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特開2023-33027眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法
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  • 特開-眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法 図1
  • 特開-眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法 図2
  • 特開-眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法 図3
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  • 特開-眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法 図10
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  • 特開-眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法 図12
  • 特開-眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法 図13
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033027
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】眼鏡レンズにおける光学中心・中心厚・フチ厚・内面カーブの算出方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 13/00 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
G02C13/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021150640
(22)【出願日】2021-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】510141213
【氏名又は名称】手島 繁
(72)【発明者】
【氏名】手島 繁
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006DA01
(57)【要約】
【課題】従来、S度数・C度数・軸角度・偏心量に関わる「プリズム量」および「プリズム方向」が不確かで、光学中心を正確に位置づけることが出来ないという問題がありました。S度数・C度数・軸角度・偏心量には相互関係があり、プリズムリングの傾きを考慮しないことが起因していました。
【解決手段】本願で算出した左右レンズの「補正プリズム量」と「プリズム方向」を、切削前に設定し内面切削機(CG機)で眼鏡用の半製品レンズの内面を切削すれば、眼鏡レンズの光学中心を正確に位置づけることが出来ます。眼鏡レンズの製作時の損出を減らし、良質で精度の優れた眼鏡レンズを効率よく提供することが出来ます。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
[表1]の右レンズにおいて、「ア-右」のS度数(ディオプター)、「イ-右」のC度数(ディオプター)、「ウ-右」の軸角度(°)、「エ-水平-右」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-右」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の右レンズの「オ-右」の欄の下の値である「補正プリズム量(プリズム)」。
【請求項2】
[表1]の右レンズにおいて、「ア-右」のS度数(ディオプター)、「イ-右」のC度数(ディオプター)、「ウ-右」の軸角度(°)、「エ-水平-右」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-右」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の右レンズの「キ-右」の欄の下の値である「右レンズの合成プリズム方向(°)」。
【請求項3】
[表1]の左レンズにおいて、「ア-左」のS度数(ディオプター)、「イ-左」のC度数(ディオプター)、「ウ-左」の軸角度(°)、「エ-水平-左」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-左」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の左レンズの「オ-左」の欄の下の値である「補正プリズム量(プリズム)」。
【請求項4】
[表1]の左レンズにおいて、「ア-左」のS度数(ディオプター)、「イ-左」のC度数(ディオプター)、「ウ-左」の軸角度(°)、「エ-水平-左」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-左」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の左レンズの「カ-左」の欄の下の値である「左レンズの合成プリズム方向(°)」。
【請求項5】
[表16]のプラスレンズおいて、「A」の口径(mm)、「B」の屈折率、「C」のレンズの表面の半径(mm)、「D」のレンズの内面の半径(mm)、「入力-中心厚」に「CT2」の中心厚(mm)、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)の入力により、[表16]の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表16]のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の「CT3」の欄の下の値であるプラスレンズの「中心厚(mm)」。
【請求項6】
[表17]のマイナスレンズおいて、「A」の口径(mm)、「B」の屈折率、「C」のレンズの表面の半径(mm)、「D」のレンズの内面の半径(mm)、「入力-中心厚」に「F」の中心厚(mm)、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)の入力により、[表17]の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表17]のマイナスレンズで中心厚を考慮した場合の「EG3」の欄の下の値であるマイナスレンズの「フチ厚(mm)」。
【請求項7】
[表1]の右レンズの「ア-右」のS度数(ディオプター)、「イ-右」のC度数(ディオプター)、「ウ-右」の軸角度(°)、「エ-水平-右」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-右」の垂直方向の偏心量(mm)の入力、及び[表2]の右レンズにおいて「ヒ-合成」に任意の角度(0°~180°)を入力することにより、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表2]の右レンズの「フ-合成-任意-度数」の欄の下の値である右レンズの「仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)」。
【請求項8】
[表1]の左レンズの「ア-左」のS度数(ディオプター)、「イ-左」のC度数(ディオプター)、「ウ-左」の軸角度(°)、「エ-水平-左」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-左」の垂直方向の偏心量(mm)の入力、及び[表6]の左レンズにおいて、「ヒ-合成」に任意の角度(0°~180°)を入力することにより、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表6]の左レンズの「フ-合成-任意-度数」の欄の下の値である左レンズの「仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)」。
【請求項9】
[表2]の右レンズにおいて、「ヒ-合成」の任意の角度(0°~180°)を入力することにより算出できる「フ-合成-任意-度数」の仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)より、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる内面カーブの半径R(m)。
【請求項10】
[表6]の左レンズにおいて、「ヒ-合成」の任意の角度(0°~180°)を入力することにより算出できる「フ-合成-任意-度数」の仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)より、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる内面カーブの半径R(m)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、眼鏡レンズの研磨工程に関するものです。本願は、表計算ソフトを用いて、物であるプログラムに計算式を組み込み、プログラム計算式として構成し、眼鏡レンズにおける光学中心を算出する方法です。特開2011-232722(以下、前特開と記します)を改良し、さらに進歩性と新規性を有するものとしました。
【0002】
本願は、研磨工程における眼鏡レンズの製作時において、プリズムリングの傾きが原因である、切削加工する前の半製品の眼鏡レンズの全体の傾きによる、課題である光学中心の位置のずれ(誤差)を本願の方法を用いて、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させる方法です。
【0003】
本願は、眼鏡レンズの製作における研磨工程の準備工程において、光学中心の位置を眼鏡レンズの幾何学中心から水平方向の鼻側(内側)寄りと垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成して、期待する位置に光学中心を偏心させる為に、「補正プリズム量(プリズム)」と「プリズム方向(°)」の値を算出する方法です。以下、「補正プリズム量(プリズム)」は「補正プリズム量」、「プリズム方向(°)」は、「プリズム方向」と記します。
【0004】
本願は、プリズムリングの傾きに関するものです。本願で算出した「補正プリズム量」を、本願で算出した「プリズム方向」より加えることにより、光学中心の位置を正確に期待する位置に偏心させて、課題を解決します。
【0005】
「補正プリズム量」と「プリズム方向」の値を算出する為に、「S±度数」・「C±度数」・「軸角度」・「偏心量(mm)」・「レンズの中心厚(mm)」の値を用いて、「右レンズの補正プリズム量」と「右レンズのプリズム方向」、「左レンズの補正プリズム量」と「左レンズのプリズム方向」を算出する方法です。
【0006】
「補正プリズム量」および「プリズム方向」の値を用いて、内面切削機(カーブジェネレーター:以下、CG機とします)の切削加工工程において、「補正プリズム量」に応じた適切なプリズムリングを、適切な「プリズム方向」より加える設定を、半製品の眼鏡レンズの内面カーブを切削加工する工程の前に行う。その後、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工することにより、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させる。
【0007】
「補正プリズム量」および「プリズム方向」の値を算出する手段として、本願の[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目のプログラム計算式によって、「右レンズの補正プリズム量」および「右レンズのプリズム方向」を算出します。[表1]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目のプログラム計算式によって、「左レンズの補正プリズム量」および「左レンズのプリズム方向」を算出します。
【背景技術】
【0008】
各種公式の説明。以下、各種公式。
【0009】
K=1/(RR)。Kは、曲率。Rは、半径。
【0010】
円の公式。XX+YY=RR。Rは半径です。
【0011】
R=(n-1)/D。D=(n-1)/半径(m)。Rは、半径(m)です。Dは、度数(ディオプター)です。nは、レンズの屈折率です。
【0012】
D=D1-D2。Dは、度数(ディオプター)。D1は、表面のディオプターカーブ。D2は、内面のディオプターカーブ。度数(ディオプター)=表面のディオプターカーブ-内面のディオプターカーブ。
【0013】
D=1/F。Dは、度数(ディオプター)。Fは、焦点距離(m)。
【0014】
レンズの屈折率と厚みと度数と表面ディオプターカーブと内面のディオプターカーブとの関係式。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。nは、レンズの屈折率。dは、中心厚(m)。D1は、表面のディオプターカーブ。D2は、内面のディオプターカーブ。D0は、レンズの度数(ディオプター)。
【0015】
例。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)より 以下に記す。レンズの屈折率を「1.50」とする。n=1.50。中心厚を「3.0mm」とする。d=0.003(m)。
【0016】
D1である表面のディオプターカーブを「5.00D」とします。D1=5.00。DOであるレンズの度数(ディオプター)を「3.00D」とします。DO=3.00。D2=n(D1-D0)(/n-dD1)の式に、nとdとD0とD1を代入します。D2の内面のディオプターカーブを求めます。
D2=1.50(5.00-3.00)/(1.50-0.0035.00)=1.502.00/(1.50-0.015)=3.00/1.485=2.02。 D2の内面のディオプターカーブは、「2.02D」となります。
【0017】
曲率と曲率半径についての説明。曲率とは、曲線または曲面のまがりの程度のこと。その値は曲率半径の逆数。曲率半径とは、曲線や曲面の各点の湾曲の程度を示す量で、曲率半径が大きいほど湾曲は緩やかで、平面は曲率半径が至る所無限大。球や円の曲率半径は、至る所で一定、湾曲の度合も一定。曲率半径の逆数を曲率の値とする。
【0018】
K=1/RRの式についての説明。曲率と半径との関係式です。Kは曲率です。Rは半径です。半径Rが1の時、K(曲率)=1/11=1です。半径Rが2の時、K(曲率)=1/22=0.25です。半径Rが4の時、K(曲率)=1/44=0.0625です。半径が大きくなればなるほど湾曲は緩やかで、K(曲率)は小さくなります。半径Rが0.5の時、K(曲率)=1/0.50.5=4です。半径Rが0.4の時、K(曲率)=1/0.40.4=6.25です。半径Rが小さくなればなるほど湾曲は強くなり、K(曲率)は大きくなります。
【0019】
D=1/Fの式についての説明。Dは度数(ディオプター)です。Fは焦点距離です。単位はm(メーター)です。焦点距離が1(m)である屈折力を1D(ディオプター)とします。
【0020】
[段落0011]のR=(n-1)/Dの式についての説明。Rは半径(単位はm)です。Dは度数であるディオプターです。nはレンズの屈折率です。半径Rは、[段落0009]のK=1/(RR)の式よりKの曲率(曲線または曲面のまがりの程度)に関係しています。度数Dは、[段落0013]のD=1/Fの式より焦点距離に関係しています。R=(n-1)/Dの式は、半径Rと曲率Kと焦点距離Fとレンズの屈折率nとに関係しています。
Rが1の場合、K(曲率)=1/RR=1です。K(曲率)=1です。半径Rが1の時、K(曲率)は1です。
半径Rを一定にし、屈折率を変えると、Dの値が変化します。R=(屈折率-1)/Dの式のRを1とします。1=(屈折率-1)/Dとなります。D=(屈折率-1)/1とできます。レンズの屈折率が1.50の時、Dは0.5です。レンズの屈折率が1.60の時、Dは0.6です。レンズの屈折率が1.70の時、Dは0.7です。レンズの屈折率が高くなると、Dの値が大きくなります。
【0021】
R(半径)とK(曲率)とD(ディオプター)とn(屈折率)の関係についての説明。
D=1/Fです。Fは焦点距離で、単位はm(メーター)です。焦点距離が1(m)である屈折力を1D(ディオプター)とする。
半径Rが1(m)で、屈折率が1.50の場合。[段落0011]の式より、R=(n-1)/Dです。D=(n-1)/Rとできます。Rの単位は、m(メーター)です。半径Rが1(m)で、屈折率が1.50の場合、D=(1.50-1)/1=0.5となります。[段落0013]の式より、D=1/Fより、F=1/Dです。Fの焦点距離が2(m)である屈折力があることになります。D=1/2=0.5D(ディオプター)です。半径R=1ですから、[段落0009]の式より、K(曲率)=1/RR=1です。
半径Rが0.5(m)で、屈折率が1.50の場合。D=(1.50-1)/0.5=1となります。D=1/Fより、F=1/Dです。Fの焦点距離が1(m)である屈折力があることになります。1D(ディオプター)です。半径R=0.5ですから、K(曲率)=1/RR=1より、K(曲率)=1(/0.50.5)=4となります。
半径Rが0.4(m)で、屈折率が1.50の場合。D=(1.50-1)/0.4=1.25です。D=1/Fです。F=1/Dより、F=1/1.25=0.8です。Fの焦点距離が0.8(m)である屈折力があることになります。1.25D(ディオプター)です。半径Rが0.4(m)ですから、K(曲率)=1/RRより、K(曲率)=1/(0.40.4)=6.25です。
【0022】
D(ディオプター)が5Dの場合。[段落0013]の式より、5D=1/Fです。F=1/5Dより、F=1/5=0.2です。Fの焦点距離が0.2(m)である屈折力があることになります。
【0023】
D(ディオプター)が4Dの場合。4D=1/Fです。F=1/4Dより、F=1/4=0.25です。Fの焦点距離が0.25(m)である屈折力があることになります。
【0024】
[段落0011]の式より、R=(n-1)/Dです。屈折率は1.50とします。5Dの場合、R=(1.50-1)/5=0.1です。半径Rは、0.1(m)=10(cm)です。4Dの場合、R=(1.50-1)/4=0.125です。半径Rは、0.125(m)=12.5(m)です。半径Rが小さくなればなるほど湾曲は強くなり、K(曲率)は大きくなります。
【0025】
度数についての説明。屈折率が1.50で5D(ディオプター)の場合。[段落0011]の式より、R=(1.50-1)/5=0.1です。半径R(m)は、0.1(m)=10(cm)です。4D(ディオプター)の場合、R=(1.50-1)/4=0.125です。半径R(m)は、0.125(m)=12.5(cm)です。屈折率が1.50の場合、5D(ディオプター)の曲線の半径は10cmです。4D(ディオプター)の曲線の半径(m)は12.5cmです。
【0026】
5D(ディオプター)をレンズの表面のディオプターとします。4D(ディオプター)をレンズの内面のディオプターとします。プラスレンズの場合、5D(表面のディオプター)から4D(内面のディオプター)を差し引けば、「5D-4D=+1D」より、+1.00Dの度数が得られます。
【0027】
レンズの度数と厚み(m)と屈折率についての説明。[段落0015]の式より、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)です。D1は表面のディオプターカーブ。D2は内面のディオプターカーブ。nはレンズの屈折率。dはレンズの中心厚(m)。D0はレンズの度数(ディオプター)。
D2のレンズの内面が平面である場合、半径は無限大です。
【0028】
プラスレンズの場合、レンズの屈折率が高くなるほど、レンズの中心厚を薄くすることができます。
【0029】
例1。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。屈折率を1.50とする。D1の表面のディオプターカーブを4.00D、レンズの中心厚を0.005(m)=5(mm)、D0が+1.00(ディオプター)の場合。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に各値を代入します。
D2=1.50(4.00-1.00)/(1.50-0.0054.00)=4.5/(1.50-0.02)=4.5/1.48=3.04D。D2の内面のディオプターカーブは、3.04Dとなります。レンズの屈折率(n)が1.50、レンズの中心厚が5mm、D1の表面のディオプターカーブが5.00Dの場合、+1.00のディオプターを得るには、D2の内面のディオプターカーブを3.04Dにすればよいことになります。
【0030】
例2。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。中心厚を0.005(m)を、0.01(m)にする。0.005(m)厚くする。屈折率は1.50、D1の表面のディオプターカーブは4.00D、レンズの中心厚は0.01(m)=10(mm)、D0が+1.00D(ディオプター)の場合。
D2=1.50(4.00-1.00)/(1.50-0.014.00)=4.5/(1.50-0.04)=4.5/1.46=3.08D。D2の内面のディオプターカーブは、3.08Dとなります。中心厚0.005(m)を0.01(m)に、0.005(m)厚くすれば、D2の内面のディオプターカーブは「3.04D」を「3.08D」にする必要が生じます。半径Rが小さくなればなるほど湾曲は強くなり、K(曲率)は大きくなります。D2の内面のディオプターカーブの半径を小さくし、湾曲を強くする必要が生じます。
【0031】
例3。レンズの屈折率が1.60の場合。例1の場合と比較する。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。屈折率を1.60とする。D1の表面のディオプターカーブを4.00D、レンズの中心厚を0.005(m)=5(mm)、D0が+1.00D(ディオプター)の場合、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に値を代入する。D2=1.60(4.00-1.00)/(1.60-0.0054.00)=4.8/(1.60-0.02)=4.8/1.58=3.03D。D2の内面のディオプターカーブは、3.03Dとなります。例1の場合のD2の内面のディオプターカーブは「3.04D」でした。屈折率1.50を屈折率1.60にすれば、D2の内面のディオプターカーブは3.03Dになります。屈折率1.50の場合のD2の内面のディオプターカーブは「3.04D」です。屈折率1.60の場合のD2の内面のディオプターカーブは「3.03D」です。屈折率1.60の場合には、D2の内面のディオプターカーブを「3.03D」にする必要が生じます。
【0032】
一般的には、眼鏡レンズの光学中心の位置は、S度数・C度数・軸角度・偏心量(mm)・プリズム方向・中心厚によって決まります。中心厚については、マイナスレンズでは1.8mmとします。平板(度数がゼロ)の場合では厚みは2.2mmとします。+2.00D位以上の度数のプラスレンズでは、仕上りレンズの縁の最小の厚みは1mm以内になる場合の中心厚を想定しています。
【0033】
プリズムリングについての説明。プリズムリングは、半製品の眼鏡レンズを固定接着する専用の金具(以下、ブロックとします)とは、別の金具です。ブロックについては、[図8]を参照して下さい。プリズムリングは、半製品の眼鏡レンズを固定接着するブロックに、密着装着して用いる環状の金具です。プリズムリングについては、[図4]・[図5]・[図6]・[図7]を参照して下さい。
プリズムリングは、直径を50mmの環状のものとします。プリズムリングは、最も薄い部分と最も厚い部分の厚みの差が、1mmの場合、1.0プリズムのプリズムリングとしています。近似式により、厚みの差が2mmの場合では、2.0プリズムのプリズムリングとします。
【0034】
眼鏡レンズの屈折率が強くなれば、プリズムリングの厚みの差は少なくなります。プリズムリングによる、眼鏡レンズの全体の傾きは、少なくなります。屈折率が1.60の眼鏡レンズの場合、屈折率が1.50の眼鏡レンズより、屈折率が強い為に、プリズムリングの厚みの差は少なくなります。屈折率1.50÷屈折率1.60≒0.937です。屈折率が1.50の眼鏡レンズの場合では、1プリズムのプリズムリングの厚みの差は1mmでした。しかし、屈折率が1.60の眼鏡レンズでは、1プリズムはプリズムリングの厚みの差が1mm×0.937≒0.937mmが、1プリズムのプリズムリングとなります。眼鏡レンズの屈折率に応じたプリズムリングを用いれば、本願の光学中心の算出方法が適用できます。同様に、屈折率が1.70の眼鏡レンズの場合は、屈折率1.50÷屈折率1.70≒0.882です。屈折率が1.70の眼鏡レンズでは、1プリズムはプリズムリングの厚みの差は屈折率1.50のレンズに対して1mm×0.882≒0.882mmが、1プリズムのプリズムリングとなります。この様に眼鏡レンズの屈折率に応じて、プリズムリングの厚みの差を変えればよいのです。
【0035】
プリズムリングについての具体的な説明。屈折率が1.50の材質の眼鏡レンズの場合を例に、プリズムリングについて説明します。本願で用いるプリズムリングは、直径50mmの環状の金具を例にとります。
環状のプリズムリングについて説明します。プリズムリングの厚さは、レンズの製作に支障がなければ、任意に決めて差し支えありません。仮にプリズムリングの厚みを、均一な厚みで3mmとします。このプリズムリングを側面から見ると底辺が50mmで高さが3mmの長方形の形をしています。薄い方を0mmとすれば、厚い方の厚みは6mmとなります。厚みの差は6mmです。この場合、このプリズムリングを側面から見れば、底辺が50mmで高さが6mmの直角三角形をしています。中心の厚みは常に3mmです。
プリズムリングの厚みを均一な厚みで2mmとすれば、このプリズムリングを側面から見ると底辺が50mmで高さが2mmの長方形になります。薄い方を0mmとすれば、厚い方の厚みは4mmとなります。厚みの差は4mmです。この場合、このプリズムリングを側面から見れば、底辺が50mmで高さが4mmの直角三角形をしています。中心の厚みは常に2mmです。
この厚みの差が、プリズムリングの傾きとなります。プリズムリングの傾きが、プリズムに関わってきます。
【0036】
球面レンズの場合では、プリズムリングの薄い方は、レンズは厚く仕上がります。プリズムリングの厚い方は、レンズは薄く仕上がります。レンズとブロックとプリズムリングについては、[図9]・[図10]を参照して下さい。[図9]は、マイナスレンズの場合です。[図10]は、プラスレンズの場合です。
【0037】
プリズムリングの薄い方と厚い方の厚みの差が、1mmの場合を例にとります。このプリズムリングは、側面から見れば、底辺が50mmで高さが1mmの直角三角形の形をしています。高さ÷底辺より、1mm÷50mm=0.02です。TANθ=0.02の場合のθの角度は、三角関数真数表より、θ=1°の時、TANθ=0.017です。概算ですが、0.017:0.02=1°:θより、θ=(0.02×1°)÷0.017≒1.17°となります。プリズムリングの厚みの差が1mmの場合、このプリズムリングの厚みの差の1mmを底辺とする三角形の頂角であるθは、約1.17°となります。プリズムリングの厚みの差が、1mmのプリズムリングは、1.0のプリズムリングとなります。
プリズムリングの厚みの差が2mmの場合だとすると、2mm÷50mm=0.04です。上記と同様に、TANθ=0.04は、三角関数真数表より、θ=2°の時、TANθ=0.035です。概算で、0.035:0.04=2°:θより、θ=(0.04×2°)÷0.035≒2.28°です。以上により、TANθ=0.04の場合のθは、約2.28°となります。プリズムリングの厚みの差が2mmの場合、このプリズムリングのθは、約2.28°となります。プリズムリングの厚みの差が、2mmのプリズムリングを、2.0のプリズムリングとします。プリズムリングの厚みの差が3mmの場合も、同様に計算して、3.0のプリズムリングとします。ただし、プリズムリングの厚みの差が大きくなれば、プリズムリングの厚みの差とθとの誤差が大きくなります。この様にして近似的ですが、プリズムリングの厚みの差を三角形の頂角として、プリズムリングのθの角度を決めています。プリズムリングの厚みの差を、等分割してプリズムリングを製作し、必要に応じて用います。例えば、プリズムリングの厚みの差が1mmの1.0のプリズムリングの厚みの差を、10等分して、プリズムリングの厚みの差が0.1mmのプリズムリングを、0.1のプリズムリングとします。プリズムリングの厚みの差が0.2mmのプリズムリングを、0.2のプリズムリングとします。
【0038】
プリズムリングの傾きについての説明。例1。プリズムリングを平らに置いて上から見て、プリズムリングの幾何学中心より右水平方向を0°とします。反時計回りで、左水平方向は180°となります。+1.00Dの屈折力を有する左の球面レンズを想定します。最小の厚みが0mm(ゼロ)で、最大の厚みが1mmのプリズムリングを用いるとします。最小の厚みが0mm(ゼロ)の部分を水平方向の180°方向からプリズムを加えるとします。0°―180°線方向の水平方向のプリズムリングの厚みは、プリズムリングの外周の180°点で0mmです。0°点で1mmの厚みになります。90°―270°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmとなります。レンズ全体がプリズムリングによって、180°点方向に低く傾いています。
例2。同じく、S+1.00Dの左の球面レンズの場合で、90°方向から例1と同じプリズムリングで、プリズムを加えるとします。90°点のプリズムリングの厚みは0mmです。270°点で1mmの厚みになります。レンズ全体がプリズムリングによって、90°点方向に低く傾いています。0°―180°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmとなります。
例3。同じく、S+1.00Dの左の球面レンズの場合で、135°方向から例1と同じプリズムリングで、プリズムを加えるとします。135°点のプリズムリングの厚みは0mmです。315°点で1mmの厚みになります。レンズ全体がプリズムリングによって、135°点方向に低く斜めに傾いています。45°―225°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmとなります。この場合、プリズムリングの厚みは、垂直方向の90°―中心点と水平方向の180°―中心点では、均等なバランスとなっています。
例4。同じく、S+1.00Dの左の球面レンズで、157°方向から例1と同じプリズムリングで、プリズムを加えた場合、プリズムリングの厚みは、157°点で0mmです。337°点で1mmの厚みになります。レンズ全体がプリズムリングによって、157°点方向に低く傾いています。157°-90°=67°と157°+90°=247°を結ぶ67°―247°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmです。90°―中心点は、プリズムリングの厚みが半分である67°―247°線方向の67°点より23°左側にあります。一方、180°―中心点は、プリズムリングの厚みが半分である67°―247°線方向の247°点より67°上側にあります。つまり、157°点を基準とすれば、垂直方向である90°―中心点と同じプリズムリングの厚みの方向は、247°-23°=224°より、224°―中心点となります。224°-中心点が、90°―中心点と同じプリズムリングの厚みとなります。90°―中心点のプリズムリングの厚みは、プリズムリングの厚みが半分の0.5mmである67°―247°線方向の67°点より23°左側にあるので、半分の厚みより薄くなっています。180°-中心点は、プリズムリングの厚みが90°―中心点と同じ224°-中心点より、44°(224°―180°=44°)上側にあります。よって、90°―中心点のプリズムリングの厚みより、さらに薄くなっています。以上が、球面レンズの場合の、例1、例2、例3、例4の相違です。この様に、同じS+1.00Dの球面レンズでも、プリズムリングでプリズムを加える方向によって、レンズ全体の傾きが異なってきます。即ち、同じプリズムリングでもプリズムを加える方向によって、垂直方向である90°―270°線方向や水平方向である0°―180°線方向にずれ(誤差)が生じるのです。
【0039】
レンズの頂角と屈折する角度についての説明。屈折率が1.50で、レンズの基底(ベース)を底辺とする三角形の頂角がσである凸レンズを、レンズAとします。レンズAよりe(m)離れた所でd(cm)屈折する時の、屈折する角度をuとします。この時、(σ≒u÷(n-1)の式が成り立ちます。(式1)とします。屈折率は、n=1.50です。屈折する角度uが小さい時には、d≒e×uの近似式とみなせます。(式2)とします。e=1m、d=1cmの場合、レンズより1m離れた所で1cm屈折することを、1プリズムの屈折力をもつといいます。この1プリズムの屈折力をもつ凸レンズを、レンズBとします。(式2)のd≒e×uより、u≒d÷eです。cmに換算すると、u≒1cm÷100cm≒0.01°となります。レンズBの場合を例にとります。(式1)では、σ≒u÷(n-1)でした。屈折率は、n=1.50です。σ≒0.01÷(1.50-1)≒0.01÷0.50≒0.02°となります。レンズBのσは、約0.02°となります。このBのレンズの屈折する角度uは、約0.01°でした。よって、レンズBのσの半分の角度が、uの角度となります。
【0040】
度数と偏心量とプリズム屈折力についての説明。度数が+1.00Dの凸レンズがあるとします。プレンティスの式より、P=D×(h÷10)です。Pは、プリズム屈折力。Dは、レンズ屈折力(ディオプター)。hは、偏心量(mm)。この凸レンズで、光学中心を10mm偏心させるには、プレンティスの式より、P=+1.00D×(10mm÷10)=1.0プリズム屈折力となります。1プリズムのプリズムリングを、用いればよいことになります。1プリズムの屈折力をもつレンズにおいて、3mm偏心させるには、プレンティスの式より、P=+1.00D×(3mm÷10)=0.3プリズムの屈折力となります。0.3プリズムのプリズムリングを、用いればよいことになります。
【0041】
眼鏡レンズの中心厚についての説明。表面(おもてめん)カーブと内面(ないめん)カーブが同じである、度数が0.00Dの眼鏡レンズの中心厚は、レンズの強度の関係上、少なくとも2mm位は必要です。マイナスレンズの中心厚は、1.8mm位とします。マイナスレンズの場合、マイナスの度数が強くなれば、レンズの口径のフチ(縁)の厚みは増します。プラスレンズの場合、プラス度数が強くなれば、レンズの中心厚は増します。レンズの屈折率を強くすることによって、マイナスレンズの場合はフチ厚を薄くできます。プラスレンズの場合は、中心厚を薄くできます。
中心厚については、明細書の[段落0184]から[段落0217]と[表16]と[図11]との関係を[段落0244]で説明しています。フチ厚については、明細書の[段落0184]から[段落0217]と[表17]と[図12]との関係を[段落0245]と[段落0246]で説明しています。
【0042】
切削加工についての説明。半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工する前に、「補正プリズム量」と「プリズム方向」を設定した結果、半製品の眼鏡レンズとCG機との幾何学的な位置関係は、CG機のカップ型のダイヤモンドホイール(研磨する側)と、ブロックに固定接着された半製品の眼鏡レンズ(研磨される側)とは対面しており、ダイヤモンドホイール(研磨する側)とブロックに固定接着された半製品の眼鏡レンズ(研磨される側)との幾何学中心は、水平方向と垂直方向において同一線上にあり、対面した幾何学的な位置関係となっています。
半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着する時は、S度数のみの球面である場合は、水平方向である軸角度方向に固定接着します。半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着する時、眼鏡レンズの製作上、C度数がマイナスレンズの場合は軸角度方向ですが、C度数がプラスの場合で軸角度が0°~90°未満の場合は、軸角度に90°を加えます。軸角度が90°~180°の場合は、軸角度から90°を減らします。C度数がプラスの場合は、軸角度に応じて、軸角度の軸に±90°を加えたり減したりした後の軸方向に、半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着します。この様に、半製品レンズをCG機で切削加工時において、軸角度の軸に±90°を加えたり減らしたりしなければなりません。これを「軸転換」といいます。
[段落0257]・[段落0258]・[段落0259]において、「軸転換」について説明をしています。
【0043】
眼鏡レンズに固定接着された軸方向が、眼鏡レンズの内面カーブの半径が最も大きくなります。CG機のダイヤモンドホイールの幾何学中心の水平方向です。CG機のダイヤモンドホイールの幾何学中心の垂直方向が、眼鏡レンズの内面カーブの半径が最も小さくなります。
半製品の眼鏡レンズは、薄いサーフティングテープ(保護テープ)で保護した後に、半製品の眼鏡レンズを融解した合金(以下、アロイとします。50°~60°C位以上の温度で融解し、30°C位以下の温度で固まる合金)により、ブロックに固定接着します。その後、本願で算出した「補正プリズム量」に応じたプリズムリングを、本願で算出した「プリズム方向」に、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックに密着装着します。そして、CG機の装着固定部分(チャック部分)に、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックと、このブロックに密着装着したプリズムリングとを、共にCG機のチャック部分に装着固定します。
CG機のキーボードより、CPU(中央演算処理装置)を介して、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックのフロント・カーブの値、半径が最も大きくなる内面カーブの値(ディオプター・カーブ)、半径が最も小さくなる内面カーブの値(ディオプター・カーブ)、仕上がり中心厚の値を入力します。そうすると、S度数とC度数の半径に応じて、ダイヤモンドホイールの切削加工する角度が、油圧により油圧シリンダーが作動し、電気により電磁バルブが作動して、油圧の流れが制御され、設定されます。この様にして、ダイヤモンドホイールの切削加工するエッジのカーブが設定されます。CG機のダイヤモンドホイールは、電動モーターによる回転が、ベルトを介して、ダイヤモンドホイールに伝達されて高速回転します。
ダイヤモンドホイール(研磨する側)は、高速回転しながら水平方向の左右に、緩やかに振り動きます。ダイヤモンドホイールの1回の左右の振りの往きの振りの時に、半製品の眼鏡レンズの内面を、1回の振りにつき2~3mm位の厚みだけ切削加工していきます。ダイヤモンドホイールの左右の振りの動きに合わせて、対面方向に位置する眼鏡レンズ(研磨される側)を装着固定したCG機の台座が、水平方向に油圧シリンダーにより、1回の振りにつき2~3mm位、眼鏡レンズの仕上がり中心厚まで、ダイヤモンドホイールに少しずつ移動接近していきます。台座の位置は、ポテンションメーターと連動して作動します。半製品の眼鏡レンズの内面カーブは、ダイヤモンドホイールのエッジのカーブで、弓状の弧の形状の切削跡を描きながら切削加工されていきます。この様にして、半製品の眼鏡レンズの内面カーブが切削加工されます。
【0044】
CG機には様々な機械があります。旋盤の中刳り(ボーリング)によって、半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工するCG機もあります。しかし、どの様なCG機であっても、プリズムリングを用いて半製品の眼鏡レンズの切削加工を行う場合は、本願のプリズムリングを用いて切削加工する方法による眼鏡レンズの傾きを考慮しなければなりません。本願の方法を用いなければ、光学中心を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向の鼻側(内側)寄り、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りと合成した位置に偏心させることは出来ません。
【0045】
「S+度数」、「S-度数」、「C+度数」、「C-度数」の「+(プラス)」と「-(マイナス)」の組み合わせとレンズの種類との関係についての説明。
[段落0250]・[段落0251]・[段落0252]・[段落0253]・[段落0254]・[段落0255]・[段落0256]において、レンズの種類の分類について説明しています。参照して下さい。
【0046】
眼鏡レンズの種類には、1.マイナスレンズの場合。2.プラスレンズの場合。3.単性のマイナスレンズの場合。4.単性のプラスレンズの場合。5.混合レンズの場合。以上の5つに分類することにします。
【0047】
レンズの分類についての説明。絶対値を「||」の記号で表します。(1)、|S-|>|C+|ならば、マイナスレンズに分類します。(2)、|S+|>|C-|ならば、プラスレンズに分類します。(3)、S度数が0.00DでC-ならば、単性のマイナスレンズに分類します。(4)、S度数が0.00DでC+ならば、単性のプラスレンズに分類します。(5)、|S+|<|C-|ならば、混合レンズに分類します。
【0048】
度数の数直線の説明。度数の数直線の詳細は、[図13]及び[図面の簡単な説明]の[段落0250]・[段落0251]・[段落0252]・[段落0253]・[段落0254]・[段落0255]・[段落0256]を参照して下さい。以下、「[図13]の度数の数直線」を「度数の数直線」と記載します。
度数の数直線を、横に水平方向に一線書きます。0.00Dを基点にして、左側にいく程マイナス度数が増していきます。右側にいく程プラス度数が増していきます。S+ということは、S度数が度数の数直線の0.00Dの基点より右側に位置しています。このS度数の位置を基準にして、C度数の位置が度数の数直線での位置となります。
【0049】
(1)、|S-|>|C+|のマイナスレンズの場合の説明。例1。S-2.00D、C+1.00Dを例にとります。S-2.00Dは、度数の数直線では-2.00Dの位置になります。C+1.00Dの位置は、基準であるS度数の-2.00Dの右側の位置となります。度数の数直線では-1.00Dの位置になります。S度数且つC度数とも、度数の数直線では、マイナスの位置となります。
【0050】
(2)、|S+|>|C-|のプラスレンズの場合の説明。例2。S+2.00D、C-1.00Dを例にとります。S+2.00Dは、度数の数直線では+2.00Dの位置になります。C-1.00Dの位置は、基準であるS度数の+2.00Dより-1.00D左側の位置となります。度数の数直線では+1.00Dの位置となります。S度数且つC度数とも、度数の数直線では、プラスの位置になります。
【0051】
単性レンズについての説明。|S+|=|C-|或いは|S-|=|C+|の場合には、基準であるS度数の位置を、度数の数直線の基点である0.00Dの位置にします。C度数がマイナスであれば、単性のマイナスとします。C度数がプラスであれば、単性のプラスとします。
【0052】
(3)、単性のマイナスレンズの場合の説明。例3。S0.00D、C-1.00Dを例にとります。S0.00Dの位置は度数の数直線では、基点の0.00Dの位置になります。C-1.00Dの位置は、基準であるS度数の0.00Dの位置より-1.00D左側になります。度数の数直線では-1.00Dの位置になります。
【0053】
(4)、単性のプラスレンズの場合の説明。例4。S0.00D、C+1.00Dを例にとります。S0.00Dの位置は度数の数直線では、基点の0.00Dの位置になります。C+1.00Dの位置は、基準であるS度数の0.00Dの位置より+1.00D右側になります。度数の数直線では+1.00Dの位置になります。本願では、「軸転換」をして、S+1.00D、C-1.00Dと表記しています。
【0054】
(5)、|S+|<|C-|の混合レンズの場合の説明。例5。S+1.00D、C-3.00Dを例にとります。S+1.00Dの位置は度数の数直線では、+1.00Dの位置になります。C-3.00Dの位置は、基準であるS度数の+1.00Dより-3.00D左側寄りで、度数の数直線では-2.00Dの位置となります。度数の数直線での基点である0.00Dの位置は、S度数とC度数の間の位置になります。
【0055】
軸角度についての説明。軸角度の基準線は、左右レンズとも、眼鏡レンズの幾何学中心点の右側の水平方向線を基準とします。軸角度は、0°~180°以内です。プリズム方向は、0°~360°で反時計回りです。0°=360°です。
【0056】
「軸転換」についての説明。軸転換についての詳細は、[段落0257]・[段落0258]・[段落0259]を参照して下さい。
1.マイナスレンズの場合。2.プラスレンズの場合。3.単性のマイナスレンズの場合。4.単性のプラスレンズの場合。5.混合レンズの場合。いずれの場合においても、眼鏡レンズの製作時において、(S±、C+)の表記でC度数が「C+」の表記の場合に、「C-」の表記に変えて(S±、C-)の表記に変えることを、「軸転換」と記します。ただし、2.プラスレンズの場合は、(S+、C-)の表記にします。「軸転換」とは、(S±、C+)の表記を(S±、C-)の表記に変えることです。
(S±、C+)の表記の軸角度が0°~90°未満の場合は、軸角度に90°を加えた角度が(S±、C-)表記の軸転換後の軸角度となります。軸角度が90°~180°以内の場合は、軸角度から90°を減らした角度が(S±、C-)表記の軸転換後の軸角度となります。(S±、C+)の表記の軸角度の場合、CG機の製造装置の構造上の制約により、軸角度に、90°を加えたり減らしたりして(S+、C-)の表記にします。
それは、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工する時に、CG機は水平方向の半径が最も大きく、垂直方向の半径が最も小さく切削加工するように造られているからです。「軸転換」をするのは、CG機で半製品の眼鏡レンズの切削加工時に、半製品の眼鏡レンズをブロックする軸方向の度数が、度数の数直線において軸方向と直角方向であるCG機の垂直方向の度数より、プラス寄りの右側の位置になるように切削加工するように造られています。
CG機による半製品の眼鏡レンズの切削加工は、ダイヤモンドホイールよって、水平方向の半径が最も大きくなり(度数の数直線ではCG機の垂直方向の度数より右寄りになり)、垂直方向の半径が最も小さく(度数の数直線ではCG機の水平方向の度数より左寄り)切削加工するように造られています。
軸転換後の軸角度に、半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着した後に、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工します。半製品の眼鏡レンズは、ブロックにアロイにより、(S±、C-)と表記されている軸角度方向に固定接着します。この様にすることにより、半製品の眼鏡レンズの軸角度方向が、CG機の水平方向の半径が最も大きい方向(度数の数直線ではCG機の垂直方向の度数より右寄り)になります。軸角度と直角方向は、CG機の垂直方向の半径が最も小さい方向(度数の数直線ではCG機の水平方向の度数より左寄り)に切削加工されます。
例。表1の左レンズの場合の、S0.00D、C+3.00D、軸角度30°の単性のプラスレンズの場合を例にとります。S0.00Dの位置は、度数の数直線では、基点の0.00Dの位置にあります。C+3.00Dの位置は、度数の数直線ではS度数の基点である0.00Dの位置より右側の+3.00Dの位置になります。ここで、軸角度30°を軸転換することによって、つまり、軸転換後の軸角度を120°(30°+90°=120°)にすることによって、軸転換後の120°方向に半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着すれば、120°方向がCG機の水平方向となり、半径が最も大きく切削加工され、120°方向のC度数が+3.00Dになります。軸転換前の軸角度30°(120°-90°=30°)方向はCG機の垂直方向となり、半径が最も小さく切削加工され、S度数が0.00Dになります。上記の例の様に、(S±、C+)の「C+」の形式で表記されている場合、軸角度が0°~90°未満の場合は、軸角度に90°を加え、軸角度が90°~180°以内の場合は、軸角度から90°減らし、(S±、C+)の表記を(S±、C-)の表記に変換する事を「軸転換」といいます。
【0057】
(S±、C+)の形式の場合の、軸角度が90°の場合について説明します。軸角度が90°の場合に、軸転換によって90°を加えれば、軸転換後の軸角度は180°となります。軸角度90°から90°を減らせば、軸転換後の軸角度は0°の基準線となります。軸転換後の軸角度は、0°あるいは180°となります。軸転換後の軸方向に、半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着するので、0°と180°では半製品の眼鏡レンズは上下180°反転しますが、眼鏡レンズの0°―180°は同じ水平方向線になるので、眼鏡レンズの製作上では、支障はありません。
【0058】
軸転換前の(S+、C+)の表記と、軸転換後の(S+、C-)の表記におけるS度数とC度数の関係の説明。以下、[図1]の記載のように、左の眼鏡レンズを表面(おもてめん)より見た平面図を想定しています。眼鏡レンズの幾何学的水平方向線が軸0°―180°の線で、二重焦点レンズなら0°―180°の水平方向線の左側下に近用部分があることになります。
例1。S+2.00D、C+1.00D、軸角度0°の場合だと、軸角度が0°~90°未満なので、軸角度0°に90°を加えます。軸転換後の軸角度は90°となります。度数表記は、S+3.00D、C-1.00D、軸転換後の軸90°となります。眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+2.00Dの位置で、C度数は+3.00Dの位置で仕上ります。
例2。S+2.00D、C+1.00D、軸角度90°の場合だと、軸角度が90°~180°なので、軸角度90°に90°を加えるので、軸転換後の軸角度は180°となります。度数表記は、S+3.00D、C-1.00D、軸転換後の軸角度は180°となります。眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+3.00Dの位置で、C度数は+2.00Dの位置で仕上ります。
例3。S+2.00D、C+1.00D、軸角度180°の場合だと、軸角度が90°~180°以内なので、軸角度180°から90°を減らした場合は、90°が軸転換後の軸角度となります。度数表記は、S+3.00D、C-1.00D、軸転換後の軸角度は90°となります。眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+2.00Dの位置で、C度数は+3.00Dの位置で仕上ります。
以上、例1と例3の場合、いずれも軸転換後の軸角度で半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着し、CG機で切削加工します。例1と例3では、眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+2.00Dの位置で、C度数は+3.00Dの位置で仕上ります。
例2の場合、眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+3.00Dの位置で、C度数は+2.00Dの位置で仕上ります。
【0059】
混合レンズの場合の軸転換についての説明。(S-、C+)の混合レンズの場合で、度数の数直線で説明します。
例。左レンズで、S-2.00D、C+3.00D、軸角度120°の場合だと、S-2.00Dは度数の数直線の基点の0.00Dの位置より、左側の-2.00Dの位置になります。C+3.00Dは、基点の0.00Dの位置より右側の+1.00Dの位置になります。半製品の眼鏡レンズを軸角度120°方向でブロックに固定接着しCG機で切削加工すると、眼鏡レンズは度数の数直線では、軸角度120°方向が+1.00Dで、30°方向が-2.00Dで仕上がります。
(S-、C+)の混合レンズの表記を、(S+、C-)の表記に変えるということは、上記の度数の数直線の基点の0.00Dの位置の右側の+1.00Dの位置であったC+3.00Dの度数の位置を、軸転換によってS+1.00Dの位置とし、0.00Dの基点の位置の左側にあった-2.00DのS度数の位置を、C-3.00Dの位置に置き換えて、C度数を度数の数直線の-2.00Dの位置にすることを意味します。半製品の眼鏡レンズを軸転換後の軸角度の30°方向でブロックに固定接着しCG機で切削加工すると、眼鏡レンズは度数の数直線では、軸転換後の軸角度の30°(120°-90°=30°)方向で、+1.00Dとなり120°方向で-2.00Dで仕上がります。つまり、軸転換をするという事は、(S-、C+)の表記であったS-2.00D、C+3.00D、軸角度120°の表記を、軸転換によって軸角度120°から90°減らす(120°-90°=30°)ことで、S+1.00D、C-3.00D、軸転換後の軸角度を30°の(S+、C-)の表記にすることです。眼鏡レンズは、度数の数直線では、軸転換後の軸角度である30°方向が+1.00Dで、120°方向が-2.00Dで仕上がります。軸転換によって、CG機で眼鏡レンズの製作時において、度数の数直線でS度数をC度数より右側の位置にします。(S+、C-)の形式に変えることによって、軸転換後の軸角度である30°方向に半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着することで、度数の数直線では、30°方向がCG機では水平方向となり、半径が最も大きくなり、度数の数直線では+1.00Dとなります。120°方向がCG機では垂直方向となり、半径が最も小さくなり、度数の数直線では-2.00Dとなります。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2011-232722号公報
本願出願人である先行技術文献である[特許文献1]特開2011-232722と本願との相違点についての説明。先行技術文献と本願との相違点を、本願の左レンズの[実施例1]の[表12]を用いて説明します。
先行技術文献では、S0.00D、C+3.00D、軸角度30°、偏心量(内側)は3mmでした。この表記を軸転換すると、S+3.00D、C-3.00D、軸角度120°、偏心量(内側)は3mmとなります。「軸転換」については、[段落0257]と[段落0258]と[段落0259]で説明しています。
本願では、[実施例1]の[表12]の左レンズは、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、偏心量(内側)は3mmです。軸角度は、軸転換後の軸角度で120°です。
【0061】
前特開の計算方法についての説明。本願の[実施例1]の左レンズの[表12]に置き換えて説明します。[表12]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」を、「C度数×SIN(軸角度)」の度数として求め、この度数に偏心量(mm)を乗じて算出していました。この「C度数の水平方方向のプリズム」に「SIN(軸角度)」を乗じて「セ」の合成方向のプリズム」を導き出し、この「セ」にCOS(軸角度)を乗じて「サ」の「C度数の垂直方向プリズム」を算出していました。
そして、「ク」の「S度数の水平方向のプリズム」と「ケ」の「C度数の水平方向のプリズム」を加えて、「「コ」の水平方向の合計プリズム」を求めていました。(「コ」「コ」+「サ」「サ」)の平方根を「シ」の「プリズム方向を基にした補正プリズム量」として算出しました。
ATAN(「サ」/「コ」)によって、「ス」の補正角度は、「サ」の「垂直方向のプリズム」を「コ」の「水平方向の合計プリズム」で割り、その値のATANの値により、補正角度を算出していました。
レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、「コ」の「水平方向の合計プリズム」の値がプラスであれば、プラスレンズとして「プリズム方向」を決めていました。「コ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとして「プリズム方向」を決めていました。混合レンズでは、判定基準の値によって「プリズム方向」が大きく変わります。
【0062】
本願の計算方法と前特開の計算方法についての説明。先行技術文献では、S0.00D、C+3.00D、軸角度30°、偏心量(内側)は3mmでした。本願の[実施例1]では、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、偏心量(内側)は3mmです。本願の軸角度は、前特開の軸角度を軸転換した軸角度です。S度数およびC度数は異なりますが、本願の[実施例1]の[表12]を用いて相違点を説明します。
【0063】
本願の計算方法についての説明。C=SIN(軸角度)×SIN(軸角度)+COS(軸角度)×COS(軸角度)の式が成り立ちます。左レンズにおいて、[表12]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」を、「C度数×SIN(軸角度)×SIN(軸角度)」の度数とし、この度数に偏心量(mm)を乗じて算出しました。この式にすることにより、物理的な意味をもつことになります。この「C度数の水平方方向のプリズム」に「SIN(軸角度)」を乗じて「セ」の合成方向のプリズム」を導き出し、この「セ」にCOS(軸角度)を乗じて「サ」の「C度数の垂直方向プリズム」を算出しました。
そして、「ク」の「S度数の水平方向のプリズム」と「ケ」の「C度数の水平方向のプリズム」を加えて「コ」の「水平方向の合計プリズム」を求めました。「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」に「エ-水平」の偏心量(mm)/10を乗じた値を、本願では「シ」の「プリズム方向を基にした補正プリズム量」として算出しました。[表12]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。「ホ」の値の算出方法は、明細書の[表8]の[段落0168]から[段落0172]に記載しています。
本願では、「ホ」の値をレンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準にしています。前特開では、「コ」の値を判定基準としていました。
ATAN(「サ」/「コ」)によって、「ス」の補正角度を「サ」の「垂直方向のプリズム」を「コ」の「水平方向の合計プリズム」で割り、その値のATANの値により、補正角度を算出しています。
レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」の値がプラスであれば、プラスレンズとしてプリズム方向を決めました。「ホ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとしてプリズム方向を決めました。混合レンズ場合では、判定基準の値によってプリズム方向が大きく変わる場合が生じました。判定基準を「ホ」にすることにより、判定基準が「コ」に比べて精度を高くしました。
【0064】
前特開と本願の相違点の説明。前特開を[表12]に置き換えて説明します。先行技術文献では、[表12]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」を、「C度数×SIN(軸角度)」の度数としていました。本願では、「C度数×SIN(軸角度)×SIN(軸角度)」の度数の計算式にしました。この式にすることにより、物理的な意味を持たせました。
先行技術文献では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準を「コ」の「水平方向の合計プリズム」の値がプラスであれば、プラスレンズとしてプリズム方向を決めていました。本願では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準を、[表12]の「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」の値がプラスであれば、プラスレンズとしてプリズム方向を決めました。「ホ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとしてプリズム方向を決めました。判定基準を「ホ」にすることにより、判定基準が「コ」に比べて精度を高めました。
以上に記載したことは、[表12]における本願と前特開との大きな相違点です。本願は、これらの点において前特開に比べて進歩性と新規性を有するものとしました。
【0065】
本願では、垂直方向の偏心量も考慮しました。前特開では水平方向のみの偏心量でした。右レンズにおいては、水平方向の偏心量の場合の[表4]と垂直方向の偏心量の場合の[表5]を、[表3]で合成しました。
左レンズにおいては、水平方向の偏心量の場合の[表8]と垂直方向の偏心量の場合の[表9]を、[表7]で合成しました。左右の「補正プリズム量」と「プリズム方向」を[表1]に簡易に分かるようにしました。本願は、この点において前特開に比べて、進歩性と新規性を有するものとしました。
【0066】
右レンズの場合ならば、[表2]の「ヒ-合成」に任意の角度を入力すれば、「仕上りレンズ任意方向の度数」が「フ-合成-任意-度数」の欄に、「仕上りレンズの水平方向のプリズム」が「ヘ-合成」の欄に、「仕上り水平方向の度数」が「モ-合成」の欄に算出されます。
左レンズの場合ならば、[表6]の「ヒ-合成」に任意の角度を入力すれば、「仕上りレンズ任意方向の度数」が「フ-合成-任意-度数」の欄に、「仕上りレンズの水平方向のプリズム」が「ヘ-合成」の欄に、「仕上り水平方向の度数」が「モ-合成」の欄に算出されます。
本願においては、[表16]および[表17]において、中心厚とフチ厚についての関係を説明しています。本願は、この点において前特開に比べて進歩性と新規性を有するものとしました。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0067】
本願の課題は、より精度の高い光学中心を算出することです。本願の目的は、より精度の高い眼鏡レンズの製作において損出を減らし、より良い品質の眼鏡レンズを提供することです。
【0068】
本願は、研磨工程における眼鏡レンズの製作時において、プリズムリングの傾きが原因である、切削加工する前の半製品の眼鏡レンズの全体の傾きによる、光学中心の位置のずれ(誤差)を本願の方法を用いて、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させる方法です。
【0069】
本願は、水平方向の偏心量と垂直方向の偏心量を合成させて、適切な「補正プリズム量」と「プリズム方向」を算出して、これらの値を用いて期待する位置に光学中心を偏心させることを課題とします。
【0070】
視線方向についての説明。通常、左右の眼で物を見る場合、水平方向の眼の視線方向は顔の中心線の前方方向の内側になります。よって、水平方向の左右の眼の視線方向は、眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りになります。
垂直方向においては、顔における左右の目の位置の上下差や左右の眼球の形状の違いにより、垂直方向においても左右の光学中心の位置の違いが生じます。
それ故に、水平方向の鼻側(内側)と垂直方向の眉側(上側)を合成した位置に光学中心を偏心させる必要があるのです。その為には、幾らのプリズム量を、どの方向から加えるかが課題となります。
瞳孔距離や眼球の歪みによる矯正視力等については、眼科での他覚検査および専門の眼鏡店での自覚検査で、ユーザーの個人差に応じた対応がされます。
【0071】
光学中心の位置のずれ(誤差)および内面カーブについての説明。球面レンズの内面カーブは、円球状(ドーム型)の半径の形状です。乱視のカーブは、円柱形(シリンダー)の半径の形状です。球面と乱視の度数の眼鏡レンズでは、球面の内面カーブが土台(ベース)としてあり、その球面のカーブを乱視のカーブで、さらに切削することによって形成されます。内面カーブは、球面のカーブと乱視のカーブが合成されたカーブとなります。球面度数の半径と乱視度数の半径が、合成された内面カーブになります。
半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着した後に、プリズムリングをブロックに密着装着します。そして、この両方をCG機の一部であるチャック部分に装着固定して、CG機によって、半製品の眼鏡レンズの内面カーブを切削加工します。プリズムリングをブロックに密着装着する為に、内面カーブがプリズムリング(偏心させる場合)の傾き及び軸角度によって傾きます。このプリズムリングの傾きが、光学中心の位置を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向あるいは垂直方向に対して、上下左右に、ずれ(誤差)の原因となります。
従来は、適切な左右の「補正プリズム量」、適切な「プリズム方向」が定まっていませんでした。
【0072】
本願は、右レンズあるいは左レンズの「水平方向の補正プリズム量」と「垂直方向の補正プリズム量」を合成し、右レンズあるいは左レンズの「合成した補正プリズム量」と「合成プリズム方向」を算出する方法です。
【0073】
本願は、CG機によって光学中心をプリズムリングで偏心させる場合、切削加工される半製品の眼鏡レンズの内面カーブの幾何学中心が、プリズムリングの傾き及び軸角度によって、上下左右に、ずれ(誤差)が生じます。本願は、このずれ(誤差)を、バランスよく光学中心の位置を、眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向の鼻側(内側)寄りと、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心させる方法です。
【0074】
本願の課題は、正確な「右レンズの補正プリズム量」と「右レンズのプリズム方向」、あるいは「左レンズの補正プリズム量」と「左レンズのプリズム方向」を算出し、的確な位置に光学中心を偏心させ、眼鏡レンズの製作において損出を減らし、良質な眼鏡レンズを提供することを課題とします。
【課題を解決するための手段】
【0075】
本願の課題は、より精度の高い光学中心を算出することです。本願の目的は、より精度の高い眼鏡レンズの製作において損出を減らし、より良い品質の眼鏡レンズを提供することでした。
【0076】
本願で算出した「補正プリズム量」を、本願で算出した「プリズム方向」より加えることにより、光学中心の位置を正確に期待する位置に偏心させて、課題を解決します。
【0077】
「補正プリズム量」および「プリズム方向」の値を用いて、CG機の切削加工工程において、「補正プリズム量」に応じた適切なプリズムリングを、適切な「プリズム方向」より加える設定を、半製品の眼鏡レンズの内面カーブを切削加工する工程の前に行います。その後、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工することにより、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させます。
【0078】
その為の手段として、本願の[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目のプログラム計算式によって、「右レンズの補正プリズム量」・「右レンズのプリズム方向」を算出します。[表1]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目のプログラム計算式によって、「左レンズの補正プリズム量」・「左レンズのプリズム方向」を算出します。
【0079】
本願により、「右レンズの補正プリズム量」・「右レンズのプリズム方向」、「左レンズの補正プリズム量」・「左レンズのプリズム方向」を算出します。その値に応じて、CG機で内面カーブを切削加工する前に、「補正プリズム量」に応じた適切なプリズムリングを、適切な「プリズム方向」に半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックに密着装着し、CG機のチャック部分に装着固定します。その後に、半製品の眼鏡レンズの内面を、CG機で切削加工します。CG機の切削加工により、光学中心の位置を、眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りと、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心するように、内面カーブを切削します。この様にする事により、本願の課題を解決します。
【0080】
プリズムリングを使用しないで半製品レンズを切削加工する場合は、プリズム方向のレンズの厚みの差を、プリズムリングを使用した場合と同じ厚みの差(プリズムリングの外周の位置の薄い部分と厚い部分の差)を考慮した内面カーブの切削加工となります。
注意。プリズムをかけるとは、プリズムリングの一番薄い箇所を眼鏡レンズのプリズム方向部分にすることです。
【0081】
[表1]に示すように、「S+度数」・「S-度数」・「C+度数」・「C-度数」・「軸角度(°)」・「水平方向の偏心量(mm)」・「垂直方向の偏心量(mm)」の各数値を、本願の算出方法によって、[表1]の上段の右側に示すように、右レンズでは「オ-右」の「補正プリズム量」・「キ-右」の「右レンズの合成プリズム方向(°)」、左レンズでは「オ-左」の「補正プリズム量」・「カ-左」の「左レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。この数値に基づき、プリズムリングを半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックに、密着装着します。そして、半製品の眼鏡レンズの内面をCG機で切削加工することにより、光学中心の位置を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りと合成した位置にします。
この様にして、CG機で半製品レンズを切削加工することにより、光学中心を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りと合成した位置に偏心させた内面カーブに半製品レンズを切削します。
【0082】
本願は、「S+度数」・「S-度数」・「C+度数」・「C-度数」・「軸角度(°)」・「水平方向の偏心量(mm)」・「垂直方向の偏心量(mm)」に応じて、適切な「補正プリズム量」のプリズムリングを、適切な「プリズム方向」より用いて、光学中心を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心させる方法です。中心厚と度数との関係は、[表16]あるいは[表17]の説明である[段落0184]から[段落0217]の記載を考慮して、CG機で半製品レンズを切削加工する工程時に設定します。
眼鏡レンズの光学中心を偏心させる場合、軸角度とプリズムリングの厚みの差(傾き)によって、半製品の眼鏡レンズ全体が傾きます。この傾きは、CG機のチャック部分に、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックと、このブロックに密着装着したプリズムリングとを、共に装着固定する時に生じます。本願は、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工する前に、本願の「補正プリズム量」と「プリズム方向」を設定し、その後に、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工することによって、バランス良く光学中心を、眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心させて、本願の課題を解決します。
【0083】
[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の作成方法についての説明。この表を表示させるには、パソコンと表計算ソフトが必要です。本願では、「マイクロソフトのエクセル2013(登録商標)」の表計算ソフトを使用しています。パソコンと初歩的な表計算ソフトの入力知識があれば、表を作成することができます。
明細書の[段落0109]から[段落0177]に具体的な表の作成方法を記載しています。各表の各項目名のすぐ下の欄が、各項目のプログラム計算式としています。
【0084】
[表2]において、「ヒ-合成」に「任意方向の角度(°)」の値を入力することで、「フ-合成-任意-度数」である「仕上りレンズの任意方向の度数」を容易に求めることが出来るようにしました。「ヘ-合成」には、「仕上りレンズの水平方向のプリズム」を表示するようにしました。「モ-合成」には、「仕上りレンズの水平方向の度数」を表示し活用性を高めました。
【0085】
前特開と本願との相違点についての説明。改良した部分を、前特開と本願とを比較対照して説明します。[実施例1]の[表10]・[表11]・[表12]の左レンズの場合を用いて説明します。C=C(SINθSINθ)+C(COSθCOSθ)の式が成り立ちます。
前特開では、「イ-水平」[SIN(「ウ-水平」)](「エ-水平」/10)でした。本願では、「ケ」の「C度数の水平方向のプリズム」の計算式を、「イ-水平」[SIN(「ウ-水平」)SIN(「ウ-水平」)](「エ-水平」/10)としました。数学的かつ物理的に理解できるようにしました。
[表12]において、前特開では眼鏡レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、「コ」の「水平方向の合計プリズム」でした。本願では、眼鏡レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準を、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向度数」にしました。
【0086】
この理由は、「ス」あるいは「ノ」の補正角度によって算出する「カ-水平-左」の「左レンズの水平プリズム方向」に、プリズムリングによって加える「補正プリズム量」によって生じる[段落0038]で説明したレンズの傾きを考慮する方が、より精度の高い結果が得られ進歩性と新規性を有するからです。
【0087】
より精度の高い効果を得る為に、「ヤ」の「プリズム方向の度数」をプログラム計算式によって算出しました。「ホ」の「水平方向の度数」は、「ヤ」COS(「ス」)によって算出できます。
【0088】
プリズムリングでプリズムを加えてレンズが傾いた状態での、「ヤ」の「プリズム方向の度数」に補正角度である「ス」を乗じた「ホ」の値によって、レンズの幾何学的水平線の度数がプラスレンズかマイナスレンズであるかを判定基準にすることで、より精度が高くしました。それにより、左右の「補正プリズム量」と左右の「プリズム方向(°)」が、変わる場合が生じるようになりました。
【0089】
[実施例1]の[表10]において、「仕上りレンズの任意方向の度数」を知る為に、「ヒ-合成」に「任意の角度を入力する」ことで、「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」が判るようにしました。
【0090】
[表12]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の表において、軸転換を表のプラグラム計算式に組み入れました。軸転換も表のプログラム計算式に組み入れることによって簡略化し、前特開進歩性と新規性を有するようにしました。
【0091】
本願の改良点と前特開との違いを説明します。[実施例1]の場合で説明します。前特開では、左レンズでS0.00D、C+3.25D、軸角度30°、水平方向鼻側(内側)の偏心量は3.0mmでした。これを軸転換すれば、本願の[表10]の実施例1のS+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向鼻側(内側)の偏心量は3.0mmになります。製作上、表記はことなりますが、同じ度数のレンズが仕上ります。
前特開の算出方法では、左レンズでは補正プリズム量は0.53プリズムでした。157°のプリズム方向より、0.50プリズムを加えました。仕上りレンズの光学中心の位置は、水平方向の鼻側(内側)に2.0mm位偏心しました。期待する偏心位置の3.0mmより、1.0mm位足りませんでした。
前特開の算出方法では、左レンズの補正プリズム量は0.53プリズムです。プリズム方向は157°です。本願の算出方法では、左レンズの補正プリズム量は0.58プリズムです。プリズム方向は157°です。
前特開と比較すると、プリズム方向は157°と同じでした。補正プリズム量は、前特開の0.53プリズムに比べて、本願の算出方法では、補正プリズム量は0.58プリズムと大きくなります。補正プリズム量が、前特開の0.53プリズムであるのに対して、本願では補正プリズム量は0.58プリズムです。水平方向の鼻側(内側)の光学中心の偏心位置は、期待する3.0mmに近づくと推測されます。
【0092】
前特開の混合レンズの左レンズの場合は、S1.00D、C-3.00D、軸角度19°、水平方向の偏心量(内側)3.0mmでした。補正プリズム量の値は、0.09プリズムでした。左レンズのプリズム方向(°)は、266°でした。
前特開では、本願の「コ」に当たる「水平方向の合計プリズム」が、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準でした。「水平方向の合計プリズム」は、0.01プリズムでした。
本願の場合では、左レンズの場合の、S1.00D、C-3.00D、軸角度19°、水平方向の偏心量(内側)3.0mmでは、[表15]の「オ-水平」の「補正プリズム量」の値は、0.04プリズムとなります。本願では、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」を、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準にしました。それに伴い、左レンズの水平プリズム方向(°)は、188°となります。
[表15]の左レンズの場合の、S1.00D、C-3.00D、水平方向の偏心量(内側)3.0mmでは、「ウ-水平」の軸角度が35.265°の場合には、「コ」の水平方向の合計プリズムは+0.00001プリズムとなります。この時、「ホ」の軸転換前のレンズの水平方向の度数は、-0.00004Dとなります。この場合、マイナスレンズと判定とします。
【発明の効果】
【0093】
発明の効果を記載します。[表4]の右レンズ、或いは、[表8]の左レンズの「ケ」の「C度数の水平方向の度数」の計算式を、「イ-水平」[SIN(「ウ-水平」)SIN(「ウ-水平」)]とし、物理的に意味をもたせました。「ホ」の度数が+(プラス)ならばプラスレンズとし、-(マイナス)ならばマイナスレンズとし、0(ゼロ)を基準にして判別しました。それにより、「補正プリズム量」と「プリズム方向」の精度を高めました。
【0094】
[表2]の右レンズの「ヒ-合成」の欄の下に、任意方向の角度(0°~180°)を入力することで、右レンズの「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」を求めることを容易にしました。
[表2]の右レンズにおいて、「ヒ-合成」の任意の角度(0°~180°)を入力することによって算出できる「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」より、[段落0011]の公式である「R=(屈折率-1)/D」より算出できる内面カーブの半径R(m)を求めることが出来ます。
[表6]の左レンズの「ヒ-合成」の欄の下に、任意方向の角度(0°~180°)を入力することで、左レンズの「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」を求めることを容易にしました。
[表6]の左レンズにおいて、「ヒ-合成」の欄の下に、任意の角度(0°~180°)を入力することにより算出できる「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」より、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる内面カーブの半径R(m)を求めることが出来ます。
【0095】
軸転換に関しては、右レンズの場合、[表4]の「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」を組み入れることによって、[表1]において、S度数とC度数を(S±、C-)表記で入力すれば、軸転換を容易に出来るように簡略化しました。
左レンズの場合、[表8]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」を組み入れることによって、[表1]において、S度数とC度数を(S±、C-)表記で入力すれば容易に出来るように簡略化しました。軸転換をプログラム計算式で行うことで簡略化しました。
【0096】
偏心方向については、右レンズの場合では[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-右」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-右」に偏心量を入力できるようにしました。
左レンズの場合では[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-左」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-左」に偏心量を入力できるようにしました。
【0097】
[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目にプログラム計算式を設定すれば、容易に光学中心の偏心位置を水平方向の鼻側(内側)寄りと垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成して、広範囲に光学中心の偏心位置を算出できるようにしました。
本願で算出する左右の「補正プリズム量」および左右の「プリズム方向」の組み合わせは、左右の眼鏡レンズでは少なくとも186万通り以上になります。S度数の平均は、-3.00D~+3.00Dの範囲位とすると、度数の範囲は6.00Dになります。0.25D刻みとすると、6.00D÷0.25D=24通りになります。C度数の平均も、-3.00D~+3.00Dの範囲位とすると、S度数の場合と同様に24通りになります。軸は、0°~180°以内ですから、1°刻みで180通りになります。水平方向の偏心量は、平均3mmとして、1mm刻みで3通りとなります。垂直方向の偏心量は、平均3mmとして、1mm刻みで3通りとなります。
以上から、S度数の24通り、C度数の24通り、軸の180通り、水平方向の偏心量の3通り、垂直方向の偏心量の3通りとなります。24×24×180×3×3=933120≒93万通りとなります。左右の眼鏡レンズですから、93万通り×2=186万通りとなります。本願は、186万通り以上の場合を考慮した算出方法です。計算上では、偏心量は0.1mmでも、プリズム量は0.01プリズムでも算出可能です。しかし、機械的および人的作業による誤差があり、計算値の精度には及びません。
【0098】
「補正プリズム量」と「プリズム方向」については、右レンズの場合では[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目に、表計算ソフトのプログラム計算式を設定すれば、[表1]に「補正プリズム量」である「オ-右」と「右レンズの合成プリズム方向」である「キ-右」を算出するようにしました。
左レンズの場合では、[表1]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目に、表計算ソフトのプログラム計算式を設定すれば、[表1]に「補正プリズム量」である「オ-左」と「左レンズの合成プリズム方向」である「カ-左」を算出するようにしました。
【0099】
[表16]によって、容易に「中心厚」と「フチ厚」を求めることが出来るようにしました。詳細は、[段落0184]から[段落0217]を参照して下さい。
【発明を実施するための形態】
【0100】
実施するための最良の形態。屈折率は1.48以上で、口径は60~70mmのプラスチックの眼鏡用の半製品レンズとします。広義においては、屈折率は眼鏡レンズに適するものとします。口径はフレームに応じるものとします。レンズの素材は、眼鏡レンズに適する素材で切削加工が可能なものとします。
【0101】
予め、[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目に、明細書の[段落0137]から[段落0177]で記載した表計算ソフトのプログラム計算式を設定しておきます。[表1]の入力欄に、「S+、C-」あるいは「S-、C-」の表記で「S+度数」あるいは「S-度数」・「C-度数」・「軸角度」・「水平方向の鼻側(内側)の偏心量」・「垂直方向の眉側(上側)の偏心量」の各数値を入力します。
表計算ソフトのプログラム計算式によって、[表1]に右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」・「右レンズの合成プリズム方向(°)」あるいは、左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」・「左レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。
算出された値を、CG機により半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工する前に、右レンズの「補正プリズム量」・「右レンズの合成プリズム方向」あるいは左レンズの「補正プリズム量」・「左レンズの合成プリズム方向」を設定します。その後に、半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工し、期待する位置に光学中心を位置づけます。
【0102】
本願と前特開との相違点。C度数の水平方向のプリズムについての説明。右レンズの[表4]の「ケ」、或いは、左レンズの[表8]の「ケ」のプリズムの値である「C度数の水平方向のプリズム」についての説明。前特開では、[表4]或いは[表8]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」の計算式は、C度数SIN(軸角度)[偏心量(mm)/10]でした。本願では、C度数[SIN(軸角度)SIN(軸角度)][偏心量(mm)/10]としました。物理的に意味を有する点が異なります。
【0103】
本願と前特開との相違点。前特開では、偏心方向は水平方向の鼻側(内側)寄りだけでした。本願では、右レンズでは、[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-右」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-右」に偏心量を入力できるようにしました。左レンズでは、[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-左」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-左」に偏心量を入力できるようにしました。
本願では、水平方向の鼻側(内側)寄りと垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した光学中心の位置を算出できる点が異なります。
【0104】
水平方向の鼻側(内側)の偏心と垂直方向の眉側(上側)の偏心との、合成についての説明。右レンズでは、[表4]の水平のプログラム計算式と[表5]の垂直のプログラム計算式を[表3]で合成して、[表2]に表示するようにしました。[表1]では、右レンズの各入力値と[表2]・[表3]・[表4]・[表5]を統合した結果である「補正プリズム量」である「オ-右」と「右レンズの合成プリズム方向」である「キ-右」を一目で分かるように表示するようにしました。左レンズでは、[表8]の水平のプログラム計算式と[表9]の垂直のプログラム計算式を[表7]で合成して、[表6]に表示するようにしました。[表1]では、左レンズの各入力値と[表6]・[表7]・[表8]・[表9]を統合した結果である「補正プリズム量」である「オ-左」と「左レンズの合成プリズム方向」である「カ-左」を一目で分かるように表示するようにしました。
【0105】
本願と前特開との相違点。前特開では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、右レンズでは[表4]、左レンズでは[表8]では「コ」の「水平方向の合計プリズム」の値でした。
本願ではレンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、より精度を上げる為に、右レンズでは[表4]、左レンズでは[表8]の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」である「ホ」の値としました。「ホ」の値がプラスであれば、プラスレンズとしました。「ホ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとしました。この点が異なります。
【0106】
[表2]の右レンズの「ヒ-合成」の「任意の角度を入力する」についての説明。[表2]の「フ-合成-任意-度数」である「仕上りレンズの任意方向の度数」を求めるには、その「任意方向の角度(0~180°以内)を入力すれば分るようにしました。任意方向の度数が分ることで、[技術背景]の[段落0011]で記載した公式の「R=(n-1)/D」により、任意方向の度数の半径を求めることができます。これにより、右レンズの全方向の内面カーブが判るようになります。
[表6]の左レンズの「ヒ-合成」の「任意の角度を入力する」についても、右レンズの場合と同様に、左レンズの全方向の内面カーブが判るようになります。
【0107】
中心厚は、[表16]の入力によって算出した厚みとします。マイナスレンズの中心厚は、希望する値を入力します。[表16]において、口径(mm)は「A」、屈折率は「B」、レンズの表面の半径(mm)は「C」、レンズの内面の半径(mm)は「D」、プラスレンズの最小フチ厚(mm)は「E」、マイナスレンズの中心厚(mm)は「F」を表計算ソフトに入力します。[段落0191]から[段落0194]までに記載したプログラム計算式を予め表計算ソフトに設定しておきます。
【0108】
予め、[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目に、表計算ソフトで[段落0137]から[段落0177]までに記載しているプログラム計算式を設定しておけば、右レンズにおいては、[表1]に「補正プリズム量(プリズム)」である「オ-右」、「右レンズの合成プリズム方向(°)」である「キ-右」を算出するようにしました。
左レンズにおいては、[表1]に「補正プリズム量(プリズム)」である「オ-左」、「左レンズの合成プリズム方向(°)」である「カ-左」を算出するようにしました。
左右レンズの「補正プリズム量」および「プリズム方向」を[表1]に、プログラム計算式で算出するように簡明にしました。
【0109】
[表1]から[表15]までの概略の説明。各表の各項目には、予めプログラム計算式を入力設定する必要があります。入力値以外の各表の各項目のプログラム計算式の先頭には、「=+」或いは「=-」を付けます。
【0110】
[表1]は、右レンズの表と左レンズの表で構成されています。右レンズの欄には、右レンズのS±度数(ディオプター)、C-度数(ディオプター)、軸角度(°)、水平方向(内側)の偏心量(mm)、垂直方向(上側)の偏心量(mm)を入力します。予め、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目にプログラム計算式を入力設定しておくことにより、右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」と「右レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。
左レンズの欄には、左レンズのS±度数(ディオプター)、C-度数(ディオプター)、軸角度(°)、水平方向(内側)の偏心量(mm)、垂直方向(上側)の偏心量(mm)を入力します。予め、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目にプログラム計算式を入力設定しておくことにより、左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」と「左レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。
【0111】
[表2]は、「右レンズの合成プログラム計算式-1」です。[表2]は、[表4]と[表5]を[表3]で合成したものを、まとめた右レンズの表です。
【0112】
[表3]は、「右-合成のプログラム計算式-2-左」と「右-合成プログラム計算式-2-右」とに分かれています。合成補正プリズム量である「D-合成-右-左」と「F-合成-右」を算出する表です。
[表4]の「右-水平のプログラム計算式」と[表5]の「右-垂直方向のプログラム計算式」を、[表3]のプログラム計算式で合成します。
【0113】
[表4]は、右レンズの水平方向のプログラム計算式の表です。「右-水平のプログラム計算式-1」と「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」と「右-水平のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0114】
[表5]は、右レンズの垂直方向のプログラム計算式です。「右-垂直のプログラム計算式-1」と「右-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」と「右-垂直のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0115】
[表6]は、「左レンズの合成プログラム計算式-1」です。[表6]は、[表8]と[表9]を[表7]で合成し、まとめた左レンズの表です。
【0116】
[表7]は、「左-合成のプログラム計算式-2-左」と「左-合成プログラム計算式-2-右」とに分かれています。合成補正プリズム量である「D-合成-左-左」と「E-合成-左」を算出する表です。
[表8]の「左-水平のプログラム計算式」と[表9]の「左-垂直方向のプログラム計算式」を、[表7]のプログラム計算式で合成します。
【0117】
[表8]は、左レンズの水平方向のプログラム計算式の表です。「左-水平のプログラム計算式-1」と「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」と「左-水平のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0118】
[表9]は、左レンズの垂直方向のプログラム計算式です。「左-垂直のプログラム計算式-1」と「左-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」と「左-垂直のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0119】
[表10]は、[実施例1]です。左レンズ。S+3.25、C-3.25、軸角度120°、水平方向の偏心量(3mm)。[表6]の「左-合成プログラム計算式-1」と同じ様式の表です。
【0120】
[表11]は、[表7]の「左-合成プログラム計算式-2-左」及び「左-合成のプログラム計算式-2-右」と同じ様式の表です。
【0121】
[表12]は、[表8]の「左-水平のプログラム計算式-1」及び「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」及び「左-水平のプログラム計算式-3」と同じ様式の表です。
【0122】
[表13]は、[実施例2]です。左レンズ。S+3.25、C-3.25、軸角度120°、水平方向の偏心量(2.55mm)。[表15]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の補正角度の「ノ」に「60°」を入力した場合の実施例です。[表6]の「左-合成のプログラム計算式-1」と同じ様式の表です。
【0123】
[表14]は、[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」及び「左-合成のプログラム計算式-2-右」と同じ様式の表です。
【0124】
[表15]は、[表8]の「左-水平のプログラム計算式-1」及び「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」及び「左-水平のプログラム計算式-3」と同じ様式の表です。
【0125】
[段落0126]~[段落0177]は、表の作成方法についての説明です。
【0126】
プログラムについての説明。表計算ソフトは、「MicrosoftのExcel 2013(登録商標)」を使用しています。入力値以外の各表の各項目のプログラム計算式の先頭には、「=+」或いは「=-」を付けます。
【0127】
演算子についての説明。加えるは、「+」と表示します。減らすは、「-」と表示します。乗じるは、「」で表示します。除するは、「/」で表示します。累乗は、「」で表示します。平方根は、「SQRT」で表示します。絶対値は、「ABS」あるいは「||」で表示します。プログラム計算式のかっこは、「(」と「)」で括ります。
【0128】
プログラムの書式の説明。
IF(論理式、真の場合、偽の場合)。指定された条件が、(真)のとき「真の場合」を返し、(偽)のとき「偽の場合」を返します。ABS(数値)。数値の絶対値を返します。SQRT(数値)。数値の平方根です。
【0129】
入力形式についての説明。[表1]の「右レンズ」あるいは「左レンズ」のS±度数(ディオプター)・C±度数(ディオプター)・軸角度(°)・水平方向(内側)の偏心量(mm)・垂直方向(上側)の偏心量(mm)の入力についての説明。以下、S度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量と記載します。
【0130】
「レンズの分類」については、[段落0250]~[段落0256]を参照して下さい。
【0131】
「軸転換」については、[段落0257]、[段落0258]、[段落0259]の軸転換の説明を参照して下さい。
【0132】
マイナスレンズは、「S-、C-」の形式でS-度数・C-度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S-、C+」の形式は、軸転換をして「S-、C-」の形式にします。例1。S-2.00D、C+1.00D、軸角度120°は軸転換をして、S-1.00D、C-1.00D、軸角度30°の形式にします。
【0133】
プラスレンズは、「S+、C-」の形式でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S+、C+」の形式は、軸転換をして「S+、C-」の形式にします。例2。S+1.00D、C+1.00D、軸角度120°は、軸転換をして、S+2.00D、C-1.00D、軸角度30°の形式にします。
【0134】
単性のマイナスレンズは、「S0.00、C-」の形式でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S-、C+」の形式は、軸転換をして「S0.00D、C-」の形式にして、S度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。例3。S-1.00D、C+1.00D、軸角度120°は、軸転換して、S0.00D、C-1.00D、軸角度30°の形式にします。
【0135】
単性のプラスレンズは、「S+、C-」の形式でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S0.00D、C+」の形式は、軸転換をして、「S+、C-」の形式にします。例4。S0.00D、C+1.00D、軸角度120°は、軸転換をして、S+1.00D、C-1.00D、軸角度30°の形式にします。
【0136】
混合レンズは、「S+、C-」の形式でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S-、C+」の形式は、軸転換をして、「S+、C-」の形式にします。例5。S-2.00D、C+3.00D、軸角度120°は、軸転換をして、S+1.00、C-3.00D、軸角度30°の形式にします。
【0137】
表の作成方法についての詳細な.説明。予め、[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目に、値あるいはプログラム計算式を入力設定する必要があります。
【0138】
[表1]の説明。[表1]の左右入力についての説明。[表1]は、右レンズの表と左レンズの表に分かれています。
【0139】
[表1]の右レンズの場合。各表の各項目の数値入力以外は、プログラム計算式の先頭には「=+」の記号を記します。[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目に、[段落0146]~[段落0163]に記載しているプログラム計算式を入力設定します。
【0140】
[表1]の「ア-右」とは、「ア-右」の欄のすぐ下の欄の「S±度数(ディオプター)」の値を示します。「イ-右」とは、「イ-右」のすぐ下の欄の「C-度数(ディオプター)」の値を示します。「ウ-右」とは、「ウ-右」のすぐ下の欄の「軸角度(°)」の値を示します。「エ-水平-右」とは、「エ-水平-右」のすぐ下の欄の「水平方向の偏心量(mm)」の値を示します。「エ-垂直-右」とは、「エ-垂直-右」のすぐ下の欄の「垂直方向の偏心量(mm)」の値を示します。「オ-右」とは、「オ-右」のすぐ下の欄の右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」の値を示します。「キ-右」とは、「キ-右」のすぐ下の欄の「右レンズの合成プリズム方向(°)」の値を示します。
【0141】
「S±度数(ディオプター)」を「ア-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「C-度数(ディオプター)」を「イ-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「軸角度(°)」を「ウ-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「水平方向の偏心量」を「エ-水平-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「垂直方向の偏心量」を「エ-垂直-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。
予め、[表2]、[表3]、[表4]、[表5]の各表の各項目に、プログラム計算式を入力設定しておきます。
入力設定したプロクラム計算式によって、「S±度数(ディオプター)」、「C-度数(ディオプター)」、「軸角度(°)」、「水平方向の偏心量」、「垂直方向の偏心量」に応じて合成された値が、右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」が「オ-右」の欄のすぐ下に、「右レンズの合成プリズム方向(°)」が「キ-右」の欄の下に算出されます。
[表1]の右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」である「オ-右」と、「右レンズの合成プリズム方向(°)」である「キ-右」の各値は、[表2]、[表3]、[表4]、[表5]の各項目のプログラム計算式によって算出されます。
【0142】
[表1]の左レンズの場合。各表の各項目の数値入力以外は、プログラム計算式の先頭には「=+」の記号を記します。[表6]、[表7]、[表8]、[表9]の各項目に、[段落0164]~[段落0177]に記載しているプログラム計算式を入力設定します。
【0143】
[表1]の「ア-左」とは、「ア-左」の欄のすぐ下の欄の「S±度数(ディオプター)」の値を示します。「イ-左」とは、「イ-左」の欄のすぐ下の欄の「C-度数(ディオプター)」の値を示します。「ウ-左」とは、「ウ-左」の欄のすぐ下の「軸角度(°)」の値を示します。「エ-水平-左」とは、「エ-水平-左」のすぐ下の欄の「水平方向の偏心量」の値を示します。「エ-垂直-左」とは、「エ-垂直-左」のすぐ下の欄の「垂直方向の偏心量」の値を示します。「オ-左」とは、「オ-左」のすぐ下の欄の左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」の値を示します。「カ-左」とは、「カ-左」のすぐ下の欄の「左レンズの合成プリズム方向(°)」の値を示します。
【0144】
「S±度数(ディオプター)」を「ア-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「C-度数(ディオプター)」を「イ-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「軸角度(°)」を「ウ-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「水平方向(内側)の偏心量(mm)」を「エ-水平-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「垂直方向の偏心量」を「エ-垂直-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。
予め、[表6]、[表7]、[表8]、[表9]の各表の各項目に、プログラム計算式を入力設定しておきます。
入力設定したプロクラム計算式によって、「S±度数(ディオプター)」、「C-度数(ディオプター)」、「軸角度(°)」、「水平方向の偏心量」、「垂直方向の偏心量」に応じて合成された値が、左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」が「オ-左」の欄のすぐ下に、「左レンズの合成プリズム方向(°)」が「カ-左」の欄の下に算出されます。
[表1]の左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」である「オ-左」と、「左レンズの合成プリズム方向(°)」である「カ-左」の各値は、[表6]、[表7]、[表8]、[表9]の各項目のプログラム計算式によって算出されます。
【0145】
[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]・[表10]・[表11]・[表12]・[表13]・[表14]・[表15]の詳細な説明。以下、各表の各項目のプログラム計算式はラジアン表記とします。
【0146】
[表1]の詳細な説明。
「ア-右」は、S度数(ディオプター)を入力する
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-右」は、C度数(ディオプター)を入力する
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-右」は、軸角度(°)を入力する
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-水平-右」は、水平方向の偏心量(mm)を入力する
記:右レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「エ-垂直-右」は、垂直方向の偏心量(mm)を入力する
記:右レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-右」は、=+[表2]の「オ-合成-右」の値
記:[表2]。右レンズの補正プリズム量(プリズム)
記:[表1]。右レンズの補正プリズム量(プリズム)
「キ-右」は、=+[表2]の「キ-合成-右」の値
記:[表2]。右レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表1]。右レンズの合成プリズム方向(°)
「ア-左」は、S度数(ディオプター)を入力する
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-左」は、C度数(ディオプター)を入力する
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-左」は、軸角度(°)を入力する
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-水平-左」は、水平方向の偏心量(mm)を入力する
記:左レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「エ-垂直-左」は、垂直方向の偏心量(mm)を入力する
記:左レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-左」は、=+[表6]の「オ-合成-左」の値
記:[表6]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表1]。補正プリズム量(プリズム)
「カ-左」は、=+[表6]の「カ-合成-左」の値
記:[表6]。左レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表1]。左レンズの合成プリズム方向(°)
【0147】
[表2]の「右-合成のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-右」は、=+[表1]の「ア-右」の値
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-右」は、=+[表1]の「イ-右」の値
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-右」は、=+[表1]の「ウ-右」の値
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-水平-右」は、=+[表1]の「エ-水平-右」の値
記:右レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「エ-垂直-右」は、=+[表1]の「エ-垂直-右」の値
記:右レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-合成-右」は、=+[表3]の「D-合成-右-左」の値
記:[表3]。合成補正プリズム量(プリズム)
記:[表2]。補正プリズム量(プリズム)
「キ-合成-右」は、=+[表3]の「F-合成-右」の値
記:[表3]。右レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表2]。右レンズの合成プリズム方向(°)
「オ-水平-右」は、=+[表4]の「オ-水平」の値
記:[表4]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表2]。水平の補正プリズム量(°)
「キ-右-水平」は、=+[表3]の「キ-右-水平」の値
記:[表3]。右レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表2]。右レンズの水平プリズム方向(°)
「オ-垂直-右」は、=+[表3]の「垂直方向-右-左」の値
記:[表3]。垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
記:[表2]。垂直の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-垂直」は、=+[表3]の「キ-右-垂直」の値
記:[表3]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表2]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
「ヒ-合成」は、任意方向の角度(°)を入力する
記:仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)を求める時に、任意方向の角度(°)を入力する。
記:任意方向の角度(°)は、0°~180°とする
「フ-合成-任意-度数」は、=+「ア-右」+「イ-右」(SIN((「ウ-右」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-右」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)
「ヘ-合成」は、=+[表4]の「ヘ」の値
記:[表4]の仕上りレンズの水平方向のプリズム
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「モ-合成」は、=+[表4]の「モ」の値
記:[表4]。仕上り水平方向の度数
記:[表2]。仕上り水平方向の度数
【0148】
[表3]の「右-合成のプログラム計算式-2-左」の説明。
「水平方向-右-左」は、=+[表4]の「オ-水平」の値
記:[表4]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表3]。水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「垂直方向-右-左」は、=+[表5]の「オ-垂直」の値
記:[表5]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表3]。垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「D-合成-右-左」は、=+SQRT(「水平方向-右-左」「水平方向-右-左」+「垂直方向-右-左」「垂直方向-右-左」)
記:合成補正プリズム量(プリズム)
【0149】
[表3]の「右-合成のプログラム計算式-2-右」の説明。
「水平-水平」は、=+「水平方向-右-右」(COS(ABS(「キ-右-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の水平プリズム
記:「水平方向」COS(|「キ-右-水平」|)
「水平-垂直」は、=+「水平方向-右-右」(SIN(ABS(「キ-右-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の垂直プリズム
記:「水平方向」SIN(|「キ-右-水平」|)
「水平-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「水平-垂直」/「水平-水平」)(3.1415/180))
記:水平の補正角度(°)
記:|ATAN(「水平-垂直」/「水平-水平」)|
「ホ-水平-合成-右」は、=+[表4]の「ホ」の値
記:[表4]。「ヤ」COS(「ス」)で軸転換前のレンズの水平」水平方向の度数
「水平方向-右-右」は、=+[表4]の「オ-水平」の値
記:[表4]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表3]。水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-水平」は、=+[表4]の「キ-水平-右」の値
記:[表4]。右レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表3]。右レンズの水平プリズム方向(°)
「垂直-水平」は、=+「垂直方向-右-右」(COS(ABS(「キ-右-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の水平プリズム
記:「垂直方向」COS(|「キ-右-垂直」|)
「垂直-垂直」は、=+「垂直方向-右-右」(SIN(ABS(「キ-右-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の垂直プリズム
記:「垂直方向」SIN(|「キ-右-垂直」|)
「垂直-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「垂直-垂直」/「垂直-水平」)/(3.1415/180))
記:垂直の補正角度(°)
記:|ATAN(「垂直-垂直」/「垂直-水平」)|
「垂直方向-右-右」は、=+[表5]の「オ-垂直」の値
記:[表5]。補正プリズム量(プリズム)
記:垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-垂直」は、=+[表5]の「キ-垂直-右」の値
記:[表5]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表3]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
「A-合成-右-右」は、=+[表3]の「水平-水平」+「垂直-水平」の値
記:合計水平プリズム
記:「水平-水平」+「垂直-水平」
「B-合成-右-右」は、=+[表3]の「水平-垂直」+「垂直-垂直」の値
記:合計垂直プリズム
記:「水平-垂直」+「垂直-垂直」
「C-合成-右-右」は、=+ATAN(「B-合成-右-右」/「A-合成-右-右」)/(3.1415/180)
記:合成補正角度(°)
記:ATAN(「B-合成-右-右」/「A-合成-右-右」)
「D-合成-右-右」は、=+SQRT(「水平方向-右-右」「水平方向-右-右」+「垂直方向-右-右」「垂直方向-右-右」)
記:合成補正プリズム量(プリズム)
【0150】
「F-合成-右」は、
=+IF(「エ-垂直-右」=0、「キ-右-水平」、
IF(「エ-水平-右」=0、「キ-右-垂直」、
IF(「イ-右」=0、IF(「ア-右」>0、-「C-合成-右-右」、
IF(「ア-右」<0、180-「C-合成-右-右」、
IF(「ア-右」=0、IF(「イ-右」<0、180-「C-合成-右-右」、-「C-合成-右-右」))))、
IF(「ア-右」<0、IF(「イ-右」<0、
IF(「ウ-右」<=90、180+「C-合成-右-右」、180-「C-合成-右-右」)、
IF(「ア-右」+「イ-右」=0、180-「C-合成-右-右」、
IF(「ホ-水平-合成-右」>=0、360-ABS(「C-合成-右-右」)、
IF(「C-合成-右-右」>0、180+「C-合成-右-右」、360-ABS(「C-合成-右-右」)))))、
IF(「ア-右」+「イ-右」=0、IF(「ウ-右」<=90、ABS(「C-合成-右-右」)、
IF(「C-合成-右-右」<=0、360-ABS(「C-合成-右-右」)、「C-合成-右-右」))、
IF(「ア-右」=0、IF(「ウ-右」<=90、IF(「C-合成-右-右」<=0、180-ABS(「C-合成-右-右」)、
180+「C-合成-右-右」)、
180+ABS(「C-合成-右-右」))、
IF(「ホ-水平-合成-右」>=0、IF(「C-合成-右-右」>0、
IF(「ウ-右」<=90、「C-合成-右-右」、180+「C-合成-右-右」)、
IF(「ア-右」>0、360+「C-合成-右-右」、360+「C-合成-右-右」))、
IF(「C-合成-右-右」>0、IF(「ウ-右」<=90、
IF(「ア-右」<=0、180-「C-合成-右-右」、「C-合成-右-右」)、
180+ABS(「C-合成-右-右」))、
180-ABS(「C-合成-右-右」)))))))))
記:右レンズの合成プリズム方向(°)を求める
【0151】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-水平」は、「ア-水平」の欄のすぐ下の欄のS度数(ディオプター)を示します、「イ-水平」は、「イ-水平」の欄のすぐ下の欄のC度数(ディオプター)を示します。「ウ-水平」は、「ウ-水平」の欄のすぐ下の欄の軸角度(°)を示します。「エ-水平」は、「エ-水平」の欄のすぐ下の欄の水平方向の偏心量(mm)を示します。「オ-水平」は、「オ-水平」の欄のすぐ下の欄の右レンズの補正プリズム量(プリズム)を示します。「キ-水平-右」は、「キ-水平-右」の欄のすぐ下の欄の右レンズのプリズム方向(°)を示します。
以下、各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。各表においても各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示すものとします。「ク」、「ケ」、「コ」、「サ」、「シ」、「ス」、「セ」までは、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。
【0152】
[表4]の「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。「ソ」、「タ」、「チ」、「ツ」、「テ」、「ト」、「ナ」、「ニ」、「ヌ」、「ネ」、「ノ」、「ハ」までは、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。
【0153】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-3」の説明。各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。「ヒ」、「フ」、「ヘ」、「ホ」、「マ」、「ミ」、「ム」、「モ」、「ヤ」、「ユ」までは、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。
【0154】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-水平」は、[表1]の「ア-右」の値
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-水平」は、[表1]の「イ-右」の値
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-水平」は、[表1]の「ウ-右」の値
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-水平」は、[表1]の「エ-水平-右」の値
記:右レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「オ-水平」は、=+IF(「ア-水平」>=0、IF(「イ-水平」<0、IF(ABS(「ア-水平」)<ABS(「イ-水平」)、「ネ」、「シ」)、「ネ」)、IF(「イ-水平」>0、IF(ABS(「ア-水平」)<=ABS(「イ-水平」)、「シ」、「ネ」)、「シ」))
記:[表4]。右レンズの補正プリズム量を求める
【0155】
[表4]の右レンズのプリズム方向(°)を求めるプログラム計算式。
「キ-水平-右」は、=+IF(「ア-水平」<0、IF(「イ-水平」=0、180、IF(「イ-水平」<0、IF(「ホ」=0、180、IF(「ウ-水平」<=90、180-「ス」、180+ABS(「ス」)))、IF(「ホ」=0、180、IF(「ホ」<0、IF(「ノ」<0、IF(「ニ」>0、ABS(「ノ」)、IF(「ウ-水平」<=90、180+ABS(「ノ」)、ABS(「ノ」)))、IF(「ニ」)>0、360-ABS(「ノ」)、180-ABS(「ノ」)))、
IF(「ウ-水平」<=90、360-ABS(「ノ」)、ABS(「ノ」))))))、
IF(「イ-水平」=0、0、IF(「イ-水平」>0、IF(「ホ」=0、360、IF(「ウ-水平」<=90、360-ABS(「ス」)、ABS(「ス」)))、
IF(ABS(「ア-水平」)>=ABS(「イ-水平」)、IF(「チ」<=90、360-「ノ」、ABS(「ノ」))、
IF(「ホ」>=0、IF(「ホ」=0、0、IF(「ウ-水平」<=90、ABS(「ス」)、360-ABS(「ス」)))、
IF(「ウ-水平」<=90、180-ABS(「ノ」)、180+ABS(「ノ」)))))))
記:[表4]。右レンズの水平方向のプリズム方向(°)を求める
【0156】
「ク」は、=+「ア-水平」(「エ-水平」/10)
記:「ア-水平」の水平方向のプリズム
記:[表8]。S度数の水平方向のプリズム
「ケ」は、=+(「イ-水平」SIN(「ウ-水平」(3.1415/180))SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))「エ-水平」/10
記:「イ-水平」の水平方向のプリズム
記:[表8]。C度数の水平方向のプリズム
「コ」は、=+「ク」+「ケ」
記:「ク」+「ケ」で水平方向の合計プリズム
「サ」は、=+「セ」COS(「ウ-水平」(3.1415/180))
記:「セ」COS(「ウ-水平」)で「イ-水平」の垂直方向プリズム
「シ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ホ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス」は、=+(ATAN(「サ」/「コ」))/(3.1415/180)
記:ATAN(「サ」/「コ」)により補正角度(°)を求める
「セ」は、=+「ケ」SIN(「ウ-水平」(3.1415/180))
記:「ケ」SIN(「ウ-水平」)で合成方向プリズム
記:[表3]。「F-合成-右」の右レンズの合成-プリズム方向(°)
【0157】
[表4]の「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」
記:軸転-換後のS度数(ディオプター)
「タ」は、=-「イ-水平」
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ」は、=+IF(「ウ-水平」<=90、90+「ウ-水平」、「ウ-水平」-90)
記:軸転換後の軸(°)
「ツ」は、=+「エ-水平」
記:軸転換後の偏心量(mm)
「テ」は、=+「オ-水平」
記:軸転換後の補正プリズム量
「ト」は、=+「ソ」(「ツ」/10)
記:軸転換後のS度数の水平方向のプリズム
「ナ」は、=+「タ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))(SIN(「チ」(3.1415/180)))(「ツ」/10)
記:軸転換後のC度数(ディオプター)の水平方向のプリズム
「二」は、=+「ト」+「ナ」
記:「ト」+「ナ」で軸転換後の水平方向の合計プリズム
「ヌ」は、=+「ハ」(COS(「チ」(3.1415/180)))
記:「ハ」(COS(「チ」))で軸転換後の「タ」の垂直方向のプリズム
「ネ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ミ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした軸転換後の補正プリズム量
「ノ」は、=+(ATAN(「(ヌ」/「二」))/(3.1415/180)
記:ATAN(「ヌ」/「二」)で軸転換後の補正角度(°)
「ハ」は、=+「ナ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))
記:軸転換後の合成方向のプリズム
【0158】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ」は、[表3]の「右-合成のプログラム計算式-2-右」の「水平-補正角度」の値
記:[表3]の「水平の補正角度」
「フ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」-「ヒ」)3.1415/180))(SIN(「ウ-水平」-「ヒ」)3.1415/180))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数(ディオプター)
「ヘ」は、=+「モ」(「エ-水平」/10)
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ」は、=+「ヤ」(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:(プリズム方向の度数)(COS(軸転換前の補正角度))
記:軸転換前のレンズの水平方向の度数
「マ」は、=+「ヘ」/(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/(COS(軸転換前の補正角度))
記:軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ」は、=+「ユ」(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(プリズム方向の度数)(COS(軸転換後の補正角度))
記:軸転換後のレンズの水平方向の度数
「ム」は、=+「ヘ」/(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/COS(軸転換後の補正角度)
記:軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0159】
[表5]の「右-垂直のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-垂直」は、=+[表1]の「ア-右」の値
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-垂直」は、=+[表1]の「イ-右」の値
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-垂直」は、=+[表1]の「ウ-右」の値
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-垂直」は、=+[表1]の「エ-垂直-右」の値
記:右レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-垂直」は、=+IF(「ア-垂直」>=0、IF(「イ-垂直」<0、IF(ABS(「ア-垂直」)<ABS(「イ-垂直」)、「ネ-垂直」、「シ-垂直」)、「ネ-垂直」)、IF(「イ-垂直」>0、IF(ABS(「ア-垂直」)<=ABS(「イ-垂直」)、「シ-垂直」、「ネ-垂直」)、「シ-垂直」))
記:[表5]。右レンズの補正プリズム量(プリズム)を求める
【0160】
[表5]の右レンズの垂直プリズム方向(°)を求めるプログラム計算式の説明。
「キ-垂直-右」は、
=+IF(「ア-垂直」<0,IF(「イ-垂直」=0,270,IF(「イ-垂直」<0,IF(「ホ-垂直」=0,90,IF(「ウ-垂直」<=90,270+「ス-垂直」,270-ABS(「ス-垂直」))),
IF(「ホ-垂直」=0,90,IF(「ホ-垂直」<0,IF(「ウ-垂直」<=90,270+(「ノ-垂直」,270+「ノ-垂直」),IF(「ウ-垂直」<=90,270+ABS(「ノ-垂直」),90+ABS(「ノ-垂直」)))))),
IF(「イ-垂直」=0,90,IF(「イ-垂直」>0,IF(「ホ-垂直」=0,270,IF(「ウ-垂直」<=90,90+ABS(「ス-垂直」),90-ABS(「ス-垂直」))),
IF(ABS(「ア-垂直」)>=ABS(「イ-垂直」),IF(「チ-垂直」<=90,90+「ノ-垂直」,90-ABS(「ノ-垂直」)),
IF(「ホ-垂直」>=0,IF(「ウ-垂直」=90,90,IF(「ウ-垂直」<90、90-ABS(「ス-垂直」)、90+ABS(「ス-垂直」)))、
IF(「ウ-垂直」<=90、270+「ス-垂直」、270+「ス-垂直」))))))
記:[表5]。右レンズの垂直プリズム方向(°)を求める
【0161】
「ク-垂直」は、=+「ア-垂直」「エ-垂直」/10
記:S度数の垂直方向のプリズム
「ケ-垂直」は、=+(「イ-垂直」COS(「ウ-垂直」3.1415/180)COS(「ウ-垂直」3.1415/180))(「エ-垂直」/10)
記:C度数の垂直方向のプリズム
「コ-垂直」は、=+「ク-垂直」+「ケ-垂直」
記:垂直方向の合計プリズム
「サ-垂直」は、=+「セ-垂直」SIN(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:「イ-垂直」の水平方向のプリズム
「シ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0、「ホ-垂直」(「エ-垂直」//10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス-垂直」は、=+(ATAN(「サ-垂直」/「コ-垂直」))/(3.1415/180)
記:補正角度
「セ-垂直」は、=+「ケ-垂直」COS(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:垂直の合成方向のプリズム
【0162】
[表5]の「右-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」の値
記:軸転換後のS度数(ディオプター)
「タ-垂直」は、=-「イ-垂直」の値
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ-垂直」は、=+IF(「ウ-垂直」<=90、90+「ウ-垂直」、「ウ-垂直」-90)
記:軸転換後の軸角度(°)
「ツ-垂直」は、=+「エ-垂直」の値
記:軸転換後の垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「テ-垂直」は、=+「オ-垂直」の値
記:軸転換後の補正プリズム量(プリズム)
「ト-垂直」は、=+「ソ-垂直」「ツ-垂直」/10の値
記:軸転換後のS度数の垂直方向のプリズム
「ナ-垂直」は、=+(「タ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))COS(「チ-垂直」(3.1415/180))(「ツ-垂直」/10)
記:軸転換後のC度数の垂直方向のプリズム
「ニ-垂直」は、=+「ト-垂直」+「ナ-垂直」の値
記:軸転換後の垂直方向の合計プリズム
「ヌ-垂直」は、=+「ハ-垂直」SIN(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の「タ-垂直」の水平方向のプリズム
「ネ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0、「ミ-垂直」(「エ-垂直」/10)))
記:軸転換後のプリズム方向を基にした補正プリズム量
「ノ-垂直」は、=+(ATAN(「ヌ-垂直」/「ニ-垂直」))/(3.1415/180)
記:軸転換後の補正角度
「ハ-垂直」は、=+「ナ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の垂直の合成方向のプリズム
【0163】
[表5]の「右-垂直のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ-垂直」は、=+[表3]の「垂直-補正角度」の値
記:[表3]の「右-合成のプロクラム計算式-2-右」の「垂直-補正角度」
「フ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN(「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN(「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数
「ヘ-垂直」は、=+「モ-垂直」(「エ-垂直」/10)
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ-垂直」は、=+「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」)で軸転換前のレンズの垂直方向の度数
「マ-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」)で軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ-垂直」は、=+「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」)で軸転換後の垂直方向の度数
「ム-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」)で軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180))(COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180))COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0164】
[表6]の「左-合成のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-左」は、=+[表1]の「ア-左」の値
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-左」は、=+[表1]の「イ-左」の値
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-左」は、=+[表1]の「ウ-左」の値
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-水平-左」は、=+[表1]の「エ-水平-左」の値
記:左レンズの水平方向(内側)の偏心(mm)
「エ-垂直-左」は、=+[表1]の「エ-垂直-左」の値
記:左レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-合成-左」は、=+[表7]の「D-合成-左-左」の値
記:[表7]。合成補正プリズム量(プリズム)
記:[表6]。補正プリズム量(プリズム)
「カ-合成-左」は、=+[表7]の「E-合成-左」の値
記:[表7]。左レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表6]。左レンズの合成プリズム方向(°)
「オ-水平-左」は、=+[表8]の「オ-水平」の値
記:[表8]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表6]。水平の補正プリズム量(°)
「カ-左-水平」は、=+[表7]の「カ-左-水平」の値
記:[表7]。左レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表6]。左レンズの水平プリズム方向(°)
「オ-垂直-左」は、=+[表7]の「垂直方向-左-左」の値
記:[表7]。垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
記:[表6]。垂直の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-垂直」は、=+[表7]の「カ-左-垂直」の値
記:[表7]。左レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表6]。左レンズの垂直プリズム方向(°)
「ヒ-合成」は、任意方向の角度(°)を入力する
記:仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)を求める時に、任意方向の角度(°)を入力する
記:任意方向の角度(°)は、0°~180°とする
「フ-合成-任意-度数」は、=+「ア-左」+「イ-左」(SIN((「ウ-左」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-左」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))
記:記:仕上りレンズの任意方向の度数
「ヘ-合成」は、[表8]の「ヘ」の値
記:[表8]。仕上りレンズの水平方向のプリズム
記:[表6]。仕上りレンズの水平方向のプリズム
「モ-合成」は、[表8]の「モ」の値
記:[表8]。仕上り水平方向のの度数
記:[表6]。仕上りレンズの水平方向のの度数
【0165】
[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」の説明。
「水平-水平」は、=+「水平方向-左-左」(COS(ABS(「カ-左-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の水平プリズム
記:「水平方向-左-左」COS|「カ-左-水平」|)
「水平-垂直」は、=+「水平方向-左-左」(SIN(ABS(「カ-左-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の垂直プリズム
記:「水平方向-左-左」SIN|「カ-左-水平」|)
「水平-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「垂直-垂直」/「水平-水平」)/(3.1415/180))
記:水平の補正角度(°)
記:|ATAN(「水平-垂直」/「水平-水平」)|
「ホ-水平-合成-左」は、=+[表8]の「ホ」の値
記:[表8]。「ホ」の水平方向の度数
「水平方向-左-左」は、=+[表8]の「オ-水平」の値
記:[表8]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。左レンズの「水平方向-左-左」で水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-水平」は、=+G2342 [表8]の「カ-水平-左」の値
記:[表8]。左レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表7]。「カ-左-左」で左レンズの水平プリズム方向(°)
「垂直-水平」は、=+「垂直方向-左-左」(COS(ABS(「カ-左-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の水平プリズム
記:「垂直方向-左-左」(COS(ABS(「カ-左-垂直」)))
「垂直-垂直」は、=+「垂直方向-左-左」(SIN(ABS(「カ-左-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の垂直プリズム
記:「垂直方向-左-左」SIN(|「カ-左-垂直」|)
「垂直-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「垂直-垂直」/「垂直-水平」)/(3.1415/180))
記:垂直の補正角度(°)
記:|ATAN「(垂直-垂直)/「垂直-水平」」|
「垂直方向-左-左」は、=+[表9]の「オ-垂直」の値
記:[表9]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。「垂直方向-左」で垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-垂直」は、=+[表9]の「カ-垂直-左」の値
記:[表9]。左レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表7]。「カ-左-垂直」で左レンズの垂直プリズム方向(°)
「A-合成-左-左」は、=+[表7]の「水平-水平」+「垂直-水平」
記:合計水平プリズム
「B-合成-左-左」は、=+[表7]の「水平-垂直」+「垂直-垂直」
記:合計垂直プリズム
「C-合成-左-左」は、=+ATAN(「B-合成-左-左」/「A-合成-左-左」)/(3.1415/180)
記:合成補正角度(°)
「D-合成-左-左」は、=+SQRT(「水平方向-左-左」「水平方向-左-左」+「垂直方向-左-左」「垂直方向-左-左」)
記:合成補正プリズム量(プリズム)
【0166】
「E-合成-左」は、
=+IF(「エ-垂直-左」=0、「カ-左-水平」、
IF(「エ-水平-左」=0、「カ-左-垂直」、
IF(「イ-左」=0、IF(「ア-左」>0、180+「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」<、360+「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」=0、IF(「イ-左」<0、360+「C-合成-左-左」、
180+「C-合成-左-左」))))、
IF(「ア-左」<0、IF(「イ-左」<0、
IF(「ウ-左」<=90、360+「C-合成-左-左」、
IF(「C-合成-左-左」>=0、「C-合成-左-左」、360-ABS(「C-合成-左-左」)))、
IF(「ア-左」+「イ-左」=0、360+「C-合成-左-左」、
IF(「ホ-水平-合成-左」>=0、180+ABS(「C-合成-左-左」)、
IF(「C-合成-左-左」>0、「C-合成-左」、180+ABS(「C-合成-左-左」)))))、
IF(「ア-左」+「イ-左」=0、180+「C-合成-左-左」、
IF(「ホ-水平-合成-左」>=0、IF(「C-合成-左-左」>0、180+「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」>0、IF(「ウ-左」<=90、360-ABS(「C-合成-左-左」)、180-ABS(「C-合成-左-左」))、
180+ABS(「C-合成-左-左」)))、
IF(「C-合成-左-左」>0、IF(「ウ-左」<=90、90-「C-合成-左-左」、「C-合成-左-左」)、
IF(「ウ-左」<=90、360+「C-合成-左-左」、
IF(「C-合成-左-左」>=0、「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」<=0、360-ABS(「C-合成-左-左」)、180-ABS(「C-合成-左-左」)))))))))))
記:[表7]。左レンズの合成プリズム方向(°)を求める
【0167】
[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-右」の説明。
「水平方向-左-右」は、[表8]の「オ-水平」の値
記:[表8]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。「水平方向-左-左」で水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「垂直方向-左-右」は、[表9]の「オ-垂直」の値
記:[表9]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。「水平方向-左-左」で垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「D-合成-左-右」は、=+SQRT(「水平方向-左-右」「水平方向-左-右」+「垂直方向-左-右」「垂直方向-左-右」)
記:[表7]。「D-合成-左-左」で合成補正プリズム量(プリズム)
【0168】
[表8]の「左-水平のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-水平」は、[表1]の「ア-左」の値
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-水平」は、[表1]「のイ-左」の値
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-水平」は、[表1]の「ウ-左」の値
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-水平」は、[表1]の「エ-水平-左」の値
記:左レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「オ-水平」は、=+IF(「ア-水平」>=0、IF(「イ-水平」<0、IF(ABS(「ア-水平」)<ABS(「イ-水平」)、「ネ」、「シ」)、「ネ」)、IF(「イ-水平」>0、IF(ABS(「ア-水平」)<=ABS(「イ-水平」)、「シ」、「ネ」)、「シ」))
記:[表8]。左レンズの補正プリズム量(プリズム)を求める
【0169】
左レンズのプリズム方向(°)を求めるプログラム計算式の説明。
「カ-水平-左」は、=+IF(「ア-水平」<0、IF(「イ-水平」=0、0、IF(「イ-水平」<0、IF(「ホ」=0、0、IF(「ウ-水平」<=90、360-「ス」、ABS(「ス」)))、IF(「ホ」=0、0、IF(「ホ」<0、IF(「ノ」<0、IF(「ノ」<0、IF(「ノ」>0、180+ABS(「ノ」)、IF(「ウ-水平」<=90、ABS(「ノ」)、360-ABS(「ノ」)))、
IF(「ノ」>0、180+ABS(「ノ」)、360-ABS(「ノ」)))、
IF(「ウ-水平」<90、180-ABS(「ノ」)、360-ABS(「ノ」)))、
IF(「ウ-水平」)<=90、180-ABS(「ノ」、180+ABS(「ノ」))))))、
IF(「イ-水平」=0、180、IF(「イ-水平」>0、IF(「ホ」=0、180、IF(「ウ-水平」<=90、180-ABS(「ス」)、180+ABS(「ス」)))、
IF(ABS(「ア-水平」)>=ABS(「イ-水平」)、IF(「チ」<=90、180-「ノ」、180-「ノ」)、IF(「ホ」>=0、IF(「ホ」=0、180、IF(「ウ-水平」<=90、180-「ス」、180-「ス」))、IF(「ウ-水平」<=90、360-ABS(「ス」)、ABS(「ス」)))))))
記:[表8]。左レンズの水平プリズム方向(°)を求める
【0170】
「ク」は、=+「ア-水平」(「エ-水平」/10)
記: 「ア-水平」の水平プリズム
記:[表8]。S度数の水平方向のプリズム
「ケ」は、=+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」3.1415/180))(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(「エ-水平」/10)
記:「イ-水平」の水平方向のプリズム
記:C度数の水平方向のプリズム
「コ」は、=+「ク」+「ケ」
記:「ク」+「ケ」で水平方向の合計プリズム
「サ」は、=+「セ」(COS(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:「セ」COS(「ウ-水平」)で「イ-水平」の垂直方向のプリズム
「シ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ホ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス」は、=+ATAN(「サ」/「コ」)/(3.1415/180)
記:ATAN(「サ」/「コ」)で補正角度
「セ」は、=+「ケ」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:「ケ」SIN(「ウ-水平」)で合成方向のプリズム
記:[表7]。「E-合成-左」の左レンズの合成プリズム方向(°)
【0171】
[表8]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」
記:軸転換後のS度数(ディオプター)
「タ」は、=-「イ-水平」
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ」は、=+IF(「ウ-水平」<=90、90+「ウ-水平」、「ウ-水平」)
記:軸転換後の軸角度(°)
「ツ」は、=+「エ-水平」
記:軸転換後の偏心量(mm)
「テ」は、=+「オ-水平」
記:軸転換後の補正プリズム量(プリズム)
「ト」は、=+「ソ」(「ツ」/10)
記:軸転換後のS度数の水平方向のプリズム
「ナ」は、=+「タ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))(SIN(「チ」(3.1415/180)))(「ツ」/10)
記:軸転換後のC度数の水平方向のプリズム
「二」は、=+「ト」+「ナ」
記:「ト」+「ナ」で軸転換後の水平方向の合計プリズム
「ヌ」は、=+「ハ」(COS(「チ」(3.1415/180)))
記:「ハ」(COS(「チ」))で軸転換後の「タ」の垂直方向のプリズム
「ネ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ミ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした軸転換後の補正プリズム量
「ノ」は、=+(ATAN(「(ヌ」/「二」))/(3.1415/180)
記:ATAN(「ヌ」/「二」)で軸転換後の補正角度
「ハ」は、=+「ナ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))
記:軸転換後の合成方向のプリズム
【0172】
[表8]の「左-水平のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ」は、[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」の「水平-補正角度」の値
記:[表7]の「水平-補正角度」
「フ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」-「ヒ」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」-「ヒ」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数(ディオプター)
「ヘ」は、=+「モ」(「ツ」/10)
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ」は、=+「ヤ」(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:軸転換前のレンズの水平方向の度数
「マ」は、=+「ヘ」/(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/(COS(軸転換前の補正角度))
記:軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ」は、=+「ユ」(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(プリズム方向の度数)(COS(軸転換後の補正角度))
記:軸転換後のレンズの水平方向の度数
「ム」は、=+「ヘ」/(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/(COS(軸転換後の補正角度))
記:軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0173】
[表9]の「左-垂直のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-垂直」は、 [表1]の「ア-左」の値
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-垂直」は、 [表1]の「イ-左」の値
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-垂直」は、 [表1]の「ウ-左」の値
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-垂直」は、 [表1]の「エ-垂直-左」の値
記:左レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-垂直」は、=+IF(「ア-垂直」>=0、IF(「イ-垂直」<0、IF(ABS(「ア-垂直」)<ABS(「イ-垂直」)、「ネ-垂直」、「シ-垂直」)、「ネ-垂直」)、IF(「イ-垂直」>0、IF(ABS(「ア-垂直」)<=ABS(「イ-垂直」)、「シ-垂直」、「ネ-垂直」)、「シ-垂直」))
記:[表9]。左レンズの補正プリズム量(プリズム)を求める
【0174】
左レンズの垂直方向(°)を求めるプログラム計算式の説明。
「カ-垂直-左」は、
=+IF(「ア-垂直」<0,IF(「イ-垂直」=0,270,IF(「イ-垂直」<0,IF(「ホ-垂直」=0,0,IF(「ウ-垂直」<=90,270+「ス-垂直」,270-ABS(「ス-垂直」))),
IF(「ホ-垂直」=0,0,IF(「ホ-垂直」<0,IF(「ウ-垂直」<=90,270-ABS(「ノ-垂直」),270+ABS(「ノ-垂直」)),IF(「ウ-垂直」<=90,90+ABS(「ノ-垂直」),90-ABS(「ノ-垂直」)))))),
IF(「イ-垂直」=0,90,IF(「イ-垂直」>0,IF(「ウ-垂直」=90,90,IF(「ウ-垂直」<90,90+ABS(「ス-垂直」),90-ABS(「ス-垂直」))),
IF(ABS(「ア-垂直」)>=ABS(「イ-垂直」),IF(「チ-垂直」<=90,90+「ノ-垂直」,90+「ノ-垂直」),IF(「ホ-垂直」>=0,IF(「ウ-垂直」=90,90,IF(「ウ-垂直」<90,90+ABS(「ス-垂直」),270-「ス-垂直」)),
IF(「ウ-垂直」=90,270、IF(「ウ-垂直」<90、270+「ス-垂直」、270-ABS(「ス-垂直」))))))))
記:[表9]。左レンズの垂直プリズム方向(°)を求める
【0175】
「ク-垂直」は、=+「ア-垂直」(「エ-垂直」/10)
記:S度数の垂直方向のプリズム
「ケ-垂直」は、=+(「イ-垂直」COS(「ウ-垂直」(3.1415/180))COS(「ウ-垂直」(3.1415/180)))「エ-垂直」/10)
記:C度数の垂直方向のプリズム
「コ-垂直」は、=+「ク-垂直」+「ケ-垂直」
記:垂直方向の合計プリズム
「サ-垂直」は、=+「セ-垂直」SIN(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:「イ-垂直」の水平方向のプリズム
「シ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0「ホ-垂直」(「エ-垂直」/10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス-垂直」は、=+(ATAN(「サ-垂直」/「コ-垂直」))/(3.1415/180)
記:補正角度
「セ-垂直」は、=+「ケ-垂直」COS(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:垂直の合成方向のプリズム.
【0176】
[表9]の「左-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」の値
記:軸転換後のS度数(ディオプター)
「タ-垂直」は、=-[表9]の-「イ-垂直」の値
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ-垂直」は、=+IF(「ウ-垂直」<=90、90+「ウ-垂直」、「ウ-垂直」-90)
記: 軸転換後の軸角度(°)
「ツ-垂直」は、=+「エ-垂直」の値
記:軸転換後の垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「テ-垂直」は、=+「オ-垂直」の値
記:軸転換後の補正プリズム量(プリズム)
「ト-垂直」は、=+「ソ-垂直」(「ツ-垂直」/10)の値
記:軸転換後のS度数の垂直方向のプリズム
「ナ-垂直」は、=+(「タ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))COS(「チ-垂直」(3.1415/180)))/(「ツ-垂直」/10)
記:軸転換後のC度数の垂直方向のプリズム
「ニ-垂直」は、=+「ト-垂直」+「ナ-垂直」の値
記:軸転換後の垂直方向の合計プリズム.
「ヌ-垂直」は、=+「ハ-垂直」SIN(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の「タ-垂直」の水平方向のプリズム
「ネ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0、「ミ-垂直」(「エ-垂直」/10)))
記:軸転換後のプリズム方向を基にした補正プリズム量
「ノ-垂直」は、=+(ATAN(「ヌ-垂直」/「ニ-垂直」))/(3.1415/180)
記:軸転換後の補正角度
「ハ-垂直」は、=+「ナ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の垂直の合成方向のプリズム
【0177】
[表9]の「左-垂直のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ-垂直」は、=+[表7]の「垂直-補正角度」の値
記:[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」の「垂直-補正角度」
「フ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN((「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN(「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数
「ヘ-垂直」は、=+「モ-垂直」(「エ-垂直」/10)
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ-垂直」は、=+「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」)で軸転換前のレンズの垂直方向の度数
「マ-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」)で軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ-垂直」は、=+「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」)で軸転換後の垂直方向の度数
「ム-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」)で軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180))COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180))COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0178】
[表10]についての説明。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向(内側)の偏心量3.0mmの場合です。[実施例1]の結果の表です。結果内容は、[実施例1]を参照して下さい。[表10]は、左レンズの「左-合成のプログラム計算式-1」の表です。[表10]のプログラム計算式は、[表6]と同じです。
【0179】
[表11]についての説明。[表11]は、左レンズの「左-合成のプログラム計算式-2-左」と「左-合成のプログラム計算式-2-右」とに分かれています。左レンズの水平と垂直を合成する表です。[表11]のプログラム計算式は、[表7]と同じです。
【0180】
[表12]についての説明。[表12]は、「左-水平のプロクラム計算式-1」と「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」と「左-水平のプログラミング計算-3」とに分かれています。左レンズの水平方向(内側)のみを偏心する場合の表です。[表12]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。偏心は水平方向(内側)のみなので、垂直方向(上側)の表はありません。
【0181】
[表13]についての説明。[実施例2]の結果の表です。結果内容は、[実施例2]を参照して下さい。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向(内側)の偏心量を2.55mm、「ノ」の補正角度の欄に60°を入力した場合の表です。[表13]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。但し、「ヒ」と「フ」は省略しています。
【0182】
[表14]についての説明。左レンズで、S-1.00D、C-3.00D、軸角度30°、水平方向(内側)の偏心量3.0mmです。左レンズで、マイナスレンズの場合です。前特開の実施例2の場合です。
前特開では、左レンズの「補正プリズム量」は0.77プリズムでした。「プリズム方向」は345°方向でした。本願では、「補正プリズム量」は0.67プリズムです。「プリズム方向」は、349°方向です。[表14]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。但し、「ヒ」と「フ」は省略しています。
【0183】
[表15]についての説明。左で、S+1.00D、C-3.00D、軸角度35.265°、水平方向(内側)の偏心量3.0mmの場合です。左レンズで、混合レンズです。
前特開では、「軸角度」は19°でした。「補正プリズム量」は、0.09プリズムでした。「プリズム方向」は、266°方向でした。「水平方向の合計プリズム」は、0.01プリズムでした。
本願では、「軸角度」を35.265°としました「オ-水平」の「補正プリズム量」は、0.00プリズムです。「カ-水平」の「左レンズの水平プリズム方向」は、270°方向です。「コ」の「水平方向の合計プリズム」は、0.00プリズムです。「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」は、0.00Dです。
「ウ-水平」の「軸角度」を144.735°とすると、「オ-水平」の「補正プリズム量」は、0プリズムになります。「カ-水平」の「左レンズの水平プリズム方向」は、90°方向になります。[表15]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。但し、「ヒ」と「フ」は省略しています。
【0184】
[表16]の説明。表の作成方法についての説明。プラスレンズの場合です。「A」、「B」、「C」、「D」、「入力-中心厚」、「E」、「F」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」までの説明。「A」とは、この表の「A」の欄のすぐ下の欄にレンズの口径(mm)を入力します。「B」とは「B」の欄のすぐ下の欄にレンズの屈折率を入力します。「C」とは表の「C」の欄のすぐ下にレンズの表面の半径(mm)を入力して「R1」とします、「D」とは表の「D」の欄のすぐ下にレンズの内面の半径(mm)を入力して「R2」とします。「入力-中心厚」とは、プラスレンズの場合は[表16]の「入力-中心厚」の欄のすぐ下にプラスレンズの中心厚を考慮しない場合の「CT2」の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズの場合は「入力-中心厚」の欄のすぐ下にマイナスレンズの「F」の中心厚(mm)を入力します。「E」とは表の「E」の欄のすぐ下にプラスレンズの場合において最小フチ厚(mm)を入力します。「F」とは表の「F」の欄のすぐ下にマイナスレンズの場合において中心厚(mm)を入力します。
【0185】
次に、「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-1」で、「R1」、「R2」、「R3」、「D1」、「D2」、「D3」、「D4」、「CT2」、「CT3」、「EG2」、「EG3」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」までの欄のすぐ下の各欄に、下記に記載しているプログラム計算式を入力します。
そして、下記の中心厚とフチ厚の各プログラム計算式によって、「R1」、「R2」、「R3」、「D1」、「D2」、「D3」、「D4」、「CT2」、「CT3」、「EG2」、「EG3」の値を算出します。
「R1」とは「R1」のすぐ下の欄の数値を指し、レンズの表面(おもてめん)の半径(mm)です。
「R2」とは「R2」のすぐ下の欄の数値を指し、レンズの内面(ないめん)の半径(mm)です。
「R3」とは「R3」のすぐ下の欄の数値を指し、中心厚を考慮した場合の内面(ないめん)の半径(mm)です。
「D1」とは「D1」のすぐ下の欄の数値を指し、R1(表面)のディオプターカーブです。
「D2」とは「D2」のすぐ下の欄の数値を指し、R2(内面)のディオプターカーブです。
「D3」とは「D3」のすぐ下の欄の数値を指し、中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブです。
「D4」とは「D4」のすぐ下の欄の数値を指し、[「D1」-「D2」]と減じることによって得られる、レンズの度数(ディオプター)です。
「CT2」とは「CT2」のすぐ下の欄の数値を指し、プラスレンズで中心厚を考慮しない場合のレンズの中心厚(mm)です。
「CT3」とは「CT3」のすぐ下の欄の数値を指し、プラスレンズで中心厚を考慮した場合のレンズの中心厚(mm)です。
「EG2」とは「EG2」のすぐ下の欄の数値を指し、マイナスレンズで中心厚を考慮しない場合のレンズのフチ厚(mm)です。
「EG3とは「EG3」のすぐ下の欄の数値を指し、マイナスレンズで中心厚を考慮した場合のレンズのフチ厚(mm)です。
【0186】
プラスレンズの場合は「CT2」の値は正の値となり、「M」の値は負の値となります。「M」の絶対値をとり「EG2」の値を正の値とします。マイナスレンズの場合は「CT2」の値は負の値となり、「M」の値は正の値となります。「M」の値の絶対値をとり、「M」+「F」を「EG2」とし、「EG2」の値を正の値とします。レンズがプラスレンズかマイナスレンズか平板(度数がゼロ)によって、値が正か負かゼロになります。値が正の場合が求めるレンズの中心厚の値となります。
プラスレンズの場合は、フチ厚がゼロの時の中心厚が「CT2」および「CT3」の中心厚の値となります。「E」の欄の下に、任意の最小フチ厚を入力すれば、「CT2」および「CT3」に中心厚が算出されます。
マイナスレンズの場合は、中心厚がゼロの時のフチ厚が「EG2」および「EG3」のフチ厚の値となっています。「F」の欄の下に、任意の中心厚(>0)を入力すれば、「EG2」および「EG3」にフチ厚が算出されます。
【0187】
中心厚を考慮した場合の「CT3」と「EG3」も同様です。「CT2」、「CT3」、「EG2」、「EG3」、は、「A」のレンズの口径(mm)や、「C」のレンズの表面(おもてめん)の半径(mm)や、「D」のレンズの内面(ないめん)の半径(mm)によって異なってきます。
【0188】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-2」は、中心厚を考慮しない場合の値です。以下、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」まで、各欄のすぐ下のプログラム計算式を指します。
【0189】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-3」は、中心厚を考慮した場合の値です。「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」まで、各欄のすぐ下のプログラム計算式を指します。
【0190】
[表16]および[表17]は、同じプログラム計算式です。[表16]は、S+1.00Dのプラスの球面レンズの場合の表です。[表17]は、S-1.00Dのマイナスの球面レンズの場合の表です。
【0191】
中心厚とフチ厚を求めるプログラム計算式の説明。以下の項目の欄の下に数値を入力する。
「A」は、レンズの口径(mm)を入力する
「B」は、レンズの屈折率を入力する
「C」は、レンズの表面の半径(mm)を入力する
「D」は、レンズの内面の半径(mm)を入力する
「入力-中心厚」は、プラスレンズの場合はプログラム計算式により算出した「プラスレンズで中心厚を考慮しない場合」の「CT2」の値か、マイナスレンズの場合は「F」の中心厚の値を入力する
「E」は、プラスレンズの場合で最小フチ厚(mm)を入力する
「F」は、マイナスレンズの場合で中心厚(mm)を入力する
【0192】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-1」の説明。
「R1」は、=+「C」
記:レンズの表面の半径(mm)
「R2」は。=+「D」
記:レンズの内面の半径(mm)
「R3」は、=+((「B」-1/)「D3」)1000
記:レンズの中心厚を考慮した場合のレンズの内面の半径(mm)
「D1」は、=+((「B」-1)/「C」)1000
記:レンズの表面のディオプターカーブ
「D2」は、=+((「B」-1)/「D」)1000
記:レンズの内面のディオプターカーブ
「D3」は、=+「B」(「D1」-(「D1」-「D2」))/(「B」-(「CT2」/1000)「D1」)
記:中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブ
「D4」は、=+「D1」-「D2」
記:R1の(表面)のディオプターカーブから、R2の(内面)のディオプターカーブを減じることによって得られる、レンズの度数(ディオプター)
「CT2」は、=+「L」
記:プラスレンズの中心厚を考慮しない場合の中心厚(mm)
「CT3」は、=+「S」
記:プラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)
「EG2」は、=+「M」+「F」
記:マイナスレンズで中心厚を考慮しない場合のフチ厚(mm)
「EG3」は、=+「T」+「F」
記:マイナスレンズで中心厚を考慮した場合のフチ厚(mm)
【0193】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-2(中心厚を考慮しない場合)」の説明。
「G」は、=+SQRT(「R1」「R1」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図14]の7の接点で、[表16]の「G」でY1の値(円の公式より求める)
「H」は、=+SQRT(「R2」「R2」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図14]の6の接点で[表16]の「H」でY2の値(円の公式より求める)
「I」は、=+「H」-「G」
記:[図14]の10で[表16]の内面のY2の値-表面のY1の値
「J」は、=+「R2」-「R1」
記:[図14]の11で、[表16]の内面の半径の値-表面の半径の値
「K」は、=+「I」-「J」
記:[図14]の12で、[表16]のプラスレンズの中心厚
「L」は、=+「K」+「E」
記:プラスレンズの場合で、[表16]の「K」の中心厚に最小フチ厚を加えた値
「M」は、=+「J」-「I」
記:マイナスレンズの場合で、[表17]の中心厚を考慮しない場合のフチ厚
記:[表16]のプラスレンズでは、マイナスの表示となります
記:[表17]のマイナスレンズでは、プラスの表示となります
【0194】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-3(中心厚を考慮した場合)」の説明。
「N」は、=+SQRT(「R1」「R1」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図14]の7の接点で、[表16]の「G」で、表面のY1の値(円の公式より求める)
「O」は、=+SQRT(「R3」「R3」-(「(A」/2)(「A」/2))
記:中心厚を考慮した内面の半径「R3」による表面のY3の値(円の公式より求める)
「P」は、=+「O」-「N」
記:[表16]の内面のY3の値-表面のY1の値
「Q」は、=+「R3」-「R1」
記:[表16]の中心厚を考慮した内面の半径-表面の半径の値
「R」は、=+「P」-「Q」
記:[表16]の中心厚を考慮した場合のプラスレンズの中心厚
「S」は、=+「R」+「E」
記:プラスレンズで中心厚を考慮した場合で、[表16]の「R」の中心厚に、「E」の最小フチ厚を加えた値
「T」は、=+「Q」-「P」
記:マイナスレンズで、[表17]の中心厚を考慮した場合のフチ厚
記:[表16]のプラスレンズでは、マイナスの表示となります
記:[表17]のマイナスレンズでは、プラスの表示となります
【0195】
[表16]の場合。口径が65(mm)の時、「E」のプラスレンズの最小フチ厚が0.0(mm)の時の「CT2」は、1.13(mm)です。この時、マイナスレンズの中心厚を0.0(mm)にすれば、マイナスレンズの「EG2」であるフチ厚は、1.13(mm)になります。つまり、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)と、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)を0.0(mm)にすれば、「CT2」と「EG2」は同じになります。「CT3」と「EG3」も同じ値になります。プラスレンズの中心厚とマイナスレンズのフチ厚は、同じとなります。
【0196】
[表17]の説明。S-1.00Dの球面レンズの場合の表です。マイナスレンズの場合です。表の様式とプログラム計算式は[表16]と同じです。「A」の口径は、65(mm)とします。「B」の屈折率は、1.50とします。「C」のレンズの表面の半径は、100(mm)とします。「D」のレンズの内面の半径は、83.3(mm)とします。「入力-中心厚」は、「F」で入力した値を入力します。「E」のプラスレンズの最小フチ厚は、0.0(mm)とします。「F」のマイナスレンズの中心厚(>0)は、1.0(mm)とします。以上の各欄の下に、各数値を入力します。
【0197】
[表17]の場合。口径が65(mm)の時、「E」のプラスレンズの最小フチ厚が0.0(mm)の時の「CT2」は、-1.17(mm)です。この時、マイナスレンズの中心厚を0.0(mm)にすれば、マイナスレンズの「EG2」であるフチ厚は、1.17(mm)になります。つまり、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)と、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)を0.0(mm)にすれば、「CT2」と「EG2」の絶対値は同じになります。「CT3」と「EG3」も、絶対値は同じ値になります。プラスレンズの中心厚とマイナスレンズのフチ厚の絶対値は、同じとなります。
マイナスレンズの時、「EG2」のフチ厚は、「M」に「F」で入力する任意の中心厚(>0)を加算したフチ厚となります。「F」の任意の中心厚を1.0(mm)とした場合、「EG2」=「M」+「F」=1.17+1.0=2.17(mm)となります。「EG3」は、「T」に「F」で入力する任意の中心厚(>0)を加算したフチ厚となります。「F」の任意の中心厚を1.0(mm)とした場合、「EG3」=「T」+「F」=1.15+1.0=2.15(mm)となります。
【0198】
[表16]の中心厚とフチ厚についての説明。[表16]は、S+1.00Dの球面のプラスレンズの場合の表です。口径(mm)を「A」の欄の下に入力します。屈折率を「B」の欄の下に入力します。レンズの表面(おもてめん)カーブの半径(mm)を、「C」の欄の下に入力します。レンズの内面(ないめん)カーブの半径(mm)を、「D」の欄の下に入力します。
プラスレンズの場合、最小フチ厚(mm)を「E」の欄の下に入力します。マイナスレンズの場合、中心厚(mm)を「F」の欄の下に入力します。[表16]では、0(ゼロ)と入力しています。
入力後、[表16]のプログラム計算式によって算出された中心厚(mm)を、「入力-中心厚」の欄の下に入力します。「入力-中心厚」は、プラスレンズであれば「CT3」の中心厚を考慮した中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズであれば「F」の中心厚を考慮した中心厚(mm)を入力します。
【0199】
[表16]では、「A」の口径は65(mm)と入力しました。「B」の屈折力は1.50と入力しました。「C」のレンズの表面カーブの半径は、100(mm)と入力しました。「D」のレンズの内面カーブの半径は、125(mm)と入力しました。プラスレンズの最小フチ厚は、0.0(mm)と入力しました。「F」のマイナスレンズの中心厚は、0.0(mm)と入力しました。
【0200】
[表16]のプログラム計算式の説明。[段落0011]の式は、「R=(屈折率-1)/D。D=(屈折率-1)/半径(m)とできます。Rは、半径(m)。Dは、度数(ディオプター)。」でした。表面の半径(mm)から、「R=(屈折率-1)/D」の式により、表面のD1の度数を求めます。「D=(屈折率-1)/R(m)」とできます。「B」の屈折率は、1.50です。「C」の表面の半径は、0.1(m)=100(mm)です。各値を式に代入します。
「D1」の表面のディオプターは、「D1=(1.50-1)/0.1」より、「D1」=5.00です。「D1」の表面のカーブを、「5.00D」のディオプターカーブとします。
「D2」の内面のディオプターは、「D2」=(1.50-1)/0.125」より、「D2」=4.00です。「D2」の内面カーブを、「4.00D」のディオプターカーブとします。
【0201】
[段落0014]の「レンズの屈折率と厚みと度数と表面のディオプターカーブと内面のディオプターカーブの関係式は、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。nは、レンズの屈折率。dは、中心厚(m)。D1は、表面のディオプターカーブ。D2は、内面のディオプターカーブ。D0は、レンズの度数。」でした。
【0202】
「D2」は、「D2=n(D1-D0)/(n-dD1)」の式で、dのレンズの厚み(m)は、考慮しない場合として、d=0とします。nのレンズの屈折率=1.50、「D1」の表面の
ディオプターカーブ=5.00D、D0のレンズの度数=+1.00Dを入力して求めます。「D2=1.50(5.00-1.00)/1.50=4.00」となります。[段落0200]と同じ結果になります。
【0203】
「D3」の中心厚を考慮した内面カーブについての説明。Dのレンズの厚み(m)を考慮した場合です。「D2=n(D1-D0)/(n-dD1)」の式の、「D2」を「D3」に置き換えます。
「D3=n(D1-D0)/(n-dD1)」とします。nは、レンズの屈折率。dは、レンズの中心厚(m)。D1は、表面のディオプターカーブ。D2は、内面のディオプターカーブ。D0は、レンズの度数。」でした。
dの中心厚(m)は、[表16]の「CT3」で求めた値の「1.11(mm)」をメートルに換算します。dの厚み(m)=1.11(mm)/1000=0.00111(m)となります。
「D3」は、「D3=n(D1-D0)/(n-dD1)」の式に、nのレンズの屈折率=1.50、dの厚み=0.00111(m)、「D1」の表面のディオプターカーブ=5.00D、D0のレンズの度数=+1.00Dを代入して求めます。「D3=1.50(5.00-1.00)/(1.50-0.001115.00)=4.0148」となります。
[表16]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、「4.0151D」です。計算式で求めた「D3」の「4.0148D」の値と[表16]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、4.0148D」≒「4.0151D」でほぼ同じです。
【0204】
[表16]の「プログラム計算式-1」の「CT2」の中心厚は、「プログラム計算式-2」の「L」の値です。[表16]のマイナスレンズの中心厚の「F」は、0.0(ゼロ)と入力しました。
「マイナスレンズの中心厚を考慮しない場合」の「EG2」のフチ厚は、「プログラム計算式-2」の[「M」の絶対値+「F」]の値です。
「マイナスレンズで中心厚を考慮した場合」の「EG3」のフチ厚は、「プログラム計算式-3」の[「T」の絶対値+「F」]の値です。
【0205】
[表16]の「プログラム計算式-3」の中心厚は、「S」の1.11(mm)です。「D3」の内面ディオプターカーブは、「4.02D」です。「D2」の「4.00D」より「0.02D」小さい半径の内面カーブにしないと、仕上りレンズの度数が「0.02D」プラスよりの強い度数になってしまいます。
仕上りレンズの度数を「1.00D」にするためには、「D3」の「中心厚を考慮した内面カーブを、「4.02D」の小さい半径の内面カーブにします。
仕上りレンズの度数を+1.00Dするには、「D3」の内面カーブを「4.02D」とし、「CT2」の1.13(mm)の中心厚を、「CT3」の1.11(mm)にします。レンズは、0.02(mm)薄く仕上ります。
【0206】
[「D1」-「D2」]によって得られる「D4」のレンズの度数は、CG機で中心厚を考慮した場合の、「D3」の内面カーブの半径である「R3」の半径で半製品レンズを切削した内面カーブとします。
【0207】
半径(カーブ)の説明。[表16]の「D1」は、半製品レンズの表面のカーブである[表16]の「C」のレンズの表面の半径(mm)のカーブです。「D3」は、CG機で半製品レンズを切削加工する時の内面の半径(mm)のカーブです。「D3」は、[表16]の各プログラム計算式によって得られた中心厚を考慮した内面の半径(mm)のカーブです。
「D4」であるレンズの度数(ディオプター)とは、[「D1」-「D2」]の度数です。中心厚を考慮する必要がある為に、「D2」を「D3」に置き換えます。
「表1」~「表15」で用いている「S±度数」・「C±度数」とは、「D4」のレンズの度数(ディオプター)のことです。
【0208】
[表17]の「S-1.00D」のマイナスの球面レンズ説明。中心厚とフチ厚についての説明。[表17]は、S-1.00Dの球面のマイナスレンズの場合の表です。口径(mm)を「A」の欄の下に入力します。屈折率を「B」の欄の下に入力します。レンズの表面の半径(mm)を、「C」の欄の下に入力します。レンズの内面の半径(mm)を、「D」の欄の下に入力します。
プラスレンズの場合は、最小フチ厚(mm)を「E」の欄の下に入力します。[表17]では、「E」の値は0.0(mm)と入力しています。マイナスレンズの場合は、中心厚(mm)を「F」の欄の下に入力します。[表17]では、1.0(mm)と入力しています。
【0209】
[表17]では、「A」の口径は65(mm)入力しました。「B」の屈折力は1.50と入力しました。「C」のレンズの表面の半径は、100(mm)と入力しました。「D」のレンズの内面の半径は、83.3(mm)と入力しました。プラスレンズの最小フチ厚は、0.0(mm)と入力しました。「F」のマイナスレンズの中心厚は、1.0(mm)と入力しました。
【0210】
[表17]のプログラム計算式の説明。[段落0011]の式は、「R=(屈折率-1)/D。D=(屈折率-1)/半径(m)。Rは、半径(m)。Dは、度数(ディオプター)。」でした。表面の半径(mm)から、「R=(屈折率-1)/D」の式により、表面のD1の度数を求めます。「D=(屈折率-1)/R(m)」とできます。「B」の屈折率は、1.50です。「C」の表面の半径は、0.1(m)=100(mm)です。各値を式に代入します。
「D1」の表面のディオプターは、「D1=(1.50-1)/0.1」より、「D1」=5.00です。「D1」の表面のカーブを、「5.00D」のディオプターカーブとします。
「D2」の内面のディオプターは、「D2」=(1.50-1)/0.0833」より、「D2」=6.00です。「D2」の内面カーブを、「6.00D」のディオプターカーブとします。
【0211】
[段落0014]の式は、「D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。nは、レンズの屈折率。dは、中心厚(m)。D1は、表面のディオプターカーブ。D2は、内面のディオプターカーブ。D0は、レンズの度数。」でした。
【0212】
「D2」は、「D2=n(D1-D0)/(n-dD1)」の式で、dのレンズの中心厚(m)は、考慮しない場合として、d=0とします。nのレンズの屈折率=1.50、「D1」の表面の
ディオプターカーブ=5.00D、D0のレンズの度数=-1.00Dを入力して求めます。「D2=1.50(5.00-(-1.00))/1.50=6.00」となります。[段落0210]と同じ結果になります。
【0213】
「D3」の中心厚を考慮した内面カーブについての説明。Dのレンズの中心厚(m)を考慮した場合です。「D2=n(D1-D0)/(n-dD1)」の式の、「D2」を「D3」に置き換えます。
「D3=n(D1-D0)/(n-dD1)」とします。nは、レンズの屈折率。dは、レンズの中心厚(m)。D1は、表面のディオプターカーブ。D2は、内面のディオプターカーブ。D0は、レンズの度数でした。
dの中心厚(m)は、マイナスレンズなので、[表17]の「F」に入力します。1.0(mm)です。1.0(mm)を「入力-中心厚」の欄に入力します。「1.0(mm)」をメートルに換算します。dの厚み(m)=1.0(mm)/1000=0.001(m)となります。S-1.00Dの場合、中心厚を考慮した内面カーブの「D3」の値を求めます。「D3=1.50(5.00-(-1.00))/(1.50-0.015.00)=6.0200」です。「D3=6.0200D」となります。[表17]の「D3」の、中心厚を考慮した場合の「D3」の内面カーブは、「6.0225D」です。計算式で求めた「D3」の「6.0200D」の値と[表17]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、6.0200D」≒「6.0225D」でほぼ同じです。
【0214】
[表17]の「プログラム計算式-1」の「CT2」の中心厚は、「プログラム計算式-2」の「L」の値です。[表17]のマイナスレンズの中心厚の「F」は、1.0を入力しました。
マイナスレンズの中心厚を考慮しない場合」の「EG2」のフチ厚は、「プログラム計算式-2」の[「M」+「F」]の値です。
「マイナスレンズで中心厚を考慮した場合」の「EG3」のフチ厚は、「プログラム計算式-3」の[「T」+「F」]の値です。
【0215】
[表17]において、仕上りレンズの度数を「-1.00D」にするためには、「D3」の「中心厚を考慮した内面カーブを、「6.02D」の小さい半径の内面カーブにします。「D3」の内面カーブを「6.02D」にすることで、仕上りレンズの度数が+1.00Dになります。
中心厚を考慮しない場合のフチ厚は、「EG2」=2.17(mm)です。中心厚を考慮した場合のフチ厚は、「EG3」=2.20(mm)です。レンズのフチ厚は、0.02(mm)厚く仕上ります。
【0216】
[「D1」-「D2」]によって得られる「D4」のレンズの度数は、CG機で中心厚を考慮した場合の、「D3」の内面カーブの半径である「R3」の半径で半製品レンズを切削した内面カーブとします。
【0217】
[表16]および[表17]の半径(カーブ)についての説明。「D1」は、半製品レンズの表面のカーブである「C」のレンズの表面の半径(mm)のカーブです。「D3」は、CG機で半製品レンズを切削加工する時の内面の半径(mm)のカーブです。「D3」は、[表16]および[表17]の各プログラム計算式によって得られた中心厚を考慮した内面の半径(mm)のカーブです。「D4」であるレンズの度数(ディオプター)とは、[「D1」-「D2」]の度数です。中心厚を考慮する必要がある為に、「D2」を「D3」に置き換えます。
「D「表1」~「表15」で用いている「S±度数」・「C±度数」とは、「D4」のレンズの度数(ディオプター)のことです。
【符号の説明】
【0218】
図1]平面図。基本図。
1A 半製品レンズの幾何学中心
1B 半製品レンズの遠用部
1C 半製品レンズの近用部
1D 近用部の上方の中心位置
1E 水平方向の合計プリズム
1F 合成方向のプリズム
1G 垂直方向のプリズム
1H 水平方向の補正プリズム量
1I 垂直方向の合計プリズム
1J 水平方向のプリズム
1K 垂直方向の補正プリズム量
1L 合成した補正プリズム量
1M 半製品レンズの耳側
1N 半製品レンズの鼻側
1O 半製品レンズの上側
1P 半製品レンズの下側
【0219】
図2]断面図。マイナスレンズ。2Aは内面カーブ。2Bは半製品の表面カーブ。2Cは凹(マイナス)レンズ。
【0220】
図3]断面図。プラスレンズ。3Aは内面カーブ。3Bは半製品の表面カーブ。3Cは凸(プラス)レンズ。
【0221】
図4]平面図。プリズムリングを真上から見た平面図。4Aはプリズムリングの本体です。4Bはプリズムリングの外円。4Cはプリズムリングの内円。4Cは中空(からっぽ)。
【0222】
図5]立面図。プリズムリングの立面図。5Aはプリズムリングの上方部分。5Bはプリズムリングの側面。5Cはプリズムリングの下方部分。5Dはプリズムリングの厚み。
【0223】
図6]立面図。プリズムリングを半分傾けた立面図。6Aはプリズムリングの傾いた上方部分。6Bはプリズムリング厚い方の側面。6Cはプリズムリングの水平な下方部分。6Dはプリズムリングの薄い方の側面。
【0224】
図7]立面図。プリズムリングを最大限に傾けた立面図。7Aはプリズムリングの最大限に傾いた上方部分。7Bはプリズムリングの厚い方の側面(厚みは最大です)。7Cはプリズムリングの水平な下方部分。7Dはプリズムリングの薄い方の側面(厚みはゼロです)。
【0225】
図8]断面図。レンズとブロックとアロイとプリズムリングの断面図。8Aは半製品レンズ。8Bはブロック。8Cはアロイ。8Dはプリズムリング。
【0226】
図9]断面図。凹(マイナス)レンズの場合。9Aは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブです。9Bは半製品の表面カーブです。9Cは凹(マイナス)レンズです。9Dはレンズの中心厚です。レンズが厚い側にプリズムが加わっています。プリズムが加わる側は、レンズが厚くなります。9Eはブロックです。9Fは最大限に傾いたプリズムリングです。9Gは、プリズムを加えた側のレンズの側面(フチ厚)です。フチ厚は、厚くなっています。9Hは、プリズムを加えなかった側のレンズの側面(フチ厚)です。フチ厚は、薄くなっています。プリズムリングの厚い側です。9Iは半製品の表面カーブの中心です。9Jは内面カーブの中心です。
【0227】
図10]断面図。凸(プラス)レンズの場合。10Aは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブです。10Bは半製品の表面カーブです。10Cは凸(プラス)レンズです。10Dはレンズの中心厚です。10Eはブロックです。10Fは最大限に傾いたプリズムリングです。10Gはプリズムが加わった側のレンズの側面(フチ厚)です。10Hはプリズムが加わらなかった側のレンズの側面(フチ厚)です。レンズが厚くなった側にプリズムが加わっています。プリズムリングの薄い方です。10Iは半製品の表面カーブです。10Jは内面カーブの中心です(但し、紙面の制約上、実際より左側にずらしています)。
【0228】
図11]表面(おもてめん)と内面(ないめん)との関係図。11Aは座標の垂直軸です。11Bは座標の水平軸です。11Cは半径125(mm)のレンズの仮想の表面カーブです。11Dは半径100(mm)の表面カーブです。11Eは半径125(mm)の内面カーブです。11Cの仮想の表面カーブを下方に垂直移動させて、11Eの内面とします。11Fは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で、11Cの仮想の表面カーブとの上の接点です。11Gは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で、実際の11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの下の接点です。11Hは半径125(mm)の内面カーブです。11Iは凸(プラス)レンズです。11Jは11Fの接点と11Gの接点との差であり、[表16]の「I」=「H」-「G」です。11Kは11Cの仮想の表面カーブと11Dの表面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、[表16]の「J」=「R2」-「R1」です。11Lは11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、レンズの中心厚で[表16]の「K」=「I」-「J」です。
【0229】
図12]中心厚とフチ厚との関係図。12Aは凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブです。12Bは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブです(凸レンズの場合では表面カーブとします)。
12Aの凹(マイナス)レンズの表面カーブで、12Bの凹(マイナス)レンズの内面カーブであれば、中心厚は0(ゼロ)です。
12Cは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブです。12Aの凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブと、12Cの凸(プラス)レンズの場合の内面カーブとは同じ半径です。12Dは凸(プラス)レンズの場合では、中心厚になります。12Eは凹(マイナス)レンズの場合では、フチ厚になります。12Aの凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブと12Cの凸(プラス)レンズの場合の内面カーブの半径が同じなら、中心厚とフチ厚は同じとなります。
【0230】
図13]度数を数直線で表した図。13Aはマイナス度数方向です。13Gはプラス度数方向です。13Dは度数が0.00Dの位置です。13Bは度数が-2.00Dの位置です。13Cは度数が-1.00Dの位置です。13Eは度数が+1.00Dの位置です。13Fは度数が+2.00Dの位置です。
【図面の簡単な説明】
【0231】
図1]は基本図です。平面図です。[図1]と[表6]・[表8]・[表9]の説明。[図1]は、S+3.00D、C-3.00D、軸角度135°、偏心量(内側)3.0mm、偏心量(上側)3.0mmの左レンズの表面(おもてめん)を真上から見た平面図です。
1Aは半製品レンズの幾何学中心です。
1Bは半製品レンズの遠用部です。
1Cは半製品レンズの近用部です。
1Dは近用部の上方の中心位置です。
1Eは水平方向の合計プリズムです。[表8]の「コ」です。
1Fは合成方向のプリズムです。[表8]の「セ」です。[表9]の「セ-垂直」でもある(但し、絶対値)。
1Gは垂直方向のプリズムです。[表8]の「サ」です。
1Hは水平方向の補正プリズム量です。[表8]の「オ-水平」です。[表6]の「オ-水平-左」でもある。
1Iは垂直方向の合計プリズムです。[表9]の「コ-垂直」です。
1Jは水平方向のプリズムです。[表9]の「サ-垂直」です。
1Kは垂直方向の補正プリズム量です。[表9]の「オ-垂直」です。[表6]の「オ-垂直-左」でもある。
1Lは合成した補正プリズム量です。[表6]の「オ-合成-左」です。
1Mは半製品レンズの耳側です。
1Nは半製品レンズの鼻側です。
1Oは半製品レンズの上側です。
1Pは半製品レンズの下側です。
【0232】
図1]の基本図の説明。[図1]は左の半製品レンズを表面(おもてめん)より見た平面図です。
S+3.00D、C-3.00D、軸角度135°、偏心量(内側)3.0mm、偏心量(上側)3.0mmの場合です。
[表1]の左レンズおいて、S度数である「ア-左」、C度数である「イ-左」、軸角度である「ウ-左」、水平方向の偏心量(mm)である「エ-水平-左」、垂直方向の偏心量(mm)である「エ-垂直-左」を入力する。
[表1]に「エ-水平-左」を入力した場合は、[表8]には水平方向の各値が得られる。
[表1]に「エ-垂直-左」を入力した場合は、[表9]に垂直方向の各値が得られる。
[表7]によって、[表8]と[表9]を合成して[表6]の合成した各値を求める。[表6]において、補正プリズム量(プリズム)である「オ-合成-左」。左レンズの合成プリズム方向(°)である「カ-合成-左」。水平の補正プリズム量(プリズム)である「オ-水平-左」。垂直の補正プリズム量(プリズム)である「オ-垂直-左」。左レンズの水平プリズム方向(°)。である「カ-左-水平」。左レンズの垂直プリズム方向(°)である「カ-左-垂直」の各値を得る。[図1]の基本図は、[表6]の各値を表した図です。
【0233】
図1]の1Hは水平方向の補正プリズム量です。[表6]の「オ-水平-左」であり、[表8]の「オ-水平」でもあります。[1K]は垂直方向の補正プリズム量です。[表6]の「オ-垂直-左」であり、[表9]の「オ-垂直」でもあります。[図1]の1Lは、水平方向の補正プリズム量である1Hと垂直方向の補正プリズム量である1Kを合成した補正プリズム量です。[表6]の「オ-合成-左」であり、[表7]の「D-合成-左」でもあります。
図1]の1Lの角度は、[表6]の左レンズの合成プリズム方向(°)である「カ-合成-左」の値です。
[表6]の左レンズの水平プリズム方向(°)である「カ-左-水平」と左レンズの垂直プリズム方向(°)である「カ-左-垂直」を合成したプリズム方向です。[表7]の「E-合成-左」の値です。
【0234】
図2]は断面図です。凹(マイナス)レンズの中央を半分にして側面から見た図です。
2Aは内面カーブ。2Bは半製品の表面カーブ。2Cは凹(マイナス)レンズ。
【0235】
図3]は断面図です。凸(プラス)レンズの中央を半分にして側面から見た図です。
3Aは内面カーブ。3Bは半製品の表面カーブ。3Cは凸(プラス)レンズ。
【0236】
図4]は平面図です。プリズムリングを真上から見た図です。
4Aはプリズムリングの本体です。4Bはプリズムリングの外円。4Cはプリズムリングの内円。4Dは中空(からっぽ)。
【0237】
図5]は立面図です。厚みが均等なプリズムリングの立面図です。
5Aはプリズムリングの上方部分。5Bはプリズムリングの側面。5Cはプリズムリングの下方部分。5Dはプリズムリングの厚み。
【0238】
図6]は立面図です。半分傾けたプリズムリングです。均等なプリズムリングを半分傾けた立面図です。厚い方の厚みの半分が薄い方の厚みです。水平なプリズムリングの下方部分をブロックに固定装着します。
6Aは傾いたプリズムリングの上方部分。6Bはプリズムリング厚い方の側面。6Cは水平なプリズムリングの下方部分。6Dはプリズムリングの薄い方の側面。
【0239】
図7]は立面図です。最大限に傾けたプリズムリングです。均等なプリズムリングを最大限に傾けた立面図です。
7Aは最大限に傾けたプリズムリングの上方部分。7Bはプリズムリングの厚い方の側面(厚みは最大)です。7Cは水平なプリズムリングの下方部分。7Dはプリズムリングの薄い方の側面(厚みはゼロ)です。
【0240】
図8]は断面図です。半製品レンズをアロイでブロックに固定接着して上に載せて、プリズムリングを装着固定した断面図です。
8Aは半製品レンズ。8Bはブロック。8Cはアロイ。8Dはプリズムリング。
【0241】
図9]は断面図です。凹(マイナス)レンズの場合で、半製品レンズを縦にして、プリズムリングをブロックに装着固定し、CG機で凹(マイナス)レンズに切削加工した断面図です。
9Aは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブです。9Bは半製品の表面カーブです。9Cは凹(マイナス)レンズです。9Dはレンズの中心厚です。レンズが厚くなった側にプリズムが加わっています。9Eはブロックです。9Fは最大限に傾いたプリズムリングです。9Gはプリズムが加わった側のレンズの側面(フチ厚)です。厚くなっています。9Hはプリズムが加わらなかった側のレンズの側面(フチ厚)です。薄くなっています。プリズムリングの厚い側です。9Iは半製品の表面カーブの中心です。9Jは内面カーブの中心です。
【0242】
図10]は断面図です。凸(プラス)レンズの場合で、半製品レンズを縦にして、プリズムリングをブロックに装着固定し、CG機で凸(プラス)レンズに切削加工した断面図です。
10Aは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブです。10Bは半製品の表面カーブです。10Cは凸(プラス)レンズです。10Dはレンズの中心厚です。10Eはブロックです。10Fは最大限に傾いたプリズムリングです。10Gはプリズムが加わった側のレンズの側面(フチ厚)です。10Hはプリズムが加わらなかった側のレンズの側面(フチ厚)です。レンズが厚くなった側にプリズムが加わっています。プリズムリングの薄い方です。10Iは半製品の表面カーブです。10Jは内面カーブの中心です。
【0243】
図11]はレンズの表面(おもてめん)と内面(ないめん)との状態図です。[表16]は、S+1.00Dの凸(プラス)レンズの場合の表です。[表17]は、S-1.00Dの凹(マイナス)レンズの場合の表です。凸(プラス)レンズの場合で中心厚を求めるための図です。レンズの中心厚を求めるための表面カーブと内面カーブとの関係図。中心厚を求める為の基本的な図です。
11Aは座標の垂直軸です。11Bは座標の水平軸です。11Cは半径125(mm)のレンズの仮想の表面カーブです。11Dは半径100(mm)の表面カーブです。11Eは半径125(mm)の内面カーブです。11Cの仮想の表面カーブを下方に垂直移動させて、11Eの内面とします。11Fは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で11Cの仮想の表面カーブとの上の接点です。11Gは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で実際の11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの下の接点です。11Hは半径125(mm)の内面カーブです。11Iは凸(プラス)レンズです。11Jは11Fの接点と11Gの接点との差であり、[表16]の「I」=「H」-「G」です。11Kは11Cの仮想の表面カーブと11Dの表面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、[表16]の「J」=「R2」-「R1」です。11Lは11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、レンズの中心厚で[表16]の「K」=「I」-「J」です。
【0244】
図11]と[表16]との関係についての説明。[表16]は凸(プラス)レンズの場合です。[表16]の中心厚とフチ厚との関係において、「A」に口径65(mm)、「B」に屈折率1.50、「C」にレンズの表面の半径100(mm)、「D」にレンズの内面の半径125(mm)、「入力-中心厚」に算出した「CT2」の値を入力します。但し、[表17]の凹(マイナス)レンズの場合は、「入力-中心厚」に「F」の値を入力します。[表16]の中心厚とフチ厚との関係を例にとると、中心厚を考慮しない場合では、[図11]の11Fは、[表16]の「H」=120.70にあたります。[図11]の「11G」は[表16]の「G」=94.57にあたります。[表16]では、「I」=「H」-「G」です。「H」=120.70です。「G」=94.57です。「I」=120.70-94.57=26.13となります。
図11]の「11K」は、[表16]の「J」にあたります。「R2」-「R1」=「J」です。[表16]では、「R2」=125です。「R1」=100です。「J」=125-100=25となります。
図11]の「11L」は、[表16]の「K」にあたります。「I」-「J」=「K」です。[表16]では、「I」=26.13です。「J」=25.00です。「K」=26.13-25.00=1.13となります。[表16]の「K」が「CT2」で中心厚となります。中心厚は[表16]の「CT2」で1.13となります。
【0245】
図12]は、中心厚とフチ厚との状態図です。[表16]は、S+1.00Dの凸(プラス)レンズの場合の表です。[表17]は、凹(マイナス)レンズの場合の表です。
12Aは凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブです。12Bは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブです(凸レンズの場合では表面になり、凹レンズの場合では中心厚はゼロです)。12Cは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブです。12Aの凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブと、12Cの凸(プラス)レンズの場合の内面カーブとは同じ半径です。12Dは凸(プラス)レンズの場合では、中心厚になります。12Eは凹(マイナス)レンズの場合では、フチ厚になります。12Aの凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブと12Cの凸(プラス)レンズの場合の内面カーブの半径が同じなら、中心厚とフチ厚は同じとなります。
【0246】
図12]の「12A」は、[表16]の「R1」の半径100(mm)で凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブにあたります。12Bは、[表16]の「R2」の半径125(mm)で凹(マイナス)レンズの場合では内面カーブにあたります。12Cは、凸(プラス)レンズの場合では、「R1」の半径100(mm)内面カーブにあたります。12Dは、[表16]のプラスレンズの場合では、中心厚で「K」=1.13です。「12E」は、[表16]の「M」で中心厚がゼロの凹(レンズ)の場合で、「M」=「J」-「I」です。[表16]では、「J」=「R2」-「R1」=125-100=25です。「I」=「H」-「G」=120.70-94.57=26.13です。よって、「M」=25-26.13=-1.13となります。符号はマイナスとなっていますが、この値の絶対値が[表16]の場合では、中心厚がゼロの場合の凹(マイナス)のレンズのフチ厚となります。この[表16]の場合では、「K」の凸(プラス)レンズの場合の中心厚と「M」の凹(マイナス)レンズの場合のフチ厚の絶対値は、同じとなります。[図12]は、凸(プラス)レンズの場合ではフチ厚がゼロの場合で、凹(マイナス)レンズの場合では中心厚がゼロの場合の図です。
【0247】
凸(プラス)レンズの場合では、中心厚を考慮しない場合でフチ厚がゼロの時の中心厚を、[表16]では「CT2」=「L」としています。この場合「E」=0.0ですから、「CT2」=「L」=1.13となります。「E」は凸(プラス)レンズの場合で、最小フチ厚を指定する場合に入力します。凹(プラス)レンズの場合では、中心厚を考慮しない場合で中心厚がゼロの時のフチ厚を、[表16]では「EG2」=「M」+「F」としています。この場合「F」=0.0ですから、「EG2」=「M」=-1.13の絶対値=1.13となります。「F」は凹(マイナス)レンズの場合で、中心厚を指定する場合に入力します。
【0248】
凸(プラス)レンズの場合では、中心厚を考慮した場合でフチ厚がゼロの時の中心厚を、[表16]では「CT3」=「S」としています。この場合「E」=0.0ですから、「CT3」=「S」=1.11となります。「E」は凸(プラス)レンズの場合で、最小フチ厚を指定する場合に入力します。凹(プラス)レンズの場合では、中心厚を考慮した場合で中心厚がゼロの時のフチ厚を、[表16]では「EG3」=「T」としています。この場合「F」=0.0ですから、「EG3」=「T」=-1.11の絶対値=1.11となります。「F」は凹(マイナス)レンズの場合で、中心厚を指定する場合に入力します。
【0249】
凸(プラス)レンズの場合では、[表16]の「E」で最小フチ厚を入力すれば中心厚を考慮した場合の中心厚を「CT3」を求めることができます。凹(マイナス)レンズの場合では、[表16]の「F」で中心厚を入力すれば中心厚を考慮した場合のフチ厚「EG3」を求めることができます。
【0250】
図13]は、度数を数直線で表した図です。[段落0230]の説明において、[図13]の度数の数直線ついて以下のように記載しました。
13Aはマイナス度数方向です。13Gはプラス度数方向です。13Dは度数が0.00Dの位置です。13Bは度数が-2.00Dの位置です。13Cは度数が-1.00Dの位置です。13Eは度数が+1.00Dの位置です。13Fは度数が+2.00Dの位置です。
[段落0230]の説明と[図13]によって、レンズをタイプ別に分類します。レンズのタイプを、凹(マイナス)レンズ、凸(プラス)レンズ、単性のマイナスレンズ、単性のプラスレンズ、混合(MIX)レンズの5つに分類します。
13Dが度数の数直線において、度数が0.00Dの位置です。度数が0.00D未満のレンズが凹(マイナス)レンズです。度数が0.00Dよりプラスであるレンズが凸(プラス)レンズです。単性レンズは、S度数が0.00Dのレンズです。S度数が0.00Dで、C度数がマイナスのレンズを単性のマイナスレンズとしています。S度数が0.00Dで、C度数がプラスのレンズを単性のプラスレンズとしています。S度数がプラスで、C度数がマイナスのレンズが混合レンズです(但し、S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります)。
【0251】
具体的に、凹(マイナス)レンズの場合のS度数とC度数について、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。レンズの製作上、S度数を基準として表記します。S度数は、C度数より常にプラス寄りの位置として表記します。例えば、「S-1.00D、C-1.00」の場合では、S-1.00Dは[図13]では13Cの位置です。C-1.00とは、S度数よりさらに-1.00Dマイナス寄りを意味します。C-1.00Dは、13Bの位置となります。この場合、「S-1.00D、C-1.00D」のレンズは凹(マイナス)レンズとして分類します。
「S-1.00D、C-1.00D」の表記を「S-2.00D、C+1.00D」として表記することもできます。この表記だと[図13]では、S度数は-2.00Dで13Bの位置となり、C度数はS度数より+1.00Dプラス寄りで13Cの-1.00Dの位置になります。
どちらの表記であっても、S度数もC度数も、度数の数直線では0.00D未満ですから凹(マイナス)レンズになります。
【0252】
凸(プラス)レンズの場合のS度数とC度数について、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。レンズの製作上S度数を基準として表記します。S度数は、C度数より常にプラス寄りの位置として表記します。例えば、「S+2.00D、C-1.00」の場合では、S+2.00Dは[図13]では13Fの位置です。C-1.00とは、S度数より-1.00Dマイナス寄りを意味します。C-1.00Dは13Eの位置となります。この場合、「S+2.00D、C-1.00D」のレンズは凸(プラス)レンズとして分類します。
「S+2.00D、C-1.00D」の表記を「S+1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。この表記だと[図13]では、S度数は+1.00Dで13Eの位置となり、C度数はS度数より+1.00Dプラス寄りで13Fの位置になります。どちらの表記であっても、S度数もC度数も、度数の数直線では0.00Dよりプラスですから凸(プラス)レンズになります。
【0253】
単性レンズは、凹(マイナス)レンズにも凸(プラス)レンズにも分類されないレンズです。単性のマイナスレンズと単性のプラスレンズとがあります。
【0254】
単性のマイナスレンズについて、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。例えば、「S0.00D、C-1.00D」の場合では、S0.00Dは[図13]では13Dの位置です。C-1.00Dとは、S度数より-1.00Dマイナス寄りを意味します。C-1.00Dは13Cの位置となります。この場合、「S0.00D、C-1.00D」のレンズは単性のマイナスレンズとして分類します。
「S0.00D、C-1.00D」の表記を「S-1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。この表記だと、度数の数直線である[図13]では、S度数は-1.00Dで13Cの位置になります。C度数はS度数より+1.00Dプラス寄りで13Dの位置になります。どちらの表記であっても、S度数かC度数のどちらかが度数の数直線では13Dの0.00Dの位置になり、他方は凹(マイナス)になります。S度数かC度数のどちらかが0.00Dである凹(マイナス)レンズになります。
【0255】
単性のプラスレンズについて、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。例えば、「S0.00D、C+1.00D」の場合では、S0.00Dは[図13]では13Dの位置です。C+1.00Dとは、S度数より+1.00Dプラス寄りを意味します。C+1.00Dは13Eの位置となります。この場合、「S0.00D、C+1.00D」のレンズは単性のプラスレンズとして分類します。
「S0.00D、C+1.00D」の表記を「S+1.00D、C-1.00D」として表記することもできます。この表記だと、度数の数直線である[図13]では、S度数は+1.00Dで13Eの位置になります。C度数はS度数より-1.00Dマイナス寄りで13Dの位置になります。どちらの表記であっても、S度数かC度数のどちらかが度数の数直線では13Dの0.00Dの位置になり、他方は凸(プラス)になります。S度数かC度数のどちらかが0.00Dである凸(プラス)レンズになります。
【0256】
混合レンズについて説明します。S度数がプラスで、C度数がマイナスのレンズが混合レンズです(但し、S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります)。混合レンズについて、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。例えば、「S+1.00D、C-2.00D」の場合では、S+1.00Dは[図13]では13Eの位置です。C-2.00Dとは、S度数より-2.00Dマイナス寄りを意味します。C-2.00Dは13Cの位置となります。S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります。この場合、「S+1.00D、C-2.00D」のレンズは、凹(マイナス)レンズとなる範囲と凸(プラス)レンズとなる範囲とがあり、混合レンズとして分類します。
「S+1.00D、C-2.00D」の表記を「S-1.00D、C+2.00D」として表記することもできます。この表記だと、度数の数直線である[図13]では、S度数は-1.00Dで13Cの位置になります。C度数はS度数より+2.00Dプラス寄りで13Eの位置になります。どちらの表記であっても、S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります。凹(マイナス)レンズとなる範囲と凸(プラス)レンズとなる範囲とがあります。
【0257】
軸転換について説明します。前述のレンズの分類で記載したように、凹(マイナス)レンズ、凸(プラス)レンズ、単性のマイナスレンズ、単性のプラスレンズ、混合(MIX)レンズの各表記方法と「軸転換」について例を挙げて説明します。
凹(マイナス)レンズの場合、「S-1.00D、C-1.00D」の表記を「S-2.00D、C+1.00D」として表記することもできます。
「S-2.00D、C+1.00D」の表記を、「S-1.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。凸(プラス)レンズの場合、「S+2.00D、C-1.00D」の表記を「S+1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。「S+1.00D、C+1.00D」の表記を、「S+2.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
単性のマイナスレンズの場合、「S0.00D、C-1.00D」の表記を「S-1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。「S-1.00D、C+1.00D」の表記を、「S0.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
単性のプラスレンズの場合、「S0.00D、C-1.00D」の表記を「S-1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。「S-1.00D、C+1.00D」の表記を、「S0.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
混合(MIX)レンズの場合、「S+1.00D、C-2.00D」の表記を「S-1.00D、C+2.00D」として表記することもできます。「S-1.00D、C+2.00D」の表記を、「S+1.00D、C-2.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
【0258】
「軸転換」」は、[段落0042]の切削加工の説明で記載したように、CG機の半製品レンズの切削加工時の制約によるものです。CG機はブロックされた半製品レンズの水平方向の半径が最も大きくなるように(度数が最もプラス寄りで強くなるように)、切削加工するという制約のある機械です。
【0259】
「軸転換」する場合、度数の表記を変えると共に軸角度を変える必要があります。例えば、凹(マイナス)レンズの場合、「S-1.00D、C-1.00D」の表記を「S-2.00D、C+1.00D」として表記することもできます。
「S-2.00D、C+1.00D」の表記を、「S-1.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。「S-2.00D、C+1.00D」の表記の軸角度が0°~90°未満であれば、この表記の軸角度に90°を加えた角度が、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度となります。例えば、「S-2.00D、C+1.00D」で軸角度が30°の場合だと、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度は120°となります。30°+90°=120°です。
「S-2.00D、C+1.00D」の表記の軸角度が90°~180°以下であれば、この表記の軸角度から-90°を減じた角度が、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度となります。例えば、「S-2.00D、C+1.00D」で軸角度が120°の場合だと、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度は30°となります。120°-90°=30°です。
【実施例0260】
本願出願人が所有する実験レンズについての説明。実験レンズは、屈折率1.50、口径65mmのプラスチックの左レンズです。S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量3.0mmの場合です。157°方向より0.50プリズムを加えて、光学中心の偏心の位置を調べました。
【0261】
[表10]・[表11]・[表12]についての説明。[実施例1]の結果の表です。[表10]のプログラム計算式は、[表6]と同じです。[表11]のプログラム計算式は、[表7]と同じです。[表12]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。偏心は水平方向のみなので、垂直方向の表は省略しました。
【0262】
本願での計算結果。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量3.0mmの場合です。「補正プリズム量」は0.58プリズムです。「左レンズの合成プリズム方向」は157°です。
前特開の計算結果。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量3.0mmの場合です。「補正プリズム量」は0.53プリズムです。「左レンズのプリズム方向」は157°でした。
本願の[実施例1]では、「補正プリズム量」として0.50プリズムを、157°の「プリズム方向」より加えました。
【0263】
[実施例1]の実施結果。光学中心の偏心位置が眼鏡レンズの幾何学中心より、水平方向の鼻側(内側)寄りに「2mm位」、偏心しました。光学中心の位置は水平方向の鼻側(内側)に偏心しましたが、期待する「3.0mm」の偏心量に対して、偏心量が「1.0mm」位、少なくなりました。
本願の計算式では、「補正プリズム量」は「0.58プリズム」ですが、[実施例1]ではレンズの製作上の制約のため「0.50プリズム」としたので、水平方向の鼻側(内側)の偏心位置が少なくなった要因と考えられます。
【0264】
本願の計算式で、「補正プリズム量」を「0.50プリズム」として、「水平方向の偏心量」を逆算すれば、偏心量は「2.55mm」となります。[実施例1]の「2mm位」偏心した結果と本願の計算式による偏心量「2.55mm」との誤差は、約「0.55mm」となります。[実施例1]の偏心量の結果は、本願の計算結果より偏心量が、約「0.55mm」少なかったことになります。
【実施例0265】
[実施例2]の説明。本願出願人が所有する実験レンズについての説明。実験レンズは、屈折率1.50、口径65mmのプラスチックの左レンズです。S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°の左レンズに、120°方向より0.50プリズムを加えて、光学中心の偏心の位置を調べました。
【0266】
[実施例2]の結果。120°の「プリズム方向」より、「0.50プリズム」の「補正プリズム量」を加えて実施しました。光学中心の偏心位置が、眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りの5mm位の位置に偏心しました。
【0267】
[表13]についての説明。[実施例2]の結果の表です。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量2.55mmの場合です。[表13]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。
「補正プリズム量」を0.50プリズムにするために、[表13]において「エ-水平」の水平方向の偏心量を2.55mmと入力しました。「カ-水平」の「プリズム方向」を120°方向にするために、[表13]の「ノ」の補正角度の欄に60°の値を入力しました。偏心は水平方向のみなので、垂直方向の表はありません。
【0268】
[実施例2]の結果。光学中心の偏心位置は、眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りの5mm位の位置に偏心しました。本願の計算式では、偏心位置を水平方向の鼻側(内側)寄りに5.0mmの位置に偏心させるには、「補正プリズム量」は「0.97プリズム」になります。「プリズム方向」は「157°」方向になります。
本願の計算式では、「エ-水平」の偏心量が2.55mmの場合、「補正プリズム量」は「0.50プリズム」になります。「プリズム方向」は、「157°」方向になります。
【0269】
[実施例2]と本願との検証。左レンズの場合で説明します。[実施例2]では、[表13]の「エ-水平」の偏心量を2.55mmにすれば、「オ-水平」の「補正プリズム量」は「0.50プリズム」になります。「カ-水平」の「左レンズの水平プリズム方向(°)」の120°方向より、「0.50プリズム」を加えました。[実施例2]の結果は、光学中心の偏心の位置は眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りの5mm位の位置に偏心しました。
本願の計算式では、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の鼻側(内側)の偏心量2.55mmの場合、「オ-水平」の「補正プリズム量」は「0.50プリズム」となります。「カ-水平」の「左レンズの水平プリズム方向(°)」は、「157°」方向となります。
[実施例2]の「プリズム方向」の「120°」と本願の計算式による「プリズム方向」の「157°」との差異が、水平方向の偏心の位置に関わっていることを示唆しています。「プリズム方向」によって、光学中心の偏心の位置が異なることを示しています。「補正プリズム量」と「プリズム方向」が、光学中心の位置である偏心の位置と深く関わっています。
【0270】
本願は、「補正プリズム量」と「プリズム方向」を算出することによって、正確で精度の優れた光学中心の偏心位置を算出する方法です。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、眼鏡レンズの研磨工程に関するものです。本願は、表計算ソフトを用いて、物であるプログラムに計算式を組み込み、プログラム計算式として構成し、眼鏡レンズにおける光学中心を算出する方法です。特開2011-232722(以下、前特開と記します)を改良し、さらに進歩性と新規性を有するものとしました。
【0002】
本願は、研磨工程における眼鏡レンズの製作時において、プリズムリングの傾きが原因である、切削加工する前の半製品の眼鏡レンズの全体の傾きによる光学中心の位置のずれ(誤差)を本願の方法を用いて、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させる方法です。
【0003】
本願は、眼鏡レンズの製作における研磨工程の準備工程において、光学中心の位置を眼鏡レンズの幾何学中心から水平方向の鼻側(内側)寄りと垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成して、期待する位置に光学中心を偏心させる為に、「補正プリズム量(プリズム)」と「プリズム方向(°)」の値を算出する方法です。以下、「補正プリズム量(プリズム)」は「補正プリズム量」、「プリズム方向(°)」は、「プリズム方向」と記します。
【0004】
本願は、プリズムリングの傾きに関するものです。本願で算出した「補正プリズム量」を、本願で算出した「プリズム方向」より加えることにより、光学中心の位置を正確に期待する位置に偏心させて、課題を解決します。
【0005】
本願は、「補正プリズム量」と「プリズム方向」の値を算出する為に、「S±度数」・「C±度数」・「軸角度」・「偏心量(mm)」・「レンズの中心厚(mm)」の値を用いて、「右レンズの補正プリズム量」と「右レンズのプリズム方向」、「左レンズの補正プリズム量」と「左レンズのプリズム方向」を算出する方法です。
【0006】
「補正プリズム量」および「プリズム方向」の値を用いて、内面切削機(カーブジェネレーター:以下、CG機と記します)の切削加工工程において、「補正プリズム量」に応じた適切なプリズムリングを、適切な「プリズム方向」より加える設定を、半製品の眼鏡レンズの内面カーブを切削加工する工程の前に行います。その後、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工することにより、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させる。
【0007】
「補正プリズム量」および「プリズム方向」の値を算出する手段として、本願の[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目のプログラム計算式によって、「右レンズの補正プリズム量」および「右レンズのプリズム方向」を算出します。[表1]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目のプログラム計算式によって、「左レンズの補正プリズム量」および「左レンズのプリズム方向」を算出します。
【背景技術】
【0008】
各種公式の説明。以下、各種公式。
【0009】
K=1/(RR)。Kは、曲率です。Rは、半径です。
【0010】
円の公式。XX+YY=RR。Rは、半径です。
【0011】
R=(n-1)/D。D=(n-1)/Rとできます。Rは、半径(m、メートル)です。Dは、度数(ディオプター)です。nは、レンズの屈折率です。
【0012】
D=D1-D2。Dは、度数(ディオプター)です。D1は、表面のディオプターカーブです。D2は、内面のディオプターカーブです。度数(ディオプター)=表面のディオプターカーブ-内面のディオプターカーブ。
【0013】
D=1/F。Dは、度数(ディオプター)です。Fは、焦点距離(m)です。
【0014】
レンズの屈折率と厚みと度数と表面のディオプターカーブと内面のディオプターカーブとの関係式。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。nは、レンズの屈折率です。dは、レンズの中心厚(m)です。D1は、表面のディオプターカーブです。D2は、内面のディオプターカーブです。D0は、レンズの度数(ディオプター)です。
【0015】
例。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に以下の値を代入します。レンズの屈折率を「1.50」とします。n=1.50です。中心厚を「3.0mm」とします。d=0.003(m)とします。
【0016】
D1である表面のディオプターカーブを「5.00D」とします。D1=5.00。D0であるレンズの度数(ディオプター)を「3.00D」とします。D0=3.00。D2=n(D1-D0)(/n-dD1)の式に、nとdとD0とD1を代入します。D2の内面のディオプターカーブを求めます。
D2=1.50(5.00-3.00)/(1.50-0.0035.00)=1.502.00/(1.50-0.015)=3.00/1.485=2.02。D2の内面のディオプターカーブは、「2.02D」となります。
【0017】
曲率と曲率半径についての説明。曲率とは、曲線または曲面のまがりの程度のことです。その値は曲率半径の逆数です。曲率半径とは、曲線や曲面の各点の湾曲の程度を示す量で、曲率半径が大きいほど湾曲は緩やかで、平面は曲率半径が至る所無限大。球や円の曲率半径は、至る所で一定、湾曲の度合も一定。曲率半径の逆数を曲率の値とする。
【0018】
K=1/RRの式についての説明。曲率と半径との関係式です。Kは曲率です。Rは半径です。半径Rが1の時、K(曲率)=1/11=1です。半径Rが2の時、K(曲率)=1/22=0.25です。半径Rが4の時、K(曲率)=1/44=0.0625です。半径が大きくなればなるほど湾曲は緩やかで、K(曲率)は小さくなります。半径Rが0.5の時、K(曲率)=1/0.50.5=4です。半径Rが0.4の時、K(曲率)=1/0.40.4=6.25です。半径Rが小さくなればなるほど湾曲は強くなり、K(曲率)は大きくなります。
【0019】
D=1/Fの式についての説明。Dは度数(ディオプター)です。Fは焦点距離です。単位はm(メートル)です。焦点距離が1(m)である屈折力を1D(ディオプター)とします。
【0020】
[段落0011]のR=(n-1)/Dの式についての説明。Rは半径(単位はm)です。Dは度数であるディオプターです。nはレンズの屈折率です。半径Rは、[段落0009]のK=1/(RR)の式よりKの曲率(曲線または曲面のまがりの程度)に関係しています。度数Dは、[段落0013]のD=1/Fの式より焦点距離に関係しています。R=(n-1)/Dの式は、半径Rと曲率Kと焦点距離Fとレンズの屈折率nとに関係しています。
Rが1の場合、K(曲率)=1/RR=1です。K(曲率)=1です。半径Rが1の時、K(曲率)は1です。
半径Rを一定にし、屈折率を変えると、Dの値が変化します。R=(n-1)/Dの式のRを1とします。1=(n-1)/Dとなります。D=(n-1)/1とできます。レンズの屈折率が1.50の時、Dは0.5です。レンズの屈折率が1.60の時、Dは0.6です。レンズの屈折率が1.70の時、Dは0.7です。レンズの屈折率が高くなると、Dの値が大きくなります。
【0021】
R(半径)とK(曲率)とD(ディオプター)とn(屈折率)の関係についての説明。D=1/Fです。Fは焦点距離で、単位はm(メートル)です。焦点距離が1(m)である屈折力を1D(ディオプター)とします。
半径Rが1(m)で、屈折率が1.50の場合。[段落0011]の式より、R=(n-1)/Dです。D=(n-1)/Rとできます。Rの単位は、m(メートル)です。半径Rが1(m)で、屈折率が1.50の場合、D=(1.50-1)/1=0.5となります。[段落0013]の式より、D=1/Fより、F=1/Dです。D=0.5の場合、F=1/0.5=2です。0.5D(ディオプター)の屈折力は、Fの焦点距離が2(m)となります。D=1/2=0.5D(ディオプター)です。半径R=1ですから、[段落0009]の式より、K(曲率)=1/RR=1です。
半径Rが0.5(m)で、屈折率が1.50の場合。D=(1.50-1)/0.5=1となります。D=1/Fより、F=1/Dです。1D(ディオプター)の屈折力は、Fの焦点距離が0.5(m)となります。半径R=0.5ですから、K(曲率)=1/RR=1より、K(曲率)=1(/0.50.5)=4となります。
半径Rが0.4(m)で、屈折率が1.50の場合。D=(1.50-1)/0.4=1.25です。D=1/Fです。F=1/Dより、F=1/1.25=0.8です。1.25D(ディオプター)の屈折力は、Fの焦点距離が0.4(m)となります。半径Rが0.4(m)ですから、K(曲率)=1/RRより、K(曲率)=1/(0.40.4)=6.25です。
【0022】
D(ディオプター)が5Dの場合。[段落0013]の式より、5D=1/Fです。F=1/5Dより、F=1/5=0.2です。5D(ディオプター)の屈折力は、Fの焦点距離が0.2(m)となります。
【0023】
D(ディオプター)が4Dの場合。4D=1/Fです。F=1/4Dより、F=1/4=0.25です。4D(ディオプター)の屈折力は、Fの焦点距離が0.25(m)となります。
【0024】
[段落0011]の式より、R=(n-1)/Dです。屈折率は1.50とします。5Dの場合、R=(1.50-1)/5=0.1です。半径Rは、0.1(m)=10(cm)です。4Dの場合、R=(1.50-1)/4=0.125です。半径Rは、0.125(m)=12.5(cm)です。半径Rが小さくなればなるほど湾曲は強くなり、K(曲率)は大きくなります。
【0025】
度数についての説明。屈折率が1.50で5D(ディオプター)の場合。[段落0011]の式より、R=(1.50-1)/5=0.1です。半径Rは、0.1(m)=10(cm)です。4D(ディオプター)の場合、R=(1.50-1)/4=0.125です。半径Rは、0.125(m)=12.5(cm)です。屈折率が1.50の場合、5D(ディオプター)の曲線の半径は10cmです。4D(ディオプター)の曲線の半径は、12.5cmです。
【0026】
5D(ディオプター)をレンズの表面のディオプターとします。4D(ディオプター)をレンズの内面のディオプターとします。プラスレンズの場合、5D(表面のディオプター)から4D(内面のディオプター)を差し引けば、「5D-4D=+1D」より、+1.00Dの度数が得られます。
【0027】
レンズの度数と中心厚と屈折率についての説明。
[段落0015]の式より、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)です。D1は表面のディオプターカーブです。D2は内面のディオプターカーブです。nはレンズの屈折率です。dはレンズの中心厚(m)です。D0はレンズの度数(ディオプター)です。D2のレンズの内面が平面である場合、半径は無限大です。
【0028】
プラスレンズの場合、レンズの屈折率が高くなるほど、レンズの中心厚を薄くすることができます。
【0029】
例1。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。屈折率を1.50とする。D1の表面のディオプターカーブを4.00D、レンズの中心厚を0.005(m)=5(mm)、D0が+1.00(ディオプター)の場合。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に各値を代入します。
D2=1.50(4.00-1.00)/(1.50-0.0054.00)=4.5/(1.50-0.02)=4.5/1.48=3.04D。D2の内面のディオプターカーブは、3.04Dとなります。レンズの屈折率(n)が1.50、レンズの中心厚が5mm、D1の表面のディオプターカーブが4.00Dの場合、+1.00のディオプターを得るには、D2の内面のディオプターカーブを3.04Dにすればよいことになります。
【0030】
例2。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。中心厚を0.005(m)を、0.01(m)にする。0.005(m)厚くする。屈折率は1.50、D1の表面のディオプターカーブは4.00D、レンズの中心厚は0.01(m)=10(mm)、D0が+1.00D(ディオプター)の場合。
D2=1.50(4.00-1.00)/(1.50-0.014.00)=4.5/(1.50-0.04)=4.5/1.46=3.08D。D2の内面のディオプターカーブは、3.08Dとなります。中心厚0.005(m)を0.01(m)に、0.005(m)厚くすれば、D2の内面のディオプターカーブは「3.04D」を「3.08D」にする必要が生じます。半径Rが小さくなればなるほど湾曲は強くなり、K(曲率)は大きくなります。D2の内面のディオプターカーブの半径を小さくし、湾曲を強くする必要が生じます。
【0031】
例3。レンズの屈折率が1.60の場合。例1の場合と比較します。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)。屈折率を1.60とする。D1の表面のディオプターカーブを4.00D、レンズの中心厚を0.005(m)=5(mm)、D0が+1.00D(ディオプター)の場合。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に値を代入する。D2=1.60(4.00-1.00)/(1.60-0.0054.00)=4.8/(1.60-0.02)=4.8/1.58=3.03D。D2の内面のディオプターカーブは、3.03Dとなります。例1の場合のD2の内面のディオプターカーブは「3.04D」でした。屈折率1.50を屈折率1.60にすれば、D2の内面のディオプターカーブは3.03Dになります。屈折率1.50の場合のD2の内面のディオプターカーブは「3.04D」です。屈折率1.60の場合のD2の内面のディオプターカーブは「3.03D」です。屈折率1.60の場合には、D2の内面のディオプターカーブを「3.03D」にする必要が生じます。
【0032】
一般的には、眼鏡レンズの光学中心の位置は、S度数・C度数・軸角度・偏心量(mm)・プリズム方向・中心厚によって決まります。中心厚については、マイナスレンズでは1.8mmとします。平板(度数がゼロ)の場合では厚みは2.2mmとします。+2.00D位以上の度数のプラスレンズでは、仕上りレンズの縁の最小の厚みは1mm以内になる場合の中心厚を想定しています。
【0033】
プリズムリングについての説明。プリズムリングは、半製品の眼鏡レンズを固定接着する専用の金具(以下、ブロックとします)とは、別の金具です。ブロックについては、[図8]を参照して下さい。プリズムリングは、半製品の眼鏡レンズを固定接着するブロックに、密着装着して用いる環状の金具です。プリズムリングについては、[図4]・[図5]・[図6]・[図7]を参照して下さい。
プリズムリングは、直径を50mmの環状のものとします。プリズムリングは、最も薄い部分と最も厚い部分の厚みの差が、1mmの場合、1.0プリズムのプリズムリングとしています。近似式により、厚みの差が2mmの場合では、2.0プリズムのプリズムリングとします。
【0034】
眼鏡レンズの屈折率が強くなれば、プリズムリングの厚みの差は少なくなります。プリズムリングによる、眼鏡レンズの全体の傾きは、少なくなります。屈折率が1.60の眼鏡レンズの場合、屈折率が1.50の眼鏡レンズより、屈折率が強い為に、プリズムリングの厚みの差は少なくなります。屈折率1.50÷屈折率1.60≒0.937です。屈折率が1.50の眼鏡レンズの場合では、1プリズムのプリズムリングの厚みの差は1mmでした。しかし、屈折率が1.60の眼鏡レンズでは、1プリズムはプリズムリングの厚みの差が1mm×0.937≒0.937mmが、1プリズムのプリズムリングとなります。眼鏡レンズの屈折率に応じたプリズムリングを用いれば、本願の光学中心の算出方法が適用できます。同様に、屈折率が1.70の眼鏡レンズの場合は、屈折率1.50÷屈折率1.70≒0.882です。屈折率が1.70の眼鏡レンズでは、1プリズムはプリズムリングの厚みの差は屈折率1.50のレンズに対して1mm×0.882≒0.882mmが、1プリズムのプリズムリングとなります。この様に眼鏡レンズの屈折率に応じて、プリズムリングの厚みの差を変えればよいのです。
【0035】
プリズムリングについての具体的な説明。屈折率が1.50の材質の眼鏡レンズの場合を例に、プリズムリングについて説明します。本願で用いるプリズムリングは、直径50mmの環状の金具を例にとります。
環状のプリズムリングについて説明します。プリズムリングの厚さは、レンズの製作に支障がなければ、任意に決めて差し支えありません。仮にプリズムリングの厚みを、均一な厚みで3mmとします。このプリズムリングを側面から見ると底辺が50mmで高さが3mmの長方形の形をしています。薄い方を0mmとすれば、厚い方の厚みは6mmとなります。厚みの差は6mmです。この場合、このプリズムリングを側面から見れば、底辺が50mmで高さが6mmの直角三角形をしています。中心の厚みは常に3mmです。
プリズムリングの厚みを均一な厚みで2mmとすれば、このプリズムリングを側面から見ると底辺が50mmで高さが2mmの長方形になります。薄い方を0mmとすれば、厚い方の厚みは4mmとなります。厚みの差は4mmです。この場合、このプリズムリングを側面から見れば、底辺が50mmで高さが4mmの直角三角形をしています。中心の厚みは常に2mmです。
プリズムリングの厚みの差が、プリズムリングの傾きとなります。プリズムリングの傾きが、プリズムに関わってきます。
【0036】
球面レンズの場合では、プリズムリングの薄い方は、レンズは厚く仕上がります。プリズムリングの厚い方は、レンズは薄く仕上がります。レンズとブロックとプリズムリングについては、[図9]・[図10]を参照して下さい。[図9]は、マイナスレンズの場合です。[図10]は、プラスレンズの場合です。
【0037】
プリズムリングの薄い方と厚い方の厚みの差が、1mmの場合を例にとります。このプリズムリングは、側面から見れば、底辺が50mmで高さが1mmの直角三角形の形をしています。高さ÷底辺より、1mm÷50mm=0.02です。TANθ=0.02の場合のθの角度は、三角関数真数表より、θ=1°の時、TANθ=0.017です。概算ですが、0.017:0.02=1°:θより、θ=(0.02×1°)÷0.017≒1.17°となります。プリズムリングの厚みの差が1mmの場合、このプリズムリングの厚みの差の1mmを底辺とする三角形の頂角であるθは、約1.17°となります。プリズムリングの厚みの差が、1mmのプリズムリングは、1.0のプリズムリングとなります。
プリズムリングの厚みの差が2mmの場合だとすると、2mm÷50mm=0.04です。上記と同様に、TANθ=0.04は、三角関数真数表より、θ=2°の時、TANθ=0.035です。概算で、0.035:0.04=2°:θより、θ=(0.04×2°)÷0.035≒2.28°です。以上により、TANθ=0.04の場合のθは、約2.28°となります。プリズムリングの厚みの差が2mmの場合、このプリズムリングのθは、約2.28°となります。プリズムリングの厚みの差が、2mmのプリズムリングを、2.0のプリズムリングとします。プリズムリングの厚みの差が3mmの場合も、同様に計算して、3.0のプリズムリングとします。ただし、プリズムリングの厚みの差が大きくなれば、プリズムリングの厚みの差とθとの誤差が大きくなります。この様にして近似的ですが、プリズムリングの厚みの差を三角形の頂角として、プリズムリングのθの角度を決めています。プリズムリングの厚みの差を、等分割してプリズムリングを製作し、必要に応じて用います。例えば、プリズムリングの厚みの差が1mmの1.0のプリズムリングの厚みの差を、10等分して、プリズムリングの厚みの差が0.1mmのプリズムリングを、0.1のプリズムリングとします。プリズムリングの厚みの差が0.2mmのプリズムリングを、0.2のプリズムリングとします。
【0038】
プリズムリングの傾きについての説明。例1。プリズムリングを平らに置いて上から見て、プリズムリングの幾何学中心より右水平方向を0°とします。反時計回りで、左水平方向は180°となります。+1.00Dの屈折力を有する左の球面レンズを想定します。最小の厚みが0mm(ゼロ)で、最大の厚みが1mmのプリズムリングを用いるとします。最小の厚みが0mm(ゼロ)の部分を水平方向の180°方向からプリズムを加えるとします。0°―180°線方向の水平方向のプリズムリングの厚みは、プリズムリングの外周の180°点で0mmです。0°点で1mmの厚みになります。90°―270°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmとなります。レンズ全体がプリズムリングによって、180°点方向に低く傾いています。
例2。同じく、S+1.00Dの左の球面レンズの場合で、90°方向から例1と同じプリズムリングで、プリズムを加えるとします。90°点のプリズムリングの厚みは0mmです。270°点で1mmの厚みになります。レンズ全体がプリズムリングによって、90°点方向に低く傾いています。0°―180°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmとなります。
例3。同じく、S+1.00Dの左の球面レンズの場合で、135°方向から例1と同じプリズムリングで、プリズムを加えるとします。135°点のプリズムリングの厚みは0mmです。315°点で1mmの厚みになります。レンズ全体がプリズムリングによって、135°点方向に低く斜めに傾いています。45°―225°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmとなります。この場合、プリズムリングの厚みは、垂直方向の90°―中心点と水平方向の180°―中心点では、均等なバランスとなっています。
例4。同じく、S+1.00Dの左の球面レンズで、157°方向から例1と同じプリズムリングで、プリズムを加えた場合、プリズムリングの厚みは、157°点で0mmです。337°点で1mmの厚みになります。レンズ全体がプリズムリングによって、157°点方向に低く傾いています。157°-90°=67°と157°+90°=247°を結ぶ67°―247°線方向では、プリズムリングの厚みは半分の0.5mmです。90°―中心点は、プリズムリングの厚みが半分である67°―247°線方向の67°点より23°左側にあります。一方、180°―中心点は、プリズムリングの厚みが半分である67°―247°線方向の247°点より67°上側にあります。つまり、157°点を基準とすれば、垂直方向である90°―中心点と同じプリズムリングの厚みの方向は、247°-23°=224°より、224°―中心点となります。224°-中心点が、90°―中心点と同じプリズムリングの厚みとなります。90°―中心点のプリズムリングの厚みは、プリズムリングの厚みが半分の0.5mmである67°―247°線方向の67°点より23°左側にあるので、半分の厚みより薄くなっています。180°-中心点は、プリズムリングの厚みが90°―中心点と同じ224°-中心点より、44°(224°―180°=44°)上側にあります。よって、90°―中心点のプリズムリングの厚みより、さらに薄くなっています。以上が、球面レンズの場合の、例1、例2、例3、例4の相違です。この様に、同じS+1.00Dの球面レンズでも、プリズムリングでプリズムを加える方向によって、レンズ全体の傾きが異なってきます。即ち、同じプリズムリングでもプリズムを加える方向によって、垂直方向である90°―270°線方向や水平方向である0°―180°線方向にずれ(誤差)が生じるのです。
【0039】
レンズの頂角と屈折する角度についての説明。屈折率が1.50で、レンズの基底(ベース)を底辺とする三角形の頂角がσである凸レンズを、レンズAとします。レンズAよりe(m)離れた所でd(cm)屈折する時の、屈折する角度をuとします。この時、σ≒u÷(n-1)の式が成り立ちます。(式1)とします。屈折率は、n=1.50です。レンズの頂角のσが小さい場合は、d≒e×uの近似式とみなせます。(式2)とします。
e=1m、d=1cmの場合、レンズより1m離れた所で1cm屈折することを、1プリズムの屈折力をもつといいます。この1プリズムの屈折力をもつ凸レンズを、レンズBとします。(式2)のd≒e×uより、u≒d÷eです。cmに換算すると、u≒1cm÷100cm≒0.01となります。ラジアン表記により、屈折するuの角度を求めます。ATAN(0.01)/(3.1415/180)≒0.573となります。屈折するuの角度は、約0.573°となります。
レンズBの場合を例にとります。(式1)では、σ≒u÷(n-1)でした。屈折率は、n=1.50です。σ≒0.01÷(1.50-1)≒0.01÷0.50≒0.02となります。ラジアン表記により、レンズの頂角であるσの角度を求めます。ATAN(0.02)/(3.1415/180)≒1.145となります。レンズBの頂角であるσの角度は、約1.145°となります。レンズBの屈折するuの角度は、約0.573°でした。u÷σ=0.573÷1.145≒0.500です。レンズの頂角であるσの角度が小さい場合は、レンズBの頂角であるσの約半分の角度が、屈折するuの角度となります。
レンズBの屈折率が1.70の場合の説明。e=1m、d=1cmの場合、レンズより1m離れた所で1cm屈折することを、1プリズムの屈折力をもつといいます。この1プリズムの屈折力をもつ凸レンズを、レンズBとします。(式2)のd≒e×uより、u≒d÷eです。cmに換算すると、u≒1cm÷100cm≒0.01となります。屈折するuの角度は、屈折率が1.50場合と同じ0.573°です。(式1)のσ≒u÷(n-1)において、屈折率のnは1.70です。σ≒0.01÷(1.70-1)≒0.01÷0.70≒0.014です。ラジアン表記により、屈折率が1.70のレンズの頂角であるσの角度を求めます。ATAN(0.014)/(3.1415/180)≒0.802となります。レンズBの頂角であるσの角度は、約0.802°となります。レンズBの屈折するuの角度は、約0.573°でした。u÷σ=0.573÷0.802≒0.714です。屈折率が1.70のレンズBにおいて、レンズの頂角であるσの角度が小さい場合は、レンズBの頂角であるσの約7割の角度が、屈折するuの角度となります。
屈折率が1.50のレンズの頂角であるσの角度は、約1.145°です。0.802÷1.145≒0.700です。屈折率が1.70のレンズの頂角であるσの角度は、屈折率が1.50のレンズの頂角であるσの角度の約7割になります。
よって、レンズの屈折率が高くなれば、レンズの頂角であるσの角度は小さくなります。屈折率が高くなれば、凸(プラス)レンズでは、中心厚は薄くなります。凹(マイナス)レンズでは、フチ厚は薄くなります。
【0040】
度数と偏心量とプリズム屈折力についての説明。度数が+1.00Dの凸レンズがあるとします。プレンティスの式より、P=D×(h÷10)です。Pは、プリズム屈折力です。Dは、レンズ屈折力(ディオプター)です。hは、偏心量(mm)です。この凸レンズで、光学中心を10mm偏心させるには、プレンティスの式より、P=+1.00D×(10mm÷10)=1.0プリズム屈折力となります。1プリズムのプリズムリングを、用いればよいことになります。1プリズムの屈折力をもつレンズにおいて、3mm偏心させるには、プレンティスの式より、P=+1.00D×(3mm÷10)=0.3プリズムの屈折力となります。0.3プリズムのプリズムリングを、用いればよいことになります。
【0041】
眼鏡レンズの中心厚についての説明。表面(おもてめん)カーブと内面(ないめん)カーブが同じである、度数が0.00Dの眼鏡レンズの中心厚は、レンズの強度の関係上、少なくとも2mm位は必要です。マイナスレンズの中心厚は、1.8mm位とします。マイナスレンズの場合、マイナスの度数が強くなれば、レンズの口径のフチ(縁)の厚みは増します。プラスレンズの場合、プラス度数が強くなれば、レンズの中心厚は増します。レンズの屈折率を強くすることによって、マイナスレンズの場合はフチ厚を薄くできます。プラスレンズの場合は、中心厚を薄くできます。
中心厚については、明細書の[段落0184]から[段落0217]と[表16]と[図11]との関係を[段落0244]で説明しています。フチ厚については、明細書の[段落0184]から[段落0217]と[表17]と[図12]との関係を[段落0245]と[段落0246]で説明しています。
【0042】
切削加工についての説明。半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工する前に、「補正プリズム量」と「プリズム方向」を設定します。半製品の眼鏡レンズとCG機との幾何学的な位置関係は、CG機のカップ型のダイヤモンドホイール(研磨する側)と、ブロックに固定接着された半製品の眼鏡レンズ(研磨される側)とは対面しており、ダイヤモンドホイール(研磨する側)とブロックに固定接着された半製品の眼鏡レンズ(研磨される側)との幾何学中心は、水平方向と垂直方向において同一線上にあり、対面した幾何学的な位置関係となっています。
半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着する時は、S度数のみの球面である場合は、水平方向である軸角度方向に固定接着します。半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着する時、眼鏡レンズの製作上、C度数がマイナスの場合は軸角度方向ですが、C度数がプラスの場合で軸角度が0°~90°未満の場合は、軸角度に90°を加えます。軸角度が90°~180°の場合は、軸角度から90°を減らします。C度数がプラスの場合は、軸角度に応じて、軸角度の軸に±90°を加えたり減したりした後の軸方向に、半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着します。この様に、半製品レンズをCG機で切削加工時において、軸角度の軸に±90°を加えたり減らしたりしなければなりません。これを「軸転換」といいます。
[段落0257]・[段落0258]・[段落0259]において、「軸転換」について説明をしています。
【0043】
眼鏡レンズに固定接着された軸方向が、眼鏡レンズの内面カーブの半径が最も大きくなります。CG機のダイヤモンドホイールの幾何学中心の水平方向です。CG機のダイヤモンドホイールの幾何学中心の垂直方向が、眼鏡レンズの内面カーブの半径が最も小さくなります。
半製品の眼鏡レンズは、薄いサーフティングテープ(保護テープ)で保護した後に、半製品の眼鏡レンズを融解した合金(以下、アロイとします。50°~60°C位以上の温度で融解し、30°C位以下の温度で固まる合金)により、ブロックに固定接着します。その後、本願で算出した「補正プリズム量」に応じたプリズムリングを、本願で算出した「プリズム方向」に、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックに密着装着します。そして、CG機の装着固定部分(チャック部分)に、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックと、このブロックに密着装着したプリズムリングとを、共にCG機のチャック部分に装着固定します。
CG機のキーボードより、CPU(中央演算処理装置)を介して、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックのフロント・カーブの値、半径が最も大きくなる内面カーブの値(ディオプター・カーブ)、半径が最も小さくなる内面カーブの値(ディオプター・カーブ)、仕上がり中心厚の値を入力します。そうすると、S度数とC度数の半径に応じて、ダイヤモンドホイールの切削加工する角度が、油圧により油圧シリンダーが作動し、電気により電磁バルブが作動して、油圧の流れが制御され、設定されます。この様にして、ダイヤモンドホイールの切削加工するエッジのカーブが設定されます。CG機のダイヤモンドホイールは、電動モーターによる回転が、ベルトを介して、ダイヤモンドホイールに伝達されて高速回転します。
ダイヤモンドホイール(研磨する側)は、高速回転しながら水平方向の左右に、緩やかに振り動きます。ダイヤモンドホイールの1回の左右の振りの往きの振りの時に、半製品の眼鏡レンズの内面を、1回の振りにつき2~3mm位の厚みだけ切削加工していきます。ダイヤモンドホイールの左右の振りの動きに合わせて、対面方向に位置する眼鏡レンズ(研磨される側)を装着固定したCG機の台座が、水平方向に油圧シリンダーにより、1回の振りにつき2~3mm位、眼鏡レンズの仕上がり中心厚まで、ダイヤモンドホイールに少しずつ移動接近していきます。台座の位置は、ポテンションメーターと連動して作動します。半製品の眼鏡レンズの内面カーブは、ダイヤモンドホイールのエッジのカーブで、弓状の弧の形状の切削跡を描きながら切削加工されていきます。この様にして、半製品の眼鏡レンズの内面カーブが切削加工されます。
【0044】
CG機には様々な機械があります。旋盤の中刳り(ボーリング)によって、半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工するCG機もあります。しかし、どの様なCG機であっても、プリズムリングを用いて半製品の眼鏡レンズの切削加工を行う場合は、本願のプリズムリングを用いて切削加工する方法による眼鏡レンズの傾きを考慮しなければなりません。本願の方法を用いなければ、光学中心を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向の鼻側(内側)寄り、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りと合成した位置に偏心させることは出来ません。
【0045】
「S+度数」、「S-度数」、「C+度数」、「C-度数」の「+(プラス)」と「-(マイナス)」の組み合わせとレンズの種類との関係についての説明。[段落0250]・[段落0251]・[段落0252]・[段落0253]・[段落0254]・[段落0255]・[段落0256]において、レンズの種類の分類について説明しています。
【0046】
眼鏡レンズの種類についての説明。1.マイナスレンズの場合。2.プラスレンズの場合。3.単性のマイナスレンズの場合。4.単性のプラスレンズの場合。5.混合レンズの場合。以上の5つに分類します。
【0047】
レンズの分類についての説明。絶対値を「||」の記号で表します。(1)、|S-|>|C+|ならば、マイナスレンズに分類します。(2)、|S+|>|C-|ならば、プラスレンズに分類します。(3)、S度数が0.00DでC-ならば、単性のマイナスレンズに分類します。(4)、S度数が0.00DでC+ならば、単性のプラスレンズに分類します。(5)、|S+|<|C-|ならば、混合レンズに分類します。
【0048】
度数の数直線の説明。度数の数直線の詳細は、[図13]及び[図面の簡単な説明]の[段落0250]・[段落0251]・[段落0252]・[段落0253]・[段落0254]・[段落0255]・[段落0256]を参照して下さい。以下、「[図13]の度数の数直線」を「度数の数直線」と記載します。
度数の数直線を、横に水平方向に一線書きます。0.00Dを基点にして、左側にいく程マイナス度数が増していきます。右側にいく程プラス度数が増していきます。S+ということは、S度数が度数の数直線の0.00Dの基点より右側に位置しています。このS度数の位置を基準にして、C度数の位置が度数の数直線での位置となります。
【0049】
(1)、|S-|>|C+|のマイナスレンズの場合の説明。例1。S-2.00D、C+1.00Dを例にとります。S-2.00Dは、度数の数直線では-2.00Dの位置になります。C+1.00Dの位置は、基準であるS度数の-2.00Dの右側の位置となります。度数の数直線では-1.00Dの位置になります。S度数且つC度数とも、度数の数直線では、マイナスの位置となります。
【0050】
(2)、|S+|>|C-|のプラスレンズの場合の説明。例2。S+2.00D、C-1.00Dを例にとります。S+2.00Dは、度数の数直線では+2.00Dの位置になります。C-1.00Dの位置は、基準であるS度数の+2.00Dより-1.00D左側の位置となります。度数の数直線では+1.00Dの位置となります。S度数且つC度数とも、度数の数直線では、プラスの位置になります。
【0051】
単性レンズについての説明。|S+|=|C-|或いは|S-|=|C+|の場合には、基準であるS度数の位置を、度数の数直線の基点である0.00Dの位置にします。C度数がマイナスであれば、単性のマイナスとします。C度数がプラスであれば、単性のプラスとします。
【0052】
(3)、単性のマイナスレンズの場合の説明。例3。S0.00D、C-1.00Dを例にとります。S0.00Dの位置は度数の数直線では、基点の0.00Dの位置になります。C-1.00Dの位置は、基準であるS度数の0.00Dの位置より-1.00D左側になります。度数の数直線では-1.00Dの位置になります。
【0053】
(4)、単性のプラスレンズの場合の説明。例4。S0.00D、C+1.00Dを例にとります。S0.00Dの位置は度数の数直線では、基点の0.00Dの位置になります。C+1.00Dの位置は、基準であるS度数の0.00Dの位置より+1.00D右側になります。度数の数直線では+1.00Dの位置になります。本願では、「軸転換」をして、S+1.00D、C-1.00Dと表記しています。
【0054】
(5)、|S+|<|C-|の混合レンズの場合の説明。例5。S+1.00D、C-3.00Dを例にとります。S+1.00Dの位置は度数の数直線では、+1.00Dの位置になります。C-3.00Dの位置は、基準であるS度数の+1.00Dより-3.00D左側寄りで、度数の数直線では-2.00Dの位置となります。度数の数直線での基点である0.00Dの位置は、S度数とC度数の間の位置になります。
【0055】
軸角度についての説明。軸角度の基準線は、左右レンズとも、眼鏡レンズの幾何学中心点の右側の水平方向線を基準とします。軸角度は、0°~180°以内です。プリズム方向は、0°~360°で反時計回りです。0°=360°です。
【0056】
「軸転換」についての説明。軸転換についての詳細は、[段落0257]・[段落0258]・[段落0259]を参照して下さい。
1.マイナスレンズの場合。2.プラスレンズの場合。3.単性のマイナスレンズの場合。4.単性のプラスレンズの場合。5.混合レンズの場合。いずれの場合においても、眼鏡レンズの製作時において、(S±、C+)の表記でC度数が「C+」の表記の場合に、「C-」の表記に変えて(S±、C-)の表記に変えることを、「軸転換」と記します。「軸転換」とは、(S±、C+)の表記を(S±、C-)の表記に変えることです。
(S±、C+)の表記の軸角度が0°~90°未満の場合は、軸角度に90°を加えた角度が、(S±、C-)の表記の軸転換後の軸角度となります。軸角度が90°~180°以内の場合は、軸角度から90°を減らした角度が、(S±、C-)の表記の軸転換後の軸角度となります。(S±、C+)の表記の軸角度の場合、CG機の製造装置の構造上の制約により、軸角度に、90°を加えたり減らしたりして(S+、C-)の表記にします。
それは、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工する時に、CG機は水平方向の半径が最も大きく、垂直方向の半径が最も小さく切削加工するように造られているからです。「軸転換」をするのは、CG機で半製品の眼鏡レンズの切削加工時に、半製品の眼鏡レンズをブロックする軸方向の度数が、軸方向と直角方向に当たるCG機の垂直方向の度数より、度数の数直線においてプラス寄りの右側の位置になるようにするためです。
CG機による半製品の眼鏡レンズの切削加工は、ダイヤモンドホイールよって、水平方向の半径が最も大きくなり(度数の数直線ではCG機の垂直方向の度数より右寄りになり)、垂直方向の半径が最も小さく(度数の数直線ではCG機の水平方向の度数より左寄り)切削加工するように造られています。
軸転換後の軸角度に、半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着した後に、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工します。半製品の眼鏡レンズは、ブロックにアロイを用いて、(S±、C-)と表記されている軸角度方向に固定接着します。この様にすることにより、半製品の眼鏡レンズの軸角度方向が、CG機の水平方向の半径が最も大きい方向(度数の数直線ではCG機の垂直方向の度数より右寄り)になります。軸角度と直角方向は、CG機の垂直方向の半径が最も小さい方向(度数の数直線ではCG機の水平方向の度数より左寄り)に切削加工されます。
例。表1の左レンズの場合の、S0.00D、C+3.00D、軸角度30°の単性のプラスレンズの場合を例にとります。S0.00Dの位置は、度数の数直線では、基点の0.00Dの位置にあります。C+3.00Dの位置は、度数の数直線ではS度数の基点である0.00Dの位置より右側の+3.00Dの位置になります。ここで、軸角度30°を軸転換することによって、つまり、軸転換後の軸角度を120°(30°+90°=120°)にすることによって、軸転換後の120°方向に半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着すれば、120°方向がCG機の水平方向となり、半径が最も大きく切削加工され、120°方向のC度数が+3.00Dになります。軸転換前の軸角度30°(120°-90°=30°)方向はCG機の垂直方向となり、半径が最も小さく切削加工され、S度数が0.00Dになります。上記の例の様に、(S±、C+)で表記されている場合、軸角度が0°~90°未満の場合は、軸角度に90°を加え、軸角度が90°~180°以内の場合は、軸角度から90°減らし、(S±、C+)の表記を(S±、C-)の表記に変換する事を「軸転換」といいます。
【0057】
(S±、C+)の表記の場合の、軸角度が90°の場合について説明します。軸角度が90°の場合に、軸転換によって90°を加えれば、軸転換後の軸角度は180°となります。軸角度90°から90°を減らせば、軸転換後の軸角度は0°の基準線となります。軸転換後の軸角度は、180°あるいは0°となります。軸転換後の軸方向に、半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着するので、180°と0°では半製品の眼鏡レンズは上下180°反転しますが、眼鏡レンズの0°―180°は同じ水平方向線になるので、眼鏡レンズの製作上において支障はありません。
【0058】
軸転換前の(S+、C+)の表記と、軸転換後の(S+、C-)の表記におけるS度数とC度数の関係の説明。以下、[図1]の記載のように、左の眼鏡レンズを表面(おもてめん)より見た平面図を想定しています。眼鏡レンズの幾何学的水平方向線が軸0°―180°の線で、二重焦点レンズなら0°―180°の水平方向線の左側下に近用部分があることになります。
例1。S+2.00D、C+1.00D、軸角度0°の場合だと、軸角度が0°~90°未満なので、軸角度0°に90°を加えます。軸転換後の軸角度は90°となります。度数の表記は、S+3.00D、C-1.00D、軸転換後の軸角度は90°となります。眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+2.00Dの位置で、C度数は+3.00Dの位置で仕上ります。
例2。S+2.00D、C+1.00D、軸角度90°の場合だと、軸角度が90°~180°なので、軸角度90°に90°を加えるので、軸転換後の軸角度は180°となります。度数の表記は、S+3.00D、C-1.00D、軸転換後の軸角度は180°となります。眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+3.00Dの位置で、C度数は+2.00Dの位置で仕上ります。
例3。S+2.00D、C+1.00D、軸角度180°の場合だと、軸角度が90°~180°以内なので、軸角度180°から90°を減らした、90°が軸転換後の軸角度となります。度数の表記は、S+3.00D、C-1.00D、軸転換後の軸角度は90°となります。眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+2.00Dの位置で、C度数は+3.00Dの位置で仕上ります。
以上、例1と例3の場合、いずれも軸転換後の軸角度で半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着し、CG機で切削加工します。例1と例3では、眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+2.00Dの位置で、C度数は+3.00Dの位置で仕上ります。
例2の場合、眼鏡レンズは、度数の数直線では、S度数は+3.00Dの位置で、C度数は+2.00Dの位置で仕上ります。
【0059】
混合レンズの場合の軸転換についての説明。(S-、C+)の混合レンズの場合を、度数の数直線で説明します。
例。左レンズで、S-2.00D、C+3.00D、軸角度120°の場合だと、S-2.00Dは度数の数直線の基点の0.00Dの位置より、左側の-2.00Dの位置になります。C+3.00Dは、基点の0.00Dの位置より右側の+1.00Dの位置になります。半製品の眼鏡レンズを軸角度120°方向でブロックに固定接着しCG機で切削加工すると、眼鏡レンズは度数の数直線では、軸角度120°方向が+1.00Dで、30°方向が-2.00Dで仕上がります。
(S-、C+)の混合レンズの表記を、(S+、C-)の表記に変えるということは、上記の度数の数直線の基点の0.00Dの位置の右側の+1.00Dの位置であったC+3.00Dの度数の位置を、軸転換によってS+1.00Dの位置とし、0.00Dの基点の位置の左側にあった-2.00DのS度数の位置を、C-3.00Dの位置に置き換えて、C度数を度数の数直線の-2.00Dの位置にすることを意味します。半製品の眼鏡レンズを軸転換後の軸角度の30°方向でブロックに固定接着しCG機で切削加工します。度数の数直線では、眼鏡レンズは軸転換後の軸角度の30°(120°-90°=30°)方向では+1.00Dとなり、120°方向では-2.00Dで仕上がります。つまり、軸転換をするという事は、(S-、C+)の表記であったS-2.00D、C+3.00D、軸角度120°の表記を、軸転換によって軸角度120°から90°減らし(120°-90°=30°)、S+1.00D、C-3.00D、軸転換後の軸角度を30°の(S+、C-)の表記にすることです。度数の数直線では、軸転換後の軸角度である30°方向が+1.00Dで、120°方向が-2.00Dで仕上がります。軸転換によって、度数の数直線においてS度数がC度数より右側の位置に仕上がるようにします。(S+、C-)の表記にして、軸転換後の軸角度である30°方向に半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着することで、30°方向がCG機では水平方向となり、半径が最も大きくなり、度数の数直線では+1.00Dとなります。120°方向がCG機では垂直方向となり、半径が最も小さくなり、度数の数直線では-2.00Dとなります。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2011-232722号公報
【非特許文献】
【0061】
【非特許文献1】日本眼鏡専門学校編「眼鏡ハンドブック」金原出版、1976年7月20日、p.102―106
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0062】
本願の課題は、眼鏡レンズの製作において、正確に光学中心を位置づけ、より良い品質の眼鏡レンズを提供することです。
【0063】
本願は、研磨工程における眼鏡レンズの製作時において、プリズムリングの傾きが原因である、切削加工する前の半製品の眼鏡レンズの全体の傾きによる、光学中心の位置のずれ(誤差)を本願の方法を用いて、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させる方法です。
【0064】
本願は、水平方向の偏心量と垂直方向の偏心量を合成させて、適切な「補正プリズム量」と適切な「プリズム方向」を算出して、これらの値を用いて期待する位置に光学中心を偏心させることを課題とします。
【0065】
視線方向についての説明。通常、左右の眼で物を見る場合、水平方向の眼の視線方向は顔の中心線の前方方向の内側になります。よって、水平方向の左右の眼の視線方向は、眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りになります。
垂直方向においては、顔における左右の目の位置の上下差や左右の眼球の形状の違いにより、垂直方向においても左右の光学中心の位置の違いが生じます。
それ故に、水平方向の鼻側(内側)と垂直方向の眉側(上側)を合成した位置に光学中心を偏心させる必要があるのです。その為には、幾らのプリズム量を、どの方向から加えるかが課題となります。
瞳孔距離や眼球の歪みによる矯正視力等については、眼科での他覚検査および専門の眼鏡店での自覚検査で、ユーザーの個人差に応じた対応がされます。
【0066】
光学中心の位置のずれ(誤差)および内面カーブについての説明。球面レンズの内面カーブは、円球状(ドーム型)の形状です。乱視のカーブは、円柱形(シリンダー)の形状です。球面と乱視の度数の眼鏡レンズでは、球面の内面カーブが土台(ベース)としてあり、その球面のカーブを乱視のカーブで、さらに切削することによって形成されます。内面カーブは、球面のカーブと乱視のカーブが合成されたカーブとなります。球面度数の半径と乱視度数の半径が、合成された内面カーブになります。
半製品の眼鏡レンズをブロックに固定接着した後に、プリズムリングをブロックに密着装着します。そして、この両方をCG機の一部であるチャック部分に装着固定して、CG機によって、半製品の眼鏡レンズの内面カーブを切削加工します。プリズムリングをブロックに密着装着する為に、内面カーブがプリズムリング(偏心させる場合)の傾き及び軸角度によって傾きます。このプリズムリングの傾きが、光学中心の位置を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向あるいは垂直方向に対して、上下左右に、ずれ(誤差)の原因となります。
従来は、適切な左右の「補正プリズム量」、適切な「プリズム方向」が定まっていませんでした。
【0067】
本願は、右レンズあるいは左レンズの「水平方向の補正プリズム量」と「垂直方向の補正プリズム量」を合成し、右レンズあるいは左レンズの「合成した補正プリズム量」と「合成プリズム方向」を算出する方法です。
【0068】
本願は、CG機によって光学中心をプリズムリングで偏心させる場合、切削加工される半製品の眼鏡レンズの内面カーブの幾何学中心が、プリズムリングの傾き及び軸角度によって、上下左右に、ずれ(誤差)が生じます。本願は、このずれ(誤差)を、バランスよく光学中心の位置を、眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向の鼻側(内側)寄りと、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心させる方法です。
【0069】
本願の課題は、正確な「右レンズの補正プリズム量」と「右レンズのプリズム方向」、あるいは「左レンズの補正プリズム量」と「左レンズのプリズム方向」を算出し、的確な位置に光学中心を偏心させ、眼鏡レンズの製作において損出を減らし、良質な眼鏡レンズを提供することを課題とします。
【課題を解決するための手段】
【0070】
本願の課題は、眼鏡レンズの製作において、正確に光学中心を位置づけ、より良い品質の眼鏡レンズを提供することでした。
【0071】
本願で算出した「補正プリズム量」を、本願で算出した「プリズム方向」より加えることにより、光学中心の位置を正確に期待する位置に偏心させて、課題を解決します。
【0072】
「補正プリズム量」および「プリズム方向」の値を用いて、CG機の切削加工工程において、「補正プリズム量」に応じた適切なプリズムリングを、適切な「プリズム方向」より加える設定を、半製品の眼鏡レンズの内面カーブを切削加工する工程の前に行います。その後、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工することにより、光学中心の位置を眼鏡レンズの期待する位置に偏心させます。
【0073】
その為の手段として、本願の[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目のプログラム計算式によって、「右レンズの補正プリズム量」・「右レンズのプリズム方向」を算出します。[表1]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目のプログラム計算式によって、「左レンズの補正プリズム量」・「左レンズのプリズム方向」を算出します。
【0074】
本願により、「右レンズの補正プリズム量」・「右レンズのプリズム方向」、「左レンズの補正プリズム量」・「左レンズのプリズム方向」を算出します。その値に応じて、CG機で内面カーブを切削加工する前に、「補正プリズム量」に応じた適切なプリズムリングを、適切な「プリズム方向」に半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックに密着装着し、CG機のチャック部分に装着固定します。その後に、半製品の眼鏡レンズの内面を、CG機で切削加工します。CG機の切削加工により、光学中心の位置を、眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りと、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心するように、内面カーブを切削します。この様にする事により、本願の課題を解決します。
【0075】
プリズムリングを使用しないで半製品レンズを切削加工する場合は、プリズム方向のレンズの厚みの差を、プリズムリングを使用した場合と同じ厚みの差(プリズムリングの外周の位置の薄い部分と厚い部分の差)を考慮した内面カーブの切削加工となります。
プリズムを加えるとは、CG機の切削加工工程において、プリズムリングの一番薄い箇所を、半製品の眼鏡レンズのプリズム方向に設定することです。
【0076】
[表1]に示すように、「S+度数」・「S-度数」・「C+度数」・「C-度数」・「軸角度(°)」・「水平方向の偏心量(mm)」・「垂直方向の偏心量(mm)」の各数値を、本願の算出方法によって、[表1]の上段の右側に示すように、右レンズでは「オ-右」の「補正プリズム量」・「キ-右」の「右レンズの合成プリズム方向(°)」、左レンズでは「オ-左」の「補正プリズム量」・「カ-左」の「左レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。この数値に基づき、プリズムリングを半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックに、密着装着します。そして、半製品の眼鏡レンズの内面をCG機で切削加工することにより、光学中心の位置を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りと合成した位置に偏心させた内面カーブにします。
【0077】
本願は、「S+度数」・「S-度数」・「C+度数」・「C-度数」・「軸角度(°)」・「水平方向の偏心量(mm)」・「垂直方向の偏心量(mm)」に応じて、適切な「補正プリズム量」のプリズムリングを、適切な「プリズム方向」より用いて、光学中心を眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心させる方法です。中心厚と度数との関係は、[表16]あるいは[表17]の説明である[段落0184]から[段落0217]の記載を考慮して、CG機で半製品レンズを切削加工する工程時に設定します。
眼鏡レンズの光学中心を偏心させる場合、軸角度とプリズムリングの厚みの差(傾き)によって、半製品の眼鏡レンズ全体が傾きます。この傾きは、CG機のチャック部分に、半製品の眼鏡レンズを固定接着したブロックと、このブロックに密着装着したプリズムリングとを、共に装着固定する時に生じます。本願は、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工する前に、本願の「補正プリズム量」と「プリズム方向」を設定し、その後に、CG機で半製品の眼鏡レンズを切削加工することによって、バランス良く光学中心を、眼鏡レンズの幾何学中心の水平方向線の鼻側(内側)寄りの、或いは垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した位置に偏心させて、本願の課題を解決します。
【0078】
[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の作成方法についての説明。この表を表示させるには、パソコンと表計算ソフトが必要です。本願では、「マイクロソフトのエクセル2013(登録商標)」の表計算ソフトを使用しています。パソコンと初歩的な表計算ソフトの入力知識があれば、表を作成することができます。
明細書の[段落0109]から[段落0177]に具体的な表の作成方法を記載しています。各表の各項目名のすぐ下の欄が、各項目のプログラム計算式です。
【0079】
[表2]において、「ヒ-合成」に「任意方向の角度(°)」の値を入力することで、「フ-合成-任意-度数」である「仕上りレンズの任意方向の度数」を容易に求めることが出来るようにしました。「ヘ-合成」には、「仕上りレンズの水平方向のプリズム」を表示するようにしました。「モ-合成」には、「仕上りレンズの水平方向の度数」を表示し活用性を高めました。
【0080】
本願出願人の前特開である[特許文献1]特開2011-232722と本願との相違点についての説明。前特開と本願との相違点を、本願の左レンズの[実施例1]の[表12]を用いて説明します。前特開の[表1]では、S0.00D、C+3.00D、軸角度30°、偏心量(内側)は3mmでした。この表記を軸転換すると、S+3.00D、C-3.00D、軸角度120°、偏心量(内側)は3mmとなります。「軸転換」については、[段落0257]と[段落0258]と[段落0259]で説明しています。本願では、[実施例1]の[表12]の左レンズは、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、偏心量(内側)は3mmです。
前特開の計算方法についての説明。本願の[実施例1]の左レンズの[表12]に置き換えて説明します。前特開の[表1]では、本願の[表12]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」を、「C度数×SIN(軸角度)」の度数として求め、この度数に偏心量(mm)/10を乗じて算出していました。この「C度数の水平方方向のプリズム」に「SIN(軸角度)」を乗じて「セ」の合成方向のプリズム」を導き出し、この「セ」にCOS(軸角度)を乗じて「サ」の「C度数の垂直方向プリズム」を算出していました。そして、「ク」の「S度数の水平方向のプリズム」と「ケ」の「C度数の水平方向のプリズム」を加えて、「「コ」の水平方向の合計プリズム」を求めていました。(「コ」「コ」+「サ」「サ」)の平方根を、「シ」の「プリズム方向を基にした補正プリズム量」として算出しました。ATAN(「サ」/「コ」)によって、「ス」の補正角度は、「サ」の「垂直方向のプリズム」を「コ」の「水平方向の合計プリズム」で割り、その値のATANの値により、補正角度を算出していました。前特開の[表1]では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、本願の[表12]における「コ」の「水平方向の合計プリズム」の値がプラスであれば、プラスレンズとして「プリズム方向」を決めていました。「コ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとして「プリズム方向」を決めていました。混合レンズでは、判定基準の値によって「プリズム方向」が大きく変わります。
本願の計算方法と前特開の計算方法についての説明。前特開の[表1]では、S0.00D、C+3.00D、軸角度30°、偏心量(内側)は3mmでした。本願の[表12]の[実施例1]では、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、偏心量(内側)は3mmです。本願の軸角度は、前特開の軸角度を軸転換した軸角度です。S度数およびC度数は異なりますが、本願の[表12]の[実施例1]を用いて相違点を説明します。
【0081】
本願の計算方法についての説明。C=SIN(軸角度)×SIN(軸角度)+COS(軸角度)×COS(軸角度)の式が成り立ちます。本願の[表12]の左レンズにおいて、「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」を、「C度数×SIN(軸角度)×SIN(軸角度)」の度数とし、この度数に偏心量(mm)/10を乗じて算出しました。この式にすることにより、物理的な意味をもつことになります。この「C度数の水平方方向のプリズム」に「SIN(軸角度)」を乗じて「セ」の合成方向のプリズム」を導き出し、この「セ」にCOS(軸角度)を乗じて「サ」の「C度数の垂直方向プリズム」を算出しました。そして、「ク」の「S度数の水平方向のプリズム」と「ケ」の「C度数の水平方向のプリズム」を加えて「コ」の「水平方向の合計プリズム」を求めました。「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」に「エ-水平」の偏心量(mm)/10を乗じた値を、本願では「シ」の「プリズム方向を基にした補正プリズム量」として算出しました。[表12]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。「ホ」の値の算出方法は、明細書の[表8]の[段落0168]から[段落0172]に記載しています。
本願では、「ホ」の値をレンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準にしています。前特開では、「コ」の値を判定基準としていました。ATAN(「サ」/「コ」)によって、「ス」の補正角度を「サ」の「垂直方向のプリズム」を「コ」の「水平方向の合計プリズム」で割り、その値のATANの値により、補正角度を算出しています。
レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」の値がプラスであれば、プラスレンズとしてプリズム方向を決めました。「ホ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとしてプリズム方向を決めました。混合レンズの場合では、判定基準の値によってプリズム方向が大きく変わる場合が生じました。判定基準を「ホ」にすることにより、判定基準が「コ」に比べて精度を高くしました。
【0082】
前特開と本願の相違点の説明。前特開の[表1]を本願の[表12]に置き換えて説明します。前特開の[表1]では、本願の[表12]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」を、「C度数×SIN(軸角度)」の度数としていました。本願では、「C度数×SIN(軸角度)×SIN(軸角度)」の度数の計算式にしました。この式にすることにより、物理的な意味を持たせました。前特開の[表1]では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準を「コ」の「水平方向の合計プリズム」の値がプラスであれば、プラスレンズとしてプリズム方向を決めていました。
本願では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準を、[表12]の「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」の値がプラスであれば、プラスレンズとしてプリズム方向を決めました。「ホ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとしてプリズム方向を決めました。判定基準を「ホ」にすることにより、判定基準が「コ」に比べて精度を高めました。以上で記載したことは、本願の[表12]と前特開の[表1]との相違点です。本願は、これらの点において前特開に比べて進歩性と新規性を有するものとしました。
【0083】
本願では、垂直方向の偏心量も考慮しました。前特開では水平方向のみの偏心量でした。本願の右レンズにおいては、水平方向の偏心量の場合の[表4]と垂直方向の偏心量の場合の[表5]を、[表3]で合成しました。左レンズにおいては、水平方向の偏心量の場合の[表8]と垂直方向の偏心量の場合の[表9]を、[表7]で合成しました。左右の「補正プリズム量」と「プリズム方向」を[表1]に簡易に分かるようにしました。本願は、この点において前特開に比べて、進歩性と新規性を有するものとしました。
【0084】
右レンズの場合では、[表2]の「ヒ-合成」に任意の角度を入力すれば、「仕上りレンズの任意方向の度数」が「フ-合成-任意-度数」の欄に、「仕上りレンズの水平方向のプリズム」が「ヘ-合成」の欄に、「仕上り水平方向の度数」が「モ-合成」の欄に算出されます。
左レンズの場合では、[表6]の「ヒ-合成」に任意の角度を入力すれば、「仕上りレンズの任意方向の度数」が「フ-合成-任意-度数」の欄に、「仕上りレンズの水平方向のプリズム」が「ヘ-合成」の欄に、「仕上り水平方向の度数」が「モ-合成」の欄に算出されます。
本願においては、[表16]および[表17]において、中心厚とフチ厚についての関係を説明しています。本願は、この点において前特開に比べて進歩性と新規性を有するものとしました。
【0085】
前特開と本願との相違点についての説明。改良した部分を、前特開と本願とを比較対照して説明します。[実施例1]の[表10]・[表11]・[表12]の左レンズの場合を用いて説明します。C=C(SINθSINθ)+C(COSθCOSθ)の式が成り立ちます。
前特開では、「イ-水平」[SIN(「ウ-水平」)](「エ-水平」/10)でした。本願では、「ケ」の「C度数の水平方向のプリズム」の計算式を、「イ-水平」[SIN(「ウ-水平」)SIN(「ウ-水平」)](「エ-水平」/10)としました。数学的かつ物理的に理解できるようにしました。
[表12]において、前特開では眼鏡レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、「コ」の「水平方向の合計プリズム」でした。本願では、眼鏡レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準を、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」にしました。
【0086】
この理由は、「ス」あるいは「ノ」の補正角度によって算出する「カ-水平-左」の「左レンズの水平プリズム方向(°)」に、「補正プリズム量」を加える時に、プリズムリングによって生じる[段落0038]で説明したレンズの傾きによるずれ(誤差)を少なくするためです。[表12]の「コ」の「水平方向の合計プリズム」より、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」を判定基準にする方が、より精度の高い結果が得られ進歩性と新規性を有するからです。
【0087】
より精度の高い効果を得る為に、「ヤ」の「プリズム方向の度数」をプログラム計算式によって算出しました。「ホ」の「水平方向の度数」は、「ヤ」COS(「ス」)によって算出できます。
【0088】
プリズムリングでプリズムを加えてレンズが傾いた状態での、「ヤ」の「プリズム方向の度数」に補正角度である「ス」を乗じた「ホ」の値によって、レンズの幾何学的水平線の度数がプラスレンズかマイナスレンズであるかを判定基準にすることで、より精度を高くしました。それにより、左右の「補正プリズム量」と左右の「プリズム方向(°)」が、変わる場合が生じるようになりました。
【0089】
[実施例1]の[表10]において、「仕上りレンズの任意方向の度数」を知る為に、「ヒ-合成」に「任意の角度を入力する」ことで、「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」が判るようにしました。
【0090】
[表12]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の表において、軸転換を表のプラグラム計算式に組み入れました。軸転換を表のプログラム計算式に組み入れることによって簡略化し、前特開進歩性と新規性を有するようにしました。
【0091】
本願の改良点と前特開との違いを説明します。[実施例1]の場合で説明します。前特開では、左レンズでS0.00D、C+3.25D、軸角度30°、水平方向の鼻側(内側)の偏心量は3.0mmでした。これを軸転換すれば、本願の[表10]の実施例1のS+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向鼻側(内側)の偏心量は3.0mmになります。製作上、表記は異なりますが、同じ度数のレンズが仕上ります。
前特開の算出方法では、左レンズでは補正プリズム量は0.53プリズムでした。157°のプリズム方向より、0.50プリズムを加えました。仕上りレンズの光学中心の位置は、水平方向の鼻側(内側)に2.0mm位偏心しました。期待する偏心位置の3.0mmより、1.0mm位足りませんでした。
前特開の算出方法では、左レンズの補正プリズム量は0.53プリズムです。プリズム方向は157°です。本願の算出方法では、左レンズの補正プリズム量は0.58プリズムです。プリズム方向は157°です。
前特開と比較すると、プリズム方向は157°と同じでした。補正プリズム量は、前特開の0.53プリズムに比べて、本願の算出方法では、補正プリズム量は0.58プリズムと大きくなります。補正プリズム量が、前特開の0.53プリズムであるのに対して、本願では補正プリズム量は0.58プリズムです。水平方向の鼻側(内側)の光学中心の偏心位置は、期待する3.0mmに近づくと推測されます。
【0092】
前特開の[表3]の混合レンズの左レンズの場合は、S1.00D、C-3.00D、軸角度19°、水平方向の鼻側(内側)の偏心量は3.0mmでした。補正プリズム量の値は、0.09プリズムでした。左レンズのプリズム方向(°)は、266°でした。
前特開では、本願の[表15]の「コ」に当たる「水平方向の合計プリズム」が、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準でした。「水平方向の合計プリズム」は、0.01プリズムでした。
本願の場合では、左レンズの場合の、S1.00D、C-3.00D、軸角度19°、水平方向の鼻側(内側)の偏心量が3.0mmの場合では、[表15]の「オ-水平」の「補正プリズム量」の値は、0.04プリズムとなります。本願では、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」を、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準にしました。それに伴い、左レンズの水平プリズム方向(°)は、188°となります。
[表15]の左レンズの場合の、S1.00D、C-3.00D、水平方向の鼻側(内側)の偏心量が3.0mmでは、「ウ-水平」の軸角度が35.265°の場合には、「コ」の「水平方向の合計プリズム」は+0.00001プリズムとなります。この時、「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」は、-0.00004Dとなります。この場合、マイナスレンズと判定します。
【発明の効果】
【0093】
発明の効果を記載します。[表4]の右レンズ、或いは、[表8]の左レンズの「ケ」の「C度数の水平方向の度数」の計算式を、「イ-水平」[SIN(「ウ-水平」)SIN(「ウ-水平」)]とし、物理的に意味をもたせました。「ホ」の度数が+(プラス)ならばプラスレンズとし、-(マイナス)ならばマイナスレンズとし、0(ゼロ)を基準にして判別しました。それにより、「補正プリズム量」と「プリズム方向」の精度を高めました。
【0094】
[表2]の右レンズの「ヒ-合成」の欄の下に、任意方向の角度(0°~180°)を入力することで、右レンズの「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」を求めることを容易にしました。
[表2]の右レンズにおいて、「ヒ-合成」の任意の角度(0°~180°)を入力することによって算出できる「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」より、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる内面カーブの半径R(m)を求めることが出来ます。
[表6]の左レンズの「ヒ-合成」の欄の下に、任意方向の角度(0°~180°)を入力することで、左レンズの「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」を求めることを容易にしました。
[表6]の左レンズにおいて、「ヒ-合成」の欄の下に、任意の角度(0°~180°)を入力することにより算出できる「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」より、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる内面カーブの半径R(m)を求めることが出来ます。
【0095】
軸転換に関しては、右レンズの場合、[表4]の「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」を組み入れることによって、[表1]において、S度数とC度数を(S±、C-)表記で入力すれば、軸転換を容易に出来るように簡略化しました。
左レンズの場合、[表8]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」を組み入れることによって、[表1]において、S度数とC度数を(S±、C-)表記で入力すれば、軸転換を容易に出来るように簡略化しました。軸転換をプログラム計算式で行うことで簡略化しました。
【0096】
偏心方向については、右レンズの場合では[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-右」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-右」に偏心量を入力できるようにしました。
左レンズの場合では[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-左」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-左」に偏心量を入力できるようにしました。
【0097】
[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目にプログラム計算式を設定すれば、容易に光学中心の偏心位置を水平方向の鼻側(内側)寄りと垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成して、広範囲に光学中心の偏心位置を算出できるようにしました。
本願で算出する左右の「補正プリズム量」および左右の「プリズム方向」の組み合わせは、左右の眼鏡レンズでは少なくとも500万通り以上になります。S度数の平均は、-3.00D~+3.00Dの範囲位とすると、度数の範囲は6.00Dになります。0.25D刻みとすると、6.00D÷0.25D=24通りになります。C度数の平均も、-3.00D~+3.00Dの範囲位とすると、S度数の場合と同様に24通りになります。軸角度は、0°~180°以内ですから、1°刻みで180通りになります。水平方向の偏心量は、5mmまでとして、1mm刻みで5通りとなります。垂直方向の偏心量は、5mmまでとして、1mm刻みで5通りとなります。以上から、S度数の24通り、C度数の24通り、軸角度の180通り、水平方向の偏心量の5通り、垂直方向の偏心量の5通りとなります。24×24×180×5×5=2592000≒259万通りとなります。左右の眼鏡レンズですから、259万通り×2=518万通りとなります。本願は、500万通り以上の場合を考慮した算出方法です。計算上では、偏心量は0.1mmでも、プリズム量は0.01プリズムでも算出可能です。しかし、機械的および人的作業による誤差があり、計算値の精度には及びません。
【0098】
「補正プリズム量」と「プリズム方向」については、右レンズの場合では[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目に、表計算ソフトのプログラム計算式を設定すれば、[表1]に「補正プリズム量」である「オ-右」と「右レンズの合成プリズム方向」である「キ-右」を算出するようにしました。
左レンズの場合では、[表1]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目に、表計算ソフトのプログラム計算式を設定すれば、[表1]に「補正プリズム量」である「オ-左」と「左レンズの合成プリズム方向」である「カ-左」を算出するようにしました。
【0099】
[表16]によって、容易に「中心厚」と「フチ厚」を求めることが出来るようにしました。詳細は、[段落0184]から[段落0217]を参照して下さい。
【発明を実施するための形態】
【0100】
実施するための最良の形態。屈折率は1.48以上で、口径は60~70mmのプラスチックの眼鏡用の半製品レンズとします。広義においては、屈折率は眼鏡レンズに適するものとします。口径はフレームに応じるものとします。レンズの素材は、眼鏡レンズに適する素材で切削加工が可能なものとします。
【0101】
予め、[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目に、明細書の[段落0137]から[段落0177]で記載した表計算ソフトのプログラム計算式を設定しておきます。[表1]の入力欄に、「S+、C-」あるいは「S-、C-」の表記で「S+度数」あるいは「S-度数」・「C-度数」・「軸角度」・「水平方向の鼻側(内側)の偏心量」・「垂直方向の眉側(上側)の偏心量」の各数値を入力します。
表計算ソフトのプログラム計算式によって、[表1]に右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」・「右レンズの合成プリズム方向(°)」あるいは、左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」・「左レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。
算出された値を、CG機により半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工する前に、右レンズの「補正プリズム量」・「右レンズの合成プリズム方向」あるいは左レンズの「補正プリズム量」・「左レンズの合成プリズム方向」を設定します。その後に、半製品の眼鏡レンズの内面を切削加工し、期待する位置に光学中心を位置づけます。
【0102】
本願と前特開との相違点。C度数の水平方向のプリズムについての説明。本願の右レンズの[表4]の「ケ」、或いは、左レンズの[表8]の「ケ」のプリズムの値である「C度数の水平方向のプリズム」についての説明。前特開では、[表4]或いは[表8]の「ケ」である「C度数の水平方向のプリズム」の計算式は、C度数SIN(軸角度)[偏心量(mm)/10]でした。本願では、C度数[SIN(軸角度)SIN(軸角度)][偏心量(mm)/10]としました。物理的に意味を有する点が異なります。
【0103】
本願と前特開との相違点。前特開では、偏心方向は水平方向の鼻側(内側)寄りだけでした。本願では、右レンズでは、[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-右」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-右」に偏心量を入力できるようにしました。左レンズでは、[表1]の水平方向の鼻側(内側)の偏心である「エ-水平-左」と、垂直方向の眉側(上側)の偏心である「エ-垂直-左」に偏心量を入力できるようにしました。
本願では、水平方向の鼻側(内側)寄りと垂直方向の眉側(上側)寄りとを合成した光学中心の位置を算出できる点が異なります。
【0104】
水平方向の鼻側(内側)の偏心と垂直方向の眉側(上側)の偏心との、合成についての説明。右レンズでは、[表4]の水平のプログラム計算式と[表5]の垂直のプログラム計算式を[表3]で合成して、[表2]に表示するようにしました。[表1]では、右レンズの各入力値と[表2]・[表3]・[表4]・[表5]をまとめた結果である「補正プリズム量」の「オ-右」と「右レンズの合成プリズム方向」の「キ-右」を一目で分かるように表示するようにしました。
左レンズでは、[表8]の水平のプログラム計算式と[表9]の垂直のプログラム計算式を[表7]で合成して、[表6]に表示するようにしました。[表1]では、左レンズの各入力値と[表6]・[表7]・[表8]・[表9]をまとめた結果である「補正プリズム量」の「オ-左」と「左レンズの合成プリズム方向」の「カ-左」を一目で分かるように表示するようにしました。
【0105】
本願と前特開との相違点。前特開では、レンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、本願の右レンズでは[表4]の「コ」の「水平方向の合計プリズム」、左レンズでは[表8]の「コ」の「水平方向の合計プリズム」の値でした。
本願ではレンズがプラスレンズかマイナスレンズかの判定基準は、より精度を上げる為に、右レンズでは[表4]の「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」、左レンズでは[表8]の「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」の値としました。「ホ」の値がプラスであれば、プラスレンズとしました。「ホ」の値がマイナスであれば、マイナスレンズとしました。この点が異なります。
【0106】
[表2]の右レンズの「ヒ-合成」の「任意の角度を入力する」についての説明。[表2]の「フ-合成-任意-度数」である「仕上りレンズの任意方向の度数」を求めるには、その「任意方向の角度(0~180°以内)を入力すれば分るようにしました。任意方向の度数が分ることで、[技術背景]の[段落0011]で記載した公式の「R=(n-1)/D」により、任意方向の度数の半径を求めることができます。これにより、右レンズの全方向の内面カーブが判るようになります。
[表6]の左レンズの「ヒ-合成」の「任意の角度を入力する」についても、右レンズの場合と同様に、左レンズの全方向の内面カーブが判るようになります。
【0107】
中心厚は、[表16]の入力によって算出した厚みとします。マイナスレンズの中心厚は、希望する値を入力します。[表16]において、口径(mm)は「A」、屈折率は「B」、レンズの表面の半径(mm)は「C」、レンズの内面の半径(mm)は「D」、プラスレンズの最小フチ厚(mm)は「E」、マイナスレンズの中心厚(mm)は「F」を、表計算ソフトの表の各欄のすぐ下の欄に入力します。[段落0191]から[段落0194]までに記載したプログラム計算式を予め表計算ソフトに設定しておきます。
【0108】
予め、[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目に、表計算ソフトで[段落0137]から[段落0177]までに記載しているプログラム計算式を設定しておけば、右レンズにおいては、[表1]に「補正プリズム量(プリズム)」の「オ-右」、「右レンズの合成プリズム方向(°)」の「キ-右」を算出するようにしました。
左レンズにおいては、[表1]に「補正プリズム量(プリズム)」の「オ-左」、「左レンズの合成プリズム方向(°)」の「カ-左」を算出するようにしました。
左右のレンズの「補正プリズム量」および「プリズム方向」を[表1]に、プログラム計算式で算出するように簡明にしました。
【0109】
[表1]から[表15]までの概略の説明。各表の各項目には、予めプログラム計算式を入力設定する必要があります。入力値以外の各表の各項目のプログラム計算式の先頭には、「=+」或いは「=-」を付けます。
【0110】
[表1]は、右レンズの表と左レンズの表で構成されています。右レンズの欄には、右レンズのS±度数(ディオプター)、C-度数(ディオプター)、軸角度(°)、水平方向の(内側)の偏心量(mm)、垂直方向の(上側)の偏心量(mm)を入力します。予め、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目にプログラム計算式を入力設定しておくことにより、右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」と「右レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。
左レンズの欄には、左レンズのS±度数(ディオプター)、C-度数(ディオプター)、軸角度(°)、水平方向の(内側)の偏心量(mm)、垂直方向の(上側)の偏心量(mm)を入力します。予め、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各項目にプログラム計算式を入力設定しておくことにより、左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」と「左レンズの合成プリズム方向(°)」を算出します。
【0111】
[表2]は、「右レンズの合成プログラム計算式-1」です。[表2]は、[表4]と[表5]を[表3]で合成したものを、まとめた右レンズの表です。
【0112】
[表3]は、「右-合成のプログラム計算式-2-左」と「右-合成プログラム計算式-2-右」とに分かれています。合成補正プリズム量である「D-合成-右-左」と「F-合成-右」を算出する表です。
[表4]の「右-水平のプログラム計算式」と[表5]の「右-垂直方向のプログラム計算式」を、[表3]のプログラム計算式で合成します。
【0113】
[表4]は、右レンズの水平方向のプログラム計算式の表です。「右-水平のプログラム計算式-1」と「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」と「右-水平のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0114】
[表5]は、右レンズの垂直方向のプログラム計算式です。「右-垂直のプログラム計算式-1」と「右-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」と「右-垂直のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0115】
[表6]は、「左レンズの合成プログラム計算式-1」です。[表6]は、[表8]と[表9]を[表7]で合成し、まとめた左レンズの表です。
【0116】
[表7]は、「左-合成のプログラム計算式-2-左」と「左-合成プログラム計算式-2-右」とに分かれています。合成補正プリズム量である「D-合成-左-左」と「E-合成-左」を算出する表です。
[表8]の「左-水平のプログラム計算式」と[表9]の「左-垂直方向のプログラム計算式」を、[表7]のプログラム計算式で合成します。
【0117】
[表8]は、左レンズの水平方向のプログラム計算式の表です。「左-水平のプログラム計算式-1」と「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」と「左-水平のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0118】
[表9]は、左レンズの垂直方向のプログラム計算式です。「左-垂直のプログラム計算式-1」と「左-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」と「左-垂直のプログラム計算式-3」とに分かれています。
【0119】
[表10]は、[実施例1]です。左レンズ。S+3.25、C-3.25、軸角度120°、水平方向の偏心量(3mm)。[表6]の「左-合成プログラム計算式-1」と同じ様式の表です。
【0120】
[表11]は、[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」及び「左-合成のプログラム計算式-2-右」と同じ様式の表です。
【0121】
[表12]は、[表8]の「左-水平のプログラム計算式-1」及び「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」及び「左-水平のプログラム計算式-3」と同じ様式の表です。
【0122】
[表13]は、[実施例2]です。左レンズ。S+3.25、C-3.25、軸角度120°、水平方向の偏心量(2.55mm)。[表15]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の補正角度の「ノ」に「60°」を入力した場合の実施例です。[表6]の「左-合成のプログラム計算式-1」と同じ様式の表です。
【0123】
[表14]は、[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」及び「左-合成のプログラム計算式-2-右」と同じ様式の表です。
【0124】
[表15]は、[表8]の「左-水平のプログラム計算式-1」及び「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」及び「左-水平のプログラム計算式-3」と同じ様式の表です。
【0125】
[段落0126]~[段落0177]は、表の作成方法についての説明です。
【0126】
プログラムについての説明。表計算ソフトは、「MicrosoftのExcel2013(登録商標)」を使用しています。入力値以外の各表の各項目のプログラム計算式の先頭には、「=+」或いは「=-」を付けます。
【0127】
演算子についての説明。加えるは、「+」と表示します。減らすは、「-」と表示します。乗
平方根は、「SQRT」で表示します。絶対値は、「ABS」あるいは「||」で表示します。プログラム計算式のかっこは、「(」と「)」で括ります。
【0128】
プログラムの書式の説明。
IF(論理式、真の場合、偽の場合)。指定された条件が、(真)のときは「真の場合」を返し、(偽)のときは「偽の場合」を返します。ABS(数値)は、数値の絶対値を返します。SQRT(数値)は、数値の平方根です。
【0129】
度数の表記についての説明。[表1]の「右レンズ」あるいは「左レンズ」のS±度数(ディオプター)・C±度数(ディオプター)・軸角度(°)・水平方向の(内側)の偏心量(mm)・垂直方向の(上側)の偏心量(mm)の入力についての説明。以下、S度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量と記載します。
【0130】
「レンズの分類」については、[段落0250]~[段落0256]を参照して下さい。
【0131】
「軸転換」については、[段落0257]、[段落0258]、[段落0259]の軸転換の説明を参照して下さい。
【0132】
マイナスレンズは、「S-、C-」の表記でS-度数・C-度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S-、C+」の表記は、軸転換をして「S-、C-」の表記にします。例1。S-2.00D、C+1.00D、軸角度120°は軸転換をして、S-1.00D、C-1.00D、軸角度30°の表記にします。
【0133】
プラスレンズは、「S+、C-」の表記でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S+、C+」の表記は、軸転換をして「S+、C-」の表記にします。例2。S+1.00D、C+1.00D、軸角度120°は、軸転換をして、S+2.00D、C-1.00D、軸角度30°の表記にします。
【0134】
単性のマイナスレンズは、「S0.00、C-」の表記でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S-、C+」の表記は、軸転換をして「S0.00D、C-」の表記にして、S度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。例3。S-1.00D、C+1.00D、軸角度120°は、軸転換して、S0.00D、C-1.00D、軸角度30°の表記にします。
【0135】
単性のプラスレンズは、「S+、C-」の表記でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S0.00D、C+」の表記は、軸転換をして、「S+、C-」の表記にします。例4。S0.00D、C+1.00D、軸角度120°は、軸転換をして、S+1.00D、C-1.00D、軸角度30°の表記にします。
【0136】
混合レンズは、「S+、C-」の表記でS度数・C度数・軸角度・水平方向の偏心量・垂直方向の偏心量を入力します。「S-、C+」の表記は、軸転換をして、「S+、C-」の表記にします。例5。S-2.00D、C+3.00D、軸角度120°は、軸転換をして、S+1.00、C-3.00D、軸角度30°の表記にします。
【0137】
表の作成方法についての詳細な説明。予め、[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目に、値あるいはプログラム計算式を入力設定する必要があります。
【0138】
[表1]の説明。[表1]の左右の入力についての説明。[表1]は、右レンズの表と左レンズの表に分かれています。
【0139】
[表1]の右レンズの場合。各表の各項目の数値入力以外は、プログラム計算式の先頭には「=+」の記号を記します。[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各項目に、[段落0146]~[段落0163]に記載しているプログラム計算式を入力設定します。
【0140】
[表1]の「ア-右」とは、「ア-右」の欄のすぐ下の欄の「S±度数(ディオプター)」の値を示します。「イ-右」とは、「イ-右」のすぐ下の欄の「C-度数(ディオプター)」の値を示します。「ウ-右」とは、「ウ-右」のすぐ下の欄の「軸角度(°)」の値を示します。「エ-水平-右」とは、「エ-水平-右」のすぐ下の欄の「水平方向の偏心量(mm)」の値を示します。「エ-垂直-右」とは、「エ-垂直-右」のすぐ下の欄の「垂直方向の偏心量(mm)」の値を示します。「オ-右」とは、「オ-右」のすぐ下の欄の右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」の値を示します。「キ-右」とは、「キ-右」のすぐ下の欄の「右レンズの合成プリズム方向(°)」の値を示します。
【0141】
「S±度数(ディオプター)」を「ア-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「C-度数(ディオプター)」を「イ-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「軸角度(°)」を「ウ-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「水平方向の偏心量」を「エ-水平-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。「垂直方向の偏心量」を「エ-垂直-右」の欄のすぐ下の欄に入力します。
予め、[表2]、[表3]、[表4]、[表5]の各表の各項目に、プログラム計算式を入力設定しておきます。
入力設定したプロクラム計算式によって、「S±度数(ディオプター)」、「C-度数(ディオプター)」、「軸角度(°)」、「水平方向の偏心量」、「垂直方向の偏心量」に応じた値が、右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」が「オ-右」の欄のすぐ下に、「右レンズの合成プリズム方向(°)」が「キ-右」の欄の下に算出されます。
[表1]の右レンズの「補正プリズム量(プリズム)」である「オ-右」と、「右レンズの合成プリズム方向(°)」である「キ-右」の各値は、[表2]、[表3]、[表4]、[表5]の各項目のプログラム計算式によって算出されます。
【0142】
[表1]の左レンズの場合。各表の各項目の数値入力以外は、プログラム計算式の先頭には「=+」の記号を記します。[表6]、[表7]、[表8]、[表9]の各項目に、[段落0164]~[段落0177]に記載しているプログラム計算式を入力設定します。
【0143】
[表1]の「ア-左」とは、「ア-左」の欄のすぐ下の欄の「S±度数(ディオプター)」の値を示します。「イ-左」とは、「イ-左」の欄のすぐ下の欄の「C-度数(ディオプター)」の値を示します。「ウ-左」とは、「ウ-左」の欄のすぐ下の「軸角度(°)」の値を示します。「エ-水平-左」とは、「エ-水平-左」のすぐ下の欄の「水平方向の偏心量」の値を示します。「エ-垂直-左」とは、「エ-垂直-左」のすぐ下の欄の「垂直方向の偏心量」の値を示します。「オ-左」とは、「オ-左」のすぐ下の欄の左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」の値を示します。「カ-左」とは、「カ-左」のすぐ下の欄の「左レンズの合成プリズム方向(°)」の値を示します。
【0144】
「S±度数(ディオプター)」を「ア-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「C-度数(ディオプター)」を「イ-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「軸角度(°)」を「ウ-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「水平方向の偏心量」を「エ-水平-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。「垂直方向の偏心量」を「エ-垂直-左」の欄のすぐ下の欄に入力します。
予め、[表6]、[表7]、[表8]、[表9]の各表の各項目に、プログラム計算式を入力設定しておきます。
入力設定したプロクラム計算式によって、「S±度数(ディオプター)」、「C-度数(ディオプター)」、「軸角度(°)」、「水平方向の偏心量」、「垂直方向の偏心量」に応じて合成された値が、左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」が「オ-左」の欄のすぐ下に、「左レンズの合成プリズム方向(°)」が「カ-左」の欄の下に算出されます。
[表1]の左レンズの「補正プリズム量(プリズム)」である「オ-左」と、「左レンズの合成プリズム方向(°)」である「カ-左」の各値は、[表6]、[表7]、[表8]、[表9]の各項目のプログラム計算式によって算出されます。
【0145】
[表1]・[表2]・[表3]・[表4]・[表5]・[表6]・[表7]・[表8]・[表9]・[表10]・[表11]・[表12]・[表13]・[表14]・[表15]の詳細な説明。以下、各表の各項目のプログラム計算式はラジアン表記とします。
【0146】
[表1]の詳細な説明。
「ア-右」は、S度数(ディオプター)を入力する
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-右」は、C度数(ディオプター)を入力する
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-右」は、軸角度(°)を入力する
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-水平-右」は、水平方向の偏心量(mm)を入力する
記:右レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「エ-垂直-右」は、垂直方向の偏心量(mm)を入力する
記:右レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-右」は、=+[表2]の「オ-合成-右」の値
記:[表2]。右レンズの補正プリズム量(プリズム)
記:[表1]。右レンズの補正プリズム量(プリズム)
「キ-右」は、=+[表2]の「キ-合成-右」の値
記:[表2]。右レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表1]。右レンズの合成プリズム方向(°)
「ア-左」は、S度数(ディオプター)を入力する
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-左」は、C度数(ディオプター)を入力する
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-左」は、軸角度(°)を入力する
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-水平-左」は、水平方向の偏心量(mm)を入力する
記:左レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「エ-垂直-左」は、垂直方向の偏心量(mm)を入力する
記:左レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-左」は、=+[表6]の「オ-合成-左」の値
記:[表6]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表1]。補正プリズム量(プリズム)
「カ-左」は、=+[表6]の「カ-合成-左」の値
記:[表6]。左レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表1]。左レンズの合成プリズム方向(°)
【0147】
[表2]の「右-合成のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-右」は、=+[表1]の「ア-右」の値
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-右」は、=+[表1]の「イ-右」の値
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-右」は、=+[表1]の「ウ-右」の値
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-水平-右」は、=+[表1]の「エ-水平-右」の値
記:右レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「エ-垂直-右」は、=+[表1]の「エ-垂直-右」の値
記:右レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-合成-右」は、=+[表3]の「D-合成-右-左」の値
記:[表3]。合成補正プリズム量(プリズム)
記:[表2]。補正プリズム量(プリズム)
「キ-合成-右」は、=+[表3]の「F-合成-右」の値
記:[表3]。右レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表2]。右レンズの合成プリズム方向(°)
「オ-水平-右」は、=+[表4]の「オ-水平」の値
記:[表4]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表2]。水平の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-水平」は、=+[表3]の「キ-右-水平」の値
記:[表3]。右レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表2]。右レンズの水平プリズム方向(°)
「オ-垂直-右」は、=+[表3]の「垂直方向-右-左」の値
記:[表3]。垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
記:[表2]。垂直の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-垂直」は、=+[表3]の「キ-右-垂直」の値
記:[表3]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表2]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
「ヒ-合成」は、任意方向の角度(°)を入力する
記:仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)を求める時に、任意方向の角度(°)を入力する。
記:任意方向の角度(°)は、0°~180°とする
「フ-合成-任意-度数」は、=+「ア-右」+「イ-右」(SIN((「ウ-右」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-右」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)
「ヘ-合成」は、=+[表4]の「ヘ」の値
記:[表4]の仕上りレンズの水平方向のプリズム
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「モ-合成」は、=+[表4]の「モ」の値
記:[表4]。仕上り水平方向の度数
記:[表2]。仕上り水平方向の度数
【0148】
[表3]の「右-合成のプログラム計算式-2-左」の説明。
「水平方向-右-左」は、=+[表4]の「オ-水平」の値
記:[表4]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表3]。水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「垂直方向-右-左」は、=+[表5]の「オ-垂直」の値
記:[表5]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表3]。垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「D-合成-右-左」は、=+SQRT(「水平方向-右-左」「水平方向-右-左」+「垂直方向-右-左」「垂直方向-右-左」)
記:合成補正プリズム量(プリズム)
【0149】
[表3]の「右-合成のプログラム計算式-2-右」の説明。
「水平-水平」は、=+「水平方向-右-右」(COS(ABS(「キ-右-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の水平プリズム
記:「水平方向」COS(|「キ-右-水平」|)
「水平-垂直」は、=+「水平方向-右-右」(SIN(ABS(「キ-右-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の垂直プリズム
記:「水平方向」SIN(|「キ-右-水平」|)
「水平-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「水平-垂直」/「水平-水平」)(3.1415/180))
記:水平の補正角度(°)
記:|ATAN(「水平-垂直」/「水平-水平」)|
「ホ-水平-合成-右」は、=+[表4]の「ホ」の値
記:[表4]。「ヤ」COS(「ス」)で軸転換前のレンズの水平」水平方向の度数
「水平方向-右-右」は、=+[表4]の「オ-水平」の値
記:[表4]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表3]。水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-水平」は、=+[表4]の「キ-水平-右」の値
記:[表4]。右レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表3]。右レンズの水平プリズム方向(°)
「垂直-水平」は、=+「垂直方向-右-右」(COS(ABS(「キ-右-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の水平プリズム
記:「垂直方向」COS(|「キ-右-垂直」|)
「垂直-垂直」は、=+「垂直方向-右-右」(SIN(ABS(「キ-右-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の垂直プリズム
記:「垂直方向」SIN(|「キ-右-垂直」|)
「垂直-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「垂直-垂直」/「垂直-水平」)/(3.1415/180))
記:垂直の補正角度(°)
記:|ATAN(「垂直-垂直」/「垂直-水平」)|
「垂直方向-右-右」は、=+[表5]の「オ-垂直」の値
記:[表5]。補正プリズム量(プリズム)
記:垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「キ-右-垂直」は、=+[表5]の「キ-垂直-右」の値
記:[表5]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表3]。右レンズの垂直プリズム方向(°)
「A-合成-右-右」は、=+[表3]の(「水平-水平」+「垂直-水平」)の値
記:合計水平プリズム
記:「水平-水平」+「垂直-水平」
「B-合成-右-右」は、=+[表3]の(「水平-垂直」+「垂直-垂直」)の値
記:合計垂直プリズム
記:「水平-垂直」+「垂直-垂直」
「C-合成-右-右」は、=+ATAN(「B-合成-右-右」/「A-合成-右-右」)/(3.1415/180)
記:合成補正角度(°)
記:ATAN(「B-合成-右-右」/「A-合成-右-右」)
「D-合成-右-右」は、=+SQRT(「水平方向-右-右」「水平方向-右-右」+「垂直方向-右-右」「垂直方向-右-右」)
記:合成補正プリズム量(プリズム)
【0150】
「F-合成-右」は、
=+IF(「エ-垂直-右」=0、「キ-右-水平」、
IF(「エ-水平-右」=0、「キ-右-垂直」、
IF(「イ-右」=0、IF(「ア-右」>0、-「C-合成-右-右」、
IF(「ア-右」<0、180-「C-合成-右-右」、
IF(「ア-右」=0、IF(「イ-右」<0、180-「C-合成-右-右」、-「C-合成-右-右」))))、
IF(「ア-右」<0、IF(「イ-右」<0、
IF(「ウ-右」<=90、180+「C-合成-右-右」、180-「C-合成-右-右」)、
IF(「ア-右」+「イ-右」=0、180-「C-合成-右-右」、
IF(「ホ-水平-合成-右」>=0、360-ABS(「C-合成-右-右」)、
IF(「C-合成-右-右」>0、180+「C-合成-右-右」、360-ABS(「C-合成-右-右」)))))、
IF(「ア-右」+「イ-右」=0、IF(「ウ-右」<=90、ABS(「C-合成-右-右」)、
IF(「C-合成-右-右」<=0、360-ABS(「C-合成-右-右」)、「C-合成-右-右」))、
IF(「ア-右」=0、IF(「ウ-右」<=90、IF(「C-合成-右-右」<=0、180-ABS(「C-合成-右-右」)、
180+「C-合成-右-右」)、
180+ABS(「C-合成-右-右」))、
IF(「ホ-水平-合成-右」>=0、IF(「C-合成-右-右」>0、
IF(「ウ-右」<=90、「C-合成-右-右」、180+「C-合成-右-右」)、
IF(「ア-右」>0、360+「C-合成-右-右」、360+「C-合成-右-右」))、
IF(「C-合成-右-右」>0、IF(「ウ-右」<=90、
IF(「ア-右」<=0、180-「C-合成-右-右」、「C-合成-右-右」)、
180+ABS(「C-合成-右-右」))、
180-ABS(「C-合成-右-右」)))))))))
記:右レンズの合成プリズム方向(°)を求める
【0151】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-水平」は、「ア-水平」の欄のすぐ下の欄のS度数(ディオプター)を示します、「イ-水平」は、「イ-水平」の欄のすぐ下の欄のC度数(ディオプター)を示します。「ウ-水平」は、「ウ-水平」の欄のすぐ下の欄の軸角度(°)を示します。「エ-水平」は、「エ-水平」の欄のすぐ下の欄の水平方向の偏心量(mm)を示します。「オ-水平」は、「オ-水平」の欄のすぐ下の欄の右レンズの補正プリズム量(プリズム)を示します。「キ-水平-右」は、「キ-水平-右」の欄のすぐ下の欄の右レンズのプリズム方向(°)を示します。
以下、各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。各表においても各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示すものとします。「ク」、「ケ」、「コ」、「サ」、「シ」、「ス」、「セ」までは、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。
【0152】
[表4]の「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。「ソ」、「タ」、「チ」、「ツ」、「テ」、「ト」、「ナ」、「ニ」、「ヌ」、「ネ」、「ノ」、「ハ」までは、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。
【0153】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-3」の説明。各項目は、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。「ヒ」、「フ」、「ヘ」、「ホ」、「マ」、「ミ」、「ム」、「モ」、「ヤ」、「ユ」までは、各項目のすぐ下の欄の数値を示します。
【0154】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-水平」は、=+[表1]の「ア-右」の値
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-水平」は、=+[表1]の「イ-右」の値
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-水平」は、=+[表1]の「ウ-右」の値
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-水平」は、=+[表1]の「エ-水平-右」の値
記:右レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「オ-水平」は、=+IF(「ア-水平」>=0、IF(「イ-水平」<0、IF(ABS(「ア-水平」)<ABS(「イ-水平」)、「ネ」、「シ」)、「ネ」)、IF(「イ-水平」>0、IF(ABS(「ア-水平」)<=ABS(「イ-水平」)、「シ」、「ネ」)、「シ」))
記:[表4]。右レンズの補正プリズム量を求める
【0155】
[表4]の右レンズのプリズム方向(°)を求めるプログラム計算式。
「キ-水平-右」は、=+IF(「ア-水平」<0、IF(「イ-水平」=0、180、IF(「イ-水平」<0、IF(「ホ」=0、180、IF(「ウ-水平」<=90、180-「ス」、180+ABS(「ス」)))、IF(「ホ」=0、180、IF(「ホ」<0、IF(「ノ」<0、IF(「ニ」>0、ABS(「ノ」)、IF(「ウ-水平」<=90、180+ABS(「ノ」)、ABS(「ノ」)))、IF(「ニ」)>0、360-ABS(「ノ」)、180-ABS(「ノ」)))、
IF(「ウ-水平」<=90、360-ABS(「ノ」)、ABS(「ノ」))))))、
IF(「イ-水平」=0、0、IF(「イ-水平」>0、IF(「ホ」=0、360、IF(「ウ-水平」<=90、360-ABS(「ス」)、ABS(「ス」)))、
IF(ABS(「ア-水平」)>=ABS(「イ-水平」)、IF(「チ」<=90、360-「ノ」、ABS(「ノ」))、
IF(「ホ」>=0、IF(「ホ」=0、0、IF(「ウ-水平」<=90、ABS(「ス」)、360-ABS(「ス」)))、
IF(「ウ-水平」<=90、180-ABS(「ノ」)、180+ABS(「ノ」)))))))
記:[表4]。右レンズの水平方向のプリズム方向(°)を求める
【0156】
「ク」は、=+「ア-水平」(「エ-水平」/10)
記: 「ア-水平」の水平方向のプリズム
記:[表8]。S度数の水平方向のプリズム
「ケ」は、=+(「イ-水平」SIN(「ウ-水平」(3.1415/180))SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(「エ-水平」/10)
記:「イ-水平」の水平方向のプリズム
記:[表8]。C度数の水平方向のプリズム
「コ」は、=+(「ク」+「ケ」)の値
記:「ク」+「ケ」で水平方向の合計プリズム
「サ」は、=+「セ」COS(「ウ-水平」(3.1415/180))
記:「セ」COS(「ウ-水平」)で「イ-水平」の垂直方向プリズム
「シ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ホ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス」は、=+(ATAN(「サ」/「コ」))/(3.1415/180)
記:ATAN(「サ」/「コ」)により補正角度(°)を求める
「セ」は、=+「ケ」SIN(「ウ-水平」(3.1415/180))
記:「ケ」SIN(「ウ-水平」)で合成方向プリズム
記:[表3]。「F-合成-右」の右レンズの合成-プリズム方向(°)
【0157】
[表4]の「右-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ」は、=+(「ア-水平」+「イ-水平」)の値
記:軸転-換後のS度数(ディオプター)
「タ」は、=-「イ-水平」の値
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ」は、=+IF(「ウ-水平」<=90、90+「ウ-水平」、「ウ-水平」-90)
記:軸転換後の軸(°)
「ツ」は、=+「エ-水平」の値
記:軸転換後の偏心量(mm)
「テ」は、=+「オ-水平」の値
記:軸転換後の補正プリズム量
「ト」は、=+「ソ」(「ツ」/10)
記:軸転換後のS度数の水平方向のプリズム
「ナ」は、=+「タ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))(SIN(「チ」(3.1415/180)))(「ツ」/10)
記:軸転換後のC度数(ディオプター)の水平方向のプリズム
「二」は、=+(「ト」+「ナ」)の値
記:「ト」+「ナ」で軸転換後の水平方向の合計プリズム
「ヌ」は、=+「ハ」(COS(「チ」(3.1415/180)))
記:「ハ」(COS(「チ」))で軸転換後の「タ」の垂直方向のプリズム
「ネ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ミ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした軸転換後の補正プリズム量
「ノ」は、=+(ATAN(「(ヌ」/「二」))/(3.1415/180)
記:ATAN(「ヌ」/「二」)で軸転換後の補正角度(°)
「ハ」は、=+「ナ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))
記:軸転換後の合成方向のプリズム
【0158】
[表4]の「右-水平のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ」は、=+[表3]の「右-合成のプログラム計算式-2-右」の「水平-補正角度」の値
記:[表3]の「水平の補正角度」
「フ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」-「ヒ」)3.1415/180))(SIN(「ウ-水平」-「ヒ」)3.1415/180))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数(ディオプター)
「ヘ」は、=+「モ」(「エ-水平」/10)の値
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ」は、=+「ヤ」(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:(プリズム方向の度数)(COS(軸転換前の補正角度))
記:軸転換前のレンズの水平方向の度数
「マ」は、=+「ヘ」/(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/(COS(軸転換前の補正角度))
記:軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ」は、=+「ユ」COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(プリズム方向の度数)(COS(軸転換後の補正角度))
記:軸転換後のレンズの水平方向の度数
「ム」は、=+「ヘ」/(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/COS(軸転換後の補正角度)
記:軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0159】
[表5]の「右-垂直のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-垂直」は、=+[表1]の「ア-右」の値
記:右レンズのS度数(ディオプター)
「イ-垂直」は、=+[表1]の「イ-右」の値
記:右レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-垂直」は、=+[表1]の「ウ-右」の値
記:右レンズの軸角度(°)
「エ-垂直」は、=+[表1]の「エ-垂直-右」の値
記:右レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-垂直」は、=+IF(「ア-垂直」>=0、IF(「イ-垂直」<0、IF(ABS(「ア-垂直」)<ABS(「イ-垂直」)、「ネ-垂直」、「シ-垂直」)、「ネ-垂直」)、IF(「イ-垂直」>0、IF(ABS(「ア-垂直」)<=ABS(「イ-垂直」)、「シ-垂直」、「ネ-垂直」)、「シ-垂直」))
記:[表5]。右レンズの補正プリズム量(プリズム)を求める
【0160】
[表5]の右レンズの垂直プリズム方向(°)を求めるプログラム計算式の説明。
「キ-垂直-右」は、
=+IF(「ア-垂直」<0,IF(「イ-垂直」=0,270,IF(「イ-垂直」<0,IF(「ホ-垂直」=0,90,IF(「ウ-垂直」<=90,270+「ス-垂直」,270-ABS(「ス-垂直」))),
IF(「ホ-垂直」=0,90,IF(「ホ-垂直」<0,IF(「ウ-垂直」<=90,270+(「ノ-垂直」,270+「ノ-垂直」),IF(「ウ-垂直」<=90,270+ABS(「ノ-垂直」),90+ABS(「ノ-垂直」)))))),
IF(「イ-垂直」=0,90,IF(「イ-垂直」>0,IF(「ホ-垂直」=0,270,IF(「ウ-垂直」<=90,90+ABS(「ス-垂直」),90-ABS(「ス-垂直」))),
IF(ABS(「ア-垂直」)>=ABS(「イ-垂直」),IF(「チ-垂直」<=90,90+「ノ-垂直」,90-ABS(「ノ-垂直」)),
IF(「ホ-垂直」>=0,IF(「ウ-垂直」=90,90,IF(「ウ-垂直」<90、90-ABS(「ス-垂直」)、90+ABS(「ス-垂直」)))、
IF(「ウ-垂直」<=90、270+「ス-垂直」、270+「ス-垂直」))))))
記:[表5]。右レンズの垂直プリズム方向(°)を求める
【0161】
「ク-垂直」は、=+「ア-垂直」(「エ-垂直」/10)の値
記:S度数の垂直方向のプリズム
「ケ-垂直」は、=+(「イ-垂直」COS(「ウ-垂直」3.1415/180)COS(「ウ-垂直」3.1415/180))(「エ-垂直」/10)
記:C度数の垂直方向のプリズム
「コ-垂直」は、=+(「ク-垂直」+「ケ-垂直」)の値
記:垂直方向の合計プリズム
「サ-垂直」は、=+「セ-垂直」SIN(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:「イ-垂直」の水平方向のプリズム
「シ-垂直」は、=+ABS(IF(エ-垂直」=0、0、「ホ-垂直」(「エ-垂直」//10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス-垂直」は、=+(ATAN(「サ-垂直」/「コ-垂直」))/(3.1415/180)
記:補正角度
「セ-垂直」は、=+「ケ-垂直」COS(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:垂直の合成方向のプリズム
【0162】
[表5]の「右-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」の値
記:軸転換後のS度数(ディオプター)
「タ-垂直」は、=-「イ-垂直」の値
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ-垂直」は、=+IF(「ウ-垂直」<=90、90+「ウ-垂直」、「ウ-垂直」-90)
記:軸転換後の軸角度(°)
「ツ-垂直」は、=+「エ-垂直」の値
記:軸転換後の垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「テ-垂直」は、=+「オ-垂直」の値
記:軸転換後の補正プリズム量(プリズム)
「ト-垂直」は、=+「ソ-垂直」(「ツ-垂直」/10)の値
記:軸転換後のS度数の垂直方向のプリズム
「ナ-垂直」は、=+(「タ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))COS(「チ-垂直」(3.1415/180))(「ツ-垂直」/10)
記:軸転換後のC度数の垂直方向のプリズム
「ニ-垂直」は、=+(「ト-垂直」+「ナ-垂直」)の値
記:軸転換後の垂直方向の合計プリズム
「ヌ-垂直」は、=+「ハ-垂直」SIN(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の「タ-垂直」の水平方向のプリズム
「ネ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0、「ミ-垂直」(「エ-垂直」/10)))
記:軸転換後のプリズム方向を基にした補正プリズム量
「ノ-垂直」は、=+(ATAN(「ヌ-垂直」/「ニ-垂直」))/(3.1415/180)
記:軸転換後の補正角度
「ハ-垂直」は、=+「ナ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の垂直の合成方向のプリズム
【0163】
[表5]の「右-垂直のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ-垂直」は、=+[表3]の「垂直-補正角度」の値
記:[表3]の「右-合成のプロクラム計算式-2-右」の「垂直-補正角度」
「フ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN(「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN(「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数
「ヘ-垂直」は、=+「モ-垂直」(「エ-垂直」/10)の値
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ-垂直」は、=+「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」)で軸転換前のレンズの垂直方向の度数
「マ-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」)で軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ-垂直」は、=+「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」)で軸転換後の垂直方向の度数
「ム-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」)で軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180))(COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180))COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0164】
[表6]の「左-合成のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-左」は、=+[表1]の「ア-左」の値
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-左」は、=+[表1]の「イ-左」の値
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-左」は、=+[表1]の「ウ-左」の値
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-水平-左」は、=+[表1]の「エ-水平-左」の値
記:左レンズの水平方向(内側)の偏心(mm)
「エ-垂直-左」は、=+[表1]の「エ-垂直-左」の値
記:左レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-合成-左」は、=+[表7]の「D-合成-左-左」の値
記:[表7]。合成補正プリズム量(プリズム)
記:[表6]。補正プリズム量(プリズム)
「カ-合成-左」は、=+[表7]の「E-合成-左」の値
記:[表7]。左レンズの合成プリズム方向(°)
記:[表6]。左レンズの合成プリズム方向(°)
「オ-水平-左」は、=+[表8]の「オ-水平」の値
記:[表8]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表6]。水平の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-水平」は、=+[表7]の「カ-左-水平」の値
記:[表7]。左レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表6]。左レンズの水平プリズム方向(°)
「オ-垂直-左」は、=+[表7]の「垂直方向-左-左」の値
記:[表7]。垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
記:[表6]。垂直の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-垂直」は、=+[表7]の「カ-左-垂直」の値
記:[表7]。左レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表6]。左レンズの垂直プリズム方向(°)
「ヒ-合成」は、任意方向の角度(°)を入力する
記:仕上りレンズの任意方向の度数(ディオプター)を求める時に、任意方向の角度(°)を入力する
記:任意方向の角度(°)は、0°~180°とする
「フ-合成-任意-度数」は、=+「ア-左」+「イ-左」(SIN((「ウ-左」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-左」-「ヒ-合成」)(3.1415/180)))
記:記:仕上りレンズの任意方向の度数
「ヘ-合成」は、=+[表8]の「ヘ」の値
記:[表8]。仕上りレンズの水平方向のプリズム
記:[表6]。仕上りレンズの水平方向のプリズム
「モ-合成」は、=+[表8]の「モ」の値
記:[表8]。仕上り水平方向のの度数
記:[表6]。仕上りレンズの水平方向のの度数
【0165】
[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」の説明。
「水平-水平」は、=+「水平方向-左-左」(COS(ABS(「カ-左-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の水平プリズム
記:「水平方向-左-左」COS|「カ-左-水平」|)
「水平-垂直」は、=+「水平方向-左-左」(SIN(ABS(「カ-左-水平」)(3.1415/180)))
記:水平の垂直プリズム
記:「水平方向-左-左」SIN|「カ-左-水平」|)
「水平-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「垂直-垂直」/「水平-水平」)/(3.1415/180))
記:水平の補正角度(°)
記:|ATAN(「水平-垂直」/「水平-水平」)|
「ホ-水平-合成-左」は、=+[表8]の「ホ」の値
記:[表8]。「ホ」の水平方向の度数
「水平方向-左-左」は、=+[表8]の「オ-水平」の値
記:[表8]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。左レンズの「水平方向-左-左」で水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-水平」は、=+[表8]の「カ-水平-左」の値
記:[表8]。左レンズの水平プリズム方向(°)
記:[表7]。「カ-左-左」で左レンズの水平プリズム方向(°)
「垂直-水平」は、=+「垂直方向-左-左」(COS(ABS(「カ-左-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の水平プリズム
記:「垂直方向-左-左」(COS(ABS(「カ-左-垂直」)))
「垂直-垂直」は、=+「垂直方向-左-左」(SIN(ABS(「カ-左-垂直」)(3.1415/180)))
記:垂直の垂直プリズム
記:「垂直方向-左-左」SIN(|「カ-左-垂直」|)
「垂直-補正角度」は、=+ABS(ATAN(「垂直-垂直」/「垂直-水平」)/(3.1415/180))
記:垂直の補正角度(°)
記:|ATAN「(垂直-垂直)/「垂直-水平」」|
「垂直方向-左-左」は、=+[表9]の「オ-垂直」の値
記:[表9]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。「垂直方向-左」で垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「カ-左-垂直」は、=+[表9]の「カ-垂直-左」の値
記:[表9]。左レンズの垂直プリズム方向(°)
記:[表7]。「カ-左-垂直」で左レンズの垂直プリズム方向(°)
「A-合成-左-左」は、=+[表7]の(「水平-水平」+「垂直-水平」)の値
記:合計水平プリズム
「B-合成-左-左」は、=+[表7]の(「水平-垂直」+「垂直-垂直」)の値
記:合計垂直プリズム
「C-合成-左-左」は、=+ATAN(「B-合成-左-左」/「A-合成-左-左」)/(3.1415/180)
記:合成補正角度(°)
「D-合成-左-左」は、=+SQRT(「水平方向-左-左」「水平方向-左-左」+「垂直方向-左-左」「垂直方向-左-左」)
記:合成補正プリズム量(プリズム)
【0166】
「E-合成-左」は、
=+IF(「エ-垂直-左」=0、「カ-左-水平」、
IF(「エ-水平-左」=0、「カ-左-垂直」、
IF(「イ-左」=0、IF(「ア-左」>0、180+「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」<、360+「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」=0、IF(「イ-左」<0、360+「C-合成-左-左」、
180+「C-合成-左-左」))))、
IF(「ア-左」<0、IF(「イ-左」<0、
IF(「ウ-左」<=90、360+「C-合成-左-左」、
IF(「C-合成-左-左」>=0、「C-合成-左-左」、360-ABS(「C-合成-左-左」)))、
IF(「ア-左」+「イ-左」=0、360+「C-合成-左-左」、
IF(「ホ-水平-合成-左」>=0、180+ABS(「C-合成-左-左」)、
IF(「C-合成-左-左」>0、「C-合成-左」、180+ABS(「C-合成-左-左」)))))、
IF(「ア-左」+「イ-左」=0、180+「C-合成-左-左」、
IF(「ホ-水平-合成-左」>=0、IF(「C-合成-左-左」>0、180+「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」>0、IF(「ウ-左」<=90、360-ABS(「C-合成-左-左」)、180-ABS(「C-合成-左-左」))、
180+ABS(「C-合成-左-左」)))、
IF(「C-合成-左-左」>0、IF(「ウ-左」<=90、90-「C-合成-左-左」、「C-合成-左-左」)、
IF(「ウ-左」<=90、360+「C-合成-左-左」、
IF(「C-合成-左-左」>=0、「C-合成-左-左」、
IF(「ア-左」<=0、360-ABS(「C-合成-左-左」)、180-ABS(「C-合成-左-左」)))))))))))
記:[表7]。左レンズの合成プリズム方向(°)を求める
【0167】
[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-右」の説明。
「水平方向-左-右」は、=+[表8]の「オ-水平」の値
記:[表8]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。「水平方向-左-左」で水平方向の補正プリズム量(プリズム)
「垂直方向-左-右」は、=+[表9]の「オ-垂直」の値
記:[表9]。補正プリズム量(プリズム)
記:[表7]。「水平方向-左-左」で垂直方向の補正プリズム量(プリズム)
「D-合成-左-右」は、=+SQRT(「水平方向-左-右」「水平方向-左-右」+「垂直方向-左-右」「垂直方向-左-右」)
記:[表7]。「D-合成-左-左」で合成補正プリズム量(プリズム)
【0168】
[表8]の「左-水平のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-水平」は、=+[表1]の「ア-左」の値
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-水平」は、=+[表1]「のイ-左」の値
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-水平」は、=+[表1]の「ウ-左」の値
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-水平」は、=+[表1]の「エ-水平-左」の値
記:左レンズの水平方向(内側)の偏心量(mm)
「オ-水平」は、=+IF(「ア-水平」>=0、IF(「イ-水平」<0、IF(ABS(「ア-水平」)<ABS(「イ-水平」)、「ネ」、「シ」)、「ネ」)、IF(「イ-水平」>0、IF(ABS(「ア-水平」)<=ABS(「イ-水平」)、「シ」、「ネ」)、「シ」))
記:[表8]。左レンズの補正プリズム量(プリズム)を求める
【0169】
左レンズのプリズム方向(°)を求めるプログラム計算式の説明。
「カ-水平-左」は、=+IF(「ア-水平」<0、IF(「イ-水平」=0、0、IF(「イ-水平」<0、IF(「ホ」=0、0、IF(「ウ-水平」<=90、360-「ス」、ABS(「ス」)))、IF(「ホ」=0、0、IF(「ホ」<0、IF(「ノ」<0、IF(「ノ」<0、IF(「ノ」>0、180+ABS(「ノ」)、IF(「ウ-水平」<=90、ABS(「ノ」)、360-ABS(「ノ」)))、
IF(「ノ」>0、180+ABS(「ノ」)、360-ABS(「ノ」)))、
IF(「ウ-水平」<90、180-ABS(「ノ」)、360-ABS(「ノ」)))、
IF(「ウ-水平」)<=90、180-ABS(「ノ」、180+ABS(「ノ」))))))、
IF(「イ-水平」=0、180、IF(「イ-水平」>0、IF(「ホ」=0、180、IF(「ウ-水平」<=90、180-ABS(「ス」)、180+ABS(「ス」)))、
IF(ABS(「ア-水平」)>=ABS(「イ-水平」)、IF(「チ」<=90、180-「ノ」、180-「ノ」)、IF(「ホ」>=0、IF(「ホ」=0、180、IF(「ウ-水平」<=90、180-「ス」、180-「ス」))、IF(「ウ-水平」<=90、360-ABS(「ス」)、ABS(「ス」)))))))
記:[表8]。左レンズの水平プリズム方向(°)を求める
【0170】
「ク」は、=+「ア-水平」(「エ-水平」/10)の値
記:「ア-水平」の水平プリズム
記:[表8]。S度数の水平方向のプリズム
「ケ」は、=+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180))*(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(「エ-水平」/10)
記:「イ-水平」の水平方向のプリズム
記:C度数の水平方向のプリズム
「コ」は、=+「ク」+「ケ」の値
記:「ク」+「ケ」で水平方向の合計プリズム
「サ」は、=+「セ」(COS(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:「セ」COS(「ウ-水平」)で「イ-水平」の垂直方向のプリズム
「シ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ホ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス」は、=+ATAN(「サ」/「コ」)/(3.1415/180)
記:ATAN(「サ」/「コ」)で補正角度
「セ」は、=+「ケ」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:「ケ」SIN(「ウ-水平」)で合成方向のプリズム
記:[表7]。「E-合成-左」の左レンズの合成プリズム方向(°)
【0171】
[表8]の「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ」は、=+(「ア-水平」+「イ-水平」)の値
記:軸転換後のS度数(ディオプター)
「タ」は、=-「イ-水平」の値
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ」は、=+IF(「ウ-水平」<=90、90+「ウ-水平」、「ウ-水平」)
記:軸転換後の軸角度(°)
「ツ」は、=+「エ-水平」の値
記:軸転換後の偏心量(mm)
「テ」は、=+「オ-水平」の値
記:軸転換後の補正プリズム量(プリズム)
「ト」は、=+「ソ」*(「ツ」/10)の値
記:軸転換後のS度数の水平方向のプリズム
「ナ」は、=+「タ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))(SIN(「チ」(3.1415/180)))(「ツ」/10)
記:軸転換後のC度数の水平方向のプリズム
「二」は、=+(「ト」+「ナ」)の値
記:「ト」+「ナ」で軸転換後の水平方向の合計プリズム
「ヌ」は、=+「ハ」(COS(「チ」(3.1415/180)))
記:「ハ」(COS(「チ」))で軸転換後の「タ」の垂直方向のプリズム
「ネ」は、=+ABS(IF(「エ-水平」=0、0、「ミ」(「エ-水平」/10)))
記:プリズム方向を基にした軸転換後の補正プリズム量
「ノ」は、=+(ATAN(「(ヌ」/「二」))/(3.1415/180)
記:ATAN(「ヌ」/「二」)で軸転換後の補正角度
「ハ」は、=+「ナ」(SIN(「チ」(3.1415/180)))
記:軸転換後の合成方向のプリズム
【0172】
[表8]の「左-水平のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ」は、=+[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」の「水平-補正角度」の値
記:[表7]の「水平-補正角度」
「フ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」-「ヒ」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」-「ヒ」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数(ディオプター)
「ヘ」は、=+「モ」(「ツ」/10)の値
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ」は、=+「ヤ」(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:軸転換前のレンズの水平方向の度数
「マ」は、=+「ヘ」/(COS(「ス」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/(COS(軸転換前の補正角度))
記:軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ」は、=+「ユ」(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(プリズム方向の度数)(COS(軸転換後の補正角度))
記:軸転換後のレンズの水平方向の度数
「ム」は、=+「ヘ」/(COS(「ノ」(3.1415/180)))
記:(仕上りレンズの水平方向のプリズム)/(COS(軸転換後の補正角度))
記:軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))(SIN(「ウ-水平」(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ス」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ」は、=+「ア-水平」+「イ-水平」(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-水平」+「ノ」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0173】
[表9]の「左-垂直のプログラム計算式-1」の説明。
「ア-垂直」は、=+[表1]の「ア-左」の値
記:左レンズのS度数(ディオプター)
「イ-垂直」は、=+[表1]の「イ-左」の値
記:左レンズのC度数(ディオプター)
「ウ-垂直」は、=+[表1]の「ウ-左」の値
記:左レンズの軸角度(°)
「エ-垂直」は、=+[表1]の「エ-垂直-左」の値
記:左レンズの垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「オ-垂直」は、=+IF(「ア-垂直」>=0、IF(「イ-垂直」<0、IF(ABS(「ア-垂直」)<ABS(「イ-垂直」)、「ネ-垂直」、「シ-垂直」)、「ネ-垂直」)、IF(「イ-垂直」>0、IF(ABS(「ア-垂直」)<=ABS(「イ-垂直」)、「シ-垂直」、「ネ-垂直」)、「シ-垂直」))
記:[表9]。左レンズの補正プリズム量(プリズム)を求める
【0174】
左レンズの垂直方向(°)を求めるプログラム計算式の説明。
「カ-垂直-左」は、
=+IF(「ア-垂直」<0,IF(「イ-垂直」=0,270,IF(「イ-垂直」<0,IF(「ホ-垂直」=0,0,IF(「ウ-垂直」<=90,270+「ス-垂直」,270-ABS(「ス-垂直」))),
IF(「ホ-垂直」=0,0,IF(「ホ-垂直」<0,IF(「ウ-垂直」<=90,270-ABS(「ノ-垂直」),270+ABS(「ノ-垂直」)),IF(「ウ-垂直」<=90,90+ABS(「ノ-垂直」),90-ABS(「ノ-垂直」)))))),
IF(「イ-垂直」=0,90,IF(「イ-垂直」>0,IF(「ウ-垂直」=90,90,IF(「ウ-垂直」<90,90+ABS(「ス-垂直」),90-ABS(「ス-垂直」))),
IF(ABS(「ア-垂直」)>=ABS(「イ-垂直」),IF(「チ-垂直」<=90,90+「ノ-垂直」,90+「ノ-垂直」),IF(「ホ-垂直」>=0,IF(「ウ-垂直」=90,90,IF(「ウ-垂直」<90,90+ABS(「ス-垂直」),270-「ス-垂直」)),
IF(「ウ-垂直」=90,270、IF(「ウ-垂直」<90、270+「ス-垂直」、270-ABS(「ス-垂直」))))))))
記:[表9]。左レンズの垂直プリズム方向(°)を求める
【0175】
「ク-垂直」は、=+「ア-垂直」(「エ-垂直」/10)の値
記:S度数の垂直方向のプリズム
「ケ-垂直」は、=+(「イ-垂直」COS(「ウ-垂直」(3.1415/180))COS(「ウ-垂直」(3.1415/180)))(「エ-垂直」/10)
記:C度数の垂直方向のプリズム
「コ-垂直」は、=+(「ク-垂直」+「ケ-垂直」)の値
記:垂直方向の合計プリズム
「サ-垂直」は、=+「セ-垂直」SIN(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:「イ-垂直」の水平方向のプリズム
「シ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0、「ホ-垂直」(「エ-垂直」/10)))
記:プリズム方向を基にした補正プリズム量
「ス-垂直」は、=+(ATAN(「サ-垂直」/「コ-垂直」))/(3.1415/180)
記:補正角度
「セ-垂直」は、=+「ケ-垂直」COS(「ウ-垂直」(3.1415/180))
記:垂直の合成方向のプリズム
【0176】
[表9]の「左-垂直の軸転換後のプログラム計算式-2」の説明。
「ソ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」の値
記:軸転換後のS度数(ディオプター)
「タ-垂直」は、=-[表9]の-「イ-垂直」の値
記:軸転換後のC度数(ディオプター)
「チ-垂直」は、=+IF(「ウ-垂直」<=90、90+「ウ-垂直」、「ウ-垂直」-90)
記:軸転換後の軸角度(°)
「ツ-垂直」は、=+「エ-垂直」の値
記:軸転換後の垂直方向(上側)の偏心量(mm)
「テ-垂直」は、=+「オ-垂直」の値
記:軸転換後の補正プリズム量(プリズム)
「ト-垂直」は、=+「ソ-垂直」(「ツ-垂直」/10)の値
記:軸転換後のS度数の垂直方向のプリズム
「ナ-垂直」は、=+(「タ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))COS(「チ-垂直」(3.1415/180)))/(「ツ-垂直」/10)
記:軸転換後のC度数の垂直方向のプリズム
「ニ-垂直」は、=+(「ト-垂直」+「ナ-垂直」)の値
記:軸転換後の垂直方向の合計プリズム
「ヌ-垂直」は、=+「ハ-垂直」SIN(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の「タ-垂直」の水平方向のプリズム
「ネ-垂直」は、=+ABS(IF(「エ-垂直」=0、0、「ミ-垂直」(「エ-垂直」/10)))
記:軸転換後のプリズム方向を基にした補正プリズム量
「ノ-垂直」は、=+(ATAN(「ヌ-垂直」/「ニ-垂直」))/(3.1415/180)
記:軸転換後の補正角度
「ハ-垂直」は、=+「ナ-垂直」COS(「チ-垂直」(3.1415/180))
記:軸転換後の垂直の合成方向のプリズム
【0177】
[表9]の「左-垂直のプログラム計算式-3」の説明。
「ヒ-垂直」は、=+[表7]の「垂直-補正角度」の値
記:[表7]の「左-合成のプログラム計算式-2-左」の「垂直-補正角度」
「フ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN((「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN(「ウ-垂直」-「ヒ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上りレンズの補正角度方向の度数
「ヘ-垂直」は、=+「モ-垂直」(「エ-垂直」/10)の値
記:仕上りレンズの水平方向のプリズム
「ホ-垂直」は、=+「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヤ-垂直」COS(「ス-垂直」)で軸転換前のレンズの垂直方向の度数
「マ-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ス-垂直」)で軸転換前のプリズム方向のプリズム
「ミ-垂直」は、=+「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ユ-垂直」COS(「ノ-垂直」)で軸転換後の垂直方向の度数
「ム-垂直」は、=+「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」(3.1415/180))
記:「ヘ-垂直」/COS(「ノ-垂直」)で軸転換後のプリズム方向のプリズム
「モ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))(SIN((「ウ-垂直」)(3.1415/180)))
記:仕上り水平方向の度数
「ヤ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180))COS((「ウ-垂直」-「ス-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換前のプリズム方向の度数
「ユ-垂直」は、=+「ア-垂直」+「イ-垂直」(COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180)COS((「ウ-垂直」-「ノ-垂直」)(3.1415/180)))
記:軸転換後のプリズム方向の度数
【0178】
[表10]についての説明。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向(内側)の偏心量3.0mmの場合です。[実施例1]の結果の表です。結果内容は、[実施例1]を参照して下さい。[表10]は、左レンズの「左-合成のプログラム計算式-1」の表です。[表10]のプログラム計算式は、[表6]と同じです。
【0179】
[表11]についての説明。[表11]は、左レンズの「左-合成のプログラム計算式-2-左」と「左-合成のプログラム計算式-2-右」とに分かれています。左レンズの水平と垂直を合成する表です。[表11]のプログラム計算式は、[表7]と同じです。
【0180】
[表12]についての説明。[表12]は、「左-水平のプロクラム計算式-1」と「左-水平の軸転換後のプログラム計算式-2」と「左-水平のプログラミング計算-3」とに分かれています。左レンズの水平方向(内側)のみを偏心する場合の表です。[表12]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。偏心は水平方向(内側)のみなので、垂直方向(上側)の表はありません。
【0181】
[表13]についての説明。[実施例2]の結果の表です。結果内容は、[実施例2]を参照して下さい。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向(内側)の偏心量は2.55mmとし、「ノ」の補正角度の欄に60°を入力した場合の表です。[表13]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。但し、「ヒ」と「フ」は省略しています。
【0182】
[表14]についての説明。左レンズで、S-1.00D、C-3.00D、軸角度30°、水平方向(内側)の偏心量は3.0mmです。左レンズで、マイナスレンズの場合です。前特開の[実施例2]の場合です。
前特開の[表2]では、左レンズの「補正プリズム量」は0.77プリズムでした。「プリズム方向」は345°方向でした。本願では、「補正プリズム量」は0.67プリズムです。「プリズム方向」は、349°方向です。[表14]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。但し、「ヒ」と「フ」は省略しています。
【0183】
[表15]についての説明。左で、S+1.00D、C-3.00D、軸角度35.265°、水平方向(内側)の偏心量は3.0mmの場合です。左レンズで、混合レンズです。
前特開の[表3]では、「軸角度」は19°でした。「補正プリズム量」は、0.09プリズムでした。「プリズム方向」は、266°方向でした。「水平方向の合計プリズム」は、0.01プリズムでした。
本願では、「軸角度」を35.265°としました「オ-水平」の「補正プリズム量」は、0.00プリズムです。「カ-水平-左」の「左レンズの水平プリズム方向」は、270°方向です。「コ」の「水平方向の合計プリズム」は、0.00プリズムです。「ホ」の「軸転換前のレンズの水平方向の度数」は、0.00Dです。
「ウ-水平」の「軸角度」を144.735°とすると、「オ-水平」の「補正プリズム量」は、0プリズムになります。「カ-水平-左」の「左レンズの水平プリズム方向」は、90°方向になります。[表15]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。但し、「ヒ」と「フ」は省略しています。
【0184】
[表16]の説明。表の作成方法についての説明。プラスレンズの場合です。「A」、「B」、「C」、「D」、「入力-中心厚」、「E」、「F」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」までの説明。「A」とは、この表の「A」の欄のすぐ下の欄にレンズの口径(mm)を入力します。「B」とは「B」の欄のすぐ下の欄にレンズの屈折率を入力します。「C」とは表の「C」の欄のすぐ下にレンズの表面の半径(mm)を入力して、「R1」とします。「D」とは表の「D」の欄のすぐ下にレンズの内面の半径(mm)を入力して、「R2」とします。「入力-中心厚」には、プラスレンズの場合は[表16]の「入力-中心厚」の欄のすぐ下にプラスレンズの中心厚を考慮しない場合の「CT2」の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズの場合は、「入力-中心厚」の欄のすぐ下にマイナスレンズの「F」の中心厚(mm)を入力します。「E」とは表の「E」の欄のすぐ下にプラスレンズの場合において、最小フチ厚(mm)を入力します。「F」とは表の「F」の欄のすぐ下にマイナスレンズの場合において、中心厚(mm)を入力します。
【0185】
次に、「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-1」で、「R1」、「R2」、「R3」、「D1」、「D2」、「D3」、「D4」、「CT2」、「CT3」、「EG2」、「EG3」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」までの欄のすぐ下の各欄に、下記に記載しているプログラム計算式を入力します。
そして、下記の中心厚とフチ厚の各プログラム計算式によって、「R1」、「R2」、「R3」、「D1」、「D2」、「D3」、「D4」、「CT2」、「CT3」、「EG2」、「EG3」の値を算出します。
「R1」とは「R1」のすぐ下の欄の数値を指し、レンズの表面(おもてめん)の半径(mm)です。
「R2」とは「R2」のすぐ下の欄の数値を指し、レンズの内面(ないめん)の半径(mm)です。
「R3」とは「R3」のすぐ下の欄の数値を指し、中心厚を考慮した場合の内面(ないめん)の半径(mm)です。
「D1」とは「D1」のすぐ下の欄の数値を指し、R1(表面)のディオプターカーブです。
「D2」とは「D2」のすぐ下の欄の数値を指し、R2(内面)のディオプターカーブです。
「D3」とは「D3」のすぐ下の欄の数値を指し、中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブです。
「D4」とは「D4」のすぐ下の欄の数値を指し、[「D1」-「D2」]と減じることによって得られる、レンズの度数(ディオプター)です。
「CT2」とは「CT2」のすぐ下の欄の数値を指し、プラスレンズで中心厚を考慮しない場合のレンズの中心厚(mm)です。
「CT3」とは「CT3」のすぐ下の欄の数値を指し、プラスレンズで中心厚を考慮した場合のレンズの中心厚(mm)です。
「EG2」とは「EG2」のすぐ下の欄の数値を指し、マイナスレンズで中心厚を考慮しない場合のレンズのフチ厚(mm)です。
「EG3」とは「EG3」のすぐ下の欄の数値を指し、マイナスレンズで中心厚を考慮した場合のレンズのフチ厚(mm)です。
【0186】
プラスレンズの場合は「CT2」の値は正の値となり、「M」の値は負の値となります。「M」の絶対値をとり「EG2」の値を正の値とします。マイナスレンズの場合は「CT2」の値は負の値となり、「M」の値は正の値となります。「M」の値の絶対値をとり、「M」+「F」を「EG2」とし、「EG2」の値を正の値とします。レンズがプラスレンズかマイナスレンズか平板(度数がゼロ)によって、値が正か負かゼロになります。値が正の場合が求めるレンズの中心厚の値となります。
プラスレンズの場合は、フチ厚がゼロの時の中心厚が「CT2」および「CT3」の中心厚の値となります。「E」の欄の下に、任意の最小フチ厚を入力すれば、「CT2」および「CT3」に中心厚が算出されます。
マイナスレンズの場合は、中心厚がゼロの時のフチ厚が「EG2」および「EG3」のフチ厚の値となっています。「F」の欄の下に、任意の中心厚(>0)を入力すれば、「EG2」および「EG3」にフチ厚が算出されます。
【0187】
中心厚を考慮した場合の「CT3」と「EG3」も同様です。「CT2」、「CT3」、「EG2」、「EG3」、は、「A」のレンズの口径(mm)や、「C」のレンズの表面(おもてめん)の半径(mm)や、「D」のレンズの内面(ないめん)の半径(mm)によって異なってきます。
【0188】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-2」は、中心厚を考慮しない場合の値です。以下、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」まで、各欄のすぐ下のプログラム計算式を指します。
【0189】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-3」は、中心厚を考慮した場合の値です。「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」まで、各欄のすぐ下のプログラム計算式を指します。
【0190】
[表16]および[表17]は、同じプログラム計算式です。[表16]は、S+1.00Dのプラスの球面レンズの場合の表です。[表17]は、S-1.00Dのマイナスの球面レンズの場合の表です。
【0191】
中心厚とフチ厚を求めるプログラム計算式の説明。以下の項目の欄の下に数値を入力する。
「A」は、レンズの口径(mm)を入力する
「B」は、レンズの屈折率を入力する
「C」は、レンズの表面の半径(mm)を入力する
「D」は、レンズの内面の半径(mm)を入力する
「入力-中心厚」は、プラスレンズの場合はプログラム計算式により算出した「プラスレンズで中心厚を考慮しない場合」の「CT2」の値か、マイナスレンズの場合は「F」の中心厚の値を入力する
「E」は、プラスレンズの場合で最小フチ厚(mm)を入力する
「F」は、マイナスレンズの場合で中心厚(mm)を入力する
【0192】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-1」の説明。
「R1」は、=+「C」
記:レンズの表面の半径(mm)
「R2」は、=+「D」
記:レンズの内面の半径(mm)
「R3」は、=+((「B」-1)/「D3」)1000
記:レンズの中心厚を考慮した場合のレンズの内面の半径(mm)
「D1」は、=+((「B」-1)/「C」)1000
記:レンズの表面のディオプターカーブ
「D2」は、=+((「B」-1)/「D」)1000
記:レンズの内面のディオプターカーブ
「D3」は、=+「B」(「D1」-(「D1」-「D2」))/(「B」-(「CT2」/1000)「D1」)
記:中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブ
「D4」は、=+「D1」-「D2」
記:R1の(表面)のディオプターカーブから、R2の(内面)のディオプターカーブを減じることによって得られる、レンズの度数(ディオプター)
「CT2」は、=+「L」
記:プラスレンズの中心厚を考慮しない場合の中心厚(mm)
「CT3」は、=+「S」
記:プラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)
「EG2」は、=+「M」+「F」
記:マイナスレンズで中心厚を考慮しない場合のフチ厚(mm)
「EG3」は、=+「T」+「F」
記:マイナスレンズで中心厚を考慮した場合のフチ厚(mm)
【0193】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-2(中心厚を考慮しない場合)」の説明。
「G」は、=+SQRT(「R1」「R1」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図14]の7の接点で、[表16]の「G」でY1の値(円の公式より求める)
「H」は、=+SQRT(「R2」「R2」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図14]の6の接点で[表16]の「H」でY2の値(円の公式より求める)
「I」は、=+「H」-「G」
記:[図14]の10で[表16]の(内面のY2の値-表面のY1の値)
「J」は、=+「R2」-「R1」
記:[図14]の11で、[表16]の(内面の半径の値-表面の半径の値)
「K」は、=+「I」-「J」
記:[図14]の12で、[表16]のプラスレンズの中心厚
「L」は、=+「K」+「E」
記:プラスレンズの場合で、[表16]の「K」の中心厚に最小フチ厚を加えた値
「M」は、=+「J」-「I」
記:マイナスレンズの場合で、[表17]の中心厚を考慮しない場合のフチ厚
記:[表16]のプラスレンズでは、マイナスの表示となります
記:[表17]のマイナスレンズでは、プラスの表示となります
【0194】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-3(中心厚を考慮した場合)」の説明。
「N」は、=+SQRT(「R1」「R1」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図14]の7の接点で、[表16]の「G」で、表面のY1の値(円の公式より求める)
「O」は、=+SQRT(「R3」「R3」-(「(A」/2)(「A」/2))
記:中心厚を考慮した内面の半径「R3」による表面のY3の値(円の公式より求める)
「P」は、=+「O」-「N」
記:[表16]の(内面のY3の値-表面のY1の値)
「Q」は、=+「R3」-「R1」
記:[表16]の中心厚を考慮した場合の(内面の半径の値-表面の半径の値)
「R」は、=+「P」-「Q」
記:[表16]の中心厚を考慮した場合のプラスレンズの中心厚
「S」は、=+「R」+「E」
記:プラスレンズで中心厚を考慮した場合で、[表16]の「R」の中心厚に、「E」の最小フチ厚を加えた値
「T」は、=+「Q」-「P」
記:マイナスレンズで、[表17]の中心厚を考慮した場合のフチ厚
記:[表16]のプラスレンズでは、マイナスの表示となります
記:[表17]のマイナスレンズでは、プラスの表示となります
【0195】
[表16]の場合。口径が65(mm)の時、「E」のプラスレンズの最小フチ厚が0.0(mm)の時の「CT2」は、1.13(mm)です。この時、マイナスレンズの中心厚を0.0(mm)にすれば、マイナスレンズの「EG2」であるフチ厚は、1.13(mm)になります。つまり、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)と、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)を0.0(mm)にすれば、「CT2」と「EG2」は同じになります。「CT3」と「EG3」も同じ値になります。プラスレンズの中心厚とマイナスレンズのフチ厚は、同じとなります。
【0196】
[表17]の説明。S-1.00Dの球面レンズの場合の表です。マイナスレンズの場合です。表の様式とプログラム計算式は[表16]と同じです。「A」の口径は、65(mm)とします。「B」の屈折率は、1.50とします。「C」のレンズの表面の半径は、100(mm)とします。「D」のレンズの内面の半径は、83.3(mm)とします。「入力-中心厚」は、「F」で入力した値を入力します。「E」のプラスレンズの最小フチ厚は、0.0(mm)とします。「F」のマイナスレンズの中心厚(>0)は、1.0(mm)とします。以上の各欄の下に、各数値を入力します。
【0197】
[表17]の場合。口径が65(mm)の時、「E」のプラスレンズの最小フチ厚が0.0(mm)の時の「CT2」は、-1.17(mm)です。この時、マイナスレンズの中心厚を0.0(mm)にすれば、マイナスレンズの「EG2」であるフチ厚は、1.17(mm)になります。つまり、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)と、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)を0.0(mm)にすれば、「CT2」と「EG2」の絶対値は同じになります。「CT3」と「EG3」も、絶対値は同じ値になります。プラスレンズの中心厚とマイナスレンズのフチ厚の絶対値は、同じとなります。
マイナスレンズの時、「EG2」のフチ厚は、「M」に「F」で入力する任意の中心厚(>0)を加算したフチ厚となります。「F」の任意の中心厚を1.0(mm)とした場合、「EG2」=「M」+「F」=1.17+1.0=2.17(mm)となります。「EG3」は、「T」に「F」で入力する任意の中心厚(>0)を加算したフチ厚となります。「F」の任意の中心厚を1.0(mm)とした場合、「EG3」=「T」+「F」=1.20+1.0=2.20(mm)となります。
【0198】
[表16]の中心厚とフチ厚についての説明。[表16]は、S+1.00Dの球面のプラスレンズの場合の表です。口径(mm)を「A」の欄の下に入力します。屈折率を「B」の欄の下に入力します。レンズの表面の半径(mm)を、「C」の欄の下に入力します。レンズの内面の半径(mm)を、「D」の欄の下に入力します。
プラスレンズの場合、最小フチ厚(mm)を「E」の欄の下に入力します。マイナスレンズの場合、中心厚(mm)を「F」の欄の下に入力します。[表16]では、0(ゼロ)と入力しています。
入力後、[表16]のプログラム計算式によって算出された「CT2」の中心厚(mm)を、「入力-中心厚」の欄の下に入力します。「入力-中心厚」には、プラスレンズであれば、「CT2」の中心厚を考慮しない場合の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズであれば、「F」で入力した中心厚(mm)を入力します。
【0199】
[表16]では、「A」の口径は65(mm)と入力しました。「B」の屈折力は1.50と入力しました。「C」のレンズの表面カーブの半径は、100(mm)と入力しました。「D」のレンズの内面カーブの半径は、125(mm)と入力しました。プラスレンズの最小フチ厚は、0.0(mm)と入力しました。「F」のマイナスレンズの中心厚は、0.0(mm)と入力しました。
【0200】
[表16]のプログラム計算式の説明。[段落0011]の式より、R=(n-1)/Dです。D=(n-1)/Rとできます。Rは、半径(m、メートル)です。Dは、度数(ディオプター)です。nは、レンズの屈折率です。[表16]の「C」の表面カーブの半径(mm)から、R=(n-1)/Dの式より、R1(表面)の「D1」を求めます。D=(n-1)/Rです。「B」の屈折率は、1.50です。「C」の表面の半径(mm)は、0.1(m)=100(mm)です。各値を式に代入します。R1(表面)の「D1」は、D1=(1.50-1)/0.1=0.50/0.1=5.00より、D1=5.00です。R1(表面)の「D1」を、「5.00D」のディオプターカーブとします。
[表16]の「D」の内面カーブの半径(mm)から、R=(n-1)/Dの式より、R2(内面)の「D2」を求めます。D=(n-1)/Rです。「B」の屈折率は、1.50です。「D」の内面カーブの半径(mm)は、0.125(m)=125(mm)です。各値を式に代入します。R2(内面)の「D2」は、D2=(1.50-1)/0.125=0.50/0.125より、D2=4.00です。R2(内面)の「D2」を、「4.00D」のディオプターカーブとします。
【0201】
[段落0014]の「レンズの屈折率と厚みと度数と表面のディオプターカーブと内面のディオプターカーブの関係式は、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)です。nは、レンズの屈折率です。dは、レンズの中心厚(m)です。D1は、表面のディオプターカーブです。D2は、内面のディオプターカーブです。D0は、レンズの度数(ディオプター)です。
【0202】
[表16]のR2(内面)の「D2」は、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式より求めます。dのレンズの中心厚(m)は、考慮しない場合として、d=0とします。
nのレンズの屈折率は1.50、R1(表面)の「D1」の表面のディオプターカーブは5.00D、D0のレンズの度数(ディオプター)は+1.00Dを、上記の式に代入します。R2(内面)の「D2」は、D2=1.50(5.00-1.00)/1.50=4.00となります。[段落0200]と同じ結果になります。
【0203】
[表16]の「D3」の中心厚を考慮した内面カーブについての説明。「D3」のレンズの中心厚(m)を考慮した場合です。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式において、D2をD3に置き換えます。D3=n(D1-D0)/(n-dD1)とします。nは、レンズの屈折率です。dは、レンズの中心厚(m)です。[表16]のR1(表面)の「D1」は、表面のディオプターカーブです。R3(内面)の「D3」は、中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブです。D0は、レンズの度数(ディオプター)です。
dの中心厚(m)は、プラスレンズなので、[表16]の「CT3」で求めた中心厚とします。1.11(mm)です。メートルに換算します。d=1.11(mm)/1000=0.00111(m)です。D0の度数(ディオプター)は、+1.00Dです。中心厚を考慮した内面のディオプターカーブである「D3」の値を求めます。
[表16]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、D3=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に、nのレンズの屈折率の1.50、dのレンズの中心厚の0.00111(m)、「D1」の表面のディオプターカーブの5.00D、D0のレンズの度数(ディオプター)の+1.00Dを代入して求めます。D3=1.50(5.00-1.00)/(1.50-0.001115.00)=4.0148となります。「D3」の値は、正確には4.0148Dです。[表16]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、「4.02D」です。
【0204】
[表16]の「プログラム計算式-1」の「CT2」の中心厚は、「プログラム計算式-2」の「L」の値です。[表16]のマイナスレンズの中心厚の「F」は、0.0(ゼロ)と入力しました。
「マイナスレンズで中心厚を考慮しない場合」の「EG2」のフチ厚は、「プログラム計算式-2」の[「M」の絶対値の値です。
「マイナスレンズで中心厚を考慮した場合」の「EG3」のフチ厚は、「プログラム計算式-3」の[「T」の絶対値の値です。
【0205】
[表16]の中心厚を考慮した場合の中心厚は、「CT3」の1.11(mm)です。「D3」の内面のディオプターカーブは、「4.02D」です。仕上りレンズの度数を「+1.00D」にするために、「D2」の「4.00D」より「0.02D」の湾曲の強い半径の内面のディオプターカーブにします。R2(内面)のディオプターカーブの「4.00D」を、R3(内面)のディオプターカーブの「4.02D」にします。「R2」の125(mm)の内面の半径(mm)を、中心厚を考慮した内面の半径(mm)である「R3」の124.53(mm)にします。「CT2」の1.13(mm)の中心厚を、中心厚を考慮した「CT3」の1.11(mm)にします。「D3」の内面のディオプターカーブを「4.02D」にすることで、仕上りレンズの度数は+1.00Dになります。レンズは、0.02(mm)薄く仕上ります。
【0206】
[表16]の「D4」のレンズの度数は、[「D1」-「D2」]によって得られます。「R3」の中心厚を考慮した内面の半径(mm)は、R=(n-1)/Dの式に、nのレンズの屈折率と中心厚を考慮した「D3」の内面のディオプターカーブの値を代入して求めます。中心厚を考慮した「R3」の内面の半径(mm)で、CG機により半製品レンズの内面を切削加工します。
【0207】
半径(カーブ)の説明。[表16]の「R1」は、半製品レンズの表面のカーブである[表16]の「C」のレンズの表面の半径(mm)です。「R3」は、CG機で半製品レンズを切削加工する時の内面の半径(mm)のです。「D3」は、[表16]の各プログラム計算式によって得られた中心厚を考慮した内面のディオプターカーブです。
「D4」であるレンズの度数(ディオプター)は、[「D1」-「D2」]の度数です。本願で用いている「S±度数」及び「C±度数」とは、「D4」のレンズの度数(ディオプター)のことです。
【0208】
[表17]の中心厚とフチ厚についての説明。[表17]は、S-1.00Dの球面のマイナスレンズの場合の表です。口径(mm)を「A」の欄の下に入力します。屈折率を「B」の欄の下に入力します。レンズの表面の半径(mm)を「C」の欄の下に入力します。レンズの内面の半径(mm)を「D」の欄の下に入力します。
プラスレンズの場合は、最小フチ厚(mm)を「E」の欄の下に入力します。[表17]では、「E」の値は0.0(mm)と入力しています。マイナスレンズの場合は、中心厚(mm)を「F」の欄の下に入力します。[表17]では、1.0(mm)と入力しています。
【0209】
[表17]では、「A」の口径は65(mm)と入力しました。「B」の屈折力は1.50と入力しました。「C」のレンズの表面の半径は、100(mm)と入力しました。「D」のレンズの内面の半径は、83.3(mm)と入力しました。プラスレンズの最小フチ厚は、0.0(mm)と入力しました。「F」のマイナスレンズの中心厚は、1.0(mm)と入力しました。
【0210】
[表17]のプログラム計算式の説明。[段落0011]の式より、R=(n-1)/Dです。D=(n-1)/Rとできます。Rは、半径(m、メートル)です。Dは、度数(ディオプター)です。nは、レンズの屈折率です。[表17]の「C」の表面カーブの半径(mm)から、R=(n-1)/Dの式より、R1(表面)の「D1」を求めます。D=(n-1)/Rです。「B」の屈折率は、1.50です。「C」の表面の半径(mm)は、0.1(m)=100(mm)です。各値を式に代入します。R1(表面)の「D1」は、D1=(1.50-1)/0.1=0.50/0.1=5.00より、D1=5.00です。R1(表面)の「D1」を、「5.00D」のディオプターカーブとします。
[表17]の「D」の内面カーブの半径(mm)から、R=(n-1)/Dの式より、R2(内面)の「D2」を求めます。D=(n-1)/Rです。「B」の屈折率は、1.50です。「D」の内面の半径(mm)は、0.0833(m)=83.3(mm)です。
各値を式に代入します。R2(内面)の「D2」は、D2=(1.50-1)/0.0833=0.50/0.0833=6.00より、D2=6.00です。R2(内面)の「D2」を、「6.00D」のディオプターカーブとします。
【0211】
[段落0014]の式は、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)です。nは、レンズの屈折率です。dは、レンズの中心厚(m)です。D1は、表面のディオプターカーブです。D2は、内面のディオプターカーブです。D0は、レンズの度数(ディオプター)です。
【0212】
[表17]のR2(内面)の「D2」は、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式より求めます。dのレンズの中心厚(m)は、考慮しない場合として、d=0とします。
nのレンズの屈折率は1.50、R1(表面)の「D1」のディオプターカーブは5.00D、D0のレンズの度数は-1.00Dを、上記の式に代入します。R2(内面)の「D2」は、D2=1.50(5.00-(-1.00))/1.50=6.00となります。[段落0210]と同じ結果になります。
【0213】
[表17]の「D3」の中心厚を考慮した内面カーブについての説明。「D3」のレンズの中心厚(m)を考慮した場合です。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式の、D2をD3に置き換えます。
D3=n(D1-D0)/(n-dD1)とします。nは、レンズの屈折率です。dは、レンズの中心厚(m)です。[表17]のR1(表面)の「D1」は、表面のディオプターカーブです。R3(内面)の「D3」は、中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブです。D0は、レンズの度数(ディオプター)です。
dの中心厚(m)は、マイナスレンズなので、[表17]の「F」に入力した中心厚とします。1.0(mm)です。1.0(mm)をメートルに換算します。d=1.0(mm)/1000=0.001(m)です。D0の度数(ディオプター)は、-1.00Dです。中心厚を考慮した内面のディオプターカーブである「D3」の値を求めます。
[表17]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、D3=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に、nのレンズの屈折率の1.50、dのレンズの中心厚の0.001(m)、「D1」の表面のディオプターカーブの5.00D、D0のレンズの度数(ディオプター)の-1.00Dを代入して求めます。D3=1.50(5.00-(-1.00))/(1.50-0.0015.00)=6.0200となります。「D3」の値は、正確には6.0200Dです。[表17]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、「6.02D」です。
【0214】
[表17]の「プログラム計算式-1」の「CT2」の中心厚は、「プログラム計算式-2」の[「K」+「E」]の値です。[表17]のマイナスレンズの中心厚の「F」は、1.0(mm)を入力しました。
「マイナスレンズで中心厚を考慮しない場合」の「EG2」のフチ厚は、「プログラム計算式-2」の[|「M」|+「F」]の値です。
「マイナスレンズで中心厚を考慮した場合」の「EG3」のフチ厚は、「プログラム計算式-3」の[|「T」|+「F」]の値です。「||」は絶対値の記号です。
【0215】
[表17]の中心厚は、「F」の1.0(mm)です。「D3」の内面のディオプターカーブは、「6.02D」です。仕上りレンズの度数を「-1.00D」にするために、「D2」の「6.00D」より「0.02D」湾曲の強い半径の内面のディオプターカーブにします。R2(内面)のディオプターカーブの「6.00D」を、R3(内面)のディオプターカーブの「6.02D」にします。「R2」の83.3(mm)の内面の半径(mm)を、「R3」の中心厚を考慮した内面の半径(mm)である83.0(mm)にします。中心厚は、「F」の1.0(mm)です。「D3」の内面のディオプターカーブを「6.02D」にすることで、仕上りレンズの度数は-1.00Dになります。中心厚を考慮しない場合のフチ厚は、「EG2」の2.17(mm)です。中心厚を考慮した場合のフチ厚は、「EG3」の2.20(mm)です。[段落0212]において、dのレンズの中心厚(m)は考慮しない場合として、d=0としたので、レンズのフチ厚は、0.03(mm)厚くなります。
【0216】
[表16]および[表17]の中心厚を考慮した場合の、内面カーブ(半径)の説明。レンズの中心厚を考慮する必要がある為に、[段落0213]で記載したように、D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式において、D2をD3に置き換えます。R3(内面)のディオプターカーブは、「D3」です。「D3」は、「R3」の中心厚を考慮した内面の半径(mm)です。CG機により、「R3」の内面の半径(mm)のカーブで、半製品レンズの内面カーブを切削加工します。
【0217】
「D4」のレンズの度数(ディオプター)は、[「D1」-「D2」]の度数(ディオプター)です。本願で用いている「S±度数」及び「C±度数」とは、「D4」のレンズの度数(ディオプター)のことです。
【符号の説明】
【0218】
図1]平面図。基本図。
1A 半製品レンズの幾何学中心
1B 半製品レンズの遠用部
1C 半製品レンズの近用部
1D 近用部の上方の中心位置
1E 水平方向の合計プリズム
1F 合成方向のプリズム
1G 垂直方向のプリズム
1H 水平方向の補正プリズム量
1I 垂直方向の合計プリズム
1J 水平方向のプリズム
1K 垂直方向の補正プリズム量
1L 合成した補正プリズム量
1M 半製品レンズの耳側
1N 半製品レンズの鼻側
1O 半製品レンズの上側
1P 半製品レンズの下側
【0219】
図2]断面図。マイナスレンズ。2Aは内面カーブ。2Bは半製品の表面カーブ。2Cは凹(マイナス)レンズ。
【0220】
図3]断面図。プラスレンズ。3Aは内面カーブ。3Bは半製品の表面カーブ。3Cは凸(プラス)レンズ。
【0221】
図4]平面図。プリズムリングを真上から見た平面図。4Aはプリズムリングの本体です。4Bはプリズムリングの外円。4Cはプリズムリングの内円。4Dは中空(からっぽ)。
【0222】
図5]立面図。プリズムリングの立面図。5Aはプリズムリングの上方部分。5Bはプリズムリングの本体。5Cはプリズムリングの下方部分。5Dはプリズムリングの厚み。
【0223】
図6]立面図。プリズムリングを半分傾けた立面図。6Aはプリズムリングの傾いた上方部分。6Bはプリズムリングの厚い方の側面。6Cはプリズムリングの水平な下方部分。6Dはプリズムリングの薄い方の側面。
【0224】
図7]立面図。プリズムリングを最大限に傾けた立面図。7Aは最大限に傾けたプリズムリングの上方部分。7Bはプリズムリングの厚い方の側面(厚みは最大です)。7Cはプリズムリングの水平な下方部分。7Dはプリズムリングの薄い方の側面(厚みはゼロです)。
【0225】
図8]断面図。レンズとブロックとアロイとプリズムリングの断面図。8Aは半製品レンズ。8Bはブロック。8Cはアロイ。8Dはプリズムリング。
【0226】
図9]断面図。凹(マイナス)レンズの場合。9Aは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブ。9Bは半製品の表面カーブ。9Cは凹(マイナス)レンズ。9Dはレンズの中心厚。9Eはブロック。9Fは最大限に傾いたプリズムリング。9Gはプリズムを加えた側のレンズの側面(フチ厚)。9Hはプリズムを加えなかった側のレンズの側面(フチ厚)。9Iは半製品の表面カーブの中心点。9Jは内面カーブの中心点。
【0227】
図10]断面図。凸(プラス)レンズの場合。10Aは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブ。10Bは半製品の表面カーブ。10Cは凸(プラス)レンズ。10Dはレンズの中心厚。10Eはブロック。10Fは最大限に傾いたプリズムリング。10Gはプリズムを加えた側のレンズの側面(フチ厚)。10Hはプリズムを加えなかった側のレンズの側面(フチ厚)。10Iは半製品の表面カーブの中心点。10Jは内面カーブの中心点(但し、紙面の制約上、実際より左側にずらしています)。
【0228】
図11]表面カーブと内面カーブとの関係図。11Aは座標の垂直軸。11Bは座標の水平軸。11Cは半径125(mm)のレンズの仮想の表面カーブ。11Dは半径100(mm)の表面カーブ。11Eは半径125(mm)の内面カーブ。11Cの仮想の表面カーブを下方に垂直移動させて、11Eの内面カーブとします。11Fは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で、11Cの仮想の表面カーブとの上の接点。11Gは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で、実際の11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの下の接点。11Hは半径125(mm)の内面カーブ。11Iは凸(プラス)レンズ。11Jは11Fの接点と11Gの接点との差であり、[表16]の「I」=「H」-「G」です。11Kは11Cの仮想の表面カーブと11Dの表面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、[表16]の「J」=「R2」-「R1」です。11Lは11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、レンズの中心厚で[表16]の「K」=「I」-「J」です。
【0229】
図12]中心厚とフチ厚との関係図。12Aは凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブ。12Bは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブ(凸レンズの場合では表面カーブとします)。12Cは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブ。12Dは凸(プラス)レンズの場合では、中心厚。12Eは凹(マイナス)レンズの場合では、フチ厚。
【0230】
図13]度数を数直線で表した図。13Aはマイナス度数方向。13Gはプラス度数方向。13Dは度数が0.00Dの位置。13Bは度数が-2.00Dの位置。13Cは度数が-1.00Dの位置。13Eは度数が+1.00Dの位置。13Fは度数が+2.00Dの位置。
【図面の簡単な説明】
【0231】
図1】は基本図です。平面図です。[図1]と[表6]・[表8]・[表9]の説明。[図1]は、S+3.00D、C-3.00D、軸角度135°、偏心量(内側)3.0mm、偏心量(上側)3.0mmの左レンズの表面(おもてめん)を真上から見た平面図です。1Aは半製品レンズの幾何学中心です。1Bは半製品レンズの遠用部です。1Cは半製品レンズの近用部です。1Dは近用部の上方の中心位置です。1Eは水平方向の合計プリズムです。[表8]の「コ」です。1Fは合成方向のプリズムです。[表8]の「セ」です。[表9]の「セ-垂直」でもある(但し、絶対値)。1Gは垂直方向のプリズムです。[表8]の「サ」です。1Hは水平方向の補正プリズム量です。[表8]の「オ-水平」です。[表6]の「オ-水平-左」でもある。1Iは垂直方向の合計プリズムです。[表9]の「コ-垂直」です。1Jは水平方向のプリズムです。[表9]の「サ-垂直」です。1Kは垂直方向の補正プリズム量です。[表9]の「オ-垂直」です。[表6]の「オ-垂直-左」でもある。1Lは合成した補正プリズム量です。[表6]の「オ-合成-左」です。1Mは半製品レンズの耳側です。1Nは半製品レンズの鼻側です。1Oは半製品レンズの上側です。1Pは半製品レンズの下側です。
【0232】
図1]の基本図の説明。[図1]は左の半製品レンズを表面(おもてめん)より見た平面図です。S+3.00D、C-3.00D、軸角度135°、偏心量(内側)3.0mm、偏心量(上側)3.0mmの場合です。
[表1]の左レンズおいて、S度数である「ア-左」、C度数である「イ-左」、軸角度である「ウ-左」、水平方向の偏心量(mm)である「エ-水平-左」、垂直方向の偏心量(mm)である「エ-垂直-左」を入力します。
[表1]に「エ-水平-左」を入力した場合は、[表8]の左レンズの水平方向の各項目に各値を得ます。[表1]に「エ-垂直-左」を入力した場合は、[表9]に垂直方向の各値を得ます。
[表7]によって、[表8]と[表9]を合成して[表6]の合成した各値を求めます。[表6]において、補正プリズム量(プリズム)である「オ-合成-左」、左レンズの合成プリズム方向(°)である「カ-合成-左」、水平の補正プリズム量(プリズム)である「オ-水平-左」、垂直の補正プリズム量(プリズム)である「オ-垂直-左」、左レンズの水平プリズム方向(°)である「カ-左-水平」、左レンズの垂直プリズム方向(°)である「カ-左-垂直」の各値を得ます。[図1]の基本図は、[表6]の各値を表した図です。
【0233】
図1]の1Hは水平方向の補正プリズム量です。[表6]の「オ-水平-左」であり、[表8]の「オ-水平」でもあります。[1K]は垂直方向の補正プリズム量です。[表6]の「オ-垂直-左」であり、[表9]の「オ-垂直」でもあります。[図1]の1Lは、水平方向の補正プリズム量である1Hと垂直方向の補正プリズム量である1Kを合成した補正プリズム量です。[表6]の「オ-合成-左」であり、[表7]の「D-合成-左」でもあります。
図1]の1Lの角度は、[表6]の左レンズの合成プリズム方向(°)である「カ-合成-左」の値です。
[表6]の「カ-合成-左」は、左レンズの水平プリズム方向(°)である「カ-左-水平」と左レンズの垂直プリズム方向(°)である「カ-左-垂直」を合成したプリズム方向です。[表7]の「E-合成-左」の値です。
【0234】
図2】は断面図です。凹(マイナス)レンズの中央を半分にして側面から見た図です。2Aは内面カーブ。2Bは半製品の表面カーブ。2Cは凹(マイナス)レンズ。
【0235】
図3】は断面図です。凸(プラス)レンズの中央を半分にして側面から見た図です。3Aは内面カーブ。3Bは半製品の表面カーブ。3Cは凸(プラス)レンズ。
【0236】
図4】は平面図です。プリズムリングを真上から見た図です。4Aはプリズムリングの本体です。4Bはプリズムリングの外円。4Cはプリズムリングの内円。4Dは中空(からっぽ)。
【0237】
図5】は立面図です。厚みが均等なプリズムリングの立面図です。5Aはプリズムリングの上方部分。5Bはプリズムリングの本体。5Cはプリズムリングの下方部分。5Dはプリズムリングの厚み。
【0238】
図6】は立面図です。半分傾けたプリズムリングです。均等なプリズムリングを半分傾けた立面図です。厚い方の厚みの半分が薄い方の厚みです。水平なプリズムリングの下方部分をブロックに固定装着します。6Aは傾いたプリズムリングの上方部分。6Bはプリズムリング厚い方の側面。6Cは水平なプリズムリングの下方部分。6Dはプリズムリングの薄い方の側面。
【0239】
図7】は立面図です。最大限に傾けたプリズムリングです。プリズムリングを最大限に傾けた立面図です。7Aは最大限に傾けたプリズムリングの上方部分。7Bはプリズムリングの厚い方の側面(厚みは最大)。7Cは水平なプリズムリングの下方部分。7Dはプリズムリングの薄い方の側面(厚みはゼロ)。
【0240】
図8】は断面図です。半製品レンズをアロイでブロックの上に固定接着して、プリズムリングを装着固定した断面図です。8Aは半製品レンズ。8Bはブロック。8Cはアロイ。8Dはプリズムリング。
【0241】
図9】は断面図です。凹(マイナス)レンズの場合で、半製品レンズを縦にして、プリズムリングをブロックに装着固定し、CG機で凹(マイナス)レンズに切削加工した断面図です。9Aは凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブです。9Bは半製品の表面カーブです。9Cは凹(マイナス)レンズです。9Dはレンズの中心厚です。9Eはブロックです。プリズムが加わる側は、レンズが厚くなります。9Fは最大限に傾いたプリズムリングです。9Gはプリズムを加えた側のレンズの側面(フチ厚)です。レンズのフチ厚は、厚くなっています。プリズムリングの薄い側です。9Hはプリズムを加えなかった側のレンズの側面(フチ厚)です。レンズのフチ厚は、薄くなっています。プリズムリングの厚い側です。9Iは半製品の表面カーブの中心点です。9Jは内面カーブの中心点です。
【0242】
図10】は断面図です。凸(プラス)レンズの場合で、半製品レンズを縦にして、プリズムリングをブロックに装着固定し、CG機で凸(プラス)レンズに切削加工した断面図です。10Aは凸(プラス)レンズの場合の内面カーブです。10Bは半製品の表面カーブです。10Cは凸(プラス)レンズです。10Dはレンズの中心厚です。10Eはブロックです。プリズムが加わる側は、レンズが厚くなります。10Fは最大限に傾いたプリズムリングです。10Gはプリズムを加えた側のレンズの側面(フチ厚)です。レンズのフチ厚は、厚くなっています。プリズムリングの薄い側です。10Hはプリズムを加えなかった側のレンズの側面(フチ厚)です。レンズのフチ厚は、薄くなってしまいます。プリズムリングの厚い方です。10Iは半製品の表面カーブの中心点です。10Jは内面カーブの中心点です(但し、紙面の制約上、実際より左側にずらしています)。
【0243】
図11】はレンズの中心厚を求める為の基本的な図です。レンズの中心厚を求めるための表面カーブと内面カーブとの関係図です。[表16]のS+1.00Dの球面の凸(プラス)レン合を例に用います。11Aは座標の垂直軸です。11Bは座標の水平軸です。11Cは半径125(mm)のレンズの仮想の表面カーブです。11Dは半径100(mm)の表面カーブです。11Eは半径125(mm)の内面カーブです。11Cの仮想の表面カーブを下方に垂直移動させて、11Eの内面カーブとします。11Fは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で、11Cの仮想の表面カーブとの上の接点です。11Gは、11Iのレンズの口径の半分の位置(水平軸)で、実際の11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの下の接点です。11Hは半径125(mm)の内面カーブです。11Iは凸(プラス)レンズです。11Jは11Fの接点と11Gの接点との差であり、[表16]の「I」=「H」-「G」です。11Kは11Cの仮想の表面カーブと11Dの表面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、[表16]の「J」=「R2」-「R1」です。11Lは11Dの表面カーブと11Eの内面カーブとの11Aの垂直軸での差であり、レンズの中心厚で[表16]の「K」=「I」-「J」です。
【0244】
図11]と[表16]との関係についての説明。[表16]は凸(プラス)レンズの場合です。[表16]の中心厚とフチ厚との関係において、「A」に口径65(mm)、「B」に屈折率1.50、「C」にレンズの表面の半径100(mm)、「D」にレンズの内面の半径125(mm)、「入力-中心厚」に算出した「CT2」の値を入力します。但し、[表17]の凹(マイナス)レンズの場合は、「入力-中心厚」に「F」の値を入力します。[表16]の中心厚とフチ厚との関係を例にとると、中心厚を考慮しない場合では、[図11]の11Fは、[表16]の「H」=120.70にあたります。[図11]の「11G」は[表16]の「G」=94.57にあたります。[表16]では、「I」=「H」-「G」です。「H」=120.70です。「G」=94.57です。「I」=120.70-94.57=26.13となります。
図11]の「11K」は、[表16]の「J」にあたります。「J」=「R2」-「R1」です。[表16]では、「R2」=125です。「R1」=100です。「J」=125-100=25となります。
図11]の「11L」は、[表16]の「K」にあたります。「K」=「I」-「J」です。[表16]では、「I」=26.13です。「J」=25.00です。「K」=26.13-25.00=1.13となります。[表16]の「K」が「CT2」で中心厚となります。中心厚は[表16]の「CT2」で1.13となります。
【0245】
図12】は、中心厚とフチ厚との関係図です。[表16]は、S+1.00Dの凸(プラス)レンズの場合の表です。[表17]は、S-1.00Dの凹(マイナス)レンズの場合の表です。12Aは[表17]の凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブです。12Bは[表17]の凹(マイナス)レンズの場合の内面カーブです。凹(マイナス)レンズの場合では、中心厚はゼロです。12Cは[表17]の表面カーブを下方に移動させて、凸(プラス)レンズの場合の内面カーブとします。12Aの凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブと、12Cの凸(プラス)レンズの場合の内面カーブとは同じ半径です。12Bは、凹(マイナス)レンズの場合では内面カーブとなり、凸(プラス)レンズでは表面カーブとなります。12Dは凸(プラス)レンズの場合では、中心厚になります。12Eは凹(マイナス)レンズの場合では、フチ厚になります。12Aの凹(マイナス)レンズの場合の表面カーブと12Cの凸(プラス)レンズの場合の内面カーブの半径が同じなら、12Dの中心厚と12Eのフチ厚は同じになります。
【0246】
[表16]で中心厚とフチ厚の関係の説明。[図12]の12Aを下方に移動させて12Cとします。12Cを凸(プラス)レンズの場合の内面カーブとします。12Cを「表16」の「R1」の半径100(mm)の内面カーブとします。12Bは、[表16]の「R2」の半径125(mm)の表面カーブとします。
12Dは、[表16]のプラスレンズの場合では、中心厚で「K」=1.13です。[図12]の12Eは、[表16]の「M」の絶対値の値になります。「M」=「J」-「I」です。[表16]では、「J」=「R2」-「R1」=125-100=25です。「I」=「H」-「G」=120.70-94.57=26.13です。よって、「M」=25-26.13=-1.13となります。「M」の絶対値の値は、[表16]の「F」の中心厚がゼロの場合では、「EG2」のフチ厚となります。[表16]の場合では、「K」の値と「M」の絶対値の値は、同じ値となります。[図12]は、凸(プラス)レンズの場合ではフチ厚がゼロの場合であり、凹(マイナス)レンズの場合では中心厚がゼロの場合の図です。
【0247】
[表16]のプラスレンズの場合では、中心厚を考慮しない場合で「E」のフチ厚がゼロの時の中心厚を、「CT2」=「K」+「E」としています。「E」はプラスレンズの場合で、最小フチ厚を指定する場合に入力します。[表16]では「E」=0.0ですから、「CT2」=「K」=1.13となります。[表16]のマイナスレンズの場合では、中心厚を考慮しない場合で「F」の中心厚がゼロの時のフチ厚を、「EG2」=|「M」|+「F」としています。「F」はマイナスレンズの場合で、中心厚を指定する場合に入力します。[表16]では「F」=0.0ですから、「EG2」=|「M」|=-1.13の絶対値=1.13となります。「||」は絶対値の記号です。
【0248】
[表16]のプラスレンズの場合では、中心厚を考慮した場合で「E」のフチ厚がゼロの時の中心厚を、「CT3」=「R」+「E」としています。「E」はプラスレンズの場合で、最小フチ厚を指定する場合に入力します。[表16]では「E」=0.0ですから、「CT3」=「R」=1.11となります。[表16]のマイナスレンズの場合では、中心厚を考慮した場合で「F」の中心厚がゼロの時のフチ厚を、「EG3」=|「T」|+「F」としています。「F」はマイナスレンズの場合で、中心厚を指定する場合に入力します。[表16]では「F」=0.0ですから、「EG3」=|「T」|=-1.11の絶対値=1.11となります。「||」は絶対値の記号です。
【0249】
[表16]と[表17]は同じプログラム計算式です。プラスレンズの場合では、[表16]の「E」で最小フチ厚を入力すれば、中心厚を考慮した場合の中心厚である「CT3」を求めることができます。マイナスレンズの場合では、[表17]の「F」で中心厚を入力すれば、中心厚を考慮した場合のフチ厚である「EG3」を求めることができます。
【0250】
図13】は、度数を数直線で表した図です。[段落0230]の説明において、[図13]の度数の数直線ついて以下のように記載しました。13Aはマイナス度数方向です。13Gはプラス度数方向です。13Dは度数が0.00Dの位置です。13Bは度数が-2.00Dの位置です。13Cは度数が-1.00Dの位置です。13Eは度数が+1.00Dの位置です。13Fは度数が+2.00Dの位置です。[段落0230]の説明と[図13]によって、レンズをタイプ別に分類します。レンズのタイプを、凹(マイナス)レンズ、凸(プラス)レンズ、単性のマイナスレンズ、単性のプラスレンズ、混合(MIX)レンズの5つに分類します。13Dが度数の数直線において、度数が0.00Dの位置です。度数が0.00D未満のレンズが凹(マイナス)レンズです。度数が0.00Dよりプラスであるレンズが凸(プラス)レンズです。単性レンズは、S度数が0.00Dのレンズです。S度数が0.00Dで、C度数がマイナスのレンズを単性のマイナスレンズとしています。S度数が0.00Dで、C度数がプラスのレンズを単性のプラスレンズとしています。S度数がプラスで、C度数がマイナスのレンズが混合レンズです(但し、S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります)。
【0251】
具体的に、凹(マイナス)レンズの場合のS度数とC度数について、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。レンズの製作上、S度数を基準として表記します。S度数は、C度数より常にプラス寄りの位置として表記します。例えば、「S-1.00D、C-1.00D」の場合では、S-1.00Dは[図13]では13Cの位置です。C-1.00Dとは、S度数よりさらに-1.00Dマイナス寄りを意味します。C-1.00Dは、13Bの位置となります。この場合、「S-1.00D、C-1.00D」のレンズは凹(マイナス)レンズとして分類します。
「S-1.00D、C-1.00D」の表記を「S-2.00D、C+1.00D」として表記することもできます。この表記だと[図13]では、S度数は-2.00Dで13Bの位置となり、C度数はS度数より+1.00Dプラス寄りで13Cの-1.00Dの位置になります。
どちらの表記であっても、S度数もC度数も、度数の数直線では0.00D未満ですから凹(マイナス)レンズになります。
【0252】
凸(プラス)レンズの場合のS度数とC度数について、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。レンズの製作上、S度数を基準として表記します。S度数は、C度数より常にプラス寄りの位置として表記します。例えば、「S+2.00D、C-1.00D」の場合では、S+2.00Dは[図13]では13Fの位置です。C-1.00Dとは、S度数より-1.00Dマイナス寄りを意味します。C-1.00Dは13Eの位置となります。この場合、「S+2.00D、C-1.00D」のレンズは凸(プラス)レンズとして分類します。
「S+2.00D、C-1.00D」の表記を「S+1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。この表記だと[図13]では、S度数は+1.00Dで13Eの位置となり、C度数はS度数より+1.00Dプラス寄りで13Fの位置になります。どちらの表記であっても、S度数もC度数も、度数の数直線では0.00Dよりプラスですから凸(プラス)レンズになります。
【0253】
単性レンズは、凹(マイナス)レンズにも凸(プラス)レンズにも分類されないレンズです。単性のマイナスレンズと単性のプラスレンズとがあります。
【0254】
単性のマイナスレンズについて、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。例えば、「S0.00D、C-1.00D」の場合では、S0.00Dは[図13]では13Dの位置です。C-1.00Dとは、S度数より-1.00Dマイナス寄りを意味します。C-1.00Dは13Cの位置となります。この場合、「S0.00D、C-1.00D」のレンズは単性のマイナスレンズとして分類します。
「S0.00D、C-1.00D」の表記を「S-1.00D、C+1.00D」として表記することもできます。この表記だと、度数の数直線である[図13]では、S度数は-1.00Dで13Cの位置になります。C度数はS度数より+1.00Dプラス寄りで13Dの位置になります。どちらの表記であっても、S度数かC度数のどちらかが度数の数直線では13Dの0.00Dの位置になり、他方は凹(マイナス)になります。S度数かC度数のどちらかが0.00Dである凹(マイナス)レンズになります。
【0255】
単性のプラスレンズについて、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。例えば、「S0.00D、C+1.00D」の場合では、S0.00Dは[図13]では13Dの位置です。C+1.00Dとは、S度数より+1.00Dプラス寄りを意味します。C+1.00Dは13Eの位置となります。この場合、「S0.00D、C+1.00D」のレンズは単性のプラスレンズとして分類します。
「S0.00D、C+1.00D」の表記を「S+1.00D、C-1.00D」として表記することもできます。この表記だと、度数の数直線である[図13]では、S度数は+1.00Dで13Eの位置になります。C度数はS度数より-1.00Dマイナス寄りで13Dの位置になります。どちらの表記であっても、S度数かC度数のどちらかが度数の数直線では13Dの0.00Dの位置になり、他方は凸(プラス)になります。S度数かC度数のどちらかが0.00Dである凸(プラス)レンズになります。
【0256】
混合レンズについて説明します。S度数がプラスで、C度数がマイナスのレンズが混合レンズです(但し、S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります)。混合レンズについて、[図13]の度数の数直線を用いて説明します。例えば、「S+1.00D、C-2.00D」の場合では、S+1.00Dは[図13]では13Eの位置です。C-2.00Dとは、S度数より-2.00Dマイナス寄りを意味します。C-2.00Dは13Cの位置となります。S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります。この場合、「S+1.00D、C-2.00D」のレンズは、凹(マイナス)レンズとなる範囲と凸(プラス)レンズとなる範囲とがあり、混合レンズとして分類します。
「S+1.00D、C-2.00D」の表記を「S-1.00D、C+2.00D」として表記することもできます。この表記だと、度数の数直線である[図13]では、S度数は-1.00Dで13Cの位置になります。C度数はS度数より+2.00Dプラス寄りで13Eの位置になります。どちらの表記であっても、S度数とC度数の間に13Dである0.00Dがあります。凹(マイナス)レンズとなる範囲と凸(プラス)レンズとなる範囲とがあります。
【0257】
軸転換について説明します。前述のレンズの分類で記載したように、凹(マイナス)レンズ、凸(プラス)レンズ、単性のマイナスレンズ、単性のプラスレンズ、混合(MIX)レンズの各表記方法と「軸転換」について例を挙げて説明します。
凹(マイナス)レンズの場合、「S-1.00D、C-1.00D」の表記を、「S-2.00D、C+1.00D」と表記することもできます。「S-2.00D、C+1.00D」の表記を、「S-1.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。凸(プラス)レンズの場合、「S+2.00D、C-1.00D」の表記を、「S+1.00D、C+1.00D」と表記することもできます。「S+1.00D、C+1.00D」の表記を、「S+2.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
単性のマイナスレンズの場合、「S0.00D、C-1.00D」の表記を、「S-1.00D、C+1.00D」と表記することもできます。「S-1.00D、C+1.00D」の表記を、「S0.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
単性のプラスレンズの場合、「S0.0D、C-1.00D」の表記を、「S-1.00D、C+1.00D」と表記することもできます。「S-1.0D、C+1.00D」の表記を、「S0.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
混合(MIX)レンズの場合、「S+1.00D、C-2.00D」の表記を、「S-1.00D、C+2.00D」と表記することもできます。「S-1.00D、C+2.00D」の表記を、「S+1.00D、C-2.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。
【0258】
「軸転換」」は、[段落0042]の切削加工の説明で記載したように、CG機の半製品レンズの切削加工時の制約によるものです。CG機はブロックされた半製品レンズの水平方向の半径が最も大きくなるように(度数が最もプラス寄りで強くなるように)、切削加工するという制約のある機械です。
【0259】
「軸転換」する場合、度数の表記を変えると共に軸角度を変える必要があります。例えば、凹(マイナス)レンズの場合、「S-1.00D、C-1.00D」の表記を「S-2.00D、C+1.00D」として表記することもできます。
「S-2.00D、C+1.00D」の表記を、「S-1.00D、C-1.00D」の表記に変えることを「軸転換」といいます。「S-2.00D、C+1.00D」の表記の軸角度が0°~90°未満であれば、この表記の軸角度に90°を加えた角度が、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度となります。例えば、「S-2.00D、C+1.00D」で軸角度が30°の場合だと、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度は120°となります。30°+90°=120°です。
「S-2.00D、C+1.00D」の表記の軸角度が90°~180°以下であれば、この表記の軸角度から-90°を減じた角度が、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度となります。例えば、「S-2.00D、C+1.00D」で軸角度が120°の場合だと、「S-1.00D、C-1.00D」の表記での軸角度は30°となります。120°-90°=30°です。
【実施例0260】
[実施例1]の説明。本願出願人が所有する実験レンズについての説明。実験レンズは、屈折率1.50、口径65mmのプラスチックの左レンズです。S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量3.0mmの場合です。157°方向より0.50プリズムを加えて、光学中心の偏心の位置を調べました。
【0261】
[表10]・[表11]・[表12]についての説明。[実施例1]の結果の表です。[表10]のプログラム計算式は、[表6]と同じです。[表11]のプログラム計算式は、[表7]と同じです。[表12]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。偏心は水平方向のみなので、垂直方向の表は省略しました。
【0262】
本願での計算結果。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量3.0mmの場合です。「補正プリズム量」は0.58プリズムです。「左レンズの合成プリズム方向」は157°です。
前特開の計算結果。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量3.0mmの場合です。「補正プリズム量」は0.53プリズムです。「左レンズのプリズム方向」は157°でした。
本願の[実施例1]では、「補正プリズム量」として0.50プリズムを、157°の「プリズム方向」より加えました。
【0263】
[実施例1]の結果。光学中心の偏心位置が眼鏡レンズの幾何学中心より、水平方向の鼻側(内側)寄りに「2mm位」、偏心しました。光学中心の位置は水平方向の鼻側(内側)に偏心しましたが、期待する「3.0mm」の偏心量に対して、偏心量が「1.0mm」位、少なくなりました。
本願の計算式では、「補正プリズム量」は「0.58プリズム」ですが、[実施例1]ではレンズの製作上の制約のため「0.50プリズム」としたので、水平方向の鼻側(内側)の偏心位置が少なくなった要因と考えられます。
【0264】
本願の計算式で、「補正プリズム量」を「0.50プリズム」として、「水平方向の偏心量」を逆算すれば、偏心量は「2.55mm」となります。[実施例1]の「2mm位」偏心した結果と本願の計算式による偏心量「2.55mm」との誤差は、約「0.55mm」となります。[実施例1]の偏心量の結果は、本願の計算結果より偏心量が、約「0.55mm」少なかったことになります。
【実施例0265】
[実施例2]の説明。本願出願人が所有する実験レンズについての説明。実験レンズは、屈折率1.50、口径65mmのプラスチックの左レンズです。S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°の左レンズに、120°方向より0.50プリズムを加えて、光学中心の偏心の位置を調べました。
【0266】
[実施例2]の結果。120°の「プリズム方向」より、「0.50プリズム」の「補正プリズム量」を加えて実施しました。光学中心の偏心位置が、眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りの5mm位の位置に偏心しました。
【0267】
[表13]についての説明。[実施例2]の結果の表です。左レンズで、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の偏心量2.55mmの場合です。[表13]のプログラム計算式は、[表8]と同じです。
「補正プリズム量」を0.50プリズムにするために、[表13]において「エ-水平」の水平方向の偏心量を2.55mmと入力しました。「カ-水平-左」の「プリズム方向」を120°方向にするために、[表13]の「ノ」の補正角度の欄に60°の値を入力しました。偏心は水平方向のみなので、垂直方向の表はありません。
【0268】
[実施例2]の結果。光学中心の偏心位置は、眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りの5mm位の位置に偏心しました。本願の計算式では、偏心位置を水平方向の鼻側(内側)寄りに5.0mmの位置に偏心させるには、「補正プリズム量」は「0.97プリズム」になります。「プリズム方向」は「157°」方向になります。
本願の計算式では、「エ-水平」の偏心量が2.55mmの場合、「補正プリズム量」は「0.50プリズム」になります。「プリズム方向」は、「157°」方向になります。
【0269】
[実施例2]と本願との検証。左レンズの場合で説明します。[実施例2]では、[表13]の「エ-水平」の偏心量を2.55mmにすれば、「オ-水平」の「補正プリズム量」は「0.50プリズム」になります。「カ-水平-左」の「左レンズの水平プリズム方向(°)」の120°方向より、「0.50プリズム」を加えました。[実施例2]の結果は、光学中心の偏心の位置は眼鏡レンズの幾何学中心より水平方向の鼻側(内側)寄りの5mm位の位置に偏心しました。
本願の計算式では、S+3.25D、C-3.25D、軸角度120°、水平方向の鼻側(内側)の偏心量2.55mmの場合、「オ-水平」の「補正プリズム量」は「0.50プリズム」となります。「カ-水平-左」の「左レンズの水平プリズム方向(°)」は、「157°」方向となります。
[実施例2]の「プリズム方向」の「120°」と本願の計算式による「プリズム方向」の「157°」との差異が、水平方向の偏心の位置に関わっていることを示唆しています。「プリズム方向」によって、光学中心の偏心の位置が異なることを示しています。「補正プリズム量」と「プリズム方向」が、光学中心の位置である偏心の位置と深く関わっています。
【0270】
本願は、「補正プリズム量」と「プリズム方向」を算出することによって、正確で精度の優れた光学中心の偏心位置を算出する方法です。
【0271】
【表1】
【0272】
【表2】
【表3】
【0273】
【表4】
【0274】
【表5】
【0275】
【表6】
【表7】
【0276】
【表8】
【0277】
【表9】
【0278】
【表10】
【表11】
【0279】
【表12】
【0280】
【表13】
【0281】
【表14】
【0282】
【表15】
【0283】
【表16】
【0284】
【表17】
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
[表1]の右レンズにおいて、「ア-右」のS度数(ディオプター)、「イ-右」のC度数(ディオプター)、「ウ-右」の軸角度(°)、「エ-水平-右」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-右」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の右レンズの「オ-右」の欄の下の値である「補正プリズム量(プリズム)」。
【請求項2】
[表1]の右レンズにおいて、「ア-右」のS度数(ディオプター)、「イ-右」のC度数(ディオプター)、「ウ-右」の軸角度(°)、「エ-水平-右」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-右」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の右レンズの「キ-右」の欄の下の値である「右レンズの合成プリズム方向(°)」。
【請求項3】
[表1]の左レンズにおいて、「ア-左」のS度数(ディオプター)、「イ-左」のC度数(ディオプター)、「ウ-左」の軸角度(°)、「エ-水平-左」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-左」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の左レンズの「オ-左」の欄の下の値である「補正プリズム量(プリズム)」。
【請求項4】
[表1]の左レンズにおいて、「ア-左」のS度数(ディオプター)、「イ-左」のC度数(ディオプター)、「ウ-左」の軸角度(°)、「エ-水平-左」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-左」の垂直方向の偏心量(mm)の入力により、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表1]の左レンズの「カ-左」の欄の下の値である「左レンズの合成プリズム方向(°)」。
【請求項5】
[表16]のプラスレンズおいて、「A」の口径(mm)、「B」の屈折率、「C」のレンズの表面の半径(mm)、「D」のレンズの内面の半径(mm)、「入力-中心厚」に「CT2」の中心厚(mm)、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)の入力により、[表16]の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表16]のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の「CT3」の欄の下の値であるプラスレンズの「中心厚(mm)」。
【請求項6】
[表17]のマイナスレンズおいて、「A」の口径(mm)、「B」の屈折率、「C」のレンズの表面の半径(mm)、「D」のレンズの内面の半径(mm)、「入力-中心厚」に「F」の中心厚(mm)、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)の入力により、[表17]の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表17]のマイナスレンズで中心厚を考慮した場合の「EG3」の欄の下の値であるマイナスレンズの「フチ厚(mm)」。
【請求項7】
[表1]の右レンズの「ア-右」のS度数(ディオプター)、「イ-右」のC度数(ディオプター)、「ウ-右」の軸角度(°)、「エ-水平-右」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-右」の垂直方向の偏心量(mm)の入力、及び[表2]の右レンズにおいて「ヒ-合成」に任意の角度(0°~180°)を入力することにより、[表2]・[表3]・[表4]・[表5]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表2]の右レンズの「フ-合成-任意-度数」の欄の下の値である右レンズの「仕上りレンズの任意方向の度数」。
【請求項8】
[表1]の左レンズの「ア-左」のS度数(ディオプター)、「イ-左」のC度数(ディオプター)、「ウ-左」の軸角度(°)、「エ-水平-左」の水平方向の偏心量(mm)、「エ-垂直-左」の垂直方向の偏心量(mm)の入力、及び[表6]の左レンズにおいて、「ヒ-合成」に任意の角度(0°~180°)を入力することにより、[表6]・[表7]・[表8]・[表9]の各表の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表6]の左レンズの「フ-合成-任意-度数」の欄の下の値である左レンズの「仕上りレンズの任意方向の度数」。
【請求項9】
[表2]の右レンズにおいて、「ヒ-合成」の任意の角度(0°~180°)を入力することにより算出できる「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」の値を用いて、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる「半径R(m)の内面カーブ」。
【請求項10】
[表6]の左レンズにおいて、「ヒ-合成」の任意の角度(0°~180°)を入力することにより算出できる「フ-合成-任意-度数」の「仕上りレンズの任意方向の度数」の値を用いて、[段落0011]の公式である「R=(n-1)/D」より算出できる「半径R(m)の内面カーブ」。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0184
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0184】
[表16]の説明。表の作成方法についての説明。プラスレンズの場合です。「A」、「B」、「C」、「D」、「入力-中心厚」、「E」、「F」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」までの説明。「A」とは、この表の「A」の欄のすぐ下の欄にレンズの口径(mm)を入力します。「B」とは「B」の欄のすぐ下の欄にレンズの屈折率を入力します。「C」とは表の「C」の欄のすぐ下にレンズの表面の半径(mm)を入力して、「R1」とします。「D」とは表の「D」の欄のすぐ下にレンズの内面の半径(mm)を入力して、「R2」とします。「入力-中心厚」には、プラスレンズの場合は[表16]の「入力-中心厚」の欄のすぐ下にプラスレンズの中心厚を考慮した場合の「CT」の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズの場合は、「入力-中心厚」の欄のすぐ下にマイナスレンズの「F」の中心厚(mm)を入力します。「E」とは表の「E」の欄のすぐ下にプラスレンズの場合において、最小フチ厚(mm)を入力します。「F」とは表の「F」の欄のすぐ下にマイナスレンズの場合において、中心厚(mm)を入力します。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0191
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0191】
中心厚とフチ厚を求めるプログラム計算式の説明。以下の項目の欄の下に数値を入力する。
「A」は、レンズの口径(mm)を入力する
「B」は、レンズの屈折率を入力する
「C」は、レンズの表面の半径(mm)を入力する
「D」は、レンズの内面の半径(mm)を入力する
「入力-中心厚」は、プラスレンズの場合はプログラム計算式により算出した「プラスレンズで中心厚を考慮した場合」の「CT」の値か、マイナスレンズの場合は「F」の中心厚の値を入力する
「E」は、プラスレンズの場合で最小フチ厚(mm)を入力する
「F」は、マイナスレンズの場合で中心厚(mm)を入力する
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0198
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0198】
[表16]の中心厚とフチ厚についての説明。[表16]は、S+1.00Dの球面のプラスレンズの場合の表です。口径(mm)を「A」の欄の下に入力します。屈折率を「B」の欄の下に入力します。レンズの表面の半径(mm)を、「C」の欄の下に入力します。レンズの内面の半径(mm)を、「D」の欄の下に入力します。
プラスレンズの場合、最小フチ厚(mm)を「E」の欄の下に入力します。マイナスレンズの場合、中心厚(mm)を「F」の欄の下に入力します。[表16]では、「E」及び「F」は0.0(ゼロ)と入力しています。
入力後、[表16]のプログラム計算式によって算出された「CT」の中心厚(mm)を、「入力-中心厚」の欄の下に入力します。「入力-中心厚」の欄には、プラスレンズであれば、「CT」の中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズであれば、「F」で入力した中心厚(mm)を入力します。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0203
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0203】
[表16]の「D3」の中心厚を考慮した内面カーブについての説明。「D3」のレンズの中心厚(m)を考慮した場合です。D2=n(D1-D0)/(n-dD1)の式において、D2をD3に置き換えます。D3=n(D1-D0)/(n-dD1)とします。nは、レンズの屈折率です。dは、レンズの中心厚(m)です。[表16]のR1(表面)の「D1」は、表面のディオプターカーブです。R3(内面)の「D3」は、中心厚を考慮した場合の内面のディオプターカーブです。D0は、レンズの度数(ディオプター)です。
dの中心厚(m)は、プラスレンズなので、[表16]の「CT3」で求めた中心厚とします。1.11(mm)です。メートルに換算します。d=1.11(mm)/1000=0.00111(m)です。D0の度数(ディオプター)は、+1.00Dです。中心厚を考慮した内面のディオプターカーブである「D3」の値を求めます。
[表16]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、D3=n(D1-D0)/(n-dD1)の式に、nのレンズの屈折率の1.50、dのレンズの中心厚の0.00111(m)、「D1」の表面のディオプターカーブの5.00D、D0のレンズの度数(ディオプター)の+1.00Dを代入して求めます。D3=1.50(5.00-1.00)/(1.50-0.001115.00)=4.0148となります。「D3」の値は、正確には4.0148Dです。[表16]の中心厚を考慮した場合の「D3」の値は、「4.0D」です。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0205
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0205】
[表16]の中心厚を考慮した場合の中心厚は、「CT3」の1.11(mm)です。「D3」の内面のディオプターカーブは、「4.0D」です。仕上りレンズの度数を「+1.00D」にするために、「D2」の「4.00D」より「0.0湾曲の強い半径である「D3」の中心厚を考慮した内面のディオプターカーブにします。R2(内面)のディオプターカーブである「D2」の「4.00D」を、R3(中心厚を考慮した内面)のディオプターカーブである「D3」の「4.0D」にします。「R2」の125(mm)の内面の半径(mm)を、中心厚を考慮した内面の半径(mm)である「R3」の124.5(mm)にします。「CT2」の1.13(mm)の中心厚を、中心厚を考慮した「CT3」の1.11(mm)にします。「D3」の内面のディオプターカーブを「4.01D」にすることで、仕上りレンズの度数は+1.00Dになります。レンズは、0.02(mm)薄く仕上ります。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0283
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0283】
【表16】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0284
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0284】
【表17】
【手続補正書】
【提出日】2022-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0184
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0184】
[表16]の説明。表の作成方法についての説明。[表16]は、S+1.00Dの球面のプラスレンズの場合の表です。「A」、「B」、「C」、「D」、「入力-中心厚」、「E」、「F」、「G」、「H」、「I」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「O」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「T」までの説明。口径(mm)を「A」のすぐ下の欄に入力します。屈折率を「B」のすぐ下の欄に入力します。レンズの表面の半径(mm)を「C」のすぐ下の欄に入力して、「R1」とします。レンズの内面の半径(mm)を「D」のすぐ下の欄に入力して、「R2」とします。プラスレンズの最小フチ厚(mm)を「E」のすぐ下の欄に入力します。マイナスレンズの中心厚(mm)を「F」のすぐ下の欄に入力します。[表16]では、0.0(ゼロ)を「E」および「F」のすぐ下の欄に入力しています。
「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」の各項目に入力後、[CT3]のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)を求める為に、[表16]の各項目のプログラム計算式によって算出した「CT2」のプラスレンズで中心厚を考慮しない場合の中心厚(mm)の値を、仮入力の値として「入力-中心厚」のすぐ下の欄に入力します。「CT3」のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)の値を算出します。再度、「CT3」のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)の値を「入力-中心厚」のすぐ下の欄に入力します。「入力-中心厚」のすぐ下の欄には、プラスレンズであれば「CT3」の中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズであれば「F」で入力した中心厚(mm)を入力します。
プラスレンズにおいては、「CT2」および「CT3」に中心厚(mm)を算出します。マイナスレンズにおいては、「EG2」および「EG3」にフチ厚(mm)を算出します。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0193
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0193】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-2(中心厚を考慮しない場合)」の説明。
「G」は、=+SQRT(「R1」「R1」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図11]の11Gの接点で、[表16]の「G」で表面のY1の値(円の公式より求める)
「H」は、=+SQRT(「R2」「R2」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図11]の11Fの接点で、[表16]の「H」で内面のY2の値(円の公式より求める)
「I」は、=+「H」-「G」
記:[図11]の11Jで、[表16]の「I」の値「H」の内面のY2の値-「G」の表面のY1の値)
「J」は、=+「R2」-「R1」
記:[図11]の11Kで、[表16]の「J」の値「R2」の内面の半径の値-「R1」の表面の半径の値)
「K」は、=+「I」-「J」
記:[図11]の11Lで、[表16]の「K」でプラスレンズの中心厚(mm)の値
「L」は、=+「K」+「E」
記:プラスレンズの場合で、[表16]の「K」のプラスレンズの中心厚(mm)に、「E」の最小フチ厚(mm)を加えた値
「M」は、=+「J」-「I」
記:マイナスレンズの場合で、[表17]の中心厚を考慮しない場合のフチ厚(mm)の値
記:[表16]のプラスレンズでは、マイナスの表示となります
記:[表17]のマイナスレンズでは、プラスの表示となります
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0194
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0194】
「中心厚とフチ厚のプログラム計算式-3(中心厚を考慮した場合)」の説明。
「N」は、=+SQRT(「R1」「R1」-(「A」/2)(「A」/2))
記:[図11]の11Gの接点で、[表16]の「」で表面のY1の値(円の公式より求める)
「O」は、=+SQRT(「R3」「R3」-(「A」/2)(「A」/2))
記:中心厚を考慮した場合の、[図11]の11Fの接点で、[表16]の「O」で「R3」の内面の半径による内面のY3の値(円の公式より求める)
「P」は、=+「O」-「N」
記:[表16]の「P」の値「O」の内面のY3の値-「N」の表面のY1の値)
「Q」は、=+「R3」-「R1」
記:[表16]の中心厚を考慮した場合の「Q」の値「R3」の内面の半径の値-「R1」の表面の半径の値)
「R」は、=+「P」-「Q」
記:[表16]の中心厚を考慮した場合のプラスレンズの中心厚(mm)の値
「S」は、=+「R」+「E」
記:プラスレンズで中心厚を考慮した場合で、[表16]の「R」のプラスレンズの中心厚(mm)に、「E」の最小フチ厚(mm)を加えた値
「T」は、=+「Q」-「P」
記:マイナスレンズで、[表17]の中心厚を考慮した場合のフチ厚(mm)の値
記:[表16]のプラスレンズでは、マイナスの表示となります
記:[表17]のマイナスレンズでは、プラスの表示となります
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0198
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0198】
[表16]の中心厚とフチ厚についての説明。[表16]は、S+1.00Dの球面のプラスレンズの場合の表です。口径(mm)を「A」の欄の下に入力します。屈折率を「B」の欄の下に入力します。レンズの表面の半径(mm)を「C」の欄の下に入力します。レンズの内面の半径(mm)を「D」の欄の下に入力します。
プラスレンズの最小フチ厚(mm)を「E」の欄の下に入力します。マイナスレンズの中心厚(mm)を「F」の欄の下に入力します。[表16]では、0.0(ゼロ)を「E」および「F」の欄の下に入力しています。
「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、「F」の各項目に入力後、[CT3]のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)を求める為に、[表16]の各項目のプログラム計算式によって算出した「CT2」のプラスレンズで中心厚を考慮しない場合の中心厚(mm)の値を、仮入力の値として「入力-中心厚」の欄の下に入力します。「CT3」のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)の値を算出します。再度、「入力-中心厚」の欄の下に「CT3」のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)の値を入力します。「入力-中心厚」の欄の下には、プラスレンズであれば「CT3」の中心厚を考慮した場合の中心厚(mm)を入力します。マイナスレンズであれば「F」で入力した中心厚(mm)を入力します。
プラスレンズにおいては、「CT2」および「CT3」に中心厚(mm)を算出します。マイナスレンズにおいては、「EG2」および「EG3」にフチ厚(mm)を算出します。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0270
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0270】
本願は、「補正プリズム量」と「プリズム方向」を算出することによって、正確で精度の優れた光学中心の偏心位置を算出する方法です。
補足。[段落0039]において、[段落0061]の[非特許文献1]の箇所の内容を、異なる方法で記載しています。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0283
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0283】
【表16】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0284
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0284】
【表17】
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
[表16]のプラスレンズおいて、「A」の口径(mm)、「B」の屈折率、「C」のレンズの表面の半径(mm)、「D」のレンズの内面の半径(mm)、「入力-中心厚」に「CT3」の中心厚(mm)、「E」のプラスレンズの最小フチ厚(mm)の入力により、[表16]の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表16]のプラスレンズで中心厚を考慮した場合の「CT3」の欄の下の値であるプラスレンズの「中心厚(mm)」。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
[表17]のマイナスレンズおいて、「A」の口径(mm)、「B」の屈折率、「C」のレンズの表面の半径(mm)、「D」のレンズの内面の半径(mm)、「入力-中心厚」に「F」の中心厚(mm)、「F」のマイナスレンズの中心厚(mm)の入力により、[表17]の各項目のプログラム計算式によって算出できる、[表17]のマイナスレンズで中心厚を考慮した場合の「EG3」の欄の下の値であるマイナスレンズの「フチ厚(mm)」。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10