表した模式図であり、X-Y座標面に位置の推移を示すと共に、高さ方向で時間推移を示したものである。
【0033】
続いて、CPU31は、ステップS210でクラスタ化した各クラスタに値1から連続でクラスタ番号を付与し(ステップS220)、クラスタ番号を示す変数n及び変数mに値1を代入する(ステップS230)。続いて、n番目のクラスタの大きさが予め記憶した閾値以上であるか否かを判定し(ステップS240)、閾値以上であると判定した場合には、圧力分布推移ベクトルを算出する(ステップS250)。なお、ここで「クラスタの大きさ」とは、例えば、図6に示した模式図で表した際のX-Y座標面の面積を「クラスタの大きさ」とすることができる。このX-Y座標面の面積は足型の大きさを意味するため、X-Y座標面の面積を「クラスタの大きさ」とすることで、例えば、杖等のように小さな物に由来するクラスタを排除することができる。加えて、図6に示した模式図で表した際の高さ方向の値を「クラスタの大きさ」とすることもできる。この高さ方向の値は、足型の接地時間を意味するため、高さ方向の値を「クラスタの大きさ」とすることで、例えば、通常の歩行では取り得ないような短時間接地された物に由来するクラスタを除外することができる。また、「圧力分布推移ベクトル」とは、クラスタリングされた圧力値の点群のクラスタ発生時と消失直前のフレームにおける圧力中心点又は面積中心点を算出し、その座標の発生時側の点を始点算出し、消失直前側の点と圧力値から終点を算出し、この始点から終点のベクトル(X座標、Y座標及び時刻tからなる三次元空間座標におけるベクトル)を意味する。この圧力分布推移ベクトルは、クラスタの発生から消失までの反応箇所の広がりや足圧中心の軌跡などを用いて三次元的にベクトル化したものである。
【0034】
続いて、CPU31は、n番目のクラスタ情報及びn番目の圧力分布推移ベクトルをm番目の構造体配列に記憶し(ステップS260)、変数nに値1を、変数mに値1をそれぞれ加算する(ステップS270)。こうすることにより、クラスタ情報と対応する圧力分布推移ベクトルを構造体配列に関連付けて記憶することができる。
【0035】
一方、ステップS240において、CPU31がn番目のクラスタの大きさが閾値未満であると判定した場合には、変数nに値1を、変数mに値1をそれぞれ加算する(ステップS270)。このようにクラスタの大きさが閾値未満である場合には、クラスタが足跡由来の圧力値のクラスタでないと判定されるため、このようなクラスタの圧力分布推移ベクトルを算出する必要がない。
【0036】
続いて、CPU31は、変数nの値がクラスタの総数の値以上か否かを判定し(ステップS280)、クラスタの総数未満であると判定した場合は、ステップS240を再度実行する。こうすることにより、全てのクラスタについて、クラスタの大きさが閾値以上である場合には、圧力分布推移ベクトルを算出し、構造体配列に記憶することができる。
【0037】
一方、ステップS280において変数nの値がクラスタの総数未満であると判定した場合は、CPU31が構造体配列を変数tの小さい順にソートし(ステップS290)し、足型毎分類処理を終了する。こうすることにより、クラスタとクラスタに対応する圧力分布推移ベクトルとが格納された経時的な構造体配列データを得ることができる。
【0038】
さて、CPU31は、図3に示すように、足型毎分類処理(ステップS200)に続き、人物毎分類処理(ステップS300)を実行する。この人物毎分類処理では、足型毎分類処理で得られた1つの足型が表されたクラスタを人物毎に分類する。こうすることにより、歩行者毎に足型を分類できるため、複数の足型を任意の歩行者毎に分類することができるため、分類された歩行者毎の歩行に関する情報を得ることができる。
【0039】
ここで、人物毎分類処理について、図7を用いて、詳しく説明する。ここで、図7は、人物毎分類処理の一例を示すフローチャートである。人物毎分類処理がCPU31によって実行されると、変数j及び変数kにそれぞれ値1を代入し(ステップS310)、j番目のクラスタを基準クラスタとして登録して(ステップS320)、RAM33に一時的に記憶する。なお、この変数jは、足型毎分類処理で分類したそれぞれのクラスタ番号に対応する変数を意味する。
【0040】
続いて、CPU31は、ステップS320でRAM33に一時的に記憶された基準クラスタが停止状態であるか否かを判定し(ステップS330)、基準クラスタが停止状態であると判定した場合には、基準推定存在範囲として停止状態の推定存在範囲を(ステップS340)、停止状態でないと判定した場合には、基準推定存在範囲として歩行状態の推定存在範囲を(ステップS350)、それぞれ登録する。具体的には、基準クラスタに含まれる圧力分布推移ベクトルの時間成分の値が所定の閾値(例えば、2000msや1500ms)以上であるか否かを判定し、閾値以上である場合に停止状態であると判定し、閾値未満である場合を停止状態でないと判定する。通常の歩行状態では、圧力分布推移ベクトルの時間成分の値は、長い場合でも1000ms前後であるとの結果が発明者らの実験によって確認されているため、閾値を1000msより大きくすることにより、歩行状態か停止状態化を判定することができる。なお、ここで、「推定存在範囲」とは、次の足型が位置する可能性の高い範囲を意味し、現在の足型に由来するクラスタが停止状態である場合と歩行状態である場合とで、異なる推定存在範囲を用いることで、同一人物の足型に由来するクラスタを分類する際、より精度が高く、かつ、高速に処理を行うことができる。
【0041】
ここで、「推定存在範囲」について、より詳しく説明する。この推定存在範囲は、次の足型が位置する可能性の高い範囲を意味し、歩行状態の推定存在範囲と停止状態の推定存在範囲とでは、異なる範囲を意味する。具体的には、歩行状態の推定存在範囲は、圧力分布推移ベクトルの中心点から圧力分布推移ベクトルの方向に予め定められた所定の距離だけ離れた点を中心として予め定められた範囲を、停止状態の推定存在範囲は、圧力分布推移ベクトルの中心点を中心とした予め定められた任意の形状(例えば、矩形形状や圧力分布推移ベクトルの中心点方向を中心点とする扇形形状等)の位置を、それぞれ意味する。通常、停止時には両足が近くに位置し、歩行時には、両足が歩幅分だけ離れた位置に位置することになるため、このように、停止状態の推定存在範囲と歩行状態の推定存在範囲とをそれぞれ異なる位置に定義し、停止状態と歩行状態とで異なる推定存在範囲を用いることで、次の一歩の足型に由来するクラスタを抽出する際、対象となるクラスタを適切な範囲に定めることができるため、より精度が高く、かつ、高速に処理を行うことができる。
【0042】
続いて、CPU31は、足型分類処理で分類されたクラスタ情報が基準推定存在範囲内に存在するか否かを判定し(ステップS360)、基準推定存在範囲内にクラスタ情報が存在すると判定した場合には、基準推定存在範囲内に存在すると判定したクラスタ情報が、基準クラスタと同一人物と推定されるか否かを判定する(ステップS370)。このように、基準推定存在範囲内に存在するクラスタ情報のみを同一人物と推定されるか否かを判定することにより、全てのクラスタ情報について推定する場合と比較して、高速に処理を行うことができる。
【0043】
ここで、基準クラスタと同一人物と推定されるか否かを判定する判定方法について、詳しく説明する。この推定方法としては、例えば、基準クラスタに含まれる圧力分布推移ベクトルの方向と比較するクラスタ情報に含まれる圧力分布推移ベクトルの方向とを比較し、それぞれの圧力分布推移ベクトルが進行方向に対して一方が左方向、他方が右方向を指す場合に、同一人物と推定してもよい。同一人物の足型由来の圧力は、必ず左右順番に現れるため、推定存在範囲内に位置し、圧力分布推移ベクトルが進行方向に対してそれぞれ左右方向を向いている場合には、同一人物の足型由来のクラスタである可能性が高いためである。また、基準クラスタ情報に含まれる圧力値と比較するクラスタ情報に含まれる圧力値の値との差が閾値以下である場合に、同一人物と推定してもよい。同一人物の足型由来の圧力値は、同程度であるため、圧力値の差が小さい場合には、同一人物の足型由来のクラスタである可能性が高いためである。また、j-1番目のクラスタ情報を有する場合には、j-1番目のクラスタ情報に含まれる足型形状とj+1番目のクラスタ情報に含まれる足型形状とが似ている場合には、同一人物と推定してもよい。足型形状が似ている場合には、同一人物の足型由来のクラスタである可能性が高いためである。なお、ここで、「似ている」とは、例えば、クラスタにおける圧力値の分布(例えば、図6に示した模式図で表した際のX-Y座標面の分布)の類似性が高い場合に、「似ている」と判断してもよい。X-Y座標面の分布は由来する足型の外形に由来するため、圧力値の分布の類似性が高い場合には、同一人物由来である可能性が高いと言える。加えて、圧力値の高低分布の類似性が高い場合に、「似ている」と判断してもよい。歩行する際、どの位置の圧力値が高い(又は低い)かは、個人の習慣や癖に起因することが多いため、高低分布の類似性が高い場合には、同一人物由来である可能性が高いと言える。他にも、それぞれの圧力値が足のどの部位(例えば、踵やつま先等)に相当するかを判定したのち、圧力値の時間変化傾向(例えば、足が接地してから離れるまでのクラスタを構成する圧力値の反応の時間毎の総和の推移等)等を用いてもよい。また、これらの2以上を組み合わせて判定しても良いし、それぞれをパラメータとし、それぞれのパラメータの重み付けをして組み合わせて判定してもよい。
【0044】
ステップS370において、CPU31が、クラスタ情報が基準クラスタと同一人物と推定されると判定した場合には、k人目情報としてクラスタ情報を登録し、当該情報をクラスタリストから削除する(ステップS380)。こうすることにより、k番目の基準クラスタと同一人物とされるクラスタ情報を抽出するとともに、次回以降の処理から除外することができるため、より高速化することができる。
【0045】
CPU31が、ステップS380を実行した後、又は、ステップS370で基準クラスタと同一人物でないと推定した場合には、基準推定存在範囲内に他のクラスタ情報があるか否かを判定し(ステップS390)、他のクラスタ情報があると判定した場合には、他のクラスタ情報について、ステップS370を再度実行する。こうすることにより、基準推定存在範囲内に複数のクラスタ情報が存在する場合、それぞれのクラスタ情報について基準クラスタと同一人物と推定されるか否かを判定することができる。
【0046】
一方、ステップS390で他にクラスタ情報が存在しないとCPU31が判定した場合には、変数j及び変数kに値1をそれぞれ加算し(ステップS400)、変数jが足型毎分類処理で抽出したクラスタの総数である定数J以上であるか否かを判定し(ステップS410)、定数J未満であると判定した場合には、ステップS320を再度実行する。一方、ステップS410で変数kが定数J以上であると判定した場合には、本ルーチンを終了する。こうすることにより、足型毎分類処理で分類した全てのクラスタ情報について、人物毎に分類することができる。
【0047】
さて、CPU31は、図3に示すように、人物毎分類処理(ステップS300)に続き、歩行解析処理(ステップS500)を実行する。この歩行解析処理では、人物毎分類処理で得られた一人の人物毎の歩行状態を解析する。こうすることにより、人物毎に分類された複数の足型から、歩行者毎の歩行に関する情報を得ることができる。
【0048】
ここで、歩行解析処理について、図8を用いて、詳しく説明する。ここで、図8は、歩行解析処理の一例を示すフローチャートである。歩行解析処理がCPU31によって実行されると、変数hに値1を代入し(ステップS510)、人物毎分類処理で分類したh人目のクラスタ情報をRAM33に一時的に記憶する(ステップS520)。続いて、RAM33に一時的に記憶されたh人目のクラスタ情報から、歩幅及び歩隔を算出する(ステップS530)。h人目のクラスタ情報には、足型毎分類処理で分類された足型のうち、人物毎分類処理で分類されたh人目に該当するクラスタ情報が含まれているため、それぞれのクラスタ情報に基づいて歩幅及び歩隔を算出することができる。
【0049】
続いて、CPU31は、歩行速度及び歩行周期を算出する(ステップS540)。h人目のクラスタ情報には、足型毎分類処理で分類された足型のうち、人物毎分類処理で分類されたh人目に該当するクラスタ情報が含まれているため、ステップS530で算出した歩幅、歩隔及びクラスタ情報から導き出される測定間隔に基づいて歩行速度及び歩行周期を算出することができる。
【0050】
続いて、CPU31は、圧力中心の軌跡の推移を算出する(ステップS550)。h人目のクラスタ情報には、足型毎分類処理で分類された足型のうち、人物毎分類処理で分類されたh人目に該当するクラスタ情報が含まれているため、圧力中心の軌跡を算出することができる。
【0051】
続いて、CPU31は、一歩毎・部位毎の圧力推移を算出する(ステップS560)。h人目のクラスタ情報には、足型毎分類処理で分類された足型のうち、人物毎分類処理で分類されたh人目に該当するクラスタ情報が含まれているため、一歩毎・部位毎の圧力推移を算出することができる。
【0052】
続いて、CPU31は、変数hに値1を加算し(ステップS570)、変数hが人数毎分類処理で算出した人数値(変数kの最終値)以上であるか否かを判定し(ステップS580)、人数値未満であると判定した場合には、再度ステップS530を実行し、人数値以上であると判定した場合には、本ルーチンを終了する。こうすることにより、人物毎分類処理で分類した全ての人物に相当するクラスタ情報について、歩行情報を算出することができる。
【0053】
以上詳述した実施の形態の歩行分析システム20によれば、歩行者の足裏由来の圧力値、測定時間及び測定場所に関する情報を含む圧力情報を測定する圧力情報測定手段10から出力された圧力情報を入力する圧力情報入力手段22に入力された圧力情報を、任意の足型毎の圧力情報に分類する圧力情報分類処理(ステップS200)によって分類し、圧力情報分類処理によって分類された任意の足型を、足型分類処理(ステップS300)で任意の人物毎の足型に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を取得することができる。
【0054】
また、ステップ500において、足型分類処理によって任意の人物毎に分類された足型から、歩行分析処理により任意の人物の歩幅や歩隔、歩行速度又は歩行周期を含む行動特性を推測することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、歩行者の歩行に関する情報を取得し、この歩行に関する情報を利用することで、任意の人物の行動特性を推定することができる。
【0055】
更に、ステップS200において、K平均法を利用したクラスタリングアルゴリズムを用いて同一の足型由来の圧力情報にクラスタリングすることで、前記圧力情報を任意の足型毎の圧力情報に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、高精度かつ短時間で歩行者の歩行に関する情報を取得することができる。
【0056】
更にまた、ステップS200において、圧力分布推移ベクトルに基づいて任意の人物毎の足型に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、高精度かつ短時間で歩行者の歩行に関する情報を取得することができる。
【0057】
そして、ステップS200において、基準推定存在範囲に基づいて任意の人物毎の足型に分類することにより、歩行者の足裏由来の圧力情報のみから、歩行者の肖像権の問題を生じさせることなく、高精度かつ短時間で歩行者の歩行に関する情報を取得することができる。
【0058】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0059】
例えば、上述した実施の形態では、ステップS200を実行する前に、ステップS100を実行するものとしたが、ステップS100はなくともよい。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0060】
上述した実施の形態では、ステップS300の後にステップS500を実行するものとしたが、ステップS500はなくともよい。ステップS300で出力したデータを公知の情報処理装置及び情報処理方法を用いて分析することで、歩行者の特性に関する情報を算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
上述した実施の形態で示すように、情報処理分野、特に歩行分析システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10…圧力情報測定手段、20…歩行分析システム、22…圧力情報入力手段、24…出力手段、30…制御手段、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…インタフェース、35…バス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8