(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003304
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】制御装置、オフロード車両及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B60G 17/015 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
B60G17/015 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104395
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】増田 誠
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA04
3D301DA08
3D301DA33
3D301DA38
3D301EB13
3D301EC01
3D301EC06
(57)【要約】
【課題】減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオフロード車両に搭載され、ロジックの異なる複数のモードでショックアブソーバーの減衰力を制御する制御装置であって、ドライバーによるオフロード車両の挙動の予測性を従来よりも向上させることが可能な制御装置を得る。
【解決手段】本発明に係る制御装置は、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオフロード車両に搭載され、ロジックの異なる複数のモードで前記ショックアブソーバーの減衰力を制御する制御装置であって、前記オフロード車両の姿勢情報に応じて、前記ショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられる前記モードを自動で選択する選択部と、前記選択部で選択されている前記モードを報知装置に報知させる信号である報知信号を出力する報知動作実行部と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減衰力調整式のショックアブソーバー(111)を備えたオフロード車両(100)に搭載され、ロジックの異なる複数のモードで前記ショックアブソーバー(111)の減衰力を制御する制御装置(1)であって、
前記オフロード車両(100)の姿勢情報に応じて、前記ショックアブソーバー(111)の減衰力の制御に用いられる前記モードを自動で選択する選択部(2)と、
前記選択部(2)で選択されている前記モードを報知装置(120)に報知させる信号である報知信号を出力する報知動作実行部(4)と、
を備えている制御装置(1)。
【請求項2】
前記選択部(2)で選択される前記モードが切り換わった際の、切り換わる前の前記モードを第1モードとし、
前記選択部(2)で選択される前記モードが切り換わった際の、切り換わった後の前記モードを第2モードとし、
前記第1モードで制御されるときの前記ショックアブソーバー(111)の減衰力を第1減衰力とし、
前記第2モードで制御されるときの前記ショックアブソーバー(111)の減衰力を第2減衰力とした場合、
前記報知動作実行部(4)は、
前記第1減衰力と前記第2減衰力との差が大きい場合、前記第1減衰力と前記第2減衰力との差が小さい場合と比べ、前記報知装置(120)による報知の知覚性が高くなる前記報知信号を出力する構成である
請求項1に記載の制御装置(1)。
【請求項3】
前記選択部(2)で選択される前記モードが切り換わった際の、切り換わる前の前記モードを第1モードとし、
前記選択部(2)で選択される前記モードが切り換わった際の、切り換わった後の前記モードを第2モードとし、
前記第1モードで制御されるときの前記ショックアブソーバー(111)の減衰力を第1減衰力とし、
前記第2モードで制御されるときの前記ショックアブソーバー(111)の減衰力を第2減衰力とした場合、
前記報知動作実行部(4)は、
前記第1減衰力と前記第2減衰力との差が規定値を下回る場合、前記報知信号を出力しない構成である
請求項1又は請求項2に記載の制御装置(1)。
【請求項4】
前記モードの報知のドライバーによる設定情報を取得する取得部(5)を備えている
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の制御装置(1)。
【請求項5】
前記報知動作実行部(4)は、
前記報知信号を規定時間の間出力した後、前記報知信号の出力を停止する構成である
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の制御装置(1)。
【請求項6】
前記複数のモードのそれぞれの優先度を記憶する記憶部(6)を備え、
前記報知動作実行部(4)は、
前記報知信号を出力しているときに前記モードが切り換わっても、切り換え前の前記モードが切り換え後の前記モードと比べて前記優先度が高い場合、切り換え前の前記モードの前記報知信号を継続する構成である
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の制御装置(1)。
【請求項7】
前記報知動作実行部(4)は、
前記オフロード車両(100)の速度が大きい場合、前記オフロード車両(100)の速度が小さい場合と比べ、前記報知装置(120)による報知の知覚性が高くなる前記報知信号を出力する構成である
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の制御装置(1)。
【請求項8】
前記報知動作実行部(4)は、
前記オフロード車両(100)の速度が規定速度を下回る場合、前記報知信号を出力しない構成である
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の制御装置(1)。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の制御装置(1)を備えている
オフロード車両(100)。
【請求項10】
オフロード車両(100)に搭載された減衰力調整式のショックアブソーバー(111)の減衰力をロジックの異なる複数のモードで制御する制御方法であって、
前記オフロード車両(100)の姿勢情報に応じて、前記ショックアブソーバー(111)の減衰力の制御に用いられる前記モードを自動で選択する選択ステップ(S2)と、
前記選択ステップ(S2)で選択されている前記モードを報知装置(120)に報知させる信号である報知信号を出力する報知動作実行ステップ(S3)と、
を備えている制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフロード車両に搭載された減衰力調整式のショックアブソーバーの減衰力を制御する制御装置、該制御装置を備えたオフロード車両、及び、オフロード車両に搭載された減衰力調整式のショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられる制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体と車輪との間に減衰力調整式のショックアブソーバーを備え、走行中の挙動の安定化を図った車両が知られている(例えば特許文献1参照)。このような減衰力調整式のショックアブソーバーを備えた車両は、該車両の姿勢情報等に応じて、ロジックの異なる複数のモードでショックアブソーバーの減衰力を制御することにより、走行中の挙動の安定化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の減衰力調整式のショックアブソーバーを備えた車両は、オンロード車両(舗装路を走行する車両)となっている。これに限らず、車両の一種であるオフロード車両(舗装路以外の路面を走行することもある車両)においても、車体と車輪との間に減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたものが提案されている。ここで、オフロード車両は、オンロード車両と比べ、多様な状態の路面を走行するため、姿勢が激しく変化する。このため、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオフロード車両は、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオンロード車両と比べ、ショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられるモードが変わった際、ショックアブソーバーの減衰力が大きく変化する場合がある。したがって、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えた従来のオフロード車両は、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオンロード車両と比べ、ドライバーが意図せぬ挙動になる可能性が高いという課題があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオフロード車両に搭載され、ロジックの異なる複数のモードでショックアブソーバーの減衰力を制御する制御装置であって、ドライバーによるオフロード車両の挙動の予測性を従来よりも向上させることが可能な制御装置を得ることを目的とする。また、本発明は、このような制御装置を備えたオフロード車両を得ることを目的とする。また、本発明は、オフロード車両に搭載された減衰力調整式のショックアブソーバーの減衰力をロジックの異なる複数のモードで制御する制御方法であって、ドライバーによるオフロード車両の挙動の予測性を従来よりも向上させることが可能な制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオフロード車両に搭載され、ロジックの異なる複数のモードで前記ショックアブソーバーの減衰力を制御する制御装置であって、前記オフロード車両の姿勢情報に応じて、前記ショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられる前記モードを自動で選択する選択部と、前記選択部で選択されている前記モードを報知装置に報知させる信号である報知信号を出力する報知動作実行部と、を備えている。
【0007】
また、本発明に係るオフロード車両は、本発明に係る制御装置を備えている。
【0008】
また、本発明に係る制御方法は、オフロード車両に搭載された減衰力調整式のショックアブソーバーの減衰力をロジックの異なる複数のモードで制御する制御方法であって、前記オフロード車両の姿勢情報に応じて、前記ショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられる前記モードを自動で選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択されている前記モードを報知装置に報知させる信号である報知信号を出力する報知動作実行ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、ロジックの異なる複数のモードでショックアブソーバーの減衰力を制御する際、ショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられているモードを報知装置に報知させることができる。このため、本発明を採用することにより、ドライバーによるオフロード車両の挙動の予測性が従来よりも向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係るオフロード車両の側面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るオフロード車両の平面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る制御装置を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るオフロード車両の表示装置を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の変形例1に係るオフロード車両の表示装置を示す図である。
【
図7】本発明の変形例1に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の変形例2に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の変形例3に係る制御装置を示すブロック図である。
【
図10】本発明の変形例4に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の変形例5に係る制御装置を示すブロック図である。
【
図12】本発明の変形例5に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る制御装置及びオフロード車両について、図面を用いて説明する。
【0012】
なお、以下では、本発明に係るオフロード車両の一例として、オフロード用の自動四輪車を説明するが、本発明に係るオフロード車両は、他のオフロード用の車両(例えば、オフロード用の自転車、オフロード用のモータサイクル等)であってもよい。オフロード用の自動四輪車には、例えば、サイド・バイ・サイド・ビークル、全地形対応車、バギー等が含まれる。
【0013】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に対して、同一の符号を付している場合又は符号を付すことを省略している場合がある。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0014】
実施の形態.
以下に、実施の形態に係る制御装置1、及び該制御装置1を備えたオフロード車両100について説明する。
【0015】
<オフロード車両及び制御装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るオフロード車両の側面図である。また、
図2は、本発明の実施の形態に係るオフロード車両の平面図である。なお、
図1及び
図2では、紙面左側がオフロード車両100の前側となっている。
オフロード車両100は、車体101と車輪103とを備えている。また、本実施の形態に係るオフロード車両100は、自動四輪車であり、車輪103として、2つの前輪と2つの後輪とを備えている。具体的には、オフロード車両100は、前輪として、左前輪103FL及び右前輪103FRを備えている。また、オフロード車両100は、後輪として、左後輪103RL、及び右後輪103RRを備えている。
【0016】
また、オフロード車両100は、スプリング110及びショックアブソーバー111を備えている。スプリング110及びショックアブソーバー111は、車体101と各車輪103との間に設けられている。このため、オフロード車両100は、4つのスプリング110と、4つのショックアブソーバー111と、を備えている。具体的には、オフロード車両100は、スプリング110として、スプリング110FL、スプリング110FR、スプリング110RL、及びスプリング110RRを備えている。また、オフロード車両100は、ショックアブソーバー111として、ショックアブソーバー111FL、ショックアブソーバー111FR、ショックアブソーバー111RL、及びショックアブソーバー111RRを備えている。
【0017】
スプリング110FL及びショックアブソーバー111FLは、車体101と左前輪103FLとの間に設けられている。スプリング110FR及びショックアブソーバー111FRは、車体101と右前輪103FRとの間に設けられている。スプリング110RL及びショックアブソーバー111RLは、車体101と左後輪103RLとの間に設けられている。スプリング110RR及びショックアブソーバー111RRは、車体101と右後輪103RRとの間に設けられている。
【0018】
本実施の形態に係るショックアブソーバー111は、減衰力調整式のショックアブソーバーである。このため、オフロード車両100は、ショックアブソーバー111の減衰力を調整するアクチュエータ112を備えている。本実施の形態では、アクチュエータ112は、ショックアブソーバー111毎に設けられている。具体的には、オフロード車両100は、4つのアクチュエータ112を備えている。より具体的には、オフロード車両100は、アクチュエータ112として、アクチュエータ112FL、アクチュエータ112FR、アクチュエータ112RL、及びアクチュエータ112RRを備えている。アクチュエータ112FLは、ショックアブソーバー111FLの減衰力を調整する。アクチュエータ112FRは、ショックアブソーバー111FRの減衰力を調整する。アクチュエータ112RLは、ショックアブソーバー111RLの減衰力を調整する。アクチュエータ112RRは、ショックアブソーバー111RRの減衰力を調整する。なお、減衰力調整式のショックアブソーバーであれば、ショックアブソーバー111として、公知の種々のショックアブソーバーを用いることができる。
【0019】
また、オフロード車両100は、制御装置1を備えている。すなわち、制御装置1は、オフロード車両100に搭載されている。なお、制御装置1の各部は、纏められて配設されていてもよく、また、分散して配設されていてもよい。制御装置1は、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等を含んで構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なものを含んで構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等を含んで構成されてもよい。
【0020】
制御装置1は、アクチュエータ112と電気的に接続されている。そして、制御装置1は、アクチュエータ112へ、ショックアブソーバー111の減衰力に対応する指令信号を出力するものである。具体的には、本実施の形態では、制御装置1は、アクチュエータ112FLへ、ショックアブソーバー111FLの減衰力に対応する指令信号を出力する。また、制御装置1は、アクチュエータ112FRへ、ショックアブソーバー111FRの減衰力に対応する指令信号を出力する。また、制御装置1は、アクチュエータ112RLへ、ショックアブソーバー111RLの減衰力に対応する指令信号を出力する。また、制御装置1は、アクチュエータ112RRへ、ショックアブソーバー111RRの減衰力に対応する指令信号を出力する。
【0021】
なお、
図1に示す符号120は、後述の表示装置120である。
【0022】
<制御装置の詳細構成>
図3は、本発明の実施の形態に係る制御装置を示すブロック図である。
本実施の形態に係る制御装置1は、ロジックの異なる複数のモードで、ショックアブソーバー111の減衰力を制御する。制御装置1は、機能部として、選択部2、制御部3、及び報知動作実行部4を備えている。
【0023】
選択部2は、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるロジックの異なる複数のモードのなかから、オフロード車両100の姿勢情報に応じて、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを自動で選択する機能部である。本実施の形態では、選択部2は、オフロード車両100の姿勢情報として、オフロード車両100に搭載された加速度センサ及び角速度センサ等の図示せぬセンサの検出値を取得している。そして、選択部2は、取得した検出値に応じて、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを自動で選択している。換言すると、選択部2は、オフロード車両100に搭載された加速度センサ及び角速度センサ等の図示せぬセンサの検出値に基づいて、オフロード車両100の姿勢情報を求めているということもできる。
【0024】
ここで、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるロジックの異なる複数のモードは、特に限定されない。これらの複数のモードは、オフロード車両100の種類等に応じて、適宜選択されればよい。本実施の形態では、制御装置1は、これらの複数のモードとして、ジャンプモード、ランディングモード、ロールモード、ウォッシュボードモード、スリッピーモード、及び停車モードを備えている。これらのモードは、例えば、選択部2に保存されている。なお、これらのモードが選択部2以外の場所に保存されていても、勿論よい。
【0025】
ジャンプモードは、オフロード車両100がジャンプした場合、オフロード車両100がジャンプする姿勢となった場合、又は、オフロード車両100がジャンプする可能性がある姿勢となった場合に採用されるモードである。ランディングモードは、ジャンプしているオフロード車両100が着地する際に採用されるモードである。ロールモードは、オフロード車両100のロール挙動を抑制する際に用いられるモードである。なお、オフロード車両100のロール挙動は、オフロード車両100のロール挙動が安定していない過渡ロール状態と、オフロード車両100のロール挙動が安定している定常ロール状態と、に分けられる。そして、過渡ロール状態と定常ロール状態とでは、ショックアブソーバー111の減衰力を制御する際の好適なロジックが異なる場合がある。このため、本実施の形態では、制御装置1は、ロールモードとして、過渡ロールモードと定常ロールモードとを備えている。
【0026】
ウォッシュボードモードは、連続するこぶが存在する所謂ウォッシュボードと呼ばれる路面をオフロード車両100が走行する際に、採用されるモードである。スリッピーモードは、マッディーな路面(換言するとぬかるんだ路面)及び雪上等、オフロード車両100が滑りやすい路面を走行する際に採用されるモードである。停車モードは、オフロード車両100が停車している際に採用されるモードであり、オフロード車両100の走行時に採用されるモードとはロジックが異なるモードである。なお、停車モードには、ショックアブソーバー111の減衰力を全く制御しない構成も含まれる。
【0027】
制御部3は、選択部2で選択されているモードで、ショックアブソーバー111の減衰力を制御する機能部である。
【0028】
報知動作実行部4は、報知信号を出力する機能部である。報知信号とは、選択部2で選択されているモードを報知装置に報知させる信号である。ここで、本実施の形態では、オフロード車両100が備えている表示装置120を、報知装置として用いている。すなわち、本実施の形態では、報知動作実行部4は、表示装置120に、選択部2で選択されているモードを表示させる報知信号を出力している。以下に、表示装置120でのモードの報知の仕方の一例について説明する。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態に係るオフロード車両の表示装置を示す図である。
表示装置120は、選択部2で選択されているモードを表示するモード表示部121を備えている。そして、報知動作実行部4から出力された報知信号を受けた表示装置120は、モード表示部121に、選択部2で選択されているモードを表示する。なお、
図4では、モードを表す文字又は図形等を、□で簡略的に示している。また、
図4では、速度表示部122が表示されている画面にモード表示部121を備えた例を示している。速度表示部122は、オフロード車両100の速度を示す表示部である。
【0030】
なお、報知装置のモードの報知の仕方は、表示に限定されない。例えば、オフロード車両100が備えているスピーカー等を報知装置として用い、選択部2で選択されているモードを音で報知してもよい。この場合、報知動作実行部4は、スピーカー等の報知装置に、選択部2で選択されているモードに対応する音を発せさせる報知信号を出力する。また、報知動作実行部4から出力された報知信号を受ける報知装置は、オフロード車両100が備えている構成に限定されない。オフロード車両100のドライバーが装着するヘルメット及びグローブ等、オフロード車両100に付随する備品であってもよい。すなわち、報知動作実行部4がオフロード車両100に付随する備品に報知信号を出力し、該備品が選択部2で選択されているモードを報知してもよい。
【0031】
<制御装置の動作>
続いて、制御装置1の動作について説明する。なお、以下では、制御装置1が選択部2で選択されているモードを報知装置に報知させる動作について、説明する。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
制御の開始条件となった際、ステップS1において制御装置1は、
図5に示す制御を開始する。本実施の形態の場合、オフロード車両100の図示せぬエンジンの起動を、制御の開始条件としている。ステップS2は、選択ステップである。選択ステップにおいて選択部2は、オフロード車両100の姿勢情報に応じて、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを自動で選択する。
【0033】
ステップS2の後のステップS3は、報知動作実行ステップである。報知動作実行ステップにおいて報知動作実行部4は、選択ステップで選択されているモードを報知装置に報知させる信号である報知信号を、報知装置に出力する。これにより、報知装置は、ステップS2の選択ステップで選択されているモードを報知することとなる。本実施の形態の場合、報知装置である表示装置120が、選択ステップで選択されているモードを、モード表示部121に表示することとなる。
【0034】
ステップS3の後のステップS4は、終了条件判定ステップである。ステップS4において制御装置1は、ステップS2及びステップS3で示した制御の終了条件が成立するか否か、について判定する。終了条件が成立しない場合、制御装置1は、ステップS2に戻り、ステップS2及びステップS3の制御を繰り返す。一方、終了条件が成立する場合、制御装置1は、ステップS5に進み、
図5に示す制御を終了する。本実施の形態の場合、オフロード車両100の図示せぬエンジンの停止を、制御の終了条件としている。
【0035】
すなわち、
図5には、オフロード車両100に搭載された減衰力調整式のショックアブソーバー111の減衰力をロジックの異なる複数のモードで制御する制御方法が示されている。そして、
図5に示す制御方法は、上述の選択ステップ及び報知動作実行ステップを備えている。
【0036】
<制御装置の効果>
制御装置1は、減衰力調整式のショックアブソーバー111を備えたオフロード車両100に搭載され、ロジックの異なる複数のモードでショックアブソーバー111の減衰力を制御する制御装置である。制御装置1は、オフロード車両100の姿勢情報に応じて、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを自動で選択する選択部2と、選択部2で選択されているモードを報知装置に報知させる信号である報知信号を出力する報知動作実行部4と、を備えている。
【0037】
一般的に、オフロード車両は、オンロード車両と比べ、多様な状態の路面を走行するため、姿勢が激しく変化する。このため、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオフロード車両は、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオンロード車両と比べ、ショックアブソーバーの減衰力の制御に用いられるモードが変わった際、ショックアブソーバーの減衰力が大きく変化する場合がある。したがって、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えた従来のオフロード車両は、減衰力調整式のショックアブソーバーを備えたオンロード車両と比べ、ドライバーが意図せぬ挙動になる可能性が高くなる。
【0038】
一方、本実施の形態に係る制御装置1は、ロジックの異なる複数のモードでショックアブソーバー111の減衰力を制御する際、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられているモードを報知装置に報知させる。このため、本実施の形態に係る制御装置1を採用することにより、ドライバーによるオフロード車両100の挙動の予測性が従来よりも向上する。
【0039】
また、本実施の形態に係る制御装置1は、次のような効果を得ることもできる。報知装置で特定のモードが報知される状況にオフロード車両100がなっているときに、報知装置で当該モードが報知されなかった場合、オフロード車両100のドライバーは、制御装置1が故障している可能性を認識することができる。このため、本実施の形態に係る制御装置1は、信頼性を向上させることができるという効果を得ることもできる。
【0040】
<変形例>
[変形例1]
変形例1に係る制御装置1の報知動作実行部4は、報知装置に報知信号を出力する際、オフロード車両100の状態等に応じて報知装置による報知の知覚性が異なるように、報知信号を出力する。
【0041】
例えば、報知動作実行部4は、選択部2で選択されるモードが切り換わった際、ショックアブソーバー111の減衰力の変化度合いに応じて報知装置による報知の知覚性が異なるように、報知信号を出力する。具体的には、選択部2で選択されるモードが切り換わった際の、切り換わる前のモードを第1モードとする。選択部2で選択されるモードが切り換わった際の、切り換わった後のモードを第2モードとする。第1モードで制御されるときのショックアブソーバー111の減衰力を第1減衰力とする。第2モードで制御されるときのショックアブソーバー111の減衰力を第2減衰力とする。このように定義した際、例えば、報知動作実行部4は、第1減衰力と第2減衰力との差が大きい場合、第1減衰力と第2減衰力との差が小さい場合と比べ、報知装置による報知の知覚性が高くなる報知信号を出力する。これにより、第1減衰力と第2減衰力との差が大きい場合、第1減衰力と第2減衰力との差が小さい場合と比べ、報知装置による報知の知覚性が高くなる。このように報知動作実行部4が報知信号を出力する場合、報知動作実行部4は、例えば、第1減衰力と第2減衰力との差が大きくなるに従って連続的又は階段状に報知装置による報知の知覚性が高くなるように、報知信号を出力する。
【0042】
選択部2で選択されるモードが切り換わった際、第1減衰力と第2減衰力との差が大きくなるほど、オフロード車両100の挙動の変化が大きくなる。このため、第1減衰力と第2減衰力との差が大きい場合、上述のように報知装置による報知の知覚性を高くすることにより、ドライバーは、オフロード車両100の挙動が変化することを、より認識しやすくなる。このため、第1減衰力と第2減衰力との差が大きい場合、上述のように報知装置による報知の知覚性を高くすることにより、オフロード車両100の安全性が向上する。
【0043】
また、例えば、報知動作実行部4は、オフロード車両100の速度(換言すると、車輪速、GPSでの位置情報等の実質的に速度に換算可能な物理量)に応じて報知装置による報知の知覚性が異なるように、報知信号を出力する。具体的には、報知動作実行部4は、オフロード車両100の速度が大きい場合、オフロード車両100の速度が小さい場合と比べ、報知装置による報知の知覚性が高くなる報知信号を出力する。これにより、オフロード車両100の速度が大きい場合、オフロード車両100の速度が小さい場合と比べ、報知装置による報知の知覚性が高くなる。このように報知動作実行部4が報知信号を出力する場合、報知動作実行部4は、例えば、オフロード車両100の速度が大きくなるに従って連続的又は階段状に報知装置による報知の知覚性が高くなるように、報知信号を出力する。
【0044】
オフロード車両100の速度が大きい場合、上述のように報知装置による報知の知覚性を高くすることにより、ドライバーは、オフロード車両100の挙動が変化することを、より認識しやすくなる。ここで、オフロード車両100の速度が大きくなるほど、オフロード車両100のドライバーには繊細な運転が要求される。このため、オフロード車両100の速度が大きい場合、上述のように報知装置による報知の知覚性を高くすることにより、オフロード車両100の安全性が向上する。
【0045】
また、例えば、報知動作実行部4は、ショックアブソーバー111の減衰力の変化度合いと、オフロード車両100の速度との双方に基づいて、報知装置による報知の知覚性を異ならせてもよい。
【0046】
図6は、本発明の変形例1に係るオフロード車両の表示装置を示す図である。
図6に示す表示装置120は、
図4で示した表示装置120と比べ、報知の知覚性が高くなっている。具体的には、表示装置120は、モード表示部121にモードを表示することにより、モードを報知する。この際、
図6に示す表示装置120は、
図4で示した表示装置120と比べ、モード表示部121に、太くモードが表示されている。なお、
図6で示した報知の知覚性の異ならせ方は、あくまでも一例である。表示装置120のように表示によってモードを報知する場合、例えば、表示されるモードの色を異ならせる、表示されるモードの明るさを異ならせる等によって、報知の知覚性を異ならせてもよい。また、例えば、音によってモードを報知する場合、モードを報知する際の音の大きさを異ならせることによって、報知の知覚性を異ならせてもよい。
【0047】
図7は、本発明の変形例1に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
この
図7は、変形例1に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作を示している。
変形例1に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる場合、
図5で示した制御装置1の動作に対して、
図7に示すステップS11が追加される。このステップS11は、知覚度決定ステップであり、選択ステップであるステップS2と報知動作実行ステップであるステップS3との間に追加される。知覚度決定ステップにおいて報知動作実行部4は、選択ステップで選択されているモードを報知装置に報知させる際の、知覚度を決定する。換言すると、知覚度決定ステップにおいて報知動作実行部4は、選択ステップで選択されているモードを報知装置に報知させる際、報知の知覚性をどの程度にするのかを決定する。知覚度の決定は、例えば、上述のように、オフロード車両100の状態等に応じて決定される。
【0048】
そして、報知動作実行ステップであるステップS3において報知動作実行部4は、知覚度決定ステップで決定された知覚度の情報を含む報知信号を、報知装置に出力する。これにより、オフロード車両100の状態等に応じて、報知装置による報知の知覚性を異ならせることができる。
【0049】
[変形例2]
変形例2に係る制御装置1の報知動作実行部4は、オフロード車両100の状態等よっては、報知信号を出力しない構成となっている。これにより、報知装置による過度な報知を抑制できる。
【0050】
例えば、報知動作実行部4は、選択部2で選択されるモードが切り換わった際、ショックアブソーバー111の減衰力の変化度合いに応じて、報知信号を出力するか否かを決定する。具体的には、報知動作実行部4は、上述した第1減衰力と第2減衰力との差が規定値を下回る場合、報知信号を出力しない。選択部2で選択されるモードが切り換わった場合でも、第1減衰力と第2減衰力との差が小さい場合には、オフロード車両100の挙動の変化は小さい。このため、第1減衰力と第2減衰力との差が小さいときには、報知装置での報知が不要な場合もある。このため、第1減衰力と第2減衰力との差が規定値を下回る場合に報知信号を出力しないことにより、報知装置による過度な報知を抑制できる。
【0051】
また、例えば、報知動作実行部4は、オフロード車両100の速度に応じて、報知信号を出力するか否かを決定する。具体的には、報知動作実行部4は、オフロード車両100の速度が規定速度を下回る場合、報知信号を出力しない。上述のように、オフロード車両100の速度が大きくなるほど、オフロード車両100のドライバーには繊細な運転が要求される。このため、オフロード車両100の速度が小さい場合には、報知装置での報知が不要な場合もある。したがって、オフロード車両100の速度が規定速度を下回る場合に報知信号を出力しないことにより、報知装置による過度な報知を抑制できる。
【0052】
また、例えば、報知動作実行部4は、ショックアブソーバー111の減衰力の変化度合いと、オフロード車両100の速度との双方に基づいて、報知信号を出力するか否かを決定してもよい。
【0053】
以下、変形例2に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作の一例について説明する。なお、以下では、
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例2の構成に変形した場合を例に、変形例2に係る制御装置1の動作を説明する。
【0054】
図8は、本発明の変形例2に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
この
図8は、変形例2に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作を示している。
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例2の構成に変形した場合、
図5で示した制御装置1の動作に対して、
図8に示すステップS21が追加される。このステップS21は、報知決定ステップであり、選択ステップであるステップS2と報知動作実行ステップであるステップS3との間に追加される。
【0055】
報知決定ステップにおいて報知動作実行部4は、選択ステップで選択されているモードを報知装置に報知させるか否かを決定する。すなわち、報知決定ステップにおいて報知動作実行部4は、報知装置へ報知信号を出力するか否かを決定する。報知装置へ報知信号を出力するか否かの決定は、例えば、上述のように、オフロード車両100の状態等に応じて決定される。
【0056】
報知決定ステップにおいて、報知動作実行部4が報知装置へ報知信号を出力しないと決定した場合、制御装置1は、ステップS2に戻る。一方、報知決定ステップにおいて、報知動作実行部4が報知装置へ報知信号を出力すると決定した場合、報知動作実行部4は、報知動作実行ステップであるステップS3に進み、報知装置へ報知信号を出力する。
【0057】
なお、変形例2に係る制御装置1は、変形例1で示した制御装置1を変形したものであってもよい。
【0058】
[変形例3]
図9は、本発明の変形例3に係る制御装置を示すブロック図である。
図9に示す変形例3に係る制御装置1は、
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例3の構成に変形したものである。なお、変形例3に係る制御装置1は、変形例1又は変形例2で示した制御装置1を変形したものであってもよい。
【0059】
変形例3に係る制御装置1は、機能部として、取得部5を備えている。取得部5は、モードの報知のドライバーによる設定情報を取得する機能部である。モードの報知のドライバーによる設定情報とは、例えば、ドライバーによって設定された、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを報知装置へ報知させるか否かの情報である。この情報は、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードの報知そのものの要否が設定されたものであってもよいし、モード毎に報知の要否が設定されたものであってもよい。また、変形例3に係る制御装置1が変形例1で示した制御装置1を変形したものである場合、モードの報知のドライバーによる設定情報とは、例えば、ドライバーによって設定された、報知の知覚性に関する情報であってもよい。報知の知覚性に関する情報とは、例えば、報知の知覚性をどのように異ならせるか、又はどの程度異ならせるかといった情報である。
【0060】
変形例3のように制御装置1を構成することにより、変形例3に係る制御装置1を搭載したオフロード車両100の使い勝手を向上させることができる。
【0061】
[変形例4]
変形例4に係る制御装置1の報知動作実行部4は、報知信号を規定時間の間出力した後、報知信号の出力を停止する構成となっている。オフロード車両100のドライバーがショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを認識した後は、報知装置によるモードの報知が不要である場合もある。このような場合、変形例4のように制御装置1を構成することにより、必要以上の時間、モードを報知することを抑制できる。なお、モードの報知時間となる上述の規定時間は、固定値となっていてもよいし、変更可能な値であってもよい。例えば、変形例3で示した制御装置1を変形して、変形例4に係る制御装置1の構成とすることにより、モードの報知のドライバーによる設定情報として、規定時間を取得部5に取得させることができる。これにより、モードの報知時間となる上述の規定時間を変更可能な値とすることができる。
【0062】
以下、変形例4に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作の一例について説明する。なお、以下では、
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例4の構成に変形した場合を例に、変形例4に係る制御装置1の動作を説明する。
【0063】
図10は、本発明の変形例4に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
この
図10は、変形例4に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作を示している。
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例4の構成に変形した場合、
図5で示した制御装置1の動作に対して、
図10に示すステップS31及びステップS32が追加される。ステップS31及びステップS32は、制御動作において、報知動作実行ステップであるステップS3の下流側に追加される。
【0064】
ステップS31は、時間経過判定ステップである。報知動作実行部4は、ステップS3の報知動作実行ステップで報知装置へ報知信号を出力した後、ステップS31の時間経過判定ステップにおいて、規定時間が経過したか否かを判定する。そして、報知動作実行部4は、規定時間が経過した後、ステップS32へ進む。ステップS32は、報知動作停止ステップである。報知動作停止ステップにおいて報知動作実行部4は、報知装置への報知信号の出力を停止する。
【0065】
なお、変形例4に係る制御装置1は、変形例1~変形例3のいずれかで示した制御装置1を変形したものであってもよい。
【0066】
[変形例5]
図11は、本発明の変形例5に係る制御装置を示すブロック図である。
図11に示す変形例5に係る制御装置1は、
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例5の構成に変形したものである。なお、変形例5に係る制御装置1は、変形例1~変形例4のいずれかで示した制御装置1を変形したものであってもよい。
【0067】
変形例5に係る制御装置1は、機能部として、記憶部6を備えている。記憶部6は、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられる複数のモードのそれぞれの優先度を記憶する機能部である。そして、変形例5に係る制御装置1の報知動作実行部4は、報知信号を出力しているときにショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードが切り換わっても、切り換え前のモードが切り換え後のモードと比べて優先度が高い場合、切り換え前のモードの報知信号を継続する構成となっている。すなわち、変形例5に係るオフロード車両100の報知装置では、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードが切り換わっても、切り換え前のモードが切り換え後のモードと比べて優先度が高い場合、切り換え前のモードの報知が継続されることとなる。
【0068】
オフロード車両100の走行状態によっては、ショックアブソーバー111の減衰力を制御する際、2つのモードが頻繁に切り換わる場合がある。このような場合、報知装置で報知されるモードが頻繁に切り換わると、オフロード車両100のドライバーが、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを認識できない可能性がある。しかしながら、変形例5のように制御装置1を構成することにより、報知装置で報知されるモードの過度な切り換わりを抑制できる。これにより、オフロード車両100のドライバーは、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードを認識することが容易となる。したがって、変形例5のように制御装置1を構成することにより、オフロード車両100の安全性が向上する。
【0069】
以下、変形例5に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作の一例について説明する。なお、以下では、
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例5の構成に変形した場合を例に、変形例5に係る制御装置1の動作を説明する。
【0070】
図12は、本発明の変形例5に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
この
図12は、変形例5に係る制御装置1がモードを報知装置に報知させる動作を示している。
図1~
図5の説明中で示した制御装置1を変形例5の構成に変形した場合、
図5で示した制御装置1の動作に対して、
図12に示すステップS41及びステップS42が追加される。ステップS41及びステップS42は、選択ステップであるステップS2と報知動作実行ステップであるステップS3との間に追加される。
【0071】
ステップS41は、モード切り換え判定ステップである。モード切り換え判定ステップにおいて報知動作実行部4は、ショックアブソーバー111の減衰力の制御に用いられるモードとして選択部2で選択されているモードが切り換わったか否かを判定する。換言すると、モード切り換え判定ステップにおいて報知動作実行部4は、ステップS2の選択ステップで選択されたモードが切り換わったか否かを判定する。
【0072】
選択部2で選択されているモードが切り換わっていない場合、報知動作実行部4は、ステップS3の報知動作実行ステップに進む。一方、選択部2で選択されているモードが切り換わった場合、報知動作実行部4は、ステップS42に進む。ステップS42は、報知モード決定ステップである。報知動作実行部4は、切り換え前のモードと切り換え後のモードとの優先度を比較し、報知するモードを決定する。その後、報知動作実行部4は、ステップS4の報知動作実行ステップに進み、報知装置に、報知モード決定ステップで決定されたモードを報知させる報知信号を出力する。すなわち、切り換え前のモードが切り換え後のモードと比べて優先度が高い場合、切り換え前のモードの報知信号が継続されることとなる。
【0073】
以上、本実施の形態に係る制御装置1について説明したが、本発明に係る制御装置は、本実施の形態の説明に限定されるものではなく、本実施の形態の一部のみが実施されてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 制御装置、2 選択部、3 制御部、4 報知動作実行部、5 取得部、6 記憶部、100 オフロード車両、101 車体、103 車輪、103FL 左前輪、103FR 右前輪、103RL 左後輪、103RR 右後輪、110(110FL,110FR,110RL,110RR) スプリング、111(111FL,111FR,110RL,110RR) ショックアブソーバー、112(112FL,112FR,112RL,112RR) アクチュエータ、120 表示装置、121 モード表示部、122 速度表示部。