(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033111
(43)【公開日】2023-03-09
(54)【発明の名称】パッケージキャリア及びパッケージ構造
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230302BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230302BHJP
H01L 25/10 20060101ALI20230302BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H01L23/12 N
H01L25/08 B
H01L25/08 G
H01L25/08 Z
H01L25/14 Z
H05K3/46 Q
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022100206
(22)【出願日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】110131543
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】599110599
【氏名又は名称】旭徳科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】勞 紹文
(72)【発明者】
【氏名】范 智朋
(72)【発明者】
【氏名】▲チェン▼ 秉益
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316FF01
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF22
5E316HH17
5E316HH22
5E316HH23
5E316HH24
5E316JJ02
5E316JJ06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多層回路基板とシリコンウェハとを含み、薄型化と熱放散効果及び構造的信頼性を達成するパッケージキャリア及びパッケージ構造を提供する。
【解決手段】パッケージキャリア100aにおいて、多層回路基板110は、互いに連通した第1開口H1と、第2開口H2と、を含む。第1開口H1の第1の直径W1及び第1の深さD1は、それぞれ第2開口H2の第2の直径W2及び第2の深さD2よりも大きい。シリコンウェハ120は、多層回路基板110の第1開口H1に埋め込まれ、活性表面Sを有し、接続回路層122を含む。接続回路層は、活性表面に設けられて多層回路基板110に電気接続される。多層回路基板110の第2開口H2は、接続回路層の一部を露出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連通した第1開口と第2開口とを有する多層回路基板と、
前記多層回路基板の前記第1開口に埋め込まれ、活性表面を有し、接続回路層を含むシリコンウェハと
を含み、
前記第1開口の第1の直径及び第1の深さが、それぞれ前記第2開口の第2の直径及び第2の深さよりも大きく、
前記接続回路層が前記活性表面に設けられて前記多層回路基板に電気接続され、前記多層回路基板の前記第2開口が前記接続回路層の一部を露出する、
パッケージキャリア。
【請求項2】
前記多層回路基板が、
互いに逆向きの上面と下面とを含むコア誘電体層と、
前記コア誘電体層の前記上面に設けられた第1パターン化回路層と、
前記コア誘電体層の前記下面に設けられた第2パターン化回路層と、
前記コア誘電体層の前記上面に設けられ、前記第1パターン化回路層を覆う第1誘電体層と、
前記第1誘電体層に設けられた第3パターン化回路層と、
前記コア誘電体層の前記下面に設けられ、前記第2パターン化回路層を覆う第2誘電体層と、
前記第2誘電体層に設けられた第4パターン化回路層と、
前記コア誘電体層を貫通し、前記第1パターン化回路層と前記第2パターン化回路層とに電気接続された少なくとも1つの第1導電ビアと、
前記第1誘電体層を貫通し、前記第3パターン化回路層と前記第1パターン化回路層とに電気接続された少なくとも1つの第2導電ビアと、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第4パターン化回路層と前記第2パターン化回路層とに電気接続された少なくとも1つの第3導電ビアと、
前記第1誘電体層を貫通し、前記第3パターン化回路層と前記シリコンウェハの前記接続回路層とに電気接続された少なくとも1つの第4導電ビアと
を含む、
請求項1に記載のパッケージキャリア。
【請求項3】
前記多層回路基板が、
前記第1誘電体層と前記第3パターン化回路層とを覆い、第3開口と複数の第1開気孔とを含む第1ソルダーマスク層と、
前記第2誘電体層と前記第4パターン化回路層とを覆い、複数の第2開気孔を含む第2ソルダーマスク層と
を更に含み、
前記第3開口が前記第2開口と前記第1開口とに連通しており、前記第3開口の第3の直径が前記第2の直径以上であり、前記第1開気孔が複数の第1パッドを定義するため前記第3パターン化回路層の一部を露出し、
前記第2開気孔が複数の第2パッドを定義するため前記第4パターン化回路層の一部を露出する、
請求項2に記載のパッケージキャリア。
【請求項4】
前記第1パッドに設けられた第1表面処理層と、
前記第2パッドに設けられた第2表面処理層と
を更に含む、
請求項3に記載のパッケージキャリア。
【請求項5】
前記多層回路基板の前記第1開口に充填された絶縁材料を更に含み、
前記シリコンウェハが前記絶縁材料を介して前記第1開口に固定される、
請求項1に記載のパッケージキャリア。
【請求項6】
互いに連通した第1開口と第2開口とを有する多層回路基板と、
前記多層回路基板の前記第1開口に埋め込まれ、活性表面を有し、接続回路層を含むシリコンウェハと
を含み、
前記第1開口の第1の直径及び第1の深さが、それぞれ前記第2開口の第2の直径及び第2の深さよりも大きく、
前記接続回路層が前記活性表面に設けられて前記多層回路基板に電気接続され、前記多層回路基板の前記第2開口が前記接続回路層の一部を露出する、
パッケージキャリアと、
前記パッケージキャリアに設けられ、前記多層回路基板の前記第2開口に位置する少なくとも1つのチップと
を含み、
前記少なくとも1つのチップが前記シリコンウェハの前記接続回路層に電気接続された、
パッケージ構造。
【請求項7】
前記多層回路基板が、
互いに逆向きの上面と下面とを含むコア誘電体層と、
前記コア誘電体層の前記上面に設けられた第1パターン化回路層と、
前記コア誘電体層の前記下面に設けられた第2パターン化回路層と、
前記コア誘電体層の前記上面に設けられ、前記第1パターン化回路層を覆う第1誘電体層と、
前記第1誘電体層に設けられた第3パターン化回路層と、
前記コア誘電体層の前記下面に設けられ、前記第2パターン化回路層を覆う第2誘電体層と、
前記第2誘電体層に設けられた第4パターン化回路層と、
前記コア誘電体層を貫通し、前記第1パターン化回路層と前記第2パターン化回路層とに電気接続された少なくとも1つの第1導電ビアと、
前記第1誘電体層を貫通し、前記第3パターン化回路層と前記第1パターン化回路層とに電気接続された少なくとも1つの第2導電ビアと、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第4パターン化回路層と前記第2パターン化回路層とに電気接続された少なくとも1つの第3導電ビアと、
前記第1誘電体層を貫通し、前記第3パターン化回路層と前記シリコンウェハの前記接続回路層とに電気接続された少なくとも1つの第4導電ビアと
を含む、
請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項8】
前記多層回路基板が、
前記第1誘電体層と前記第3パターン化回路層とを覆い、第3開口と複数の第1開気孔とを含む第1ソルダーマスク層と、
前記第2誘電体層と前記第4パターン化回路層とを覆い、複数の第2開気孔を含む第2ソルダーマスク層と
を更に含み、
前記第3開口が前記第2開口と前記第1開口とに連通し、前記第3開口の第3の直径が前記第2の直径以上であり、前記第1開気孔が複数の第1パッドを定義するため前記第3パターン化回路層の一部を露出し、
前記第2開気孔が複数の第2パッドを定義するため前記第4パターン化回路層の一部を露出する、
請求項7に記載のパッケージ構造。
【請求項9】
前記パッケージキャリアが、
前記第1パッドに設けられた第1表面処理層と、
前記第2パッドに設けられた第2表面処理層と
を更に含む、
請求項8に記載のパッケージ構造。
【請求項10】
前記パッケージキャリアが前記多層回路基板の前記第1開口に充填された絶縁材料を更に含み、
前記シリコンウェハが前記絶縁材料を介して前記第1開口に固定される、
請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項11】
前記少なくとも1つのチップが第1チップと第2チップとを含み、前記第1チップがフリップチップ方式にて前記シリコンウェハの前記接続回路層に電気接続され、前記第2チップがワイヤボンディング方式にて前記第3パターン化回路層に電気接続された、
請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項12】
前記多層回路基板の前記第2開口に設けられ、前記シリコンウェハの前記接続回路層に電気接続されたパッケージ体と、
前記多層回路基板に設けられた光ファイバと
を更に含み、
前記パッケージ体と前記少なくとも1つのチップとが前記接続回路層を介して電気接続され、
前記光ファイバと前記パッケージ体とが前記多層回路基板の同一側に位置しており、前記パッケージ体が前記光ファイバに電気接続された、
請求項6に記載のパッケージ構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つのチップが第1チップと第2チップとを含み、前記第1チップと前記第2チップがそれぞれフリップチップ方式にて前記シリコンウェハの前記接続回路層に電気接続され、前記第1チップと前記第2チップとが前記接続回路層を介して電気接続された、
請求項6に記載のパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板構造に関するものであり、特に、パッケージキャリア、及び該パッケージキャリアを用いたパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスのスリム化に伴い、現在の傾向は中間基板の使用を減らすために異質の半導体部品を直接接続させることである。従って、半導体パッケージのサイズが縮小されるのみならず、半導体パッケージの計算速度を向上させるために電気経路が短縮される。ただし、異質な半導体部品を如何にして直接接続させるかが目下の解決すべき緊急の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ヘテロジニアスインテグレーションの特徴を介して現在の軽量、薄型、コンパクトという傾向を満たすパッケージキャリアを対象とする。
【0004】
本発明はまた、より薄型化されたパッケージの厚さ、より好ましい熱放散効果、及びより好ましい構造的信頼性を達成するために上述したパッケージキャリアを採用したパッケージ構造も対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、多層回路基板とシリコンウェハとを含むパッケージキャリアを提供する。多層回路基板は、互いに連通した第1開口と第2開口とを含む。第1開口の第1の直径及び第1の深さは、それぞれ第2開口の第2の直径及び第2の深さよりも大きい。シリコンウェハは、多層回路基板の第1開口に埋め込まれる。シリコンウェハは活性表面を有し、接続回路層を含む。接続回路層は活性表面に設けられて多層回路基板に電気接続される。多層回路基板の第2開口は、接続回路層の一部を露出する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、多層回路基板は、コア誘電体層と、第1パターン化回路層と、第2パターン化回路層と、第1誘電体層と、第3パターン化回路層と、第2誘電体層と、第4パターン化回路層と、少なくとも1つの第1導電ビアと、少なくとも1つの第2導電ビアと、少なくとも1つの第3導電ビアと、少なくとも1つの第4導電ビアとを含む。コア誘電体層は、互いに逆向きの上面と下面とを有する。第1パターン化回路層は、コア誘電体層の上面に設けられる。第2パターン化回路層は、コア誘電体層の下面に設けられる。第1誘電体層は、コア誘電体層の上面に設けられ、第1パターン化回路層を覆う。第3パターン化回路層は、第1誘電体層に設けられる。第2誘電体層は、コア誘電体層の下面に設けられ、第2パターン化回路層を覆う。第4パターン化回路層は、第2誘電体層に設けられる。第1導電ビアは、コア誘電体層を貫通し、第1パターン化回路層と第2パターン化回路層とに電気接続される。第2導電ビアは、第1誘電体層を貫通し、第3パターン化回路層と第1パターン化回路層とに電気接続される。第3導電ビアは、第2誘電体層を貫通し、第4パターン化回路層と第2パターン化回路層とに電気接続される。第4導電ビアは、第1誘電体層を貫通し、第3パターン化回路層とシリコンウェハの接続回路層とに電気接続される。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、多層回路基板は、第1ソルダーマスク層と第2ソルダーマスク層とを更に含む。第1ソルダーマスク層は、第1誘電体層と第3パターン化回路層とを覆う。第1ソルダーマスク層は、第3開口と複数の第1開気孔とを有する。第3開口は第2開口と第1開口とに連通し、第3開口の第3の直径は第2の直径以上である。第1開気孔は、複数の第1パッドを定義するため第3パターン化回路層を露出する。第2ソルダーマスク層は、第2誘電体層と第4パターン化回路層とを覆う。第2ソルダーマスク層は複数の第2開気孔を有し、第2開気孔は、複数の第2パッドを定義するため第4パターン化回路層の一部を露出する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアは、第1表面処理層と第2表面処理層とを更に含む。第1表面処理層は第1パッドに設けられる。第2表面処理層は第2パッドに設けられる。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアは、多層回路基板の第1開口に充填された絶縁材料を更に含む。シリコンウェハは、絶縁材料を介して第1開口に固定される。
【0010】
本発明は、パッケージキャリアと少なくとも1つのチップとを含むパッケージ構造を提供する。パッケージキャリアは、多層回路基板とシリコンウェハとを含む。多層回路基板は、互いに連通した第1開口と第2開口とを含む。第1開口の第1の直径及び第1の深さは、それぞれ第2開口の第2の直径及び第2の深さよりも大きい。シリコンウェハは、多層回路基板の第1開口に埋め込まれる。シリコンウェハは活性表面を有し、接続回路層を含む。接続回路層は活性表面に設けられて多層回路基板に電気接続される。多層回路基板の第2開口は接続回路層の一部を露出する。チップはパッケージキャリアに設けられ、多層回路基板の第2開口に位置し、そこでチップはシリコンウェハの接続回路層に電気接続される。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、多層回路基板は、コア誘電体層と、第1パターン化回路層と、第2パターン化回路層と、第1誘電体層と、第3パターン化回路層と、第2誘電体層と、第4パターン化回路層と、少なくとも1つの第1導電ビアと、少なくとも1つの第2導電ビアと、少なくとも1つの第3導電ビアと、少なくとも1つの第4導電ビアとを含む。コア誘電体層は、互いに逆向きの上面と下面とを有する。第1パターン化回路層は、コア誘電体層の上面に設けられる。第2パターン化回路層は、コア誘電体層の下面に設けられる。第1誘電体層は、コア誘電体層の上面に設けられ、第1パターン化回路層を覆う。第3パターン化回路層は、第1誘電体層に設けられる。第2誘電体層は、コア誘電体層の下面に設けられ、第2パターン化回路層を覆う。第4パターン化回路層は、第2誘電体層に設けられる。第1導電ビアは、コア誘電体層を貫通し、第1パターン化回路層と第2パターン化回路層とに電気接続される。第2導電ビアは、第1誘電体層を貫通し、第3パターン化回路層と第1パターン化回路層とに電気接続される。第3導電ビアは、第2誘電体層を貫通し、第4パターン化回路層と第2パターン化回路層とに電気接続される。第4導電ビアは、第1誘電体層を貫通し、第3パターン化回路層とシリコンウェハの接続回路層とに電気接続される。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、多層回路基板は、第1ソルダーマスク層と第2ソルダーマスク層とを更に含む。第1ソルダーマスク層は、第1誘電体層と第3パターン化回路層とを覆う。第1ソルダーマスク層は、第3開口と複数の第1開気孔とを有する。第3開口は第2開口と第1開口とに連通し、第3開口の第3の直径は第2の直径以上である。第1開気孔は、複数の第1パッドを定義するため第3パターン化回路層を露出する。第2ソルダーマスク層は、第2誘電体層と第4パターン化回路層とを覆う。第2ソルダーマスク層は複数の第2開気孔を有し、第2開気孔は、複数の第2パッドを定義するため第4パターン化回路層の一部を露出する。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアは、第1表面処理層と第2表面処理層とを更に含む。第1表面処理層は第1パッドに設けられる。第2表面処理層は第2パッドに設けられる。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、パッケージキャリアは、多層回路基板の第1開口に充填された絶縁材料を更に含む。シリコンウェハは、絶縁材料を介して第1開口に固定される。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つのチップは、第1チップと第2チップとを含む。第1チップはフリップチップ方式にてシリコンウェハの接続回路層に電気接続され、第2チップはワイヤボンディング方式にて第3パターン化回路層に電気接続される。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、パッケージ構造は、パッケージ体と光ファイバとを更に含む。パッケージ体は、多層回路基板の第2開口に設けられ、シリコンウェハの接続回路層に電気接続される。パッケージ体とチップは、接続回路層を介して電気接続される。光ファイバは多層回路基板に設けられ、光ファイバとパッケージ体は多層回路基板の同一側に位置しており、パッケージ体は光ファイバに電気接続される。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、チップは第1チップと第2チップとを含む。第1チップと第2チップは、フリップチップ方式にてシリコンウェハの接続回路層にそれぞれ電気接続される。第1チップと第2チップは、接続回路層を介して電気接続される。
【発明の効果】
【0018】
まとめると、本発明のパッケージキャリアの設計において、シリコンウェハは多層回路基板の第1開口に埋め込まれ、多層回路基板の第2開口はシリコンウェハの接続回路層を露出し、接続回路層は多層回路基板に電気接続される。このようにして、本発明のパッケージキャリアはヘテロジニアスインテグレーションの効果を達成することができ、軽量、薄型、コンパクトという現在の傾向を満たすことができる。加えて、本発明のパッケージキャリアを用いたパッケージ構造について、チップは多層回路基板の第2開口に設けられて、シリコンウェハの接続回路層に電気接続され、シリコンウェハは導電を介して信号を送信することができ、その材料は放熱効果を有し、その熱膨張係数はチップのものに類似していることで、本発明のパッケージ構造はより薄型化されたパッケージの厚さとより好ましい放熱効果並びに構造的信頼性の両方を有する。
【0019】
上記をより理解し易くするため、いくつかの実施形態を図面と併せて以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に包含されてその一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を表し、明細書と併せ、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態によるパッケージキャリアの概略断面図である。
【0022】
【
図2】
図2は、本発明の1つの実施形態によるパッケージ構造の概略断面図である。
【0023】
【
図3】
図3は、本発明のもう1つの実施形態によるパッケージ構造の概略断面図である。
【0024】
【
図4】
図4は、本発明のもう1つの実施形態によるパッケージ構造の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の1つの実施形態によるパッケージキャリアの概略断面図である。
図1を参照し、本実施形態において、パッケージキャリア100aは、多層回路基板110とシリコンウェハ120とを含む。多層回路基板110は、互いに連通した第1開口H1と第2開口H2とを有する。第1開口H1の第1の直径W1及び第1の深さD1は、それぞれ第2開口H2の第2の直径W2及び第2の深さD2よりも大きい。シリコンウェハ120は、多層回路基板110の第1開口H1に埋め込まれる。シリコンウェハ120は活性表面Sを有し、接続回路層122を含む。接続回路層122は活性表面Sに設けられ、多層回路基板110に電気接続される。多層回路基板110の第2開口H2は、接続回路層122の一部を露出する。
【0026】
詳細には、本実施形態の多層回路基板110は、コア誘電体層112と、第1パターン化回路層111と、第2パターン化回路層113と、第1誘電体層114と、第3パターン化回路層115と、第2誘電体層116と、第4パターン化回路層117と、少なくとも1つの第1導電ビアT1と、少なくとも1つの第2導電ビアT2と、少なくとも1つの第3導電ビアT3と、少なくとも1つの第4導電ビアT4とを含む。コア誘電体層112は、互いに逆向きの上面S1と下面S2とを有する。第1パターン化回路層111は、コア誘電体層112の上面S1に設けられる。第2パターン化回路層113は、コア誘電体層112の下面S2に設けられる。第1誘電体層114は、コア誘電体層112のの上面S1に設けられ、第1パターン化回路層111を覆う。第3パターン化回路層115は、第1誘電体層114に設けられる。第2誘電体層116は、コア誘電体層112の下面S2に設けられ、第2パターン化回路層113を覆う。第4パターン化回路層117は、第2誘電体層116に設けられる。第1導電ビアT1は、コア誘電体層112を貫通し、第1パターン化回路層111と第2パターン化回路層113とに電気接続される。第2導電ビアT2は、第1誘電体層114を貫通し、第3パターン化回路層115と第1パターン化回路層111とに電気接続される。第3導電ビアT3は、第2誘電体層116を貫通し、第4パターン化回路層117と第2パターン化回路層113とに電気接続される。第4導電ビアT4は、第1誘電体層114を貫通し、第3パターン化回路層115とシリコンウェハ120の接続回路層122とに電気接続される。簡述すると、本実施形態の多層回路基板110は4層回路基板として実施されるが、これは1つの例であり、本発明は4層回路基板に限定されない。
【0027】
加えて、本実施形態の多層回路基板110は、第1ソルダーマスク層118と第2ソルダーマスク層119とを更に含む。第1ソルダーマスク層118は、第1誘電体層114と第3パターン化回路層115とを覆う。第1ソルダーマスク層118は、第3開口H3と複数の第1開気孔A1とを有する。第3開口H3は、第2開口H2と第1開口H1とに連通しており、第3開口H3の第3の直径W3は第2の直径W2以上である。第1開気孔A1は、複数の第1パッドP1を定義するため第3パターン化回路層115の一部を露出する。第2ソルダーマスク層119は、第2誘電体層116と第4パターン化回路層117とを覆う。第2ソルダーマスク層119は複数の第2開気孔A2を有し、第2開気孔A2は、複数の第2パッドP2を定義するため第4パターン化回路層117の一部を露出する。
【0028】
第1パッドP1と第2パッドP2の酸化を防ぐため、本実施形態のパッケージキャリア100aは、第1表面処理層130と第2表面処理層140とを更に含む。第1表面処理層130は第1パッドP1に設けられ、第2表面処理層140は第2パッドP2に設けられる。第1表面処理層130と第2表面処理層140は、それぞれ、例えば、ニッケル層、金層、銀層、又はニッケル-パラジウム-金層であるが、本発明はこれに限定されない。第1表面処理層130と第2表面処理層140の配置は、第1パッドP1と第2パッドP2の酸化を防ぐのみならず、後続のワイヤボンディングを介したチップとの電気接続において、ワイヤを第1パッドP1と第2パッドP2とに容易に電気接続させることができる。
【0029】
加えて、本実施形態のパッケージキャリア100aは、多層回路基板110の第1開口H1に充填された絶縁材料150を更に含む。シリコンウェハ120は絶縁材料150を介して第1開口H1に固定され、絶縁材料150は、例えば、孔閉塞樹脂である。つまり、シリコンウェハ120が多層回路基板110の第1開口H1に埋め込まれるとき、シリコンウェハ120と第1開口H1の内壁との間に間隙が存在し、絶縁材料150はシリコンウェハ120を固定して位置決めするために間隙を埋めて、シリコンウェハ120と第1開口H1との間に位置している。第1開口H1の上面視は丸みを持った矩形であることが好ましい。
【0030】
更に、本実施形態のシリコンウェハ120の厚さは、コア誘電体層112の厚さ(即ち第1の深さD1)と略同一である。シリコンウェハ120が多層回路基板110の第1開口H1に埋め込まれるとき、シリコンウェハ120の活性表面Sがコア誘電体層112の上面S1と整列し、シリコンウェハ120の底面が下面S2と整列することが好ましく、これは後続のチップパッケージの全体的なパッケージの厚さを効果的に減少させることができる。更に、多層回路基板110の第2開口H2はシリコンウェハ120の接続回路層122の一部を露出するのみであり、これは接続回路層122の一部が第1誘電体層114により覆われることを意味し、第1誘電体層114の外側に露出された接続回路層122は、その後、電子素子に直接電気接続されることができる。
【0031】
簡述すると、本実施形態のシリコンウェハ120が多層回路基板110の第1開口H1に埋め込まれ、多層回路基板110の第2開口H2がシリコンウェハ120の接続回路層122を露出し、接続回路層122が第4導電ビアT4を介して多層回路基板110の第3パターン化回路層115に電気接続される。このようにして、本実施形態のパッケージキャリア100aはヘテロジニアスインテグレーションの効果を達成することができ、軽量、薄型、コンパクトという現在の傾向を満たすことができる。
【0032】
上述した実施形態の内容の部材及び部分の符号は以下の実施形態でも用いられ、同一の符号は同一又は類似の部材を示し、同一の技術内容の説明は省略する。省略した部分の説明は上述した実施形態を参照することができ、以下の実施形態では繰り返さない。
【0033】
図2は、本発明の1つの実施形態によるパッケージ構造の概略断面図である。
図2を参照し、本実施形態において、パッケージ構造10aはパッケージキャリア100aと少なくとも1つのチップとを含む。少なくとも1つのチップは、第1チップ20と第2チップ30とを含む。第1チップ20と第2チップ30はパッケージキャリア100aに設けられ、第1チップ20は多層回路基板110の第2開口H2に位置し、第2チップ30は第1チップ20に積載される。第1チップ20はフリップチップ方式にてシリコンウェハ120の接続回路層122に電気接続され、第2チップ30はワイヤボンディング方式にて第3パターン化回路層115に電気接続される。つまり、電線34は第2チップ30の電極32と第1パッドP1との間に電気接続される。
【0034】
図3は、本発明のもう1つの実施形態によるパッケージ構造の概略断面図である。
図2と
図3を同時に参照し、本実施形態のパッケージ構造10bは上述したパッケージ構造10aに類似しており、これらの間の差異は、本実施形態において、パッケージ構造10bは1つのチップ40のみを含んでおり、パッケージ構造10bはパッケージ体50と光ファイバ60とを更に含むことにある。詳細には、チップ40は多層回路基板110の第2開口H2に位置しており、フリップチップ方式でシリコンウェハ120’の接続回路層122’に電気接続される。パッケージ体50は多層回路基板110の第2開口H2に設けられ、フリップチップ方式でシリコンウェハ120’の接続回路層122’に電気接続される。パッケージ体50とチップ40は接続回路層122’を介して電気接続される(
図3の領域Eを参照)。光ファイバ60は多層回路基板110の第1ソルダーマスク層118に設けられ、多層回路基板110におけるパッケージ体50と同一側に位置しており、そこでパッケージ体50と光ファイバ60はスイッチとしての役割を果たすよう電気接続される。加えて、本実施形態のパッケージキャリア100bにおいて、第1ソルダーマスク層118の第3開口H3’の第3の直径W3’は、第1誘電体層114の第2開口H2の第2の直径W2と等しい。
【0035】
図4は、本発明のもう1つの実施形態によるパッケージ構造の概略断面図である。
図3と
図4を同時に参照し、本実施形態のパッケージ構造10cは上述したパッケージ構造10bに類似しており、これらの間の差異は、本実施形態において、パッケージ構造10cは2つのチップ40、70を含み、チップ40、70はそれぞれフリップチップ方式でシリコンウェハ120’の接続回路層122’に電気接続され、チップ40、70は接続回路層122’を介して電気接続されることにある。
【0036】
簡述すると、本実施形態において、第1チップ20、チップ40、パッケージ体50、及びチップ70は、シリコンウェハ120、120’の接続回路層122、122’に直接電気接続され、シリコンウェハ120、120’が導電を介して信号を送信するほか、それらの材料は放熱効果を有し、それらの熱膨張係数はチップのものと類似している。このため、本発明のパッケージ構造10a、10b、10cはより薄型化されたパッケージの厚さを有するのみならず、より好ましい放熱効果及び構造的信頼性をも有する。
【0037】
まとめると、本発明のパッケージキャリアの設計において、シリコンウェハは多層回路基板の第1開口に埋め込まれ、多層回路基板の第2開口はシリコンウェハの接続回路層を露出し、接続回路層は多層回路基板と電気接続される。このようにして、本発明のパッケージキャリアはヘテロジニアスインテグレーションの効果を達成し、軽量、薄型、コンパクトという現在の傾向を満たすことができる。加えて、本発明のパッケージキャリアを用いるパッケージ構造について、チップは多層回路基板の第2開口に設けられ、シリコンウェハの接続回路層に電気接続され、シリコンウェハは導電を介して信号を送信することができ、その材料は放熱効果を有し、その熱膨張係数はチップのものと類似していることで、本発明のパッケージ構造はより薄型化されたパッケージ厚さのみならず、より好ましい放熱効果及び構造的信頼性をも有する。
【0038】
当業者にとって、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、開示された実施形態に対する様々な改変及び変形をなすことができることは明らかであろう。上述を考慮し、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあるという条件において改変及び変形をカバーすることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のパッケージキャリア及び該パッケージキャリアを用いたパッケージ構造は、パッケージ技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
10a、10b、10c:パッケージ構造
20:第1チップ
30:第2チップ
32:電極
34:電線
40、70:チップ
50:パッケージ体
60:光ファイバ
100a、100b:パッケージキャリア
110:多層回路基板
111:第1パターン化回路層
112:コア誘電体層
113:第2パターン化回路層
114:第1誘電体層
115:第3パターン化回路層
116:第2誘電体層
117:第4パターン化回路層
118:第1ソルダーマスク層
119:第2ソルダーマスク層
120、120’:シリコンウェハ
122、122’:接続回路層
130:第1表面処理層
140:第2表面処理層
150:絶縁材料
A1:第1開気孔
A2:第2開気孔
D1:第1の深さ
D2:第2の深さ
H1:第1開口
H2:第2開口
H3、H3’:第3開口
P1:第1パッド
P2:第2パッド
S1:上面
S2:下面
S:活性表面
T1:第1導電ビア
T2:第2導電ビア
T3:第3導電ビア
T4:第4導電ビア
W1:第1の直径
W2:第2の直径
W3、W3’:第3の直径
【外国語明細書】