(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023033277
(43)【公開日】2023-03-10
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ用フレーム
(51)【国際特許分類】
G02C 5/00 20060101AFI20230303BHJP
G02C 5/14 20060101ALI20230303BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20230303BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
G02C5/00
G02C5/14
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022198341
(22)【出願日】2022-12-13
(62)【分割の表示】P 2018103426の分割
【原出願日】2018-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】505442576
【氏名又は名称】有限会社 ブリッヂコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】515125492
【氏名又は名称】株式会社ジゴスペック
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】宮下 務
(72)【発明者】
【氏名】高橋 寿成
(72)【発明者】
【氏名】柳下 典男
(57)【要約】
【課題】眼鏡型ヘッドマウントディスプレイのディスプレイ部を確実に保持すると共に、ヘッドマウントディスプレイの装着感を向上させることのできるヘッドマウントディスプレイ用フレームを提供する。
【解決手段】ヘッドマウントディスプレイ用フレーム1は、ヘッドマウントディスプレイ100の少なくとも主要部に着脱可能に装着される装着部1Bと、装着部1Bに連接された可撓性のフレーム本体1Aと、フレーム本体1Aから突設された一対のパッド1R、1Lと、を備えている。また、上記一対パッド1R、1Lは、前方に向かって突設されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウントディスプレイに着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部に連接された可撓性のフレーム本体と、
前記フレーム本体から突設された一対のパッドであって前記装着時に使用者の頬に頬の正面から当接することによる保持能を持つパッドと
を備えたヘッドマウントディスプレイ用フレーム。
【請求項2】
前記パッドは可撓性を有する材料で構成されることを特徴とする請求項1記載のヘッドマウントディスプレイ用フレーム。
【請求項3】
前記パッドは縦片と横片を有した概略L型プレートによってなることを特徴とする請求項1記載のヘッドマウントディスプレイ用フレーム。
【請求項4】
前記一対のパッドは、前方に向かって突設されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドマウントディスプレイ用フレーム。
【請求項5】
前記ヘッドマウントディスプレイの前記主要部は、一対の導光板と、一対の表示ユニットとを備えたディスプレイ部を有し、
前記ディスプレイ部は、前記装着部に対して回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドマウントディスプレイ用フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイ用フレームに関し、詳しくは、ヘッドマウントディスプレイのディスプレイ部に対して着脱可能に装着されるヘッドマウントディスプレイ用フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display:HMD)を始めとする各種ウェアラブルコンピュータは、パーソナルコンピュータやスマートフォンに続く次世代コンピュータとして注目されている。
【0003】
特許文献1には、眼鏡形状を有するディスプレイ部を備え、使用者の頭部に装着した状態で使用する眼鏡型ヘッドマウントディスプレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された眼鏡型ヘッドマウントディスプレイは、フレーム(テンプルまたはつるとも呼ばれる)単独あるいはフレームと鼻パッドによってディスプレイ部を保持する構成になっている。
【0006】
しかしながら、ヘッドマウントディスプレイのディスプレイ部は、比較的重量があるために、フレーム単独による保持方式では、ディスプレイ部を確実に保持することが困難であるという問題がある。
【0007】
また、フレームと鼻パッドによってディスプレイ部を保持する方式の場合は、鼻にかかる重量負担が大きくなるので、長時間の装着に適さないという問題がある。
【0008】
さらに、1台のヘッドマウントディスプレイを複数の使用者が共用する場合、フレーム単独、あるいはフレームと鼻パッドによってディスプレイ部を保持する方式では、使用者の肌に触れたフレームや鼻パッドが他の使用者の肌にも触れることになるので、使用者によっては、衛生面等の観点からヘッドマウントディスプレイの装着に不快感を感じるという問題もある。
【0009】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、眼鏡型ヘッドマウントディスプレイのディスプレイ部を確実に保持すると共に、ヘッドマウントディスプレイの装着感を向上させることのできるヘッドマウントディスプレイ用フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様のヘッドマウントディスプレイ用フレームは、ヘッドマウントディスプレイの少なくとも主要部に着脱可能に装着される装着部と、上記装着部に連接された可撓性のフレーム本体と、上記フレーム本体から突設された一対のパッドと、を備えている。
【0011】
また、本発明の一態様のヘッドマウントディスプレイ用フレームは、上記一対パッドが前方に向かって突設されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のヘッドマウントディスプレイ用フレームによれば、眼鏡型ヘッドマウントディスプレイのディスプレイ部を確実に保持すると共に、ヘッドマウントディスプレイの装着感を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイの斜視図である。
【
図2】実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイの斜視図である。
【
図3】実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームの斜視図である。
【
図4】実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームの着脱方法を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイを使用者の頭部に装着した状態を示す斜視図である。
【
図6】別の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイの斜視図、
図2は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイの斜視図、
図3は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームの斜視図、
図4は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームの着脱方法を示す斜視図、
図5は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ用フレームを備えたヘッドマウントディスプレイを使用者の頭部に装着した状態を示す斜視図である。
【0015】
図1および
図2に示すヘッドマウントディスプレイ100は、使用者の頭部に装着した状態で使用されるものである。
【0016】
ヘッドマウントディスプレイ100の主要部であるディスプレイ部10は、眼鏡形状を有しており、左右一対の導光板11R、11Lと、左右一対の表示ユニット12R、12Lとを備えている。
【0017】
一対の導光板11R、11Lは、光透過性を有する樹脂等によって構成される光学部であり、例えばプリズムからなる。右側の導光板11Rは、ヘッドマウントディスプレイ100を頭部に装着した際に使用者の右眼の眼前に位置し、左側の導光板11Lは、ヘッドマウントディスプレイ100を頭部に装着した際に使用者の左眼の眼前に位置する。
【0018】
右側の導光板11Rは、右側の表示ユニット12Rによって実現された画像を右眼に視認させ、左側の導光板11Lは、左側の表示ユニット12Lによって実現された画像を左眼に視認させる。一対の導光板11R、11Lに導かれた画像光は、使用者の右眼と左眼に入射して使用者に虚像を視認させ、これによってディスプレイ部10に画像が表示される。
【0019】
表示ユニット12R、12Lのいずれか一方(図示の例では表示ユニット12L)には、ディスプレイ部10の機能の制御や電源のON/OFF等を行うコントローラ(不図示)に接続されるケーブル14の一端が接続されている。使用者は、このコントローラを手に持って指で操作することにより、ヘッドマウントディスプレイ100の各種機能を実現する。
【0020】
また、ディスプレイ部10は、カメラ13を備えている。カメラ13は、CCDやCMOS等の撮像素子および撮像レンズ等を備えるデジタルカメラであり、使用者が注視する方向を撮像する。カメラ13は、ディスプレイ部10の前面において、導光板11R、11Lを透過する外光を遮らない位置に配置されている。
【0021】
また、ディスプレイ部10には、ジャイロセンサ、ノックセンサ、加速度センサなど、複数のセンサ(不図示)が内蔵されている。
【0022】
本実施形態のヘッドマウントディスプレイ100には、使用者の頭部に装着された上記ディスプレイ部10を保持するためのフレーム1が着脱可能に装着される。
【0023】
図3に示すように、フレーム1は、略U字状の外形を有するフレーム本体1Aと、フレーム本体1Aの前面中央部に設けられ、フレーム本体1Aに連接された装着部1Bと、フレーム本体1Aの左右両側に設けられた一対のパッド1R、1Lとで構成されている。
【0024】
フレーム本体1Aは、装着時(
図5参照)に使用者の側頭部に当接する部分であり、使用者の頭部への装着および頭部からの取り外しを容易にするために、弾性変形し易い合成樹脂等の可撓性材料で構成されている。装着部1Bは、フレーム本体1Aと同一の材料で一体に成形してもよく、フレーム本体1Aと異なる可撓性材料で構成してもよい。
【0025】
図示のフレーム1をヘッドマウントディスプレイ100のディスプレイ部10に装着するには、装着部1Bを指で把持し、装着部1Bの下端部をディスプレイ部10の前面中央部の長溝15(
図4参照)に嵌め込むだけでよい。また、長溝15に嵌め込まれた装着部1Bを指で把持して引っ張れば、装着部1Bの下端部が弾性変形して長溝15から容易に外れるので、フレーム1をディスプレイ部10から容易に取り外すことができる。なお、フレーム本体1Aに連接する装着部1Bの取り付け位置や形状、ディスプレイ部10に設ける長溝15の取り付け位置や形状等、ディスプレイ部10に対するフレーム1の着脱方法は、図示の例に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能である。
【0026】
フレーム1に設けられた一対のパッド1R、1Lのそれぞれは、フレーム本体1Aの下面に突設されており、装着時(
図5参照)に使用者の頬に当接する。すなわち、フレーム1は、フレーム本体1Aが使用者の側頭部に当接し、且つ一対のパッド1R、1Lが使用者の頬に当接することによって、使用者の頭部に装着されたディスプレイ部10を確実に保持するように構成されている。
【0027】
図示の例では、一対のパッド1R、1Lのそれぞれは、前方に向かって突設されている。このように、パッド1R、1Lを前方に向かって突設した場合は、パッド1R、1Lを後方に向かって突設した場合に比べて、ディスプレイ部10の保持能が向上することが本発明者の検討や試着者からのアンケート調査によって判明している。
【0028】
以上のように構成された本実施形態のフレーム1を備えたヘッドマウントディスプレイ100によれば、フレーム単独でディスプレイ部を保持する従来技術に比べてディスプレイ部を確実に保持することが可能となる。
【0029】
また、フレームと鼻パッドによってディスプレイ部を保持する従来技術のように、鼻にかかる重量負担がないので、ヘッドマウントディスプレイ100を長時間に亘って快適に装着することができる。
【0030】
さらに、フレーム1がディスプレイ部10に対して着脱可能に装着されるので、使用者各人が自分専用のフレーム1を所有することにより、ヘッドマウントディスプレイ100を装着する際に、他の使用者の肌に触れたフレームや鼻パッドに触れる不快感を解消することができる。
【0031】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0032】
例えば、ディスプレイ部10がフレーム1の装着部1Bに対して回動可能に支持される構造としてもよい。
【0033】
このようにした場合は、
図6に示すように、使用者がディスプレイ部10を手動で跳ね上げることにより、ヘッドマウントディスプレイ100を頭部に装着したままで肉眼による前方の視認が可能となり、且つ跳ね上げられたディスプレイ部10を手動で元の位置に戻すことにより、ディスプレイ部10に表示される画像を直ちに視認することが可能となるので便利である。
【符号の説明】
【0034】
1:フレーム
1A:フレーム本体
1B:装着部
1R:パッド
1L:パッド
10:ディスプレイ部
11R:導光板
11L:導光板
12R:表示ユニット
12L:表示ユニット
13:カメラ
14:ケーブル
15:長溝
100:ヘッドマウントディスプレイ