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特開2023-33049ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構
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  • 特開-ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033049
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20230302BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H02K5/10 A
H02K7/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021166613
(22)【出願日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2021136883
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】古田 成広
(72)【発明者】
【氏名】亀井 政嗣
(72)【発明者】
【氏名】鰐部 幸政
【テーマコード(参考)】
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
5H605AA02
5H605BB05
5H605CC04
5H605CC08
5H605CC10
5H605DD16
5H605DD32
5H605EB10
5H605EB28
5H605EB31
5H607AA05
5H607BB01
5H607CC01
5H607CC05
5H607CC09
5H607DD03
5H607DD19
5H607FF04
5H607GG08
5H607JJ10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】屋外設置であるモータの回転軸とVリングの封止機構(シール機構)を確立する。
【解決手段】モータケーシング6aの回転軸と、ファンボス部のシール機構において、回転軸側にオイルシールを付設し、ファンボス部側にVリングを付設し、Vリングの本体部を、回転軸側に配備し、Vリングのリップを、ファンボス部側に配備し、Vリングの摩擦減少と、耐久性向上を可能とした、ファン8のファンボス部と、モータ6の回転軸のシール機構。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータケーシングの回転軸と、ファンボス部のシール機構において、
前記回転軸側にオイルシールを付設し、
前記ファンボス部側にVリングを付設し、
このVリングの本体部を、前記回転軸側に配備し、
前記Vリングのリップを、前記ファンボス部側に配備し、
前記Vリングの摩擦減少と、耐久性向上を可能とした、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項2】
前記Vリングは、前記回転軸に備え、
このVリングの前記本体部を、前記回転軸側に配備し、
このVリングの前記リップを、前記ファンボス部側に配備した、
ことを特徴とする請求項1に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項3】
前記モータケーシングに付設した側板には、前記オイルシールを備えるとともに、このオイルシールを被うカバーを備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項4】
前記カバーの下側にドレーンを備える、
ことを特徴とする請求項3に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項5】
前記ファンは防霜ファンであって、圃場又は芝園に設けた建柱と、この建柱の上に設けた架台と、この架台に設けた俯角ベースにおいて、
前記防霜ファンは、この俯角ベースに設けられる構造であって、
この防霜ファンは、俯角を備えており、前記俯角ベースを基準として、前記モータが上方で、前記防霜ファンが、下方に位置する構成とした、
請求項1-4の何れか一項に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項6】
前記ファンはグリーンファンであって、芝園又は圃場に設けた建柱と、この建柱の上に設けた架台と、この架台に設けた俯角ベースにおいて、
前記グリーンファンは、この俯角ベースに設けられる構造であって、
このグリーンファンは、俯角を備えており、前記俯角ベースを基準として、前記モータが上方で、前記グリーンファンが、下方に位置する構成とした、
請求項1-4の何れか一項に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項7】
前記回転軸側に付設された前記オイルシールに対峙し、かつ前記ファンボス部側に、前記Vリングを付設する構成とした、
請求項1-6の何れか一項に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【請求項8】
ファンは移動式のグリーンファンであって、
このグリーンファンは、
車輪と、この車輪に支持したフレームと、このフレームに設けた俯角調整自在の俯角ベースと、この俯角ベースに設けたファンで構成された請求項1-4のいずれか一項に記載のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場、農地、芝園等の植物栽培エリアに設置される防霜ファン、又はグリーンファン(総称の時は、ファンとする)のファンボス部と、モータの回転軸のシール機構に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、この種のファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構に関しては、種々の要望とか、例えば、改良1-4が要求される。
【0003】
改良1は、ファンのボス部(ボスと同語)に浸入する雨水等で、回転軸に錆が発生し、ファンの取外しが困難となることとか、取外しに手間、及び時間を要すること等の問題を抱えている。従って、改良が望まれている。
【0004】
改良2は、建柱は地上6-8mの高さで、この高さにファンが設置されている。従って、例えば、ファン、及び/又は、シール機構に、故障、不都合が生じた際の修理は、当然、高所作業となる。しかし、この高所作業は、厄介、面倒、危険、かつ困難である故、改良の余地がある。さらには、径が大きいファンがあることで、持運びの際に、危険、及び厄介であり、かつ修理時の障害となる。
【0005】
改良3は、ファンが屋外設置で、かつ雨ざらし設置である故、前述した雨水の浸入があり得る。従って、シール機構を改良することは、必要である。
【0006】
改良4は、グリーンファンのなかで、建柱式(ポール方式)の形態では、屋外設置であり、原則として、改良1~3は、同じと考えられること、芝を、素早く乾燥する必要性等を考慮すると、グリーンファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構が要望される。また、グリーンファンのなかで、自走式(車輪方式)の形態もあるが、原則として、改良1~3は、同じと考えてよい。
【0007】
そして、この種のシール機構の好ましい、構成を、先行文献より調査したが、具体的で、かつ要望を満足する技術文献は、見当らなかった。そこで、一般的な(他分野の)シール機構に関して説明する。
【0008】
例えば、特開2008-104254号公報(文献(1)とする)の密閉形回転センサ内臓のモータでは、「モータのケース82にブラケット22等の他の部品が合わされる箇所に、ボンド、シール部材等が介在させられることにより、外気からの湿気や異物の侵入が防止される密閉構造」である。また、特開2014-107909号公報(文献(2)とする)では、「モータ軸は、フランジに軸受を介して支持されており、Vリングは、フランジとモータ軸の間隙をシールし、また、Vリングカバーは、モータ軸から径方向外側に延びVリングを覆う。かつVリングカバーは、モータ軸に外嵌されるとともに、軸方向移動が規制される密閉構造」である。
【0009】
従って、文献(1)と文献(2)においては、本発明が意図する、モータの回転軸側に付設されたオイルシールは、既定の事実であり、この付設されたこのオイルシールに対峙し、かつファンのファンボス部側に、Vリングを付設する。所謂、モータケーシングの回転軸と、ファンのファンボス部のVリングを付設し、屋外設置で、かつ高所設置のモータとファンのシール機構の確立を図り、かつ、必要により、既定の事実を有効活用し、シール機構の確立を図る構造、又は位置(配備位置)を図るものでない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008-104254号公報
【特許文献2】特開2014-107909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の改良1-4を考慮し、本発明では、防霜ファン、又はグリーンファン(ファンとする)のシール機構の好ましい、各実施例の提供を意図する。
【0012】
前記グリーンファンとは、構造は、防霜ファンと、略同じであり、このグリーンファンの目的は、主として、芝園の蒸れ解消、及び/又は、害虫繁殖・飛来解消等の健全な育成・生育環境維持等を図る。例えば、芝の健全な育成、生育環境維持、並びに土壌の蒸れ解消、及び/又は、害虫繁殖、飛来解消等を図る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ファンのシール機構を改良し、この種のファンのシール機構として、最適で、かつ雨水の浸入が、少ない(浸入がゼロである)構造を提案し、かつ市場の要望を達成する。前述した本発明の意図を達成するために、請求項1-8を提供する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1は、
モータケーシングの回転軸と、ファンボス部(ファンのボスと同語)のシール機構において、
回転軸側にオイルシールを付設し、
ファンボス部側にVリングを付設し、
Vリングの本体部を、回転軸側に配備し、
Vリングのリップを、ファンボス部側に配備し、
Vリングの摩擦減少と、耐久性向上を可能とした、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0015】
この構成により、請求項1では、モータの回転軸側に付設された既設のオイルシールに対峙し、かつファンのファンボス部側に、Vリングを付設し、しかも、モータケーシングの回転軸と、ファンのファンボス部にVリングを配備し、屋外設置で、かつ高所設置のモータとファンのシール機構の確立を図り、かつ既定の事実を有効活用し、シール機構の確立を図る構造、又は位置(配備位置)を図れる特徴がある。本発明は、ボス部のファンボス部側端面を、シール機構(Vリングのリップ)で封止する機構を提案し、雨水浸入を無くし得る特徴がある。
【0016】
請求項2は、
Vリングは、回転軸に備え、
Vリングの本体部を、回転軸側に配備し、
Vリングのリップを、ファンボス部側に配備した、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0017】
この構成により、請求項2では、請求項1の目的達成に最適な、Vリングの条件設定を提供できる。
【0018】
請求項3は、
モータケーシングに付設した側板には、オイルシールを備えるとともに、オイルシールを被うカバーを備えた、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0019】
この条件設定で、請求項3では、請求項1の目的達成に最適な、オイルシール、及び/又は、カバーを提供できる。
【0020】
請求項4は、
カバーの下側にドレーンを備える、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0021】
この条件設定で、請求項4では、請求項1の目的達成に最適な、カバーを提供できる。
【0022】
請求項5は、
ファンは防霜ファンであって、圃場又は芝園に設けた建柱と、建柱の上に設けた架台と、架台に設けた俯角ベースにおいて、
防霜ファンは、俯角ベースに設けられる構造であって、
防霜ファンは、俯角を備えており、俯角ベースを基準として、モータが上方で、防霜ファンが、下方に位置する構成とした、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0023】
この条件設定で、請求項5では、請求項1の目的達成に最適な、ファンを提供できる。
【0024】
請求項6は、
ファンはグリーンファンであって、芝園又は圃場に設けた建柱と、建柱の上に設けた架台と、架台に設けた俯角ベースにおいて、
グリーンファンは、俯角ベースに設けられる構造であって(建柱式)、
グリーンファンは、俯角を備えており、俯角ベースを基準として、モータが上方で、グリーンファンが、下方に位置する構成とした、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0025】
この条件設定で、請求項6では、請求項1の目的達成に最適な、防霜ファン等を提供できる。
【0026】
請求項7は、
回転軸側に付設されたオイルシールに対峙し、かつファンボス部側に、Vリングを付設する構成とした、
ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0027】
この条件設定で、請求項7では、請求項1の目的達成に最適な、シール機構を提供できる。
【0028】
請求項8は、
ファンは移動式のグリーンファンであって、
グリーンファンは、
車輪と、車輪に支持したフレームと、フレームに設けた俯角調整自在の俯角ベースと、俯角ベースに設けたファンで構成されたファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構とする。
【0029】
この条件設定で、請求項8では、請求項1の目的達成に最適な、シール機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】防霜ファンの一例の(以下、省略)縮尺側面図
図2】防霜ファンの縮尺端面図
図3】防霜ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構で、その一例を示した拡大要部断面図と、その一部の拡大図
図4】防霜ファンのファンボス部と、モータの回転軸のシール機構で、その他の一例を示した拡大要部断面図と、その一部の拡大図
図5】自走式のグリーンファンの正面図
図6図5の側面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の各実施例を説明する。各実施例は、好ましい一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【0032】
図1、又は、図2の如く、図中Aは、防霜ファンであり(以下、原則として、図示しないが、グリーンファンBも同じであり、相違点のみ説明する)、この防霜ファンAは、例えば、圃場に設けた建柱1(ポール)に被嵌する筒体2と、この筒体2に架承した、略舟形となる架台3と、この架台3に設ける図示しないクランク機構と、回転台(符号なし)と、前記架台3に回転(旋回自在)に設けた倒略鞍形の俯角ベース4と、この俯角ベース4に跨り設けた、かつ俯角調整自在に設けたモータベース5と、このモータベース5の天板部位に設けたファン駆動用モータ6と、このモータ6の回転軸7に設けた羽根(ファン)8と、により構成する。
【0033】
図1図4の如く、前記モータ6はモータケーシング6aと、側板6bで構成されており、前記回転軸7は、側板6bに装備したベアリング10を介して回転自在に設けられるとともに、このベアリング10はオイルシール11で水密に保持されている。このオイルシール11は、側板6bのボス箇所(符号なし)に止め具9aを利用して取付けたカバー9により封止されている。図中9bは、カバー9の、望ましくは、下側9-1に開設したドレーンであり、ドレーン9bは、オイルシール11の封止箇所の水抜、又は水抜きを介して錆発生の回避等に有効である。殊に、防霜ファンAが傾斜して設けられることから、ドレーン9bは有益である。尚、図示しないが、モータ6にもドレーンを設ける。尚、図示しないが、グリーンファンBにおいても同様である(以下省略する)。
【0034】
尚、図示のように、回転軸7(出力軸)には、羽根(ファン)8のボス部8aが固止されており(嵌合、又は被嵌等の手段で繋がっており)、ボス部8aには羽根(ファン)8が取付けられている。図中12は、側板6bをモータケーシング6aに取付ける止め具である。
【0035】
本発明では、回転軸7の軸端部7a(負圧側部)の軸部と、ボス部8aの連結側で形成される空間Hに、Vリング13を配備する。例えば、回転軸7と段差をもって設けた(繋がっている)ボス部8aとの間に、Vリング13を配備する。望ましくは、Vリング13の本体部13aを、カバー9の外面9c(ボス部8a側)に、及び/又は、Vリング13のリップ13bを、ファンボス部側8bの端面8cに、それぞれ配備することで、例えば、Vリング13の摩擦減少と、耐久性向上、及びリップ13bの接圧向上を可能とする。この例では、本体部13aを、回転軸部側7bのオイルシール11に、及び/又は、リップ13bを、ファンボス部側8bの端面8cに、それぞれ接圧する。
【0036】
即ち、本発明では、ボス部8aの回転軸部側7bの端面8cを、シール機構(Vリング13のリップ13b)で封止する機構を提案し、図3等に示した、矢印X(雨水侵入経路)からの雨水浸入を無くし得る特徴がある。これにより、防霜ファンAのボス部8aに浸入する雨水等による、回転軸7の錆発生を無くし得ることと、防霜ファンAの取外し容易化、かつ簡易化を図りつつ、併せて、取外し等の修理、保全等の簡略化、及び時間の短縮化が図れる。
【0037】
尚、この例の如く、Vリング13の本体部13aは、オイルシール11のファンボス部側8bに、及び/又は、Vリング13のリップ13bは、ボス部8aの回転軸部側7bの端面8cに、それぞれ接圧する。この配備により、水密性の確保とか、前述した、本発明1-4に示した、改良が図れる。
【0038】
前記筒体2と前記架台3には、後述する回転台(符号なし)を回転する機構が設けられている。例えば、架台3、及び/又は、筒体2に設けた(内蔵した)駆動用のモータ6と、このモータ6からの回転力を伝達する、歯車群でなる架台3内に設けた図示しない伝達機構と、伝達機構の回転力を減速する歯車群でなる、架台3内に設けた減速機構と、この減速機構の回転をクランク運動に変える架台3内の水平方向に設けたクランク機構、を主構成とする。
【0039】
続いて、この機構の動きと連繋とを説明すると、駆動用のモータ6の回転力を、図示しない伝達機構と減速機構に伝達、かつ減速して伝える。この減速機構で減速した回転を、図示しないクランク機構でクランク運動に変える。そして、クランク機構の先端に垂設した回転軸(図示しない)に伝えることで、この回転軸(図示しない)は回転(往復運動「所定範囲旋回」)する。この往復運動を介して、後述するように俯角ベース4を往復運動する(ファン8の首振り運動の基となる)。尚、回転軸(図示しない)の往復運動は、回転軸(図示しない)の上部に固止した回転台に伝える。この回転台の回転(往復運動「所定範囲旋回」)は、回転台に固止した(被嵌した)、かつ同期して回転(往復運動「所定範囲旋回」)するキャップ(符号なし)に伝える。従って、キャップの回転は、キャップに溶接等の手段で固止した(架台3の上に間隔を持って設置した)俯角ベース4に伝えられるとともに、この俯角ベース4を旋回する(所定範囲での首振り運動である)。そして、俯角ベース4の旋回の動きを、この俯角ベース4に固止したモータベース5に伝える。そして、結果として、モータベース5に設けた羽根(ファン)8の首振り動作(首振り運動)の動力となる。
【0040】
本発明は、前述した如く、望ましくは、Vリング13の本体部13aは、カバー9の外面9c(ボス部8a側)に添設、及び/又は、Vリング13のリップ13bは、ボス部8aの回転軸部側7bの端面8cに添設・接圧する態様とする。この配備により、例えば、水密性が確保され、かつ本発明の意図、即ち、屋外設置で、かつ高所設置のモータ6と防霜ファンAのシール機構の確立を図り、かつ既定の事実を有効活用し、シール機構の確立を図る構造、又は位置(配備位置)を図れ、かつ1-4に示した、改良が図れる特徴がある。
【0041】
市販品のVリング13を利用する形態では、図3に於いては,防霜ファンAのボス部8aと、モータ6の回転軸7のシール機構に、市販品のVリング、例えば、V-30Sを設置した形態、本体部13aが、大きい形態を、図4に於いては,防霜ファンAのボス部8aと、モータ6の回転軸7のシール機構に、市販品のVリング、例えば、V-25Sを設置した形態、本体部13aが、V-30Sに比しやや小さい形態を、それぞれ示した例である。
【0042】
図5図6は、自走式のグリーンファンBの、好ましい、一例を示すものであって、この一例では、対の車輪20、20(20とする)にグリーンファンBを備えた構造である。例えば、車輪20と、この車輪20に架承するように支持したフレーム21(台車)と、このフレーム21に俯角調整自在に設けた俯角ベース22(俯角手段)と、この俯角ベース22に俯角調整自在に設けたグリーンファンB(防霜ファンAの場合も同じ)で構成される。従って、例えば、芝園に散水した後に、芝、及び/又は、土壌等の乾燥を、早め、かつ湿潤状態を早める等のために、グリーンファンBを稼働する。この稼働を利用し、芝園の蒸れ解消、及び/又は、害虫繁殖、飛来解消等を図る。図中23は、ファンガードである。
【0043】
前述したグリーンファンBの構造は、防霜ファンAの構造と、同じ機構であり、前述の説明に準ずる。
【0044】
尚、本発明は、図示しないが、クローラに支柱、及び/又は、支柱及び/又は横杆等でなるフレームに、防霜ファン等を俯角調整自在に設けた機器にも採用できる。
【0045】
前述した、各実施例は、好ましい一例である。この各実施例の趣旨の範囲において、構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0046】
A 防霜ファン
B グリーンファン
H 空間
X 雨水侵入経路
1 建柱
2 筒体
3 架台
4 俯角ベース
5 モータベース
6 モータ
6a モータケーシング
6b 側板
7 回転軸
7a 軸端部
7b 回転軸部側
8 羽根(ファン)
8a ボス部
8b ファンボス部側
8c 端面
9 カバー
9-1 下側
9a 止め具
9b ドレーン
9c 外面
10 ベアリング
11 オイルシール
12 止め具
13 Vリング
13a 本体部
13b リップ
20 車輪
21 フレーム
22 俯角ベース(俯角手段)
23 ガード
図1
図2
図3
図4
図5
図6