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特開2023-33263ガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033263
(43)【公開日】2023-03-10
(54)【発明の名称】ガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230303BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230303BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021139470
(22)【出願日】2021-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】599087888
【氏名又は名称】株式会社サンフロイント
(71)【出願人】
【識別番号】521355371
【氏名又は名称】有限会社エス・アイ・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100103148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 輝美
(72)【発明者】
【氏名】上野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC28
(57)【要約】
【課題】 本発明は電気自動車の充電設備をガソリンスタンドに設置する際の充電設備の設置促進システムに関する。
【解決手段】 ガソリンスタンドのオーナーと充電設備の設置を希望する設置者との間でガソリンスタンドに充電設備設置を設置する際の設置促進システムであって、ガソリンスタンドのオーナーはガソリンスタンドの空スペースを提供し、前記設置者は当該空スペースへの充電設備の建設を行い、充電設備の完成後の運用において、充電設備の維持費を前記設置者が負担し、充電設備を利用のよる収益を前記オーナーと設置者によって一定の割合で分配することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリンスタンドのオーナーと充電設備の設置を希望する設置者との間でガソリンスタンドに充電設備を設置する際の設置促進システムであって、
ガソリンスタンドのオーナーはガソリンスタンドの空スペースを提供し、前記設置者は当該空スペースへの充電設備の建設を行い、
充電設備の完成後の運用において、充電設備の維持費を前記設置者が負担し、充電設備を利用のよる収益を前記オーナーと設置者によって一定の割合で分配する
ことを特徴とするガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。
【請求項2】
前記充電設備の設置は、ガソリンスタンドへの工事の技術を持つ設置者が行うことを特徴とする請求項1に記載のガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。
【請求項3】
前記充電設備の設置後、前記オーナーと設置者との間で、充電設備の維持運用に関して契約を締結し、該契約に基づいて以後の運用を行うことを特徴とする請求項1、又は2に記載のガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。
【請求項4】
前記充電設備が設置された複数の設備の運用を設置者の管理サーバが行い、該管理サーバは充電設備の料金管理、維持管理を行うことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載のガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンスタンドに充電設備を設置する際の充電設備の設置を促進させる充電設備設置促進システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、CO2の排出量の少ない所謂ハイブリットカーや電気自動車が注目されている。特に、電気自動車はCO2の排出量がゼロであり、最も地球環境に優れた車である。しかし、電気自動車の場合、充電装置の設置が急務であり、大きな社会問題となっている。
【0003】
尚、コンビニエンスストア等の駐車場に充電設備の設置も行われているが、ガソリンスタンドへの充電設備の設置には地下に軽油やガソリン等のタンクが埋設され、更に地上設備への配管も埋設されており、ガソリンスタンドへの充電設備の設置には特殊な技術が必要となり、ガソリンスタンドへの充電設備の設置が進んでいない。
【0004】
ここで、特許文献1は複数の入庫スペースを備えた駐車場充電システムの発明であり、複数の入庫スペースの少なくとも2つ以上のスペースに入庫した電気自動車に対して充電を可能とする充電設備を備えた駐車場充電システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-182588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の発明は駐車場に充電設備は備えているが、ガソリンスタンドの空スペースに充電設備を設置することは開示されておらず、ガソリンスタンドへの充電設備の設置促進を図るものではない。また、充電設備設置の促進を図るための有効な手法を開示するものでもない。
【0007】
そこで、本発明は、特に設置技術を要するガソリンスタンドへの充電設備の設置促進を図る有効なシステムを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は本発明によれば、ガソリンスタンドのオーナーと充電設備の設置を希望する設置者との間でガソリンスタンドに充電設備を設置する際の有効なシステムであって、ガソリンスタンドのオーナーはガソリンスタンドの空スペースを提供し、設置者は当該空スペースへの充電設備の建設を行い、充電設備の完成後の運用において、充電設備の維持費を上記設置者が負担し、充電設備の利用による収益を前記オーナーと設置者によって一定の割合で分配するシステムを提供するものである。
【0009】
また、上記充電設備の設置は、ガソリンスタンドへの工事の技術を持つ設置者が行うことを特徴とし、上記充電設備の設置後、前記オーナーと設置者との間で、充電設備の維持運用に関して契約を締結し、該契約に基づいて以後の運用を行うことを特徴とする。
【0010】
さらに、上記充電設備が設置された複数の設備の運用を設置者の管理サーバが行い、該管理サーバは充電設備の料金管理、維持管理を行うことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の充電設備の設置促進システムを説明する際の対象となるガソリンスタンドの構造を説明する図である。
図2】ガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システムを具体的に説明するフローチャートである。
図3】充電設備設置後のガソリンスタンドの状態を説明する図である。
図4】地表に設置される表示/操作装置及び電源装置を示す図である。
図5】充電スペースに入庫した電気自動車に充電を行う際の処理を説明するフローチャートである。
図6】(a)は電源供給部の蓋を開放した状態を示す図であり、(b)は電源供給部に設けられたコンセントに充電ケーブルを接続した状態を示す図である。
図7】電気自動車の充電状態を示す図である。
図8】本実施形態の処理動作を説明するフローチャートである。
図9】設置者が複数のガソリンスタンドに充電設備を設置している場合に管理サーバを使用して複数の充電設備を管理するシステムを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、図1は本実施形態の充電設備の設置促進システムを説明する際の対象となるガソリンスタンドの構造であり、一般的にガソリンスタンド1には複数の駐車スペース2が設けられ、各駐車スペース2には給油や洗車を待つ顧客の車が駐車されている。
【0013】
また、ガソリンスタンド1には、不図示のタンクが地下に埋設され、この埋設タンクにガソリンを注油する不図示の注油管や、埋設タンクからガソリンを吸引し、車に給油する複数の給油設備1a、1bが設けられている。また、埋設タンクは地表から所定の深さに設置され、埋設タンク上にはコンクリートが施設され、ガソリンスタンド1に設置された事務所1cには本例の充電設備を管理するためのモニタが設けられている。
【0014】
本実施形態の充電設備の設置促進システムは、ガソリンスタンド1に設置するものであり、ガソリンスタンド1の駐車スペース2を使用する以外に、ガソリンスタンド1の敷地内に空スペース3があれば利用することができる。本例の充電設備の設置促進システムではこの空スペース3に充電設備を設置する場合について説明する。
【0015】
図2は本例のガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システムを具体的に説明するフローチャートである。
先ず、ガソリンスタンド(以下、ガソリンスタンドを経営する会社を○○商店とする)1の経営者に対して交渉を行い、ガソリンスタンド1の駐車スペース2又は空スペース3への充電設備の設置依頼を行うステップ(以下、Sで示す)1。現在、充電設備が設置されているガソリンスタンドは少なく、このような充電設備が未設置なガソリンスタンド(○○商店)1の経営者に対して充電設備の設置交渉を行う。
【0016】
ここで、依頼を受けた○○商店の経営者は、条件等を検討して充電設備の設置を希望しない場合(S2がNO)、設置交渉を終了する(S3)。一方、依頼を受けた○○商店の経営者が充電設備の設置を希望する場合(S2がYES)、○○商店との間で設置契約を結ぶ(S4)。
【0017】
例えば、ガソリンスタンド1の駐車スペース2又は空スペース3の使用契約、充電設備設置の設置契約、充電設備が完成した後の運用形態の契約等の各種契約を締結する。この場合、充電設備の設置者は、例えば設備の建設費用を負担し、○○商店はガソリンスタンドの駐車スペース2又は空スペース3を無償で使用させる契約を締結する。また、充電設備が完成した後の運用形態についても、例えば設備の維持費や収入の割合等の契約も行う(S5)。
【0018】
次に、充電設備の設置者は、契約に基づいてガソリンスタンド1の駐車スペース2又は空スペース3に充電設備の建設を行う(S6)。この時、設置者は充電設備の設置に付随する電気工事や安全管理業務等を同時に担う。特に、ガソリンスタンドの場合、地下に軽油やガソリン等の燃料を貯留するタンクが埋設され、地上の給油施設に延びる配管も埋設されている為、資格を持つ業者が安全を確保して行う必要がある。
【0019】
その後、設置契約に基づいて、設置者によるガソリンスタンド1の、例えば空スペース3への充電設備を設置工事が完了すると(S7)、以後完成した充電設備の運用が始まる。
【0020】
図3は、空スペース3(3-1、3-2)に2台の充電装置4-1、4-2を設置した例であり、事務所1cへの配線工事や地下の電源工事等も行われ、表示/操作装置5及び電源装置6が地表に設置される。尚、本例の充電装置4-1、4-2に設けられた表示/操作装置5及び電源装置6は同じ構造である。
【0021】
図4は表示/操作装置5の構成を説明する図であり、計時表示部7、カード処理部8、硬貨投入部9、領収書発行ボタン10、領収書取出口11、返却口12、充電指示ボタン13、及びセンサ19で構成されている。また、14は充電装置4-1(4-2)の使用方法を説明する表示部である。
【0022】
15は清算ボタンであり、顧客が充電料金を支払う際操作する。また、16は電源供給部であり、前述の電源装置6から電力が供給され、内部に給電の為のコンセントが設けられている。
【0023】
計時表示部7は充電を開始してからの経過時間を計時する。また、カード処理部8はカードを使用して充電料金を支払う際に使用するものであり、カード挿入部8aと操作部8bで構成されている。カード挿入部8aには本例のガソリンスタンド1で使用できるカードに限らず、例えば○○商店が提携する他のガソリンスタンドのカードや、銀行系カード、信販系カード等の各種カードの使用が可能である。
【0024】
次に、上記の充電設備が完成すると、設備の運用が始まり、例えば車(電気自動車)が入庫する毎に内部のプログラムが駆動し、図5のフローチャートに示す処理が行われる。
【0025】
すなわち、顧客がガソリンスタンド1に来店し、充電設備4が設置された充電スペース3-1又は3-2に車を入れると、センサ19が車の入庫を検知する(ステップ(以下、STで示す)1がYES)。
【0026】
次に、顧客(車の運転手)は、車に充電を行う為、電源供給部16の蓋20を開け、充電ケーブルを接続する(ST2)。
【0027】
尚、図6(a)は電源供給部16の蓋20を開けた状態を示し、電源供給部16の正面にはコンセント21が配設され、このコンセント21に充電ケーブル22を接続する。また、同図(b)は電源供給部16のコンセント21に充電ケーブル22を接続した状態を示す図である。また、図7は充電ケーブル22によって充電設備(電源供給部16)と車(電気自動車)を接続する様子を示す図である。
【0028】
次に、充電指示ボタン13が押されたか判断し(ST3)、顧客が充電指示ボタン13を押下すると(ST3がYES)、充電の指示があったものと判断し、車への充電を開始し(ST4)、充電時間の計測を開始する(ST5)。
【0029】
その後、充電が完了すると、顧客は充電料金を支払う。この場合、先ず顧客は清算ボタン15を押下する(ST6がYES)。そして、清算ボタン15を押下した時の充電時間から充電料金を計算する(ST7)。そして、顧客は充電料金を支払う(ST8)。
【0030】
以後、車(電気自動車)が充電スペース3-1又は3-2に入庫する毎に、充電設備4-1又は4-2を使用して上記処理を繰り返す(ST1~ST8)。そして。例えば一定期間毎に充電料金の精算処理を行う。
【0031】
図8はこの処理を説明するフローチャートである。上記処理を繰り返し、一定期間、例えば1か月毎に充電設備の清算処理を行う(ステップ(以下、STPで示す)1)。すなわち、先ずガソリンスタンド1に設置した充電設備を使用した車の台数や充電料金等の精算を行う。この場合、○○商店の経営者との運用契約に従って実行される。
【0032】
そして、一定期間に入金された充電料金の総額を計算し(STP2)、維持費を減算し(STP3)、残りの額を契約に従ってガソリンスタンド1の経営者と運営者との間で設定した割合で清算を行う(STP4)。その後、一定期間が経過する毎に上記処理を切り返す(STP5がYES、STP1~STP5)。
【0033】
このように、本発明の充電設備の設置促進システムによれば、ガソリンスタンドを経営する○○商店と運営者との均衡を図りつつ、全国のガソリンスタンドへの充電設備の設置の促進を図ることができる。尚、上記処理は○○商店の経営者と運営者との契約が終了するまで継続される(STP6がYES、STP7)。
【0034】
一方、図9は設置者が複数のガソリンスタンド1に充電設備を設置している場合に管理サーバを使用して複数の充電設備を管理するシステムを説明するシステム図である。すなわち、充電設備が設置された複数の設備の運用を設置者の管理サーバ24が行い、該管理サーバ24が複数の充電設備の料金管理、維持管理を行う構成である。具体的には、複数のガソリンスタンド1-1~1-3に充電設備を設置し、インターネット網23を介して管理サーバ24に接続し、データセンタ25に必要な管理データを保持する。
【0035】
夫々のガソリンスタンドに設置された充電設備から一定期間毎にデータを受信し、夫々の充電設備の充電料金を計算し、維持費を減算し、残りの額を契約に従ってガソリンスタンドの経営者と運営者との設定された割合で清算を行う。この場合、夫々のガソリンスタンドのオーナーと設置者間で設定した契約に基づいて清算を行う。また、この処理は一定期間を経過する毎に繰り返し、夫々の充電設備において同様の処理を行う。
【0036】
本発明によればインターネット等の通信ネットワークを使用しても複数のガソリンスタンドに設置された充電設備を管理サーバによって効率よく運営することができる。したがって、本発明によれば、ネットワーク通信を利用してもガソリンスタンドの経営者と運営者との均衡をとりつつ、全国のガソリンスタンドへの充電設備の設置の促進を図ることができる。
【符号の説明】
【0037】
1、1-1~1-n・・ガソリンスタンド
1a、1b・・給油設備
1c・・事務所
2・・・駐車スペース
3・・・空スペース
3-1、3-2・・充電スペース
4、4-1、4-2・・充電設備
5・・・表示//操作装置
6・・・電源装置
7・・・計時表示部
8・・・カード処理部
8a・・カード挿入部
8b・・操作部
9・・・硬貨投入部
10・・領収書発行ボタン
11・・領収書取り出し口
12・・・返却口
13・・充電指示ボタン
14・・装置の使用方法説明部
15・・清算ボタン
16・・電源供給部
19・・センサ
20・・蓋
21・・コンセント
22・・充電ケーブル
23・・インターネット網
24・・管理サーバ
25・・データセンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリンスタンドのオーナーと充電設備の設置を希望する設置者との間でガソリンスタンドに充電設備を設置する際の設置促進システムであって、
ガソリンスタンドのオーナーはガソリンスタンドの空スペースを提供し、前記設置者は当該空スペースへの充電設備の建設を行い、
充電設備の完成後の運用において、充電設備の維持費を前記設置者が負担し、充電設備を利用のよる収益を前記オーナーと設置者によって一定の割合で分配し、
前記充電設備の設置は、ガソリンスタンドの地下に埋設されたガソリンタンク、及び油配管の工事の技術を持つ設置者が地下の電源工事、配線工事を行う
ことを特徴とするガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。
【請求項2】
前記充電設備の設置後、前記オーナーと設置者との間で、充電設備の維持運用に関して契約を締結し、該契約に基づいて以後の運用を行うことを特徴とする請求項1に記載のガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。
【請求項3】
前記充電設備が設置された複数の設備の運用を設置者の管理サーバが行い、該管理サーバは充電設備の料金管理、維持管理を行うことを特徴とする請求項1、又は2に記載のガソリンスタンドへの充電設備の設置促進システム。